JP2011128261A - 有機感光体、有機感光体の製造方法、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明の目的は、有機感光体の短波長特性と耐摩耗性を両立させ、短波長レーザー光等の像露光で、繰り返し使用しても良好な電子写真画像が得られる有機感光体、を提供することであり、該有機感光体の製造方法、該有機感光体を用いた画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【解決手段】像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードを用いて像露光が行われる有機感光体において、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長光を照射して、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
【解決手段】像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードを用いて像露光が行われる有機感光体において、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長光を照射して、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は電子写真方式の画像形成装置等に用いられる有機感光体、有機感光体の製造方法、該有機感光体を用いた画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、電子写真方式の複写機やプリンターを使用される機会が増加している。該印刷分野やカラー印刷の分野においては、高画質のデジタルのモノクロ画像或いはカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源として短波長のレーザー光を用い、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている(特許文献1)。しかしながら、該短波長レーザー光を用い、露光のドット径を絞り、電子写真感光体上に細密の静電潜像を形成しても、最終的に得られる電子写真画像は、十分な高画質を達成し得ていないのが現状である。その原因の1つは、従来の長波長用に開発された電子写真感光体を用いた場合は、短波長レーザー光では、感度等の電子写真特性が十分に満たされないことが挙げられる。
このような観点から、短波長レーザー光に対応した電子写真感光体の開発技術が提案され、そのような技術の中で、導電性支持体上に下引き層と電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した有機感光体において、電荷発生層の電荷発生物質として、縮合多環系顔料を電荷発生物質として使用する有機感光体が提案されている(特許文献2)。
一方、有機感光体の耐摩耗特性を改善する為に、有機感光体に、硬化性樹脂層の保護層を設けることが提案されている。その1つとして、アクリロイル基等を有する化合物を用いて光重合させて得られる硬化性樹脂の保護層が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、前記した短波長レーザー用に開発された有機感光体に特許文献3等の保護層を設置すると、有機感光体の耐摩耗特性等は改善されるが、感度や繰り返し使用時の電位特性が劣化しやすいという問題が発生し、良好な電子写真画像が得られない。即ち、短波長レーザー用の感光体として、耐摩耗特性と感度等の電子写真特性を両立させた短波長レーザー用の有機感光体の開発が、尚、十分に達成されていない。
本願発明の目的は、前記した課題を解決することであり、有機感光体の短波長特性と耐摩耗性を両立させ、短波長レーザー光等の像露光で、繰り返し使用しても良好な電子写真画像が得られる有機感光体、を提供することであり、該有機感光体の製造方法、該有機感光体を用いた画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
本願発明者等は、有機感光体に適用される光硬化性の保護層について、問題点を洗い出した結果、短波長レーザー光に対して高感度を有する有機感光体は、光硬化性の保護層の形成に際し、光硬化の際の照射光の波長により、電子写真特性が大きく変動することを見出し、本願発明を完成した。即ち、本願発明は、以下のような構成を有することにより達成される。
1.像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードを用いて像露光が行われる有機感光体において、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする有機感光体。
2.前記硬化性化合物が炭素−炭素の二重結合を有する化合物であることを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
3.前記炭素−炭素の二重結合を有する化合物がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする前記2に記載の有機感光体。
4.前記電荷発生層にピランスロン系化合物の顔料を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
5.前記保護層が反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
6.前記無機微粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする前記5に記載の有機感光体。
7.像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードを用いて像露光が行われる有機感光体の製造方法において、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする有機感光体の製造方法。
8.有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、前記露光手段の像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードであり、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする画像形成装置。
9.有機感光体上に、帯電工程で帯電電位を付与し、続いて、露光工程により静電潜像を形成し、該静電潜像を現像工程によりトナー像に顕像化する画像形成方法において、前記露光工程の像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードであり、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする画像形成方法。
本願発明の有機感光体を用いることにより、耐摩耗性と電子写真特性を両立させ、短波長レーザーを用いた高画質の電子写真画像を提供することが出来る。
本願発明の有機感光体は、像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードを用いて像露光が行われる有機感光体であり、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長光を照射して、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする。
先ず、本願発明に係わる保護層について、記載する。
本願発明に係わる保護層は、硬化性化合物を反応硬化して形成した樹脂層である。該硬化性化合物としては、炭素−炭素の二重結合を有する各種化合物を用いることが出来る。
本願発明では、該硬化性化合物を有機感光体の保護層として塗布し、該保護層を有機感光体の像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて硬化させ、保護層の樹脂層を形成する。
