JP4157198B2 - 既設管路のフランジ部接合構造 - Google Patents

既設管路のフランジ部接合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設管路のフランジ部接合構造に関し、さらに詳しくは、ガス配管等の既設管路に介在されているバルブ等のフランジ部からガスが漏洩するのを未然に防止できるフランジ部の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス配管等の既設管路には、その系路に各種のバルブ等が介在されている。これらのバルブ等は、既設管路の開口端部に形成されているフランジ同士を接合する際にフランジ面にシ―ル用パッキング材を配置した状態でボルト結合される構造が多い。
【0003】
このような既設管路に介在するフランジ接合部は、経年によりパッキング材が老化したり、あるいは管路の上(道路)を通行する車両の振動や地震等に起因してフランジ部のボルト・ナットが緩んだり、ボルトが破断して、フランジ接合部からの漏洩事故が発生することが懸念される。
【0004】
この対策として、従来では、衝合されたフランジ接合部に跨ってその外周を環状リングにより囲繞するようにシール補強した構造(例えば、特開昭57−15188号公報)、あるいはフランジ接合部を囲むカバー枠内に、樹脂等のシール材を充填させた構造(例えば、特開昭57−76396号公報、特開昭57−116992号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のフランジ接合部を取り付けるに際しては、後々に発生することが予測されるガス漏洩に対して、漏洩検知が可能な方策と、再修理が可能な方策とを考慮しておく必要もある。
【0006】
さらにフランジ接合部の取付施工にあたっては、施工後の耐震性を考慮して、フランジ部のボルト・ナット回りの部分は高強度に補修して剛性を高め、フランジ接合面の部分は高弾性に補修して気密性を高めると共に、補強手段がバルブ本体に対して悪影響を与えないように対策しておく必要もある。
【0007】
このような要求に対し、フランジ接合部に有するボルト・ナットの露出部を埋め込むようにして樹脂を用いた被覆層を設けてボルト・ナット回りの剛性を高めるようにした構造が提案されている(例えば、本出願人の先願に係る特願平7ー251425号)。
【0008】
しかし、樹脂の被覆層を設けた構造では、次のような問題があることが発見された。
【0009】
図7は、管路中に遮断弁などを介在させて連結した場合を示しており、同図において、遮断弁30側のフランジ部30A、30Bは、ボルト31およびナット32により管路33側のフランジ部33Aと締結することで連結されており、そのフランジ部30A、30Bおよびボルト31、ナット32を埋め込んだ状態で樹脂の被覆層34が設けられている。
【0010】
このようなフランジ接合部に対して地震等の際の外力によって符号Fで示す方向に管が引っ張られると、フランジ部30A、30Bおよび33Aが符号Fで示す方向に引き摺られて位置ずれを起こすと、フランジ部30A、30Bと33Aとが離れる方向の変形を起こす。
【0011】
フランジ部30A、30Bおよび33Aが引き摺られると、フランジ部30A、30Bおよび33Aはその基部が外側に向け広がるのに連動してその外周囲にある樹脂の被覆層34が内側から押されることになる。このため、樹脂の被覆層34はフランジ部30A、30Bの延長位置で内側からの負荷が増加し、その外表面が拡開する方向に負荷が作用しやすくなり、最悪の場合には亀裂を生じ、その亀裂からガスが漏洩する虞がある。
【0012】
一方、フランジ部30A、30Bへの外力は、上記した符号Fで示す方向だけでなく、その方向と逆方向(図7中、符号F’で示す方向)に作用する場合もある。この場合には、上記した符号F’で示す方向の外力が遮断弁30の中央側に向け作用し、遮断弁30を圧縮変形させる虞がある。しかも、その方向の外力がなくなった際に、それまで圧縮されていたフランジ部30A、30Bが元の形状に復帰する際の慣性力によってフランジ部30A、30B同士が離れることもあり、上述した符号Fの方向と同様に、接合面からガスが漏洩することがある。
【0013】
また、樹脂の被覆層34により周囲を被覆されているフランジ部30A、30Bおよび33Aは、上述したように外力(符号Fで示す方向の力)により接合面が拡開した場合あるいは亀裂が生じた場合に管路内から漏れたガスが充満する虞がある。しかも、このようなガス漏れなどを防止するために、被覆層として用いられる樹脂の充填量を多くすることも考えられるが、充填量を多くすると経済コストも嵩み、経済的なガス漏れ防止を図ることができなくなる。
