JP2000053335A - エレベータの駆動制御装置 - Google Patents

エレベータの駆動制御装置

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JP2000053335A
JP2000053335A JP10220280A JP22028098A JP2000053335A JP 2000053335 A JP2000053335 A JP 2000053335A JP 10220280 A JP10220280 A JP 10220280A JP 22028098 A JP22028098 A JP 22028098A JP 2000053335 A JP2000053335 A JP 2000053335A
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torque
motor
elevator
vibration
load
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JP10220280A
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Akihiro Omiya
昭弘 大宮
Nobuyoshi Muto
信義 武藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータ駆動用の誘導電動機を、最高の効
率で速度制御しつつ、乗りかごの上下振動を抑制する駆
動制御装置を提供する。 【解決手段】 速度指令と実速度の偏差から得られるト
ルク指令に対し、誘導電動機に流れる電流から求めた電
動機トルク推定値を負帰還し、この推定値と実速度とか
ら求めた負荷トルク振動成分と、エレベータ機械系の振
動逆伝達特性とから生成する振動抑制信号を、起動時等
の速度モードに応じて調整し、トルク指令値へ注入する
トルク制御系を構成する。その出力に基づき、誘導電動
機が最高効率を呈するトルク電流成分と励磁電流成分と
の比に応じてトルク電流と励磁電流とを夫々制御する。
これにより、乗員数が常に変動し、振動的な機械系を持
ち、電動機の負荷トルクが変動し、電動機のトルク脈動
や機械共振等の振動成分を含む駆動系に対して、特に省
エネルギー効果が大きく、振動抑制効果も発揮する。負
荷状態に拘らず電動機速度が速度指令に追従し振動を抑
制するように電動機の瞬時トルクが発せられるので、乗
り心地も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレベータの駆動制
御装置に係り、特に、高効率を維持しかつ乗りかご上下
振動を抑制するのに好適なエレベータの駆動用交流電動
機の制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータの駆動系における効率を改善
するため、特開昭59‐149283号公報には、エレ
ベータの速度指令と実速度の偏差が所定の範囲内にある
とき、すべり角周波数を所定の値に固定することが開示
されている。
【0003】また、交流電動機に関しては、負荷トルク
変動に対する速度制御性能向上のために、特開昭60‐
125187号公報に、電動機速度検出値と電動機トル
ク指令値から電動機の負荷トルクを推定し、これをトル
ク指令に加算してトルク脈動を低減させる制御系を設け
ることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、エレベータで
は、絶えず乗りかご内搭乗人数が変化するため、駆動電
動機に加わる負荷が常時変化する。この結果、電動機に
発生させるべきトルクも負荷に応じて変化すると同時
に、速度が速度指令に追従するようなトルクを発生しな
ければならない。上記特開昭59‐149283号公報
に記載の技術では、電動機に加わる負荷の如何によらず
効率を高く維持することができなかった。
【0005】一方、上記特開昭60‐125187号公
報に記載の技術では、エレベータのように、常時変化し
て振動的となりやすい機械系の負荷については考慮され
ておらず、高効率化については全く述べられていない。
【0006】本発明の目的は、電動機に加わる負荷がど
のように変化しても、すなわち、過渡状態も含めて高い
効率を維持しつつ、乗りかごの上下振動を抑制できるエ
レベータの駆動制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、可変電圧可変