像露光より短波長側の照射光を用いて硬化させると、短波長露光用の有機感光体では、電荷輸送層の前記照射光の透過性が高いため、電荷輸送層の下層にある電荷発生層まで照射光が大量に照射され、電荷輸送層や、電荷発生層と電荷輸送層界面に電荷のトラップサイトが増大し、残留電位の上昇等の電子写真特性が劣化しやすい。一方、600nm以上の波長を有する照射光を用いた場合は、保護層の硬化反応が十分に完結せず、保護層の耐摩耗性が低下し、電子写真特性も劣化する。
上記硬化性化合物としては、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。
中でも、少ない照射光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性化合物が特に好ましい。
本発明においては、これら硬化性化合物を単独で用いても、混合して用いてもよい。
以下に硬化性化合物の例を示す。
本発明においてアクリル系化合物とは、アクリロイル基(CH2=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2=CCH3CO−)を有する化合物である。また、以下にいうAc基数(アクリロイル基数)とはアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
本発明においては、硬化性化合物は官能基が2以上であること好ましく、4以上が特に好ましい。又、硬化性反応基等量、即ち「硬化性化合物分子量/官能基数」は1000以下であることが好ましく、500以下が特に好ましい。これにより、架橋密度が高くなり、感光体の耐摩耗性が向上する。これより大きな値となると感光体の高耐久性等に問題を生じることもある。
本発明においては、硬化性反応基当量の異なる2種類以上の硬化性化合物を混合して使用してもよい。
又、本願発明の保護層は無機微粒子を含有することが好ましい。
(無機微粒子)
上記無機微粒子は遷移金属も含めた金属酸化物粒子が好ましい。例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が例示されるが、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫等の粒子が好ましい。
上記無機微粒子は遷移金属も含めた金属酸化物粒子が好ましい。例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が例示されるが、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫等の粒子が好ましい。
上記金属酸化物粒子は、公知の方法、例えば気相法、塩素法、硫酸法、プラズマ法、電解法等の一般的な製造法で作製されたものが好ましい。
上記金属酸化物の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3〜100nmである。
上記金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により100000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出した。
又、前記無機微粒子は、反応性官能基を有するシランカップリング剤により表面処理された無機粒子が好ましい。
本発明に係わる反応性官能基を有するシランカップリング剤により表面処理された無機微粒子は、無機微粒子を、反応性官能基を有するシランカップリング剤等を用いて表面処理することにより得ることが出来る。
即ち、下記一般式(1);
(式中、R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、R4は重合性二重結合を有する有機基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基を示し、nは1〜3の整数である。)で表されるシランカップリング剤と無機微粒子とを反応させることにより製造することができる。
又、無機微粒子と反応せせるシランカップリング剤としては、シリル基、特に加水分解性を有するシリル基を有し、その後、ラジカル重合が可能な化合物であれば特に上記一般式(1)の構造に制限されない。以下に、上記一般式(1)等で示されるシランカップリング剤の例を挙げる。
S−1 CH2=CHSi(CH3)(OCH3)2
S−2 CH2=CHSi(OCH3)3
S−3 CH2=CHSiCl3
S−4 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5 CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−7 CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9 CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11 CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17 CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19 CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20 CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21 CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22 CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23 CH2=CHSi(OCH3)3
S−24 CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−25 CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−26 CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−27 CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−28 CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−29 CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−30 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
S−2 CH2=CHSi(OCH3)3
S−3 CH2=CHSiCl3
S−4 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5 CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−7 CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8 CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9 CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10 CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11 CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16 CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17 CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19 CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20 CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21 CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22 CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23 CH2=CHSi(OCH3)3
