JP2019139041A - 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019139041A JP2019139041A JP2018021572A JP2018021572A JP2019139041A JP 2019139041 A JP2019139041 A JP 2019139041A JP 2018021572 A JP2018021572 A JP 2018021572A JP 2018021572 A JP2018021572 A JP 2018021572A JP 2019139041 A JP2019139041 A JP 2019139041A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- resin
- charge transport
- electrophotographic
- photosensitive member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
Description
従来の感光体としては、感光体減耗に耐え得るように、感光体の電荷輸送層を厚くして、感光体を長寿命化することが知られている。しかし、感光体の電荷輸送層の層厚を厚くすると、ゴーストや画像メモリー等によって画質低下を引き起こされる場合が多く、長寿命化と高画質化との両立が困難であるという問題がある。
また、従来の感光体の構成では、このメモリーを低減するために、下引き層に、電子輸送に有効な金属酸化物を含有したり、電子やホールの輸送に有効な電荷輸送物質(CTM:Charge Transport Material)を含有させたりするなど、様々な試みがされているが十分ではない。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
前記下引き層が、下記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、下記一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は以下のとおりであると推察している。
ここで、従来の下引き層に適用される層は、電子輸送制約がかかるものが一般的である。これに対し、本発明の感光体では、下引き層として、電子を効率的に電荷発生層から注入させ、効率的に下引き層に輸送することができる層を用いることによって、電荷の蓄積を防ぎ、メモリーの発生を抑制することができたと推察している。
しかしながら、従来の下引き層では、近年使用される高感度の電荷発生物質(例えば、Y−チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、及びクロロガリウムフタロシアニン等。)を用いた場合には、メモリー抑制の効果を十分に得ることはできなかった。
図1Aに示すように、本発明の電子写真感光体10は、導電性支持体1上に、少なくとも、下引き層3、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを順に積層してなる電子写真感光体10であって、下引き層3が、後述する一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、後述する一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有することを特徴とする。
また、本明細書において、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを合わせて感光層2ともいう。
また、図1Bに示すように、導電性支持体1と下引き層3との間には、必要に応じて接着層4を設けることもできる。ただし、下引き層3に接着性がある場合には、接着層4の形成は必ずしも必要ではなく、図1Aのように、導電性支持体1表面上に下引き層3が積層されていてもよい。
導電性支持体は、導電性を有するものであれば良く、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス等の金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム又は紙などが挙げられる。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と感光層との間に下引き層(中間層)を有している。下引き層は、バリア機能及び接着機能を有している。
本発明に係る下引き層は、下記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、下記一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有する。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜7のアルキル基が挙げられる。また、これらのうち、メチル基又はエチル基が好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜7のアルコキシ基が挙げられる。また、これらのうち、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
ハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられる。
下引き層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する厚さに応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
下引き層の厚さは、好ましくは0.1〜30μmの範囲内であり、より好ましくは0.1〜20μmの範囲内であり、更に好ましくは0.2〜15μmの範囲内である。
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM:Charge Generation Material)とバインダー樹脂とを含有するものであり、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させた塗布液を用いて、浸漬塗布方式により形成される。
