JP2022000668A - 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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JP2022000668A JP2020105706A JP2020105706A JP2022000668A JP 2022000668 A JP2022000668 A JP 2022000668A JP 2020105706 A JP2020105706 A JP 2020105706A JP 2020105706 A JP2020105706 A JP 2020105706A JP 2022000668 A JP2022000668 A JP 2022000668A
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Abstract

【課題】本発明の課題は、長期間繰り返し使用における静電特性の安定性を維持し、ゴーストの発生の抑制することのできる電子写真感光体を提供することである。また、それを備える電子写真画像形成装置を提供することである。【解決手段】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に有する電子写真感光体であって、前記下引き層が、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする。(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はCOOR4を表す。R4は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。Qは、酸素原子、NCN、C(COOR5)2、C(CN)2、C(CN)COOR5を表す。R5は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は電子写真感光体及び電子写真画像形成装置に関する。より詳しくは、長期間の繰り返し使用における静電特性の安定性を維持し、ゴーストの発生を抑制することのできる電子写真感光体及びそれを備える電子写真画像形成装置に関する。
複写機、プリンター及びFAXなどによる電子写真画像において、画像のカラー化が一般化されており、それに伴い高画質の要請も高くなっている。カラー画像においては色の重ね合わせにより画像を形成するため、ブラック(Bk)はもとより、特にイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)個々の色再現性を確保しなければならない。
また、電子写真画像形成では、例えば、電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)に、帯電、像露光、現像、転写、クリーニング及び除電をこの順で、繰り返し行うことにより画像形成を行っている。
しかしながら、電子写真感光体は、一画像に対し数回転の画像形成プロセスを経過するため、長期間の繰り返し使用により、前回転時の画像形成履歴が充分に消去されないまま次回転の画像形成プロセスに移り、前履歴を伴った画像メモリーによるゴースト画像(以下単に「ゴースト」ともいう。)が発生し、高画質の画像が得られないという問題があった。
このため、感光体の長寿命化と高画質化を両立させる要請が高くなっている。
このゴーストの発生を抑制するために種々の検討がなされている。主に感光体構成素材の探索や改良がおこなわれているが、他の方法として電荷輸送を手助けする素材として、電子輸送物質を下引き層に含有させることも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、電子輸送物質として、特許文献2には、チオキサンテン誘導体が記載されている。
しかしながら、帯電電位と露光電位を長期繰返し使用にわたり安定に維持しつつ、前履歴を伴った画像メモリーによるゴーストを抑制することに関しては未だ不充分である。
特開2000−321805号公報 特開平9−194535号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、長期間の繰り返し使用における静電特性の安定性を維持し、ゴーストの発生を抑制することのできる電子写真感光体を提供することである。また、それを備える電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に有する電子写真感光体の下引き層に、一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有させることにより、課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に有する電子写真感光体であって、
前記下引き層が、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2022000668
(式中、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はCOORを表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Qは、酸素原子、NCN、C(COOR、C(CN)、C(CN)COORを表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
2.前記下引き層が、下記N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
Figure 2022000668
(式中、
は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はベンジル基を表す。
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はニトロ基を表す。
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はニトロ基を表す。
及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。
11は、炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
3.前記下引き層が、金属酸化物粒子を含有し、当該金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ又は酸化アルミニウムを含有し、かつ、前記下引き層の厚さが、1〜20μmの範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に項記載の電子写真感光体。
4.前記金属酸化物粒子が、シランカップリング剤により表面修飾されていることを特徴とする第3項に記載の電子写真感光体。
5.前記電荷発生層が、チタニルフタロシアニンを含有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
6.前記電荷輸送層が、下記一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される構造を有する化合物のいずれかを含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
Figure 2022000668
(式中、R12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はベンジル基を表す。nは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。)
7.第1項から第6項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、長期間の繰り返し使用における静電特性の安定性を維持し、ゴーストの発生を抑制することのできる電子写真感光体を提供することができる。また、それを備える電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
電子写真感光体は、像露光時における暗部の帯電性維持と明部の光導電性が求められ、これを繰り返し使用してもそれぞれの性能が維持されることが望まれる。また、次サイクルに供せられるとき、前像露光時における露光部と非露光部の静電的状態(帯電性や光導電性)が同等になることが望まれ、前サイクルでの履歴がすみやかに開放されることが重要である。
電荷発生層、電荷輸送層及び下引き層における、適度な電子又はホールに対する抵抗と導電性がなければ、画像に影響を与えることになる。例えば、ブロッキング性不足側では、帯電性が低下しポジメモリーが発生しやすくなり、逆に過度に抵抗を上げると光導電性が阻害されネガメモリーが発生しやすくなる。
適度にブロッキングし、蓄積電荷の開放時定数を速くすることが肝要であるが、これは感光層構成材料の組合せを検討や、下引き層材料の選定が重要である。
本発明においては、一般式(A)で表される構造を有する化合物を下引き層に用いることにより、下引き層における上記電荷輸送のバランスが適度に保たれ、ネガメモリー及びポジメモリーの前サイクルでの両方の履歴(メモリーの発生)を少なくすることができるためであると推定される。
