JP4148804B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に関し、更に詳しくは、電気特性に優れると共に表面の滑り性にも優れた電子写真感光体を備えた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真方式の画像形成方法として、感光体を一様に帯電させ、次いで、露光して、露光された部分の電荷を消散させることにより静電荷潜像を形成し、これに荷電させたトナーを付着させることによってその静電荷潜像を可視化させ、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写させ、加熱、加圧等によってその可視像を転写材に定着させる方法が、即時に高品質の画像が得られることから、複写機やプリンター等において広く利用されている。
【0003】
このような画像形成方法で用いられる電子写真感光体の感光層には、従来、セレン、セレン−テルル合金、セレン化ヒ素、硫化カドミウム等の無機系光導電物質が広く用いられてきたが、近年では低公害であり、製造が容易な有機系の光導電物質を感光層に用いた研究が盛んになっている。特に、光を吸収して電荷を発生する機能を有する電荷発生層を導電性支持体上に形成させ、さらに、発生した電荷を輸送する機能を有する電荷輸送層を電荷発生層上に積層した感光体が主流となっており、広く用いられている。このような積層型電子写真感光体の中には、電荷輸送層が正孔輸送機能を持つものと電子輸送機能をもつものがあるが、正孔輸送機能を持つ電荷輸送層が主流となっている。このような感光体は負に帯電した場合にのみ感度を有し、負帯電下で使用される。
【0004】
一方、支持体上に電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層したいわゆる逆二層型の感光体、電荷輸送媒体中に電荷発生物質の粒子を分散した分散型感光体が提案され検討が行なわれている。逆二層、分散型感光体では入射光は表面で吸収され、正孔の発生する領域が表面付近となり正帯電下で使用される。
【0005】
これらの感光体は、転写材へのトナー転写後に、表面に残留するトナーの除去(クリーニング)及び場合により除電等が行われ、繰り返し使用される。トナーの除去に使用されるクリーニング装置は、多くの場合、クリーニングブレードであるが、感光体にはこのようなクリーニングブレードとの繰り返しの接触によっても円滑に作動するように、表面の滑り性や耐久性が求められている。また、最近では、従来のコロナ放電を利用した非接触の帯電方式に比べ、オゾン発生も少なく環境に優しいことから、接触帯電方式が使われ始めているため、感光体には転写材、クリーニング装置ばかりでなく、接触型帯電部材等との繰り返しの接触によっても円滑に作動することが求められている。このような要求に対して、感光層を形成する電荷輸送物質の使用量、バインダー樹脂の種類及び分子量等が検討されている。例えば、特許文献1には、樹脂中の窒素化合物の含有量が重量で100ppm以下のポリアリレート樹脂を用いた滑り性の良い感光体が記載されており、全自動摩擦摩耗試験機を用いてシート状サンプルのウレタンゴムに対する摩擦係数を測定している。
【0006】
特許文献2には、感光体表面のウレタンゴムに対する摩擦係数(ポリエチレンテレフタレートフィルム基準)が0.7以下である円筒状感光体が記載されている。
特許文献3及び特許文献4には、クリーニングブレード及びブラシローラーを有し、ブラシローラーの有効駆動トルクが0.1kgf・cm〜2.0kgf・cmである画像形成装置が記載されている。
【0007】
特許文献5には、40℃と50℃で測定されたウレタンクリーニングブレードに対するトルク比が1.0〜2.0である保護層を有する感光体が記載されている。しかしながら、保護層を有する感光体の場合、様々な温湿度条件で安定画質を得るために、感光体ヒーターを用いる必要があり、電力使用量の上でも、コストの上でも望ましくない。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−201873号公報
【特許文献2】
特開昭62−75483号公報
【特許文献3】
特開平9−288441号公報
【特許文献4】
特開2001−51576号公報
【特許文献5】
特開2001−265039号公報
【0009】