電荷発生物質として、これらの中でも光波長700nm以上に感度を有するフタロシアニン系顔料を用いることが好ましく、中でもチタニルフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。チタニルフタロシアニン化合物としては、CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)が27.3°及び9.5°に明瞭な回折ピークを有するY−チタニルフタロシアニンや、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.6°及び7.5°に明瞭な回折ピークを有するB−チタニルフタロシアニンが好ましい。
また、電荷発生物質として、ガリウムフタロシアニン化合物を用いることも好ましい。ガリウムフタロシアニン化合物としては、CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.1°及び7.4°に明瞭な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンや、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.3°及び7.4°に明瞭な回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性、混合割合などにより異なるが、0.01〜5μmの範囲内が好ましく、0.05〜3μmの範囲内がより好ましい。
なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂とを含有するものであり、例えば、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解させた塗布液を用いて、ビード塗布法、ブレード塗布法、円形スライドホッパー塗布法、浸漬塗布法等により形成される。
なお、電荷輸送層用の塗布液を調製するのに使用する溶媒としては、上記のものに限定されるものではない。
本発明の感光体は、導電性支持体1上に、少なくとも、下引き層3、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを順に積層してなるものであるが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の層を設けてもよい。
当該他の層としては、例えば、感光体の最表面に、表面保護層を設けてもよい。
表面保護層は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの公知の樹脂を用い、樹脂の分子量の増加、電荷輸送物質(CTM)濃度の低減、金属酸化物微粒子やフッ素系樹脂微粒子を含有する等、電荷輸送層(CTL)の膜強度より強くすることや表面すべり性を向上させること等を目的として用いることができる。
本発明の電子写真感光体は、例えば、下記工程を経ることにより製造することができる。以下、電子感光体の一例として、導電性支持体上に、接着層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に形成した場合の製造方法を説明する。なお、下引き層に接着性がある場合には、接着層の形成は不要である。
工程(2):導電性支持体状に形成された接着層の外周面に下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより、下引き層を形成する工程
工程(3):導電性支持体上に形成された下引き層の外周面に電荷発生層形成用塗布液を塗布し、必要により乾燥することにより電荷発生層を形成する工程
工程(4):下引き層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程
接着層は、溶媒中に接着層用バインダー樹脂を溶解させて接着層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を必要により乾燥することにより形成することができる。
下引き層は、溶媒中に、バインダー樹脂であるポリカーボネート樹脂と、本発明に係るピリリウム化合物と、本発明に係るスチリルトリフェニルアミン化合物と、を溶解させて下引き層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を下引き層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂及び電荷輸送物質を溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
以下、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真画像形成装置の一例を、図面を参照しながら説明する。
中間転写ベルト102に担持されたトナー像と記録シートPとがタイミングを合わせて2次転写ニップを通過する際には、2次転写ローラー対104を構成する一対のローラー間に2次転写バイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト102上のトナー像が記録シートP上に静電転写(2次転写)される。
次に、作像ユニットの構成について、作像ユニット101Yを例にとって更に詳しく説明する。
図3に示されるように、作像ユニット101Yは、円柱形状の電子写真感光体201の外周面に沿って順に帯電ローラー202、現像装置203、1次転写ローラー204、クリーニング装置205及び除電ランプ206が配設されている。
本発明の電子写真画像形成装置100は、作像ユニット101Y、101M、101C及び101Bkの電子写真感光体201の少なくとも一つとして、上記の本発明の電子写真感光体10を用いる。
帯電ローラー202は、芯金202c、芯金202cと一体形成された導電層202b、及び導電層202bの外周面上に形成された弾性を有する高導電体層202aからなっている。芯金202cは回転自在に軸受けされており、帯電ローラー202は電子写真感光体201との摩擦によってC方向に従動回転する。
AC帯電方式による帯電プロセスにおけるAC成分の周波数は、1〜3kHzの範囲内であることが好ましく、1〜2.6kHzの範囲内であることが好ましい。
帯電プロセスにおけるAC成分の印加電圧Vppは、1〜3kVの範囲内であることが好ましく、1〜2.5kVの範囲内であることが好ましい。
