JP4151921B2 - パチンコ機電動役物およびその運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、玉の遊動状況がパチンコ機外部から観察できる玉遊動ゾーンを備えたパチンコ機電動役物およびその運転方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機の遊技盤面には幾つかの種類に役物が配設されている。それには、周囲に複数のガイド釘を配置しているものの、入賞用の転入口が単に開口しているだけの単純なものから、通称チューリップで代表される、ある時間だけ開いて入賞確率が飛躍的に大きくなる開閉蓋付き転入口形式のもの、あるいは、転入した玉をゆっくり水平回転するポケット付き円盤に誘導し、玉を水平方向に動かしてその運動軌跡に変化を与えるようなものまで、種々趣向を凝らしたものが実用化されている。
【0003】
しかしながら、このような、従来の役物では、基本的には入賞した玉が単に通過する通路としての役割しか果たしていなかった。役物内に転入した玉は、何らかの駆動源の力が加わって、ある種の動きをする場合でも、また自然の動きに任せる場合でも、その動きは概ね容易に予想することができる程度のものであり、決まったルートあるいは軌道を通って、決まった時間経過で役物内から排出されてしまうので、役物内における玉の動きそのものに対する期待感が少なく、面白味に欠けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、遊技者に強い関心や期待感を持たせるような、予想しにくい玉の運動軌跡を可能とするパチンコ機電動役物およびその運転方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためになされた本発明のパチンコ機電動役物は、パチンコ機の盤面に設けられ、転入してきた玉に所定の遊動運動を行わせるためのパチンコ機電動役物であって、
玉の遊動状況がパチンコ機外部から観察できる玉遊動ゾーンを垂直面に形成するとともに、その玉遊動ゾーンの両側下部の端部には転入した玉を上方に弾き返す玉加速装置が配置され、
かつそれぞれの球加速装置の上方には、相手の球加速装置に向けて球を送り出す誘導ガイドを配設して、左右の球加速装置の相互間において球を交互に弾き返すようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
上記した発明において、球加速装置と誘導ガイド部材の間に、転入した球を保持するための球保持部材を設けることができる。
【0007】
また、本願発明は、パチンコ機の盤面に設けられたパチンコ機電動役物の運転方法であって、垂直面に形成した玉遊動ゾーンの両側下部の端部に配置した玉加速装置により、転入した球を上方に弾き返すとともに、
球加速装置の上方に配置した球ガイド部材により弾き返された球を、相手の球加速装置に向けて送り出して、左右の玉加速装置の相互間において、玉を交互に送り返すことにより往復遊動させることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のパチンコ機電動役物に係る実施形態を図1〜5を参照して説明する。
パチンコ機1の正面要部を示す図1において、正面の盤面11のほぼ中央には電動役物2が配設してある。そして、この電動役物2には、玉の遊動状況がパチンコ機1外部から観察できる玉遊動ゾーン21が形成され備えられている。
【0009】
また、図2に示すように、この玉遊動ゾーン21の両側下部の端部には転入した玉をその玉遊動ゾーン21内に打ち出す玉加速装置3a、3bが取り付けられている。この場合、玉加速装置3は、玉遊動ゾーン21の少なくとも一方の端部に設ければ、本発明の目的を達することができる。
【0010】
この玉加速装置3a、3bとしては、図2では、突き上げピン(図示せず)を内蔵した電磁駆動タイプのソレノイド装置が例示してある。この玉加速装置3aの上方には、玉保持部材32が設けられ、さらにその上方には、この玉加速装置3aによって打ち出された玉を玉遊動ゾーン21内方向に誘導する誘導ガイド33が設けられている。
【0011】
また、玉加速装置3aを縦断する側面断面である図3に示すように、この電動役物2には、転入する玉pをその転入口31aからから玉加速装置3aの上方の玉保持部材32まで導く玉転入通路31が備えられている。図3の事例においては、この玉転入通路31は、盤面表面11a側の転入口31aから盤面部材をくぐり抜けて、裏面側に設けられた、玉加速装置3aの上方の玉保持部材32にまで形成されているのである。
【0012】
次に、本発明のパチンコ機電動役物の運転方法について、前記電動役物の構造および操作を示す図2、4、5を参照して説明する。
本発明の運転方法は、パチンコ機の盤面の中央に設けられたパチンコ機電動役物2の運転方法であって、先ず、玉pの遊動状況がパチンコ機外部から観察できる玉遊動ゾーン21の左右下部に配置した電磁ソレノイドを駆動源とした玉加速装置3a、3bのいずれか一方に(図4では、右側の玉加速装置3aの方に玉が入った場合を示している)、転入した玉pを誘導して、内蔵した突き上げピン30を緩急自在な速度で突き上げて、玉pを誘導ガイド33に沿って左上方に、p1 →p2 →p3 のように加速跳躍させて送り出す。
【0013】
このように右側の玉加速装置3aによって送り出された玉は、玉遊動ゾーン21を右から左に向かって横切り、図5のp4 →p5 →p6 →p7 の順に示すように、左側の玉保持部材32に到着するのであるが、本発明の方法では、次いで、先の場合と同様に、左側の玉加速装置3bに内蔵した突き上げピンを突き上げて、到着した玉p7 を右上方に、p6 →p5 →p4 のように加速跳躍させて送り返し、左右の玉加速装置3a、3bの相互間において、このようにして玉pを交互に弾き返すことにより往復遊動させるのである。
【0014】