本発明の電子写真感光体の一例を示す断面図 本発明の電子写真感光体の他の一例を示す断面図 本発明の電子写真感光体を備えるタンデム型の電子写真画像形成装置の構造を示す断面模式図 本発明のタンデム型の電子写真画像形成装置における、電子写真感光体とクリーニングブレードとの配置関係を示す拡大模式図 実施例の転写メモリーの評価において用いたオリジナル画像 実施例の転写メモリーの評価においてネガメモリーを説明する図 実施例の転写メモリーの評価においてポジメモリーを説明する図
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に有する電子写真感光体であって、
前記下引き層が、前記一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする。この特徴は、下記各実施態様(形態)に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、下引き層内の電子輸送性を高める観点から、前記下引き層が、前記N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を含有することが好ましい。これらの化合物は、また除電光の選定により電子写真プロセスで蓄積した電荷を排出させる効果を有する。
さらに、本発明においては、前記下引き層が、金属酸化物粒子を含有し、当該金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ又は酸化アルミニウムを含有し、かつ、前記下引き層の厚さが、1〜20μmの範囲内であることが好ましい。これにより、電子導電性を程よく制御することができる。
本発明の実施態様としては、前記金属酸化物粒子が、シランカップリング剤により表面修飾されていることが好ましい。これにより、下引き層バルク内での蓄積電荷のスムーズな排出を可能とすることができる。
また、高感度タイプの電荷発生物質との組合せで画像メモリーが発生し易いため、前記電荷発生層が、チタニルフタロシアニンを含有した場合、ゴーストの抑制に特に有効である。
さらに、本発明においては、前記電荷輸送層が、前記一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される構造を有する化合物のいずれかを含有することが好ましい。これにより、電荷発生層及び電荷輸送層では安定して静電特性を保持しているものの中での、下引き層との電荷移動のバランス調整ができるため好ましい。
本発明の電子写真画像形成装置は、前記電子写真感光体を備える。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《本発明の電子写真感光体の概要》
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に有する電子写真感光体であって、前記下引き層が、前記一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする。
かかる構成により、長期間の繰り返し使用における静電特性の安定性を維持し、ゴーストの発生を抑制することのできる電子写真感光体を提供することができる。
前履歴を伴った画像メモリーによるゴーストは、複数の層構成を用いている電子写真感光体ではさまざまな原因系が考えられる。ひとつは感光層中の露光部と非露光部における電荷蓄積量の相違が考えられる。バルク中への電荷蓄積は、帯電性不足や次回転画像形成プロセスの帯電プロセスに供されるまでの間に、動作が完了していないことによる場合がある。
特に単層タイプの感光体では帯電性と感度のバランスにより電荷発生物質(以下、「CGM」(Charge Generation Material)ともいう。))や電荷輸送物質(以下、「CTM」(Charge Transport Material)ともいう。)の配合量に制限がでてくるが、電荷輸送による露光部と非露光部における電荷蓄積量の相違に対しては前述の配合量制限が必ずしも最適になるとは限らない。このため、逆に画像メモリーやゴーストを抑制する配合量を選定する場合には、帯電性や感度に制限が生じる場合も出てくる。また、下引き層との界面や下引き層バルクへの電荷蓄積も影響する。
一方、積層型の機能分離タイプでも電荷発生層(以下、「CGL」(Charge Generation Layer)ともいう。)と電荷輸送層(以下、「CTL」(Charge Transport Layer)ともいう。)との界面の影響や、下引き層(以下、「UCL」(Under Coat. Layer)ともいう。)のブロッキング性の不足やUCLバルク中への電荷蓄積が考えられ、同様に周回後に露光部と非露光部での差がゴーストとして発現する。
公知の電子輸送物質(以下、「ETM」(Electron Transport Materialともいう。)は、前述した構造のものが知られており、単独での電子輸送能はホール輸送物質(以下、「HTM」(Hole Transport Materialともいう。)での輸送能に比較して数桁低く、単層感光層に含有させHTM又はCGMと同時に含有させ、適用することが多い。
また、電子輸送物質を下引き層に金属酸化物等とともに含有させ電子輸送を手助けすることも知られている。
本発明は、積層型機能分離タイプの感光層に於いて下引き層に含有する電子輸送物質として、これらの中から特に一般式(A)で表される構造を有する化合物を選定し、特にゴーストの少ない効果を発揮する化合物を用いるものである。
《本発明の電子写真感光体の詳細》
図1Aに示すように、本発明の電子写真感光体10は、導電性支持体1上に、下引き層3、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを順に有する電子写真感光体10であって、下引き層3が、後述する一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする。また、本明細書において、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを合わせて感光層2ともいう。
図1Bに示すように、導電性支持体1と下引き層3との間には、必要に応じて接着層4を設けることもできる。ただし、下引き層3に接着性がある場合には、接着層4の形成は必ずしも必要ではなく、図1Aのように、導電性支持体1表面上に下引き層3が積層されていてもよい。
<導電性支持体>
導電性支持体は、導電性を有するものであれば良く、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス等の金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム又は紙などが挙げられる。
<下引き層>
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と感光層との間に下引き層(中間層)を有している。下引き層は、バリア機能及び接着機能に加え、電子輸送機能を有している。
本発明に係る下引き層は、電子輸送物質として、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物を有している。
さらに、下引き層は、後述するN−1又は一般式(B1)〜(B4)で表される構造を有する化合物を含有することが好ましい。
また、下引き層は、金属酸化物粒子を含有することが好ましく、金属酸化物粒子は、シランカップリング剤により、表面修飾されていることが好ましい。
金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ又は酸化アルミニウムを含有し、かつ、前記下引き層の厚さが、1〜20μmの範囲内であることが好ましい。
[一般式(A)で表される構造を有する化合物]
本発明に係る下引き層は、電子輸送物質として、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物を有している。
従来の下引き層に適用される層は、電子輸送制約がかかるものが一般的であるのに対し、本発明に係る感光体では、下引き層に下記一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有させることにより、電子を効率的に電荷発生層から注入させ、効率的に下引き層に輸送することができるため、電荷の蓄積を防ぎ、メモリーの発生を抑制し、ゴーストの発生を抑制できるものと考えられる
Figure 2022000668
(式中、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はCOORを表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Qは、酸素原子、NCN、C(COOR、C(CN)、C(CN)COORを表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はCOORを表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
、R及びRが表す炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖であっても、分岐していてもよい。このようなアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基及びイソブチル基を挙げることができる。
及びRが表す炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖であっても、分岐していてもよい。このようなアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