除電ランプ206は、電子写真感光体201の外周面を除電露光することによって、残留電荷を除電する。
なお、クリーニング装置205等によって除去し切れなかった残留トナーが帯電ローラー202に付着して汚損すると、帯電性能が劣化するおそれがあるので、帯電ローラー202をクリーニングするクリーニング部材を更に設けてもよい。
以上のような電子写真画像形成装置に用いられるトナーは、粉砕トナーであっても重合トナーであってもよいが、本発明の電子写真画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合法で作製された重合トナーを用いることが好ましい。
<導電性支持体の作製>
直径30mm×長さ360mmの円筒形アルミニウム支持体を準備し、以下の塗布液を順次塗布して塗布膜を形成することにより、感光体101を作製した。
下記組成の接着層用塗布液を調製し、上記アルミニウム支持体表面に当該塗布液を浸漬塗布することにより、0.2μmの接着層を形成した。
バインダー:ポリビニルブチラール エスレックBM−1(積水化学工業社製)
10質量部
溶媒1:2−ブタノン 640質量部
溶媒2:シクロヘキサノン 220質量部
下記組成の下引き層用塗布液を調製し、上記接着層の上に、当該塗布液をスプレー塗布にて塗布し、乾燥後の層厚が1.5μmの下引き層を形成した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂 パンライトL1250(帝人社製)
10質量部
ピリリウム化合物:化合物A1 2質量部
スチリルトリフェニルアミン化合物:CTM−1U 80質量部
溶媒:塩化メチレン 230質量部
溶媒;トルエン 110質量部
下記組成の溶液を分散機としてサンドミルを用いて10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液を調製した。そして、上記下引き層の上に、当該電荷発生層形成用塗布液をスプレー塗布にて塗布し、乾燥後の層厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの、表IにはY−TiOPcと示す。)
20質量部
電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(デンカ社製)
10質量部
溶媒1:酢酸t−ブチル 900質量部
溶媒2:MMP(4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン)
100質量部
下記組成の塗布液となるように、下記化合物を混合・溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550、三菱ガス化学社製)
100質量部
電荷輸送物質:CTM−1T 60質量部
酸化防止剤:BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) 6質量部
溶媒:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96、信越化学社製)
0.12質量部
次に、上記電荷発生層上に、上記電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布で塗布し、乾燥後の層厚が20μmの電荷輸送層1を形成した。更に、その上に、円形スライドホッパー(CSHと呼ぶ)塗布機を用いて、同様の電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥後の層厚が16.2μmの電荷輸送層2を形成し、トータルで乾燥後の層厚が36.2μmの電荷輸送層を得た。
以上の手順によって、感光体101を作製した。
感光体101の作製において、表Iに記載のように、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層中に含有させる化合物の組成や、各層の層厚を変更した以外は同様にして、感光体102〜124を作製した。なお、電荷輸送層において、層厚水準により、2層にする必要がないものは、1層で形成した。
また、表I中には示していないが、感光体103の電荷発生層のバインダーには、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いた。
また、表I中には示していないが、感光体109の電荷発生層のバインダーには、ポリビニルブチラール「エスレックBX−1」(積水化学工業社製)を用いた。
また、表Iの下引き層のポリカーボネート樹脂において、Z300は、ユーピロンZ300(三菱ガス化学社製)を示す。
また、表Iの電荷発生層の電荷発生物質において、感光体103の作製で用いた「Y−TiOPc」は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(2θ±0.2°が28.1°、7.4°に強いピークを有する)を示す。
感光体125は、感光体101の接着層は形成せずに、下引き層を以下の構成で形成した。
下引き層用バインダー樹脂であるポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製)100質量部を、メタノール及びプロピルアルコールの混合溶媒1700質量部に加えて、20℃で撹拌混合した。この溶液に、酸化チタン粒子「SMT500SAS」(テイカ社製)120質量部及び酸化チタン粒子「SMT150MK」(テイカ社製)160質量部を添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させた。そして、この溶液を一昼夜静置した後、濾過することにより、下引き層形成用塗布液を得た。濾過は、濾過フィルターとして、公称濾過精度が5μmのリジメッシュフィルタ(日本ポール社製)を用いて、50kPaの圧力下で行った。このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、洗浄した導電性支持体の外周面に浸漬塗布法で塗布し、120℃で30分間乾燥することにより、乾燥層厚1.4μmの下引き層を形成した。
また、電荷発生層と電荷輸送層は、感光体101と同様に形成した。
感光体125の作製において、下引き層用バインダー樹脂を「CM8000」の代わりにポリアミド樹脂であるダイアミドX4685(ダイセル・エボニック社製)を用いて、酸化チタン微粒子はSMT500SASのみに変更し、その他は同様にして、乾燥層厚1.4μmの下引き層を形成した。また、電荷発生層と電荷輸送層は、感光体125と同様にして、感光体126を作製した。