この説明では、玉遊動ゾーンの右側から玉の往復運動が開始される例を説明したが、往復運動の始動は玉遊動ゾーンのいずれ側から始まっても差し支えがないのは、いうまでもない。また、ある程度往復遊動が繰り返された後、玉は適宜排出口から排出するか、あるいは入賞口に誘導して入賞操作に移ることができるものである。
【0015】
以上の通り、本発明では、役物内に転入した玉に対して、玉加速装置の駆動力により遊動ゾーン内に送り込んで遊動させ、さらには往復運動を行わせることができ、また、玉加速装置の駆動力を変化させれば役物内の玉の運動軌跡、所要時間などが予想できないので、玉が役物外に排出されるまで、玉に対する遊技者の関心や期待感をより一層高めたり持続させたりすることができる。このように、役物に玉の通路の役割の他に、遊技者を楽しませることのできる新たな付加価値を与えることができるのである。
【0016】
上記の実施形態では、玉遊動ゾーンをほぼ垂直面に形成し、その面内において左右の設けた電磁ソレノイド装置のような玉加速装置によって、玉を跳躍させ往復運動させるものであるが、本発明は、この形態に限定されるものではなく、例えば、玉遊動ゾーンをほぼ水平面に形成し、その一端に設けた玉加速装置によって、転入した玉をその玉遊動ゾーンの表面上に緩急自在な速度で送り出し、その慣性によって遊動させ、さらには、玉遊動ゾーンの面に予め勾配を設けておき、自重で当初の送り出し位置に戻るようにし、さらに送り出し操作を繰り返すように、運転する方法として、具体化することもできる。
【0017】
また、この場合、玉を送り出す玉加速装置を玉遊動ゾーンを挟んで対向させて配置したり、または、玉遊動ゾーンの水平面に、時間とともに、全面的にまたは部分的に変化する勾配を与えることにより、遊動する玉の運動が複雑な予期できない軌跡を描くように設定することもできる。
【0018】
さらには、本発明においては、上記実施形態に基づいて説明された態様のほか、その構成を以下のように具体化して実施することもできる。
(1) 玉の遊動時間あるいは往復回数に対応して、玉加速装置の駆動力を所定のパターンで変化させて、玉の運動軌跡を変化させる。
(2)玉加速装置の駆動力を時間とともにランダムに変化させて、玉の運動軌跡を変化させる。
【0019】
(3)一方の玉加速装置によって送出されたた玉を受けて他方の玉加速装置の方に誘導する誘導ガイドなど受け口形状を拡径形状に形成して、玉の受入れ、誘導を確実にできるようにする。
【0020】
(4)誘導ガイドの構成材料を、衝撃を吸収しやすいゴム、ハネナイトなど軟質材料を用いて、玉の運動力を吸収して、その跳ね返りを抑制するようにする。
【0021】
(5)玉加速装置の上方に位置する玉加速待機位置には、内側がすり鉢状のリング形状の玉保持部材を取りつけて、玉の停止位置を確実かつ安定させる。
(6)この玉保持部材を、クッション性またはダンパー性を付与する軟質材料で形成して、玉の動きをさらに安定させる。
【0022】
(7)前記玉加速待機位置には、玉の有無を検出して駆動源の運転をオンオフするセンサを設けて、玉が待機しているときに駆動するようにし、電力などの節約、関連機器の摩耗防止を意図する。
(8)玉加速装置の駆動源として、電磁ソレノイド装置の代わりに電気モータを応用した、回転体の遠心力、あるいはクランク軸の操作力を利用する。
(9)玉遊動ゾーンに玉が存在するときに、玉転入通路を閉鎖するためのシャッタを設けて、玉遊動ゾーンに複数の玉が入って玉の円滑な運動が阻害されるのを防止する。
【0023】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機電動役物およびその運転方法は、以上に説明したように構成されているので、役物内の玉にその運動軌跡、所要時間などが予想できないような往復、跳躍運動を行わせることが可能となり、遊技者の関心や期待感をより一層高めることができる。また、玉のあたかも演じるかのようなパフォーマンスを楽しむという遊び心を付け加えるなど、新たな付加価値を与えることができるという優れた効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消したパチンコ機電動役物およびその運転方法として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパチンコ機の前面を示す要部正面図。
【図2】本発明のパチンコ機の電動役物の正面断面略図。
【図3】図2の電動役物の玉加速装置の部分の側面断面略図。
【図4】玉遊動ゾーン右側における玉の動きを例示する正面断面略図。
【図5】玉遊動ゾーン左側における玉の動きを例示する正面断面略図。
【符号の説明】
1 パチンコ機
2 電動役物
3、3a、3b 玉加速装置
11 盤面
21 玉遊動ゾーン
30 突き上げピン
31 玉転入通路
31a 転入口
32 玉保持部材
33 誘導ガイド
p 玉
Claims (3)
- パチンコ機の盤面に設けられ、転入してきた玉に所定の遊動運動を行わせるためのパチンコ機電動役物であって、
玉の遊動状況がパチンコ機外部から観察できる玉遊動ゾーンを垂直面に形成するとともに、その玉遊動ゾーンの両側下部の端部には転入した玉を上方に弾き返す玉加速装置が配置され、
かつそれぞれの球加速装置の上方には、相手の球加速装置に向けて球を送り出す誘導ガイドを配設して、左右の球加速装置の相互間において球を交互に弾き返すようにしたことを特徴とするパチンコ機電動役物。 - 球加速装置と誘導ガイド部材の間に、転入した球を保持するための球保持部材を設けた請求項1に記載のパチンコ機電動役物。
- パチンコ機の盤面に設けられたパチンコ機電動役物の運転方法であって、垂直面に形成した玉遊動ゾーンの両側下部の端部に配置した玉加速装置により、転入した球を上方に弾き返すとともに、
球加速装置の上方に配置した球ガイド部材により弾き返された球を、相手の球加速装置に向けて送り出して、左右の玉加速装置の相互間において、玉を交互に送り返すことにより往復遊動させることを特徴とするパチンコ機電動役物の運転方法。
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