S−24 CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−25 CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−26 CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−27 CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−28 CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−29 CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−30 CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子の製法
本発明に係わる反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子は、無機微粒子を前記した一般式(1)等で表されるシランカップリング剤を用いて表面処理することにより、得ることが出来る。該表面被覆処理するに際し、無機微粒子100質量部に対し、シランカップリング剤を表面処理剤として0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。
本発明に係わる反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子は、無機微粒子を前記した一般式(1)等で表されるシランカップリング剤を用いて表面処理することにより、得ることが出来る。該表面被覆処理するに際し、無機微粒子100質量部に対し、シランカップリング剤を表面処理剤として0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。
以下に、均一でしかもより微細にシランカップリング剤で表面被覆処理された無機微粒子を製造する表面処理方法を述べる。
無機微粒子とシランカップリング剤の表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、無機微粒子を微細化すると同時に無機微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化するので、均一でしかもより微細なシランカップリング剤により表面処理された無機微粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた攪拌ディスクを高速回転させることにより、無機微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、無機微粒子に表面処理を行う際に無機微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、たとえば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、専断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記サンドグラインダーミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、一般式(1)等のシランカップリング剤による表面処理により、反応性官能基を有する無機微粒子を得ることができる。
こうして得られた反応性官能基を有する無機微粒子はこれら無機微粒子間の相互の反応により、保護層を形成できるが、より好ましくは、前記した硬化性化合物との反応により保護層を形成する。その結果、無機微粒子が保護層中での、硬化性化合物との反応で生じた硬化性樹脂層中に、樹脂構造の一部として組み込まれることができる。
保護層中の無機微粒子の割合は、硬化性化合物100質量部に対して1〜400質量部、特に好ましくは50〜250質量部である。
本願発明において、保護層の硬化性化合物を重合させるためには、像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光に適合した重合開始剤が必要である。本発明の重合性化合物を反応させる際には、通常ラジカル重合性開始剤を添加する。本発明ではラジカル重合開始剤に他の開始剤を併用することもできる。
ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系化合物、或いはフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物が好ましい。
特に、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、或いはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
また重合開始剤に色素増感剤を加えることで本発明で用いられる波長を有する光源に対応しても良い。組み合わせる色素増感剤としては、チオキサンテン系色素、クマリン系色素、メロシアニン系色素、チオピリリウム系色素、シアニン系色素、ベンジリデンケトン系色素、などが上げられる。
下記に好ましく用いられる重合開始剤を例示する。
下記に重合開始剤/色素増感剤併用で用いられる、重合開始剤と色素増感剤を例示する。
重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、硬化性化合物の100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
保護層は、上記硬化性化合物及び無機微粒子、光重合性開始剤の他に、必要に応じてフィラー、滑剤粒子及び酸化防止剤等を配合した塗布液を塗布し、像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、光反応させて硬化膜を形成できる。
これら光硬化性樹脂の保護層を形成するには、保護層の塗布液(上記組成物)を感光層上に塗布した後、自然乾燥、または熱乾燥を行った後、像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて反応させることが好ましい。
上記保護層の硬化反応に用いられる光源としては、像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長領域に発光波長を有するLD(レーザーダイオード)やLED(発光ダイオード)が好ましいが、紫外線を含む光源にUVカットフィルター等で不要な光成分をカットして用いてもよい。
保護層の硬化反応に必要な照射光の照射量を得るための照射時間としては、10秒〜30分が好ましく、作業効率の観点から10秒〜3分がより好ましい。
本発明の感光体は、像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を照射する前後、または照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜130℃であり、特に好ましくは80℃〜130℃である。乾燥時間は好ましくは1分〜200分であり、特に好ましくは5分〜100分である。
保護層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜3μmである。