一般式(A)で表される構造を有する化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。
一般式(A)で表される構造を有する化合物の具体例を、以下に挙げるが、これらに限られない。
Figure 2022000668
[N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物]
下引き層は、また、下記N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を含有することが好ましい。このような化合物を下引き層に含有させることにより、下引き層内の電子輸送を補うことができるが、除電光の選定により電子写真プロセスで蓄積した電荷を排出させる効果も持たせることができる。
Figure 2022000668
(式中、
は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はベンジル基を表す。
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はニトロ基を表す。
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はニトロ基を表す。
及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。
11は、炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
、R、R及びR10で表されるアルキル基としては、直鎖又は分岐アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等を挙げることができる。
で表されるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
、R及びR10で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。
、R及びR10で表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙げることができる。
N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対し、0.05〜20質量部の範囲内であることが好ましい。
N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物の具体例を、以下に挙げるが、これらに限られない。
Figure 2022000668
Figure 2022000668
Figure 2022000668
[金属酸化物粒子]
本発明に係る下引き層は、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。当該金属酸化物粒子は、特に制限はないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ又は酸化アルミニウムを含有することが好ましい。このような金属酸化物粒子を用いることにより、電子導電性を程よく表面修飾によりコントロールすることができる。当該金属酸化物粒子は、表面修飾されていることがより好ましい。
金属酸化物粒子の個数平均一次粒径は1〜300nmの範囲内であることが好ましい。特に好ましくは3〜100nmの範囲内である。更に好ましくは10〜60nmの範囲内である。
上記金属酸化物粒子の個数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」(日本電子(株)製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除く)を自動画像処理解析装置「ルーゼックス AP(LUZEX(登録商標)AP)」((株)ニレコ製)ソフトウエアVer.1.32を使用して、2値化処理し、それぞれ水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均一次粒径として算出する。ここで水平方向フェレ径とは、金属酸化物粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
(表面修飾された金属酸化物粒子)
本発明に係る金属酸化物粒子は、ランカップリング剤により表面修飾された金属酸化物粒子であることが好ましく、更には、反応性有機基を有するカップリング剤で表面修飾されていることがより好ましい。
本発明に係る金属酸化物粒子を表面修飾するカップリング剤としては、金属酸化物粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応するカップリング剤が好ましく、これらのカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。中でも、金属酸化物粒子が、シランカップリング剤により表面修飾されていることが好ましい。
また、本発明においては、反応性有機基を有するカップリング剤が好ましく、反応性有機基を有するカップリング剤としては、ラジカル重合性反応基を有するカップリング剤が好ましい。ラジカル重合性反応基を有するカップリング剤としては、ビニル基、アクリロイル基又はメタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤の例としては、下記のような公知の化合物を挙げることができる。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S−35:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S−36:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−37:(CHO)(CH)SiCNHCNH
S−38:(CHO)SiCNHCNH
S−39:(CHO)SiCNH
S−40:(CO)SiCNH
S−41:(CO)SiCN=C(CH)(C
S−42:(CHO)SiCNH−(C
また、シランカップリング剤としては、上記S−1〜S−42以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらのシランカップリング剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
表面修飾された金属酸化物粒子の作製方法は、金属酸化物粒子100質量部に対し、カップリング剤0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して表面修飾することが好ましい。また、乾式でも表面修飾することができる。
以下に、均一にカップリング剤で表面修飾された金属酸化物粒子を製造する表面修飾方法について説明する。
金属酸化物粒子とカップリング剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、金属酸化物粒子を微細化すると同時に、粒子の表面修飾が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化することで、均一にカップリング剤により表面修飾された金属酸化物粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面修飾装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置である。その構成としては、金属酸化物粒子に表面修飾を行う際に金属酸化物粒子を十分に分散させ、かつ表面修飾できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、又はビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、及び分散が行われる。
上記湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、又はフリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明においては0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、及びセラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニア又はシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、カップリング剤によって表面修飾された金属酸化物粒子を得ることができる。
N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物は、単独又は公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を用いて下引き層を形成する場合、下引き層中のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及びこれらの樹脂のうち二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を用いて下引き層を形成する場合は、例えば、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて、N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を分散させて塗布液を調製できる。
