JP2002005215A - 油圧緩衝器のピストン装置 - Google Patents

油圧緩衝器のピストン装置

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JP2002005215A
JP2002005215A JP2000186898A JP2000186898A JP2002005215A JP 2002005215 A JP2002005215 A JP 2002005215A JP 2000186898 A JP2000186898 A JP 2000186898A JP 2000186898 A JP2000186898 A JP 2000186898A JP 2002005215 A JP2002005215 A JP 2002005215A
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piston
piston ring
diameter portion
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axial direction
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Masanao Matsui
優尚 松井
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Showa Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
    • F16F9/32Details
    • F16F9/36Special sealings, including sealings or guides for piston-rods
    • F16F9/368Sealings in pistons

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸側流路と圧側流路を切換えて形成可能とす
るピストン装置において、部品点数を少なく、構造簡素
で、組付工数も少なくし、コスト低減すること。 【解決手段】 2個のピストン分割体31A、31Bか
らなるピストン31と、ピストンリング41とを有す
る、油圧緩衝器10のピストン装置30であって、ピス
トンリング41は、ピストン31の環状溝34の内部で
軸方向の一方に移動することにより、その平坦面42と
一方のピストン分割体31Aのシート面35のオリフィ
ス溝37との間にオリフィス流路45を形成し、軸方向
の他方に移動することにより、その突起部43と他方の
ピストン分割体31Bのシート面35との間に上記オリ
フィス流路45よりも大面積の流路47を形成するも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧緩衝器のピスト
ン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧緩衝器のピストン装置は、ピストン
ロッドの端部にバルブストッパとピストンを固定し、ピ
ストンの外周環状溝に装着したピストンリングをダンパ
シリンダの内面に摺接可能としている。そして、ピスト
ンに設けた貫通流路の圧側流れを許容する第1チェック
バルブをバックアップするバルブスプリングをバルブス
トッパにより背面支持して圧側流路を形成するととも
に、第1チェックバルブに設けた小孔から上記貫通流路
に向かおうとする伸側流れを許容第2チェックバルブを
該第1チェックバルブの貫通流路側に添設して伸側流路
を形成する。
【0003】また、ピストンリングは、両端部の合口に
設けるステップカット面を周方向に離隔する状態に金型
内で成形し、金型から取出した自由状態では、自身の弾
性によりステップカット面を互いに接合するようにして
いる。これにより、ピストンリングは、両端部の合口隙
間を閉じ、ピストンの外周における流体の自由な流れを
阻止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には以下の問題点がある。 ピストン装置は、伸側流路と圧側流路を切換えて形成