又、保護層の塗布方法も、中間層、感光層と同様の、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。感光体全体を保護層塗布液に浸漬する浸漬塗布は、重合開始剤の下層への拡散を増大させるので、保護層の下の感光層の膜を極力溶解させないため、量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
又、本発明の保護層には、さらに各種の電荷輸送物質を含有させることも出来る。
本発明に用いる保護層において、各種の滑剤粒子を加えることができる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層中の滑剤粒子の割合は、硬化性化合物100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量%である。滑剤粒子の粒径は、平均一次粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。特に好ましくは、0.05μm〜0.5μmのものである。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
保護層を形成するための溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、保護層以外の有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、例えば、以下に示すような層構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した構成;
上記1)〜4)の感光体の感光層上に、本願発明に係わる保護層を形成する。
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した構成;
上記1)〜4)の感光体の感光層上に、本願発明に係わる保護層を形成する。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。又、本発明の感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上に感光層の形成に先だって、下引層(中間層)が形成されていてもよい。
次に、有機感光体の層構成を上記1)の構成を中心にして記載する。
〔導電性支持体〕
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。
中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどのバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、浸漬塗布などによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
中間層に使用する溶媒としては、無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
バインダー樹脂の濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
無機粒子などを分散したと時のバインダー樹脂に対する無機粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機粒子20〜400質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200部である。
無機粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
中間層の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
〔電荷発生層〕
本発明に用いられる電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成したものが好ましい。
本発明に用いられる電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成したものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独、もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質(CGM)として350nm〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質を用いることが好ましい。このような電荷発生物質としてはアゾ顔料、ペリレン顔料などのペリレン系化合物、多環キノン顔料などの多環キノン系化合物等が挙げられるが、特に多環キノン系化合物、ペリレン系化合物が好ましく用いられる。
本発明において、多環キノリン化合物とは、アンスアンスロン、ピランスロン、ビオランスロン、イソビオランスロン、ジフタロイルピレン、ジナフトピレンキノン等をいう。
また、ペリレン系化合物とは、ペリレンまたはビスペリレン骨格を有するペリレン誘導体をいう。
中でも、ピランスロン系化合物が好ましい。ピランスロン系化合物としては、下記一般式(2)の化合物が好ましい。
(一般式(2)中、nは1〜6の整数)
一般式(2)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(3)のR1〜R14の位置に置換可能である。
一般式(2)の化合物で、置換Brの数、nは1〜6個であり、これらBrの置換位置は下記一般式(3)のR1〜R14の位置に置換可能である。
しかしながら、Brの置換位置を正確に特定する手段は、確立されておらず、置換位置の正確な特定はできない。
置換Brの数、nが1〜6個のピランスロン化合物の具体例を下記に示すが、本発明に使用可能なピランスロン化合物は以下に示すもののみに限定されるものではない。
一般式(2)で表されるピランスロン化合物の分子構造中に結合させる臭素原子の数は、ピランスロン化合物の合成時に、臭素の添加量を変化させることにより制御が可能である。また、合成したピランスロン化合物分子に結合している臭素原子の数は、公知の質量分析法(Mass Spectrometry;マススペクトル法)により確認することができる。
又、前記一般式(2)の化合物は下記の合成例で示すように、置換Brの数、nが複数の混合体として得られ、これら混合体を電荷発生層の電荷発生物質として使用することが好ましい。
以下に、本発明に係わる前記一般式(2)で表される化合物の合成例を記載する。
合成例1
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1(n=1〜3の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素3.0gを滴下した。50℃にて3時間加熱撹拌し、室温まで冷却後、氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品6.8gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約440℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約440℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約440℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜380℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−1)2.4gを得た。
CGM−1のマススペクトル測定の結果、n=1〜3の混合物であり、n=1/n=2/n=3のピーク強度比は11/59/30であった。
合成例2
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物3.3gを得た。
CGM−2(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物3.3gを得た。