以上のように様々な感光体が提案されてはいるが、未だ十分とは言えず、更なる改良が求められているのが現状である。更に画像形成に際しては、感光体から紙等の転写材へのトナーの転写効率の高いことが求められており、感光体には上述の表面の滑り性や耐久性に加えて、トナーの離型性にも優れていることが要望されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の従来技術に鑑みてなされたもので、表面の滑り性、耐久性及びトナーの離型性に優れた電子写真感光体を備えた電子写真装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、少なくとも電子写真感光体、クリーニング装置および現像装置を有する電子写真装置に用いる電子写真感光体の感光層の最外表面層のガラス転移点が90℃以下であり、かつ該電子写真感光体にクリーニング装置が接触することにより発生する動摩擦トルクがポリカーボネート管比1.5以下である場合に前記目的が達成できることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明は、少なくとも電子写真感光体、クリーニング装置および現像装置を有する電子写真装置であって、該電子写真感光体は、円筒状導電性支持体上に、少なくとも感光層を有し、この感光層の最外表面層にポリアリレート系樹脂が含まれ、該最外表面層のガラス転移点が90℃以下であり、かつ該電子写真感光体にクリーニング装置が接触することにより発生する動摩擦トルクがポリカーボネート管比1.5以下であることを特徴とする電子写真装置を要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電子写真感光体に用いる円筒状導電性支持体としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅、亜鉛、インジウム、銀、金等の金属或いはその合金、導電性化合物を含有させて導電性を持たせたポリエステル、ポリアミド等の樹脂、更には樹脂、ガラス、紙等の絶縁性基体上にアルミニウム、ニッケル、銅、亜鉛、パラジウム等の金属、酸化錫、酸化インジウム等の金属酸化物等の導電性蒸着層を設けた積層体等からなる円筒状のものが挙げられる。
【0013】
また、この導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された一層からなる単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層と、電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる積層型のいずれであってもよい。
【0014】
電荷発生物質としては、特に限定されるものではなく、例えば、セレン、及びセレン−テルル合金等のその合金、セレン化砒素、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン等の金属硫化物、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物、アモルファスシリコン等のシリコン系材料等の無機光導電性物質、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、多環キノン系、ピリリウム系、ペリレン系、インジゴ系、チオインジゴ系、アントアントロン系、ピラントロン系、シアニン系等の各種染顔料等の有機光導電性物質等が挙げられる。中でも、珪素、チタン、バナジウム、ガリウム、銅、亜鉛、インジウム、錫等の金属、又はその酸化物、塩化物、水酸化物が配位した、又は無配位のフタロシアニン系顔料、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ等のアゾ系顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は、単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
【0015】
積層型感光体の場合、電荷発生物質は電荷発生層を構成する主成分であり、例えば蒸着、スパッターの様な方法で成膜した均一な層として用いてもよく、また微粒子の形でバインダー樹脂に分散された形で用いられてもよい。この場合、電荷発生層は、前記電荷発生物質、及び公知のバインダー樹脂や添加剤等を、分散媒に分散させて塗布液とし、これを前記支持体上に、或いはその上に形成された下引き層上に塗布し、乾燥させることにより形成される。バインダー樹脂としてはポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリエスエル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などバインダー樹脂として公知の各種のものが使用できる。
【0016】
電荷発生物質とバインダー樹脂との組成比は、通常重量比で100対10ないし5対100の範囲が好ましく、またこの電荷発生層には電荷輸送物質が含有されていてもよい。電荷輸送物質としては例えば、フルオレノン誘導体、テトラシアノキノジメタン、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体などの電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。電荷輸送物質とバインダー樹脂との割合は、バインダー樹脂100重量に対して電荷輸送物質が5〜500重量部の範囲で使用される。電荷発生層の乾燥膜厚は通常0.1〜10μmが好ましい。
【0017】