下引き層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
[その他]
下引き層の厚さは、1〜20μmの範囲内が好ましい。このように、導電性をある程度上げて厚く構成することにより、下引き層バルク内での蓄積電荷のスムーズな排出を可能にすることができる。
下引き層には、バインダーとして樹脂を含有することができる。下引き層に含有する樹脂に、特に制約はないが、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂やポリオールとイソシアネートを架橋させたポリウレタン樹脂が好ましい。
下引き層は、所定の一般式(A)で表される構造を有する化合物と、必要に応じN−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物と金属酸化物粒子とバインダー樹脂とを、公知の溶媒に溶解させた溶液で分散処理を行い、例えば、ビード塗布法、ブレード塗布法、円形スライドホッパー塗布法、浸漬塗布法等により形成される。
また、下引き層形成用塗布液中の上記所定の化合物の混合割合は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、上記所定のバインダー樹脂100質量部に対し、一般式(A)で表される構造を有する化合物が0.1〜10質量部の範囲内、上記所定のN−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物が0.05〜20質量部の範囲内及び金属酸化物粒子が、200〜3000質量部の範囲内、となるように、それぞれの化合物を混合させることが好ましい。
塗布液形成時のバインダー樹脂濃度は、下引き層の厚さなどに合わせて適宜選択することができる。
下引き層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する厚さに応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
<電荷発生層(2a)>
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM:Charge Generation Material)とバインダー樹脂とを含有するものであり、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させた塗布液を用いて、浸漬塗布方式により形成される。
電荷発生物質としては、スーダンレッドやダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料や、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン及びチタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料などが挙げられる。
電荷発生物質として、これらの中でも光波長700nm以上に感度を有するフタロシアニン系顔料を用いることが好ましく、中でもチタニルフタロシアニンを用いることが好ましい。
すなわち、電荷発生層が、チタニルフタロシアニンを含有することが好ましい。チタニルフタロシアニンとしては、CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)が27.3°及び9.5°に明瞭な回折ピークを有するY−チタニルフタロシアニンや、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.6°及び7.5°に明瞭な回折ピークを有するB−チタニルフタロシアニンが好ましい。なかでも、高感度タイプの電荷発生物質との組合せで画像メモリーが発生し易いため、高感度電荷発生物質であるY−チタニルフタロシアニンを電荷発生物質として用いることが好ましい。
また、電荷発生物質として、ガリウムフタロシアニンを用いることも好ましい。ガリウムフタロシアニンとしては、CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.1°及び7.4°に明瞭な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンや、ブラッグ角(2θ±0.2°)が28.3°及び7.4°に明瞭な回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。X線回折は、例えば、X線回折装置 RINT−TTR2(株式会社リガク製)を用いて測定することができる。
これらの電荷発生物質は、単独又は公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及びこれらの樹脂のうち二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層を形成する場合は、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散させて塗布液を調製し、例えば、塗布液を、スプレー塗布法、円形スライドホッパー塗布法、浸漬塗布法等で一定の層厚に塗布し、塗布膜を乾燥させるのが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、電荷発生物質1〜600質量部の範囲内が好ましく、50〜500質量部の範囲内がより好ましい。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性、混合割合などにより異なるが、0.01〜5μmの範囲内が好ましく、0.05〜3μmの範囲内がより好ましい。
なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
<電荷輸送層(2b)>
本発明に係る電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有する。
電荷輸送物質としては、公知の化合物を用いることが可能で、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどが挙げられる。
中でも、下記一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される構造を有する化合物のいずれかを含有することが好ましい。
[一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される構造を有する化合物]
Figure 2022000668
(式中、R12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はベンジル基を表す。nは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。)
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨードなどが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜7のアルキル基が挙げられる。また、これらのうち、メチル基又はエチル基が好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜7のアルコキシ基が挙げられる。また、これらのうち、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
一般式(1)〜一般式(4)で表される構造を有する化合物の具体例を、以下に挙げるが、これらに限られない。
Figure 2022000668
Figure 2022000668
Figure 2022000668
Figure 2022000668
Figure 2022000668
Figure 2022000668
Figure 2022000668
これらの化合物を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
電荷輸送層用のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることが可能で、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリカーボネート樹脂が好ましく、更に、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールZ(BPZ)、ジメチルBPAタイプのポリカーボネート樹脂、BPA−ジメチルBPA共重合体などのタイプのポリカーボネート樹脂が耐クラック性、耐摩耗性、帯電特性の観点から好ましいものである。
電荷輸送層を形成する場合は、例えば、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解させた塗布液を用いて、ビード塗布法、ブレード塗布法、円形スライドホッパー塗布法、浸漬塗布法等により一定の層厚に塗布し、塗布膜を乾燥させて形成することが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
なお、電荷輸送層用の塗布液を調製するのに使用する溶媒としては、上記のものに限定されるものではない。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との混合比率は、バインダー樹脂100質量部に対して、電荷輸送物質を10〜500質量部の範囲内とすることが好ましく、20〜100質量部の範囲内とすることがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質やバインダー樹脂の特性、これらの混合比などにより異なるが、10〜40μmの範囲内が好ましく、15〜36μmの範囲内がより好ましい。
