JP2019139041A - 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命化と高画質化とを両立した電子写真感光体、及び電子写真画像形成装置を提供する。【解決手段】導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であって、下引き層が、下記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、特定構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体及び電子写真画像形成装置に関する。より詳細には、本発明は、長寿命化と高画質化とを両立した電子写真感光体、及び当該電子写真感光体を備えた電子写真画像形成装置に関する。
複写機、プリンター及びFax等では、カラーの画像を形成することが一般化されており、それに伴い高画質化の要請も高くなっている。また、カラーの画像は色の重ね合わせにより画像を形成するため、ブラック(Bk)だけでなく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)等の個々の色再現性を確保しなければならない。
また、電子写真画像形成では、例えば、電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう。)に、帯電、像露光、現像、転写、クリーニング及び除電の順で、繰り返し行うことにより画像形成を行っている。また、昨今では、長期間安定して画像形成を行うことができるように、感光体の長寿命化の要請も高くなっている。感光体寿命を短くする原因としては、例えば、クリーニングプロセスにおける感光体減耗がある。特に帯電プロセスにローラー帯電方式を用いた場合、感光体表面の放電生成物等により劣化速度が高まり、減耗が加速されることがわかっている。
このような中で、感光体の長寿命化と高画質化を両立させる要請が高くなっている。
従来の感光体としては、感光体減耗に耐え得るように、感光体の電荷輸送層を厚くして、感光体を長寿命化することが知られている。しかし、感光体の電荷輸送層の層厚を厚くすると、ゴーストや画像メモリー等によって画質低下を引き起こされる場合が多く、長寿命化と高画質化との両立が困難であるという問題がある。
また、従来の感光体では、感光体表面に減耗に強い薄い表面保護層を形成して、感光体の長寿命化をすることが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。また、当該表面保護層に、金属酸化物やフッ素樹脂等の微粒子を含有した硬化樹脂を含有させることで、著しい機械的強度の向上や、表面抵抗(摩擦)の低減が図られている。
しかし、この表面保護層を設けることによって、感光体の表面保護層に電荷が蓄積して、特に転写メモリーが発生しやすくなることが知られている。さらに、上述の表面保護層を有する感光体は、画像形成プロセスで使用されるほど(すなわち、使用履歴に応じて)、転写メモリーが発生しやすくなるという問題がある。
メモリーが発生する原因の一つは、下引き層と電荷発生層との間や、下引き層内において、電荷が蓄積されることにある。具体的には、下引き層と電荷発生層との間、又は下引き層内において、電荷が蓄積されることでメモリーが発生し、一回転前の履歴が残ることでゴーストとなる。
また、従来の感光体の構成では、このメモリーを低減するために、下引き層に、電子輸送に有効な金属酸化物を含有したり、電子やホールの輸送に有効な電荷輸送物質(CTM:Charge Transport Material)を含有させたりするなど、様々な試みがされているが十分ではない。
特開平11−288121号公報 特開2009−69241号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、長寿命化と高画質化とを両立した電子写真感光体、及び当該電子写真感光体を備えた電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、電子写真感光体の下引き層を、所定のチアピリリウム化合物と、所定のスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有するように形成することで、長寿命化と高画質化とを両立した電子写真感光体を提供できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性支持体上に、少なくとも、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であって、
前記下引き層が、下記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、下記一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
〔上記一般式(1)において、Xは、Sの対イオンを表す。〕
〔上記一般式(2)において、Rはアルキル基、アルコキシ基又はハロゲノ基を表す。nは、0〜4から選ばれる整数を表す。〕
2.前記電荷発生層が、チタニルフタロシアニン化合物又はガリウムフタロシアニン化合物を含有することを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
3.前記電荷輸送層の厚さが、22〜40μmの範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真感光体。
4.前記一般式(1)において、Xが、ClO 又はBF を表すことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
