JP3316304B2 - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JP3316304B2
JP3316304B2 JP08556994A JP8556994A JP3316304B2 JP 3316304 B2 JP3316304 B2 JP 3316304B2 JP 08556994 A JP08556994 A JP 08556994A JP 8556994 A JP8556994 A JP 8556994A JP 3316304 B2 JP3316304 B2 JP 3316304B2
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繁 岩田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両等の振動を
緩衝するのに好適に用いられ、特に車両の機種や運転者
の好み等に応じて減衰力を可変に調整できるようにした
減衰力調整式油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両に搭載されるサスペンショ
ン装置には、車両走行時に路面の凹凸等によって車体が
受ける振動や衝撃を緩衝するために、圧油が封入された
シリンダ内をピストンが摺動することによって減衰力を
発生する油圧緩衝器が装備されている。
【0003】そして、例えば実公昭46−9166号公
報に記載された油圧緩衝器の如き、減衰力調整式油圧緩
衝器によれば、減衰力調整手段を予め手動で操作するこ
とにより、車両の走行条件等に応じて減衰力を可変に調
整でき、車両の機種等に応じた適正な走行安定性や乗り
心地を得ることができる。
【0004】そこで、図6ないし図8にこの種の従来技
術による減衰力調整式油圧緩衝器を示す。
【0005】図において、1は円筒状の外筒を示し、該
外筒1内には、該外筒1の軸中心O1 −O1 に対して同
心となる位置に円筒状の内筒2が配設されている。そし
て、内筒2は後述するガイド6とボトムバルブ19のバ
ルブ本体20との間で外筒1内に固定されており、外筒
1と内筒2との間には環状のリザーバ室Aが形成されて
いる。また、外筒1の一端側(下端側)はボトムキャッ
プ3によって閉塞され、他端側(上端側)はアッパキャ
ップ4によって閉塞されている。
【0006】5は前記ボトムキャップ3の下端側に固着
された下部取付アイで、該下部取付アイ5は、その軸中
心が外筒1の軸中心O1 −O1 に対して同心となる位置
に配設されている。
【0007】6は内筒2の上端側に設けられた段付筒状
のガイドを示し、該ガイド6の内周側は、後述するピス
トンロッド13が挿通される挿通穴6Aとなっている。
7は該ガイド6とアッパキャップ4との間に配設された
段付筒状のロッドガイドで、該ロッドガイド7の内周側
は、ピストンロッド13が挿通されるロッド案内穴7A
となっている。また、ロッドガイド7の外周側には溝部
7Bが形成されている。そして、ガイド6は上端側がロ
ッドガイド7に嵌合し、該ロッドガイド7と共にアッパ
キャップ4の内周側に固着されている。
【0008】8はガイド6とロッドガイド7との間に形
成された環状通路で、該環状通路8には、ガイド6に設
けられた軸方向通路9と径方向通路10とがそれぞれ開
口している。そして、軸方向通路9は、後述のピストン
14によって内筒2内に画成されるロッド側油室Cと環
状通路8とを連通させ、径方向通路10は、環状通路8
と後述の通路パイプ24とを連通させている。
【0009】11はアッパキャップ4とロッドガイド7
との間に設けられたシール部材を示し、該シール部材1
1はゴム等の弾性材料により筒状に形成されている。こ
こで、シール部材11とロッドガイド7との間にはリー
ク室Bが画成され、ロッドガイド7のロッド案内穴7A
とピストンロッド13との間から漏れた油液は、該リー
ク室B、ロッドガイド7の溝部7Bおよびガイド6の外
周側を介してリザーバ室A内に戻されるようになってい
る。
【0010】12はリーク室B内に位置してロッドガイ
ド7とシール部材11との間に配設された圧縮ばねを示