電荷輸送層中には、公知の酸化防止剤を添加することが可能で、例えば、特開2000−305291号公報記載の酸化防止剤が使用できる。
<その他>
本発明の感光体は、導電性支持体1上に、下引き層3、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bを順に有するものであるが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の層を設けてもよい。
当該他の層としては、例えば、感光体の最表面に、表面保護層を設けてもよい。
表面保護層は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの公知の樹脂を用い、樹脂の分子量の増加、電荷輸送物質(CTM)濃度の低減、金属酸化物粒子やフッ素系樹脂微粒子を含有する等、電荷輸送層(CTL)の膜強度より強くすることや表面すべり性を向上させること等を目的として用いることができる。
[電子写真感光体の製造方法]
本発明の電子写真感光体は、例えば、下記工程を経ることにより製造することができる。以下、電子感光体の一例として、導電性支持体上に、接着層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に形成した場合の製造方法を説明する。なお、下引き層に接着性がある場合には、接着層の形成は不要である。
工程(1):導電性支持体の外周面に接着層用塗布液を塗布し、必要により乾燥することにより、接着層を形成する工程
工程(2):導電性支持体上に形成された接着層の外周面に下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより、下引き層を形成する工程
工程(3):導電性支持体上に形成された下引き層の外周面に電荷発生層形成用塗布液を塗布し、必要により乾燥することにより電荷発生層を形成する工程
工程(4):下引き層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程
以下、各工程について説明する。
(工程(1):接着層形成工程)
接着層は、溶媒中に接着層用バインダー樹脂を溶解させて接着層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を必要により乾燥することにより形成することができる。
(工程(2):下引き層形成工程)
下引き層は、溶媒中に、バインダー樹脂である、例えばポリアミド樹脂やポリビニルブチラール樹脂と、本発明に係る一般式(A)で表される構造を有する化合物と、本発明に係るN−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物と、を溶解させ、前述した表面修飾した金属酸化物粒子を加えて、下引き層形成用塗布液を調製することができる。
下引き層形成用塗布液の調製に際して、以下のように2段階で調整することが好ましい。具体的には。樹脂(例えば、ポリビニルブチラール樹脂)を溶媒に溶解した樹脂溶液に、本発明に係るN−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を加え、サンドミル等で分散した分散液(分散液D)をあらかじめ調製する。
その後、分散液D、一般式(A)で表される構造を有する化合物、表面修飾した金属酸化物、樹脂(例えばポリアミド樹脂)及び溶媒を含む配合物を分散して下引き層形成用塗布液(下引き用塗布液A)を調製することが好ましい。
当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
下引き層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
下引き層の形成工程において使用する溶媒としては、下引き層用バインダー樹脂を溶解するものであればよい。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
下引き層形成用塗布液中の下引き層用バインダー樹脂の濃度は、下引き層の厚さや生産速度に合わせて適宜選択される。
(工程(3):電荷発生層形成工程)
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を下引き層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液中に電荷発生物質を分散する手段としては、例えば、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸t−ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(工程(4):電荷輸送層形成工程)
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂及び電荷輸送物質を溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷輸送層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[電子写真画像形成装置]
以下、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真画像形成装置の一例を、図面を参照しながら説明する。
本発明の電子写真画像形成装置は、本発明の感光体を使用して、感光体上に帯電装置にて帯電する帯電手段、像露光することにより形成された静電潜像を形成する露光手段、現像装置を用いて現像することにより顕像化させてトナー画像を得る現像手段、このトナー画像を用紙又は転写ベルト等の転写媒体上に転写する転写手段、及び除電手段を有している。コピー用紙上に直接転写されたトナー画像及び転写ベルト等の転写媒体を経て用紙上に転写されたトナー画像は接触加熱方式等の定着処理によってコピー用紙に定着する定着手段により可視画像を得る。転写の後、感光体上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニングブレード等のクリーニング手段によりにより除去される。
図2は、本発明の電子写真感光体を備えるタンデム型の電子写真画像形成装置の構造を示す断面模式図である。
図2に示す画像形成装置300は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Kと、中間転写体ユニット70と、給紙手段21及び定着手段24とからなる。電子写真画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体1Y、1M、1C、1Kを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、2Kと、露光手段3Y、3M、3C、3Kと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4K、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C、5K、及び感光体1Y、1M、1C、1Kをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Kより構成されている。
なお、本発明の電子写真画像形成装置は、感光体1Y、1M、1C、1Kとして、各々上記説明した本発明の感光体を用いる。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、備えるトナーの色がそれぞれイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、黒(K)色というように異なることを除き同じ構成である。よって、以下では、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを有し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。
帯電手段2Yは、感光体1Yの表面を一様に負極性に帯電させる手段である。本実施形態の電子写真画像形成装置においては、帯電手段2Yとして帯電ローラーを用いることが好ましい。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、又は、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ41Y及び感光体と、この現像スリーブとの間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ、及び当該現像スリーブと感光体との間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラーと、この加熱ローラーに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなる熱ローラー定着方式のものが挙げられる。
クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成される。