5.第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明によれば、長寿命化と高画質化とを両立した電子写真感光体、及び当該電子写真感光体を備えた電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は以下のとおりであると推察している。
従来の一般的な負帯電型感光体は、導電性支持体上に、下引き層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、及び電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)等が順に積層されて形成されている。
また、従来の一般的な負帯電型感光体は、表面側をマイナスに帯電して、導電性支持体側がプラスに誘起される。また、この感光体に光を当てると、電荷発生層で電荷が発生して、電荷発生層から表面側にホールが流れてキャンセルアウトし、他方、電荷発生層から導電性支持体側には電子が流れる。
また、上述したとおり、メモリーが発生しやすくなる要因の一つとして、下引き層と電荷発生層との間や、下引き層内において、電荷が蓄積することが挙げられる。
ここで、従来の下引き層に適用される層は、電子輸送制約がかかるものが一般的である。これに対し、本発明の感光体では、下引き層として、電子を効率的に電荷発生層から注入させ、効率的に下引き層に輸送することができる層を用いることによって、電荷の蓄積を防ぎ、メモリーの発生を抑制することができたと推察している。
また、電子及びホールを両方輸送できる層を感光層として使用することは、従来知られている。電子及びホールを両方輸送できる層を下引き層に適用する従来例としては、例えば、特開昭63−206760号公報に、当該下引き層として、ピリリウム化合物と、所定のスチリル化合物と、ポリカーボネート樹脂との化合物を主成分とする共晶錯体層により形成したことが記載されており帯電性の改善に用いている。
しかしながら、従来の下引き層では、近年使用される高感度の電荷発生物質(例えば、Y−チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、及びクロロガリウムフタロシアニン等。)を用いた場合には、メモリー抑制の効果を十分に得ることはできなかった。
本発明では、下引き層を、所定のチアピリリウム化合物と、ポリカーボネート樹脂とを、上述したような一般式(2)で示す所定のスチリルトリフェニルアミン化合物と組み合わせて形成している。これにより、上述した、従来の下引き層よりも、電子を効率的に注入・輸送することができたため、電荷の蓄積を防ぎ、メモリーの発生を抑制することができたと推察している。
また、特に、電子写真プロセスのクリーニング工程では、感光体の電荷輸送層が減耗されるため、耐久性向上のためには、感光体の電荷輸送層を厚くする必要がある。しかし、感光体では、電荷輸送層を厚くすると、メモリーは発生しやすくなる。これは、厚くすると、電場が小さくなり蓄積された電荷が排出し難くなるためと考えられる。
本発明の感光体は、メモリーが発生しにくい構成のため、20μmを超えるような厚い電荷輸送層を形成しても、メモリーの発生を抑制することができる。これにより、電荷輸送層を厚く形成して、高耐久性の感光体を作製することが可能である。
なお、高耐久化をするための他の方法として、感光体の表面に、硬化樹脂等を用いた高硬度の表面保護層を形成することで、感光体表面の層の減耗を抑制する方法もある。しかし、表面保護層を設置することで、画像メモリーが発生しやすくなるという問題がある。本発明は、このような表面保護層を有しなくてもよい感光体であり、電荷輸送層の層厚を厚くすることで高耐久化を図ることができるものである。
本発明の電子写真感光体の一例を示す断面図 本発明の電子写真感光体の他の一例を示す断面図 本発明の電子写真感光体を備える電子写真画像形成装置の概略構成を示す模式図 作像ユニットの概略構成を示す模式図 実施例の転写メモリーの評価においてプリントした画像のイメージ図
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であって、前記下引き層が、前記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、前記一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有することを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記電荷発生層が、チタニルフタロシアニン化合物又はガリウムフタロシアニン化合物を含有することが好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記電荷輸送層の厚さが、22〜40μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記一般式(1)において、Xが、ClO 又はBF を表すことが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
[電子写真感光体]
図1Aに示すように、本発明の電子写真感光体10は、導電性支持体1上に、少なくとも、下引き層3、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを順に積層してなる電子写真感光体10であって、下引き層3が、後述する一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、後述する一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有することを特徴とする。
また、本明細書において、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを合わせて感光層2ともいう。