電荷輸送層は、電荷輸送物質をバインダー樹脂として優れた性能を有する公知のポリマーと共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じて更にこれに電子吸引性化合物、あるいは、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、顔料その他の添加剤を添加して塗布液を調製し、これを上記電荷発生層の上に塗布することにより、製造することができる。バインダー樹脂としては種々の公知の樹脂が使用できる。ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂や硬化性の樹脂が使用できる。とくに摩耗、傷の発生の少ないポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、また、これらの混合物であっても良いことは言うまでもない。中でも、ポリアリレート系樹脂を主成分として用いるのが特に好ましい。電荷輸送物質は、バインダー樹脂100重量部に対して例えば10〜200重量部、好ましくは30〜150重量部の範囲で配合される。電荷輸送層の乾燥膜厚は、好ましくは10〜50μm、更に好ましくは13〜35μmである。
【0018】
電荷輸送物質としては、各種ピラゾリン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、アリールアミン誘導体等の有機低分子化合物、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体や、ポリビニルカルバゾール、ポリピニルピレン、ポリアセナフチレン等の有機高分子化合物などが使用できる。これらのうち、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、アリールアミン誘導体等の化合物が好ましく、中でもヒドラゾン化合物が特に好ましい。
【0019】
一般的に積層型感光体の場合、電荷発生層の上に電荷輸送層が形成されることが多い。この場合、電子写真感光体の最外表面層は電荷輸送層となるが、そのガラス転移点は、通常は30℃以上かつ100℃以下であり、好ましくは、40℃以上かつ90℃以下である。このような範囲のガラス転移点を有するものが良好な結果を示す理由は定かではないが、ガラス転移点が低いと、クリーニングブレードが感光層に圧接したとき、圧接により感光層に微視的な変形が起こりやすいと予想され、この変形がブレードの滑りを助けると考えられる。しかしながら、ガラス転移点が低過ぎて常温に近いものは、感光体の非使用時にも変形が生じ、この変形が画像欠陥を引き起こすと考えられる。なお、本発明に係る電子写真感光体は、電荷輸送層の上に電荷発生層が形成されている逆二層型の積層型感光体、すなわち最外表面層が電荷発生層となるものであってもよく、この場合には電荷発生層のガラス転移点が上記の条件を満たすようにすればよい。
【0020】
また本発明に係る電子写真感光体は単層型感光体、すなわち感光層自身が最外表面層となるものであってもよく、この場合には感光層そのもののガラス転移点が上記の条件を満たすようにすればよい。単層型感光体の感光層の形成は、前記のような電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を、溶媒或いは分散媒に溶解或いは分散させたものに、更に所望により種々の添加剤などを加えたものを塗布液として、前記した支持体上に、或いはその上に形成された下引き層などの上に塗布し、乾燥させることによりなされる。感光層の乾燥膜厚は、好ましくは5〜50μm、更に好ましくは10〜30μmである。
【0021】
本発明に係る積層型電子写真感光体の感光層に使用される電荷輸送物質としては、ヒドラゾン化合物が好ましく、バインダー樹脂としては、ポリアリレート系樹脂を主成分として用いるのが好ましいことは先に説明したとおりであるが、逆二層型や単層型の電子写真感光体にもこれらを用いるのが好ましい。本発明で用いるのに好適なポリアリレート系樹脂の例としては、下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリアリレート樹脂が挙げられる。
【0022】
【化1】
Figure 0004148804
【0023】
〔式(1)中、Xは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニルアルキレン基、置換基を有していてもよいフルオレンジイル基、エーテル基、カルボニル基、チオエーテル基、スルフィニル基、スルホニル基、又は単結合を示し、Yは置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、又は置換基を有していてもよいナフチレン基を示し、二つのベンゼン環A、Bは置換基を有していてもよい。〕
【0024】
ここで、Xがアルキレン基であるときの炭素数は、1〜10であるのが好ましく、1〜4であるのが更に好ましく、又、シクロアルキレン基であるときの炭素数は、3〜10であるのが好ましく、5〜7であるのが更に好ましく、又、フェニルアルキレン基であるときのアルキレン基の炭素数は、1〜4であるのが好ましく、1〜3であるのが更に好ましい。
