JP4144666B2 - 内視鏡洗滌用ブラシの挿入案内具およびその使用方法 - Google Patents

内視鏡洗滌用ブラシの挿入案内具およびその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡洗滌用ブラシを内視鏡の吸引シリンダへ挿入するときに使用する案内具およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−30899号公報(特許文献1)に開示された内視鏡洗滌装置では、ブラシ導入管の一端が管路連結具に連結され、この管路連結具の第2ポートが給水路と槽内コネクタと接続管とを介して洗滌槽内部にセットされた内視鏡のチャンネルに連結されている。この装置では、ブラシ導入管に挿入されたブラシが管路連結具を通って内視鏡のチャンネルにまで自動的に進入する。
【0003】
また、特開平8−275917号公報(特許文献2)に開示された内視鏡の掃除用ブラシ自動挿入装置では、掃除用ブラシの可撓軸が一対の案内用ローラに挟まれた後にブラシ案内路を通って内視鏡の管路の入り口にまで延びている。ブラシ案内路の先端には内視鏡の操作部に設けられたシリンダの開口部に着脱可能なアダプタがあることによって、ブラシ案内路が管路の入口と滑らかにつながっている。前進用モータの作用によって送り出されるブラシは、アダプタを通り、内視鏡の管路を自動的に前進することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−30899号公報
【特許文献2】
特開平8−275917号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
内視鏡の吸引シリンダは、操作部に位置する開口部のすぐ内側で、挿入部管路とユニバーサルコード部管路とに分かれている。ユニバーサルコード部管路は、開口端部から直進するように延びているが、挿入部管路は、そのユニバーサルコード部管路から枝分れするように斜めに延びている。それゆえ、洗滌用ブラシを開口端部に挿入すると、通常はブラシがユニバーサルコード部管路に進入して、挿入部管路へは進入することがない。しかし、内視鏡の洗滌では、吸引ボタンの取り付け座である前記開口部から内視鏡先端へ向かう挿入部管路とユニバーサルコード部管路とのそれぞれにブラシを挿入してブラッシングをしなければならない。しかし、前記特許文献1,2に開示の装置は、吸引ボタンの取り付け座から吸引シリンダへのブラシの挿入を容易にするものではあっても、挿入部管路へのブラシの挿入を確実にしたり容易にしたりするものではない。これら従来の装置では、通常手作業によって、または適宜の治具を使用しながらの手作業によって、ブラシの先端を斜めに延びた挿入部管路へ挿入しなければならない。
【0006】
この発明は、前記従来の装置に見られるようなブラシを挿入部管路へ挿入するための煩雑な手作業を不要とすることが課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためにこの発明が対象とするのは、内視鏡の操作部に形成された吸引シリンダの開口端部に着脱可能かつ、前記吸引シリンダへの洗滌用ブラシの挿入を案内することが可能な案内具とその使用方法である。
【0008】
かかる案内具において、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記案内具が、前記洗滌用ブラシと前記洗滌用ブラシが進出・退却可能に納まる洗滌用ホースの先端接手部とを挿入抜脱可能な頂部開口を形成された頂面部と、前記吸引シリンダの開口端部に着脱可能な底部開口を形成された底面部とを有する。前記頂部開口と底部開口との間には、前記先端接手部が抜脱可能に嵌合する直状の第1透孔が延在し、前記第1透孔の内周面には前記内周面の一部がくぼむことによって前記頂部開口の縁部から前記底面部方向へ傾斜して延びるブラシ案内溝が形成されている。前記頂面部には、一方向への前進とその逆方向への後退とによって前記頂部開口を開閉可能なスライド式の蓋が設けられる。前記蓋は、前記逆方向へばね付勢下に後退して前記頂部開口をほぼ閉じているときに、前記ブラシ案内溝の頂部には前記ブラシを挿入可能な程度に開口が残されている。