また、図1Bに示すように、導電性支持体1と下引き層3との間には、必要に応じて接着層4を設けることもできる。ただし、下引き層3に接着性がある場合には、接着層4の形成は必ずしも必要ではなく、図1Aのように、導電性支持体1表面上に下引き層3が積層されていてもよい。
<導電性支持体>
導電性支持体は、導電性を有するものであれば良く、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス等の金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム又は紙などが挙げられる。
<下引き層>
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と感光層との間に下引き層(中間層)を有している。下引き層は、バリア機能及び接着機能を有している。
本発明に係る下引き層は、下記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、下記一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有する。
上記一般式(1)において、Xは、Sの対イオンを表す。Xは、本発明の効果が得られれば特にその種類は限られないが、本発明の効果を有効に得る観点から、ClO 又はBF であることが好ましい。
上記一般式(2)において、Rはアルキル基、アルコキシ基又はハロゲノ基を表す。また、これらのうち、Rは、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましい。また、nは、0〜4から選ばれる整数を表す。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜7のアルキル基が挙げられる。また、これらのうち、メチル基又はエチル基が好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜7のアルコキシ基が挙げられる。また、これらのうち、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
ハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられる。
また、本発明に使用することができる一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物の具体例を以下に示すが、これらに限られない。
また、下引き層に含有するポリカーボネート樹脂としては、耐クラック、耐磨耗性及び帯電特性の観点から、BPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型ものが好ましい。また、これらの中でアルキリデンアリーレン構造を有するものが好ましい。
下引き層は、上記所定のチアピリリウム化合物と、上記所定のスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂を、塩化メチレンやトルエン等の公知の溶媒に溶解させて、例えば、ビード塗布法、ブレード塗布法、円形スライドホッパー塗布法、浸漬塗布法等により形成される。
また、下引き層形成用塗布液中の上記所定の化合物の混合割合は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、上記所定のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、チアピリリウム化合物が3〜30質量部の範囲内、上記所定のスチリルトリフェニルアミン化合物が40〜100質量部の範囲内となるように、三つ化合物を混合させることが好ましい。
塗布液形成時のバインダー樹脂濃度は、下引き層の厚さなどに合わせて適宜選択することができる。
下引き層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する厚さに応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
下引き層の厚さは、好ましくは0.1〜30μmの範囲内であり、より好ましくは0.1〜20μmの範囲内であり、更に好ましくは0.2〜15μmの範囲内である。
<電荷発生層(2a)>
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM:Charge Generation Material)とバインダー樹脂とを含有するものであり、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させた塗布液を用いて、浸漬塗布方式により形成される。
電荷発生物質としては、スーダンレッドやダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料や、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン及びチタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料などが挙げられる。
電荷発生物質として、これらの中でも光波長700nm以上に感度を有するフタロシアニン系顔料を用いることが好ましく、中でもチタニルフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。チタニルフタロシアニン化合物としては、CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)が27.3°及び9.5°に明瞭な回折ピークを有するY−チタニルフタロシアニンや、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.6°及び7.5°に明瞭な回折ピークを有するB−チタニルフタロシアニンが好ましい。
