JP2014209222A - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
及び電荷輸送層を積層して設ける電子写真感光体において、該電荷輸送層にポリアリレート樹脂を含有し、かつ、該電荷発生層にポリビニルアセタール構造を有する樹脂と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂との双方を含有し、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂を特定の比率とすることにより感光層の接着性が改良される技術に関し、また、これにより提供される機械特性に優れた電子写真感光体、カートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
性支持体と感光層との接着性を向上させるためには、互いに接する導電性支持体と感光層、および感光層同志の接着性を向上させる必要がある。順積層型感光体の場合、導電性支持体あるいは下引き層と、電荷輸送層との間に電荷発生層が存在するが、各層の構成成分である樹脂、および感光材料に由来する複合的な物性のため、特定の樹脂の場合に十分な接着性を確保できない問題が発生することがあった。
該電荷輸送層にポリアリレート樹脂を含有し、かつ、
該電荷発生層に少なくともポリビニルアセタール構造を有する樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂との双方を含有し、
該ポリビニルアセタール構造を有する樹脂1質量部に対する、該塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の比率が、0.01質量部以上、1.8質量部以下であることを特徴とする電子写真感光体。
て形成されるシクロアルキリデン基を表す。)
(4) (1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
[電子写真感光体]
以下、本発明の電子写真感光体について詳述する。
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、ブロッキング層として下引き層を設けることも好ましい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。これらは単独として用いてもよいし、またはいくつかの樹脂、金属酸化物等の粒子を同時に用いてもよい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂などの公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.25μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.75μm以上である。また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。また、下引き層は、画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いてもよい。
感光層は導電性支持体上、上述の下引き層等のブロッキング層を有する場合は、その上に形成される。本発明の感光層の形式としては、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層、及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)であり、この中でも、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける「順積層型感光層」が採用される。「順積層型感光層」はバランスの取れた光導電性を発揮することができる。
〈バインダー樹脂〉
本発明では、電荷発生層に用いられるバインダー樹脂として、少なくともポリビニールアセタール構造を有する樹脂と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の双方を含有する。具体的には、ポリビニールアセタール構造を有する樹脂と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂とを混合して使用する。
水酸基についても好適な量比が存在する。前記アセトアルデヒド縮合構造、ブチルアルデヒド縮合構造などのアセタール構造がポリビニルアセタール構造を有する樹脂全体に占める割合は、少なくとも60mol%以上、好ましくは63mol%以上であり、多くとも80mol%以下、好ましくは77mol%以下である。また、残存する水酸基のポリビニルアセタール構造を有する樹脂全体に占める割合は、少なくとも17mol%以上、好ましくは20mol%以上、多くとも、40mol%以下、好ましくは37mol%以下である。アセトアルデヒド縮合構造、ブチルアルデヒド縮合構造などのアセタール構造の量比が少なすぎ、水酸基の量比が多すぎると、樹脂成分自身の溶解性が悪くなり、アセトアルデヒド縮合構造、ブチルアルデヒド縮合構造などのアセタール構造の量比が多過ぎ、水酸基の量比が少なすぎると、塗布液の安定性が悪くなる。
酸ビニル共重合体の分子量は、3000以上80000以下の範囲が好ましい。
電荷発生物質は単独として用いてもよいし、またはいくつかの染顔料との混合状態で用いてもよい。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、中でも特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、混合状態として用いる染顔料としては、光感度の面から、特にフタロシアニン顔料またはアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、上記のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
前述のD型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニンの製造法としては、フタロシアニン結晶前駆体を化学的処理、または機械的磨砕処理によりアモルファスオキシチタニウムフタロシアニン、又は低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンを得、その後に有機溶媒に接触して得られる。
機能分離型感光体における電荷発生層は、具体的には上述のバインダー樹脂を溶媒に溶解させ、電荷発生物質、及び上述の芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
〈バインダー樹脂〉
電荷輸送層には、膜強度確保のためバインダー樹脂が使用される。電荷輸送層は電荷輸
送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが出来る。
それぞれ独立にアルキレン基を表し、Ar5はアリーレン基を示す。式[3]中のR3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられ、式[3]中のR3のアリーレン基としては、フェニレン基、テルフェニレン基などが挙げられる。式[4]で表される基としては、具体的には下記式[6]で表される基などが挙げられる。これらのなかでも、耐磨耗性の観点から、Xは、酸素原子であることが好ましい。