し、該圧縮ばね12はシール部材11をアッパキャップ
4に常時押付けている。そして、シール部材11の内周
側にはピストンロッド13が締代をもって挿入され、リ
ーク室B内の油液がピストンロッド13の外周面を介し
て外筒1の外部に漏洩するのをシール部材11によって
阻止している。
【0011】13は下端側が内筒2内に挿入され、上端
側が外筒1の外部に突出したピストンロッドを示し、該
ピストンロッド13は、ロッドガイド7に設けられたロ
ッド案内穴7Aに摺動可能に挿通され、外筒1の軸中心
O1 −O1 に対して同心となる位置に配設されている。
【0012】14は内筒2内に摺動可能に挿嵌され、内
筒2内をロッド側油室Cとボトム側油室Dとに画成した
円筒状のピストンを示し、該ピストン14は、ピストン
ロッド13の下端側に挿嵌されナットによって固着され
ている。そして、ピストン14には、伸長側油路15と
縮小側油路16とが穿設され、該縮小側油路16を開、
閉するように、ピストン14の上面側にはチェックバル
ブ17が配設されている。また、ピストン14の下面側
には伸長側油路15をピストンロッド13の伸長行程で
開、閉することにより、減衰力を発生させる伸長側のデ
ィスクバルブ18が配設されている。
【0013】19は内筒2の下端側に設けられたボトム
バルブで、該ボトムバルブ19は、外周側が内筒2とボ
トムキャップ3との間に固定され、ボトム側油室Dとリ
ザーバ室Aとを連通させる油路が形成されたバルブ本体
20と、該バルブ本体20内に設けられ、ピストンロッ
ド13の縮小行程で減衰力を発生させる縮小側のディス
クバルブ21と、該ディスクバルブ21の上側に位置し
てバルブ本体20内に設けられ、複数の油路が形成され
たチェック弁体22と、該チェック弁体22を常時閉弁
方向に付勢するばね23とから構成されている。
【0014】そして、該ボトムバルブ19は、ピストン
ロッド13の縮小行程において、ボトム側油室D内の圧
油を、ディスクバルブ21を介してリザーバ室A内に流
通させることにより減衰力を発生させ、ピストンロッド
13の伸長行程においては、チェック弁体22がばね2
3に抗して開弁することにより、減衰力を発生させるこ
となくリザーバ室A内の油液をボトム側油室D内に流通
させる逆止弁として作用する。
【0015】24は外筒1と内筒2との間に配設されて
軸方向に伸長する通路パイプで、該通路パイプ24は、
上端側がガイド6に形成された径方向通路10に接続さ
れ、下端側は後述する減衰力調整バルブ25の弁ガイド
26に接続されている。そして、該通路パイプ24は環
状通路8および弁ガイド26等と共に後述の油通路29
を構成し、ロッド側油室Cとリザーバ室Aとの間を減衰
力調整バルブ25を介して連通させる。
【0016】25は外筒1の外周側に突出して配設され
た減衰力調整手段としての減衰力調整バルブを示し、該
減衰力調整バルブ25は図7に示すように、基端側が外
筒1の側面に穿設された取付穴1Aを介して内筒2との
間に設けられ、先端側が外筒1の外周側から径方向に突
出した筒状の弁ガイド26と、該弁ガイド26の内周側
に回動可能に配設された筒状弁体27と、弁ガイド26
の先端側に位置して筒状弁体27の中心部に固定され、
外筒1の外側から回動操作されるダイヤル28とから構
成されている。
【0017】そして、弁ガイド26には、この弁ガイド
26と内筒2との間の隙間Sを介してリザーバ室Aに常
時連通する弁体摺動穴26Aと、該弁体摺動穴26Aと
連通し、前記通路パイプ24の下端側が接続された径方
向の油穴26Bとが形成され、弁ガイド26の外周側
は、外筒1に設けられた取付穴1Aの外周縁部に全周に
亘って溶接されている。
【0018】また、筒状弁体27には、周方向に一定の
間隔をもって穿設された開口面積が異なる複数のオリフ
ィス27A(1個のみ図示)と、抜止め用の環状鍔部2
7Bとが形成されている。
【0019】ここで、内筒2内のロッド側油室Cとリザ
ーバ室Aとは、軸方向通路9、環状通路8、径方向通路
10、通路パイプ24、弁ガイド26の弁体摺動穴26
Aおよび油穴26Bによって構成される油通路29を介
して連通している。