周波数交流を出力する電力変換器と、この電力変換器か
ら給電され、可変速駆動される交流電動機と、この電動
機で昇降駆動される乗りかごと、エレベータの速度指令
を発生する手段と、この速度指令に前記交流電動機の速
度が追従するようにトルク指令を発生する速度制御手段
とを備えたエレベータにおいて、前記交流電動機の電流
検出手段と、この電流検出値から前記誘導電動機の発生
トルクまたは相当値を推定する手段と、前記トルク指令
と前記トルク推定値とが一致するように構成したトルク
制御手段と、このトルク制御手段の出力に基づいて前記
電動機電流のトルク電流成分と励磁電流成分とが所定の
関係となるように前記電力変換器を制御する手段と、前
記電動機の速度から電動機の負荷トルクまたは相当値を
推定する手段と、前記電動機の駆動するエレベータ機械
負荷の前記乗りかごから該電動機軸までの振動逆伝達特
性を模擬する振動逆伝達特性模擬手段とを備え、前記負
荷トルク推定手段の出力と前記発生トルク推定手段の出
力との偏差を前記振動逆伝達特性模擬手段へ入力し、そ
の出力を前記トルク指令に注入することを特徴とする。
【0008】トルク指令の操作量は、現時点で必要とさ
れるトルクに応じて、励磁電流/トルク電流比が決定さ
れ、トルク電流指令と励磁電流指令が求められる。この
場合、トルク電流指令に対する励磁電流指令は、現時点
で発生している2次磁束において、所望のトルクを得る
のに必要な最小のエネルギー(電動機の入力電力)にな
るように決定されうる。このように決定された励磁電流
成分とトルク電流成分の組み合わせは、変動していく速
度指令やトルク指令に対応して求められていく。
【0009】したがって、乗りかごに搭乗している人
数、すなわち、電動機に加わる負荷トルクがどのように
変わっても、速度指令に対応した速度を得るのに必要な
トルクを、望ましくは最小エネルギーで発生できるよう
な励磁電流成分とトルク電流成分の組み合わせが、過渡
状態も含めて決められ、これら二つの電流に対応した電
流が電動機の1次巻線に流れる。
【0010】さらに、電動機に加わる負荷トルクに含ま
れているトルク振動成分は、電動機速度検出値と負荷と
から求められる負荷トルク推定値と、電動機発生トルク
推定値との偏差から推定される。このトルク振動成分推
定値を、エレベータ機械系の駆動プーリへの入力トルク
から乗りかご上下振動までの応答特性に基づいて求めた
振動逆伝達特性模擬手段を通し、振動を打ち消すよう
に、すなわち、乗りかごの上下振動の大きさがより小さ
くなるように、望ましくは最小となるように調整され、
トルク指令値へ注入される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態
を、図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施
形態に係るエレベータの駆動制御装置の全体構成図であ
る。はじめに、エレベータ駆動制御装置の駆動制御の概
要を、図1に基づいて説明する。なお、図において、2
40は振動抑制信号発生手段を示す。
【0012】交流電源10の交流電圧はコンバータ20
によって直流電圧に変換され、この直流電圧は平滑コン
デンサ30で平滑され、平滑された直流電圧はさらにP
WMインバータ40によって、可変電圧・可変周波数の
交電圧流に変換される。変換された交流電圧は誘導電動
機(IM)60に供給され可変速駆動される。誘導電動
機60によって発生したトルクは、誘導電動機のロータ
(回転子)に直結された図示されていないギヤを介して
シーブ(綱車)70に伝達され、シーブの回転動作によ
ってカウンタウエイト(つり合い重り)80と乗りかご
90を連結しているロープを作動させ、乗りかご90を
昇降駆動する。
【0013】このように、誘導電動機60にはカウンタ
ウエイト80と乗りかご90の重量差が負荷(荷重)と
して加わるが、かかる負荷は、搭乗人数が変動すると絶
えず変動し、運転の大半においては電動機出力の2分の
1以下になっている。このため駆動中(過渡状態)で、
しかも負荷が軽い状態で、誘導電動機60の駆動効率を
高くすることができれば、エレベータ駆動系の省電力化
を図ることができる。
【0014】なお、本実施形態におけるエレベータ駆動
制御装置の高効率化制御については、既に、特願平8−
82342号において詳細に述べられているので、ここ
ではその概要について説明する。エレベータでは、乗り
心地を加味して加速度パターン発生手段110で加速度
パターンが決定される。この手段110から発せられる
加速度パターンは、速度指令発生手段120に入力され
