JP3994175B2 - パチンコ機の回転円盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の遊技盤に取り付けられるものであって、受け止めたパチンコ球を持ち上げて再び落下させることができるパチンコ機の回転円盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機においては、例えば、遊技盤に取り付けられる入賞装置の態様に回転的な動きを与えることによって、遊技者の興趣を高めていた。そのような入賞装置の一つとして、実開平1−59179号公報に、図13の「パチンコ機の入賞装置」が記載されている。
【0003】
かかる「パチンコ機の入賞装置」は、第1入賞口301と、この第1入賞口301の下方に前面を開放して設けられ底部302の前部に複数の第2の入賞口303、304、305を有した入賞室306と、前記第1入賞口301に入ったパチンコ球を入賞室306内に導く誘導路307と、前記入賞室306の底部302に前方に向かって下り傾斜するように配設され上面部に複数の障害物308を設けた回転盤309とを備え、前記誘導路307を入賞室306の底部後方にまで延長して、該誘導路307の下端出口310を前記回転盤309の傾斜上端近傍に位置せしめ、前記第1入賞口301に入ったパチンコ球を誘導路307により回転盤309の傾斜上端近傍に導き、回転盤309上を転動する間に前記障害物308により不規則に経路変化させて前記第2の入賞口303、304、305のいずれかに誘導するように構成されたものである。
【0004】
すなわち、図13の「パチンコ機の入賞装置」では、複数の障害物308を設けた回転盤309が回転するので、その態様に回転的な動きを与えることができた。また、回転盤309上を落下するパチンコ球は、回転する回転盤309上の障害物308に衝突するので、その経路を不規則的に変化させることができ、その結果、パチンコ球がいずれの第2の入賞口303、304、305に入賞するかは偶然性に左右されるので、各第2の入賞口303、304、305の入賞に重みをつけることによって、遊技者の興趣を高めることができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13の「パチンコ機の入賞装置」では、回転盤309上を落下するパチンコ球がその周縁部にまで到達すると、第2の入賞口303、304、305のうち、その周縁部から真下にあるものにしか入賞できず、かかる観点からみればパチンコ球の流れは単純なものであった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決したものであり、円盤の周縁部にまで到達したパチンコ球を持ち上げて再び円盤上に落下させることによって、円盤の周縁部から落下するパチンコ球の流れに変化を与えることができるパチンコ機の回転円盤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために成された請求項1に係るパチンコ機の回転円盤は、パチンコ機の遊技盤に対して平行に又は傾斜した状態で回転可能に配設された円盤を備えたパチンコ機において、前記円盤の外周部に突設された球受片と、前記円盤の前記球受片より内側の表面に設けられた複数の遊技くぎと、前記球受片に隣接して設けられると共に前記円盤に固定された保留部とを備え、前記円盤上を前記遊技くぎに衝突して落下するパチンコ球は、前記球受片により受け止められるとともに、前記保留部に保留され、円盤の回転に伴って、該保留部が該円盤の上方付近を移動する際に、この保留部から円盤上に放出されて、再び前記遊技くぎと衝突して転動落下することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係るパチンコ機の回転円盤は、請求項1に記載するパチンコ機の回転円盤であって、前記円盤が回転可能に取り付けられる本体と、前記本体の両肩部に該円盤の上部を覆うように設けられて中央部にパチンコ球が入る入口を形成する一対のカバーとを備え、前記各カバーの内側面と前記球受片との間には、パチンコ球が通過可能な隙間が設けられていることを特徴とする
【0009】
【0010】
このような構成を有する本発明のパチンコ機の回転円盤は、パチンコ機の遊技盤に対して平行又は垂直状態でかかる遊技盤に取り付けられ、パチンコ機が可動している状態において、円盤を連続的に又は間欠的に回転させている。従って、円盤の外周に突設された球受片も、円盤の回転に伴って円運動を行う。そして、パチンコ機の遊技盤に向けてパチンコ球が発射されると、円盤上を落下するパチンコ球のうち幾個は、円盤上の周縁部から落下するが、残りの幾個は、上述した円運動を行う球受片に衝突する。