【0020】そして、ダイヤル28を外部から回動操作
することにより、筒状弁体27に穿設された複数のオリ
フィス27Aの1つを弁ガイド26の油穴26Bに一致
させ、油通路29を介してロッド側油室Cとリザーバ室
Aとの間を流通する圧油の流量を変化させることによ
り、減衰力の調整を行うようになっている。
【0021】30は弁ガイド26と筒状弁体27との間
に設けられた係止機構で、該係止機構30は、ボール3
1と該ボール31を筒状弁体27の環状鍔部27Bに圧
接するばね32とから構成されている。そして、筒状弁
体27の環状鍔部27Bには、ボール31が嵌合する複
数の嵌合凹部27Cが形成され、該嵌合凹部27Cとボ
ール31とが係合することにより、ダイヤル28が不用
意に回動してしまうのを防止している。
【0022】33は懸架用のスプリングを示し、該スプ
リング33の下端側は、外筒1の外周に溶接されたスプ
リングシート34によって支持され、上端側はピストン
ロッド13の突出端側に設けられる他のスプリングシー
ト(図示せず)によって支持されている。そして、該ス
プリングシート34は、外筒1の外周に固着された内周
側固定部34Aと、該内周側固定部34Aから外筒1の
外周側に突出する外周側スプリング受部34Bとを有
し、内周側固定部34Aと外周側スプリング受部34B
の軸中心が、外筒1の軸中心O1 −O1 に対して同心と
なる位置に配設されている。
【0023】次に、上述の如く構成された従来技術によ
る減衰力調整式油圧緩衝器の動作を説明する。
【0024】まず、ピストンロッド13の伸長行程で
は、ピストン14に設けたチェックバルブ17が閉弁
し、ロッド側油室C内の圧油は油通路29を介してリザ
ーバ室A内へと流通し、減衰力調整バルブ25のオリフ
ィス27Aを圧油が流通するときに、このオリフィス2
7Aの径に応じた減衰力が発生する。一方、ピストンロ
ッド13の縮小行程では、ボトム側油室D内の圧油はチ
ェックバルブ17が開弁することにより、ピストン14
の縮小側油路16を介してロッド側油室C内に流入し、
油通路29を介してリザーバ室A内へと流通する。そし
て、このときにも圧油が減衰力調整バルブ25のオリフ
ィス27Aを流通することにより、減衰力が発生する。
【0025】このように、ピストンロッド13の伸縮動
作時において、ロッド側油室C内の圧油が油通路29を
介してリザーバ室A内に流出するとき、油通路29の途
中には減衰力調整バルブ25のオリフィス27Aが介在
しているから、圧油が該オリフィス27Aを通過するこ
とにより、該オリフィス27Aの径に応じて減衰力が発
生する。そして、このときの減衰力は、減衰力調整バル
ブ25のダイヤル28を外部から回動操作することによ
り、開口面積が異なる複数のオリフィス27Aを任意に
選択して調整でき、車両の車種や運転者の好み等に応じ
て減衰力特性を可変に調整することができる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
従来技術による減衰力調整式油圧緩衝器では、減衰力調
整バルブ25が外筒1の外周側に突出するように設けら
れ、ロッド側油室Cとリザーバ室Aとの間で圧油を流通
させる油通路29の通路パイプ24等が、外筒1と内筒
2との間に配設されている。このため、外筒1と内筒2
との間には、例えば図7、図8中に示すスペースLを確
保して、通路パイプ24と減衰力調整バルブ25とを配
設する必要がある。
【0027】一方、ピストンロッド13が同一径である
場合には、内筒2の内径dが大きいほど、ピストンロッ
ド13の伸縮動作時に、ピストン14の伸長側油路15
や縮小側油路16等を流れる油液の量が増加するので、
油路の径の製造誤差やピストンロッド13の伸縮動作時
における圧油の漏洩が生じても、減衰力が変化する割合
が小さくなり、減衰力のばらつきを低減する効果が得ら
れる。このため、内筒2の内径dはできるだけ大きく形
成することが望ましいが、この場合には、該内筒2と外
筒1との間に上述のスペースLを確保することが必要と
なるから、外筒1の径を大きく形成しなければならな
い。
【0028】しかし、外筒1の径を大きくした場合に