また、電荷発生物質として、ガリウムフタロシアニン化合物を用いることも好ましい。ガリウムフタロシアニン化合物としては、CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.1°及び7.4°に明瞭な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンや、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.3°及び7.4°に明瞭な回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。
これらの電荷発生物質は、単独又は公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及びこれらの樹脂のうち二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層を形成する場合は、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散させて塗布液を調製し、例えば、塗布液を、スプレー塗布法、円形スライドホッパー塗布法、浸漬塗布法等で一定の層厚に塗布し、塗布膜を乾燥させるのが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、電荷発生物質1〜600質量部の範囲内が好ましく、50〜500質量部の範囲内がより好ましい。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性、混合割合などにより異なるが、0.01〜5μmの範囲内が好ましく、0.05〜3μmの範囲内がより好ましい。
なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
<電荷輸送層(2b)>
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂とを含有するものであり、例えば、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解させた塗布液を用いて、ビード塗布法、ブレード塗布法、円形スライドホッパー塗布法、浸漬塗布法等により形成される。
電荷輸送物質としては、公知の化合物を用いることが可能で、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらの化合物を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
電荷輸送層用のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることが可能で、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリカーボネート樹脂が好ましく、更に、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールZ(BPZ)、ジメチルBPAタイプのポリカーボネート樹脂、BPA−ジメチルBPA共重合体などのタイプのポリカーボネート樹脂が耐クラック性、耐摩耗性、帯電特性の観点から好ましいものである。
電荷輸送層を形成する場合は、バインダー樹脂と電荷輸送物質とを溶媒に溶解させて塗布液を調製し、塗布液を浸漬塗布方式で一定の層厚に塗布し、塗布膜を乾燥させるのが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
なお、電荷輸送層用の塗布液を調製するのに使用する溶媒としては、上記のものに限定されるものではない。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との混合比率は、バインダー樹脂100質量部に対して、電荷輸送物質を10〜500質量部の範囲内とすることが好ましく、20〜100質量部の範囲内とすることがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質やバインダー樹脂の特性、これらの混合比などにより異なるが、22〜40μmの範囲内が好ましく、25〜36μmの範囲内がより好ましい。
電荷輸送層中には、公知の酸化防止剤を添加することが可能で、例えば、特開2000−305291号公報記載の酸化防止剤が使用できる。
<その他>
本発明の感光体は、導電性支持体1上に、少なくとも、下引き層3、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを順に積層してなるものであるが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の層を設けてもよい。
当該他の層としては、例えば、感光体の最表面に、表面保護層を設けてもよい。
表面保護層は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの公知の樹脂を用い、樹脂の分子量の増加、電荷輸送物質(CTM)濃度の低減、金属酸化物微粒子やフッ素系樹脂微粒子を含有する等、電荷輸送層(CTL)の膜強度より強くすることや表面すべり性を向上させること等を目的として用いることができる。
[電子写真感光体の製造方法]
本発明の電子写真感光体は、例えば、下記工程を経ることにより製造することができる。以下、電子感光体の一例として、導電性支持体上に、接着層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に形成した場合の製造方法を説明する。なお、下引き層に接着性がある場合には、接着層の形成は不要である。