【0011】
特に、球受片の内側に衝突したパチンコ球は、かかる球受片の内側でパチンコ球が受止められる。よって、球受片で受止められたパチンコ球は、円盤に固定された保留部で保留され、落下する状態から球受片と相伴った円運動を行う状態に移り変わる。そして、保留部が円盤の上方付近を移動する際に、該保留部に保留されたパチンコ球は、この保留部から円盤上に放出されて、再び球受片の内側に設けられた遊技くぎと衝突して円盤上を転動落下する。
【0012】
また、円盤が回転可能に取り付けられる本体は、本体の両肩部に該円盤の上部を覆うと共に、中央部にパチンコ球が入る入口が形成された一対のカバーが設けられている。また、各カバーの内側面と球受片との間には、パチンコ球が通過可能な隙間が設けられている。
これにより、球受片の裏面などに衝突したパチンコ球は、カバーと球受片の間を通って落下する。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
すなわち、本発明のパチンコ機の回転円盤では、円盤の周縁部にまで落下したパチンコ球の一つを球受片で受止めて保留部に保留し、円盤の回転によって、この保留部に保留されたパチンコ球を持ち上げ、円盤の上方付近から再び球受片の内側に設けられた遊技くぎと衝突させて円盤上を転動落下させて、パチンコ球の流れに変化を与えることができるので、従来技術のものとは異なる面白味をもって、遊技者の興趣を高めることができる。
【0018】
特に、円盤をパチンコ機の遊技盤に対して傾斜させていれば、円盤上を落下すパチンコ球の動きが緩やかになり、円盤の周縁部にまで落下したパチンコ球が球受片で受止められる機会を増やすことができる
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤を図1〜図8を用いて説明する。図1は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の斜視図である。図2は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の分解組立図である。図3は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の正面図である。図4は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の裏面図である。図5は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の側面図である。図6は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の断面図である。図7は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤におけるパチンコ球の経路変化を示した正面図である。図8は第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤におけるパチンコ球の経路変化を示した正面図である。
【0021】
図示はしていないが、第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Aは、パチンコ機の遊技盤に対して垂直状態でかかる遊技盤に取り付けられるものである。また、後述する第2実施の形態のパチンコ機の回転円盤1B(図9参照)、第3実施の形態のパチンコ機の回転円盤1C(図10参照)、第4実施の形態のパチンコ機の回転円盤1D(図11参照)、第5実施の形態のパチンコ機の回転円盤1E(図12参照)も同様にして、パチンコ機の遊技盤に取り付けられるものである。
【0022】
ここで、第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Aの構造について、図2を基に、パチンコ機の回転円盤1Aの組立手順に従いながら説明する。先ず、円形状の円盤10の裏側に裏蓋20を取り付ける。かかる取付は、裏蓋20の取付穴22を介してねじ23で行われる。裏蓋20を取り付けた円盤10は、本体30の円形の凹部31にはめ合わされる。また、本体30の裏側には、ベース40が取付穴42を介してねじ43で取り付けられる(図4、図5参照)。さらに、ベース40には、モータ50が取付穴52を介してねじ53で取り付けられる(図4、図5参照)。
【0023】
このとき、モータ50の回転軸51は、ベース40の中央口41と本体30の中央口35と裏蓋20の中央口21を介して、円盤10の回転軸16(図6参照)に挿入されるので、円盤10をモータ50により回転させることが可能となる。尚、円盤10の回転軸16(図6参照)は、円盤10の中心において設けられているので、円盤10の中心は回転中心でもある。