可能とするために、バルブストッパ、ピストン、ピスト
ンリング、バルブスプリング、第1と第2のチェックバ
ルブの全6部品を必要とする。このため、部品点数が多
く、構造複雑で、組付工数も多く、コスト高となる。
【0005】径方向の肉厚が大きなピストンリングで
は、両端部の合口隙間を自身の弾性で閉じることができ
ず、ピストンの外周における流体の自由な流れを阻止で
きない。
【0006】本発明の課題は、伸側流路と圧側流路を切
換えて形成可能とするピストン装置において、部品点数
を少なく、構造簡素で、組付工数も少なくし、コスト低
減することにある。
【0007】本発明の課題は、径方向の肉厚が大きなピ
ストンリングにおいて、両端部の合口隙間を閉じること
ができ、ピストンの外周における流体の自由な流れを阻
止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ダン
パシリンダに挿入されるピストンロッドに固定されるピ
ストンと、ピストンの外周に装着されるピストンリング
とを有する油圧緩衝器のピストン装置において、前記ピ
ストンは2個のピストン分割体からなり、各ピストン分
割体は、大外径を備える大径部と小外径を備える小径部
とからなり、大径部の軸方向における小径部の側の端面
に環状のシート面を形成し、大径部の軸方向に貫通する
貫通流路を備えるとともに、上記シート面に小径部の外
径側から貫通流路に渡るオリフィス溝を備え、2個のピ
ストン分割体の小径部の端面を互いに合わせた状態でピ
ストンロッドに固定することによりピストンを構成し、
該ピストンは両ピストン分割体の大径部と小径部によっ
て区画される環状溝を形成し、前記ピストンリングは、
一方の端面に平坦面を、他方の端面に複数の突起部を形
成し、前記ピストンの環状溝に装着された状態で、内周
を両ピストン分割体の小径部の外径が形成する環状溝の
底部との間に隙間を形成し、外周をダンパシリンダの内
面に摺接し、該環状溝の内部で軸方向に移動可能とし、
前記ピストンリングは、環状溝の内部で軸方向の一方に
移動することにより、その平坦面と一方のピストン分割
体のシート面のオリフィス溝との間にオリフィス流路を
形成し、軸方向の他方に移動することにより、その突起
部と他方のピストン分割体のシート面との間に上記オリ
フィス流路よりも大面積の流路を形成したものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記2個のピストン分割体が互いに同一形状を
なすものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記ピストン分割体の大径部の軸方向における
小径部と反対側の端面に径方向に溝を形成し、この溝内
に前記貫通流路を開口してなるようにしたものである。
【0011】請求項4の発明は、ダンパシリンダに挿入
されるピストンロッドに固定されるピストンの外周に装
着され、ダンパシリンダの内面に摺接するピストンリン
グにおいて、前記ピストンリングの両端部の相対する端
面の間に、ダンパシリンダの内部でピストンを挟む両側
の流体室を連通する合口隙間を設け、前記ピストンリン
グの両端部の上記合口隙間を形成する各端面のそれぞれ
に半径方向に貫通する凹部を形成し、これらの相対する
凹部の内部で円柱状のチェック弁を該ピストンリングの
軸方向にて移動可能に設け、前記チェック弁は、前記合
口隙間を軸方向に流れる流体圧力により移動し、相対す
る凹部の合口隙間を挟む両面に当接することにより、合
口隙間を閉じるようにしたものである。
【0012】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て更に、前記チェック弁が、前記ピストンリングの一端
部の凹部の内面に連結部を介して揺動自在に設けられ、
該ピストンリングと一体成形されてなるようにしたもの
である。
【0013】
【作用】請求項1の発明によれば下記、の作用があ
る。 ピストン装置は、油圧緩衝器の伸側行程又は圧側行程
の一方において、ピストンリングを環状溝の内部で軸方
向の一方に移動することにより、その平坦面と一方のピ
ストン分割体のシート面のオリフィス溝との間にオリフ
