JP2001139266A - ロープ式エレベータの制御装置 - Google Patents

ロープ式エレベータの制御装置

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JP2001139266A
JP2001139266A JP32457799A JP32457799A JP2001139266A JP 2001139266 A JP2001139266 A JP 2001139266A JP 32457799 A JP32457799 A JP 32457799A JP 32457799 A JP32457799 A JP 32457799A JP 2001139266 A JP2001139266 A JP 2001139266A
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cage
rope
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control
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Yoichi Sekimoto
陽一 関本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、巻上機のシーブに偏芯又はダイナ
ミックバランス不均衡が生じていても、シーブを機械的
に交換することなく、より早く、安全且つ正確に籠内振
動を抑制することを目的とする。 【解決手段】 巻上機2に取付けられたシーブに偏芯又
はダイナミックバランス不均衡が生じていたとき発生す
る乗り籠1の振動を、その振動検出値を基に抑制する振
動抑制手段を持つことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロープ式エレベー
タの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のロープ式エレベータにおいて、巻
上機に取付けられたシーブ(ロープ車)については、製
造精度を管理することにより製造が行われている。しか
し、高精度を要求するとコストが余計にかかるために、
エレベータ速度と偏芯量から、乗り籠内振動(以下、単
に籠内振動等と言う)の発生量により精度基準が作成さ
れている。シーブの偏芯及びダイナミックバランスの不
均衡の影響は、特にエレベータが定常走行している時
に、定周期で籠内振動として現れ、かつ振動周波数が低
いために乗り心地にふわふわ感を与える。ここで、ダイ
ナミックバランスとは、シーブ製造時に発生するロープ
における質量バランスを指す。ダイナミックバランスに
不均衡が生じていると、シーブが回転することにより回
転ムラとなり、偏芯と同様の現象を生じる。一般的には
エレベータ速度が速くなるにしたがい、籠内振動も大き
くなる傾向となる。現状の対策としては、より偏芯精度
の向上又はダイナミックバランスが均衡しているシーブ
に交換することが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロープ式エレベータに
おいて、前述のようにシーブの偏芯又はダイナミックバ
ランス不均衡の影響による籠内振動が発生した場合に
は、シーブ交換が行われているが、このためにはシーブ
の再製作及び交換作業が必要であり、非常に時間及び負
荷が大きいものとなる。また、交換作業時にはエレベー
タが停止するために納入先の客先にも迷惑をかけること
になるという問題点があった。
【0004】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
巻上機のシーブに偏芯又はダイナミックバランス不均衡
が生じていても、シーブを機械的に交換することなく、
より早く、安全且つ正確に籠内振動を抑制することがで
きるロープ式エレベータの制御装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、乗り籠及びカウンタウエイ
トをロープを介してつるべ式に懸垂した巻上機を可変速
制御するインバータ装置と、前記乗り籠を所定の速度パ
ターンで昇降させる速度指令値を生成し前記インバータ
装置へ出力する速度制御装置とを備えたロープ式エレベ
ータの制御装置において、前記巻上機に取付けられたシ
ーブに偏芯又はダイナミックバランス不均衡が生じてい
たとき発生する前記乗り籠の振動に対し、この振動の検
出値を基に当該振動を抑制する振動抑制手段を有するこ
とを要旨とする。この構成により、巻上機のシーブに偏
芯又はダイナミックバランス不均衡が生じていても、振
動検出値を基に制御的に補正を行うことで、籠振動が、
より早く抑制される。
【0006】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
のロープ式エレベータの制御装置において、前記振動抑
制手段は、前記振動検出値を振動周波数に変換し、この
振動周波数から目標周波数を決定し、この目標周波数か
ら前記乗り籠の振動を抑制するための制御パラメータを
演算し、この制御パラメータにより振動抑制制御を行う
ものであることを要旨とする。この構成により、乗り籠
の振動周波数は、シーブの偏芯量、ダイナミックバラン
ス不均衡の度合い、乗り籠の速度で変化する。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項2記載のロ
ープ式エレベータの制御装置において、前記振動抑制手
段は、前記目標周波数から演算して求めた制御パラメー