は、油圧緩衝器全体が大型化し、車両等に搭載するにあ
たり重量が増加し、さらに設置スペースを確保すること
が困難になるという問題が生じる。
【0029】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、内筒を大きくすることができ、所要
の減衰力特性を得ることができる上に、外筒の径を小さ
くして全体の小型化を図ることができるようにした減衰
力調整式油圧緩衝器を提供することを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、外筒と、該外筒内に配設され、該外筒
との間にリザーバ室を形成した内筒と、一端側が該内筒
内に挿入され、他端側が前記外筒外に突出したピストン
ロッドと、該ピストンロッドの一端側に固着されて前記
内筒内に摺動可能に挿嵌され、前記内筒内をロッド側油
室とボトム側油室とに画成したピストンと、前記外筒と
内筒との間に設けられ、前記ロッド側油室とリザーバ室
との間で圧油を流通させる油通路と、該油通路の途中に
位置して前記外筒の外周側に突出するように設けられ、
前記外筒の外側から操作されることにより該油通路の通
路面積を変化させる減衰力調整手段とからなる減衰力調
整式油圧緩衝器において、前記内筒は、前記減衰力調整
手段が設けられる側で前記外筒と離間するように、前記
外筒の軸中心に対して偏心した位置に配設したことを特
徴としてなる構成を採用している。
【0031】
【作用】上記構成によれば、ピストンロッドが伸縮動作
を行うと、ピストンが内筒内を摺動することにより、油
通路を介してロッド側油室とリザーバ室との間を圧油が
流通する。このとき、減衰力調整手段に対する操作によ
って油通路の通路面積を変化させ、油通路を流通する圧
油の流量を調整することにより、操作に応じた減衰力が
得られる。そして、内筒を外筒の軸中心に対して偏心し
た位置に配設することにより、外筒の径を拡大すること
なく、内筒と外筒との間に油通路や減衰力調整手段を配
設するに必要なスペースを確保することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図4に基
づき説明する。なお、実施例では前述した図6ないし図
8に示す従来技術と同一の構成要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0033】図において、41は外筒1内に設けられた
内筒を示し、該内筒41は、その軸中心O2 −O2 が外
筒1の軸中心O1 −O1 に対して距離tだけ偏心した位
置に配設されている。このため、該内筒41と外筒1と
の間に、油通路29を構成する通路パイプ24が配設さ
れるスペースLを確保することができ、しかも内筒41
の内径d′は従来技術で述べた内筒2の内径dよりも大
きく形成されている。
【0034】42は外筒1の上端側を閉塞するアッパキ
ャップで、該アッパキャップ42に形成されたロッド挿
通穴42Aは、内筒41の軸中心O2 −O2 に対して同
心となる位置に形成されている。
【0035】43は外筒1の下端側を閉塞するボトムキ
ャップで、該ボトムキャップ43の下端側に固定された
下部取付アイ5は、外筒1の軸中心O1 −O1 に対して
は距離tだけ偏心し、内筒41の軸中心O2 −O2 と同
心になる位置に配設されている。
【0036】44は内筒41の上端側に設けられたガイ
ド、45はアッパキャップ42とガイド44との間に配
設されたロッドガイドを示している。そして、該ガイド
44に形成された挿通穴44Aと、ロッドガイド45に
形成されたロッド案内穴45Aとは、外筒1の軸中心O
1 −O1 に対して偏心し、内筒41の軸中心O2 −O2
と同心になる位置に配設されている。
【0037】46は内筒41内に摺動可能に挿嵌され、
内筒41内をロッド側油室Cとボトム側油室Dとに画成
するピストンで、該ピストン46は従来技術で述べたピ
ストン14とほぼ同様に、伸長側油路47、縮小側油路
48、チェックバルブ49およびディスクバルブ50を
有しているものの、内筒41の内径がdからd′に拡張
した分だけ外径が大きく形成されている。そして、該ピ