【0025】
又、Xがアルキレン基、シクロアルキレン基、フェニルアルキレン基、又はフルオレンジイル基であるときの置換基、及び、Yのフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基の置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられ、又、二つのベンゼン環A、Bにおける置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0026】
前記式(1)で表される構成単位のなかでも、Xがアルキレン基、又はフェニルアルキレン基であるものが好ましく、メチレン基であるものが特に好ましい。又、Yは置換基を有していてもよい1,3−結合のフェニレン基と、置換基を有していてもよい1,4−結合のフェニレン基との混合物であって、両者の合計に対して1,3−結合のフェニレン基の割合が、0〜0.5のモル比であるものが好ましく、0.1〜0.4のモル比であるものが特に好ましい。又、二つのベンゼン環A、Bが、3−メチル置換又は3,5−ジメチル置換であるものが好ましく、3,5−ジメチル置換であるものが特に好ましい。
【0027】
なお、前記式(1)で表されるポリアリレート系樹脂は、芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸又はそのクロライドとを溶融重合法、溶液重合法、又は界面重合法で反応させる公知の方法によって製造される。
【0028】
又、本発明に係る電子写真感光体においては、導電性支持体と感光層との間には、下引き層或いは陽極酸化被膜が設けられていてもよく、両者が併用されていてもよい。下引き層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物等の微粒子が、通常、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース、カゼイン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等のバインダー樹脂中に分散されている層で、それらの微粒子とバインダー樹脂を溶媒或いは分散媒に溶解或いは分散させて塗布液を調製し、これを支持体表面に塗布し、乾燥させることにより形成される。上記微粒子は、処理、未処理のどちらであってもよい。下引き層の乾燥膜厚は、好ましくは0.01〜50μm、更に好ましくは0.1〜10μmである。
【0029】
陽極酸化被膜は、最も一般的なアルミニウム支持体表面に陽極酸化処理により形成される。支持体は陽極酸化処理を施す前に、酸、アルカリ、有機溶剤、界面活性剤、エマルジョン、電解などの各種脱脂洗浄方法により脱脂処理されることが好ましい。陽極酸化被膜は通常の方法、例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸などの酸性浴中で、陽極酸化処理することにより形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、これに限られるものではない。このようにして形成された陽極酸化被膜の膜厚としては、通常は20μm以下であり、好ましくは10μm以下、更に好ましくは7μm以下である。
【0030】
陽極酸化処理された支持体は封孔処理が行なわれる。封孔処理液としては、ニッケルイオンを含む液(例えば酢酸ニッケルを含む液、フッ化ニッケルを含む液)等、常法の封孔処理液が使用できる。
【0031】
本発明において、感光層や下引き層の塗布液の作製に用いられる溶媒或いは分散媒としては、電子写真感光体の製造工程で用いられるものであれば特に限定されるものではなく種々の溶媒を用いてよい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類; テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル類;メチルエチルケトン、2,4−ペンタンジオン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、蟻酸メチル、マロン酸ジメチル等のエステル類;3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素化炭化水素などが挙げられる。もちろんこれらの中から1種または2種以上選択して用いてもよい。好ましくは、メタノール、プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、2,4−ペンタンジオン、アニソール、トルエン、マロン酸ジメチル、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートの中から選択するのがよい。
【0032】
本発明において、前記の各層を形成するための塗布操作は、従来公知の塗布方法に従う。例えば、浸漬塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、スピンナーコーティング法、ブレードコーティング法等を採用して行うことができる。