る。この手段120では、加速度パターンを積分して速
度指令ωRに変換する。速度指令ωRは、加減算器130
において、誘導電動機60に取り付けられた速度検出器
100によって検出され、速度演算手段121で演算さ
れた誘導電動機60の回転子の回転角度ωMと加減算さ
れ、速度偏差を発生する。この速度偏差は、速度制御手
段140において、この速度偏差が無くなるように、誘
導電動機60で発生すべきトルクを決定するためのトル
ク指令τRを発生する。
【0015】トルク指令τRは、加減算器131におい
て、発生トルク推定手段152から現時点での電動機内
部で発生していると推定される瞬時トルクτM^と加減
算される。なお、瞬時トルクτM^の推定に必要なトル
ク分電流Itおよび2次磁束φ2は、電流センサ50、5
1、52によって検出された一次電流iu、iv、iw
基に、励磁分/トルク分電流検出手段150において演
算されたトルク分電流itと、同じく、励磁分/トルク
分電流検出手段150において演算された励磁分電流I
mを、さらに2次磁束演算手段151において演算した
2次磁束φ2とを用いる。
【0016】トルク指令τRと推定された瞬時トルクτM
^とのトルク偏差は、トルク制御手段160に入力さ
れ、前記トルク偏差がゼロになるようにトルク指令τR
の操作量τ*を決定する。操作量τ*は、トルク電流指令
演算手段170において、2次磁束φ2および各種の回
路定数と共に演算されてトルク電流指令Im*を出力し、
電流指令演算手段200に入力される。
【0017】一方、励磁電流/トルク電流比決定手段1
80において、誘導電動機60における損失が最小とな
るように、励磁分電流Imとトルク分電流Itとの比を求
め、その比にトルク電流指令It*を乗じて励磁電流指令
mRを決定する。励磁電流指令ImRは加減算器132に
おいて、励磁分/トルク分電流検出手段150から検出
される励磁分電流Imとが加減算され、さらに、出力さ
れる偏差がゼロになるように、励磁電流制御手段190
において新たな励磁電流指令補償値Im*を発生する。
【0018】電流指令演算手段200では、トルク電流
指令It*、励磁電流指令補償値Im*および回転角速度ω
Mに基づいて、3相の交流電流指令iu*、iv*、iw*を
発生し、さらに、電流制御手段210において、交流電
流指令iu*、iv*、iw*から3相交流電流iu*、iv*、
w*と一致するように制御し、さらに変調波発生手段2
20において、3相変調電圧Vu*、Vv*、Vw*を発生す
る。この3相変調電圧をPMW信号発生器230に入力
し、搬送波と比較してPMW信号を発生し、PMWイン
バータ40のゲートに入力する。
【0019】この結果、本実施形態によれば、誘導電動
機60内部には、常に最高効率をを与えるトルク電流と
電磁電流との組み合わされた電流が流れることになり、
この関係は負荷状態の如何にかかわらず維持されるた
め、過渡状態も含めて常に最高効率で誘導電動機60を
駆動することができる。特に、本実施形態のように、乗
りかご90内の乗客数が常に変動し、誘導電動機60に
加わる負荷トルクが常時変動するようなエレベータ駆動
系においては、稼動時の誘導電動機60に加わる平均的
な負荷は、一般の電動機の定格トルクの半分以下の軽負
荷状態で駆動されることが多いので、特に省エネルギー
効果が大きい。
【0020】エレベータは、一般に機械固有振動周波数
が電動機の駆動周波数と共振しやすい領域にあり、それ
が電動機のトルクリプル等によって励起され、エレベー
タの乗り心地を悪化させる。その振動には電動機速度に
重畳されるモードがある。このため、負荷トルク振動を
電動機検出速度ωM等を用いて推定し、その推定値をエ
レベータ機械系の駆動プーリへの入力トルクから乗りか
ご上下振動までの応答特性を元にして求めた振動逆伝達
特性模擬手段を通せば、乗りかごの上下振動を抑制する
ような成分が演算できる。これをトルク指令に注入すれ
ば、振動を抑制し良好な乗り心地を確保することができ
る。
【0021】図2に、振動抑制信号を生成するブロック
図の一例を示す。図2において振動抑制信号の生成方法
を説明する。先ず、電動機の発生トルクτMと電動機の
軸上に現れる外乱トルクτd、電動機に加わる負荷トル
クτには、次の関係が成り立つ。 τM+τd=τ ‥‥‥(1) ここで、電動機の軸回りの機械系の全慣性モーメントを
Jとおくと、式(3)が成り立つ。ただし、sはラプラ
ス演算子である。 τ/(J・s)=ωM ‥‥‥(2) 通常、Jは機械系設計段階で既知であるから、負荷トル