マススペクトル測定の結果、n=3〜5の混合物であり、n=3/n=4/n=5のピーク強度比は16/67/17であった。
合成例3
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3(n=3〜6の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。75℃にて6時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.7gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約480℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約480℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約480℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜420℃の間の領域に凝縮した昇華物(CGM−3)3.0gを得た。
CGM−3のマススペクトル測定の結果、n=3〜6の混合物であり、n=3/n=4/n=5/n=6のピーク強度比は17/51/27/5であった。
本願発明に係わる電荷発生層が、ピランスロン系化合物を含有し、X線回折スペクトルの特性、即ち、ブラッグ角(2θ±0.2°)で、16°から21°の間、及び26.6°に極大ピークを示す結晶構造を有するためには、電荷発生層中でのピランスロン系化合物の結晶構造を、電荷発生層中のピランスロン系化合物の分散条件を調整することにより得ることができる。
電荷発生層のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
〔電荷輸送層〕
本発明の感光体に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
本発明の感光体に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質は、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等を2種以上混合して使用してもよい。
電荷輸送物質の基本構造としては、トリフェニルアミン誘導体、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができるが、中でも、スチリル系化合物が好ましい。
電荷輸送層用のバインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等が耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層の形成は、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは5〜40μmで、さらに好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には酸化防止剤、電子導電剤、安定剤等を添加してもよい。酸化防止剤については特開2000−305291号に記載のものがよい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)およびCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により前記した無機微粒子、酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、短波長レーザー光を透過し、下層の電荷発生層への像露光を遮蔽しないような化合物が好ましい。このような化合物として、下記一般式(4)の電荷輸送物質が好ましい。
(一般式(4)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル基又はアリール基を表し、R1とR2が一体となって、環構造を形成してもよい。R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Ar1〜Ar4は各々置換又は無置換のアリール基を表す。Ar1〜Ar4はそれぞれ同一でも異なってもよい。又、Ar1とAr2、Ar3とAr4が結合して環構造を形成してもよい。m、nは1〜4の整数を表す。)
前記一般式(4)の具体的な化合物例を下記に示す。
前記一般式(4)の具体的な化合物例を下記に示す。
合成例4(CTM−6)
200ml4頭コルベンに冷却管、温度計、窒素導入管を装着し、マグネチックスターラーをセットする。この系内を減圧し、完全に窒素置換を行う。このコルベンに(a)を8.1g、(b)を12.0g、K2CO3を16g、Cu粉を8.0g、ニトロベンゼンを40ml、順次投入し、撹拌をしながら、190℃30時間反応させた。その後、上記反応液を水蒸気蒸留で処理した後、これをヘキサン/トルエン(4/1)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィにて、分離精製を行い目的物のCTM−6を12g得た。この目的物の確認は質量分析及びNMRで確認できた。
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光除電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が380〜500nmの半導体レーザー又は発光ダイオードを像露光光源(書き込み光源)として用いることが好ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは像露光光(書き込み光)の強度分布で、ピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった像露光光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザーを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。ここで、「一体に支持して」とは、プロセスカートリッジの着脱時に、プロセスカートリッジ単位で、1つの塊として、取り付けたり、外したりできることを意味する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写紙Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写紙Pにカラー画像を転写した後、転写紙Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンター)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(一次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
二次転写ローラ5bで、二次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写紙Pへの転写は、二次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに二次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写紙Pが給送される。二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ5bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写紙Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写紙Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=0.8(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂X1010(ダイセルデグサ株式会社製) 100部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 110部