【0033】
本発明に係る電子写真装置において、帯電器としては、コロトロン、スコロトロンに代表されるコロナ帯電器等の非接触帯電器;帯電ローラー、帯電ブラシ等の接触帯電器等が用いられる。露光は、ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED等の光源を用いて、通常の感光体外部からの露光方式、感光体内部からの露光方式等により行われる。又、現像は、カスケード現像、非磁性一成分トナーによる接触或いは非接触現像、磁性一成分トナーによる接触或いは非接触現像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や液体トナーによる湿式現像方式等により行われる。転写は、コロナ転写、ローラー転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等により、定着は、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等により行われる。又、クリーニングは、ブラシクリーニング、磁気ブラシクリーニング、静電ブラシクリーニング、磁気ローラクリーニング、ブレードクリーニング等により行われる。中でも、ブレードクリーニングが好ましい。
【0034】
図1は、本発明において電子写真感光体にクリーニング装置が接触することにより発生する動摩擦トルク測定に用いられる装置概要図の1例である。図1では感光体ドラムに連結された負荷トルク計が用いられている。すなわち、図1では、負荷トルク計自身がモーターを内蔵している例を示しており、感光体ドラムを回転させながらのトルク測定が可能である。このような負荷トルク計の例としては、(株)プロテックのPT―1920型負荷トルク計が挙げられる。
【0035】
しかしながら、トルク測定装置は、上記負荷トルク計に限らず、感光体を回転させながら、回転軸にかかる回転トルクを測定できる装置であればよい。図1の動摩擦トルク測定装置においては、感光体ドラムにクリーニングブレードを圧接した場合の回転トルクからブレードを圧接しない場合の回転トルクを差し引くことにより、感光体にクリーニングブレードが圧接した場合の動摩擦トルク、すなわち、本発明における電子写真感光体にクリーニング装置が接触することにより発生する動摩擦トルクが測定できる。
【0036】
図2は、トルク測定装置における感光体ドラム部分の断面図である。本装置では、クリーニングブレードの感光体への当接部が、感光体の回転軸に対し平行であり、かつ、感光体静止時においてクリーニングブレードが受ける圧力の方向(感光体とクリーニングブレードの当接点における法線方向)が実質上圧力検知装置の方向である。したがって、クリーニングブレードが受ける圧力を測定しながら、クリーニングブレードと感光体の相対的位置を調節することにより、感光体にクリーニングブレードを常に同じ条件で圧接させることが可能である。前記クリーニングブレードが受ける圧力の測定には、フォースゲージ等が用いられる。中でも、応答性の速い歪ゲージ、ロードセル等が好ましい。
【0037】
さらに、動摩擦トルクの値がクリーニングブレードの形状・材質等により、或いは、クリーニングブレードを感光体に圧接させる条件により変化することを補正するため、感光体ドラムの代わりにポリカーボネート管を用いた場合のトルクの値を標準としている。このようなポリカーボネート管の例として、帝人(株)製パンライトパイプ等が挙げられる。また、測定に際しては、なるべく実際の使用条件に合わせるため、感光体上に少量のトナーを載せて動摩擦トルク測定を行う。例えば、水などで十分にほぐした書道用の筆などのような柔らかい毛をもつものにトナーを含ませて、感光体にトナーを載せればよい。この感光体上のトナーが、クリーニングブレードにより効率よく取り除かれるように感光体へのクリーニングブレードの圧接条件を決定する。クリーニングブレードには、ウレタンゴムブレードを用いた。本発明の電子写真装置では、該装置に用いられるトナー及びブレードを用いる。
【0038】
本発明でいう感光体の動摩擦トルクとは、感光体ドラムの回転を開始後100回転目付近のトルク測定値である。感光体ドラムの回転を開始後、感光層の種類やトナーの種類により、動摩擦トルクが増加するものと減少するものがあることがわかっているが、どちらの変化があるにせよ、100回転目付近では事実上安定し、動摩擦トルク値とするに適当と考えられる。また、感光体が1分間に50回転する条件で動摩擦トルクが測定される。同じ感光層及びトナーであっても、多くの場合には感光層表面に対する先行する物理的負荷や電気的負荷の有無により動摩擦トルクの挙動が変化する。一般に感光層表面に対し物理的または電気的負荷のかかっていないものを測定した場合には、感光体ドラムの回転により動摩擦トルクが次第に増加するが、逆に既に負荷を受けたことのある感光層の場合には動摩擦トルクは次第に減少することが多い。従って動摩擦トルクの測定に用いる感光体ドラムは、表面状態が安定したもの、すなわち感光層を塗布したのち少なくとも数日経過したものである。また感光体ドラムは電子写真装置での使用等の表面に対する物理的あるいは電気的負荷を受けていないものを用いる。標準として用いるポリカーボネート管としては、試料ドラムと同じ形状で、同じく物理的負荷を受けていないものを用いる。
