JP4146921B2 - 可変スタートアップ周波数回路付きスイッチモード電源装置 - Google Patents

可変スタートアップ周波数回路付きスイッチモード電源装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス幅変調された信号を発生するための発振器を持つ制御装置を含むスイッチモード電源装置(SMPS)に関する。
【0002】
【従来の技術】
トムソンシャシーTX91(アジア)に用いられている、この型式の公知回路が図1に示されている。主供給電圧源は、全波ブリッジ整流器DP1に接続されて整流された電圧V1を発生し、これはコンデンサC7によって円滑される。SMPSないしスイッチモード電源装置は、1次巻き線W1,フィードバック巻き線W2および2次巻き線W3およびW4を持つさらに別のトランスLP3を含んでいる。電圧V1は、1次巻き線W1に、そしてスイッチングトランジスタT1に直列に接続される。
【0003】
パルス幅変調された信号を発生するための発振器OSを含む制御装置IP1は、スイッチングトランジスタT1を駆動するために出力14に駆動電圧V2を発生させる。発振器OSの発信周波数は、抵抗器R13およびコンデンサC26によって調節されることができる。制御装置IP1として、例えばTEA2261のような集積回路を、SGSトムソンマイクロエレクトロニクスカタログ1994年版1/9−9/9ページに説明されているようにして、用いることができる。
【0004】
制御装置IP1は、ライン電力をスイッチオンした後安全なスタートアップのためのソフトスタートを行わせる。このことは、ピン15および16において集積回路IP1のために必要な電力を提供する大容量を持つコンデンサC14をゆっくりと充電させる抵抗器R5を通して実現される。
【0005】
付加的に、スイッチングトランジスタT1における電流ビルドアップを回避するために、SMPSないしスイッチモード電源装置は、低い発振周波数でスタートする。電流ビルドアップは、新しい誘導周期が開始される前に1次インダクタンスに蓄積されたエネルギーが2次側に十分に伝達されないときに起こりうる。このことは、連続モードにける動作に導き、そしてそのためスイッチングトランジスタT1は、その安全動作範囲にとどまっている。スタートアップの間の発振周波数を減少させるため、SMPSないしスイッチモード電源装置は、直列に接続された抵抗器R511およびダイオードD9を含んでおり、それらはコンデンサC26を、フィードバック巻き線W2によって充電されているコンデンサC12に接続する。コンデンサC12は、SMPSないしスイッチモード電源装置がスイッチオンされたときの最初は、チャージアップされない。このため、ダイオードD9は、コンデンサC26をコンデンサC12から減結合させる。次に動作周波数は、R13およびC26によって固定されており、これは低い周波数(数kHz)である。幾らかの時間の後、コンデンサC12がチャージアップされ、そして続いてD9が導通し、そして付加的な電流がR511を通してC26を充電し、こうして発振周波数はその通常動作周波数(約22kHz)にまで増加する。このことはSMPSないしスイッチモード電源装置が不連続モードにおいて安全にスタートすることを、すなわち1次インダクタンス内に蓄積されているエネルギーが、トランジスタT1の新しい導通周期が開始される前には、常に十分に2次側に伝達される、ことを確実とする。
【0006】
この公知のSMPSないしスイッチモード電源装置のスタートアップは、抵抗器R5を通してのコンデンサC14のチャージアップ時間に依存しており、そのため、AC主入力電圧の電圧値に依存している。このことは、低い主入力電圧においては、かなり長いスタートアップ時間に導く。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前に説明されたように、本発明の目的は、広い入力電圧範囲にわたって、早いスタートアップ時間を持つSMPSないしスイッチモード電源装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的は、請求項1に記載のスイッチモード電源によって達成される。サブクレームは望ましい実施例に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、このスイッチモード電源は、高い入力電圧の場合には、スタートアップ時間に関してだけ、低い発振周波数でのスタートアップを提供する回路網を含んでいる。