ストン46にはピストンロッド13の下端側が固着さ
れ、ピストンロッド13は内筒41の軸中心O2−O2
と同心に配設され、外筒1の軸中心O1 −O1 に対して
は距離tだけ偏心した位置に配設されている。
【0038】51は内筒41の下端側に設けられたボト
ムバルブで、該ボトムバルブ51は従来技術で述べたボ
トムバルブ19とほぼ同様に、バルブ本体52、ディス
クバルブ53、チェック弁体54およびばね55を有し
ているが、内筒41の下端側を支持するバルブ本体52
の外周側が、内筒41の内径がdからd′に拡張した分
だけ大きく形成されている。
【0039】56は懸架用のスプリング33の下端側を
支持するスプリングシートを示し、該スプリングシート
56は、内周側固定部56Aと外周側スプリング受部5
6Bとを有しているものの、該内周側固定部56Aの軸
中心と外周側スプリング受部56Bの軸中心とは互いに
偏心し、該スプリングシート56を外筒1の外周に固定
したとき、内周側固定部56Aの軸中心は外筒1の軸中
心O1 −O1 に対して同心となり、外周側スプリング受
部56Bは内筒41の軸中心O2 −O2 に対して同心と
なるように形成されている。
【0040】本実施例による減衰力調整式油圧緩衝器
は、上述の如き構成を有するもので、その基本的作動に
ついては、従来技術によるものと格別差異はない。
【0041】然るに、本実施例による減衰力調整式油圧
緩衝器は、従来技術とほぼ同様に、外筒1と、該外筒1
との間にリザーバ室Aを形成した内筒41と、下端側が
内筒41内に挿入されたピストンロッド13と、該ピス
トンロッド13の下端側に固着されて内筒41内に挿嵌
され、内筒41内をロッド側油室Cとボトム側油室Dと
に画成したピストン46と、ロッド側油室Cとリザーバ
室Aとの間で圧油を流通させる油通路29と、該油通路
29の通路面積を変化させる減衰力調整バルブ25とを
備えているものの、内筒41を、外筒1の軸中心O1 −
O1 に対して偏心した位置に配設し、かつ、内径を大き
く形成した点で従来技術とは異なっている。
【0042】即ち、本実施例においては、内筒41を、
その軸中心O2 −O2 が外筒1の軸中心O1 −O1 に対
して距離tだけ偏心した位置に配設することにより、内
筒41と外筒1との間に、油通路29を構成する通路パ
イプ24や減衰力調整バルブ25が配設されるスペース
Lを確保することができ、しかも内筒41の内径d′を
来技術で述べた内筒2の内径dよりも大きく形成するこ
とができる。
【0043】このため、ピストンロッド13の伸縮動作
時に発生する減衰力特性を従来技術に比して大きく改善
することができ、かつ、内筒41内に形成されたロッド
側油室Cとボトム側油室Dの容積が増すことにより、ピ
ストンロッド13の伸縮動作時における圧油の漏洩等に
よって生じる減衰力のばらつきを低減できる。
【0044】しかも、外筒1の内径は従来技術と等しく
されているから、装置全体が大型化することがなく、従
って、当該油圧緩衝器を車両等に搭載するにあたり、十
分な設置スペースを確保することができる。
【0045】また、内筒41を、その軸中心O2 −O2
が外筒1の軸中心O1 −O1 に対して距離tだけ偏心し
た位置に配設すると共に、ピストンロッド13および下
部取付アイ5を、内筒41の軸中心O2 −O2 に対して
同心となる位置に配設しているから、ピストンロッド1
3と下部取付アイ5とを軸方向で常に対向した状態に保
持でき、ピストンロッド13の伸縮動作時にピストンロ
ッド13と下部取付アイ5との間に余分なモーメントが
作用するのを防止できる。さらに、スプリングシート5
6の外周側スプリング受部56Bを、内筒41の軸中心
O2 −O2 に対して同心となる位置に配設しているか
ら、スプリングシート56等に不所望なモーメントが作
用することはない。
【0046】このように、内筒41を、その軸中心O2
−O2 が外筒1の軸中心O1 −O1に対して偏心した位
置に配設しても、下部取付アイ5等の下部取付部材と、
ピストンロッド13の突出端側に設けられる上部取付部
材とを、それぞれの中心が内筒41の軸中心O2 −O2