【0039】
本発明に係る電子写真感光体は、上述の方法で測定された動摩擦トルクが1.5以下、好ましくは1.4以下であることが必要である。この範囲の動摩擦トルクを有するものは、クリーニングブレード等のクリーニング装置に対する感光体の滑り性が良好であり、結果として耐刷性に優れている。
本発明に係る電子写真感光体は、電気特性に優れると共に表面の滑り性やトナーの離型性にも優れ、複写機やプリンター等に組み込まれて好適に使用される。
【0040】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例中に「部」とあるのは、重量部を表す。
【0041】
[実施例1]
酸化チタン(石原産業(株)製 製品名TTO−55N)の表面に3重量%のメチル水素ポリシロキサンを均一に施した。このメチル水素ポリシロキサン処理を施した酸化チタンと混合アルコール(メタノール/1−プロパノール=7/3)をボールミルに仕込み、16時間分散した。得られた酸化チタン分散液を、特開平4−31870号公報の実施例に記載の製造法により製造された下記構造のランダム共重合ポリアミドの混合アルコール(メタノール/1−プロパノール=7/3)溶液に加え、最終的に酸化チタン/ポリアミド比3/1(重量比)で固形分濃度16重量%の分散液を調製した。得られた分散液を用いて、表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ254mm、肉厚1.0mmのアルミニウム製シリンダーを浸漬塗布し、乾燥膜厚が、0.75μmの下引き層を設けた。
【0042】
【化2】
Figure 0004148804
【0043】
X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度) 9.3度、10.6度、13.2度、15.1度、15.7度、16.1度、20.8度、23.3度、26.3度、及び27.1度に主たる回折ピークを持つオキシチタニウムフタロシアニン 10重量部を1,2-ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルによって粉砕、分散処理を行ない顔料分散液Pを作製した。
【0044】
次に、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2度) 27.3度に主たる回折ピークを持つオキシチタニウムフタロシアニンについても、全く同様にして顔料分散液Qを作製した。このようにして作製した顔料分散液P80重量部と、顔料分散液Q80重量部を混合し、得られた160重量部の顔料分散液を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部に加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液Rを作製した。この分散液を用いて先に下引き層を設けたアルミニウム製シリンダーを浸漬塗布し、乾燥膜厚が0.3g/m2 (約0.3μm)の電荷発生層を設けた。
【0045】
次に、このアルミニウム製シリンダーを、下記のヒドラゾン化合物70重量部、
【0046】
【化3】
Figure 0004148804
【0047】
公知の酸化防止剤である3、5―ジ・t−ブチル,4−ヒドロキシトルエン(以下、BHTと略する)16重量部、下記のシアノ化合物1重量部、
【0048】
【化4】
Figure 0004148804
【0049】
及び、バインダー樹脂として、前記一般式(1)におけるXがメチレン基、Yが1,3−結合のフェニレン基と1,4−結合のフェニレン基とからなり、両者の合計に対して1,3−結合のフェニレン基を有する構成単位の割合が、0.3のモル比であり、二つのベンゼン環が3,5−ジメチル置換体である下記に示す構成単位からなるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量34,200)100重量部を、トルエン及びテトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させた液を用いて、下引き層および電荷発生層を設けた上記アルミニウムシリンダーを浸漬塗布することにより、乾燥膜厚が21μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られたドラムを感光体Aとする。
【0050】
【化5】
Figure 0004148804
【0051】
[実施例2]
電荷輸送層用塗布液に、ジメチルポリシロキサンと飽和脂肪族炭化水素の混合物(商品名:Pro-Sur W. Ulrich Additives社製)(以下Pro-Surと略す)0.03重量部を添加する以外は、実施例1と同様にして感光体Bを作製した。