エタノール 2000部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
下記組成の中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂X1010(ダイセルデグサ株式会社製) 100部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 110部
エタノール 2000部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、110℃で20分乾燥後の膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布し、中間層を形成した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:前記合成例1のCGM−2の化合物 20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質:前記合成例1のCGM−2の化合物 20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質:CTM(例示化合物CTM−1) 150部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:チバ・ジャパン社製) 6部
トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法を用いて、110℃で60分乾燥後膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質:CTM(例示化合物CTM−1) 150部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:チバ・ジャパン社製) 6部
トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法を用いて、110℃で60分乾燥後膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〈保護層〉
反応性官能基を有するシランカップリング剤処理チタニア粒子
(同一質量のメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(例示化合物S−15)で表面
処理した個数基準の50%粒径が31nmの酸化チタン) 100部
硬化性化合物(例示化合物No.(31)) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、
重合開始剤 R−1 30部
を加え、遮光下で混合攪拌して溶解し保護層塗布液を作製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、430nmの発光ダイオード光を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して、膜厚3μmの保護層を得た。
反応性官能基を有するシランカップリング剤処理チタニア粒子
(同一質量のメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(例示化合物S−15)で表面
処理した個数基準の50%粒径が31nmの酸化チタン) 100部
硬化性化合物(例示化合物No.(31)) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、
重合開始剤 R−1 30部
を加え、遮光下で混合攪拌して溶解し保護層塗布液を作製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、430nmの発光ダイオード光を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して、膜厚3μmの保護層を得た。
感光体2の作製
電荷発生層の作成方法と保護層の形成方法を下記の方法に変更した他は、感光体1と同様にして、感光体2を作製した。
電荷発生層の作成方法と保護層の形成方法を下記の方法に変更した他は、感光体1と同様にして、感光体2を作製した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線による
X線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを
有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線による
X線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを
有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
〈保護層〉
反応性官能基を有するシランカップリング剤処理アルミナ粒子
(同一質量の表面処理剤(例示化合物S−5)で表面処理した個数基準の50%粒径が1
0nmのアルミナ) 100部
硬化性化合物(例示化合物No.(7)) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、
重合開始剤 R−2 30部
を加え、遮光下で混合攪拌して溶解し保護層塗布液を作製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、430nmの発光ダイオード光を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して、膜厚3μmの保護層を得た。
反応性官能基を有するシランカップリング剤処理アルミナ粒子
(同一質量の表面処理剤(例示化合物S−5)で表面処理した個数基準の50%粒径が1
0nmのアルミナ) 100部
硬化性化合物(例示化合物No.(7)) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルを用いて10時間分散した後、
重合開始剤 R−2 30部
を加え、遮光下で混合攪拌して溶解し保護層塗布液を作製した(保存中は遮光)。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、430nmの発光ダイオード光を用いて100mmの位置で感光体を回転させながら1分間照射して、膜厚3μmの保護層を得た。
感光体3〜12の作製
感光体1の保護層に使用する材料、硬化条件を表1のように変更した以外は、同様にして感光体3〜12を作製した。なお、表1のM−Hランプ(メタルハライドランプ)はUV光のフィルターカットを行わずに使用した。
感光体1の保護層に使用する材料、硬化条件を表1のように変更した以外は、同様にして感光体3〜12を作製した。なお、表1のM−Hランプ(メタルハライドランプ)はUV光のフィルターカットを行わずに使用した。
実施例及び比較例
上記感光体1〜12と該感光体に対する像露光波長の組み合わせを、表2のように組み合わせ、下記のような評価を行った。
〔評価〕
(感光体の減耗量)
作製した各感光体を下記のように評価した。
(膜厚減耗量の評価)
基本的に図2の構成を有するフルカラー複合機bizhub PRO C6500(反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機:コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を、像露光光が表2に記載の波長光での評価が行えるように改造し、評価感光体をシアン位置に設置した。
上記感光体1〜12と該感光体に対する像露光波長の組み合わせを、表2のように組み合わせ、下記のような評価を行った。
〔評価〕
(感光体の減耗量)
作製した各感光体を下記のように評価した。
(膜厚減耗量の評価)