工程(1):導電性支持体の外周面に接着層用塗布液を塗布し、必要により乾燥することにより、接着層を形成する工程
工程(2):導電性支持体状に形成された接着層の外周面に下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより、下引き層を形成する工程
工程(3):導電性支持体上に形成された下引き層の外周面に電荷発生層形成用塗布液を塗布し、必要により乾燥することにより電荷発生層を形成する工程
工程(4):下引き層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程
以下、各工程について説明する。
(工程(1):接着層形成工程)
接着層は、溶媒中に接着層用バインダー樹脂を溶解させて接着層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を必要により乾燥することにより形成することができる。
(工程(2):下引き層形成工程)
下引き層は、溶媒中に、バインダー樹脂であるポリカーボネート樹脂と、本発明に係るピリリウム化合物と、本発明に係るスチリルトリフェニルアミン化合物と、を溶解させて下引き層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
下引き層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
下引き層の形成工程において使用する溶媒としては、下引き層用バインダー樹脂を溶解するものであればよい。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
下引き層形成用塗布液中の下引き層用バインダー樹脂の濃度は、下引き層の厚さや生産速度に合わせて適宜選択される。
(工程(3):電荷発生層形成工程)
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を下引き層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液中に電荷発生物質を分散する手段としては、例えば、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸t−ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(工程(4):電荷輸送層形成工程)
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂及び電荷輸送物質を溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷輸送層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[電子写真画像形成装置]
以下、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真画像形成装置の一例を、図面を参照しながら説明する。
図2に示すとおり、本発明の電子写真画像形成装置100は、いわゆるタンデム型のカラープリンター装置であって、作像ユニット101Y、101M、101C及び101Bkが中間転写ベルト102に沿って順に配設されている。作像ユニット101Y、101M、101C及び101Bkは、露光装置103からそれぞれ画像露光Hを受けてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各色のトナー像を形成して、中間転写ベルト102上に重なり合うように静電転写する(1次転写)。これによって、カラートナー像が形成される。また、Bk色のモノクロトナー像を形成してもよい。
中間転写ベルト102は、無端状のベルトであって、トナー像を担持した状態でA方向に回転走行する。これによって、カラートナー像が2次転写ローラー対104に向かって搬送される。2次転写ローラー対104は、不図示の圧接離間機構によって、圧接及び離間される。2次転写ローラー対104を構成する一対のローラーが互いに圧接している領域を、2次転写ニップという。
記録シートPは、給紙カセット105に収容されており、ピックアップローラー106によって1枚ずつ搬送経路107上に送り出される。搬送経路107上に送り出された記録シートPは、タイミングローラー108によって2次転写タイミングに合わせて2次転写ニップへ搬送される。
中間転写ベルト102に担持されたトナー像と記録シートPとがタイミングを合わせて2次転写ニップを通過する際には、2次転写ローラー対104を構成する一対のローラー間に2次転写バイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト102上のトナー像が記録シートP上に静電転写(2次転写)される。
トナー像を担持する記録シートPは、定着装置109を通過する際にトナー像を熱定着された後、排出ローラー110によって排紙トレー111上に排出される。
<作像ユニット>
次に、作像ユニットの構成について、作像ユニット101Yを例にとって更に詳しく説明する。
図3に示されるように、作像ユニット101Yは、円柱形状の電子写真感光体201の外周面に沿って順に帯電ローラー202、現像装置203、1次転写ローラー204、クリーニング装置205及び除電ランプ206が配設されている。
本発明の電子写真画像形成装置100は、作像ユニット101Y、101M、101C及び101Bkの電子写真感光体201の少なくとも一つとして、上記の本発明の電子写真感光体10を用いる。
電子写真感光体201は、例えば、アルミニウム製の導電性支持体201bと、その外周面上に形成された負帯電型の有機感光体からなる感光層201aとを有しており、支軸201cを中心としてB方向に回転駆動される。