【0052】
[比較例1]
電荷輸送層用塗布液のバインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂の代わりに、特開平3−221962号公報の実施例の製造法により製造された、2つの繰り返し構造単位を有する下記で表されるポリカーボネート樹脂100重量部を用い、更に下記繰り返し構造単位を有する化合物(CT−3)0.15重量部を添加する以外は、実施例1と同様にして感光体Cを作製した。
【0053】
【化6】
Figure 0004148804
【0054】
【化7】
Figure 0004148804
【0055】
[比較例2]
電荷輸送層用塗布液に、前記CT−3の代わりにPro-Surを0.03重量部添加する以外は、比較例1と同様にして感光体Dを作製した。
【0056】
[実施例3]
電荷輸送層用塗布液に、次に示す構造を有する酸化防止剤(商品名: Irganox1076 、チバガイギー社製、CT−4)を26重量部添加する以外は、比較例1と同様にして感光体Eを作製した。
【0057】
【化8】
Figure 0004148804
【0058】
[比較例3]
下記のアリールアミン化合物(CT−5)70重量部、
【0059】
【化9】
Figure 0004148804
【0060】
BHT8重量部、前記のシアノ化合物(CT−2)1重量部、及び、バインダー樹脂として、2つの繰り返し構造単位を有する下記で表されるポリカーボネート樹脂100重量部を、アニソール及びテトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させた液を用いて、実施例1と同様にして下引き層および電荷発生層を設けたアルミニウムシリンダーを浸漬塗布することにより、乾燥膜厚が21μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られたドラムを感光体Fとする。
【0061】
【化10】
Figure 0004148804
【0062】
[比較例4]
電荷輸送層用塗布液に、前記化合物(CT−3)0.15重量部を添加する以外は、比較例3と同様にして感光体Gを作製した。
【0063】
[比較例5]
前記アリールアミン化合物(CT−5)50重量部、BHT8重量部、前記のシアノ化合物(CT−2)1重量部、及び、バインダー樹脂として、以下に示す繰り返し構造単位からなり、1,3−結合のフェニレン基を有する構成単位と、1,4−結合のフェニレン基を有する構成単位との合計量に対して前者の割合が0.05のモル比であるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量35,700)100重量部を、トルエン及びテトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させた液を用いて、実施例1と同様にして下引き層および電荷発生層を設けたアルミニウムシリンダーを浸漬塗布することにより、乾燥膜厚が21μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られたドラムを感光体Hとする。
【0064】
【化11】
Figure 0004148804
【0065】
得られた電子写真感光体について、動摩擦トルク、特開昭62−75483号公報による摩擦係数及び感光層のガラス転移点を測定した。結果を表1に示す。動摩擦トルクは帝人(株)製のパンライトパイプを標準とした。クリーニングブレードには、ウレタンゴムブレードを用い、トナーとしては市販のプリンターであるHewlett Packard社製のLaser Jet 4 plus用のトナーを用いた。特開昭62−75483号公報による摩擦係数は、同公報に記載された方法に従い、以下のように行った。測定器は、ヘイドン社製表面試験機14型をドラム状の試料測定用に改造し、ウレタンゴムのブレードが感光体ドラムに30°の角度をもって接するようにした(図3)。ウレタンゴムのブレード(商品名:バンコラン、バンドー化学(株)製)の寸法は、幅5mm、長さ12mm、自由長8mm、厚さ2mmに調整した。ウレタンゴムブレードにかけられる荷重は10gであり、ブレードはドラム状サンプルに対し順方向に動かし、この時の荷重を摩擦力とした。また、基準試料として、25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラー、東レ(株)製)を試料と同じ直径のドラムに巻き付けたものを用いた。摩擦係数は、以下の式、
【0066】
【数1】
Figure 0004148804
により算出した。
【0067】
感光層のガラス転移点は、示差走査熱量分析装置(DSC220;セイコーインスツルメンツ製)を用いて、DSCカーブの吸熱ピークの位置より求めた。また、表1の結果に基づき、動摩擦トルクを特開昭62−75483号公報による摩擦係数に対しプロットしたものが図4である。図4の結果より、特開昭62−75483号公報による摩擦係数の小さいものが必ずしも、動摩擦トルクが小さいと言えず、両者に相関は見られない。
