JP4151599B2 - 車両懸架システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両懸架システムに関し、詳しくは、前後左右の車輪の各々に対応して設けられる4つのショックアブソーバとそれらショックアブソーバに接続される1つの制御シリンダとを含む車両懸架システムに関するものである。
この種の車両懸架システムは、例えば、特許文献1に記載されているように、既に知られている。特許文献1に記載の車両懸架システムにおいて制御シリンダは、シリンダハウジングと、シリンダハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン組立体とを含む。また、懸架シリンダは、液圧シリンダとエアスプリングとが一体化されたものである。ピストン組立体は2つのピストンが連結ロッドにより連結されて成る。シリンダハウジング内の空間は仕切壁により2つのシリンダ室に仕切られ、各シリンダ室にピストン組立体の各ピストンが液密かつ摺動可能に嵌合され、連結ロッドが仕切壁にそれを貫通する状態で液密かつ摺動可能に嵌合される。それによりシリンダハウジング内に形成される4つの液室に、左右前輪の各々に対して設けられた4つの懸架シリンダの液圧シリンダ部の液室がそれぞれ接続される。この制御シリンダにおいては、2つのピストンの各外側受圧面が、それぞれ、左後輪,右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面とされ、2つのピストンの各内側受圧面が、それぞれ、左前輪,右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面とされる。それにより、例えば、車両が制動され、車体にピッチングモーメントが作用して左右前輪の懸架シリンダの液圧が高くなり、左右後輪の懸架シリンダの液圧が低くなった場合には、ピストン組立体が動かないため、4つの懸架シリンダが互いに独立しているに等しいこととなり、車体のピッチングが抑制される。
米国特許第3024037号明細書
また、車両の旋回時に車体にローリングモーメントが作用して、左側の前後輪の懸架シリンダの液圧が高くなり、右側の前後輪の懸架シリンダの液圧が低くなった場合には、2つの外側受圧面の一方と2つの内側受圧面の一方とに作用する液圧が高くなり、各他方に作用する液圧が低くなるが、この場合にピストン組立体が移動するか否か、移動するのであれば、いずれの向きに移動するかは、一義的には決まらない。車体のローリングに伴って懸架シリンダに生じる液圧変化と、外側受圧面と内側受圧面との大きさの関係とによって、変わるのである。換言すれば、ローリングに伴って懸架シリンダに生じる同じ液圧変化に対して、例えば外側受圧面と内側受圧面との大きさの関係を変えることにより、前輪側と後輪側とのローリング剛性を変えることができるのである。
さらに、前後左右4輪のいずれか1輪が路面の突部に乗り上げた場合には、制御シリンダのピストン組立体が動き、その分、上記1輪に対応する懸架シリンダが作動し易くなって、その1輪の突部乗上げの影響の車体への伝達が低減され、乗り心地が改善される。
このように、上記特許文献1に記載された車両懸架システムは優れたものであるが、未だ改良の余地がある。本発明は、その余地の発見に基づいてなされたものであり、その課題は、ローリング制御性能をさらに向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両懸架システムは、前記液圧シリンダとエアスプリングとが一体化された懸架シリンダの代わりにショックアブソーバを設け、かつ、それらショックアブソーバの各々の減衰特性と、ピストン組立体の内側および外側制御室に対する受圧面積とを、前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域と大きい領域とでピストン組立体の移動方向が逆向きになるように選定したことを特徴とする。
本発明に係る車両懸架システムにおいては、4つのショックアブソーバのアブソーバ室が制御シリンダの4つの制御室に接続されることにより、4つのショックアブソーバの減衰特性が制御される。その意味において、アブソーバ室を被制御室と称することとするが、ショックアブソーバは、一般に、ピストンの両側に2つのアブソーバ室を備えたものとされ、それら2つのアブソーバ室のいずれを被制御室とすることも可能である。ピストンの両側のアブソーバ室の一方は、直接またはピストンを介して間接にガス室に接続される。例えば、ガス室が、下部に作動液が収容され、上部に高圧あるいは低圧のガスが収容されたものとされるのであり、ショックアブソーバの伸縮、すなわちピストンロッドのハウジングへの進入,退出に伴う2つのアブソーバ室の合計容積の変動を許容する。ピストンには、それの両側のアブソーバ室を連通させる連通路が形成され、その連通路に絞り装置が設けられるが、アブソーバ室とガス室とを連通させる連通路にも絞り装置が設けられることが多い。その場合には、アブソーバ室とガス室との間の作動液の流通が無条件に許されるわけではなく、この絞り装置と上記絞り装置とが互いに共同して、ショックアブソーバの減衰特性を規定することとなる。アブソーバ室とガス室との間の連通路に絞り装置が設けられない場合は勿論、設けられる場合でも、2つのアブソーバ室のうち、ガス室に連通させられる側のアブソーバ室の方が容積変化が容易であること、すなわち、ショックアブソーバの伸縮に伴う液圧変化が小さいことが多い。ただし、絞り装置は、複数のバルブを備えたものとされ、ショックアブソーバの伸長時と収縮時とで絞り作用が異なるようにされることが多く、容積変化の容易さを逆にすることも不可能ではない。