スタートアップの後、発振周波数は、通常の発振周波数に変化する。低い入力電圧の場合においては、この回路網は、基本的に通常の発振周波数でのスタートアップを提供する。これは、この場合には、動作電圧が低いので、スイッチングトランジスタに関する安全リスクなしで動作可能であるためである。スタートアップの間に僅かな電流ビルドアップ現象が発生したとしても、スイッチングトランジスタは、低い電圧であるため、安全動作範囲内にとどまっている。こうして、この回路網は、高い主入力電圧の場合だけ発振周波数を変化させる装置を含んでいる。低い主入力電圧の場合には、何のソフトスタートも提供されない。発振周波数の周波数制御は、発振周波数を決める発振器回路網の時定数を、高い主入力電圧の場合に変化されるトランジスタ段を含んでいる周波数制御装置によって都合良く実施する事ができる。
【0010】
特定の実施例においては、この回路網はスイッチング素子としての反転モードで用いられるトランジスタを含んでいる。この回路配置においては、付加的なダイオードは、必要ではない。これは、最大コレクタ−ベースブレークダウン電圧が最大エミッタ−ベースブレークダウン電圧よりも著しく高いという事実を用いている。このSMPSないしスイッチモード電源装置は、特に、90Vから270Vの範囲の主入力電圧で動作するTV受信機のために用いることができる。TV受信機においては、画像管のスタートアップ時間は、任意に考慮されるべきものである。
【0011】
【実施例】
本発明の詳細および利点は、添付図面を参照しながら望ましい実施例を用いて説明される。
【0012】
図2は、整流された電圧V1を発生させるための、主入力電圧AC、ブリッジ整流器DP1および円滑コンデンサC7を持つ、スイッチモード電源(SMPS)の望ましい実施例を示している。前記電圧V1は、トランスLP3の1次巻き線W1、スイッチングトランジスタT1および低い抵抗の抵抗器R20の直列接続に加えられる。スイッチングトランジスタT1のためのパルス幅変調された信号V2(PW11)は、集積回路IP1、例えばSGSトムソンのTEA2261、によって発生される。前記集積回路IP1は、トランスLP03の2次電圧を安定化させるための誤差増幅器E、PWM信号の発振周波数を発生するための発振器OS、PWM出力信号のための駆動段Dおよび供給電圧VCCをモニタするための電圧モニタVMを含んでいる。発振器OSの発振周波数は、ピン10および11を通して規定する事ができる。トランスLP3は、2次電圧を発生するための2次巻き線W3およびW4と、そして供給電圧VCCおよび誤差信号VEを発生するためのフィードバック巻き線W2を含んでいる。前記誤差シンゴウVEは、2次出力電圧の調節を可能とするポテンショメータP1を通して集積回路IP1の誤差増幅器Eに加えられる。
【0013】
このSMPSないしスイッチモード電源装置は、以下のように動作する。通常モードにおいては、フィードバック巻き線W2は、供給電圧は、供給電圧VCCと、そして低い値の抵抗器R10および集積回路IP1のピン15とを通して駆動段Dのための必要な電圧とを発生する。PWM信号V2のデューティーサイクルは、誤差信号VEによって制御される。
【0014】
主入力電圧ACをスイッチオンした後のスタートアップフェーズにおいては、最初の時点においてはスイッチングトランジスタT1が働いておらず、そしてコンデンサC14が放電しているため、集積回路IP1は、付加的な供給電圧をスタートアップのために必要とする。コンデンサC14を充電するために、付加的な抵抗器R5が前記コンデンサと、主入力電圧ACとの間に加えられる。コンデンサC14および抵抗器R5の値は、コンデンサC14が、全ての動作条件の間の十分に安定化された供給電圧VCCを提供するために、かなり高い値を必要とし、一方抵抗器R5は、電力損失を納得できる低い値に保つため、かなり高い抵抗値を持つ必要があるため、十分に選択される必要がある。こうして、コンデンサC14の充電は、集積回路IP1のスタートアップ時間をきめるが、これは90ボルトの低い主入力電圧の場合においてはかなり長いスタートアップ時間にに導くことになる。コンデンサC14の値は、集積回路IP1の安定動作のために十分なだけの値にまで減少させることが好都合である。この値は、スタートアップ時間に重大な不都合をもたらす。
【0015】