【0014】
さらに、上述したように、遮断弁30と管路33との連結部を対象として樹脂を充填する場合、例えば、遮断弁30が地面を掘削して形成されたバルブピット内に配置されている際には、バルブピット内に樹脂を充満させることもあり、この場合には、遮断弁30に形成されている保守用開口も樹脂によって塞がれてしまう。このため、弁の保守を行う際には樹脂を剥がす等の余分な作業が必要となる。
【0015】
本発明の目的は、上記従来のフランジ部の接合構造における問題に鑑み、接合部でのフランジ部同士の剥離を確実に防止してガス漏れなどの不具合を完全に解消することができるとともに、この不具合を解消するための樹脂の使用量を低減して経済性を向上させるとともに、管路中に介在させられる部材に対する作業性を悪化させないですむ構成を備えたフランジ部の接合構造を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、既設管路の系路に介在されるバルブ等のフランジ部接合構造において、上記既設管路の敷設方向に沿って対向し、上記フランジ部の外側に配置されている一対の当て板と、上記当て板に延長方向端部を貫通させた連結棒とを備え、上記当て板の少なくとも外側で上記連結棒をボルト締めすることにより上記フランジ部同士をその対向間隔が変化しないように挟持し、上記フランジ部および上記当て板を埋め込んだ状態で高強度樹脂を充填してなることを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の既設管路のフランジ部接合構造において、上記連結棒は、上記当て板の厚さ方向両側面でそれぞれ締結されていることを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の既設管路のフランジ接合構造において、上記当て板間には、その当て板間に亘ってその外周囲を囲繞する状態で張設される高張力性および樹脂含浸性を有した繊維が設けられ、この繊維によって上記高強度樹脂の外周囲を囲繞することを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の既設管路のフランジ部接合構造において、上記フランジ部は、その周囲をテープ部材により被覆され、そのテープ部材で密封されたフランジ接合部に、その一端開口部が連通し他端開口部が大気に開放している管材を立設することを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、地中に埋設された既設管路に形成されたバルブピット内で既設管路とバルブとを連結するために用いられるフランジ部接合構造において、上記バルブピット内で、上記既設管路の敷設方向に沿って対向し、上記フランジ部の外側に配置されている一対の当て板を設け、その当て板同士に挿通された連結棒を上記当て板の厚さ方向両側面で締結したうえで、その当て板間に亘って繊維を張設し、少なくとも対向するフランジ同士を内側に含む空間を型枠にて形成して、その型枠に上記高強度樹脂を充填することを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のうちの一つに記載の既設管路のフランジ部接合構造において、上記フランジ部の表面は、上記高強度樹脂充填前に研磨されることを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の既設管路のフランジ部接合構造において、上記バルブの上部に設けられている保守用開口には、その開口位置を上記高強度樹脂の充填高さよりも高い位置に嵩上げする嵩上げ部材が装着されていることを特徴としている。
【0023】
【作用】
請求項1および2記載の発明では、フランジ部に当接させた当て板の厚さ方向一方に相当する外側および厚さ方向両側面で締め付けを行うことにより、当て板の位置保持が行えるので、既設管路の敷設方向に沿った外力が作用した場合においてもフランジ部の接合状態を強固に保持することができる。これにより、接合部が離間するようなことがないので、接合部からの流体の漏れを防止することができる。
【0024】
請求項3記載の発明では、当て板間に亘ってその外周囲を囲繞する状態で張設される高張力性および樹脂含浸性を有した繊維が設けられ、この繊維によって上記高強度樹脂の外周囲を囲繞しているので、高強度樹脂の曲げ剛性および引張り剛性を高めるための補強材として上記繊維を用いることができる。