ィス流路を形成し、このオリフィス流路を伸側流路又は
圧側流路の一方とする。また、油圧緩衝器の伸側行程又
は圧側行程の他方において、ピストンリングを環状溝の
内部で軸方向の他方に移動することにより、その突起部
と他方のピストン分割体のシート面との間に上記オリフ
ィス流路よりも大面積の流路を形成し、この流路を伸側
流路又は圧側流路の他方とする。これにより、伸側流路
と圧側流路を切換え形成可能とする。
【0014】ピストン装置は、伸側流路と圧側流路を
上述の如くに切換えて形成するに際し、ピストンを構
成する2個のピストン分割体と、ピストンリングの全3
部品だけを必要とする。このため、部品点数を少なく、
構造簡素で、組付工数も少なくし、コスト低減できる。
【0015】請求項2の発明によれば下記の作用があ
る。 上述の2個のピストン分割体を互いに同一形状、換
言すれば同一部品化することにより、2個のピストン分
割体をプラスチック成形するための金型償却コストを低
減できるし、誤組立の可能性を排除して組立性を向上で
きる。
【0016】請求項3の発明によれば下記の作用があ
る。 ピストンを構成するピストン分割体の大径部の軸方向
における小径部と反対側の端面に径方向に溝を形成し、
この溝内に貫通流路を開口することにより、ピストンの
上記端面にリバウンドスプリングを衝合せしめるに際
し、リバウンドスプリングによる上記貫通流路の孔ふさ
ぎを回避できる。
【0017】請求項4の発明によれば下記の作用があ
る。 ピストンリングがピストンに設けた環状溝の内部で軸
方向に移動し、該ピストンリングの平坦面がピストン分
割体のシート面のオリフィス溝との間にオリフィス流路
を形成する場合におけるように、径方向の肉厚が大きな
ピストンリングであって、該ピストンリングの両端部の
相対する端面の間に形成される合口隙間を自己の弾性で
閉じることができないものにあっても、該合口隙間を形
成する各端面に形成した凹部に設けた円柱状のチェック
弁により、該合口隙間を閉じることができる。これによ
り、ピストンの外周における流体の自由な流れを阻止で
きる。
【0018】請求項5の発明によれば下記、の作用
がある。 チェック弁がピストンリングの上述の凹部の内面に
連結部を介し揺動自在に設けられる。従って、油圧緩衝
器の使用の初めの段階では、チェック弁は連結部を揺動
支点として移動し、ピストンリングの合口隙間を挟む両
面に当接して該合口隙間を閉じる。油圧緩衝器の繰り返
し使用により、上記連結部が破断するに至った後には、
チェック弁は凹部の中で自在に転動できる状態で、ピス
トンリングの合口隙間を挟む両面に当接して該合口隙間
を閉じる。
【0019】チェック弁は、ピストンリングのプラス
チック成形時には、ピストンリングと一体になっている
から、ピストンリングと一体成形でき、製造組込性が良
い。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は油圧緩衝器を示す断面図、
図2は図1のピストン装置を示す断面図、図3は図2の
要部拡大断面図、図4はピストン分割体を示し、(A)
は断面図、(B)は一方の平面図、(C)は他方の平面
図、図5はピストンリングを示し、(A)は一方の平面
図、(B)は他方の平面図、(C)は(A)のC−C線
に沿う断面図、図6はピストンリングを示す側面図、図
7はピストンリングのチェック弁を示し、(A)は中立
状態を示す模式図、(B)は揺動状態を示す模式図、
(C)は転動状態を示す模式図である。
【0021】油圧緩衝器10は、図1に示す如く、例え
ば自動2輪車の後部車輪と荷台間に介装されるリヤクッ
ションを構成し、車体側に連結されるダンパシリンダ1
1に、車輪側に連結されるピストンロッド12を挿入
し、シリンダ11の外周部とピストンロッド12の間に
懸架スプリング13を介装して構成される。
【0022】ダンパシリンダ11は、車体側取付部1
4、フランジ15を一体に備え、フランジ15にスプリ
ングカバー16の上端部を支持し、スプリングカバー1
6の上端面をスプリングシート17としている。ピスト
ンロッド12は、車輪側取付部18をロックナット18
で結合され、車輪側取付部18の基端面にスプリングシ
