JP4146141B2 - 振動調整装置および振動調整方法 - Google Patents

振動調整装置および振動調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4146141B2
JP4146141B2 JP2002066997A JP2002066997A JP4146141B2 JP 4146141 B2 JP4146141 B2 JP 4146141B2 JP 2002066997 A JP2002066997 A JP 2002066997A JP 2002066997 A JP2002066997 A JP 2002066997A JP 4146141 B2 JP4146141 B2 JP 4146141B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
output
rotation
vibration
driving force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002066997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003269528A (ja
Inventor
下 明 平 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Elevator and Building Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Elevator Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002066997A priority Critical patent/JP4146141B2/ja
Application filed by Toshiba Elevator Co Ltd filed Critical Toshiba Elevator Co Ltd
Priority to CNB03805762XA priority patent/CN100383429C/zh
Priority to PCT/JP2003/002931 priority patent/WO2003076823A1/ja
Priority to US10/506,239 priority patent/US7164251B2/en
Priority to TW092105529A priority patent/TW587134B/zh
Priority to EP03710325A priority patent/EP1484529A4/en
Priority to KR1020047013914A priority patent/KR100636260B1/ko
Publication of JP2003269528A publication Critical patent/JP2003269528A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4146141B2 publication Critical patent/JP4146141B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05DSYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
    • G05D19/00Control of mechanical oscillations, e.g. of amplitude, of frequency, of phase
    • G05D19/02Control of mechanical oscillations, e.g. of amplitude, of frequency, of phase characterised by the use of electric means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/15Digital data processing
    • F02P5/1502Digital data processing using one central computing unit
    • F02P5/1514Digital data processing using one central computing unit with means for optimising the use of registers or of memories, e.g. interpolation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Elevator Control (AREA)
  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は駆動力発生手段により駆動される駆動対象の駆動方向の振動を低減する振動調整装置およびその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータのような回転機のトルクで外部から駆動対象を直線運動させる場合、リンク機構やベルトもしくはロープ等を回転体と組合わせ、モータトルクを所定の駆動方向の駆動力に変換することが広く行われている。こうした装置では、回転体の支持機構と回転体の回転軸が一致しない偏心や回転体の回転軸と回転体の回転重心が一致しない動的アンバランスがあると、装置全体に振動が発生し、駆動対象に所定の動きを付与することが困難になる。たとえば、エレベータシステムではモータで駆動されるシステム全体に同相の上下動が発生し、偏心もしくは動的アンバランスがある回転体の回転周期で乗りかごが上下に加振されて乗り心地が損なわれることになる。
【0003】
このような装置全体の同相振動は回転運動とは振動モードが異なるのでモータのトルクの制御では除去することができず、同相振動を抑制する手法としては偏心や動的アンバランスが振動源とならないよう回転体の機械的精度を高める手法が一般的である。しかし、機械的精度を高める手法では回転体の加工や取付けに時間がかかるため装置のコスト上昇を招いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の同相振動を抑制する手法においては、装置を構成する回転体の加工および取付けに高精度が要求されるとともに、振動による経年変化や疲労に強い材料、これらを加工する高い技術などが必要であった。このため、装置に要求される性能、信頼性を満足させるにはコストの上昇を招くという問題があった。
【0005】
本発明はかかる事情に基づきなされたもので、その目的とするところは回転体の動的アンバランスもしくは偏心で加振される装置において駆動対象に生じる振動を抑制し、装置の機能を満足するとともにコストの低減化および信頼性の向上が図れる振動調整装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による振動調整装置は、駆動対象を駆動する駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段の駆動力で回転する回転体と、前記駆動力発生手段が発生すべき推力もしくはトルクを指令する駆動力指令手段と、前記回転体の回転運動を検出する回転検出手段と、前記回転検出手段の出力に基づき前記回転体の回転角を出力する回転角変換部と、前記回転角変換部から出力された前記回転角の一次関数で表現される角度の正弦値または余弦値を演算する三角関数演算部と、前記三角関数演算部の出力に所定のゲインを乗じるゲイン調整部と、を含む回転演算手段と、前記回転演算手段の演算結果に基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正する駆動力指令補正手段とを備えたことを特徴としている。
前記回転演算手段は、更に、前記回転角変換部の出力の一次関数切片としての所定の調整位相値を出力する位相調整部を含んで構成することができる。この場合、前記回転角の一次関数として表現される角度は、前記回転角に前記調整位相値を加えて得られる角度であり、前記三角関数演算部は、前記回転角に前記調整位相値を加えて得られる角度の正弦値または余弦値を演算する。
【0007】
前記回転演算手段が、更に、前記回転検出手段の出力に基づき前記回転体の角速度を出力する角速度変換部と、前記三角関数演算部もしくは前記ゲイン調整部の出力に前記角速度変換部から出力された角速度の2乗を乗じる角速度乗算部と、を含んでいてもよい。
【0008】
前記回転演算手段が、更に、前記回転検出手段の出力に基づき前記回転体の角加速度を出力する角加速度変換部と、前記三角関数演算部もしくは前記ゲイン調整部の出力に前記角加速度変換部の出力を乗じる角加速度乗算部と、を含んでいてもよい。
【0009】
前記駆動力指令補正手段が、前記駆動力指令手段の出力と前記ゲイン調整部の出力の和を演算する加算器を有していてもよい。
【0010】
前記駆動力指令補正手段が、前記駆動力指令手段の出力と前記角速度乗算部の出力の和を演算する加算器を有していてもよい。
【0011】
前記駆動力指令補正手段が、前記角加速度乗算部出力と前記角速度乗算部出力の和を演算する加算器を有していてもよい。
【0012】
前記駆動力指令補正手段が、前記駆動力指令手段の出力と前記角速度乗算部の出力と前記ゲイン調整部の出力の和を演算する加算器を有していてもよい。
【0013】
前記回転演算手段が、前記回転角をθ、前記ゲイン調整部のゲインをG、前記位相調整部の調整位相値をψ、とした場合に、以下の式で得られる前記回転体の偏心補償量FCDを算出し、
【数4】
Figure 0004146141
【0014】
前記駆動力指令補正手段は、前記偏心補償量FCDに基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正するようにしてもよい。
【0015】
前記回転演算手段が、前記回転角をθ、前記角速度をω、前記ゲイン調整部のゲインをG、前記位相調整部の調整位相値をψ、とした場合に、以下の式で得られる前記回転体の動的アンバランス補償量FUBを算出し、
【数5】