ショックアブソーバの減衰特性は、非線形とされることが多い。例えば、ショックアブソーバの作動速度(伸縮速度)が小さい領域では作動速度の増加に対する減衰力の増加勾配が比較的大きく、作動速度が大きい領域では増加勾配が小さくされることが多い。したがって、ショックアブソーバの被制御室の液圧変化特性、ひいては制御シリンダの制御室の液圧変化特性も非線形となる。
そして、制御シリンダにおいてピストン組立体に作用する力は、4つの制御室の液圧とそれら制御室に対する受圧面積との積の、向きを考慮した和となる。その和である力の向きによってピストン組立体の移動方向が決まり、その移動方向いかんによっていずれのショックアブソーバの減衰力が増大させられ、いずれのショックアブソーバの減衰力が減少させられるかが決まる。
したがって、この制御シリンダの特性と、上記ショックアブソーバの減衰特性の非線形性とを適切に組み合わせて利用すれば、すなわち、前輪側および後輪側アブソーバの各減衰特性と、ピストン組立体の内側および外側制御室に対する受圧面積とを適切に選定すれば、ショックアブソーバの作動速度が小さい領域と大きい領域とでピストン組立体の移動方向が逆向きになるようにすることができる。ショックアブソーバの作動速度範囲あるいはローリング開始時点からの経過時間範囲のいかんによって、後輪側のショックアブソーバの減衰力が増大させられる一方、前輪側のショックアブソーバの減衰力が減少させられたり、前輪側のショックアブソーバの減衰力が増大させられる一方、後輪側のショックアブソーバの減衰力が減少させられたりするようにできるのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。すなわち、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、 (5)項が請求項2、 (6)項が請求項3、 (7)項が請求項4にそれぞれ相当する。
(1)それぞれアブソーバ室を備えた4つのショックアブソーバであって、前後左右4つの車輪をそれぞれ回転可能に保持する4つの車輪側部材と、車体側においてそれら車輪側部材の各々に対応する部材である4つの車体側部材との間に設けられる2つずつの前輪側アブソーバおよび後輪側アブソーバと、
(a)2つのピストンが連結ロッドにより互いに連結されたピストン組立体と、(b)仕切壁により仕切られた2つのシリンダ室を有するシリンダハウジングとを備え、前記連結ロッドが仕切壁を液密かつ摺動可能に貫通し、2つのピストンが前記2つのシリンダ室に液密かつ摺動可能に嵌合されることにより、前記2つのピストンと前記仕切壁との間に2つの内側制御室、2つのピストンの仕切壁とは反対側に2つの外側制御室がそれぞれ形成された制御シリンダと、
前記2つの前輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの前輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との一方の各々に接続し、前記2つの後輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの後輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との他方の各々に接続する接続通路と
を含み、かつ、前記前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と、前記ピストン組立体の前記内側および外側制御室に対する受圧面積とが、前記前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域と大きい領域とで前記ピストン組立体の移動方向が逆向きになるように選定されたことを特徴とする車両懸架システム。
(2)それぞれ2つずつのアブソーバ室を備えた4つのショックアブソーバであって、前後左右4つの車輪をそれぞれ回転可能に保持する4つの車輪側部材と、車体側においてそれら車輪側部材に対応する部材である4つの車体側部材との間に設けられる2つずつの前輪側アブソーバおよび後輪側アブソーバと、
(a)2つのピストンが連結ロッドにより互いに連結されたピストン組立体と、(b)仕切壁により2つに仕切られたシリンダ室を有するシリンダハウジングとを備え、前記連結ロッドが仕切壁を液密かつ摺動可能に貫通し、2つのピストンが前記2つのシリンダ室に液密かつ摺動可能に嵌合されることにより、前記2つのピストンと前記仕切壁との間に2つの内側制御室、2つのピストンの仕切壁とは反対側に2つの外側制御室がそれぞれ形成された制御シリンダと、
前記2つの前輪側アブソーバの2つずつのアブソーバ室のうちの互いに対応するものである2つの前輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との一方の各々に接続し、前記2つの後輪側アブソーバの2つずつのアブソーバ室のうちの前記前輪側被制御室に対応するものである2つの後輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との他方の各々に接続する接続通路