集積回路IP1のスタートの後に、トランジスタT1は、集積回路IP1のソフトスタート動作によって傾斜上昇するデューティーサイクル(ターンオン時間/スイッチング周期)をもってスイッチオンおよびオフされる。デューティーサイクルの固定された傾斜上昇のために、トランジスタT1の電流包絡傾斜上昇は、主入力電圧に依存する電圧V1に依存している(T1を通過する電流=V1ターンオン時間/W1のインダクタンス)。高いスイッチング周波数を用いると、トランジスタT1が、オフであるときの巻き線W1のエネルギーの放電は、より短くなり、そしてエネルギーが巻き線W3、W4、W2の負荷に十分に放電していないならば、トランジスタT1がオンのときに巻き線W1にこれがフライバックし、そしてこのことはトランジスタT1の電流が初期的に高くなり、そしてスイッチオンの間にエネルギーが十分にトランジスタT1に放電される。高い主電圧入力においては、フライバック電流は、スイッチング周波数が低下されていないならば、予想されるよりもさらに高くなり、そしてトランジスタT1に関する繰り返し電流ビルドアップ効果はさらに大きくなり、T1に関する安全動作範囲を越えてしまう。低い主電圧(<150V%)においては、電流包絡がより小さくなり、(電圧V1がより小さいため、同じターンオン時間であればトランジスタT1を通る電流はより小さくなる)、2次巻き線W3,W4,W2へのエネルギー放電は、さらに完了し、そしてT1がオンの時のトランジスタT1へのフライバックエネルギーはより小さくなり、そしてその結果、その時にはC14電圧効果および集積回路1の動作停止を防ぐためにコンデンサC14をチャージアップするよう、トランジスタT1は、高い周波数でスイッチされることができる。
【0016】
150ボルト以上のより高い主入力電圧においては、発振周波数は、スタートアップの間減じられるべきであるが、しかしより高い電圧の故に迅速なスタートアップ時間に導かれる必要がある。このため、このSMPSないしスイッチモード電源装置は、主入力電圧ACに依存してPWM信号の発振周波数を制御するための回路網を含んでいる。この回路網は、それ以下ではSMPSないしスイッチモード電源装置が、基本的に通常動作周波数でスタートするような、スレッショールドを備えている。
【0017】
集積回路IP1の発振器OSの発振周波数は既に説明されたように、ピン10および11を通して決める事ができる。このため、トランジスタT2および抵抗器R52、R51およびR24を含むトランジスタ段が、コンデンサC12とコンデンサC26との間に接続される。抵抗器R13およびコンデンサC26は、通常モードにおける高い発振周波数を提供する。高い主入力電圧ACに関しては、トランジスタT2は、抵抗器R24を通してターンオンとなり、そしてコンデンサC26から抵抗器R51およびトランジスタT2を通してコンデンサC12に流れる電流は、コンデンサC12が放電されている間だけスタートアップフェーズにおいて発振周波数を減少させる。ある時間の後、コンデンサC12がSMPSないしスイッチモード電源装置のチャージアップされたとき、トランジスタT2がターンオフする。150ボルトのスレッショールドは、抵抗器R24およびR52によって決められる。トランジスタT2のベース電圧は、SMPSないしスイッチモード電源装置がスイッチオンした後、抵抗器R24およびR14を通して直ちに利用できる。
【0018】
トランジスタT2は、反転トランジスタとして動作するが、これはコレクタがエミッタとして作用し、そしてその反対にも作用するということを意味している。このことは、トランジスタが2つの補間するダイオードで作られているものと理解できるために可能である。トランジスタにおける反対方向の電流は、トランジスタの中に発生する電力が比較的小さいために、一般的に危険のない現象である。トランジスタの反転電流利得による不都合は、T2が単にスイッチとして用いられているために、この用途においてはフォワードモードにおける利得に関係なく極めて小さいものである。反転トランジスタモードを用いる利点は、トランジスタT2とコンデンサC12との間の付加的ダイオードが省略できるということである。これは最大コレクタ−ベース電圧VCBOが最大エミッタ−ベース電圧VEBOよりも著しく高いことによる。このようにして、トランジスタT2を保護するためのダイオードは必要とされない。
【0019】
図3においては、スタートアップの間におけるトランジスタ段T2に関する等価回路が示されている。T2のコレクタは、SMPSないしスイッチモード電源装置をスイッチオンした後には、C12の両端に何の電荷もないため、グランドに効果的に接続される。2.5ボルトDCの電圧が集積回路IP1のピン10に与えられる。電圧デバイダR24およびR51は、トランジスタT2が150ボルトACおよびそれ以上の主入力電圧においてのみターンオンするよう、注意深く選択される。