Figure 0004146141
前記駆動力指令補正手段は、前記動的アンバランス補償量F UB に基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正するようにしてもよい。
【0017】
前記回転演算手段が、前記回転角をθ、前記角速度をω、前記角加速度をα、前記ゲイン調整部のゲインをG、前記位相調整部の調整位相値をψとした場合に、以下の式で得られる前記回転体の偏心力アンバランス補償量FCFを算出し、
【数6】
Figure 0004146141
【0018】
前記駆動力指令補正手段は、前記偏心力アンバランス補償量FCFに基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正するようにしてもよい。
【0019】
前記回転演算手段が、前記駆動対象の運転状態に応じて前記ゲイン調整部のゲインを複数個の所定値を切替えて設定するゲイン切替え手段を有していてもよい。
【0020】
前記回転演算手段が、前記駆動対象の運転状態に応じて前記位相調整部の位相を複数個の所定値を切替えて設定する位相切替え手段を有していてもよい。
【0021】
前記回転演算手段が、前記回転体の回転方向に応じて前記位相調整部の位相を設定する位相設定器を有していてもよい。
【0022】
前記回転角変換部が、前記角速度変換部の出力を積分する積分器を有していてもよい。
【0023】
この振動調整装置は、前記駆動対象の駆動方向の振動を検出する振動検出手段を更に備えて構成してもよい。この振動検出手段が、駆動対象の加速度を検出する加速度検出手段を有していてもよい。
【0024】
前記回転検出手段がレゾルバを有していてもよい。前記回転検出手段が発電機を有していてもよい。また、前記回転検出手段がエンコーダを有していてもよい。
【0025】
前記回転体が、電動機の回転子であってもよい。前記回転体が、エレベータシステムのメインシーブであってもよい。また、前記回転体が、エレベータシステムのコンペンシーブであってもよい。
【0026】
前記駆動対象が、エレベータシステムの乗りかごであってもよい。
【0027】
また、本発明は、駆動対象を駆動する駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段の駆動力で回転する回転体と、前記駆動力発生手段が発生すべき推力もしくはトルクを指令する駆動力指令手段と、を備えたシステムにおいて、前記駆動力指令手段の指令出力を所定の補償値を用いて補正することにより前記駆動対象に発生する振動を調整する方法を提供する。この方法は、前記回転体の回転角を求めるステップを含む回転検出工程と、前記回転角の一次関数として表現できる角度の正弦値または余弦値と所定のゲインとの積を求めるステップを含み、前記積に基づいて前記補償値を演算する演算工程と、前記駆動対象に発生している所定の振動成分の振幅が最小となるような前記ゲインを決定するステップを含む決定工程とを備えたことを特徴としている。
前記演算工程において、前記回転角の一次関数として表現できる角度として、前記回転角に所定の調整位相値を加えて得られる角度が用いることができ、前記決定工程は、更に、前記駆動対象に発生している所定の振動成分の振幅が最小となるような前記調整位相値を決定するステップを含んでいてもよい。
【0028】
前記回転検出工程が、前記回転体の角速度を求めるステップを更に含み、かつ、前記演算工程において、前記正弦値または余弦値および前記ゲインの前記積と、前記回転体の角速度と、の積に基づいて前記補償値が演算されるようにしてもよい。
【0029】
また、前記回転検出工程は、前記回転体の角加速度を求めるステップを更に含み、かつ、前記演算工程において、前記正弦値または余弦値および前記ゲインの前記積と、前記回転体の角加速度と、の積に基づいて前記補償値が演算されるようにしてもよい。
【0030】
本発明はモータで駆動される回転体の偏心や動的アンバランスに起因して振動が発生する装置においてモータのトルクもしくは推力を用いて駆動対象で生じている振動を効果的に低減する。そして、複数の回転体が個別に偏心や動的アンバランスを有する場合にはそれぞれの回転体に起因する振動成分に対応して前記回転演算手段を複数個設けることですべての振動成分を効果的に低減することができる。
【0031】
すなわち、回転体の質量をm、回転重心と回転軸間の距離をr、回転角速度をωとすると、回転軸には下式4の遠心力fが作用する。
【数7】
Figure 0004146141
【0032】
この遠心力fが動的アンバランスとして装置に作用すると装置に振動が発生し、この振動のうち駆動対象の駆動方向と平行な成分が駆動対象を加振する。この加振により駆動対象には本来の所定の運動にはない振動が発生する。一般に、駆動対象に生じる振動は駆動力発生手段としてのモータによる回転力を駆動方向の駆動力に変換して抑制されるが、こうした装置全体に生じる振動では駆動力発生手段に加えリンク機構やベルトもしくはロープ等を回転体と組合わせた回転力−直線駆動力変換機構も振動しているため、回転力による振動抑制は著しく困難なものとなる。
【0033】
今、遠心力fにより動的アンバランスを有する回転体が発生する駆動方向の加振力Fは、θを動的アンバランスを有する回転体の回転角、ψを加振力と当該回転体回転角との位相差として次式5で表すことができる。
【数8】
Figure 0004146141
【0034】
ラプラス変換演算子をs、加振力Fから駆動対象に作用する加振力Fobまでの加振力伝達関数をH(s)とすると、加振力Fobはラプラス変換Lで次式6のように与えられる。
【数9】
Figure 0004146141
【0035】
一方、駆動力発生手段では、駆動対象に所定の運動をさせるべく駆動力指令手段において、たとえばモータ回転子につながれた駆動用シーブ(回転体)の角速度ωを目標角速度ωm0に一致させるべくサーボ制御が行われ、駆動力指令手段の出力値、すなわちトルク司令値Tに一致するトルクが出力されている。このとき、駆動用シーブの半径をrとすれば、駆動用シーブが駆動対象に及ぼす駆動力Fm0は、駆動用シーブから駆動対象までの駆動力伝達関数をG(s)として、
【数10】
Figure 0004146141
となる。ここで、動的アンバランスを有する回転体の回転角θおよび角速度ωを用いてトルク指令値Tを次式11で定義する。
【数11】
Figure 0004146141
【0036】
ただし、kおよびφはゲイン調整パラメータ、位相調整パラメータである。このトルク指令値Tが駆動対象に対して作用する駆動力Fm0は、前記式7より、
【数12】
Figure 0004146141
で表せる。
【0037】
駆動対象には駆動力と加振力が作用する。これらの力の合計を作用力Fとすると、前記式8および式9より、
【数13】
Figure 0004146141
と計算される。
【0038】
前記式10においてωが一定であれば、G(s)のゲインおよび位相差をそれぞれGdb、γとし、H(s)のゲインおよび位相差をHdb、γとして、前記式10の右辺の第二項、第三項の振動成分は、L−1を逆ラプラス変換として、
【数14】
Figure 0004146141
【数15】
Figure 0004146141
と表される。したがって、前記式8のゲイン調整パラメータkおよび位相調整パラメータfを、
【数16】
Figure 0004146141
と設定すると、前記式10の右辺の第二項および第三項が相殺され、
【数17】
Figure 0004146141
となる。このため、駆動対象への作用力Fから振動成分が除去され、駆動対象をあたかも駆動力Fm0のみが作用したように駆動することが可能となる。
【0039】
また、G(s)≒H(s)の場合、前記式9は、
【数18】
Figure 0004146141
となるので、
【数19】
Figure 0004146141
と調整することで角速度ωの値に関係なく振動成分が除去できる。
【0040】
次に、偏心を有する回転体によって駆動対象が加振される場合を考える。いま、回転体の偏心振幅をr、回転角をθとすると、駆動方向の偏心による変位Zは、
【数20】
Figure 0004146141
と表せる。ただし、ψは位相差である。この変位zに起因した駆動対象への加振力FはzからFまでの加振力伝達関数をD(s)とすると、加振力Fはラプラス変換Lで次式18のように与えられる。
【0041】
【数21】
Figure 0004146141
ここで、偏心を有する回転体の回転角θ用いてトルク指令値Tを次式19で定義する。
【0042】
【数22】
Figure 0004146141
ただし、kおよびfはそれぞれゲイン調整パラメータ、位相調整パラメータである。このトルク指令値Tが駆動対象に対して作用する駆動力Fは前記式7より、
【数23】
Figure 0004146141
となる。
【0043】
駆動対象に作用する作用力Fは前記式18と20の合計であるから、
【数24】
Figure 0004146141
となる。
【0044】
前記式21において偏心を有する回転体の角速度ωが一定であれば、G(s)のゲインおよび位相差をそれぞれGdb、γ、またD(s)のゲインおよび位相差をそれぞれDdb、γとして、前記式21右辺の第二項および第三項の振動成分は、L−1を逆ラプラス変換として、
【数25】
Figure 0004146141
【数26】
Figure 0004146141
と表される。したがって、前記式19のゲイン調整パラメータkおよび位相調整パラメータf
【数27】
Figure 0004146141
と設定すると前記式21の右辺の第二項と第三項とが相殺される。このため、駆動対象への作用力Fから振動成分が除去され、駆動対象をあたかも駆動力Fm0のみが作用したように駆動することが可能となる。
【0045】
また、G(s)≒D(s)の場合は、
【数28】
Figure 0004146141
になるので、
【数29】
Figure 0004146141
と調整することで角速度ωの値に関係なく回転体の偏心による振動成分が除去できる。
【0046】
さらに、偏心を有する回転体の偏心加振力によって駆動対象が加振される場合を考える。偏心加振力Fは前記式17の変位Zから得られる加速度に偏心で加振される質量mを乗じて求めることができ、ωをθの角速度、αをθの角加速度として、
【数30】
Figure 0004146141
と表せる。この偏心加振力Fに起因した駆動対象への加振力FはFからFまでの加振力伝達関数をR(s)とすると、加振力Fはラプラス変換Lで次式28のように与えられる。
【数31】
Figure 0004146141
【0047】
ここで、偏心を有する回転体の回転角θを用いてトルク指令値Tを次式で定義する。
【数32】
Figure 0004146141
【0048】
ただし、kおよびφはそれぞれゲイン調整パラメータ、位相調整パラメータである。このトルク指令値Tが駆動対象に対して作用する駆動力Fは前記式7より、
【数33】
Figure 0004146141
となる。
【0049】
駆動対象に作用する作用力Fは前記式28と前記式30との合計であるから、
【数34】
Figure 0004146141
前記式31において偏心を有する回転体の角速度ωが一定であればαはゼロであり、G(s)のゲインおよび位相差をそれぞれGdb、γとし、またR(s)のゲインおよび位相差をそれぞれRdb、γとして、前記式31の右辺の第二項および第三項の振動成分は、L−1を逆ラプラス変換として、
【数35】
Figure 0004146141
【数36】
Figure 0004146141
と表される。したがって、前記式29のゲイン調整パラメータkおよび位相調整パラメータφをそれそれ
【数37】
Figure 0004146141
と設定すると前記式29の右辺の第二項および第三項が相殺される。このため、駆動対象への作用力Fから振動成分が除去され、駆動対象をあたかも駆動力Fm0のみが作用したように駆動することが可能となる。
【0050】
また、G(s)≒R(s)の場合は、
【数38】
Figure 0004146141
となるので、
【数39】
Figure 0004146141
と調整することで角速度ωの値に関係なく回転体の偏心による振動成分が除去できる。
【0051】
そして、動的アンバランスと同時に偏心を有する回転体に偏心加振力が作用する場合おいては、θ=θであるから、トルク指令値Tを
【数40】
Figure 0004146141
とし、前記式13,式16、式24,式26,式34および式36に示すように各調整パラメータk、k、k、φ、φおよびφを決めることで駆動対象の振動が低減されることは言うまでもない。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳説する。
【0053】
[第1の実施の形態]
図1乃至図3には第1の実施の形態における振動調整装置が全体として1で示されているとともに、駆動力発生手段としての回転電動機11、駆動対象としての移動体14を備えたエレベータシステムが全体として5で示されている。そして、振動調整装置1は回転検出手段C1と回転演算手段C2,C2'を備えている。
【0054】
本実施の形態における回転検出手段C1は検出対象としての回転電動機11に取付けられ当該回転電動機11の回転子回転軸13の回転角に比例した電圧を出力するレゾルバ15とレゾルバ15の図示しない回転子に直結する入力回転軸17と前記回転子回転軸13を接続し回転子回転軸13の回転をレゾルバ15の入力回転軸17に伝達する回転伝達手段19で構成されている。
【0055】
前記回転伝達手段19はたとえばユニバーサルジョイントやカップラーを備えている。レゾルバ15は巻線を施された図示しない回転子および同じく巻線を備えた固定子21で構成されるとともに前記入力回転軸17の所定の原点からの回転角0〜2π(rad)ごとに回転角に対応する電圧たとえば0〜5(V)の電圧を出力する信号処理部23を備えている。レゾルバ15の前記固定子21は台板25上に支持部材27により所定の方法で固定されている。
【0056】
ここで、駆動力発生手段である回転電動機11について説明する。回転電動機11はベース29上に乗せられるとともにストッパー31で固定されておりベース29と一体化されている。回転電動機11は前記回転子回転軸13の他に当該回転電動機11の固定子を内蔵する固定子ハウジング33、固定子ハウジング33の円筒底面中央部で前記回転子回転軸13を回転可能に支持する軸受け35、当該回転子回転軸13のもう一方の先端に取付けられ回転電動機11のトルクをロープ36を介して駆動対象としての移動体14に駆動力を伝達する回転体としてのシーブ37、前記振動調整装置1の出力に基づいて前記回転子回転軸13の回転速度を制御するトルク指令値を演算する速度制御装置39、三相交流電源41から電力を受けるとともに前記速度制御装置39の出力に基づいて前記回転子回転軸13に前記トルク指令値に等しいトルクを発生させる駆動装置43を備えている。
【0057】
一方、回転検出手段C1の出力は前記回転演算手段C2,C2'に導入されている。すなわち、回転演算手段C2は、前記信号処理部23の出力を前記回転子回転軸13の回転角に変換する回転角変換部45、同出力を前記回転子回転軸13の角速度に変換する角速度変換部47、前記回転角変換部45の出力に対する位相角を調節するための位相調整部49、前記位相調整部49の出力(ψ)と回転角変換部45の出力(θ)とを加算する加算器53、前記加算器53の出力(θ+ψ)が入力されるとともに入力した値の正弦値(sin(θ+ψ))を計算する正弦演算部55、前記正弦演算部55の出力に調整可能なゲインを乗じるゲイン調整部57、前記角速度演算部47の出力(ω)を二乗する乗算器59および前記ゲイン調整部57の出力(Gsin(θ+ψ))と乗算器59の出力(ω)を乗算する角速度乗算部としての乗算器61を備えている。そして、前記位相調整部49、加算器53および前記正弦演算部55は全体として三角関数演算部C3を構成している。
【0058】
さらに、回転演算手段C2'は、角速度変換部47の出力である角速度を積分する積分器としての回転角変換部45's、前記回転角変換部45'sの出力に対する位相角を調節するための位相調整部49'、前記位相調整部49'の出力(ψと回転角変換部45'sの出力(θ)とを加算する加算器53'、前記加算器53'の出力(θ+ψ)を入力するとともに入力した値の正弦値を計算する正弦演算部55'、前記正弦演算部55'の出力(sin(θ+ψ))に調整可能なゲインGを乗じるゲイン調整部57'とを備えている。ここでは、三角関数演算部C3'が前記位相調整部49'、加算器53'および前記正弦演算部55'で構成されることになる。
【0059】
ここで、理解を容易にするため駆動力指令手段としての速度制御装置39および回転電動機11とともに駆動力発生手段としての駆動装置43について説明する。速度制御装置39は、前記回転子回転軸13の角速度が追従すべき角速度目標パターンを出力する角速度目標パターン発生器65、角速度目標パターン発生器65の出力および角速度変換部47の出力に基づいて前記回転子回転軸13の回転速度を目標パターンに追従させるためのトルク指令値を演算するトルク指令演算部67を備えている。このトルク指令演算部67の出力は、前記乗算器61および前記ゲイン調整部57'のそれぞれの出力とともに加算され複合振動調整加算器としての加算器68より出力される。また、駆動装置43は、前記三相交流電源41からの電力を直流電力に変換するためのコンバータ69、前記加算器68の出力および回転角変換部45'sの出力に基づいて前記加算器68の出力値と等しいトルクを前記回転電動機11が発生するようにコンバータ69の直流電力から三相交流電力を供給するインバータ71を備えている。ここで、インバータ71は、所定のトルクを発生させる三相交流電流で回転電動機11が励磁されるように前記加算器68の出力および回転角変換部45'sが出力するシーブ37の回転角に基づいてサイリスタ点弧角を制御する点弧角制御部73および点弧角制御部73の出力によりに前記回転電動機11に三相交流電流を供給するサイリスタ部75を備えている。
【0060】
振動調整装置1、速度制御装置39および駆動装置43においてこれらの装置の動作に必要な電力は単相交流電源77より供給されている。なお、以下のブロック図において、矢印線は信号経路を、また棒線は回転電動機11および振動調整装置1周辺の電力経路を示している。
【0061】
また、エレベータシステム5は、上下方向に所定の取付方法で敷設されたガイドレール79と、このガイドレール79に沿って上下に移動する移動体14、上方から移動体14に所定の方法で取り付けられた第1のロープ36、移動体14の重量を支持する際に発生する前記ロープ36の張力の方向を反転させるシーブ37およびセカンダリーシーブ81、前記ロープ36のもう一方の端部に所定の方法で取り付けられ、移動体14の重量に起因する前記ロープ36の張力に略バランスする重量を備えた重量部83、回転電動機11、前記移動体14より垂下され、もう一方の端部が前記重量部83に所定の方法で取り付けられた第2のロープ85、前記ロープ85が掛けられ当該ロープ85の移動によって回転するとともに自重で前記ロープ85に張力を付与する第2のシーブ87、前記ロープ85の張力変動で生じる前記シーブ87の上下動にダンピング力を付与するとともに当該シーブ87を左右に案内するシーブ支持手段89で構成されている。
【0062】
移動体14は、前記ロープ36および85の張力に対して十分な剛性を有するかご枠91、前記かご枠91の四隅に配置され移動体14を前記ガイドレール79に沿って案内するためのガイドローラユニット93、人荷を載せるための乗りかご95、かご枠91を介して乗りかご95に侵入する前記ロープ36および85の縦振動高周波成分を遮断するとともにかご枠91に対して乗りかご95を支持するためのサスペンション97を備えている。ここで、駆動対象である乗りかご95には加速度検手段として当該乗りかご95の上下方向加速度を検出するための加速度検出器99が所定の方法で取付けられている。加速度検出器99の検出結果は図示していないケーブルで回転演算手段C2,C2'の近傍に配置される加速度表示手段101に導入され、加速度検出結果が例えばタイムチャートとして表示される。
【0063】
回転電動機11は前記ベース29を介して前記セカンダリーシーブ81とともにマシンベッド103に所定の方法で取り付けられており、全体として電動機ユニット104を構成している。そして、前記マシンベッド103は防振ゴム105を介して図示しない建物の上階の床107に据付られている。なお、セカンダリーシーブ81がロープ36の張力で自由に回転可能であることは言うまでもない。
【0064】
シーブ支持手段89は、前記シーブ87を回転可能に支持するための軸受け109、前記軸受け109を両側から挟み込むように配置され上下する前記シーブ87を案内するシーブガイド111とで構成されている。なお、前記シーブガイド111の下端は図示しない建物の下階の床113に固定されている。
【0065】
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る振動調整装置の動作について説明する。
【0066】
装置が待機状態すなわち三相交流電源41および単相交流電源77が投入されるとともに振動調整装置1、速度制御装置39および駆動装置43が稼動状態であるが角速度目標パターン発生器65がゼロを出力している場合には、回転子回転軸13は角速度ゼロの状態を維持している。また、装置の最初の起動時にはゲイン調整部57および57'にはゼロが設定されている。やがて、角速度目標パターン発生器65がたとえば図4のような台形パターンを発生し目標角速度が増加を始めるとトルク指令演算部67において角速度変換部47から出力される現在の回転子回転軸13の角速度と目標パターン発生器65の角速度目標値に基づいて回転電動機11が発生すべきトルク指令値が演算され、演算結果が加算器68を介して駆動装置43に出力される。すると点弧角制御部75では回転電動機11が指令値どおりのトルクを発生するようにサイリスタ部73の対する点弧角が制御され、インバータ73から励磁電流が出力されて回転電動機11は指令値どおりのトルクを発生する。そして、回転電動機11のトルクによりシーブ37が回転子回転軸13とともに回転を開始する。回転子回転軸13の回転は回転伝達手段19、回転入力軸17を介してレゾルバ15に入力され、信号処理部23では回転子回転軸13の回転角の増加に対応して出力電圧が上昇する。信号処理部23の出力電圧は回転角変換部45において回転子回転軸13の回転角に変換される一方で角速度変換部47においてたとえば疑似微分器等により角速度に変換される。この角速度は再びトルク指令演算部67にフィードバックされ、かくしてシーブ37の回転速度(角速度)は図4のように目標値に追従する。するとシーブ37に掛けられたロープ36を介して張力が移動体14に伝達され、移動体14も所定の目標速度パターンに追従して上昇する。この場合、移動体14は図5に示すような加速度で運動する。
【0067】
この時、回転体としてのシーブ37に動的アンバランスがあると、前述の式4
【数41】
Figure 0004146141
で表現される遠心力がエレベータシステム5に作用する。(以下、引用する式の意義については「課題を解決するための手段」の項を参照)
【0068】
すると、防振ゴム105で支持される電動機ユニット104にはその重心回りに振動が発生し、この振動の移動体14の駆動方向つまり上下方向の振動成分がロープ36を介して移動体14に伝播する。同様にしてこの振動の上下方向の振動成分は重量部83にも伝播する。そして、ロープ85を介してシーブ87にも当該振動が伝播し、結局、エレベータシステム5全体に上下動が発生する。
【0069】
電動機ユニット104に作用する上下方向の加振力は前述の式5
【数42】
Figure 0004146141
そして、この加振力が移動体14に伝播したときの加振力は前述の式6
【数43】
Figure 0004146141
で記述され、移動体14には図6のような上下振動が発生する。
【0070】
移動体14が所定の速度目標値に追従する際にこうした上下振動が生じるとそれがサスペンション97を介して乗りかご95に伝播し、乗り心地が著しく損なわれることになる。
【0071】
しかし、本発明に係わる振動調整装置1にあってはトルク指令演算部67の出力に回転演算手段C2の出力が加算され、移動体14を加振する前述した式6の加振力が相殺される。すなわち、回転検出手段C1の出力が回転角変換部45に導入され、回転角変換部45より出力される回転角(θ)が加算器53において位相調整部49の所定の位相角(ψ)と加算されて正弦演算部55に導入され、加算器53の出力値(θ+ψ)の正弦値(sin(θ+ψ))が演算される。一方、角速度変換部47から出力される現在の回転子回転軸13の角速度(ω)は乗算器59に導入され角速度の平方値(ω)が計算される。正弦演算部55の出力にはゲイン調整部57で所定のゲイン(G)が乗ぜられた後、乗算器61において前記乗算器59からの角速度平方値(ω)が乗ぜられる。そして、乗算器61の出力が回転演算手段C2の出力となる。つまり、回転子回転軸13の回転角(θ)および角速度(ω)に対し、前述の式2
【数44】
Figure 0004146141
における演算結果が回転演算手段C2から出力されることになる。
【0072】
このとき、前記式2のゲインGおよび位相差ψが前述した式13
【数45】
Figure 0004146141
または、前述した式16
【数46】
Figure 0004146141
で定義されるゲインkおよび位相差ψに等しければ移動体14に作用する加振力が相殺され上下振動が発生することなく移動体14は滑らかに上昇する。また、移動体14が下降する場合は図4の速度目標パターンを−1倍して角速度目標パターン発生器65から出力すれば良く、この場合も前記式13および式16の関係が成立するので、前述した式14
【数47】
Figure 0004146141
が満足される。したがって、移動体14が滑らかに下降することは言うまでもない。
【0073】
さらに、回転軸13に取付けられるシーブ37に偏心があると、シーブ37には前述した式17
【数48】
Figure 0004146141
のような上下の変位が発生する。この変位も遠心力と同様にエレベータシステム5に作用する。
【0074】
したがって、この変位に起因する移動体14への加振力は前述した式18
【数49】
Figure 0004146141
で記述されるようになる。そして、移動体14には上下振動が発生する。
【0075】
しかし、本発明に係わる振動調整装置1にあってはトルク指令演算部67の出力に回転演算手段C2'の出力が加算され、移動体14を加振する上記式18に示す加振力が相殺される。すなわち、角速度変換部47の出力(ω)が回転角変換部45'sに導入され、回転角変換部45'sより出力される回転角(θ)が加算器53'において位相調整部49'の所定の位相角(ψ)と加算されて正弦演算部55'に導入され、加算器53'の出力値の正弦値(sin(θ+ψ))が演算される。正弦演算部55'の出力にはゲイン調整部57'で所定のゲイン(G)が乗ぜられ、回転演算手段C2'の出力となる。
【0076】
つまり、回転子回転軸13の回転角および角速度に対し、前述した式1
【数50】
Figure 0004146141
における演算結果が回転演算手段C2'から出力されることになる。
【0077】
このとき、上記式1のゲインGおよび位相差ψが前述した式24
【数51】
Figure 0004146141
あるいは前述した式26
【数52】
Figure 0004146141
で定義されるゲインkおよび位相差ψに等しければ移動体14に作用する加振力が相殺され上下振動が発生することなく移動体14は滑らかに上昇する。また、移動体14が下降する場合は図4の速度目標パターンを-1倍して角速度目標パターン発生器65から出力すれば良く、移動体14が滑らかに下降することは言うまでもない。
【0078】
また、本実施の形態ではシーブ37の動的アンバランスおよび偏心に起因した複合的上下振動が移動体14に発生する場合を説明しているが、このような場合でもゲインG,Gおよび位相差ψ,ψは次のようにして調整できる。
【0079】
▲1▼すべての値をゼロに設定する。このとき、加速度表示手段にはたとえば図7に示すように図6より大きな移動体14の上下振動が表示されている。
【0080】
▲2▼ゲインGを徐々に大きく設定しながら、図7の上下振動振幅に変化が見られるようになるまで移動体14の昇降を繰り返す。
【0081】
▲3▼図7の振幅に変化が見られたらゲインGを固定する。
【0082】
▲4▼位相差ψを増加(減少)させながら移動体14の昇降を繰り返し、移動体14の上下振動振幅が最小となったところで位相差ψを固定する。
【0083】
▲5▼ゲインGを増加(減少)させながら移動体14の昇降を繰り返し、移動体14の上下振動振幅が最小となったところでゲインGを固定する。この操作でゲインGおよび位相差ψがそれぞれゲインkおよび位相差ψと等しくなり、偏心に起因する移動体14の上下振動が相殺され、たとえば図6の振動波形が加速度表示手段に現れる。
【0084】
▲6▼ゲインGを徐々に大きく設定しながら、図6の上下振動振幅に変化が見られるようになるまで移動体14の昇降を繰り返す。
【0085】
▲7▼図6の振幅に変化が見られたらゲインGを固定する。
【0086】
▲8▼位相差ψを増加(減少)させながら移動体14の昇降を繰り返し、移動体14の上下振動振幅が最小となったところで位相差ψを固定する。
【0087】
▲9▼ゲインGを増加(減少)させながら移動体14の昇降を繰り返し、移動体14の上下振動振幅が最小となったところでゲインGを固定する。この操作でゲインGおよび位相差ψがそれぞれkおよび位相差ψと等しくなり、動的アンバランスに起因する移動体14の上下振動が相殺され、たとえば図5の加速度波形が加速度表示手段に現れ、上下振動が除去されたことが確認できる。
【0088】
上述のように本実施の形態ではシーブ37の動的アンバランスおよび偏心といった機械的精度が原因となって移動体14に発生する上下振動がトルク制御で除去される。このため、乗りかご95の加速度で規定される乗り心地基準等、装置に要求される性能、優れた乗り心地を装置全体の剛性や加工精度に頼ることなく提供することができ、高強度の材料や補強が不要でコストの上昇を招くことがない。
【0089】
なお、上記の第1の実施の形態では、動的アンバランスおよび偏心に起因した移動体14の複合的上下振動に対処するため、二つの回転演算手段を備えているが、これは回転演算手段の使用個数をなんら限定するものでなく、動的アンバランスもしくは偏心を有する回転体の個数に応じて必要数備えてよい。
【0090】
また、回転体としてのシーブが動的アンバランスと偏心を有しているが、これは動的アンバランスもしくは偏心を有する回転体の種類をなんら限定するものでなく、たとえば電動機の回転子であってもよい。
【0091】
さらに、回転検出手段がレゾルバを備えているが、これは回転検出手段の構成を何ら限定するものでなく、種々の変更が可能である。例えば、入力軸の角速度の増加に比例した出力電圧が得られる発電機であって何ら差し支えない。
【0092】
加えて、回転伝達手段19および回転入力軸17により回転電動機11の回転を伝達しているが、これは回転伝達手段19の形態や回転入力軸17の使用を何ら制限するものでなく、たとえば、図8に示すように回転子回転軸13の端部周囲に等間隔の縞模様115を設け、信号処理部23'に付随する光学素子117でこれを読み取る回転検出手段C1'としての光学式エンコーダ119であったり、図9に示すように回転子回転軸13の回転を回転伝達手段としてのローラ121を介してロータリーエンコーダ123に伝達する回転検出手段C1''であってもよい。
【0093】
また、振動調整装置1、速度制御装置39および駆動装置43が個別に配置されているが、これはそれぞれの配置や設置個所をなんら限定するものでなく、速度制御装置や駆動装置内に振動調整装置が全体としてもしくは分割されて設置されていたり、駆動装置内に振動調整装置および速度制御装置が設置されていてもなんら差し支えない。
【0094】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図10、図11に基づいて説明する。第1の実施の形態では、回転体が動的アンバランスおよび偏心を有するシーブ37である場合を想定し、これに対応して並列に並ぶ二つの回転演算手段C2、C2'を用いた例を示した。これに対して、第2の実施形態においては、ともに動的アンバランス(偏心は無視できる)が問題となるシーブ37およびシーブ87を回転体として備えた系における振動調整について説明することとする。
【0095】
本実施の形態における振動調整装置1'は、シーブ37の回転を検出する回転検出手段C1、シーブ87の回転を検出する回転検出手段C1'、回転演算手段C2、これと同一構成を備えた回転演算手段C2''を備えて構成される。
【0096】
なお、以下において第1の実施の形態における要素と同一の構成および機能を有する要素については同一符号を付して説明を省略するとともに、構成または機能に差異がある場合には「'」または「''」記号の付加で区別こととする。
【0097】
回転検出手段C1'は、回転体としてのシーブ87の円筒底面に設けられた回転軸の回りに等間隔の縞模様115'、軸受け109の上端に所定の方法で取付けられた信号処理部23'に付随する光学素子117を備えた光学式エンコーダ119'を有している。したがって、回転演算手段C2"には回転変換部45を介してシーブ87の回転情報が入力される。
【0098】
すると、回転演算手段C2"からはシーブ87の動的アンバランスに起因した移動体14の上下振動を抑制すべく、前述した式2
【数53】
Figure 0004146141
に基づいたトルク指令補償値が出力される。
【0099】
トルク指令演算部67、回転演算手段C2および回転演算手段C2"のそれぞれの出力は動バランス調整加算器としての加算器68'で加算され、加算器68'の出力がシーブ37およびシーブ87の動的アンバランスに起因した移動体14の上下振動を抑制するトルク指令値として駆動装置43に導入されている。
【0100】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図12、図13に基づいて説明する。上述の第1および第2の実施の形態では、駆動力発生手段が回転電動機、駆動対象がエレベータシステムの移動体14であった。しかし、本発明における駆動力発生手段や駆動対象をなんら限定するものではなく、種々変形してなんら差し支えない。本実施の形態においては、駆動対象が一軸位置決めテーブル装置のテーブル、駆動力発生手段がリニアモータである場合の振動調整について説明する。
【0101】
すなわち、本実施の形態においては、駆動対象が一軸位置決めテーブル装置125の位置決めテーブル127である。一軸位置決めテーブル装置125は、リニア固定子126と可動子を兼ねたテーブル127で構成される駆動力発生手段としてのリニア誘導モータ129、入力される推力指令値に一致する推力をテーブル127に付与するための駆動力発生手段としての駆動装置43'、テーブル127をリニア誘導モータ129の両端で支持するための回転体としてのローラ133a,133b、断面が逆U字形状の軌道枠137、前記軌道枠137の側面に固定されローラ133a,133bを回転可能に保持するための軸受け139、テーブル127の位置を検出するための光学式リニアセンサ141、光学式リニアセンサ141で検出されたテーブル137の位置情報を擬似微分器143を介して導入するとともに速度目標パターン発生器145の出力を導入してテーブル137の動きを所定の速度パターンに追従させるための推力指令値を出力する推力指令演算部147を備えた速度制御装置39'、図示しないカップラを介してローラ133a,133bのそれぞれの回転軸に検出軸が接続された回転検出手段C1"としてのロータリーエンコーダ123a,123bを備えている。
【0102】
そして、本実施の形態に係わる振動調整装置1''は、回転伝達手段19として図示しないカップラ、ロータリーエンコーダ123a(123b)の出力を回転角に応じた電圧に変換する信号処理部23''a(23''b)で構成される回転検出手段C1''a(C1''b)と、回転検出手段C1''a(C1''b)の出力に基づいてローラ133a(133b)の偏心に起因して発生するテーブル127の駆動方向の振動を抑制するための推力補償値を演算する回転演算手段C2'a(C2'b)と、回転演算手段C2'a,C2'bのそれぞれの出力および速度制御装置39'の出力を合計する偏心振動調整加算器としての加算器68''とを備えている。なお、前記回転演算手段C2'a(C2'b)において回転検出手段C1''a(C1''b)の出力が回転角変換部45'においてローラ133a(133b)の回転角に変換されることは言うまでもない。
【0103】
ここで、ローラ133a(133b)に偏心があると、ローラ133a(133b)の回転にともなってリニア固定子126とテーブル127の空隙長が変動し、リニア誘導モータ129の推力は回転に同期して変動する。このため、テーブル127は駆動方向に振動しながら速度パターンに追従することになる。しかるに本実施の形態によれば、ローラ133a(133b)の偏心に起因するリニア誘導モータ129の推力変動が振動調整装置1''で補償され、テーブル127に駆動方向の振動が生じることがない。
【0104】
このため、ローラ133a,133bの加工精度ならびに取付け精度を緩和することができ、装置のコスト低減が可能となる。なお、回転演算手段C2'a,C2'bのそれぞれのゲイン調整部57'、位相調整部49'の値を決める際は光学式リニアセンサ141の位置情報出力を直列につながれた2つの擬似微分器を介してテーブル141の加速度に変換すると上述の調整手順に従うことができ、パラメータ調整作業が容易になる。この場合、光学式リニアセンサ141、2つの擬似微分器143,149で加速度検出手段151が構成されることになる。
【0105】
[第4の実施の形態]
さらに、本発明の第4の実施の形態を図1、図3および図14に基づいて説明する。上述の第1乃至第3の実施の形態ではゲイン調整部および位相調整部の値が固定されていたが、これはゲイン調整部および位相調整部の値を限定するものでなく、駆動対象の運転状態に応じて適当な所定値を設定してなんら差し支えない。
【0106】
すなわち、本実施の形態では、第1の実施の形態のエレベータシステム5において、エレベータシステム5の昇降行程が長く、駆動対象としての移動体14の運転時最大加速度および同最大速度が大きく設定されている。また、最大速度運転時における回転電動機11の振動を床に伝えないため、防振ゴム105にはより大きな弾性が与えられている。
【0107】
そして、速度制御装置39からはエレベータシステム運転時の最大設定速度に基づいて設定速度信号Vおよびエレベータ昇降時の回転電動機11の回転方向信号Dが出力されている。振動調整装置1'''は回転検出手段C1と回転演算手段C2,C2'''、設定速度信号Vに基づいて所定の値を出力するゲイン切替え手段153、同位相切替え手段155、設定速度信号Vおよび回転方向信号Dに基づいて所定の値を出力する位相設定器157、前記位相切替え手段155および前記位相設定器157の出力を加算する加算器159を備えている。
【0108】
回転演算手段C2では、ゲイン調整器57および位相調整器49はゲイン切替え手段153および加算器159の出力に基づいて、それぞれ所定の値に調整される。
【0109】
また、回転演算手段C2'''は、前記角速度変換部47の出力を前記回転子回転軸13の角加速度(α)に変換する角加速度変換部161、前記回転子回転軸13の角度(θ)を出力する積分器45's、前記回転角変換部45's(積分器)の出力(θ)に対する位相角を加算器159の出力に基づいて設定するための位相調整部49''、前記位相調整部49''の出力(ψ)と回転角変換部45'sの出力(θ)とを加算する加算器53''、前記加算器53''の出力(θ+ψ)が入力されるとともに入力した値の余弦値(cos(θ+ψ))を計算する余弦演算部55''、前記ゲイン切替え手段153の出力に基づいて前記余弦演算部55''の振幅(G)を設定するゲイン調整部57''、前記角加速度演算部161の出力(α)と前記ゲイン調整部57''の出力(Gcos(θ+ψ))を乗算する角加速度乗算部としての乗算器61''を備えている。そして、前記位相調整部49''、加算器53''および前記余弦演算部55''は全体として三角関数演算部C3''を構成している。そして、角速度乗算部としての前記乗算器61および前記乗算器61''の出力が、すなわち回転演算手段C2,C2'''の出力が、前記トルク指令演算部67の出力とともに加算器68''に入力され、多重振動調整加算器としての加算器68''から出力される。
【0110】
なお、加算器68''に入力される回転演算手段C2,C2'''の出力の和は、前述の式3
【数54】
Figure 0004146141
で表現することができる。
【0111】
このため、結果として前述した式29
【数55】
Figure 0004146141
に基づくトルク指令値が前記駆動装置43に入力される。
【0112】
本実施の形態のように昇降行程が長く運転時最大加速度および同最大速度が大きく設定されている上に防振ゴム105の弾性が低いエレベータシステムでは、シーブ37が軸偏心を有すると最大速度およびその近傍の加減速時においてシーブ37の軸偏心に起因する偏心加振力が過大となり、移動体14には縦振動が発生する。さらに、防振ゴム105の弾性が低い場合には、過大となった偏心加振力により防振ゴム105上で電動機ユニット104全体が上下に振動し、この電動機ユニット104の振動が偏心加振力に加わって移動体14が加振されることになる。この電動機ユニット104の上下振動と偏心加振力の加振合力はその振幅および前記回転軸13の回転角との位相差が運転時の最大設定速度および同設定加速度で変化する。そして、位相差については回転電動機11の回転方向によっても変化する。このため、移動体14が特定の最大設定速度で上昇する場合において移動体14の上下振動が収まるようにゲイン調整部57,57''および位相調整部49,49''を調整しても、たとえば、移動体14の下降時においては移動体14の縦振動が収まらないという事態が生じることになる。また、最大設定速度を変更すると上昇時も下降時も移動体14には縦振動が発生することになる。
【0113】
しかるに、本実施の形態にあっては振動調整装置1'''が図14のように構成されており、前記ゲイン切替え手段153、前記位相切替え手段155および前記位相設定器157により、最大設定速度および回転電動機11の回転方向に応じてゲイン調整部57,57''のゲイン(G)および位相調整部49,49''の位相差(ψ)が適切に設定される。前記加振合力は最大設定速度および回転電動機11の回転方向に応じて振幅と位相差が変化する偏心加振力とみなすことができるので、運転状態ごとに前述した式28
【数56】
Figure 0004146141
で表される偏心加振力が前述した式29
【数57】
Figure 0004146141
に基づくトルク指令値で相殺され、すべての運転状態において移動体14の縦振動が減少する。
【0114】
このため、移動体14の昇降時でどちらかに縦振動が発生することもなく、また、夜間において静粛運転のため最大設定速度を低く設定しても移動体14に縦振動が発生することもない。
【0115】
加えて、上記各実施の形態では、回転演算手段はアナログ演算的に説明されているがこれは、アナログ、デジタルの演算方式を何ら限定するものではなくデジタル演算方式を適用してもよい。
【0116】
このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0117】
【発明の効果】
以上のように、本発明の振動調整装置によれば、回転体の動的アンバランスや偏心に起因する駆動対象の振動を機械的精度や剛性を高めることなく大幅に低減することができるので装置のコストを低減できる。また、駆動対象に余計な振動が発生せず破損しにくくなるため、装置の信頼性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体的な構造を示す斜視図。
【図2】上記の実施の形態における全体的な構成を示すブロック図。
【図3】上記の実施の形態におけるエレベータシステムの構成を示す概略図。
【図4】上記の実施の形態における角速度指令値と時間との関係を示すパターン図。
【図5】上記の実施の形態における加速度と時間との関係を示すパターン図。
【図6】上記の実施の形態における加速度と時間との関係を示すパターン図。
【図7】上記の実施の形態における加速度と時間との関係を示すパターン図。
【図8】上記の実施の形態における他の全体的な構造を示す斜視図。
【図9】上記の実施の形態における別の全体的な構造を示す斜視図。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるエレベータシステムの構成を示す概略図。
【図11】上記の実施の形態における全体的な構成を示すブロック図。
【図12】本発明の第3の実施の形態における一軸位置決めテーブル装置の構成を示す概略図。
【図13】上記の実施の形態における全体的な構成を示すブロック図。
【図14】本発明の第4の実施の形態における全体的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
C1,C1',C1''a,C1'' 回転検出手段
C2,C2',C2'a,C2'a,C2'',C2''' 回転演算手段
C3, C3',C3'' 三角関数演算手段
V 設定速度信号
D 回転方向信号
1,1',1” 振動調整装置
5 エレベータシステム
11 回転電動機
13 回転子回転軸
15 レゾルバ
17 入力回転軸
19 回転伝達手段
21 固定子
23 信号処理部
25 台板
27 支持部材
29 ベース
31 ストッパー
33 固定子ハウジング
35 軸受け
37 プーリー
39,39' 速度制御装置
41 三相交流電源
43,43' 駆動装置
45,45's,45' 回転角変換部
47,47' 角速度変換部
49,49' 位相調整部
53,53',68,68',68'' 加算器
55,55' 正弦演算部
57,57' ゲイン調整部
59,61 乗算器
65 角速度目標パターン発生器
67 トルク指令演算部
69 コンバータ
71 インバータ
73 サイリスタ部
75 点弧角制御部
77 単相交流電源
79 ガイドレール
14 移動体
36,85 ロープ
37,87 シーブ
81 セカンダリーシーブ
83 重量部
24,148 巻き上げ電動機
89 シーブ支持手段
91 かご枠
93 ガイドローラユニット
95 乗りかご
97 サスペンション
99 加速度検出器
101 加速度表示手段
103 マシンベッド
104 電動機ユニット
105 防振ゴム
107,113 床
109 軸受け
111 シーブガイド
115,115' 縞模様
117 光学素子
119 光学式エンコーダ
121 ローラ
123 ロータリーエンコーダ
125 一軸位置決めテーブル装置
126 リニア固定子
127 テーブル
129 リニア誘導モータ
133a,133b ローラ
137 軌道枠
139 軸受け
141 光学式リニアセンサ
143,149 擬似微分器
145 速度目標パターン発生器
147 推力指令演算部
151 加速度検出手段
153 ゲイン切替え手段
155 位相切替え手段
157 位相設定器
159 加算器
161 角加速度変換部

Claims (29)

  1. 駆動対象を駆動する駆動力発生手段と、
    前記駆動力発生手段の駆動力で回転する回転体と、
    前記駆動力発生手段が発生すべき推力もしくはトルクを指令する駆動力指令手段と、
    前記回転体の回転運動を検出する回転検出手段と、
    前記回転検出手段の出力に基づき前記回転体の回転角を出力する回転角変換部と、前記回転角変換部から出力された前記回転角の一次関数で表現される角度の正弦値または余弦値を演算する三角関数演算部と、前記三角関数演算部の出力に所定のゲインを乗じるゲイン調整部と、を含む回転演算手段と、
    前記回転演算手段の演算結果に基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正する駆動力指令補正手段と、
    を備えた振動調整装置。
  2. 前記回転演算手段が、更に、前記回転角変換部の出力の一次関数切片としての所定の調整位相値を出力する位相調整部を含み、前記回転角の一次関数として表現される角度は、前記回転角に前記調整位相値を加えて得られる角度であり、前記三角関数演算部は、前記回転角に前記調整位相値を加えて得られる角度の正弦値または余弦値を演算することを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  3. 前記回転演算手段が、更に、前記回転検出手段の出力に基づき前記回転体の角速度を出力する角速度変換部と、前記三角関数演算部もしくは前記ゲイン調整部の出力に前記角速度変換部から出力された角速度の2乗を乗じる角速度乗算部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  4. 前記回転演算手段が、更に、前記回転検出手段の出力に基づき前記回転体の角加速度を出力する角加速度変換部と、前記三角関数演算部もしくは前記ゲイン調整部の出力に前記角加速度変換部の出力を乗じる角加速度乗算部と、を含むことを特徴とする、請求項3に記載の振動調整装置。
  5. 前記駆動力指令補正手段が、前記駆動力指令手段の出力と前記ゲイン調整部の出力の和を演算する加算器を有することを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  6. 前記駆動力指令補正手段が、前記駆動力指令手段の出力と前記角速度乗算部の出力の和を演算する加算器を有することを特徴とする、請求項3に記載の振動調整装置。
  7. 前記駆動力指令補正手段が、前記角加速度乗算部出力と前記角速度乗算部の出力の和を演算する加算器を有することを特徴とする、請求項4に記載の振動調整装置。
  8. 前記駆動力指令補正手段が、前記駆動力指令手段の出力と前記角速度乗算部の出力と前記ゲイン調整部の出力の和を演算する加算器を有することを特徴とする、請求項3に記載の振動調整装置。
  9. 前記駆動力指令補正手段が、前記駆動力指令手段出力と前記角加速度乗算部出力と前記角速度乗算部の出力と前記ゲイン調整部の出力の和を演算する加算器を有することを特徴とする、請求項4に記載の振動調整装置。
  10. 前記回転演算手段が、前記回転角をθ、前記ゲイン調整部のゲインをG、前記位相調整部の調整位相値をψ、とした場合に、以下の式で得られる前記回転体の偏心補償量FCDを算出し、
    Figure 0004146141
    前記駆動力指令補正手段は、前記偏心補償量FCDに基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正することを特徴とする、請求項2に記載の振動調整装置。
  11. 前記回転演算手段が、前記回転角変換部の出力の一次関数切片としての所定の調整位相値を出力する位相調整部を含み、
    前記回転演算手段が、前記回転角をθ、前記角速度をω、前記ゲイン調整部のゲインをG、前記位相調整部の調整位相値をψ、とした場合に、以下の式で得られる前記回転体の動的アンバランス補償量FUBを算出し、
    Figure 0004146141
    前記駆動力指令補正手段は、前記動的アンバランス補償量 UB に基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正することを特徴とする、請求項3に記載の振動調整装置。
  12. 前記回転演算手段が、前記回転角変換部の出力の一次関数切片としての所定の調整位相値を出力する位相調整部を含み、
    前記回転演算手段が、前記回転角をθ、前記角速度をω、前記角加速度をα、前記ゲイン調整部のゲインをG、前記位相調整部の調整位相値をψとした場合に、以下の式で得られる前記回転体の偏心力アンバランス補償量FCFを算出し、
    Figure 0004146141
    前記駆動力指令補正手段は、前記偏心力アンバランス補償量FCFに基づいて前記駆動力指令手段の出力を補正することを特徴とする、請求項4に記載の振動調整装置。
  13. 前記回転演算手段が、前記駆動対象の運転状態に応じて前記ゲイン調整部のゲインを複数個の所定値を切替えて設定するゲイン切替え手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  14. 前記回転演算手段が、前記駆動対象の運転状態に応じて前記位相調整部の位相を複数個の所定値を切替えて設定する位相切替え手段を有することを特徴とする、請求項2に記載の振動調整装置。
  15. 前記回転演算手段が、前記回転体の回転方向に応じて前記位相調整部の位相を設定する位相設定器を有することを特徴とする、請求項2に記載の振動調整装置。
  16. 前記回転角変換部が、前記角速度変換部の出力を積分する積分器を有することを特徴とする、請求項3に記載の振動調整装置。
  17. 前記駆動対象の駆動方向の振動を検出する振動検出手段を更に備えたことを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  18. 前記振動検出手段が、駆動対象の加速度を検出する加速度検出手段を有することを特徴とする、請求項17に記載の振動調整装置。
  19. 前記回転検出手段がレゾルバを有することを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  20. 前記回転検出手段が発電機を有することを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  21. 前記回転検出手段がエンコーダを有することを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  22. 前記回転体が、電動機の回転子であることを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  23. 前記回転体が、エレベータシステムのメインシーブであることを特徴とする、請求項1記載の振動調整装置。
  24. 前記回転体が、エレベータシステムのコンペンシーブであることを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  25. 前記駆動対象が、エレベータシステムの乗りかごであることを特徴とする、請求項1に記載の振動調整装置。
  26. 駆動対象を駆動する駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段の駆動力で回転する回転体と、前記駆動力発生手段が発生すべき推力もしくはトルクを指令する駆動力指令手段と、を備えたシステムにおいて、前記駆動力指令手段の指令出力を所定の補償値を用いて補正することにより前記駆動対象に発生する振動を調整する方法であって、
    前記回転体の回転角を求めるステップを含む回転検出工程と、
    前記回転角の一次関数として表現できる角度の正弦値または余弦値と所定のゲインとの積を求めるステップを含み、前記積に基づいて前記補償値を演算する演算工程と、
    前記駆動対象に発生している所定の振動成分の振幅が最小となるような前記ゲインを決定するステップを含む決定工程と、
    を備えた振動調整方法。
  27. 前記演算工程において、前記回転角の一次関数として表現できる角度として、前記回転角に所定の調整位相値を加えて得られる角度が用いられ、
    前記決定工程は、更に、前記駆動対象に発生している所定の振動成分の振幅が最小となるような前記調整位相値を決定するステップを含んでいることを特徴とする、請求項26に記載の振動調整方法。
  28. 前記回転検出工程は、前記回転体の角速度を求めるステップを更に含み、
    前記演算工程において、前記正弦値または余弦値および前記ゲインの前記積と、前記回転体の角速度と、の積に基づいて前記補償値が演算されることを特徴とする、請求項26に記載の振動調整方法。
  29. 前記回転検出工程は、前記回転体の角加速度を求めるステップを更に含み、
    前記演算工程において、前記正弦値または余弦値および前記ゲインの前記積と、前記回転体の角加速度と、の積に基づいて前記補償値が演算されることを特徴とする、請求項26に記載の振動調整方法。
JP2002066997A 2002-03-12 2002-03-12 振動調整装置および振動調整方法 Expired - Lifetime JP4146141B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066997A JP4146141B2 (ja) 2002-03-12 2002-03-12 振動調整装置および振動調整方法
PCT/JP2003/002931 WO2003076823A1 (fr) 2002-03-12 2003-03-12 Dispositif et procede de reglage d'oscillateur
US10/506,239 US7164251B2 (en) 2002-03-12 2003-03-12 Oscillation adjuster and oscillation adjusting method
TW092105529A TW587134B (en) 2002-03-12 2003-03-12 Vibration controller and vibration control method
CNB03805762XA CN100383429C (zh) 2002-03-12 2003-03-12 振动调整装置和振动调整方法
EP03710325A EP1484529A4 (en) 2002-03-12 2003-03-12 VIBRATION REGULATOR AND VIBRATION REGULATION METHOD
KR1020047013914A KR100636260B1 (ko) 2002-03-12 2003-03-12 진동 조정 장치 및 진동 조정 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066997A JP4146141B2 (ja) 2002-03-12 2002-03-12 振動調整装置および振動調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003269528A JP2003269528A (ja) 2003-09-25
JP4146141B2 true JP4146141B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=27800265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002066997A Expired - Lifetime JP4146141B2 (ja) 2002-03-12 2002-03-12 振動調整装置および振動調整方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7164251B2 (ja)
EP (1) EP1484529A4 (ja)
JP (1) JP4146141B2 (ja)
KR (1) KR100636260B1 (ja)
CN (1) CN100383429C (ja)
TW (1) TW587134B (ja)
WO (1) WO2003076823A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE602004003117T2 (de) * 2003-12-22 2007-05-10 Inventio Ag, Hergiswil Steuerungseinheit für die aktive Schwingungsdämpfung der Vibrationen einer Aufzugskabine
US8141685B2 (en) * 2006-12-13 2012-03-27 Mitsubishi Electric Corporation Elevator apparatus having vibration damping control
CN101230887B (zh) * 2007-01-24 2012-07-04 上海乐金广电电子有限公司 云台电机的震动补偿方法
US7863850B2 (en) * 2007-05-11 2011-01-04 GM Global Technology Operations LLC Apparatus, system, and method for simulating outputs of a resolver to test motor-resolver systems
JP5484949B2 (ja) * 2010-02-23 2014-05-07 山洋電気株式会社 モータの制御方法及び装置
CN102294443A (zh) * 2010-06-25 2011-12-28 鞍钢股份有限公司 四偏心结晶器振动机构四表相位调整法
KR101461349B1 (ko) * 2010-09-06 2014-11-13 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 엘리베이터의 제어 장치
WO2012074508A1 (en) 2010-11-30 2012-06-07 Otis Elevator Company Method and system for active noise or vibration control of systems
TWI409207B (zh) 2010-12-01 2013-09-21 Metal Ind Res & Dev Ct 定張力捲繞裝置及其調控模組
CN102259781A (zh) * 2011-07-19 2011-11-30 上海贝思特电气有限公司 电梯无称重装置力矩补偿方法
US9421657B2 (en) * 2011-09-14 2016-08-23 Jtekt Corporation Machining control apparatus and machining control method thereof
US9475674B2 (en) * 2013-07-02 2016-10-25 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. Controlling sway of elevator rope using movement of elevator car
US9809341B2 (en) 2013-10-24 2017-11-07 Sealed Air Corporation (Us) Counterbalanced servo end seal carriages
TWI511439B (zh) * 2014-02-21 2015-12-01 Ind Tech Res Inst 一種發電機裝置及自體振動抑制方法
CN103868648B (zh) * 2014-04-01 2016-06-01 哈尔滨工业大学 三轴气浮仿真实验平台的质心测量方法
WO2016039020A1 (ja) * 2014-09-10 2016-03-17 三菱電機株式会社 振動モード測定装置
JP6203334B1 (ja) * 2016-06-06 2017-09-27 東芝エレベータ株式会社 エレベータのアクティブ制振装置
JP6305603B1 (ja) * 2017-05-08 2018-04-04 三菱電機株式会社 回転電機の制御装置
KR102284718B1 (ko) 2017-05-31 2021-07-30 엘지디스플레이 주식회사 디스플레이 장치
CN108181944A (zh) * 2018-01-18 2018-06-19 广东电网有限责任公司电力科学研究院 一种发电机绕组端部振动控制方法及系统
JP6683749B2 (ja) * 2018-03-14 2020-04-22 ファナック株式会社 補正量取得装置、送り機構制御装置、補正量取得方法および送り機構の制御方法
CN108398969B (zh) * 2018-05-02 2023-05-12 吉林大学 电机驱动磁流变液转子力感反馈装置及其使用方法
CN109654157B (zh) * 2018-12-19 2023-11-10 上海齐耀动力技术有限公司 一种外置式动平衡装置及系统
KR20220051253A (ko) * 2019-09-30 2022-04-26 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 빌딩 설비의 진동 측정 장치 및 관리 시스템
CN114261860A (zh) * 2021-12-30 2022-04-01 日立电梯(中国)有限公司 一种电梯轿厢振动主动抑制方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3876918A (en) * 1972-08-14 1975-04-08 Hitachi Ltd Electric motor controlling system
JPS54113148A (en) * 1978-02-24 1979-09-04 Mitsubishi Electric Corp Elevator speed controlling system
JPS54162356A (en) * 1978-06-14 1979-12-22 Mitsubishi Electric Corp Controller for elevator
JPS58193872A (ja) * 1982-04-30 1983-11-11 三菱電機株式会社 交流エレベ−タの制御装置
JPS60107069U (ja) * 1983-12-26 1985-07-20 株式会社日立製作所 エレベ−タ用巻上機
JPS60183989A (ja) * 1984-02-29 1985-09-19 Mitsubishi Electric Corp エレベ−タ制御装置
JP2533683B2 (ja) * 1990-10-16 1996-09-11 三菱電機株式会社 油圧エレベ―タの制御装置
KR950006389B1 (ko) * 1992-05-13 1995-06-14 Lg산전주식회사 엘리베이터의 진동제어방법
JP2951801B2 (ja) * 1992-07-27 1999-09-20 シャープ株式会社 モータ回転速度制御回路
JPH07129251A (ja) 1993-10-29 1995-05-19 Yaskawa Electric Corp 防振制御方法
KR0186121B1 (ko) * 1995-11-23 1999-04-15 이종수 엘리베이터의 진동보상을 위한 속도 제어장치
JPH1053378A (ja) * 1996-06-07 1998-02-24 Otis Elevator Co エレベータの速度制御回路
US5929400A (en) * 1997-12-22 1999-07-27 Otis Elevator Company Self commissioning controller for field-oriented elevator motor/drive system
US5880415A (en) * 1997-12-22 1999-03-09 Otis Elevator Company Automatic calibration of current regulator control compensation for an elevator motor drive with locked rotor
JP4013174B2 (ja) 1998-03-13 2007-11-28 株式会社安川電機 モータトルクリップル測定装置
JPH11299277A (ja) 1998-04-14 1999-10-29 Yaskawa Electric Corp モータトルク補正装置と該装置を備えたモータ駆動装置
JP2001139266A (ja) * 1999-11-15 2001-05-22 Toshiba Corp ロープ式エレベータの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20050082993A1 (en) 2005-04-21
KR100636260B1 (ko) 2006-10-19
TW587134B (en) 2004-05-11
US7164251B2 (en) 2007-01-16
TW200402514A (en) 2004-02-16
EP1484529A4 (en) 2005-05-18
CN100383429C (zh) 2008-04-23
CN1643268A (zh) 2005-07-20
JP2003269528A (ja) 2003-09-25
EP1484529A1 (en) 2004-12-08
WO2003076823A1 (fr) 2003-09-18
KR20040091107A (ko) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4146141B2 (ja) 振動調整装置および振動調整方法
US7357041B2 (en) Rotation detection device
KR100628613B1 (ko) 엘리베이터 제어 장치
JP6157227B2 (ja) エレベータ装置
JP2004075235A (ja) エレベータかごのバランス補正装置
KR0186121B1 (ko) 엘리베이터의 진동보상을 위한 속도 제어장치
JP3540300B2 (ja) 回転検出装置
JP5327836B2 (ja) エレベータの制御装置
JP2002193566A (ja) エレベータ装置
JP2009113979A (ja) エレベータの制御装置
JPH06321440A (ja) エレベーターの制御装置
JPH0725553A (ja) エレベータの制御システム
JP2005051865A (ja) エレベータのモータ駆動制御装置
JP4122761B2 (ja) エレベーター装置
KR101254941B1 (ko) 전동기 회전축 속도 맥동 보상을 통한 엘리베이터의 종진동 저감 방법
JP3359658B2 (ja) エレベータ制御装置
JP5285583B2 (ja) エレベータ乗りかご用縦振動抑制装置
JP3112050B2 (ja) エレベーターの振動抑制装置
JPH07257831A (ja) エレベーターの振動抑制制御装置
JP2534933B2 (ja) エレベ―タの駆動装置
JP2004345747A (ja) エレベータの制御装置及びその制御装置を用いたエレベータ
JP2003089037A (ja) 加工装置
JP2000053335A (ja) エレベータの駆動制御装置
JP2004075219A (ja) エレベータ装置
JP2004090211A (ja) アクティブマスダンパ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080530

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4146141

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term