【0025】
請求項4記載の発明では、フランジ部の周囲をテープ部材により被覆して接合部が密封され、その密封空間内の接合部から漏れ出したガスは管材に流入するため、該管材の開口部を塞ぐことによりガス漏洩を防止することができる。さらには、該管材の開口部より樹脂を圧入することにより、フランジ部の漏洩箇所を補修することができる。
【0026】
請求項5記載の発明では、バルブと既設管路との接合部が位置するバルブピット内においてフランジ部を対象とした高強度樹脂充填空間を型枠によって構成することができるので、高強度樹脂の充填量をガス漏れなどが生じる箇所を対象とした必要最小限に抑えることができる。
【0027】
請求項6記載の発明では、フランジ部の表面が研磨された上で高強度樹脂の充填により被覆されるので、樹脂とフランジ表面との密着性が改善されて樹脂による封止が良好に行える。
【0028】
請求項7記載の発明では、バルブに有する保守用開口が嵩上げ部材によって高強度樹脂の充填位置よりも高くされたと同じとなるので、フランジ部が樹脂により封止された場合でも保守用開口が塞がれることなく、外部から弁の保守作業が行える。
【0029】
【実施例】
以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施例によるフランジ部接合構造を示す模式図であり、同図において符号1、1’は地中に埋設されている既設管路を示し、この既設管路1、1’には、その敷設方向途中に遮断弁2が連結されている。
【0031】
既設管路1、1’と遮断弁2とは、それぞれ既設管路側のフランジ部1A、1A’と遮断弁2側のフランジ部2Aとが締結されて一体的に連結されている。
【0032】
このような連結部は、図示しないが、地中に形成されたバルブピットで構成された空間内に位置しており、遮断弁2の上部に形成されている保守用開口は、バルブピットの上部から開閉できるようになっている。バルブピットは、通常図示しない蓋部材によって閉じられている。
【0033】
各フランジ部1A、1A’および2Aのうちで、既設管路1、1’のフランジ部1A、1A’の外側には当て板3が配置され、この当て板3が遮断弁2を跨いだ状態で既設管路1、1’の敷設方向に沿って対向し、互いに連結されている。
【0034】
つまり、当て板3は、図2に示すように、周方向で二分され、既設管路1、1’のフランジ部1A、1A’と当接可能なリング状部材で構成され、分割位置には互いに当接する連結部3Aが形成され、周方向に沿っては、複数の連結棒挿通孔3Bが形成されている。
【0035】
当て板3は、周方向で連結部3Aが締結されることにより既設管路1、1’に挿嵌され、連結棒挿通孔3Bよりも既設管路の中心寄りの面が既設管路1、1’のフランジ部1A、1A’に当接できるようになっている。
【0036】
図1において当て板3の連結棒挿通孔3Bには、連結棒4の端部が挿通されるようになっている。
【0037】
連結棒4は、軸方向一端にボルト頭を有し、軸方向全域に亘ってネジが形成されたボルトで構成されており、そのネジ部には、当て板3の厚さ方向両側面においてナット4Aが締め付けられるようになっている。このため、当て板3は、フランジ部1A、1A’の外側に当接させて位置決めされたうえで、その厚さ方向両側面をボルト頭とナット4Aおよびナット4A同士により挟持され、既設管路1、1’に作用する軸方向の外力に対して当て板3を不動状態に保持している。
【0038】
本実施例は以上のような構成であるから、バルブピット内にて既設管路1、1’と遮断弁2とが連結されると、既設管路1、1’側のフランジ部1A、1A’の外側に当て板3が配置され、これら当て板3に連結棒4が挿通されたうえで当て板3の厚さ方向両側面がボルト頭とナット4Aおよびナット4A同士で締め付けられて挟持される。
【0039】
連結棒4の締結作業が行われると、当て板3同士がフランジ部1A、1A’の外側面に当接した状態で既設管路1、1’の敷設方向への移動を規制されるので、敷設方向に沿った外力、つまり、図7において符号F、F’で示した方向の外力が作用した場合でも、フランジ部1A、1A’と2Aとの密着度が高められた状態に維持できる。
【0040】
この状態において、当て板3の外周囲には、図1に示すように、繊維5が配置される。
【0041】
繊維5は、高張力性であるとともに樹脂含浸性を有する材質を用いて平織あるいはネット状に織り込まれた帯状部材であり、当て板3間に亘ってその外周囲を囲繞する状態で捲装されて張設される。なお、図1では、繊維5が捲装されている状態を二点鎖線で示してある。繊維5に用いられる材質としては、カーボン繊維さらにはガラス繊維などが用いられる。