画像形成装置300としては、感光体と、現像手段、クリーニング手段などの構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも一つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
無端ベルト状中間転写体ユニットは、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する画像支持体:例えば普通紙、透明シートなど)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D、及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材などの感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Kは常時、感光体1Kに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M及び1Cに当接する。
二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とからなる。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C及び1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラー71、72、73及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5K、並びにクリーニング手段6bとからなる。
図3は、本発明のタンデム型の電子写真画像形成装置における、感光体とクリーニングブレードとの配置関係を示す拡大模式図である。
ここで、227はクリーニング手段としてのクリーニングブレード、228は光除電手段(除電光)としての除電ランプ、222は露光手段としての露光用光源、220は帯電手段としての帯電極、223は現像手段としての現像器、225は転写手段としての転写ローラーである。露光用光源22に使用可能な光源としては、タングステン光、蛍光灯、ハロゲンランプ、レーザー光(半導体レーザー、He−Neレーザー)及びLED等が挙げられる。
現像器223は、正転現像用、及び反転現像用のいずれでもよいが、本発明の感光体は、特に反転現像プロセス適用時に画像メモリー改善の効果が得られる。本発明に係る電子写真画像形成装置においては、除電工程を有していないことが好ましい態様であるが、必要に応じて設けることを妨げるものではない。適用可能な除電ランプ228としては、正転現像時、及び反転現像時いずれでも適用が可能である。除電ランプ228に使用可能な露光光源としては、タングステンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、白色LED、緑色LED、黄色LED、赤色LEDなどが挙げられ、上述のとおり光学フィルター等で波長領域を選定して使用してよい。
画像形成の一例としては、露光用光源222としてレーザー光源を用いた場合には、帯電極220で負極性に帯電された感光体211はレーザー光源によって像露光され、現像器223で現像される。この場合、現像は反転現像となるため、トナーは負帯電したトナーである。これを転写ローラー225で転写媒体224に転写し、その後、除電ランプ228で感光体211上の電荷を除電する。感光体211上に残留したトナー(転写残トナー)はクリーニングブレード227で掻き落とされる。除電はクリーニング工程の前でも後でもよい。転写媒体としては、コピー用紙等の記録紙、若しくは転写ベルトである。転写ベルト上に転写されたトナーは、次にコピー用紙等の記録紙に転写されトナー画像が形成される。
<トナー>
以上のような電子写真画像形成装置に用いられるトナーは、粉砕トナーであっても重合トナーであってもよいが、本発明の電子写真画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合法で作製された重合トナーを用いることが好ましい。
重合トナーとは、トナーを形成する結着樹脂の生成とトナー粒子形状の形成が、結着樹脂を得るための原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理とにより並行して行われて得られるトナーを意味する。
より具体的には、懸濁重合、乳化重合などの重合反応により樹脂微粒子を得る工程と、必要によりその後に行われる樹脂微粒子同士を融着させる工程を経て形成されるトナーを意味する。
トナーとしては、結着樹脂が結晶性樹脂からなるものを用いることが好ましい。トナーとして結晶性樹脂からなる結着樹脂を含有するものを用いることによって、得られる画像におけるカブリの発生を抑制することができる。これは、現像手段においてトナーが摩擦帯電されたときの帯電のバラツキが低減されることによるものと考えられる。
トナーの体積平均粒径、すなわち、50%体積粒径(Dv50)は2〜9μmの範囲内、より好ましくは3〜7μmの範囲内であることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに、上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期にわたってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
トナーは、それのみで一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、又はトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μmの範囲内、より好ましくは25〜80μmの範囲内のものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、又は樹脂中に磁性粒子を分散させた、いわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《電子写真感光体の作製》
以下に、感光体の作製で用いた化合物を示す。
Figure 2022000668
[下引き層塗布液の調製]
<表面修飾された金属酸化物粒子の調製>
下記組成物を撹拌しつつ、混合した後、120℃1時間の熱処理を行い、表面修飾酸化チタン粒子を得た。酸化チタン粒子として、SMT500SAS(テイカ株式会社)を使用した。
酸化チタン粒子(SMT500SAS) 80質量部
シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業株式会社) 1質量部
トルエン 1000質量部
同様に、酸化チタン粒子を酸化亜鉛粒子(堺化学株式会社製FINEX30)、酸化スズ粒子(三菱マテリアル電子化成株式会社製S−1)、酸化アルミニウム粒子(シーアイ化成株式会社製Nanotec Powder)に変更して、それぞれの表面修飾酸化金属粒子を得た。
[添加剤分散液D−1の調製]
ポリビニルブチラール(エスレックBX−1) 6質量部
2−ブタノン 620質量部
シクロヘキサノン 80質量部
常温で溶解し、添加化合物用のバインダー溶液を調製した。次に、
化合物 N−1 10質量部
と共にサンドミルにて12時間分散し、添加剤分散液D−1を得た。
[添加剤分散液D−2〜D−5の調製]
同様にして、化合物N−1の代わりに化合物 N−2、N−5、N−9、N−13を用い、それぞれ、添加剤分散液D−2、D−3、D−4、D−5を得た。
[実施例1]
以下のようにして、導電性アルミニウム支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成して電子感光体を作製した。
<下引き層の形成>
(下引き層用塗布液(A−1)の調製)
前記前処理をほどこした表面修飾金属酸化物を用い、以下の配合にて下引き層用塗布液を調製した。
ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社) 100質量部
表面修飾酸化チタン粒子(STM500SAS表面処理品) 280質量部
例示化合物A−1 2.5質量部
添加剤分散液(D−1) 60質量部
溶媒:エタノール 1500質量部
溶媒:1−プロパノール 420質量部
溶媒:テトラヒドロフラン(THF) 420質量部
をサンドミルにて分散処理し、下引き層塗布液(A−1)を得た。
これをφ60×L360mm導電性アルミニウム支持体上に塗布し、140℃1時間熱処理し、熱処理後の層厚が、4.7μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層の形成>
(電荷発生層用塗布液の調製)
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて10時間の分散を行い、電荷発生層用塗布液を調製した。
電荷発生物質:Y−チタニルフタロシアニン 20質量部
電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製) 10質量部
溶媒:酢酸t−ブチル 900質量部
溶媒:MMP(4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン) 100質量部
下引き層上に、上記調製した電荷発生層用塗布液を、浸漬塗布にて、乾燥後の厚さが0.2μmとなるように電荷発生層を形成した。
なお、Y−チタニルフタロシアニンは、Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくともブラッグ角2θ±0.2が27.3°の位置に最大回折ピークを有するものを用いた。表では、Y−TiOPcと記した。