とを含み、かつ、前記2つの前輪側アブソーバの減衰力と前記2つの後輪側アブソーバの減衰力とが、前記制御シリンダにより、それら前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域と大きい領域とにおいて互いに逆向きに変化させられるように、それら前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と、前記ピストン組立体の前記内側および外側制御室に対する受圧面積とが選定されたことを特徴とする車両懸架システム。
(3)前記4つのショックアブソーバの各々の2つずつのアブソーバ室のうち、ショックアブソーバの伸長時に液圧が増大する側のアブソーバ室が前記被制御室とされた (2)項に記載の車両懸架システム。
2つのアブソーバ室のうち、ショックアブソーバの伸長時に液圧が減少する側のアブソーバ室を被制御室としても、本発明の効果は得られる。しかし、本項の構成とする方が本発明の効果をよりよく享受し得ることが実験によって明らかとなった。その理由は、現時点では次のように推測されている。ショックアブソーバの減衰力は伸長時の方が収縮時より大きくなるように設定されることが多く、その減衰力の大きい側のアブソーバ室を制御シリンダに接続すれば、一輪が路面の突部に乗り上げた場合や、対角2輪が同相移動する場合に、別の対角2輪に対応する2つのショックアブソーバの伸長が容易になるため、車体への影響が少なくて済む結果になるのであると推測されているのである。
(4)前記4つのショックアブソーバの各々の2つずつのアブソーバ室の一方が直接またはピストンを介して間接にガス室に接続されており、ガス室に接続されていない側のアブソーバ室が前記被制御室とされた (2)項または (3)項に記載の車両懸架システム。
2つのアブソーバ室のうちガス室に接続された側のものを被制御室としても、本発明の効果は得られる。しかし、本項の構成とする方が本発明の効果をよりよく享受し得ることが実験によって明らかとなった。その理由は、ガス室に接続されていないアブソーバ室の方が液圧の変化が大きく、その液圧変化の大きい側のアブソーバ室を制御シリンダに接続する方が制御シリンダの効果が大きくなるためであると推測されている。
(5)それぞれアブソーバ室を備えた4つのショックアブソーバであって、前後左右4つの車輪をそれぞれ回転可能に保持する4つの車輪側部材と、車体側においてそれら車輪側部材の各々に対応する部材である4つの車体側部材との間に設けられる2つずつの前輪側アブソーバおよび後輪側アブソーバと、
(a)2つのピストンが連結ロッドにより互いに連結されたピストン組立体と、(b)仕切壁により仕切られた2つのシリンダ室を有するシリンダハウジングとを備え、前記連結ロッドが仕切壁を液密かつ摺動可能に貫通し、2つのピストンが前記2つのシリンダ室に液密かつ摺動可能に嵌合されることにより、前記2つのピストンと前記仕切壁との間に2つの内側制御室、2つのピストンの仕切壁とは反対側に2つの外側制御室がそれぞれ形成された制御シリンダと、
前記2つの前輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの前輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との一方の各々に接続し、前記2つの後輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの後輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との他方の各々に接続する接続通路と
を含み、かつ、前記2つの前輪側アブソーバの減衰力と前記2つの後輪側アブソーバの減衰力とが、前記制御シリンダにより、それら前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が大きい領域と小さい領域とにおいて互いに逆向きに変化させられるように、前記前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と、前記ピストン組立体の前記内側および外側制御室に対する受圧面積とが選定されたことを特徴とする車両懸架システム。
(6)前記制御シリンダにより、前記前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域では、後輪側アブソーバの減衰力が増大させられる一方、前輪側アブソーバの減衰力が減少させられ、作動速度が大きい領域では後輪側アブソーバの減衰力が減少させられる一方前輪側アブソーバの減衰力が増大させられるように、前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と前記ピストン組立体の受圧面積とが選定された (5)項に記載の車両懸架システム。
本項の構成の利点は実施例の項において説明する。
(7)前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と前記ピストン組立体の受圧面積との選定により、前記前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域では、前記後輪側アブソーバの減衰力の方が前記前輪側アブソーバの減衰力より大きく、作動速度が大きい領域では、前輪側アブソーバの減衰力の方が後輪側アブソーバの減衰力より大きくされた (5)項または (6)項に記載の車両懸架システム。