帯電ローラー202は、芯金202c、芯金202cと一体形成された導電層202b、及び導電層202bの外周面上に形成された弾性を有する高導電体層202aからなっている。芯金202cは回転自在に軸受けされており、帯電ローラー202は電子写真感光体201との摩擦によってC方向に従動回転する。
帯電ローラー202は、電子写真感光体201の外周面に押圧されることによって帯電ニップが形成されており、芯金202cに当接された摺動接点202dを介して帯電バイアス電源装置200から給電を受けることによって、電子写真感光体201の外周面を接触帯電させる。
帯電ローラー202における帯電手段としては、DC電圧にAC成分を重畳させたAC帯電方式による帯電プロセスが採用される。
AC帯電方式による帯電プロセスにおけるAC成分の周波数は、1〜3kHzの範囲内であることが好ましく、1〜2.6kHzの範囲内であることが好ましい。
帯電プロセスにおけるAC成分の印加電圧Vppは、1〜3kVの範囲内であることが好ましく、1〜2.5kVの範囲内であることが好ましい。
現像装置203は、外周面上にトナーを担持した状態でD方向に回転する現像ローラー203aを備えている。現像ローラー203aは、電子写真感光体201に近接して対向配置されており、また、現像バイアスが印加されている。これによって、電子写真感光体201の外周面上にトナーが供給され、静電潜像を現像したトナー像が形成される。
1次転写ローラー204は、電子写真感光体201とともに中間転写ベルト102を挟持しており、中間転写ベルト102がA方向へ回転走行するのに合わせてE方向に回転する。1次転写ローラー204は、例えば、金属の芯金の表面を弾性体で被覆したもので、不図示の電源からトナーと逆極性の1次転写バイアスが印加されている。これによって、電子写真感光体201の外周面上に担持されているトナー像が中間転写ベルト102上へ1次転写される。
クリーニング装置205は、1次転写後に電子写真感光体201の外周面上に残留するトナーをクリーニングブレード205aによって掻き取って回収する。
除電ランプ206は、電子写真感光体201の外周面を除電露光することによって、残留電荷を除電する。
なお、クリーニング装置205等によって除去し切れなかった残留トナーが帯電ローラー202に付着して汚損すると、帯電性能が劣化するおそれがあるので、帯電ローラー202をクリーニングするクリーニング部材を更に設けてもよい。
<トナー>
以上のような電子写真画像形成装置に用いられるトナーは、粉砕トナーであっても重合トナーであってもよいが、本発明の電子写真画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合法で作製された重合トナーを用いることが好ましい。
重合トナーとは、トナーを形成する結着樹脂の生成とトナー粒子形状の形成が、結着樹脂を得るための原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理とにより並行して行われて得られるトナーを意味する。
より具体的には、懸濁重合、乳化重合などの重合反応により樹脂微粒子を得る工程と、必要によりその後に行われる樹脂微粒子同士を融着させる工程を経て形成されるトナーを意味する。
トナーとしては、結着樹脂が結晶性樹脂からなるものを用いることが好ましい。トナーとして結晶性樹脂からなる結着樹脂を含有するものを用いることによって、得られる画像におけるカブリの発生を抑制することができる。これは、現像手段においてトナーが摩擦帯電されたときの帯電のバラツキが低減されることによるものと考えられる。
トナーの体積平均粒径、すなわち、50%体積粒径(Dv50)は2〜9μmの範囲内、より好ましくは3〜7μmの範囲内であることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに、上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期にわたってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
トナーは、それのみで一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、又はトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μmの範囲内、より好ましくは25〜80μmの範囲内のものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、又は樹脂中に磁性粒子を分散させた、いわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下に、実施例及び比較例の感光体の作製で用いた化合物を示す。
[感光体101の作製]
<導電性支持体の作製>
直径30mm×長さ360mmの円筒形アルミニウム支持体を準備し、以下の塗布液を順次塗布して塗布膜を形成することにより、感光体101を作製した。
<接着層>
下記組成の接着層用塗布液を調製し、上記アルミニウム支持体表面に当該塗布液を浸漬塗布することにより、0.2μmの接着層を形成した。
バインダー:ポリビニルブチラール エスレックBM−1(積水化学工業社製)
10質量部
溶媒1:2−ブタノン 640質量部
溶媒2:シクロヘキサノン 220質量部
<下引き層>
下記組成の下引き層用塗布液を調製し、上記接着層の上に、当該塗布液をスプレー塗布にて塗布し、乾燥後の層厚が1.5μmの下引き層を形成した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂 パンライトL1250(帝人社製)
10質量部
ピリリウム化合物:化合物A1 2質量部
スチリルトリフェニルアミン化合物:CTM−1U 80質量部