<電荷輸送層の形成>
(電荷輸送層用塗布液の調製)
下記材料を混合・溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製し、上記形成した電荷発生層上に、浸漬塗布で乾燥後の厚さが28μmとなるように電荷輸送層を形成した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550 三菱ガス化学社製)
100質量部
例示化合物1−2 60質量部
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(BHT) 6質量部
溶媒:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96:信越化学社製) 0.12質量部
[実施例2]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1を例示化合物A−2に変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.4μmであった。
[実施例3]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1を例示化合物A−3に変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.5μmであった。
[実施例4]
実施例1の作製において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−2を例示化合物2−2に変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.7μmであった。
[実施例5]
実施例1の作製において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−2を例示化合物3−8に変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.7μmであった。
[実施例6]
実施例1の作製において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−2を例示化合物4−1に変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.6μmであった。
[実施例7]
実施例1の作製において、下引き層に用いた表面修飾金属酸化物を酸化チタンから同質量の表面修飾した酸化亜鉛粒子に変更したものを用い、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は5.1μmであった。
[実施例8]
実施例1の作製において、下引き層に用いた表面修飾金属酸化物を酸化チタンから同質量の表面修飾した酸化スズ粒子に変更したものを用い、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.5μmであった。
[実施例9]
実施例1の作製において、下引き層に用いた表面修飾金属酸化物を酸化チタンから同質量の表面修飾した酸化アルミニウム粒子に変更したものを用い、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.7μmであった。
[実施例10]
実施例1の作製において、電荷発生層に用いた電荷発生物質のY−チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)をB−チタニルフタロシアニン(B−TiOPc)に変更したものを用い、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.6μmであった。
なお、B−TiOPc、Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも ブラッグ角2θ±0.2が28.6°の位置に最大回折ピークを有するものを用いた。表では、B−TiOPcと記した。
[実施例11]
実施例1の作製において、下引き層の層厚が浸漬塗布速度を調整し、熱処理後の層厚が0.9μmになるよう変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。
[実施例12]
実施例1の作製において、下引き層の層厚が浸漬塗布速度を調整し、熱処理後の層厚が2.5μmになるよう変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。
[実施例13]
実施例1の作製において、下引き層の添加剤分散液(D−1)を除いたものに変更し、化合物N−1を除き、下引き層を形成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.0μmであった。
[実施例14]
実施例2の作製において、下引き層の添加剤分散液(D−1)を除いたものに変更し、化合物N−1を除き、下引き層を形成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は3.8μmであった。
[実施例15]
実施例3の作製において、下引き層の添加剤分散液(D−1)を除いたものに変更し、化合物N−1を除き、下引き層を形成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.1μmであった。
[実施例16]
実施例1の作製において、下引き層の添加剤分散液(D−1)を添加剤分散液(D−2)に変更し、下引き層を形成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.7μmであった。
[実施例17]
実施例1の作製において、下引き層の添加剤分散液(D−1)を添加剤分散液(D−3)に変更し、下引き層を形成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.5μmであった。
[実施例18]
実施例1の作製において、下引き層の添加剤分散液(D−1)を添加剤分散液(D−4)に変更し、下引き層を形成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.8μmであった。
[実施例19]
実施例1の作製において、下引き層の添加剤分散液(D−1)を添加剤分散液(D−5)に変更し、下引き層を形成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は5.0μmであった。
[比較例1]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1と添加剤分散液(D−1)を含まず、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.2μmであった。
[比較例2]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1と添加剤分散液(D−1)を含まず、電荷発生層の電荷発生物質をV−ヒドロキシガリウムフタロシアニン(表では、OHGaPcと略記した。)に変更し、電荷輸送層の電荷輸送物質を例示化合物4−1に変更し、その他は同様にしてサンプルを作成した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は3.8μmであった。
なお、HOGaPcは、Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくともブラッグ角2θ±0.2が28.1°の位置に最大回折ピークを有するものを用いた。
[比較例3]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1を化合物A−Aに変更し、添加剤分散液(D−1)を含まず、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.4μmであった。
[比較例4]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1を化合物A−Bに変更し、添加剤分散液(D−1)を含まず、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.1μmであった。
[比較例5]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1を化合物A−Cに変更し、添加剤分散液(D−1)を含まず、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.3μmであった。
[比較例6]
実施例1の作製において、下引き層に用いた例示化合物A−1を化合物A−Dに変更し、添加剤分散液(D−1)を含まず、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.1μmであった。
[比較例7]
実施例1の作製において、下引き層から表面修飾金属酸化物粒子と例示化合物A−1及び添加剤分散液(D−1)を除いたものに変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は4.4μmであった。
[比較例8]
実施例1の作製において、下引き層用塗布液を以下に変更し、また電荷輸送層中の化合物を例示化合物1−2から化合物1に変更し、その他は同様にしてサンプルを作製した。このときの熱処理後の下引き層の層厚は6.2μmであった。
(金属酸化物粒子の前処理1)