感光体125の作製において、電荷輸送層の層厚を表Iに記載の厚さに変更した以外は同様にして感光体128を作製した。
電子写真画像形成装置である市販のフルカラー複合機「bizhub C287」(コニカミノルタ社製)に、感光体1〜128をそれぞれ搭載したものを評価機とし、下記評価を行った。それぞれの評価結果は、結果は表II−1、表II−2及び表IIIに示す。
繰り返し電位の測定を、以下のようにして行い、電位安定性を評価した。評価機に搭載されている電位計を用いて、1プリント目の感光体について、帯電後における非露光部の現像器の位置における帯電電位(Vo)及び露光電位(Vi)を測定した。また、評価機で、印字率10%で3万枚のプリントを行った後、評価機に搭載されている電位計を用いて、3万枚プリント目の帯電電位(Vo30kp)及び露光電位(Vi30kp)を測定した。そして、その帯電電位の差の絶対値ΔVo及び露光電位の差の絶対値ΔViを求め、下記基準で判定した。
◎:ΔVoが10V未満(良好)
○:ΔVoが10V以上20V未満(実用上問題なし)
△:ΔVoが20V以上30V未満(実用上若干問題あり)
×:ΔVoが30V以上(実用上問題あり)
◎:ΔViが5V未満(良好)
○:ΔViが5V以上、15V未満(実用上問題なし)
△:ΔViが15V以上、25V未満(実用上若干問題あり)
×:ΔViが25V以上(実用上問題あり)
下記の評価を、初期状態と、3万枚のプリント後で行った。各評価機において、初期状態と3万枚のプリント後において、図4に示すように、その次の感光体1周目において、1周目の前半部の上下が黒ベタ部と白ベタ部がそれぞれ半分ずつとなるようにプリントし、1周目の後半部がハーフトーン部となるようにプリントした。次に、感光体2周目が全てハーフトーン部となるようにプリントした。次に、2周目において、1周目の黒ベタ部に対応する部分(図4のB2)と、1周目の白部に対応する部分(図4のW2)との画像濃度を、マクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。そして、これらの画像濃度の差ΔDを算出し、下記基準で評価した。
(判定基準)
◎:ΔDが0.01未満(非常に良好)
○:ΔDが0.01以上0.02未満(良好)
△:ΔDが0.02以上0.03未満(実用上若干問題あり)
×:ΔDが0.03以上(実用上問題あり)
各評価機において、初期状態の電荷輸送層の層厚と、3万枚プリント後の電荷輸送層の層厚差を用いて耐久性を評価した。
層厚は、均一層厚部分(感光体の両端は層厚が不均一になりやすいので、少なくとも両端3cmは除く)をランダムに10か所測定し、その平均値を層厚として測定した。層厚測定器は渦電流方式の層厚測定器「ISOSCOPE FMP30型」((株)フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて行い、3万枚のプリント実写試験前後の電荷輸送層の層厚差を層厚摩耗量とした。また、この層厚摩耗量を5倍した値を、15万枚のプリント実写試験前後の電荷輸送層の層厚差(層厚摩耗量)の推定値とした。また、初期の電荷輸送層の層厚から、15万枚のプリント実写試験前後の電荷輸送層の層厚差(層厚摩耗量)の推定値を差し引いた値を、15万枚のプリント実写試験後に残存する電荷輸送層の層厚の推定値として算出し、この値を下記基準で評価した。
(判定基準)
◎:残存する電荷輸送層の層厚の推定値が14μm以上(非常に良好)
○:残存する電荷輸送層の層厚の推定値が12μm以上14μm未満(良好)
△:残存する電荷輸送層の層厚の推定値が10μm以上12μm未満(実用上若干問題あり)
×:残存する電荷輸送層の層厚が10μm未満(実用上問題あり)
本発明の感光体は、長時間使用しても電位安定性に優れ、かつメモリーを抑制できていることがわかった。また、本発明の感光体は耐久性にも優れていることがわかった。
したがって、本発明は、長寿命化と高画質化とを両立した電子写真感光体であることがわかった。
これに対し、比較例の感光体は、いずれかの項目について劣るものであった。
2 感光層
2a 電荷発生層
2b 電荷輸送層
3 下引き層
4 接着層
10 電子写真感光体
100 電子写真画像形成装置
101Y、101M、101C、101Bk 作像ユニット
102 中間転写ベルト
103 露光装置
104 2次転写ローラー対
105 給紙カセット
106 ピックアップローラー
107 搬送経路
108 タイミングローラー
109 定着装置
110 排出ローラー
111 排紙トレー
200 帯電バイアス電源装置
201 電子写真感光体
201a 感光層
201b 導電性支持体
201c 支軸
202 帯電ローラー
202a 高導電体層
202b 導電層
202c 芯金
202d 摺動接点
203 現像装置
203a 現像ローラー
204 1次転写ローラー
205 クリーニング装置
205a クリーニングブレード
206 除電ランプ
H 画像露光
P 記録シート
Claims (5)
- 導電性支持体上に、少なくとも、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であって、
前記下引き層が、下記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、下記一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記電荷発生層が、チタニルフタロシアニン化合物又はガリウムフタロシアニン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層の厚さが、22〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)において、X−が、ClO4 −又はBF4 −を表すことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018021572A JP6958403B2 (ja) | 2018-02-09 | 2018-02-09 | 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018021572A JP6958403B2 (ja) | 2018-02-09 | 2018-02-09 | 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019139041A true JP2019139041A (ja) | 2019-08-22 |