タにより前記巻上機を駆動する電動機のトルク指令を補
正することを要旨とする。この構成により、振動抑制手
段は、具体的にはノッチフィルタの機能を有し、振動周
波数を反映させた制御パラメータにより電動機のトルク
指令を補正することで、籠振動が、より早く、且つ正確
に抑制される。
【0008】請求項4記載の発明は、上記請求項2記載
のロープ式エレベータの制御装置において、前記振動周
波数は、前記乗り籠に取付けられた荷重検出器の出力か
ら演算することを要旨とする。この構成により、荷重検
出器の出力は、加速度検出器の出力と同等の振動信号と
なる。荷重検出器の出力を用いることで、乗り籠の振動
周波数が容易、且つ正確に求められる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図3に基づいて説明する。まず、図1を用いて、本
実施の形態の制御装置を含むロープ式エレベータのシス
テム構成から説明する。乗り籠1及びカウンタウエイト
3が巻上機2にロープ4を介してつるべ式に懸垂されて
いる。巻上機2にはシーブが取付けられるとともに駆動
用の電動機が装備されている。巻上機2には速度検出器
5が取付けられている。また、乗り籠1には、パルス検
出器からなる籠速度検出器6、荷重検出器7及び籠加速
度を検出する加速度検出器8が取付けられている。9は
減速スイッチ、10は停止スイッチである。各検出器
6,7,8の検出出力及び各スイッチ9,10のスイッ
チ出力はエレベータ制御装置11に入力されている。エ
レベータ制御装置11は、乗り籠1を所定の速度パター
ンで昇降させる速度指令値を生成してインバータ装置1
2へ出力する。インバータ装置12は、この速度指令を
受けて巻上機2、即ち巻上機2における電動機を可変速
制御するようになっている。エレベータ制御装置11に
は次に述べる速度制御部及び乗り籠1の振動を抑制する
振動抑制手段としてのノッチフィルタが内蔵されてい
る。13は電源である。
【0010】次に、図2を用いて、エレベータ制御装置
11における速度制御部及びノッチフィルタからなる振
動抑制手段の構成・作用を説明する。ノッチフィルタ
は、或る周波数帯域、即ち、本実施の形態ではシーブの
偏芯又はダイナミックバランス不均衡が生じているとき
の振動周波数でのゲインを下げることにより、籠内振動
を抑制する機能を持っている。図2のノッチフィルタは
基本的な構成を示している。図2において、14は速度
指令の入力端子、15は籠速度検出器6からの籠速度入
力端子、16は速度制御部、17は制御パラメータ演算
処理部であり、制御パラメータ演算処理部17は周期的
振動周波数から目標周波数を決定し、この目標周波数か
ら籠内振動を抑制するための制御パラメータG0 ・GU
(s)を演算する。G0 はゲイン、GU(s)は状態変
数である。18は制御対象であり、本実施の形態では巻
上機2の電動機が、これに相当する。
【0011】ノッチフィルタは、次の演算式により、電
動機のトルク指令Tm (t)を補正する。
【0012】
【数1】 Tm (t)=Tm ′(t)−G0 ・GU(s)・Tm (t) …(1) 即ち、振動抑制手段は、速度指令と籠速度より速度制御
部16で電動機を回転させるためにトルク指令Tm
(t)を演算する。このトルク指令に対し、制御パラメ
ータ演算処理部17で演算した制御パラメータG0 ・G
U(s)により補正をかける。シーブの偏芯又はダイナ
ミックバランス不均衡が生じている場合には、トルク指
令Tm (t)に振動成分が含まれるために扱いやすく乗
り籠1が加振されている状態も読み取ることが可能であ
る。ここで、シーブの偏芯量又はダイナミックバランス
不均衡の度合い、籠速度等により、籠内振動の周期的振
動周波数は変化する。このため、制御パラメータ演算処
理部17で補正を行う目標周波数が変化する。そこで、
振動周波数が変化した場合には、制御パラメータG0
GU(s)を変更させる必要があるため、外部検出装置
である籠速度検出器6等からの検出信号入力により、そ
の都度、振動周波数を求め、制御パラメータG0・GU
(s)に自動反映させている。これにより、常に、最適
な制御パラメータG0 ・GU(s)で籠内振動を抑制す
ることができるようになっている。
【0013】次いで、図3のフローチャートを用いて、
外部検出装置からの入力により振動周波数を求める方法
及び制御パラメータ演算処理部17での制御パラメータ
演算処理方法を説明する。振動周波数を求めるための外
部検出装置としては、籠速度検出器6、荷重検出器
7、加速度検出器8の何れをも用いることができる。
【0014】籠速度検出器6を用いる場合。
【0015】乗り籠1に取付けられた籠速度検出器6
(パルス検出器)からの入力により、籠速度を演算する
(ステップ101,102)。演算方法としては、単位
時間当たりのパルスの変化量を演算することにより籠速
度を求める(ステップ101,102)。求められた籠
速度に微分演算を施して籠加速度(振動)を求める(ス
テップ103)。籠加速度より、周波数分析を実施する
ことで周期的振動周波数を求める。特に、乗り籠1が定
常走行しているときに、目標とする振動周波数を求める
ようにする(ステップ104)。制御パラメータ演算処
理部17において、周期的振動周波数を目標周波数とし
て、補正に使用する制御パラメータG0 ・GU(s)を
演算する(ステップ105)。演算された制御パラメー
タG0 ・GU(s)を運転毎に前記補正式(1)内のデ
ータとして自動入力を行い、電動機のトルク指令T
m (t)を補正する(ステップ106)。
【0016】荷重検出器7を用いる場合。
【0017】荷重検出器7で検出された信号は、基本的