【0020】
スイッチングトランジスタT21に関する結果的な生成電圧については、90ボルトから265ボルトに至る主入力電圧ACに関するベース電圧Vおよびエミッタ電圧Bが表1に示されている。スタートアップ後の通常モードにおける発振周波数は、22kHzである。加えて、相当するスタートアップ周波数も示されている。150ボルトおよびそれ以上の電圧に関するスタートアップ周波数は、全体的に減少される。
【0021】
【表1】
Figure 0004146921
【0022】
本発明は、この実施例に制限されることはなく、広い主入力電圧範囲にわたって最適のスタートアップ時間を必要とする、請求項1に記載の全てのスイッチモード電源に用いることが可能である。
【0023】
図2において示されるスイッチモード電源に用いられているコンポーネント値は以下の通りである。
【0024】
R5: 27K/3W C7: 220μ
R6: 56R C12: 4μ7
R7: 4K75 C14: 470μ
R8: 1KO C25: 100μ
R10: 18R/3W C26: 680p
R11: 100K T1: BUL310X1
R13: 82K T2: BC548B
R14: 220K IP1: TEA2261
R15: 220K
R19: 2K2
R20: 0.15R
R22: 2M2
R24: 2M2
要するに、本発明によれば、このスイッチモード電源は、高い入力電圧の場合には、低い発振周波数でソフトスタートを提供する、そして低い入力電圧の場合には基本的に通常の発振周波数でスタートアップする回路網(T2、R52,R51,R24)を含んでいる。本発明は、90ボルトから265ボルトまでの広い主入力電圧範囲にわたって迅速なスタートアップ時間を提供する。この回路網は、約150ボルトのスレッショールド値を提供する、スイッチング素子として反転モードで用いられるトランジスタ(T2)を含んでいる。この電源は、TV受信機の一部として都合良く用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、広い入力電圧範囲にわたって、早いスタートアップ時間を持つSMPSないしスイッチモード電源装置を提供できるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるスイッチモード電源のブロック図。
【図2】本発明による素一賃モード電源のブロック図。
【図3】スタートアップの間に発振周波数を変更させるためのトランジスタ段の等価回路図。
【符号の説明】
DP1 整流器
IP1 集積回路
LP3 トランス
OS 発振器
P1 ポテンショメータ
SMPS スイッチモード電源
T1,T2 トランジスタ
VCC 供給電圧

Claims (3)

  1. 主入力電圧(AC)に接続されたブリッジ整流器(DP1)と、1次巻き線(W1)の第1端子により前記ブリッジ整流器(DP1)に接続されたトランス(LP3)と、前記1次巻き線(W1)の第2端子に接続されたスイッチングトランジスタ(T1)と、発振器回路網(R13,C26)と、前記スイッチングトランジスタ(T1)の動作のために通常の発振周波数を有するパルス幅変調された信号(V2)を発生させるための発振器(OS)を含む制御手段(IP1)とを有するスイッチモード電源装置において、
    前記スイッチモード電源装置は周波数制御装置(R51,R52,R24,T2)を含む回路網(T2,R51,R52,R24)を有しており、前記周波数制御装置は、主入力電圧(AC)が150Vよりも高い場合には、スタートアップ時に前記発振器回路網(R13,C26)の時定数を変化させて発振周波数を前記通常発振周波数よりも低くし、スタートアップ後には、前記通常発振周波数へと変化させ、主入力電圧(AC)が150Vよりも低い場合には、発振周波数を前記通常発振周波数に設定し、前記通常発振周波数のパルス幅変調された信号(V2)によりスタートアップを提供するものであることを特徴とするスイッチモード電源装置。
  2. 前記周波数制御手段(R51,R52,R24,T2)は、主入力電圧(AC)に応じて前記発振器回路網(R13,C26)を充電するコンデンサ(C12)に接続されたスイッチ(T2)を含んでいる、請求項記載のスイッチモード電源装置。
  3. 前記スイッチ(T2)は反転モードにおいて用いられるトランジスタ(T2)である、請求項記載のスイッチモード電源装置。
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