【0024】
また、円盤10については、その表面には複数の遊技くぎ15が設けられている。また、その外周には3つの球受片11Aが等間隔に突設されている。各球受片11Aは円盤10の外周面に沿って突設されており、その受止面12Aは円盤10の外周に準じて湾曲している。また、各受止面12Aの中央部付近には第2保留部14Aが隣接するように円盤10に設けられている。かかる第2保留部14Aは、各受止面12Aに対して円盤10の回転中心側に位置している。さらに、各受止面12Aの中央部には溝13が第2保留部14Aの内部にまで設けられている。また、第2保留部14Aの内面において、円盤10の回転中心側については、図3や図6に示すように、円盤10の表面に向かって回転中心側に傾斜している。
【0025】
また、本体30については、その上方に2つのカバー32が設けられており、本体30の凹部31にはめ合わされた円盤10の上方を覆うことができる(図1参照)。2つのカバー32の間には、パチンコ球が入球する入口33が形成されている。尚、かかる入口33は、図示したように、2つのカバー32の両端で形成するもののほかに、一つのカバーに穴を設けたものでもよい。また、本体30の周囲には、パチンコ機の回転円盤1Aをパチンコ機の遊技盤に取り付けるための取付穴34が設けられている。
【0026】
次に、パチンコ機の回転円盤1Aにおけるパチンコ球の動作について、図7と図8を参照にしながら説明する。パチンコ機の回転円盤1Aは、パチンコ機が可動している状態においては、モータ50を制御することにより、円盤10を連続的に又は間欠的に回転させている。
【0027】
円盤10を連続的に回転させた場合には、一定速度をもって連続的に回転させてもよいし、時間とともに変化する速度をもって連続的に回転させてもよい。一定又は規則的な変化の速度をもって連続的に円盤10を回転させたときは、パチンコ機の回転円盤1Aの態様を遊技者に予測させることができる。また、不規則的な変化の速度をもって連続的に円盤10を回転させたときは、パチンコ機の回転円盤1Aの態様に偶然性を与えることができる。
【0028】
円盤10を間欠的に回転させた場合には、一定速度をもって間欠的に回転させてもよいし、時間とともに変化する速度をもって間欠的に回転させてもよい。一定又は規則的な変化の速度をもって間欠的に円盤10を回転させたときは、パチンコ機の回転円盤1Aの態様を遊技者に予測させることができる。また、不規則的な変化の速度をもって間欠的に円盤10を回転させたときは、パチンコ機の回転円盤1Aの態様に偶然性を与えることができる。尚、速度の変化は、間欠回数に依存させてもよい。また、円盤10が停止する時間を、速度と同様にして変化させてもよい。
【0029】
また、円盤10を正逆両方向に回転させることもできる。この場合には、規則的に正逆両方向に円盤10を回転させてもよいし、不規則的に正逆両方向に円盤10を回転させてもよい。規則的に正逆両方向に円盤10を回転させたときは、パチンコ機の回転円盤1Aの態様を遊技者に予測させることができるものの、円盤10の回転の規則が複雑であれば、その予測に煩雑さを伴わせることができる。不規則的に正逆両方向に円盤10を回転させたときは、パチンコ機の回転円盤1Aの態様に偶然性を与えることができる。尚、円盤10が回転する速度や停止する時間については、円盤10を間欠的に回転させた場合と同様に変化させてもよい。
【0030】
上述したように円盤10が回転しているパチンコ機の回転円盤1Aにおいて、2つのカバー32の間にある入口33に落下するパチンコ球が入球すると、かかるパチンコ球の経路は以下に述べる3つに分類することができる。第1の経路は、図7のパチンコ球63が示すように、円盤10の遊技くぎ15と衝突を繰り返して、球受片11Aの受止面12Aに載上し溝13に案内されて第2保留部14Aに緩嵌される経路である。第2の経路は、図7のパチンコ球61、62が示すように、円盤10の遊技くぎ15や球受片11Aの受止面12Aの裏面などに衝突して、カバー32と球受片11Aの間を通る経路である。第3の経路は、図8のパチンコ球64が示すように、円盤10の遊技くぎ15や球受片11Aと衝突を繰り返して、2つの球受片11Aの間を通る経路である。
【0031】
特に、第1の経路のパチンコ球63については、かかるパチンコ球63を緩嵌した第2保留部14Aが円盤10の回転に伴って円運動するに従い、パチンコ球63の落下方面の反対の方面にあたる図8の下から上への方面に向かわせることができる。そして、パチンコ球63を緩嵌した第2保留部14Aがパチンコ機の回転円盤1Aの上方付近を移動する際において、図8に示すように、第2保留部14Aからパチンコ球63がこぼれ落ちて再び落下する。再び落下したパチンコ球63は、円盤10の遊技くぎ15や球受片11Aと衝突を再び繰り返して、別の2つの球受片11Aの間を通ったり、別の球受片11Aの受止面12Aに再び載上して第2保留部14Aに緩嵌される。