ク推定手段300によりτの推定値τ^を求めることが
できる。 τ^=J・ωM・s ‥‥‥(3) 一方、τMは発生トルク推定手段152により発生トル
クの推定値τ^Mとして求められる。したがって、τd
式(1)および式(3)から、推定値τ^dとして式
(4)のように演算できる。 τ^d=τ^‐τ^M =J・ωM・s‐τ^M ‥‥‥(4) 次に、振動逆伝達特性模擬手段は、まず、エレベータ機
械系の駆動プーリへの入力トルクから乗りかご上下振動
までの応答特性を、インパルス加振器と加速度センサを
用いる方法やサーボアナライザ等で求める。そして、こ
の応答特性からモード解析等を用いて一つあるいは複数
の必要な振動モード、例えば乗りかごの上下振動が最大
付近となる機械系パラメータにおける振動モードを取り
出し、この特性のインバースを取って逆伝達特性を求
め、ゲイン調整を行って振動逆伝達特性模擬手段とす
る。
【0022】このようにして式(4)により求められた
τ^dを振動逆伝達特性模擬手段302に通されること
によって振動を抑制する成分が演算され、この演算結果
は信号調整手段301のゲインや位相調整器により、乗
りかごの上下振動が減少するように調整されて振動抑制
信号τsupが出力される。そして、このτsupをトルク指
令に注入することにより、振動抑制できるトルク指令が
生成される。
【0023】ところで、一般にエレベータの加速度パタ
ーン(指令)は、通常、最適な乗り心地になるように決
定され、これを積分して速度指令を発生する。本実施形
態では、速度指令に電動機の速度が負荷状態に拘わらず
追従するように、電動機の瞬時トルクが発せられるの
で、加減速時、定常速度時のどちらにおいても乗り心地
は一層向上するという効果も生じる。
【0024】なお、この実施形態においては、発生トル
ク推定手段152の出力を負帰還するトルク制御手段1
60を設けているが、必ずしも、トルク制御手段は必要
ではなく、速度制御手段140の出力を直接、トルク電
流指令演算手段170に入力しても良い。他に、信号調
整手段301にはローパスフィルタを設けているが、速
度演算手段ではωM、発生トルク推定手段152ではτ
Mの雑音成分が除去されていれば無くても良く、ま
た、振動抑制信号に定常誤差が現れるような場合は、バ
ンドパスフィルタにしても良い。推定負荷トルクと推定
発生トルクに位相差がある場合は、負荷トルク推定手段
300の出力に位相調整器を付けて該位相差をなくすこ
ともできる。さらに、振動逆伝達特性模擬手段を求める
ときに必要なエレベータ機械系の駆動プーリへの入力ト
ルクから乗りかご上下振動までの応答特性は、各機械要
素の定数が設計時に分かっているので、計算機シミュレ
ーションによって求めることもできる。
【0025】図3に他の実施形態を示す。図1の実施形
態と異なる部分のみ示してある。図1の実施形態と異な
る点は、乗りかご内の荷重を検出する荷重検出器400
と、その出力から慣性モーメントJの負荷変動分ΔJを
求める負荷変動分演算手段401を設け、負荷トルク推
定手段300および振動逆伝達特性模擬手段302を前
記ΔJに応じて調節できるようにした点と、トルク指令
τ*と電動機回転角速度ωM等からJを求める初期慣性
値演算手段402と、該Jを保持し、前記負荷トルク推
定手段300で使用するJを更新できるデータ保持手段
403を設けた点である。
【0026】エレベータは乗りかご内の乗客数によって
常にJが変動するので、負荷変動分ΔJを負荷変動分演
算手段401で求め、乗客数が変動する度に、負荷トル
ク推定に用いられるJの値をΔJに応じて増減させるこ
とにより、負荷トルク推定をより正確に行うことができ
る。さらに、エレベータ機械系の駆動プーリへの入力ト
ルクから乗りかご上下振動までの応答特性も、乗客数の
変動により多少変動するので、負荷トルク推定と同様
に、乗客数が変動するごとに、振動逆伝達特性模擬手段
302を調整することにより、振動抑制信号の演算をよ
り正確に行うことができる。
【0027】また、初期慣性値演算手段402は、例え
ばある一定のトルク指令値τ1*を一定期間t1の間与え
たときに電動機の達した回転角速度ωM1から、 ωM1=τ1*・t1/J ‥‥‥(5) が成り立つので、Jを演算することができる。こうし
て、エレベータ設置直後や稼働後、定期的あるいは不定
期にJを演算し、負荷トルク推定で用いられるJを自動
的に更新することにより、経年変化等による設計値から
のJのずれをなくすことができる。
【0028】これらにより、常に正確な負荷トルク推定
を行うことができるので、経年変化等による起動補償狂