ート19を支持している。懸架スプリング13はスプリ
ングシート17とスプリングシート19により支持され
る。尚、ピストンロッド12は、ロックナット18Aが
螺着されている基部まわりにストッパラバー20を備え
る。
【0023】また、油圧緩衝器10は、ダンパシリンダ
11の開口部にロッドガイド21、オイルシール22、
エンドプレート23をかしめ保持し、シリンダ11のロ
ッドガイド21、オイルシール22を経てシリンダ11
内に挿入されているピストンロッド12の端部にピスト
ン装置30を装着している。ピストン装置30は、後述
する如くに、シリンダ11の内部をピストンロッド12
が収容されないピストン側油室24Aと、ピストンロッ
ド12が収容されるロッド側油室24Bに2分し、ピス
トンロッド12の伸縮の両行程で両油室24A、24B
を連通する伸側流路と圧側流路を切換え形成する。尚、
ダンパシリンダ11は、ロッドガイド21に担持される
リバウンドスプリング25を内蔵する。リバウンドスプ
リング25は、油圧緩衝器の最圧縮時に、ロッドガイド
21の端面と後述するピストン31のピストン分割体3
1Bの端面との間で圧縮され、最圧縮ストロークを規制
する。
【0024】これにより、油圧緩衝器10にあっては、
車両が路面から受ける衝撃力を懸架スプリング13の弾
発力で吸収し、ピストン装置30の伸側流路と圧側流路
で後述する如くに発生する減衰力で懸架スプリング13
の衝撃力吸収に伴う伸縮振動を制振する。
【0025】然るに、油圧緩衝器10のピストン装置3
0は、図2、図3に示す如く、ピストンロッド12に固
定されるピストン31と、ピストン31の外周に装着さ
れるピストンリング41とを有する。ピストン31は、
2個の互いに同一形状のピストン分割体31A、31B
からなり、ピストンリング41は、両ピストン分割体3
1A、31Bの大径部32と小径部33によって区画さ
れる環状溝34に装着される。
【0026】ピストン31を構成する各ピストン分割体
31A、31Bは、図4に示す如く、大外径を備える外
径部32と小外径を備える小径部33とからなり、大径
部32の軸方向における小径部33の側の端面にシート
面35(図4の直径D1)を形成し、大径部32の周方
向の複数位置に該大径部32の軸方向に貫通する貫通流
路36を備えるとともに、上記シート面35に小径部3
3の外径側から貫通流路36に渡るオリフィス溝37を
備える。本実施形態では、全8個の貫通流路36のう
ち、周方向で1つおきとなる貫通流路36毎にオリフィ
ス溝37を備え、全8個の貫通流路36をつなぐ円周溝
38をシート面35の外周に沿う位置に設けている。
【0027】また、各ピストン分割体31A、31B
は、図4(C)に示す如く、大径部32における小径部
33と反対側の端面で、各貫通流路36が開口する位置
のそれぞれに、径方向に延びる溝39を形成している。
【0028】ピストン31は、2個のピストン分割体3
1A、31Bの小径部33の端面を互いに合わせた状態
でそれらのピストン分割体31A、31Bをピストンロ
ッド12の先端段差部に嵌着し、ピストンロッド12の
先端かしめ部12Aにより固定することにて構成され
る。これにより、ピストン31は、両ピストン分割体3
1A、31Bの大径部32と小径部33によって前述の
環状溝34を区画形成する。
【0029】ピストンリング41は、図5、図6に示す
如く、一方の端面に平坦面42(図5(B)の直径D
2)を、他方の端面に複数の突起部43を形成し、ピス
トン31の環状溝34に装着された状態(図3)で、内
周を両ピストン分割体31A、31Bの小径部33の外
径が形成する環状溝34の底部との間に隙間44を形成
し、外周をダンパシリンダ11の内面に摺接し、環状溝
34の内部で軸方向に移動可能としている。
【0030】ピストン装置30は、ピストンロッド12
の伸縮の両行程で両油室24A、24Bを連通し、伸側
減衰力と圧側減衰力を発生させる伸側流路と圧側流路を
以下の如くに切換え形成する。
【0031】(1)伸側流路 ピストンリング41は、環状溝34の内部で図3の上半
部に示す如くに、軸方向の一方(ピストン側油室24A
側)に移動することにより、その平坦面42と一方のピ