溶媒:塩化メチレン 230質量部
溶媒;トルエン 110質量部
<電荷発生層>
下記組成の溶液を分散機としてサンドミルを用いて10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液を調製した。そして、上記下引き層の上に、当該電荷発生層形成用塗布液をスプレー塗布にて塗布し、乾燥後の層厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの、表IにはY−TiOPcと示す。)
20質量部
電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(デンカ社製)
10質量部
溶媒1:酢酸t−ブチル 900質量部
溶媒2:MMP(4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン)
100質量部
<電荷輸送層>
下記組成の塗布液となるように、下記化合物を混合・溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550、三菱ガス化学社製)
100質量部
電荷輸送物質:CTM−1T 60質量部
酸化防止剤:BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) 6質量部
溶媒:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96、信越化学社製)
0.12質量部
次に、上記電荷発生層上に、上記電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布で塗布し、乾燥後の層厚が20μmの電荷輸送層1を形成した。更に、その上に、円形スライドホッパー(CSHと呼ぶ)塗布機を用いて、同様の電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥後の層厚が16.2μmの電荷輸送層2を形成し、トータルで乾燥後の層厚が36.2μmの電荷輸送層を得た。
以上の手順によって、感光体101を作製した。
[感光体102〜124の作製]
感光体101の作製において、表Iに記載のように、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層中に含有させる化合物の組成や、各層の層厚を変更した以外は同様にして、感光体102〜124を作製した。なお、電荷輸送層において、層厚水準により、2層にする必要がないものは、1層で形成した。
また、表I中には示していないが、感光体103の電荷発生層のバインダーには、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いた。
また、表I中には示していないが、感光体109の電荷発生層のバインダーには、ポリビニルブチラール「エスレックBX−1」(積水化学工業社製)を用いた。
また、以下、表I中の化合物について説明する。
また、表Iの下引き層のポリカーボネート樹脂において、Z300は、ユーピロンZ300(三菱ガス化学社製)を示す。
また、表Iの電荷発生層の電荷発生物質において、感光体103の作製で用いた「Y−TiOPc」は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(2θ±0.2°が28.1°、7.4°に強いピークを有する)を示す。
[感光体125の作製]
感光体125は、感光体101の接着層は形成せずに、下引き層を以下の構成で形成した。
下引き層用バインダー樹脂であるポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製)100質量部を、メタノール及びプロピルアルコールの混合溶媒1700質量部に加えて、20℃で撹拌混合した。この溶液に、酸化チタン粒子「SMT500SAS」(テイカ社製)120質量部及び酸化チタン粒子「SMT150MK」(テイカ社製)160質量部を添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させた。そして、この溶液を一昼夜静置した後、濾過することにより、下引き層形成用塗布液を得た。濾過は、濾過フィルターとして、公称濾過精度が5μmのリジメッシュフィルタ(日本ポール社製)を用いて、50kPaの圧力下で行った。このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、洗浄した導電性支持体の外周面に浸漬塗布法で塗布し、120℃で30分間乾燥することにより、乾燥層厚1.4μmの下引き層を形成した。
また、電荷発生層と電荷輸送層は、感光体101と同様に形成した。
[感光体126の作製]
感光体125の作製において、下引き層用バインダー樹脂を「CM8000」の代わりにポリアミド樹脂であるダイアミドX4685(ダイセル・エボニック社製)を用いて、酸化チタン微粒子はSMT500SASのみに変更し、その他は同様にして、乾燥層厚1.4μmの下引き層を形成した。また、電荷発生層と電荷輸送層は、感光体125と同様にして、感光体126を作製した。
[感光体127及び感光体128の作製]
感光体125の作製において、電荷輸送層の層厚を表Iに記載の厚さに変更した以外は同様にして感光体128を作製した。
[評価]
電子写真画像形成装置である市販のフルカラー複合機「bizhub C287」(コニカミノルタ社製)に、感光体1〜128をそれぞれ搭載したものを評価機とし、下記評価を行った。それぞれの評価結果は、結果は表II−1、表II−2及び表IIIに示す。
<電位安定性の評価>