【0068】
【表1】
Figure 0004148804
【0069】
電子写真感光体の電気特性の測定には、実際の電子写真装置の除電、帯電、露光プロセスを模倣する機能を持つ電気特性測定装置(三菱化学(株)製)を用いた。該装置では、帯電は、スコロトロンにより、露光は、780nmの単色光により、帯電前除電は、660nmの赤色LEDにより行い、実際の電子写真装置の現像位置で感光体の表面電位を測定することが可能である。1分間に感光体が50回転する条件で電気特性を測定した結果、感光体A、B、Eは、感度・帯電性能共に良好であることがわかった。
【0070】
さらに、感光体A〜Hを市販のプリンター、Hewlett Packard製 LaserJet 4plusに装着し、画像形成を行った。感光体A、B、Eは、良好な画像が得られ、感光体ドラム回転中の音鳴りも問題なかったが、感光体C、D、F、G、Hは、良好な画像であるものの僅かな音鳴りが観測された。この現象を詳しく調べるために、上記LaserJet 4plus用カートリッジから現像ユニットを取り外した感光体ドラム、クリーニングブレード及び帯電ローラー等からなるドラムプロセスユニットを取り出し、感光体ドラムを回転させながら回転の滑らかさ及び音の発生の有無を調べた所、感光体A、B、Eは、感光体C、D、F、G、Hに比べ優れていることがわかった。
【0071】
[実施例4]
実施例1の下引き層用分散液に、表面が鏡面仕上げられた外径30mm、長さ351mm、肉厚1.0mmのアルミニウム製シリンダーを浸漬塗布し、乾燥膜厚が0.75μmの下引き層を設けた。
実施例1で調製した顔料分散液Q160重量部を、実施例1で用いたのと同じポリビニルブチラール溶液100重量部に加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液Sを作成した。上記で下引き層を設けたアルミニウム製シリンダーをこの分散液Sに浸漬塗布し、乾燥膜厚が0.3g/m2(約0.3μm)の電荷発生層を設けた。
【0072】
ヒドラゾン化合物の量を50重量部とした以外は実施例1と同様にして調製した電荷輸送層塗布液を用いて、上記で電荷発生層を設けたアルミニウム製シリンダーに、乾燥膜厚が21μmとなるように電荷輸送層を浸漬塗布により形成し、感光体Iを作製した。
【0073】
[比較例6]
電荷輸送層用塗布液の調製に用いるバインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂の代りに比較例1で用いたポリカーボネート樹脂100重量部を用いた以外は、実施例4と同様にして感光体Jを作製した。
【0074】
感光体I及びJについて動摩擦トルク及びガラス転移点を測定した。結果を表2に示す。また感光体I及びJを市販のカラープリンター(沖データ社製 MICROLINE3050C)に装着してシアントナーの転写率を測定した。トナー転写率は、25%グレー(ハーフトーン)のプリントを行い、転写直後にプリントプロセスを停止させ、記録媒体である紙上のトナーと感光体上のトナーをセロハンテープに転写させ、それぞれの濃度をマクベス濃度計で測定した。バックグラウンドとしてのセロハンテープの濃度を差し引いたうえで、紙上及び感光体上のトナー濃度の和に対する紙上のトナー濃度の割合をもってトナー転写率とした。結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
Figure 0004148804
【0076】
表2より、本発明に係る感光体Iは、感光体Jよりも高い転写率を示し、トナーの離型性に優れていることがわかる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の電子写真装置によれば、電気特性に優れると共に表面の滑り性に優れ、その結果、耐久性に優れかつトナーの離型性にも優れた電子写真感光体を備え、音鳴りもなく、高いトナー転写効率で良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 動摩擦トルク測定に用いられた装置概要図
【図2】 動摩擦トルク測定装置における感光体ドラム部分の断面図
【図3】 摩擦係数の測定機
【図4】 動摩擦トルクを摩擦係数に対しプロットした図

Claims (2)

  1. 少なくとも電子写真感光体、クリーニング装置および現像装置を有する電子写真装置であって、該電子写真感光体は、円筒状導電性支持体上に、少なくとも感光層を有し、この感光層の最外表面層にポリアリレート系樹脂が含まれ、該最外表面層のガラス転移点が90℃以下であり、かつ該電子写真感光体にクリーニング装置が接触することにより発生する動摩擦トルクがポリカーボネート管比1.5以下であることを特徴とする電子写真装置。
  2. 該感光層の最外表面層にヒドラゾン化合物が含まれることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
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