ストン分割体31Aのシート面35のオリフィス溝37
との間にオリフィス流路45を形成する。これにより、
ロッド側油室24B側のピストン分割体31Bの貫通流
路36、ピストンリング41の内周の隙間44、上述の
オリフィス流路45、ピストン側油室24A側のピスト
ン分割体31Aの貫通流路36をつなげてなる伸側流路
46が形成される。ピストンロッド12の伸側行程で、
ロッド側油室24Bの油は伸側流路46を通ってピスト
ン側油室24Aに流れ、この間の通路抵抗に基づく伸側
減衰力を発生する。
【0032】(2)圧側流路 ピストンリング41は、環状溝34の内部で図3の下半
部に示す如くに、軸方向の他方(ロッド側油室24B
側)に移動することにより、その突起部43と他方のピ
ストン分割体31Bのシート面35との間に上述(1)の
オリフィス流路45よりも大面積の流路47を形成す
る。これにより、ピストン側油室24A側のピストン分
割体31Aの貫通流路36、ピストンリング41の内周
の隙間44、上述の流路47、ロッド側油室24B側の
ピストン分割体31Bの貫通流路36をつなげてなる圧
側流路48が形成される。ピストンロッド12の圧側行
程で、ピストン側油室24Aの油は圧側流路48を通っ
てロッド側油室24Bに流れ、この間の通路抵抗に基づ
く圧側減衰力(上述(1)の伸側減衰力より小)を発生す
る。
【0033】従って、ピストン装置30の構成によれ
ば、以下の作用がある。 ピストン装置30は、油圧緩衝器10の伸側行程にお
いて、ピストンリング41を環状溝34の内部で軸方向
の一方に移動することにより、その平坦面42と一方の
ピストン分割体31Aのシート面35のオリフィス溝3
7との間にオリフィス流路45を形成し、このオリフィ
ス流路45を伸側流路46とする。また、油圧緩衝器1
0の圧側行程において、ピストンリング41を環状溝3
4の内部で軸方向の他方に移動することにより、その突
起部43と他方のピストン分割体31Bのシート面35
との間に上記オリフィス流路45よりも大面積の流路4
7を形成し、この大面積の流路47を圧側流路48とす
る。これにより、伸側流路46と圧側流路48を切換え
形成可能とする。
【0034】ピストン装置30は、伸側流路46と圧
側流路48を上述の如くに切換えて形成するに際し、
ピストン31を構成する2個のピストン分割体31A、
31Bと、ピストンリング41の全3部品だけを必要と
する。このため、部品点数を少なく、構造簡素で、組付
工数も少なくし、コスト低減できる。
【0035】上述の2個のピストン分割体31A、
31Bを互いに同一形状、換言すれば同一部品化するこ
とにより、2個のピストン分割体31A、31Bをプラ
スチック成形するための金型償却コストを低減できる
し、誤組立の可能性を排除して組立性を向上できる。
【0036】ピストン31を構成するピストン分割体
31A、31Bの大径部32の軸方向における小径部3
3と反対側の端面に径方向に溝39を形成し、この溝3
9内に貫通流路36を開口することにより、ピストン3
1の上記端面にリバウンドスプリング25を衝合せしめ
るに際し、リバウンドスプリング25による上記貫通流
路36の孔ふさぎを回避できる。
【0037】油圧緩衝器10のピストン装置30を構成
するピストンリング41は更に以下の構成を備える(図
6、図7)。
【0038】ピストンリング41は、ダンパシリンダ1
1の内面に密着して摺接する外周を形成するため、プラ
スチック成形金型で成形された自由状態の外径をシリン
ダ11の内径よりも大きくしてあり、その外径がシリン
ダ11の内径に嵌入される際に弾発的に縮径できるよう
に、弾性的な拡径習性を備えたC字状リングとされてい
る。このため、ピストンリング41は該C字状リングの
上端部の相対する端面の間に、シリンダ11の内部でピ
ストン31を挟む両側の油室24A、24Bを連通する
合口隙間51を備える。
【0039】ピストンリング41は、上端部の上記合口
隙間51を形成する各端面のそれぞれに半径方向に貫通
する凹部52、53を形成し、これらの相対する凹部5
2、53の内部で円柱状のチェック弁54を、ピストン
リング41の軸方向にて移動可能に備える。チェック弁