には、籠加速度とゲインは異なるが同等の信号となる。
このため、ゲインの補正を行うことで、籠加速度(振
動)が求められる(ステップ107,108)。籠加速
度が求められた以降は、上記ステップ104につなが
る。
【0018】加速度検出器8を用いる場合。
【0019】加速度検出器8からは、直接籠内振動が信
号となり検出される(ステップ109)。このため、ス
テップ109から、そのまま、上記ステップ104につ
ながる。
【0020】以上により、常に目標とする振動周波数を
求めることで、ノッチフィルタに対し、最適な制御パラ
メータG0 ・GU(s)を与えることにより、常に制御
性能を最大限に引き出すことができる。外部検出装置か
らの入力により、目標周波数を求め、制御パラメータの
自動設定までの演算タイミングとしては、調整、保守時
の性能確認又は常時処理を行えるようにできるものと
し、双方は切替え可能とし、選択できるようにする。
【0021】上述したように、本実施の形態によれば、
巻上機のシーブに偏芯又はダイナミックバランスの不均
衡が発生していてもシーブを交換することなく、振動の
目標周波数を演算して制御パラメータを自動設定するこ
とにより、制御的に補正をかけることで、籠内振動を抑
制することができる。また、シーブの偏芯又はダイナミ
ックバランスについて精度を高める必要性がないのでシ
ーブ製作におけるコストを抑えることができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、巻上機に取付けられたシーブに偏芯又はダ
イナミックバランス不均衡が生じていたとき発生する乗
り籠の振動に対し、この振動の検出値を基に当該振動を
抑制する振動抑制手段を具備させたため、巻上機のシー
ブに偏芯又はダイナミックバランス不均衡が生じていて
も、シーブを機械的に交換することなく、振動検出値を
基に制御的に補正を行うことで、籠振動を、より早く安
全に抑制することができる。
【0023】請求項2記載の発明によれば、前記振動抑
制手段は、前記振動検出値を振動周波数に変換し、この
振動周波数から目標周波数を決定し、この目標周波数か
ら前記乗り籠の振動を抑制するための制御パラメータを
演算し、この制御パラメータにより振動抑制制御を行う
ようにしたため、乗り籠の振動周波数は、シーブの偏芯
量、ダイナミックバランス不均衡の度合い、乗り籠の速
度で変化するが、籠振動を正確に抑制することができ
る。
【0024】請求項3記載の発明によれば、前記振動抑
制手段は、前記目標周波数から演算して求めた制御パラ
メータにより前記巻上機を駆動する電動機のトルク指令
を補正するようにしたため、籠振動を、より早く、且つ
正確に抑制することができる。
【0025】請求項4記載の発明によれば、前記振動周
波数は、前記乗り籠に取付けられた荷重検出器の出力か
ら演算するようにしたため、振動周波数の演算に荷重検
出器の出力を用いることで、乗り籠の振動周波数を容
易、且つ正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるロープ式エレベータ
の制御装置のシステム構成図である。
【図2】上記実施の形態における振動抑制手段のブロッ
ク図である。
【図3】上記実施の形態において外部入力から振動周波
数及び制御パラメータを演算するためのフローチャート
である。
【符号の説明】
1 乗り籠 2 巻上機 3 カウンタウエイト 4 ロープ 6 籠速度検出器 7 荷重検出器 8 加速度検出器 11 振動抑制手段を内蔵するエレベータ制御装置 12 インバータ装置 16 速度制御部 17 制御パラメータ演算処理部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗り籠及びカウンタウエイトをロープを
    介してつるべ式に懸垂した巻上機を可変速制御するイン
    バータ装置と、前記乗り籠を所定の速度パターンで昇降
    させる速度指令値を生成し前記インバータ装置へ出力す
    る速度制御装置とを備えたロープ式エレベータの制御装
    置において、前記巻上機に取付けられたシーブに偏芯又
    はダイナミックバランス不均衡が生じていたとき発生す
    る前記乗り籠の振動に対し、この振動の検出値を基に当
    該振動を抑制する振動抑制手段を有することを特徴とす
    るロープ式エレベータの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記振動抑制手段は、前記振動検出値を
    振動周波数に変換し、この振動周波数から目標周波数を
    決定し、この目標周波数から前記乗り籠の振動を抑制す
    るための制御パラメータを演算し、この制御パラメータ
    により振動抑制制御を行うものであることを特徴とする
    請求項1記載のロープ式エレベータの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記振動抑制手段は、前記目標周波数か
    ら演算して求めた制御パラメータにより前記巻上機を駆
    動する電動機のトルク指令を補正することを特徴とする
    請求項2記載のロープ式エレベータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記振動周波数は、前記乗り籠に取付け
    られた荷重検出器の出力から演算することを特徴とする
    請求項2記載のロープ式エレベータの制御装置。
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