本項の構成を採用すれば、本発明の効果を特に有効に享受し得るが不可欠ではない。
(8)前記前輪側アブソーバのアブソーバ室が前記制御シリンダの内側制御室に接続され、前記後輪側アブソーバのアブソーバ室が外側制御室に接続された (1)項ないし (7)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
前輪側アブソーバのアブソーバ室を外側制御室に接続し、後輪側アブソーバのアブソーバ室を内側制御室に接続しても本発明の効果は享受できる。しかし、本項の構成とする方が効果をよりよく享受し得ることが実験により明らかになった。
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
本実施例の車両懸架システムは、図1に示すように、前後左右の4つの車輪、すなわち左前輪10,右前輪12,左後輪14および右後輪16を備えた車両に設けられ、それら車輪10〜16の各々に対応して設けられた4つのショックアブソーバ20,22,24,26およびそれらショックアブソーバ20〜26と接続された制御シリンダ30を含む。
ショックアブソーバ20〜26はそれぞれ、車輪側部材40と車体側部材42との間に設けられる。ショックアブソーバ20〜26の各々は、シリンダハウジング50(以下、ハウジング50と略称する)と、それに液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン52と、そのピストン52からハウジング50外へ延び出たピストンロッド53とを含む。本実施例においては、ハウジング50が車輪側部材40に取り付けられ、ピストンロッド53が車体側部材42に取り付けられる。ピストン52には、そのピストン52により仕切られた2つのアブソーバ室54,56を連通させる連通路が設けられるとともに、その連通路に絞り装置58が設けられる。絞り装置58により、ピストン52のハウジング50に対する相対移動速度(絞り装置58を流れる作動液の流速)に応じた減衰力が発生させられる。
前記制御シリンダ30を説明する。
制御シリンダ30は、シリンダハウジング(以後、ハウジングと略称する)70と、ハウジング70内に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン組立体72とを含む。ピストン組立体72は、本実施例では、2つのピストン74,76が連結ロッド78により同心に連結されて成る。本実施例では、連結ロッド78が連結部を構成している。
ハウジング70は、図2に示すように、互いに別体のハウジング本体部80および仕切壁部82を含む。本実施例では、2つのハウジング本体部材84,86がハウジング本体部80を構成し、1つの仕切壁部材88が仕切壁部82を構成する。ハウジング本体部材84,86はいずれも、一端部が開口した一体の中空有底円筒状部材であって、それぞれ第一,第二ハウジング本体部を構成する。ハウジング本体部材84の開口92の縁部には嵌合凹部94が形成されている。嵌合凹部94は、内周面96と、内周面96の開口92側とは反対側の端である内端から半径方向内向きに延びる肩面98とを有する。ハウジング本体部材86は、その内径がハウジング本体部材84と同じであり、その開口106側の端部が外周面108において上記内周面96と嵌合し、この端部が上記嵌合凹部94と嵌合する嵌合突部110として機能する。
ハウジング本体部材84とハウジング本体部材86とは、嵌合突部110が嵌合凹部94に嵌合した状態で、図示を省略するフランジ部同士において、ボルト,ナット等の固定装置により着脱可能に固定されるのであるが、その状態では、嵌合突部110の先端面と嵌合凹部94の肩面98との間に、仕切壁部材88が限られた距離移動することを許容する隙間が形成される。仕切壁部材88は、本実施例では円板状を成し、嵌合凹部94内に、その嵌合凹部94の内周面96と自身の外周面120との間に半径方向の隙間を残して嵌合されている。それにより、ハウジング本体部80の内部空間が2つにシリンダ室124,126に仕切られている。
ピストン組立体72は、前述のように、2つのピストン74,76が連結ロッド78により同心に連結されて成り、仕切壁部材88の中央部を貫通して設けられた中央穴122に連結ロッド78が嵌合されるとともに、2つのピストン74,76がハウジング本体部80内の2つのシリンダ室124,126にそれぞれ嵌合されている。連結ロッド78と中央孔122との嵌合のために、ピストン組立体72は2つのピストン74,76の少なくとも一方が連結ロッド78とは別体に製作され、仕切壁部材88との組立後に螺合等により一体化される。