いや乗りかご振動の増加を抑制するだけでなく、エレベ
ータ設置直後の起動補償調整等や保守点検時の調整項目
などが減らせる効果もある。
【0029】なお、本実施形態では、負荷変動分演算手
段401と初期慣性値演算手段402の二つのJを調整
する手段が設けられているが、どちらか一方のみでも正
確な負荷トルク推定を行うことができる。また、振動逆
伝達特性模擬手段302のΔJによる調整手段が無くと
も、例えば乗りかご上下振動が最大となる振動逆伝達特
性に合わせておけば、少なくとも振動抑制効果は発揮で
きる。
【0030】図4に他の実施形態を示す。図1の実施形
態と異なる部分のみ示してある。この実施形態では、図
3の実施形態に加えて、乗りかご位置信号により振動逆
伝達特性模擬手段302を調整する手段を設けてある。
この図3と異なる点のみ説明する。
【0031】エレベータ機械系の駆動プーリへの入力ト
ルクから乗りかご上下振動までの応答特性は、乗客数の
変動のみならず乗りかごの位置によって多少変動するの
で、乗客数が変動する、または、乗りかごの位置が変化
する毎に、振動逆伝達特性模擬手段302を調整するこ
とにより、振動抑制信号の演算をより正確に行うことが
できる。
【0032】なお、本実施形態においても、負荷変動分
演算手段401と初期慣性値演算手段402の二つのJ
を調整する手段が設けられているが、どちらか一方のみ
でも正確な負荷トルク推定を行うことができる。また、
振動逆伝達特性模擬手段302のΔJによる調整手段が
無くとも、例えば、乗りかご上下振動が最大となる振動
逆伝達特性に合わせておけば、少なくとも振動抑制効果
は発揮できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トルク指令に対して、過渡的に高い効率で追従できる励
磁分電流とトルク分電流との比率を維持できるように、
電動機の内部で発生している瞬時トルクを制御し、ま
た、同時に電動機負荷トルクの振動成分を推定し、起動
時等の速度急変時の速度検出遅れ等を速度指令を用いる
ことで補い、乗りかごの上下振動をより小さくするよう
に振動抑制信号をトルク指令に注入するので、過渡状態
まで含めて高い効率で電動機を制御しつつ、乗りかごの
振動を減少できる。この結果、エレベータのように乗り
かご内の人数が常に変動したり、振動的な機械系を持
ち、電動機に加わる負荷トルクが変動し、電動機のトル
ク脈動や機械共振等による振動成分を含むような駆動系
に対して、特に省エネルギー効果が大きい上、振動抑制
効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエレベータ駆動
制御装置のブロック図である。
【図2】図1に示す振動抑制信号発生手段240のブロ
ック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る振動抑制信号発
生手段240のブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る振動抑制信号発
生手段240のブロック図である。
【符号の説明】
10 交流電源 20 コンバータ 30 平滑コンデンサ 40 PWMインバータ 60 誘導電動機 70 シーブ(綱車) 80 カウンタウエイト 90 乗りかご 110 加速度パターン発生手段 120 速度指令発生手段 130、131、132、133 加減算器 140 速度制御手段 152 発生トルク推定手段 160 トルク制御手段 170 トルク電流指令演算手段 180 励磁電流/トルク電流比決定手段 190 励磁電流制御手段 200 電流指令演算手段 210 電流制御手段 240 振動抑制信号発生手段 300 負荷トルク推定手段 301 信号調整手段 302 振動逆伝達特性模擬手段 400 荷重検出器 401 負荷変動分演算手段 402 初期慣性値演算手段 403 データ保持手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変電圧可変周波数交流を出力する電力
    変換器と、この電力変換器から給電され、可変速駆動さ
    れる交流電動機と、この電動機で昇降駆動される乗りか
    ごと、エレベータの速度指令を発生する手段と、この速
    度指令に前記交流電動機の速度が追従するようにトルク
    指令を発生する速度制御手段とを備えたエレベータにお
    いて、 前記交流電動機の電流検出手段と、この電流検出値から
    前記誘導電動機の発生トルクまたは相当値を推定する手