54は、ピストンリング41のプラスチック成形時に、
ピストンリング41の一端部の凹部52の内面に連結部
55を介して揺動自在に設けられ、ピストンリング41
と一体成形される。
【0040】ピストンリング41は、油圧緩衝器10の
使用初期段階と、繰り返し使用後のそれぞれにおいて以
下の如くに機能する。
【0041】(A)使用初期段階のチェック弁54(図7
(A)、(B)) チェック弁54は連結部55を介して揺動する。従っ
て、チェック弁54は、ピストン側油室24A又はロッ
ド側油室24Bから合口隙間51を軸方向に流れる油圧
により揺動し、相対する凹部52、53の合口隙間51
を挟む両面に当接することにより、合口隙間51を閉じ
る。
【0042】(B)繰り返し使用後のチェック弁54(図
7(C)) 連結部55が油圧緩衝器10の繰り返し使用により破断
し、チェック弁54は凹部52、53の中で自在に転動
できる。従って、チェック弁54は、ピストン側油室2
4A又はロッド側油室24Bから合口隙間51を軸方向
に流れる油圧により移動し、相対する凹部52、53の
合口隙間51を挟む両面に当接することにより、合口隙
間51を閉じる。
【0043】従って、ピストンリング41の上述の構成
によれば、以下の作用がある。 ピストンリング41がピストン31に設けた環状溝3
4の内部で軸方向に移動し、該ピストンリング41の平
坦面42がピストン分割体31A、31Bのシート面3
5のオリフィス溝37との間にオリフィス流路45を形
成する場合におけるように、径方向の肉厚が大きなピス
トンリング41であって、該ピストンリング41の両端
部の相対する端面の間に形成される合口隙間51を自己
の弾性で閉じることができないものにあっても、該合口
隙間51を形成する各端面に形成した凹部52、53に
設けた円柱状のチェック弁54により、該合口隙間51
を閉じることができる。これにより、ピストン31の外
周における流体の自由な流れを阻止できる。
【0044】チェック弁54がピストンリング41の
上述の凹部52の内面に連結部55を介し揺動自在に
設けられる。従って、油圧緩衝器10の使用の初めの段
階では、チェック弁54は連結部55を揺動支点として
移動し、ピストンリング41の合口隙間51を挟む両面
に当接して該合口隙間51を閉じる。油圧緩衝器10の
繰り返し使用により、上記連結部55が破断するに至っ
た後には、チェック弁54は凹部52、53の中で自在
に転動できる状態で、ピストンリング41の合口隙間5
1を挟む両面に当接して該合口隙間51を閉じる。
【0045】チェック弁54は、ピストンリング41
のプラスチック成形時には、ピストンリング41と一体
になっているから、ピストンリング41と一体成形で
き、製造組込性が良い。
【0046】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本
発明の実施において、ピストンを構成する2個のピスト
ン分割体は互いに異形状をなすものであっても良い。ま
た、本発明の実施において、ピストン装置が形成するオ
リフィス流路を圧側流路とし、オリフィス流路よりも大
面積の流路を伸側流路とするものであっても良い。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、伸側流路
と圧側流路を切換えて形成可能とするピストン装置にお
いて、部品点数を少なく、構造簡素で、組付工数も少な
くし、コスト低減することができる。
【0048】また、本発明によれば、径方向の肉厚が大
きなピストンリングにおいて、両端部の合口隙間を閉じ
ることができ、ピストンの外周における流体の自由な流
れを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】図2は図1のピストン装置を示す断面図であ
る。
【図3】図3は図2の要部拡大断面図である。
【図4】図4はピストン分割体を示し、(A)は断面
図、(B)は一方の平面図、(C)は他方の平面図であ
る。
【図5】図5はピストンリングを示し、(A)は一方の
平面図、(B)は他方の平面図、(C)は(A)のC−
C線に沿う断面図である。
【図6】図6はピストンリングを示す側面図である。