【0042】
繊維5は、これが張設されている当て板3間の内部空間に充填される高強度樹脂6の外表面に位置し、高強度樹脂の曲げ剛性および引張り剛性を高めるための補強材として用いられる。
【0043】
高強度樹脂6は、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル系樹脂あるいは硬度の高いウレタン系樹脂が用いられ、フランジ部1A、1A’および2Aを埋め込んだ状態が得られるように充填される。
【0044】
高強度樹脂6が充填される際には、フランジ部1A、1A’および2Aの表面がサンドブラスト処理などによって研磨される。これにより、高強度樹脂6とフランジ部の表面との間で異物などの存在による接着不良を生じるのが防止されるようになっている。
【0045】
以上のような実施例によれば、高強度樹脂6を充填する前に当て板3同士をフランジ部1A、1A’の外側に当接させた状態で位置決めし、その状態を当て板3の厚さ方向両側面の締め付けにより維持することにより、フランジ部1A、1A’に当接している遮断弁2側のフランジ部2Aとの密着性が高められてフランジ部1A、1A’とフランジ部2Aとの間での剥離強度が高められる。
【0046】
次ぎに本発明の別実施例を図3により説明する。
【0047】
本実施例は、フランジ部1A、1A’および2Aの接合部から漏れ出したガスを管材7に流入させるようにしている。なお、図3において図1および図2に示した部材と同じ構成部品については同符号により示してある。
【0048】
図3において、既設管路1、1’のフランジ部1A、1A’と遮断弁2のフランジ部2Aとの接合部外周には、その接合部を含む範囲を囲繞する状態で捲装されたテープ部材Tが設けられている。テープ部材Tは、フランジ部の接合部外部から密封しており、その密封空間内に管材7の一端が連通させてある。
【0049】
管材7の他端は、大気に連通しており、密封空間内で接合部から漏洩した場合、ガスは管材7に流入するようになる。
【0050】
本実施例は以上のような構成であるから、図1に示した実施例と同様に、当て板3間の内部空間に高強度樹脂6が充填された後、既設管路1、1’と遮断弁2との接合部からガスが漏洩した場合には、テープ部材Tによってその接合部が密封されているので、高強度樹脂6中にガスが漏れ出すことはなく、密封空間に一端が連通している管材7に流入するようになる。そのため、必要に応じて漏洩ガスを大気放散することができ、また、前記管材の大気側開口部を塞ぐことでガス漏洩を防止することができる。さらには、前記管材7の大気側開口部よりシール材を圧入することで漏洩箇所を補修することができる。
【0051】
次ぎに本発明の他の実施例を図4において説明する。
【0052】
本実施例は、既設管路1、1’と遮断弁2との連結部が位置するバルブピット内での高強度樹脂の充填量を低減することを特徴としている。なお、図4において、図1乃至図3に示したものと同じ構成部品については同符号により示してある。また、繊維5に関しては、図3と同様に符号のみが示してある。
【0053】
図4において、既設管路1、1’のフランジ部1A、1A’と遮断弁2のフランジ部2Aとは、地面を掘削されて形成されたバルブピットB内に配置されている。
【0054】
バルブピットB内は、フランジ部1A、1A’および2Aが締結されている箇所を含む空間が樹脂充填用空間を内部に有する型枠8によって形成されている。
【0055】
型枠8の対向間隔(L1)は、フランジ部1A、1A’および2Aを含む最小限の間隔とされている関係上、バルブピットBの幅(L)よりも狭くされている。
【0056】
型枠8は、一面、本実施例では、バルブピットB内の底部に対向する面が開放された箱体で構成されており、開放された面に位置する辺部がバルブピットBの底部に定置させてある。型枠8の側面壁には、充填用開口8Aが形成されており、この開口8Aに図示しない充填用パイプが連結されて高強度樹脂6が充填されるようになっている。なお、型枠8には、図示しないが、充填時での充填用空間内の空気抜き部が充填される高強度樹脂6の流れ出しを起こさない位置に形成されている。
【0057】