酸化亜鉛粒子 500質量部
シランカップリング剤(KBM603 信越化学社製) 5質量部
トルエン 3000質量部
を撹拌しつつ、混合した後、120℃1時間の熱処理を行い、表面修飾酸化亜鉛粒子を得た。
(金属酸化物粒子の前処理2)
表面修飾酸化亜鉛粒子 500質量部
アリザリン 10質量部
テトラヒドロフラン(THF) 3000質量部
を40℃10時間の加熱をしつつ、撹拌及び混合をした後、ろ別し、乾燥することで、染料処理酸化亜鉛粒子を得た。
次に、450質量部の2−ブタノンに対し、ポリビニルブチラール(BL−S 積水化学工業株式会社製)を45質量部混合溶解させたものに、
染料処理酸化亜鉛粒子 450質量部
アクリルポリオール(固形分50%、アクリディックA814 大日本インキ社製)
50質量部
イソシアネート(コロネート2507 東ソー社製)80%液 100質量部
2−プロパノール 55質量部
を混合し、ジルコニアビーズ(平均粒径:0.5mm)とともにサンドミルに入れ、10時間分散し、分散液を調製した。
当該分散液に、ジオクチルウラレートを0.002質量部添加し、下引き層用塗布液を調製した。当該下引き層用塗布液をサンプル用支持体上に、浸漬塗布法で塗布し、その後、160℃1時間の熱処理を行い下引き層を形成した。
《評価方法》
<画像評価>
画像メモリーによるゴーストの画像評価を行った。
Bizhub PRESS C1070(コニカミノルタ製)の改造機を用い、転写条件を過剰気味にしたメモリー発現に厳しい条件で、前履歴ソリッド画像が次周回に発生するかを、オリジナル画像(図4A)で出力し、該当部分の濃度差を測定した。
1周目の後半部がハーフトーン部となるようにプリントした。次に、感光体2周目が全てハーフトーン部となるようにプリントした。次に、2周目において、1周目の黒ベタ部に対応する部分(図4AのB2)と、1周目の白部に対応する部分(図4AのW2)との画像濃度を、マクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。そして、これらの画像濃度の差ΔDを算出し、下記基準で評価した。
評価は、1枚目のプリントと、1万枚目のプリントとで行った。
なお、表中の画像(ゴースト)の欄の「ネガ」は、ゴースト画像が、図4Bのように、1周目が黒ベタ部(露光部)に相当する2周目ハーフトーン部が地肌部に比較して濃度が低い場合を示し、「ポジ」は、ゴースト画像が同様に図4Cのように、2周目ハーフトーン部が地肌部に比較して濃度が濃い場合を示す。
(判定基準)
◎:ΔDが0.01未満(非常に良好)
○:ΔDが0.01以上0.02未満(良好)
△:ΔDが0.02以上0.03未満(実用上若干問題あり)
×:ΔDが0.03以上(実用上問題あり)
<電位安定性の評価>
繰り返し電位の測定を、以下のようにして行い、電位安定性を評価した。評価機に搭載されている電位計を用いて、1プリント目の感光体について、帯電後における非露光部の現像器の位置における帯電電位(Vo)及び露光電位(Vi)を測定した。また、評価機で、印字率10%で3万枚のプリントを行った後、評価機に搭載されている電位計を用いて、3万枚プリント目の帯電電位(Vo30kp)の及び露光電位(Vi30kp)を測定した。そして、下式に従い、その帯電電位の絶対値の差ΔVo及び露光電位の絶対値の差ΔViを求め、下記の判定基準で判定した。
ΔVo=|3万枚プリント目の帯電電位|−|初期の帯電電位|
ΔVi=|3万枚プリント目の露光電位|−|初期の露光電位|
(帯電電位の判定基準)
◎:ΔVoの絶対値が10V未満(良好)
○:ΔVoの絶対値が10V以上20V未満(実用上問題なし)
△:ΔVoの絶対値が20V以上30V未満(実用上若干問題あり)
×:ΔVoの絶対値が30V以上(実用上問題あり)
(露光電位の判定基準)
◎:ΔViの絶対値が5V未満(良好)
○:ΔViの絶対値が5V以上、15V未満(実用上問題なし)
△:ΔViの絶対値が15V以上、25V未満(実用上若干問題あり)
×:ΔViの絶対値が25V以上(実用上問題あり)
(判定基準)
◎:ΔDが0.01未満(非常に良好)
○:ΔDが0.01以上0.02未満(良好)
△:ΔDが0.02以上0.03未満(実用上若干問題あり)
×:ΔDが0.03以上(実用上問題あり)
以上の結果を表Iに示す。
なお、表中「−」は、材料を用いなかったことを示す。また、材料の欄には、本発明に係る例示化合物の番号と比較化合物も示した。
Figure 2022000668
表Iより、本発明の電子写真感光体を用いた場合、長期間繰り返し使用における静電特性の安定性が良好で、かつ、ゴーストの発生を抑制できることが分かる。
1 導電性支持体
2 感光層
2a 電荷発生層
2b 電荷輸送層
3 下引き層
4 接着層
10 電子写真感光体
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 一次転写ローラー
5b 二次転写ローラー
6Y、6M、6C、6K、6b クリーニング手段
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A、22B、22C、22D 中間ローラー
23 レジストローラー
24 定着手段
25 排紙ローラー
26 排紙トレイ
30 ブレード部材
31 支持部材
41Y 現像手段4Yが備える現像スリーブ
70 中間転写体ユニット
71、72、73、74 ローラー
77 中間転写体
80、501 筐体
82L、82R 支持レール
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 転写材
100A、100B 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 下引き層
104 感光層
105 電荷発生層
106 電荷輸送層
211 感光体
217 露光の光
220 帯電極
222 露光用光源
223 現像器
224 転写媒体
225 転写ローラー
227 クリーニングブレード
228 除電ランプ
300 電子写真画像形成装置

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に有する電子写真感光体であって、
    前記下引き層が、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2022000668
    (式中、
    、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はCOORを表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    Qは、酸素原子、NCN、C(COOR、C(CN)、C(CN)COORを表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
  2. 前記下引き層が、下記N−1、一般式(B1)、一般式(B2)、一般式(B3)又は一般式(B4)で表される構造を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022000668
    (式中、
    は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はベンジル基を表す。
    は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はニトロ基を表す。
    は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はニトロ基を表す。
    及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。
    11は、炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
  3. 前記下引き層が、金属酸化物粒子を含有し、当該金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ又は酸化アルミニウムを含有し、かつ、前記下引き層の厚さが、1〜20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に項記載の電子写真感光体。
  4. 前記金属酸化物粒子が、シランカップリング剤により表面修飾されていることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷発生層が、チタニルフタロシアニンを含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記電荷輸送層が、下記一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される構造を有する化合物のいずれかを含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022000668
    (式中、R12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はベンジル基を表す。nは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。)
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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