【0032】
以上より、第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Aは、図示しないパチンコ機の遊技盤上に取り付けられ、パチンコ機が可動している状態において、円盤10を連続的に又は間欠的に回転させている。従って、円盤10の外周に突設された球受片11Aも、円盤10の回転に伴って円運動を行っている。そして、パチンコ機の遊技盤に向けてパチンコ球が発射されると、落下するパチンコ球のうち幾個が、上述した円運動を行う球受片11Aに衝突する。特に、図7に示すように、パチンコ球63の落下方面と向き合った状態にあるときの球受片11Aの受止面12Aにパチンコ球63が衝突すると、かかる球受片11Aの受止面12Aにおいてパチンコ球63が受止められる。よって、球受片11Aの受止面12Aで受止められたパチンコ球63の動きは、落下する状態から球受片11Aと相伴った円運動を行う状態に移り変わる。
【0033】
同時に、パチンコ球63を受止めた球受片11Aの受止面12Aも、球受片11Aが上述した円運動を行うことよって、パチンコ球63の落下方面と向き合った状態(図7参照)からパチンコ球63の落下方面に対して傾斜する状態へと移り変わる(図8参照)。このように球受片11Aの受止面12Aがパチンコ球63の落下方面に対して傾斜すると、球受片11Aの受止面12Aで受止められたパチンコ球63は、かかる球受片11Aの受止面12Aからこぼれ落ちて、再び落下する状態となる(図8参照)。球受片11Aの受止面12Aからパチンコ球63がこぼれ落ちる動作は、かかる球受片11Aが円運動する際において、パチンコ球63の落下方面の反対の方面に移動している最中に行われる。
【0034】
また、円盤10に第2保留部14Aが設けられており、落下するパチンコ球を球受片11Aの受止面12Aで受止めた場合において、かかる受止面12Aと隣接する第2保留部14Aにパチンコ球が緩嵌されるので、落下するパチンコ球を球受片11Aの受止面12Aを介して第2保留部14Aで確実に受止めることができる。また、第2保留部14Aにパチンコ球が緩嵌されることは、かかる第2保留部14Aに隣接する受止面12Aがパチンコ球の落下方面に対して傾斜したときに、第2保留部14Aからパチンコ球がこぼれ落ちやすくなる。また、球受片11Aの受止面12Aに溝13が設けられているので、球受片11Aの受止面12Aで受止められたパチンコ球を第2保留部14Aにスムーズに緩嵌させることができる。
【0035】
また、円盤10に設けられた第2保留部14Aが円盤10の回転中心側に位置するので、落下するパチンコ球がパチンコ機の回転円盤1Aの下方を移動し又は停止している球受片11Aの受止面12Aに載上することによって受止められる。また、球受片11Aの受止面12Aは円盤10の外周に準じて湾曲しているので、受止められたパチンコ球は受止面12A上を振り子のように往復するが、円盤10に設けられた第2保留部14Aが球受片11Aの受止面12Aの中央部に隣接しているので、パチンコ球が受止面12A上を往復する範囲内に第2保留部14Aが位置することができ、球受片11Aの受止面12Aで受止められたパチンコ球を第2保留部14Aに確実に緩嵌させることができる。
【0036】
また、円盤10に設けられた第2保留部14Aの内面については、円盤10の回転中心側にある内面が、円盤10の表面に向かって円盤10の回転中心側へ傾斜しているので、パチンコ球を緩嵌した第2保留部14Aがパチンコ機の回転円盤1Aの上方付近を移動する際において、かかる第2保留部14Aからパチンコ球が確実にこぼれ落ち(図8参照)、パチンコ球を再び落下させることができる。
【0037】
また、円盤10の球受片11Aについては、等間隔をもって円盤10の外周に突設させているので、円盤10の回転が規則的である場合には、パチンコ機の回転円盤1Aの態様を遊技者に予測させることができる。一方、円盤10の回転が不規則的である場合には、パチンコ機の回転円盤1Aの態様に偶然性を与えることができる。
【0038】
また、円盤10に遊技くぎ15が設けられているので、落下するパチンコ球が遊技くぎ15にぶつかって転動するので、パチンコ球が円盤10上を通過する時間を長くすることができる。さらに、円盤10の回転に伴い遊技くぎ15も円運動するので、パチンコ機の回転円盤1Aの態様や円盤10上におけるパチンコ球の転動に変化を与えることができる。