本実施例は以上のような構成であるから、型枠8によって形成された空間内に充填用開口8Aから高強度樹脂6が充填される。樹脂充填用空間内に充填された高強度樹脂6は、充填用開口8Aを境にして両側のフランジ部1A、1A’および2Aの位置に流れ、フランジ部の接合部を封止することができる。型枠8内に充填された高強度樹脂6は、当て板3間に張設されている繊維5を内包する状態となるが、型枠8の上面と当て板3の外周面との間の距離およびバルブピットBの底部と当て板3の外周面との間の距離を小さくすることで、繊維5を高強度樹脂6の表層近くに位置させることができる。これにより、繊維5は、高強度樹脂6に作用する曲げ力や引張り力に対して高強度樹脂6が変形する前に剛性を発揮することができる。
【0058】
このような構成によれば、型枠8で形成された空間は、最小限、フランジ部1A、1A’および2Aを封止できる量の高強度樹脂6を充填することができるので、バルブピットB内全域に充填する場合に比べて高強度樹脂6の使用量を低減できる。
【0059】
次に本発明のさらに別の実施例を図5により説明する。
【0060】
本実施例は、高強度樹脂が充填される遮断弁2の保守用開口の位置を高強度樹脂の充填空間よりも高い位置に設けたと同じ構成としたことを特徴としている。なお、図5において図1乃至図4に示したものと同じ構成部品については同符号により示してある。
【0061】
図5において、遮断弁2の上部に設けられている保守用開口には、嵩上げ部材10が装着されている。
【0062】
嵩上げ部材10は、図6(B)に示すように、遮断弁2に有する保守用開口2Bに連通する貫通孔を内部に有し、通常、遮断弁2の保守用開口2Bに取り付けられる蓋部材11を貫通孔の一方端に取り付けることができる構成とされ、その貫通孔の貫通方向に沿った高さ(H)が、図1に示した当て板3あるいは図4に示した型枠8の上面に相当する高強度樹脂6の充填高さよりも高い位置に蓋部材11の取付位置が設置できる高さとされている。つまり、図6(A)に示すように、通常、遮断弁2の保守用開口2Bに装着される蓋部材11の位置が図6(B)に示すように嵩上げされている。
【0063】
本実施例は以上のような構成であるから、図1に示した当て板3あるいは図4に示した型枠8の上面が相当する高強度樹脂6の充填高さよりも上位に外部と連通可能な貫通孔を有する嵩上げ部材10を遮断弁2の保守用開口2Bに取り付けたので、高強度樹脂6が充填されてフランジ部1A、1A’および2Aが封止された場合でも高強度樹脂6の上位において遮断弁2の保守点検作業を行うことができる。これにより、フランジ部1A、1A’および2Aが高強度樹脂6によって封止された後においても、樹脂をはがしたりする作業を要することなく遮断弁2の保守作業が可能になる。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1および2記載の発明によれば、フランジ部に当接させた当て板の厚さ方向一方に相当する外側および厚さ方向両側面で締め付けを行うことにより、当て板の位置保持が行えるので、既設管路の敷設方向に沿った外力が作用した場合においてもフランジ部の接合状態を強固に保持することができる。これにより、接合部が離間するようなことがないので、接合部からの流体の漏れを防止することが可能になる。
【0065】
請求項3記載の発明によれば、当て板間に亘ってその外周囲を囲繞する状態で張設される高張力性および樹脂含浸性を有した繊維が設けられ、この繊維によって上記高強度樹脂の外周囲を囲繞しているので、高強度樹脂の曲げ剛性および引張り剛性を高めるための補強材として上記繊維を用いることができる。これにより、高強度樹脂が外力によって破断するようなことが防止されるので、接合部を高強度樹脂により密封してガスなどの流体が漏れるのをより効果的に防止することが可能になる。
【0066】
請求項4記載の発明によれば、フランジ部の周囲をテープ部材により被覆して接合部が密封され、その密封空間内の接合部から漏れ出したガスは管材に流入するため、該管材の開口部を塞ぐことによりガス漏洩を防止することができる。さらには、該管材の開口部より樹脂を圧入することにより、フランジ部の漏洩箇所を補修することができる。
【0067】
請求項5記載の発明によれば、バルブと既設管路との接合部が位置するバルブピット内においてフランジ部を対象とした高強度樹脂充填空間を型枠によって構成することができるので、高強度樹脂の充填量をガス漏れなどが生じる箇所を対象とした必要最小限に抑えることができ、接合部での流体の漏洩防止のためのコストを低いものとすることが可能になる。
【0068】
請求項6記載の発明によれば、フランジ部の表面が研磨された上で高強度樹脂の充填により被覆されるので、樹脂とフランジ表面との密着性が改善されて樹脂による封止が良好に行える。これにより、接合部での密着不良による流体の漏出を効果的に防止することが可能になる。
