JP4276051B2 - 車両用油圧式緩衝装置 - Google Patents
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前記フリーピストンは、これが移動することにより生じる第1、第2の油室の容積の変化分が常に一定の比となるように形成されている。
したがって、前記フリーピストンが移動するときは絞りを作動油が通過することはなく、第1および第2の油室に対して作動油が流入したり流出するに当たっていわゆる不感帯が設けられていることになるから、路面上の微小な凹凸を車輪が越えたときなどのように前記両油室に対する作動油の出入量が相対的に少ない場合は中間ユニットによる減衰力の発生を抑えることができる。このため、直進時の乗り心地を改善することができる。
フリーピストンが可動範囲の一端に達しても前記釣り合い状態に達しない場合は、前記絞りを作動油が通過することにより前記不釣り合いな状態が解消される。
したがって、前記フリーピストンが移動するときは絞りを作動油が通過することはなく、第1および第2の油室に対して作動油が流入したり流出するに当たっていわゆる不感帯が設けられていることになるから、路面上の微小な凹凸を車輪が越えたときなどのように前記両油室に対する作動油の出入量が相対的に少ない場合は中間ユニットによる減衰力の発生を抑えることができる。このため、直進時の乗り心地を改善することができる。
以下、本発明に係る車両用油圧式緩衝装置の一実施の形態を図1および図2によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る車両用油圧式緩衝装置の断面図、図2はフリーピストンの動作を説明するための図である。
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による車両の前輪用油圧式緩衝装置である。この油圧式緩衝装置1は、図示していない自動車の車体に左右方向に対をなすように設けられた第1の油圧式緩衝器2と第2の油圧式緩衝器3と、これらの油圧式緩衝器2,3に接続された中間ユニット4とから構成されている。
この実施の形態による第1および第2の油圧式緩衝器2,3は、シリンダ本体5が自動車の車体に装着されるとともに、ピストンロッド11の下端部が前輪懸架用リンク(図示せず)などの車体に対して上下する部位に枢支され、車体側と前輪側との間に介装されている。これらの油圧式緩衝器2,3のうち、車体右側(図1においても右側)の油圧式緩衝器2の上部油室7は、油圧管12を介して後述する中間ユニット4の第1の配管接続用ポート13に接続され、他方の油圧式緩衝器3の上部油室7は、油圧管14を介して中間ユニット4の第2の配管接続用ポート15に接続されている。
前記小径シリンダ21は、シリンダ孔21aが軸線方向の一端(図1においては下端)に開口する状態で形成されるとともに、このシリンダ孔21aの周囲に前記第1および第2の配管接続用ポート13,15と、取付用ボス24,25とが形成されている。前記第1の配管接続用ポート13は、シリンダ孔21aの側部に形成され、小径シリンダ21の前記一端面に開口する作動油通路26に接続されている。前記第2の配管接続用ポート15は、前記シリンダ孔21aの他端部に形成されてシリンダ孔21a内に連通されている。
前記主フリーピストン23は、有底円筒状を呈するように形成された大径フリーピストン31と、この大径フリーピストン31の底部(図1においては上端部)に取付けられた小径フリーピストン32とから構成されている。
この実施の形態による前記小径フリーピストン32は、円板状を呈するように形成され、外周部にシールリング42が装着されている。また、この実施の形態においては、前記小径フリーピストン32と前記大径フリーピストン31とは、第1の油室38の有効断面積と第2の油室41の有効断面積とが一致するように形成されている。すなわち、大径フリーピストン31と小径フリーピストン32とが移動することによって、第1の油室38と第2の油室41には同量だけ作動油が出入りする。
前記第1の連通路44に設けられた逆止弁46は、第1の油室38から第2の油室41へのみに作動油が流れるように形成され、第2の連通路45に設けられた逆止弁47は、第2の油室41から第1の油室38へのみに作動油が流れるように形成されている。
この場合は、副フリーピストン53が圧力差によって低圧側(第4の油室55側)へ移動する。このように副フリーピストン53が移動することにより前記作動油の出入量の不釣り合い分が減少し、前記不釣り合いの状態が解消された場合は、副フリーピストン53が停止する。
請求項2に記載した発明に係る車両用油圧式緩衝装置の一実施の形態を図3によって詳細に説明する。