ピストン組立体72のピストン74,76がOリング130,132を保持しており、仕切壁部材88の中央穴122にもOリング134が設けられている。さらに、仕切壁部材88の外周部の両端面140,142にそれぞれOリング144,146が設けられている。Oリング130,132,134,144,146はいずれもゴム製であって弾性変形可能なシール部材である。ハウジング本体部80と仕切壁部材88、仕切壁部材88とピストン組立体72、ピストン組立体72とハウジング本体部80は、Oリング130,132,134,144,146のシール性を失わない範囲内における弾性変形を伴って、相対的平行移動および相対的傾き(相対移動と総称する)可能である。これら相対移動の限度は、ピストン組立体72,ハウジング本体部80および仕切壁部材88相互間の隙間の大きさにより規定されるが、ハウジング本体部80と仕切壁部材88とのピストン組立体72の直径方向(軸方向と直交する方向)の相対的平行移動、ひいてはピストン組立体72とハウジング本体部80との相対的平行移動は、「Oリングのシール性を失わない範囲での相対移動」という制約を受けることがないので、大きく許容される。
上記のようにピストン組立体72がハウジング70に嵌合されることにより、ハウジング70内に4つの液室が形成されている。仕切壁部材88とピストン74,76との間にそれぞれ液室160,162が形成され、ピストン74,76の反対側にそれぞれ液室164,166が形成されているのである。また、ピストン74は、外側液室である液室164側に外側受圧面170を有し、内側液室である液室160側に内側受圧面172を有する。ピストン76は、内側液室である液室162側に内側受圧面174を、外側液室である液室166側に外側受圧面176をそれぞれ有する。
外側受圧面170は、液室164に接続された左後輪14のショックアブソーバ24のアブソーバ室54の液圧を受け、外側受圧面176は液室166に接続された右後輪16のショックアブソーバ26のアブソーバ室54の液圧を受ける。また、内側受圧面172は、液室160に接続された左前輪10のショックアブソーバ20のアブソーバ室54の液圧を受け、内側受圧面174は、液室162に接続された右前輪12のショックアブソーバ22のアブソーバ室54の液圧を受ける。制御シリンダ30の液室160〜166は、本実施例では、液圧が作用する液圧室となっているのである。
なお、本実施例においては、ピストン74,76と仕切壁部材88との間にはそれぞれ、付勢装置の一種である弾性部材としてのスプリング180,182が設けられる。スプリング180,182は、ピストン74,76を中立位置に戻すものである。本実施例においては、スプリング180,182がピストン74,76の内側に配設されている。
次に、ショックアブソーバ20〜26について説明する。これらは同じ構造のものであるため、左前輪10に対応するショックアブソーバ20を例として説明する。図3に示すように、ショックアブソーバ20のハウジング50が、ブラケットを介して車輪側部材40に取り付けられ、ピストンロッド53が、車体側部材42に取り付けられている。また、スプリング204が、ハウジング50に取り付けられたロアシート206と、車体側部材42に取り付けられアッパシート208との間に配設されている。
ショックアブソーバ20の前記絞り装置58は、図4に示すように、ハードバルブ214およびソフトバルブ216を含んでいる。ハードバルブ214がピストン52の液室56側に設けられ、ソフトバルブ216がアブソーバ室54側に設けられ、これらハードバルブ214とソフトバルブ216との間には中間室218が設けられている。また、ピストンロッド53の内部には、軸方向に延び、液室56に開口を有する軸方向穴220が設けられ、この軸方向穴220の液室56側の開口部には、固定絞り222が設けられている。軸方向穴220と中間室218とは半径方向の連通穴224により連通させられており、軸方向穴220の端部とアブソーバ室54との間には固定絞り226が設けられている。上記中間室218,連通穴224,軸方向穴220および固定絞り222等によりハードバルブバイパス通路228が構成され、固定絞り226,軸方向穴220,連通穴224および中間室218等によりソフトバブルバイパス通路230が構成されている。
ハードバルブ214は、ピストン52の下部に設けられた弁座236と、概して円環薄板状を成したリーフバルブ238と、リーフバルブ238の内周側に設けられた位置決め部材240と、リーフバルブ238の内周側の縁部の上方に設けられた中間室側シート部材242とを含むものである。中間室側シート部材242は、リーフバルブ238に加えられる液室56から中間室218へ向かう方向の力を受け得るようにされている。リーフバルブ238は、それの上面が中間室218に対向し、下面が液室56に対向した状態で、弁座236と中間室側シート部材242とによって、弾性変形させられた状態で支持されている。
液室56の液圧が中間室218の液圧より設定圧以上高い場合には、リーフバルブ238の内周側の縁部が中間室側シート部材242に押し付けられ、外周側部が上方に撓められる。中間室218の液圧が液室56の液圧より設定圧以上高い場合には、外周側の縁部が弁座236に押し付けられ、内周側部が下方に撓められる。ここで、リーフバルブ238は、内周側部の方が外周側部より撓み難いため、ハードバルブ214は、ピストンロッド202の伸長中には収縮中より開きにくい。一般に、ショックアブソーバ20において発生させられる減衰力は、伸長中の方が収縮中より大きいことが望ましいのである。
ソフトバルブ216は、ハードバルブ214と同様なものであり、弁座250,リーフバルブ252,位置決め部材254,液室側シート部材256等を含むものである。ソフトバルブ216も、ピストンロッド53の伸長中には収縮中より開きにくい。また、本実施形態においては、リーフバルブ252がリーフバルブ238より外径が大きいもの(外径の内径に対する比率が大きいもの)とされ、ソフトバルブ216がハードバルブ214より、開き易くされている。
なお、ショックアブソーバ20の液室56側には、ピストン260およびガス室262が設けられており、ピストンロッド53がハウジング50内に進入し、あるいはハウジング50から退出するのに伴って、ハウジング50内の空間の容積が増減することが許容されるようになっている。ガス室262には加圧されたガスが封入されている。
以上のように構成されたショックアブソーバ20は以下のように作動する。車輪側部材40と車体側部材42との間隔が大きくなると、ピストン52には上向きの力(ピストンロッド53を伸長させようとする力)が作用し、アブソーバ室54の液圧が液室56の液圧より高くなる。アブソーバ室54の作動液は、ソフトバルブバイパス通路230およびハードバルブバイパス通路228を経て液室56に流れる。アブソーバ室54の液圧が中間室218の液圧よりソフトバルブ216の開弁圧以上高い場合には、ソフトバルブ216が開かれ、一部の作動液が、ソフトバルブ216およびハードバルブバイパス通路228を経て流れさせられる。中間室218の液圧が液室56の液圧よりハードバルブ214の開弁圧以上高くなれば、ハードバルブ214が開かれる。その結果、作動液は、ソフトバルブ216またはソフトバルブバイパス通路230と、ハードバルブ214またはハードバルブバイパス通路228とを経て液室56に流れるようになる。
以上の結果、減衰力が図5に示すように制御される。
車輪側部材40と車体側部材42との間隔が小さくなり、ピストン52に下向きの力(ピストンロッド53を収縮させようとする力)が作用すると、液室56の液圧がアブソーバ室54の液圧より高くなる。液室56の作動液は、ハードバルブバイパス通路228またはハードバルブ214と、ソフトバルブバイパス通路230またはソフトバルブ216を経てアブソーバ室54へ流れさせられる。ソフトバルブ216においては、リーフバルブ252の外周側部が撓められ、ハードバルブ214においても同様に、リーフバルブ238の外周側部が撓められる。減衰力は伸長中の減衰力と大きさは異なるものの、同様な傾向となるように制御される。
以上のように構成された車両懸架システムの作動を説明する。
ピストン組立体72には、前後左右の各車輪10〜16にそれぞれ対応するショックアブソーバ20〜26の各液圧に応じた力(その液圧と受圧面積との積で表される力)が作用し、車両の静止状態あるいは定速走行状態においては、これらが釣り合っていてピストン組立72は移動しない。
車体にローリングモーメントが作用し、例えば、車両が左旋回して、車両の左側において、車輪側部材40と車体側部材42との間隔が増大し、右側において減少する傾向が生じると、左前輪10のショックアブソーバ20のアブソーバ室54の液圧と左後輪14のショックアブソーバ24のアブソーバ室54の液圧とが高くなり、右前輪12のショックアブソーバ22のアブソーバ室54の液圧と右後輪16のショックアブソーバ26のアブソーバ室54の液圧とが低くなる。外側受圧面170および内側受圧面172に作用する液圧が高くなり、内側受圧面174および外側受圧面176に作用する液圧が低くなるが、この場合にピストン組立体72は次のように移動する。
図6に示すように、ピストン74,76の外側受圧面170,176の受圧面積をSR、内側受圧面172,174の受圧面積をSF、各液室160,162,164,166の液圧をPFL,PFR,PRL,PRR、ピストン組立72に作用する右向きの力をFとすれば、
F=PRL・SR+PFR・SF−PFL・SF−PRR・SR=(PRL−PRR)・SR−(PFL−PFR)・SF
(PRL−PRR)=ΔPR、(PFL−PFR)=ΔPFとすれば、
F=ΔPR・SR−ΔPF・SF
Fが正の場合、すなわちΔPR・SR>ΔPF・SFの場合にはピストン組立体72が図6において右方に移動し、ΔPR・SR<ΔPF・SFの場合は左方へ移動する。ここにおいて、ΔPRは左右後輪14,16に対応するショックアブソーバ24,26のアブソーバ室54に生じる液圧差であり、ΔPFは左右前輪10,12に対応するショックアブソーバ20,22のアブソーバ室54に生じる液圧差である。
本実施例においては、図7に示すように、左旋回の操舵初期、すなわちローリング速度Vが小さい間はΔPR・SR<ΔPF・SFが成立し、その他の時期にはΔPR・SR>ΔPF・SFが成立するように、ショックアブソーバ20〜26の減衰特性およびピストン74,76の受圧面積をSR,SFが選定されている。なお、図7においては、単純化のために、ショックアブソーバ20ないし26の伸長時と収縮時とにおける減衰力が、大きさは前述のように異なるものの、特性線の形状(折れ点の横軸方向における位置)が同じであるとしてΔPR・SRおよびΔPF・SF が図示されているが、実際には特性線の形状が異なるのが普通であり、ΔPR・SRおよびΔPF・SF を示す線は、伸長時と収縮時とにおける特性線の和に類似した線となり、さらに折れ点の多い形状となる。
上記のように、左旋回の操舵初期にはΔPR・SR<ΔPF・SFが成立し、その他の時期にはΔPR・SR>ΔPF・SFが成立するようにされていることにより、ピストン組立体72は、図8に示すように、当初左方へ移動し、その後右方へ移動する。換言すれば、制御シリンダ30がない場合に比較して、ローリング初期には後輪側の減衰力が増大させられ、後に前輪側の減衰力が増大させられる。
一般に、フロントエンジン・リヤドライブかつフロント操舵の車両では、操舵初期に後輪側の減衰力配分が大きく、その後は前輪側の減衰力配分が大きいことが望ましいと言われている。後輪側の減衰力配分を大きくする方が車両の操舵応答性が良くなり、操舵限界域では前輪側の減衰力配分を大きくすることが、スピンの発生を抑制し、スタビリティを確保する上で有利であると言われているのである。本実施例によれば、この要求を満たすことが容易となる。
車両にピッチングが生じ、例えば、車両の前側において、車輪側部材40と車体側部材42との間隔が増大し、後側において減少すると、左右前輪10,12のショックアブソーバ20,22のアブソーバ室54の液圧が高くなり、左右後輪14,16のショックアブソーバ24,26のアブソーバ室54の液圧が低くなる。外側受圧面170,176に作用する液圧が高くなり、内側受圧面172,174に作用する液圧が低くなるが、この場合には、左右前輪10,12のショックアブソーバ20,22のアブソーバ室54の液圧の増大量が互いにほぼ等しく、かつ、それら液圧が共に内側受圧面172,174に作用し、左右後輪14,16のショックアブソーバ24,26のアブソーバ室54の液圧が低下量が互いにほぼ等しく、かつ、それら液圧が共に外側受圧面170,176に作用するため、ピストン組立体72に作用する力の釣り合いの状態は変わらず、ピストン組立体72が移動することはない。各ショックアブソーバ20〜26は、それぞれ独立しているに等しいこととなり、車輪側部材40と車体側部材42との相対移動に伴って(ピストン52の移動に伴って)、ショックアブソーバ20〜26の各々において大きい減衰力が得られ、車両のピッチング速度が抑えられる。
それに対し、前後左右の車輪の1つ、例えば、左前輪10が路面の突部に乗り上げた場合、すなわち、車輪側部材40と車体側部材42との間隔を小さくする向きの力が増大した場合、あるいは車体の対角位置にある車輪にそれらを同相移動させる力、例えば、ショックアブソーバ20,26に対する、車輪側部材40と車体側部材42との間隔を小さくする向きの力が増大した場合には、ショックアブソーバ20,26のアブソーバ室54の液圧が低くなり、ショックアブソーバ22,24のアブソーバ室54の液圧が高くなる。内側受圧面172および外側受圧面176が受ける液圧が低くなり、外側受圧面170および内側受圧面174が受ける液圧が高くなるのであり、ピストン組立体72が図1において左方へ移動する。その結果、液室164,162の容積が小さくなり、液室160,166の容積が大きくなる。したがって、ショックアブソーバ22,24から作動液が流出し、ショックアブソーバ20,26に流入する。制御シリンダ30を介してショックアブソーバ20,26とショックアブソーバ22,24とが連通させられ、これらの間で作動液の授受が行われるに等しいこととなる。結局、各ショックアブソーバ20〜26においてアブソーバ室54,56間の液圧差が小さくなり、絞り装置58を流れる作動液の速度が小さくなって、発生する減衰力が小さくなる。このため、車輪は車体に対して容易に接近あるいは離間することができ、対角車輪の同相移動が容易となって、車体の上下動が抑制される。
このように、本実施例の車両懸架システムによれば、一輪の軽快な移動または対角車輪の軽快な同相移動を許容し、かつ、ピッチングを抑制することができる。また、車両旋回時には、制御シリンダ30の作動により、旋回初期(旋回開始当初)には後輪側の減衰力配分が増大させられ、その後は前輪側の減衰力配分が増大させられる。したがって、旋回初期には後輪側の減衰力配分を大きくし、その後は前輪側の減衰力配分を大きくすることが可能となり、車両の操舵応答性の確保と走行安定性の確保という、一般に両立が難しいとされている要求を共に良好に満たすことが容易となる。ただし、旋回初期(旋回開始当初)には後輪側の減衰力配分が増大させられ、その後は前輪側の減衰力配分が増大させられるようにすれば本発明の効果が得られるのであり、旋回初期に、前輪側の減衰力が後輪側の減衰力より実際に大きくなるようにすることは不可欠ではない。
本実施例においてはさらに、シリンダハウジング70およびピストン組立体72の製造誤差および組立誤差の存在にもかかわらず、仕切壁部材88のハウジング本体部80に対する相対移動によりピストン組立体72の軽快な移動が保証されるため、上記減衰力配分変更の効果を良好に享受することができる。
本発明の一実施例である車両懸架システムを示す回路図である。 図1に示す制御シリンダの正面断面図である。 図1に示すショックアブソーバの取付状態を示す正面図である。 上記ショックアブソーバの要部を示す正面断面図である。 前記車両懸架システムの作動を説明するための図である。 前記車両懸架システムの作動を説明するための図である。 前記車両懸架システムの作動を説明するための図である。 前記車両懸架システムの作動を説明するための図である。
符号の説明