また、円盤10より上方にカバー32を設けているので、落下するパチンコ球が円盤10上を通過できるものは、かかるカバー32の入口33に入球したものに限ることができる。
【0039】
また、パチンコ機の回転円盤1Aのように、円盤10が対称的なものである場合において、円盤10を一定の速度をもって回転させると、第2保留部14Aが特定の位置に到達するときにパチンコ球63がこぼれ落ちるので、第2保留部14Aからこぼれ落ちるパチンコ球63の経路は、衝突する遊技くぎ15の角度に影響されるものの、ほぼ一定の流れとなる。よって、その経路付近において、図8に示すように、入球口80、81を遊技盤上に取り付ければ、第2保留部14Aに緩嵌されたパチンコ球は、高い確率をもって入球口80に入賞することができる。尚、入球口80、81は、入賞口やゲートなどである。
【0040】
次に、本発明の第2実施の形態のパチンコ機の回転円盤を図9を用いて説明する。図9は第2実施の形態のパチンコ機の回転円盤の斜視図である。第2実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Bは、第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Aと比べ、球受片11Bの受止面12Bに第1保留部14Bが設けられている点が異なる。このようにして、球受片11Bの受止面12Bに第1保留部14Bが設けられている場合でも、落下するパチンコ球を球受片11Bの受止面12Bで受止めたときは、かかる受止面12Bの第1保留部14Bにパチンコ球が緩嵌されるので、落下するパチンコ球を球受片11Bの受止面12Bで確実に受止めることができる。また、第1保留部14Bにパチンコ球が緩嵌されることは、かかる球受片11Bの受止面12Bがパチンコ球の落下方面に対して傾斜したときに、第1保留部14Bからパチンコ球がこぼれ落ちやすくなる。
【0041】
次に、本発明の第3実施の形態のパチンコ機の回転円盤を図10を用いて説明する。図10は第3実施の形態のパチンコ機の回転円盤の斜視図である。第3実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Cは、第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Aと比べ、円盤10の球受片11Cが不規則的な間隔をもって円盤10の外周付近に突設させた点が異なる。尚、円盤10の球受片11Cは、不規則的な間隔をもって円盤10の外周から延長したように突設させてもよい。
【0042】
このようにして、円盤10の球受片11Cを不規則的な間隔をもって円盤10の外周付近に突設させた場合において、円盤10の回転が規則的であるときは、パチンコ機の回転円盤1Cの態様を遊技者に予測させることはできるものの、球受片11Cの不規則的な突設状態によって、その予測に煩雑さを伴わせることができる。一方、円盤10の回転が不規則的であるときは、パチンコ機の回転円盤の態様に偶然性を与えることができるが、特に、円盤10の不規則的な回転と球受片11Cの不規則的な突設状態によって、パチンコ機の回転円盤1Cの態様に偶然性を重ねて与えることができる。
【0043】
次に、本発明の第4実施の形態のパチンコ機の回転円盤を図11を用いて説明する。図11は第4実施の形態のパチンコ機の回転円盤の斜視図である。第4実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Dは、第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Aと比べ、球受片11Dの受止面12DがV字形状である点が異なる。このようにして、球受片11Dの受止面12DがV字形状であることは、落下するパチンコ球を球受片11Dの受止面12Dで確実に受止めることができる。尚、V字形状は、パチンコ球が受止められる受止面12Dの断面に対するものであって、球受片11Dの断面に対するものではない。また、球受片11Dの受止面12DはU字形状であってもよい。
【0044】
次に、本発明の第5実施の形態のパチンコ機の回転円盤を図12を用いて説明する。図12は第5実施の形態のパチンコ機の回転円盤の斜視図である。第5実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Eは、第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤1Aと比べ、円盤10に設けられた第2保留部14Eが球受片11Eの受止面12Eの端部に偏って隣接している点が異なる。一般に、円盤10の回転が比較的速いと、受止められたパチンコ球が受止面12E上を往復する範囲は円盤10の回転方向とは反対方向にある球受片11Eの受止面12Eの端部側に偏ってしまう。