図3は車両用油圧式緩衝装置の中間ユニットの断面図で、同図において、前記図1および図2によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
この実施の形態による有底筒状部34内には、環状を呈するように形成されたストッパープレート71が嵌挿され、このストッパープレート71と有底筒状部34の底壁57との間に副フリーピストン53が圧縮コイルばね62,63によって弾持されている。前記ストッパープレート71は、サークリップ72によって高圧ガス室37側への移動が規制されており、前記圧縮コイルばね62,63の弾発力によって有底筒状部34内に保持されている。すなわち、この実施の形態による副フリーピストン53は、高圧ガス室37と第4の油室55(第2の油室41)とを画成している。
したがって、この実施の形態に示すように中間ユニット4を構成しても前記第1の実施の形態を採るときと同等の効果を奏する。
請求項3に記載した発明に係る車両用油圧式緩衝装置の一実施の形態を図4によって詳細に説明する。
図4は車両用油圧式緩衝装置の中間ユニットの断面図で、同図において、前記図1および図2によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
この実施の形態による有底筒状部34の底壁57は、小径フリーピストン32が取付けられる支柱39に一体に形成された円筒81と、この円筒81の周囲にゴム82を介して接着された筒部83とから構成されている。
このようにゴム82によって筒部83に円筒81と突起84とを接着することによって、小径フリーピストン32に対して大径フリーピストン31のピストン本体33がゴム82の弾性変形可能な長さだけ軸線方向に変位可能となる。
したがって、前記ゴム82が弾性変形するときは絞り43を作動油が通過することはなく、第1および第2の油室38,41に対して作動油が流入したり流出するに当たっていわゆる不感帯が設けられていることになるから、路面上の微小な凹凸を車輪が越えたときなどのように前記両油室に対する作動油の出入量が相対的に少ない場合は減衰力を一定に保つことができる。このため、この実施の形態に示すように中間ユニット4を構成しても前記第1の実施の形態を採るときと同等の効果を奏する。
また、前記第1および第2の油室38,41は、上述した各実施の形態で示したように左右の油圧式緩衝器2,3に接続する他に、車体の左右方向の一方に位置する前輪用油圧式緩衝器と後輪用油圧式緩衝器とに接続することができるし、左右方向の一方の前輪用油圧式緩衝器と左右方向の他方の後輪用油圧式緩衝器とに接続することもできる。
さらに、中間ユニット4の第1の油室38と第2の油室41は、車輪側の油圧式緩衝器2,3の下部油室8に接続することができる。
Claims (3)
- 車体に対をなすように設けた油圧式緩衝器の油室に連通する第1および第2の油室を有し、これらの油室の容積の変化分が常に一定の比となるように構成するとともに、前記両油室どうしを絞りによって連通させた車両用油圧式緩衝装置において、前記第1の油室と第2の油室との間に、フリーピストンによって内部が二室に画成された副油室を形成し、この副油室の一方の油室を前記第1の油室に接続するとともに、他方の油室を前記第2の油室に接続し、前記フリーピストンを可動範囲の中途位置に弾持したことを特徴とする車両用油圧式緩衝装置。
- 車体に対をなすように設けた油圧式緩衝器の油室に連通する第1および第2の油室を有し、これらの油室の容積の変化分が常に一定の比となるように構成するとともに、前記両油室どうしを絞りによって連通させた車両用油圧式緩衝装置において、前記第1の油室と前記第2の油室のうち何れか一方に、フリーピストンによって高圧ガス室とは画成された副油室を接続し、前記フリーピストンを可動範囲の中途位置に弾持したことを特徴とする車両用油圧式緩衝装置。
- 車体に対をなすように設けた油圧式緩衝器の油室に連通する第1および第2の油室を有し、これらの油室の容積の変化分が常に一定の比となるように構成するとともに、前記両油室どうしを絞りによって連通させた車両用油圧式緩衝装置において、前記第1の油室と第2の油室とを、同一軸線上に並設した小径シリンダおよび大径シリンダと、これらのシリンダ内に嵌挿させて互いに連動するように連結した小径フリーピストンおよび大径フリーピストンとによって形成し、前記小径フリーピストンと大径フリーピストンとの間に、一方のフリーピストンに対して他方のフリーピストンが予め定めた長さだけ軸線方向に変位可能となるように弾性体を介装したことを特徴とする車両用油圧式緩衝装置。
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