JP6958403B2 JP6958403B2 (ja) | 2021-11-02 |
Family
ID=67695284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018021572A Active JP6958403B2 (ja) | 2018-02-09 | 2018-02-09 | 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6958403B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020122115A1 (ja) | 2018-12-12 | 2020-06-18 | ダイセル網干産業株式会社 | 薄型偏光レンズ |
-
2018
- 2018-02-09 JP JP2018021572A patent/JP6958403B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020122115A1 (ja) | 2018-12-12 | 2020-06-18 | ダイセル網干産業株式会社 | 薄型偏光レンズ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6958403B2 (ja) | 2021-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9507282B2 (en) | Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus provided with the same | |
US9316933B2 (en) | Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus including the same | |
JP6426490B2 (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
JP4497060B2 (ja) | 画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP6958403B2 (ja) | 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 | |
JP2003307861A (ja) | 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ | |
JP2006154771A (ja) | 画像形成方法、画像形成装置及び有機感光体 | |
US20150160572A1 (en) | Coating solution for forming charge transport layer, electrophotographic photoreceptor prepared therewith and image forming apparatus comprising the same | |
JP2008026791A (ja) | 画像形成装置 | |
JP5718413B2 (ja) | 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置 | |
US9057987B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP2839106B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP5776366B2 (ja) | 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法 | |
JP3910005B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2002040687A (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JPH0844096A (ja) | 電子写真感光体および電子写真装置 | |
JP3952833B2 (ja) | 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP2003228183A (ja) | 電子写真感光体および画像形成装置 | |
JP4402610B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP2010250174A (ja) | 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置 | |
JP3713986B2 (ja) | 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JPH10177262A (ja) | 電子写真装置及び画像形成方法 | |
JP2006126591A (ja) | カラー画像形成装置 | |
JP2022000668A (ja) | 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 | |
JP2000242011A (ja) | 光導電体、有機顔料分散液およびそれを用いた光導電体の製造方法、電子写真方法、および電子写真装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201217 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210826 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210920 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6958403 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |