JP4013174B2 - モータトルクリップル測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの角度に依存して発生するトルクリップルを測定するモータトルクリップル測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルクリップルを測定する従来技術としては、モータを他の回転装置により低速の一定速度で回転させ、その際のモータ軸にかかるトルクを測定する方法がある(たとえば、特開平5−149803号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
モータが固定子と回転子との相対角度に依存して発生するトルクリップルとしては、コギングトルクのようにモータの発生トルクの大きさによらず固定値であるものと、発生トルクに比例して増大するものとがある。
しかし、従来技術では、コギングトルクしか測定できず、また、クーロン摩擦や粘性摩擦の影響を受けて誤差が生じてしまうという問題があった。また、非常に低速でしか測定できないため測定に時間が掛かるという問題があった。
そこで本発明は、モータが発生する角度に依存したトルクリップルデータを、モータの発生トルクに依存しないものと比例して増大するものと別個に、摩擦等の影響を受けずに測定するトルクリップル測定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明は、角度検出器を備えたモータのトルクリップル測定装置であり、
トルク指令、速度指令、あるいは、位置指令を制御入力として、モータが一定速度で回転するように制御入力の補正を繰返し、最終的に一定速度の駆動を実現する学習制御装置と、
前記学習制御装置によって実現された、定速回転時における1回転分のモータ角度(0 度≦θn <360 度, n=1,2,…,N)に対応したトルク指令データTr( θn)(n=1,2,…,N)を収集し、このトルク指令データよりトルクリップルデータを求め記憶する手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1に示して説明する。図中6は角度検出器7を備えたモータであり、一定トルクを発生するトルク発生器8が接続されている。トルク発生器8としては、様々なものが考えられるが、一定トルクを発生する他のモータを連結しても良いし、重りをつないで一定トルクを発生させても良い。
1はトルクリップル測定装置であり、モータ6を一定速度で駆動する学習制御装置2とトルクリップルデータを求める演算器3とトルクリップルデータを記憶するメモリ4と5から成る。学習制御装置2は、トルク指令、速度指令、あるいは、位置指令を制御入力として、モータ6が一定速度で回転するように制御入力の補正を繰返し、最終的に一定速度の駆動を実現する。学習制御方法としては多くのものがあるが、例えば、本出願人の出願である特開平6−324710「学習制御装置」の第3の発明を用いた場合について説明する。
モータを一定速度で回すために、時刻i ・ Tsにおける目標角度指令r(i) のサンプリング周期Ts間の増分値Δr(i) を一定値drとする。以下時刻i ・ Tsを便宜上時刻i と呼ぶ。この目標角度指令r(i) に対して、制御入力u(i) を次式(1a)で与える。
u(i) = u(i’) + σ(i) (1a)
ここで時刻i ’は1周期前の時刻であり、(i-i’)・ dr で1回転となる。σ(i) は1周期前の制御入力u(i’) からの補正量であり、次式(1b)で与える。
【0006】
【数1】
【0007】
ここで、eは目標角度指令とモータ角度との偏差であり、Δはそのサンプリング周期間の増分値を表す。 vm ,pn ,gn ,Eは、制御入力uからモータ角度の増分値までの離散時間伝達関数モデルにより定まる係数であり、Na, Nbはモデルの次数、M は未来偏差の予測区間である。
(1b)式によって、伝達関数モデルを用いて予測した未来偏差が最小となるように補正量が決定されるため、(1) 式の補正を続けると偏差は速やかに減少し、目標角度指令通りの、一定速度の回転が実現される。
学習が完了すると、実現された一定速度の回転時における、1回転分のモータ角度(0 度≦θn <360 度, n=1,2,…,N)に対応したトルク指令データTr( θn)(n=1,2,…,N)が学習制御装置2から演算器3へ出力される。
演算器3は学習制御装置2が条件を変えて学習した結果得られる複数のトルク指令データよりトルクリップルデータを
Tcg(θn) ={Tr+ ( θn) + Tr - ( θn)} / 2 (n=1,2, …,N)(2)
として求め、メモリ4に記憶し、さらに、
Trp(θn)= {Tr1(θn)-Tr2( θn)-(Td1-Td2)}/(Td1-Td2)(n=1,2, …,N)(3)
として求め、メモリ5に記憶する。
ここで、Tr+ ( θn)と Tr - ( θn)は、正回転指令Δr≡dr’および逆回転指令Δr≡ -dr’に対してそれぞれ学習した結果得られたトルク指令データであり、Tr1(θn)とTr2(θn)は、トルク発生器8により2種類の一定トルク-Td1および-Td2をそれぞれモータに加えた状態で、回転指令Δr≡dr”に対して学習した結果得られたトルク指令データである。
(2) 式と(3) 式について説明する。
まず、Tr+ ( θn)は正回転Δr≡dr’を実現するトルク指令であるから、次式
Tr + (θn)≒Tq+ ( θn)
≒{1+Trpl( θn)}・ {Tcog( θn) + Tclb + D ・ dr’/Ts } (4)
が成り立つと考えられる。ここで、Tq +はモータトルク、Trplはモータトルクに比例するトルクリップルの各角度における比例定数、Tcogはコギングトルク等のモータトルクに比例しないトルクリップル、Tclbはクーロン摩擦、D は粘性摩擦係数である。同様にして、逆回転の場合は次式
Tr - (θn)≒Tq - (θn)
≒{1+Trpl( θn)}・ {Tcog( θn) - Tclb - D ・ dr’/Ts } (5)
が成り立つと考えられる。したがって(4), (5)式より, (2) 式は、
Tcg(θn) ={Tr+ ( θn) + Tr - ( θn)} / 2
≒{1+Trpl( θn)}・ Tcog( θn)
≒Tcog( θn) (n=1,2, …,N)(6)
となり、モータトルクに比例しないトルクリップルが得られる。
次に、Tr1(θn)とTr2(θn)は、一定トルク-Td1および-Td2をそれぞれモータに加えた状態で、一定速回転Δr≡dr”を実現するトルク指令であるから
Tr1(θn)≒Tq1(θn)
≒{1+Trpl( θn)}・ {Tcog( θn) + Tclb + D ・ dr”/Ts + Td1 } (7)
Tr2(θn)≒Tq2
≒{1+Trpl( θn)}・ {Tcog( θn) + Tclb + D ・ dr”/Ts + Td2 } (8)
が成り立つと考えられる。ここで、Tq1, Tq2はモータトルクである。上式より、
Tr1(θn)-Tr2( θn)≒{1+Trpl( θn)}・(Td1-Td2) (9)
であるから、(3) 式は、
Trp(θn)= {Tr1(θn)-Tr2( θn)-(Td1-Td2)}/(Td1-Td2)
≒Trpl( θn) (n=1,2,…,N) (10)
となり、モータトルクに比例するトルクリップルの比例定数が得られる。
また、トルク指令が実際のトルクに反映するまでの時間dtm が無視できない場合は、一定速回転時の角速度 dθ/dt=dr/Ts とdtm との積(dθ/dt)・ dtm の分だけ前記トルクリップルデータTcg(θn)およびTrp(θn)を角度θn に対してシフトして、例えば(2) 式右辺で計算した値をTcg(θn)にではなくTcg(θn+(dθ/dt)・ dtm)に入れれば良い。
さらに、トルクセンサによってモータ軸に掛かるトルクの測定データが得られる場合は、前記トルク指令データに代えて、トルク測定データを用いてもよい。
なお、本発明は「回転」を「移動」、「角度」を「相対位置」、「回転子を移動子」、「1回転分のモータ角度」を「固定子と移動子の相対位置」等に置き換えればリニアモータにも適用可能であることはいうまでもない。
【0008】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、モータが発生する角度に依存したトルクリップルデータを、モータの発生トルクに依存しないものと比例して増大するものと別個に、摩擦等の影響を受けずに測定できるため、測定精度の高いトルクリップル測定装置が実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具体的実施例を示す図
【符号の説明】
1 トルクリップル測定装置
2 学習制御装置
3 演算器
4、5 1回転分のトルクリップルデータを記憶するメモリ
6 モータ
7 角度検出器
8 トルク発生器
Claims (5)
- 角度検出器を備えたモータのトルクリップル測定装置であり、
トルク指令、速度指令、あるいは、位置指令を制御入力として、モータが一定速度で回転するように制御入力の補正を繰返し、最終的に一定速度の駆動を実現する学習制御装置と、
前記学習制御装置によって実現された定速回転時における、1回転分のモータ角度(0 度≦θn <360 度, n=1,2,…,N)に対応したトルク指令データTr( θn)(n=1,2,…,N)を収集し、このトルク指令データよりトルクリップルデータを求め記憶する手段とを備えたことを特徴とするモータトルクリップル測定装置。 - 前記学習制御装置によりモータを一定速度で正転および逆転駆動させ、その際に収集した2種類のトルク指令データTr+ ( θn)とTr- ( θn)とを用いて
Tcg(θn) ={Tr+ ( θn) + Tr - ( θn)} / 2 (n=1,2, …,N)
によりトルクリップルデータを求め記憶する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータトルクリップル測定装置。 - 2種類の一定トルク-Td1, -Td2をそれぞれモータに加えた状態で、前記学習制御装置によりモータを一定速度で駆動させ、その際に収集した2種類のトルク指令データTr1(θn)とTr2(θn)とを用いて
Trp(θn)= {Tr1(θn)-Tr2( θn)-(Td1-Td2)}/(Td1-Td2) (n=1,2,…,N)
によりトルクリップルデータを求め記憶する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータトルクリップル測定装置。 - 一定速時の角速度 dθ/dt と、トルク指令が実際のトルクに反映するまでの時間dtm との積(dθ/dt)・ dtm の分だけ前記トルクリップルデータを角度θn に対してシフトする手段を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のモータトルクリップル測定装置。
- 前記トルク指令データに代えて、トルクセンサによって測定したトルク測定データを用いることを特徴とする請求項2又は3記載のモータトルクリップル測定装置。
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