【図7】図7はピストンリングのチェック弁を示し、
(A)は中立状態を示す模式図、(B)は揺動状態を示
す模式図、(C)は転動状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 11 ダンパシリンダ 12 ピストンロッド 24A、24B 油室(流体室) 30 ピストン装置 31 ピストン 31A、31B ピストン分割体 32 大径部 33 小径部 34 環状溝 35 シート面 36 貫通流路 37 オリフィス溝 39 溝 41 ピストンリング 42 平坦面 43 突起部 44 隙間 45 オリフィス流路 46 伸側流路 47 大面積の流路 48 圧側流路 51 合口隙間 52、53 凹部 54 チェック弁 55 連結部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダンパシリンダに挿入されるピストンロ
    ッドに固定されるピストンと、ピストンの外周に装着さ
    れるピストンリングとを有する油圧緩衝器のピストン装
    置において、 前記ピストンは2個のピストン分割体からなり、 各ピストン分割体は、大外径を備える大径部と小外径を
    備える小径部とからなり、大径部の軸方向における小径
    部の側の端面に環状のシート面を形成し、大径部の軸方
    向に貫通する貫通流路を備えるとともに、上記シート面
    に小径部の外径側から貫通流路に渡るオリフィス溝を備
    え、 2個のピストン分割体の小径部の端面を互いに合わせた
    状態でピストンロッドに固定することによりピストンを
    構成し、該ピストンは両ピストン分割体の大径部と小径
    部によって区画される環状溝を形成し、 前記ピストンリングは、一方の端面に平坦面を、他方の
    端面に複数の突起部を形成し、前記ピストンの環状溝に
    装着された状態で、内周を両ピストン分割体の小径部の
    外径が形成する環状溝の底部との間に隙間を形成し、外
    周をダンパシリンダの内面に摺接し、該環状溝の内部で
    軸方向に移動可能とし、 前記ピストンリングは、環状溝の内部で軸方向の一方に
    移動することにより、その平坦面と一方のピストン分割
    体のシート面のオリフィス溝との間にオリフィス流路を
    形成し、軸方向の他方に移動することにより、その突起
    部と他方のピストン分割体のシート面との間に上記オリ
    フィス流路よりも大面積の流路を形成したことを特徴と
    する油圧緩衝器のピストン装置。
  2. 【請求項2】 前記2個のピストン分割体が互いに同一
    形状をなす請求項1記載の油圧緩衝器のピストン装置。
  3. 【請求項3】 前記ピストン分割体の大径部の軸方向に
    おける小径部と反対側の端面に径方向に溝を形成し、こ
    の溝内に前記貫通流路を開口してなる請求項1記載の油
    圧緩衝器のピストン装置。
  4. 【請求項4】 ダンパシリンダに挿入されるピストンロ
    ッドに固定されるピストンの外周に装着され、ダンパシ
    リンダの内面に摺接するピストンリングにおいて、 前記ピストンリングの両端部の相対する端面の間に、ダ
    ンパシリンダの内部でピストンを挟む両側の流体室を連
    通する合口隙間を設け、 前記ピストンリングの両端部の上記合口隙間を形成する
    各端面のそれぞれに半径方向に貫通する凹部を形成し、
    これらの相対する凹部の内部で円柱状のチェック弁を該
    ピストンリングの軸方向にて移動可能に設け、 前記チェック弁は、前記合口隙間を軸方向に流れる流体
    圧力により移動し、相対する凹部の合口隙間を挟む両面
    に当接することにより、合口隙間を閉じることを特徴と
    する油圧緩衝器のピストン装置。
  5. 【請求項5】 前記チェック弁が、前記ピストンリング
    の一端部の凹部の内面に連結部を介して揺動自在に設け
    られ、該ピストンリングと一体成形されてなる請求項4
    記載の油圧緩衝器のピストン装置。
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