20,22,24,26:ショックアブソーバ 30:制御シリンダ 40:車輪側部材 42:車体側部材 50:シリンダハウジング 52:ピストン 53:ピストンロッド 54,56:アブソーバ室 58:絞り装置 70:シリンダハウジング 72:ピストン組立体 74,76:ピストン 78:連結ロッド 80:ハウジング本体部 82:仕切壁部 88:仕切壁部材 124,126:シリンダ室 170,176:外側受圧面 172,174:内側受圧面 214:ハードバルブ 216:ソフトバルブ 222:固定絞り 226:固定絞り

Claims (4)

  1. それぞれアブソーバ室を備えた4つのショックアブソーバであって、前後左右4つの車輪をそれぞれ回転可能に保持する4つの車輪側部材と、車体側においてそれら車輪側部材の各々に対応する部材である4つの車体側部材との間に設けられる2つずつの前輪側アブソーバおよび後輪側アブソーバと、
    (a)2つのピストンが連結ロッドにより互いに連結されたピストン組立体と、(b)仕切壁により仕切られた2つのシリンダ室を有するシリンダハウジングとを備え、前記連結ロッドが仕切壁を液密かつ摺動可能に貫通し、2つのピストンが前記2つのシリンダ室に液密かつ摺動可能に嵌合されることにより、前記2つのピストンと前記仕切壁との間に2つの内側制御室、2つのピストンの仕切壁とは反対側に2つの外側制御室がそれぞれ形成された制御シリンダと、
    前記2つの前輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの前輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との一方の各々に接続し、前記2つの後輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの後輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との他方の各々に接続する接続通路と
    を含み、かつ、前記前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と、前記ピストン組立体の前記内側および外側制御室に対する受圧面積とが、前記前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域と大きい領域とで前記ピストン組立体の移動方向が逆向きになるように選定されたことを特徴とする車両懸架システム。
  2. それぞれアブソーバ室を備えた4つのショックアブソーバであって、前後左右4つの車輪をそれぞれ回転可能に保持する4つの車輪側部材と、車体側においてそれら車輪側部材の各々に対応する部材である4つの車体側部材との間に設けられる2つずつの前輪側アブソーバおよび後輪側アブソーバと、
    (a)2つのピストンが連結ロッドにより互いに連結されたピストン組立体と、(b)仕切壁により仕切られた2つのシリンダ室を有するシリンダハウジングとを備え、前記連結ロッドが仕切壁を液密かつ摺動可能に貫通し、2つのピストンが前記2つのシリンダ室に液密かつ摺動可能に嵌合されることにより、前記2つのピストンと前記仕切壁との間に2つの内側制御室、2つのピストンの仕切壁とは反対側に2つの外側制御室がそれぞれ形成された制御シリンダと、
    前記2つの前輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの前輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との一方の各々に接続し、前記2つの後輪側アブソーバのアブソーバ室である2つの後輪側被制御室の各々を、前記2つの外側制御室と前記2つの内側制御室との他方の各々に接続する接続通路と
    を含み、かつ、前記2つの前輪側アブソーバの減衰力と前記2つの後輪側アブソーバの減衰力とが、前記制御シリンダにより、それら前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が大きい領域と小さい領域とにおいて互いに逆向きに変化させられるように、前記前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と、前記ピストン組立体の前記内側および外側制御室に対する受圧面積とが選定されたことを特徴とする車両懸架システム。
  3. 前記制御シリンダにより、前記前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域では、後輪側アブソーバの減衰力が増大させられる一方、前輪側アブソーバの減衰力が減少させられ、作動速度が大きい領域では後輪側アブソーバの減衰力が減少させられる一方前輪側アブソーバの減衰力が増大させられるように、前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と前記ピストン組立体の受圧面積とが選定された請求項2に記載の車両懸架システム。
  4. 前輪側および後輪側アブソーバの各々の減衰特性と前記ピストン組立体の受圧面積との選定により、前記前輪側および後輪側アブソーバの作動速度が小さい領域では、前記後輪側アブソーバの減衰力の方が前記前輪側アブソーバの減衰力より大きく、作動速度が大きい領域では、前輪側アブソーバの減衰力の方が後輪側アブソーバの減衰力より大きくされた請求項2または3に記載の車両懸架システム。
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