    段と、前記トルク指令と前記トルク推定値とが一致する
    ように構成したトルク制御手段と、このトルク制御手段
    の出力に基づいて前記電動機電流のトルク電流成分と励
    磁電流成分とが所定の関係となるように前記電力変換器
    を制御する手段と、前記電動機の速度から電動機の負荷
    トルクまたは相当値を推定する手段と、前記電動機の駆
    動するエレベータ機械負荷の前記乗りかごから該電動機
    軸までの振動逆伝達特性を模擬する振動逆伝達特性模擬
    手段とを備え、前記負荷トルク推定手段の出力と前記発
    生トルク推定手段の出力との偏差を前記振動逆伝達特性
    模擬手段へ入力し、その出力を前記トルク指令に注入す
    ることを特徴とするエレベータの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 交流を直流に変換するコンバータと、こ
    のコンバータの出力電圧を可変電圧・可変周波数の交流
    に変換するPWMインバータと、前記コンバータとイン
    バータとの間の直流回路に接続されたコンデンサと、前
    記PWMインバータから給電される誘導電動機と、この
    誘導電動機で昇降駆動される乗りかごと、この乗かごの
    速度指令を発生する手段と、この速度指令に前記誘導電
    動機の回転角速度が追従するようにトルク指令を発生す
    る速度制御手段とを備えたエレベータにおいて、 前記誘導電動機の電流を検出する手段と、この電動機電
    流検出値から電動機の発生トルクまたは相当値を推定す
    る手段と、前記トルク指令と前記推定値とが一致するよ
    うに構成したトルク制御手段と、このトルク制御手段の
    出力に基づいて前記電動機電流のトルク電流成分と励磁
    電流成分とが所定の関係となるように前記電力変換器を
    制御する手段と、電動機回転角速度から電動機の負荷ト
    ルクまたは相当値を推定する手段と、前記電動機の駆動
    するエレベータ機械負荷の前記乗りかごから該電動機軸
    までの振動逆伝達特性を模擬する振動逆伝達特性模擬手
    段と、前記負荷トルク推定手段の出力と前記発生トルク
    推定手段の出力との偏差を前記振動逆伝達特性模擬手段
    へ入力し、その出力を調整する信号調整手段を設け、該
    信号調整手段の出力を前記トルク指令に注入することを
    特徴とするエレベータの駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のエレベータの
    駆動制御装置において、 前記振動逆伝達特性模擬手段は、前記エレベータ機械負
    荷の駆動プーリ軸に入力されたトルクに対する乗りかご
    の上下振動の応答特性に基づいて演算されることを特徴
    とするエレベータの駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載のエレベー
    タの駆動制御装置において、 前記負荷トルク推定手段または前記振動逆伝達特性模擬
    手段の少なくとも一方は、エレベータの負荷変動分に応
    じて調整されることを特徴とするエレベータの駆動制御
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のうちいずれかに記載
    のエレベータの駆動制御装置において、 前記負荷トルク推定手段は、エレベータ機械負荷の慣性
    モーメントを用い、この慣性モーメントの大きさを演算
    する手段を備えたことを特徴とするエレベータの駆動制
    御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のうちいずれかに記載
    のエレベータの駆動制御装置において、 前記振動逆伝達特性模擬手段は、エレベータの乗りかご
    位置に応じて調整されることを特徴とするエレベータの
    駆動制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022006376A (ja) * 2020-06-24 2022-01-13 フジテック株式会社 エレベーターの制御装置及び制御方法
JP2023027530A (ja) * 2021-08-17 2023-03-02 フジテック株式会社 エレベーターの制御装置及びエレベーターの制御方法

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