繰り返し電位の測定を、以下のようにして行い、電位安定性を評価した。評価機に搭載されている電位計を用いて、1プリント目の感光体について、帯電後における非露光部の現像器の位置における帯電電位(Vo)及び露光電位(Vi)を測定した。また、評価機で、印字率10%で3万枚のプリントを行った後、評価機に搭載されている電位計を用いて、3万枚プリント目の帯電電位(Vo30kp)及び露光電位(Vi30kp)を測定した。そして、その帯電電位の差の絶対値ΔVo及び露光電位の差の絶対値ΔViを求め、下記基準で判定した。
(帯電電位の判定基準)
◎:ΔVoが10V未満(良好)
○:ΔVoが10V以上20V未満(実用上問題なし)
△:ΔVoが20V以上30V未満(実用上若干問題あり)
×:ΔVoが30V以上(実用上問題あり)
(露光電位の判定基準)
◎:ΔViが5V未満(良好)
○:ΔViが5V以上、15V未満(実用上問題なし)
△:ΔViが15V以上、25V未満(実用上若干問題あり)
×:ΔViが25V以上(実用上問題あり)
<転写メモリーの評価>
下記の評価を、初期状態と、3万枚のプリント後で行った。各評価機において、初期状態と3万枚のプリント後において、図4に示すように、その次の感光体1周目において、1周目の前半部の上下が黒ベタ部と白ベタ部がそれぞれ半分ずつとなるようにプリントし、1周目の後半部がハーフトーン部となるようにプリントした。次に、感光体2周目が全てハーフトーン部となるようにプリントした。次に、2周目において、1周目の黒ベタ部に対応する部分(図4のB2)と、1周目の白部に対応する部分(図4のW2)との画像濃度を、マクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。そして、これらの画像濃度の差ΔDを算出し、下記基準で評価した。
(判定基準)
◎:ΔDが0.01未満(非常に良好)
○:ΔDが0.01以上0.02未満(良好)
△:ΔDが0.02以上0.03未満(実用上若干問題あり)
×:ΔDが0.03以上(実用上問題あり)
<耐久性の評価>
各評価機において、初期状態の電荷輸送層の層厚と、3万枚プリント後の電荷輸送層の層厚差を用いて耐久性を評価した。
層厚は、均一層厚部分(感光体の両端は層厚が不均一になりやすいので、少なくとも両端3cmは除く)をランダムに10か所測定し、その平均値を層厚として測定した。層厚測定器は渦電流方式の層厚測定器「ISOSCOPE FMP30型」((株)フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて行い、3万枚のプリント実写試験前後の電荷輸送層の層厚差を層厚摩耗量とした。また、この層厚摩耗量を5倍した値を、15万枚のプリント実写試験前後の電荷輸送層の層厚差(層厚摩耗量)の推定値とした。また、初期の電荷輸送層の層厚から、15万枚のプリント実写試験前後の電荷輸送層の層厚差(層厚摩耗量)の推定値を差し引いた値を、15万枚のプリント実写試験後に残存する電荷輸送層の層厚の推定値として算出し、この値を下記基準で評価した。
(判定基準)
◎:残存する電荷輸送層の層厚の推定値が14μm以上(非常に良好)
○:残存する電荷輸送層の層厚の推定値が12μm以上14μm未満(良好)
△:残存する電荷輸送層の層厚の推定値が10μm以上12μm未満(実用上若干問題あり)
×:残存する電荷輸送層の層厚が10μm未満(実用上問題あり)
〈まとめ〉
本発明の感光体は、長時間使用しても電位安定性に優れ、かつメモリーを抑制できていることがわかった。また、本発明の感光体は耐久性にも優れていることがわかった。
したがって、本発明は、長寿命化と高画質化とを両立した電子写真感光体であることがわかった。
これに対し、比較例の感光体は、いずれかの項目について劣るものであった。
1 導電性支持体
2 感光層
2a 電荷発生層
2b 電荷輸送層
3 下引き層
4 接着層
10 電子写真感光体
100 電子写真画像形成装置
101Y、101M、101C、101Bk 作像ユニット
102 中間転写ベルト
103 露光装置
104 2次転写ローラー対
105 給紙カセット
106 ピックアップローラー
107 搬送経路
108 タイミングローラー
109 定着装置
110 排出ローラー
111 排紙トレー
200 帯電バイアス電源装置
201 電子写真感光体
201a 感光層
201b 導電性支持体
201c 支軸
202 帯電ローラー
202a 高導電体層
202b 導電層
202c 芯金
202d 摺動接点
203 現像装置
203a 現像ローラー
204 1次転写ローラー
205 クリーニング装置
205a クリーニングブレード
206 除電ランプ
H 画像露光
P 記録シート

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であって、
    前記下引き層が、下記一般式(1)で表される構造を有するチアピリリウム化合物と、下記一般式(2)で表される構造を有するスチリルトリフェニルアミン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    〔上記一般式(1)において、Xは、Sの対イオンを表す。〕
    〔上記一般式(2)において、Rはアルキル基、アルコキシ基又はハロゲノ基を表す。nは、0〜4から選ばれる整数を表す。〕
  2. 前記電荷発生層が、チタニルフタロシアニン化合物又はガリウムフタロシアニン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電荷輸送層の厚さが、22〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記一般式(1)において、Xが、ClO 又はBF を表すことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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