【0045】
従って、図12に示すように、円盤10に設けられた第2保留部14Eが球受片11Eの受止面12Eの端部に偏って隣接している場合には、円盤10が時計回りに回転してれば、球受片11Eの受止面12Eに対するパチンコ球の往復範囲の偏りと第2保留部14Eの偏りが一致するので、球受片11Eの受止面12Eで受止められたパチンコ球を第2保留部14Eに確実に緩嵌させることができる。一方、円盤10が反時計回りに回転していれば、球受片11Eの受止面12Eに対するパチンコ球の往復範囲の偏りと第2保留部14Eの偏りが一致しないので、球受片11Eの受止面12Eで受止められたパチンコ球が第2保留部14Eに緩嵌されるか又は第2保留部14Eに緩嵌されずにかかる受止面12Eからすぐにこぼれ落ちるかのいずれかとなる。
【0046】
以上、詳細に説明した通り、第1〜第5の実施の形態のパチンコ機の回転円盤1A、1B、1C、1D、1Eでは、パチンコ機の遊技盤上に垂直状態で遊技盤上に取り付けられ、パチンコ機が可動している状態において、円盤10を連続的に又は間欠的に回転させている。従って、円盤10の外周に突設された球受片11A、11B、11C、11D、11Eも、円盤10の回転に伴って円運動を行う。そして、パチンコ機の遊技盤に向けてパチンコ球が発射されると、円盤10上を落下するパチンコ球のうち幾個は、円盤10上の周縁部から落下するが、残りの幾個は、上述した円運動を行う球受片11A、11B、11C、11D、11Eに衝突する。
【0047】
特に、球受片11A、11B、11C、11D、11Eの内側に衝突したパチンコ球は、かかる球受片の内側でパチンコ球が受止められる。よって、球受片11A、11B、11C、11D、11Eで受止められたパチンコ球の動きは、落下する状態から球受片11A、11B、11C、11D、11Eと相伴った円運動を行う状態に移り変わる。そして、パチンコ球を受止めた球受片11A、11B、11C、11D、11Eが、円盤10の円運動によって傾斜すると、球受片11A、11B、11C、11D、11Eで受止められたパチンコ球は、かかる球受片11A、11B、11C、11D、11Eからこぼれ落ちて、再び円盤10上を落下する。
【0048】
すなわち、本実施の形態のパチンコ機の回転円盤1A、1B、1C、1D、1Eでは、円盤10の周縁部にまで落下したパチンコ球の一つを球受片11A、11B、11C、11D、11Eで受止め、円盤10の回転によって、球受片11A、11B、11C、11D、11Eで受止めたパチンコ球を持ち上げつつ、傾斜した球受片11A、11B、11C、11D、11Eから再び円盤10上に落下させて、円盤10の周縁部から落下するパチンコ球の流れに変化を与えることができるので、従来技術のものとは異なる面白味をもって、遊技者の興趣を高めることができる。
【0049】
さらに、ここで、円盤10をパチンコ機の遊技盤に対して傾斜させれば、円盤10上を落下すパチンコ球の動きが緩やかになり、円盤10の周縁部にまで落下したパチンコ球が球受片11A、11B、11C、11D、11Eで受止められる機会を増やすことができる。
また、円盤10を連続的又は間欠的に駆動させれば、パチンコ機の回転円盤の態様に予測性や偶然性を与えることができる。
【0050】
また、円盤10の下方に入球口80、81が設けられているので、円盤10の球受片11A、11B、11C、11D、11Eに衝突することなく円盤10上の周縁部から落下すれば入球口80、81に入ることもないパチンコ球が、円盤10の球受片11A、11B、11C、11D、11Eで受止められ、その流れに変化が与えられることによって、入球口80、81に入ることもあり、さらに、入球口80、81に狙ってもパチンコ球を導くことは難しいことから、従来技術のものとは異なる面白味をもって、遊技者の興趣を高めることができる。
【0051】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1保留部14B及び第2保留部14A、14C、14Eは、一つのパチンコ球を緩嵌できるものでもよいが、その全部又は一部が複数のパチンコ球を緩嵌できるものでもよい。また、その一部が入賞口であってもよい。
【0052】
また、第1〜第5の実施の形態のパチンコ機の回転円盤1A、1B、1C、1D、1Eは、パチンコ機の遊技盤上に取り付けられる場合においては、円盤10の表面とパチンコ機の遊技盤の表面とがほぼ同一の平面を構成するように取り付けられるが、図13の回転盤309のように、円盤10の下方がパチンコ機の遊技盤の表面に寄るようにして、円盤10の表面をパチンコ球の落下方面に対して傾斜させ、パチンコ機の遊技盤内に取り付けられることもできる。このとき、円盤10の一部がパチンコ機の遊技盤から突出してもよい。