基本的に図2の構成を有するフルカラー複合機bizhub PRO C6500(反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機:コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を、像露光光が表2に記載の波長光での評価が行えるように改造し、評価感光体をシアン位置に設置した。
表2に示すように像露光光を設定し、露光量の適正化後に、(20℃、50%RH)でYMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙に100万枚印刷出力した。
感光層の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとの両端3cmは除く)をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
◎:減耗量が 1μm未満(良好)
○:減耗量が 1μm以上、3μm以下(実用上問題なし)
×:減耗量が 3μmより大きい(実用上問題有り)
(画像評価)
評価機としてフルカラー複合機bizhub PRO C6500改造機(像露光光源に表2に記載の波長光を使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光を行い)を用い、該複写機の黒位置に前記膜厚減耗量の評価を終えた感光体1〜12を搭載し評価した。
○:減耗量が 1μm以上、3μm以下(実用上問題なし)
×:減耗量が 3μmより大きい(実用上問題有り)
(画像評価)
評価機としてフルカラー複合機bizhub PRO C6500改造機(像露光光源に表2に記載の波長光を使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光を行い)を用い、該複写機の黒位置に前記膜厚減耗量の評価を終えた感光体1〜12を搭載し評価した。
評価項目と評価基準を下記に示す。
(ドットライン再現性)
黒べたの画像の中に、2ドットラインの白線を作製し、下記の基準で評価した。
(ドットライン再現性)
黒べたの画像の中に、2ドットラインの白線を作製し、下記の基準で評価した。
◎:2ドットラインの白線が連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:2ドットラインの白線は連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:2ドットラインの白線が切断されて再現されているか、又は2ドットラインの白線は連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
上記のべた画像濃度は、マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。結果は表2に示した。
(画像ボケ)
環境条件を30℃、80%RHに変更した以外は、感光体減耗量の評価条件でA4画像を中性紙に2.5万枚の印刷を行い、印刷終了後60秒で実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ印字可能状態になった後直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
○:2ドットラインの白線は連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:2ドットラインの白線が切断されて再現されているか、又は2ドットラインの白線は連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
上記のべた画像濃度は、マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。結果は表2に示した。
(画像ボケ)
環境条件を30℃、80%RHに変更した以外は、感光体減耗量の評価条件でA4画像を中性紙に2.5万枚の印刷を行い、印刷終了後60秒で実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ印字可能状態になった後直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)
評価結果を下記表2にまとめた。
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)
評価結果を下記表2にまとめた。
表2から明らかなように、本願発明内の実施例1〜10は、各評価項目において、実用性あり以上の結果が得られているが、比較例1〜4では何れかの評価項目において、実用性に問題がある結果となっている。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
Claims (9)
- 像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードを用いて像露光が行われる有機感光体において、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする有機感光体。
- 前記硬化性化合物が炭素−炭素の二重結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
- 前記炭素−炭素の二重結合を有する化合物がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする請求項2に記載の有機感光体。
- 前記電荷発生層にピランスロン系化合物の顔料を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
- 前記保護層が反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
- 前記無機微粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項5に記載の有機感光体。
- 像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードを用いて像露光が行われる有機感光体の製造方法において、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする有機感光体の製造方法。
- 有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、前記露光手段の像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードであり、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする画像形成装置。
- 有機感光体上に、帯電工程で帯電電位を付与し、続いて、露光工程により静電潜像を形成し、該静電潜像を現像工程によりトナー像に顕像化する画像形成方法において、前記露光工程の像露光波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザー又は発光ダイオードであり、該有機感光体が導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有し、該保護層が前記像露光波長より長波長で且つ600nm未満の波長を有する照射光を用いて、硬化性化合物を反応硬化した樹脂層であることを特徴とする画像形成方法。
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JP2009284900A JP2011128261A (ja) | 2009-12-16 | 2009-12-16 | 有機感光体、有機感光体の製造方法、画像形成装置及び画像形成方法 |
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2009
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