【0069】
請求項7記載の発明によれば、バルブに有する保守用開口が嵩上げ部材によって高強度樹脂の充填位置よりも高くされたと同じとなるので、フランジ部が樹脂により封止された場合でも保守用開口が塞がれることなく、外部から弁の保守作業が行える。これにより、接合部での高強度樹脂に充填による流体の漏洩を防止した場合でも外部からのバルブ操作を始めとする保守作業を妨げないようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による接合構造を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した接合構造に用いられる当て板の構成を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の別実施例による接合構造を説明するための模式図である。
【図4】本発明の他の実施例による接合構造を説明するための模式図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例による接合構造を説明するための模式図である。
【図6】図5に示した接合構造における遮断弁に設けられる蓋部材の取付構造を説明するための図であり、(A)は従来の構造を、(B)は図5に示した接合構造に用いられる嵩上げ部材を用いた場合の構造をそれぞれ示している。
【図7】従来のフランジ部接合構造を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1、1’ 既設管路
1A、1A’ フランジ部
2 バルブの一つである遮断弁
2A フランジ部
3 当て板
4 連結棒
5 繊維
6 高強度樹脂
7 管材
8 型枠
9 抜気パイプ
10 嵩上げ部材
T テープ部材
B バルブピット
L バルブピットの幅
L1 型枠間の間隔

Claims (7)

  1. 既設管路の系路に介在されるバルブ等のフランジ部接合構造において、
    上記既設管路の敷設方向に沿って対向し、上記フランジ部の外側に配置されている一対の当て板と、
    上記当て板に延長方向端部を貫通させた連結棒とを備え、
    上記当て板の少なくとも外側で上記連結棒をボルト締めすることにより上記フランジ部同士をその対向間隔が変化しないように挟持し、上記フランジ部および上記当て板を埋め込んだ状態で高強度樹脂を充填してなることを特徴とする既設管路のフランジ部接合構造。
  2. 請求項1記載の既設管路のフランジ部接合構造において、
    上記連結棒は、上記当て板の厚さ方向両側面でそれぞれ締結されていることを特徴とする既設管路のフランジ部接合構造。
  3. 請求項1記載の既設管路のフランジ接合構造において、
    上記当て板間には、その当て板間に亘ってその外周囲を囲繞する状態で張設される高張力性および樹脂含浸性を有した繊維が設けられ、この繊維によって上記高強度樹脂の外周囲を囲繞することを特徴とする既設管路のフランジ部接合構造。
  4. 請求項1記載の既設管路のフランジ部接合構造において、
    上記フランジ部は、その周囲をテープ部材により被覆され、そのテープ部材で密封されたフランジ接合部に、その一端開口部が連通し他端開口部が大気に開放している管材を立設することを特徴とする既設管路のフランジ部接合構造。
  5. 地中に埋設された既設管路に形成されたバルブピット内で既設管路とバルブとを連結するために用いられるフランジ部接合構造において、
    上記バルブピット内で、上記既設管路の敷設方向に沿って対向し、上記フランジ部の外側に配置されている一対の当て板を設け、その当て板同士に挿通された連結棒を上記当て板の厚さ方向両側面で締結したうえで、その当て板間に亘って繊維を張設し、少なくとも対向するフランジ同士を内側に含む空間を型枠にて形成して、その型枠に上記高強度樹脂を充填することを特徴とする既設管路のフランジ部接合構造。
  6. 請求項1乃至5のうちの一つに記載の既設管路のフランジ部接合構造において、
    上記フランジ部の表面は、上記高強度樹脂充填前に研磨されることを特徴とする既設管路のフランジ部接合構造。
  7. 請求項5記載の既設管路のフランジ部接合構造において、
    上記バルブの上部に設けられている保守用開口には、その開口位置を上記高強度樹脂の充填高さよりも高い位置に嵩上げする嵩上げ部材が装着されていることを特徴とする既設管路のフランジ部接合構造。
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