に対して同心となる位置に配設することにより、ピスト
ンロッド13の伸縮動作時に減衰力調整式油圧緩衝器に
余分なモーメントが作用するのを防止できる。
【0047】なお、前記実施例では、ボトムキャップ4
3の下端側に下部取付アイ5を配設した例について述べ
たが、本発明はこれに限らず、例えば図5に示す変形例
のように、ボトムキャップ61の下端側に、内筒41の
軸中心O2 −O2 に対して同心となる位置に下部取付部
材としての取付ボルト62等を設ける構成としてもよ
い。
【0048】また、前記実施例では、ロッド側油室Cと
リザーバ室Aとの間で圧油を流通させる油通路29の一
部として通路パイプ24を用いているが、本発明はこれ
に限らず、例えば実公昭46−9166号公報に記載さ
れた油圧緩衝器のように、内筒の外周面との間にリザー
バ室と区画された環状の通路を形成し、この環状の通路
を介して、ロッド側油室とリザーバ室との間で圧油が流
通するように構成してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、内筒
を、外筒の軸中心に対して偏心した位置に配設すること
により、外筒の径を特別に大きくすることなく、内筒の
内径を拡張でき、減衰力特性を確実に改善することがで
きる。また、内筒内の容積が増すことにより、ピストン
ロッドの伸縮動作時に、ロッド側油室とボトム側油室と
の間等を流通する油液の量が増加するので、油路の径の
製造誤差やピストンロッドの伸縮動作時に圧油の漏洩が
生じても、減衰力が変化する割合が小さくなり、減衰力
のばらつきを効果的に低減することができる。しかも、
外筒の径が大きくなることがないから、この油圧緩衝器
を車両等に搭載するにあたり、十分な設置スペースを確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による減衰力調整式油圧緩衝器
を示す外観図である。
【図2】本発明の実施例による減衰力調整式油圧緩衝器
を示す縦断面図である。
【図3】図2中の外筒、内筒および減衰力調整バルブ等
を拡大して示す要部縦断面図である。
【図4】図2中の矢示IV−IV方向断面図である。
【図5】本発明の変形例による減衰力調整式油圧緩衝器
を示す図1と同様の外観図である。
【図6】従来技術による減衰力調整式油圧緩衝器を示す
縦断面図である。
【図7】図6中の外筒、内筒および減衰力調整バルブ等
を拡大して示す要部縦断面図である。
【図8】図6中の矢示VIII−VIII方向断面図である。
【符号の説明】
1 外筒 13 ピストンロッド 24 通路パイプ 25 減衰力調整バルブ(減衰力調整手段) 29 油通路 41 内筒 46 ピストン A リザーバ室 C ロッド側油室 D ボトム側油室 O1 −O1 軸中心 O2 −O2 軸中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/32 B60G 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒と、該外筒内に配設され、該外筒と
    の間にリザーバ室を形成した内筒と、一端側が該内筒内
    に挿入され、他端側が前記外筒外に突出したピストンロ
    ッドと、該ピストンロッドの一端側に固着されて前記内
    筒内に摺動可能に挿嵌され、前記内筒内をロッド側油室
    とボトム側油室とに画成したピストンと、前記外筒と内
    筒との間に設けられ、前記ロッド側油室とリザーバ室と
    の間で圧油を流通させる油通路と、該油通路の途中に位
    置して前記外筒の外周側に突出するように設けられ、前
    記外筒の外側から操作されることにより該油通路の通路
    面積を変化させる減衰力調整手段とからなる減衰力調整
    式油圧緩衝器において、前記内筒は、前記減衰力調整手
    段が設けられる側で前記外筒と離間するように、前記外
    筒の軸中心に対して偏心した位置に配設したことを特徴
    とする減衰力調整式油圧緩衝器。
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