一般式[1]中、Yは、単結合、硫黄原子、酸素原子、又は式[5]で表される構造を有する2価の有機残基を示す。式[5]中のR6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はR6とR7とが結合して形成されるシクロアルキリデン基を表す。感光層用バインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アリール基として、フェニル基、ナフチル基が好ましく、アルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましい。また、アルキル基としては、炭素数が1〜10のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数が1〜8であり、特に好ましくは炭素数が1〜2である。ポリアリレート樹脂を製造する際に用いる二価ヒドロキシアリール成分の製造の簡便性を勘案すれば、Yとして、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシリデンが好ましく、より好ましくは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシリデンであり、特に好ましくは−CH2−、−CH(CH3)−である。
このなかでも、一般式[9]中のR8が水素原子の場合には、二価ヒドロキシアリール成分の製造の簡便性を考慮すれば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタンが好ましく、これらの二価ヒドロキシアリール成分を複数組み合わせて用いることも可能である。
タン、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタンが好ましく、これらの二価ヒドロキシアリール成分を複数組み合わせて用いることも可能である。
好ましいジカルボン酸残基の具体的としては、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカル
ボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−
2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基等が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基がより好ましく、ジ
フェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
、300,000以下、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下である。粘度平均分子量が過度に小さいと、感光層の機械的強度が低下し実用的ではない。また、粘度平均分子量が過度に大きいと、感光層を適当な膜厚に塗布形成する事が困難である。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
電荷輸送物質の好適な具体例を以下に示す。下記の化合物において、Rは同一でも、それぞれ異なっていてもよい置換基を表す。具体的には、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アリールアルキル等が好ましい。特に好ましくは、メチル基、エチル基又はベンジル基である。また、nは0以上2以下の整数である。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して10質量部以上、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、さらに繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の観点から、35質量部以上がより好ましい。また、一方で感光層の熱安定性の観点から、通常は150質量部以下、さらに電荷輸送物質とバインダー樹脂の相溶性の観点からは好ましくは120質量部以下、さらに耐刷性の観点からは100質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点からは80質量部以下がとりわけ好ましい。
観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、一方、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更に好ましくは40μm以下の範囲とする。
なお、積層型を構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などを含有させてもよい。
順積層型感光体では、その最表層に、感光層の損耗を防止し、帯電器等からの発生する放電物質等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。保護層は導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることが出来る。
保護層に用いる結着樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることも出来る。
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
種類で併用してもよい。
例えば電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を使用時の温度において通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常2000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下の範囲とする。
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図1に基づいて説明する。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニングユニット6がそれぞれ配置されている。
るように設計されている。例えば電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6が劣化した場合に、このプロセスカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいプロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニングユニット6、トナーが全て備えられたプロセスカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。ただし、現像ローラ44と電子写真感光体1とは当接せず、近接していてもよい。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
一方、液体現像方式に関しては、使用される液体現像剤は、炭化水素系有機溶剤のように絶縁性の高い有機溶剤中に、荷電性を付与した顔料、樹脂からなるトナーを分散したものである。液中で荷電したトナーが、現像電界に応じ電気泳動していく機構であるため、粘性を有する有機溶剤中のトナーの移動度などが関係する。一例として、濃度の低い現像液で現像を行い、続いて感光体上で余剰な現像液溶剤を近接したスクイズローラで搾り取ることで、感光体上に薄く均一で密度の高いトナー像を形成することができる。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
<接着性試験用感光体サンプルの作成方法>
特開2007-148387号公報の比較合成例1と同様の方法で機械的処理によりアモルファス
化した後に溶媒に接触させ得られたCuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するD型オキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。こうして得られた160質量部の顔料分散液と、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂(電気化学工業株式会社製、商品名#6000C アセタール構造比率 66mol%、ポリビニルアルコール構造比率 30mol% 、酢酸ビニル構造 4mol%からなる)が5質量%の1,2−ジメトキシエタン溶液100質量部に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂(ダウ・ケミカル社製 商品名VAGH 塩化ビニル 90質量%、酢酸ビニル 4質量%、ビニルアルコール 6質量%からなる)1質量部を混合し、さらに適量の1,2−ジメトキシエタンを加えて、最終的に固形分濃度4.0質量%の電荷発生層形成用塗布液を作製した。