【0053】
また、第1〜第5の実施の形態のパチンコ機の回転円盤1A、1B、1C、1D、1Eにおいては、円盤10上には障害物として遊技くぎ15が設けられているが、例えば、図13の回転盤309のように、その他の障害物が円盤10上に設けられてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機の回転円盤では、円盤の周縁部にまで落下したパチンコ球の一つを球受片で受止め、円盤の回転によって、球受片で受止めたパチンコ球を持ち上げつつ、傾斜した球受片から再び円盤上に落下させて、円盤の周縁部から落下するパチンコ球の流れに変化を与えることができるので、従来技術のものとは異なる面白味をもって、遊技者の興趣を高めることができる。
【0055】
特に、円盤をパチンコ機の遊技盤に対して傾斜させれば、円盤上を落下するパチンコ球の動きが緩やかになり、円盤の周縁部にまで落下したパチンコ球が球受片で受止められる機会を増やすことができる。
また、円盤を連続的又は間欠的に駆動させれば、パチンコ機の回転円盤の態様に予測性や偶然性を与えることができる。
【0056】
また、円盤の下方に入球口が設けられていれば、円盤の球受片に衝突することなく円盤上の周縁部から落下すれば入球口に入ることもないパチンコ球が、円盤の球受片で受止められ、その流れに変化が与えられることによって、入球口に入ることもあり、さらに、入球口に狙ってもパチンコ球を導くことは難しいことから、従来技術のものとは異なる面白味をもって、遊技者の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の斜視図である。
【図2】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の分解組立図である。
【図3】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の正面図である。
【図4】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の裏面図である。
【図5】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の側面図である。
【図6】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤の断面図である。
【図7】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤におけるパチンコ球の経路変化を示した正面図である。
【図8】 第1実施の形態のパチンコ機の回転円盤におけるパチンコ球の経路変化を示した正面図である。
【図9】 第2実施の形態のパチンコ機の回転円盤の斜視図である。
【図10】 第3実施の形態のパチンコ機の回転円盤の正面図である。
【図11】 第4実施の形態のパチンコ機の回転円盤の正面図である。
【図12】 第5実施の形態のパチンコ機の回転円盤の正面図である。
【図13】 従来技術のパチンコ機の回転円盤の正面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E パチンコ機の回転円盤
10 円盤
11A、11B、11C、11D、11E 球受片
60、61、62、63、64 パチンコ球
80、81 入球口

Claims (2)

  1. パチンコ機の遊技盤に対して平行に又は傾斜した状態で回転可能に配設された円盤を備えたパチンコ機において、
    前記円盤の外周部に突設された球受片と、
    前記円盤の前記球受片より内側の表面に設けられた複数の遊技くぎと、
    前記球受片に隣接して設けられると共に前記円盤に固定された保留部とを備え、
    前記円盤上を前記遊技くぎに衝突して落下するパチンコ球は、前記球受片により受け止められるとともに、前記保留部に保留され、円盤の回転に伴って、該保留部が該円盤の上方付近を移動する際に、この保留部から円盤上に放出されて、再び前記遊技くぎと衝突して転動落下することを特徴とするパチンコ機の回転円盤。
  2. 請求項1に記載するパチンコ機の回転円盤において、
    前記円盤が回転可能に取り付けられる本体と、
    前記本体の両肩部に該円盤の上部を覆うように設けられて中央部にパチンコ球が入る入口を形成する一対のカバーとを備え、
    前記各カバーの内側面と前記球受片との間には、パチンコ球が通過可能な隙間が設けられていることを特徴とするパチンコ機の回転円盤。
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