続いて、電荷輸送物質として下記構造式で示されるCTM(1)を40質量部、酸化防止
剤として下記式で示される酸化防止剤(1)を4質量部、下記繰り返し構造からなるポリアリレートA(PAR-A、粘度平均分子量41,000)100質量部、およびレベリング
剤としてシリコーンオイル0.05質量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン80質量%、トルエン20質量%)640質量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
電荷発生層形成用塗布液に使用した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の量を2.5部とした以外は実施例1と同様にして接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
電荷発生層形成用塗布液に使用した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の量を0.5部とした以外は実施例1と同様にして接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
実施例1で塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂を1部添加する代わりに、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂を1部添加し、計6部とした以外は、実施例1と同様にして接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
実施例2で塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂を2.5部添加する代わりに、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂を2.5部添加し、計7.5部とした以外は、実施例1と同様にして接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
実施例1で塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
実施例1において、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂が5質量%の1,2−ジメトキシエタン溶液50質量部に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂を5質量部を混合し、さらに適量の1,2−ジメトキシエタンを加えて、最終的に固形分濃度4.0質量%の電荷発生層形成用塗布液を作製した以外は、実施例1と同様にして接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
実施例1でポリビニルアセタール構造を有する樹脂を使用せず、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂のみを6質量部使用して電荷発生層形成用塗布液を作製した。しかしながら、調製後まもなく、電荷発生材料が凝集、沈降したため、接着性評価用感光体サンプルをうまく作成することが出来なかった。
実施例1〜3、比較例1〜5で使用した電荷輸送物質CTM(1)の代わりに、下記構造のCTM(2)を使用した以外は同様にして、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の比率を変えて、接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
各実施例、比較例でのポリビニルアセタール構造を有する樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の含有量、質量比を表−1に記載した。
ポリアリレートAの代わりに、下記構造のポリアリレートB(PAR-B、粘度平均分子量
40,000)を使用した以外は実施例4〜6、比較例6と同様にして、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の比率を変えて、接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
各実施例、比較例でのポリビニルアセタール構造を有する樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の含有量、質量比を表−1に記載した。
実施例1〜3、比較例1〜5で使用した電荷輸送物質CTM(1)の代わりに、下記構造のCTM(3)を使用した以外は同様にして、ポリビニルアセタール構造を有する樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の比率を変えて、接着性評価用積層型感光体サンプルを作成した。
各実施例でのポリビニルアセタール構造を有する樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の含有量、質量比を表−1に記載した。
得られた接着性評価用サンプル上に、NTカッターを用いて、2mm間隔で縦に6本、横に6本切り込みを入れ、5×5の25マスを作製した。その上からセロテープ(登録商標)(ニチバン製)を貼り付け、接着面に対し90゜に引き上げることで、感光層の接着性を試験した。この試験を4回行い、100マス中、剥がれずに残った感光層のマス数の合計を接着率として評価した。その数字が大きいほど接着性は良好である。
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、実施例1〜3、及び比較例3で作製した感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を実施例1〜3、および比較例3で行った。
境は、温度25℃、相対湿度50%下で行った。VLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示す。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (5)
- 導電性支持体上に、感光層として少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を、導電性支持体側からこの順に積層して設ける電子写真感光体において、
該電荷輸送層にポリアリレート樹脂を含有し、かつ、
該電荷発生層に少なくともポリビニルアセタール構造を有する樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂との双方を含有し、
該ポリビニルアセタール構造を有する樹脂1質量部に対する、該塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体構造を有する樹脂の比率が、0.01質量部以上、1.8質量部以下であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記ポリアリレート樹脂が下記一般式[1]で示される繰り返し構造を有するポリアリレート樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生層に電荷発生材料として、フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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