【0009】
この発明には、次のような好ましい実施態様がある。
(1)前記案内具には、前記底面部において前記内視鏡の送気・送水シリンダの開口端部に着脱可能であり、前記頂面部において前記送気・送水シリンダへの連結用ホースの先端接手部が抜脱可能に嵌合する第2透孔が形成され、前記第2透孔が前記頂部開口よりも前記蓋の前進方向前方に位置しており、前記蓋が後退したときに前記第2透孔を閉じ、前進したときに前記第2透孔を開くように形成されている。
(2)前記洗滌用ホースの先端接手部は、前記頂面部上方に位置して前記洗滌用ホースにおける先端接手部の周方向へ延びる溝部を有し、前記第1透孔に嵌合した状態において、前記蓋が前記後退方向から前記溝部に進入して前記洗滌用ホースの先端接手部の前記第1透孔からの抜脱を阻止可能である。
(3)前記蓋は、前記第2透孔に嵌合している前記連結用ホースの先端接手部に形成されて前記連結用ホースにおける先端接手部の周方向へ延びる溝部にも前記後退方向から進入して前記連結用ホースの前記第2透孔からの抜脱をも阻止可能である。
(4)前記案内具を複数種類の内視鏡に使用し得るように、前記底面部は、前記複数種類の内視鏡それぞれにおける前記吸引シリンダの開口端部の形状に対応して用意された複数種類のアタッチメント部材を着脱可能に形成されている。
(5)前記アタッチメント部材は、前記送気・送水用シリンダの開口端部の形状にも対応するように用意されている。
(6)前記第1透孔と前記第2透孔の少なくとも一方は、それに嵌合する前記洗滌用ホースの先端接手部と前記連結用ホースの先端接手部との少なくとも一方の先端部分が前記案内具の前記底面部から延出することがないように前記少なくとも一方の先端接手部に作用するストッパ手段を有している。
(7)前記連結用ホースの一端部には吸水口に接続可能なワンタッチカプラが取り付けられている。
【0010】
また、使用方法に係るこの発明が対象とするのは、前記請求項2に記載の案内具を内視鏡の吸引シリンダと送気・送水シリンダとの開口端部に取り付けて前記案内具を使用する方法である。
【0011】
かかる使用方法において、この発明が特徴とするところは、前記第2透孔に嵌合した前記連結用ホースの先端接手部の先端部分を前記底面部から前記送気・送水シリンダへ進入させて、前記送気・送水シリンダの内周面に抜脱可能に密着させること、にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照して、この発明に係る内視鏡洗滌用ブラシの挿入案内具の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0013】
図1に斜視図で示された内視鏡1は、操作部2と、操作部2から図の下方へ延びる挿入部3と、操作部2から図の左方へ延びるユニバーサルコード部4とを有する。操作部2は、吸引シリンダ6における吸引ボタン挿入口7と、送気・送水シリンダ8の送気・送水ボタン挿入孔9と、鉗子挿入口11とを有し、これらには、吸引ボタン12、送気・送水ボタン13、鉗子栓14が取り外し可能にセットされる。操作部2には、その他にアングルノブ16,17やアングル解除ノブ18,19等が設けられている。
【0014】
図2は、内視鏡1の断面構造の概略と、内視鏡1の自動洗滌プロセスの一例を示す図である。内視鏡1の操作部2の鉗子挿入口11からは内視鏡1の挿入部3の先端に向かって鉗子管路(鉗子チャネルともいう)76が延びている。吸引ボタン12の挿入口7から延びる吸引シリンダ6は、鉗子管路76に交差部位77でつながる挿入部管路78と、先端に吸引コネクタ79を有するユニバーサルコード部管路81とに分かれている。この内視鏡1の内部を洗滌するには、鉗子挿入口11から鉗子管路76へ第1洗滌用ブラシ31を挿入する。吸引ボタン挿入口7では、ボタン12を抜いて、第2洗滌用ブラシ32を挿入口7から挿入部管路78へ挿入する。しかる後に、洗滌槽(図示せず)の給水路からアルカリ水、酸性水または水道水いずれかの洗滌水を、必要なら洗剤とともに、内視鏡1の鉗子管路76と挿入部管路78へ供給する。それと同時に、ブラシ送り用モータ(図示せず)を始動させて、第1、2洗滌用ブラシ31,32を矢印91,92方向へ徐々に前進させながら管路76、管路78をブラッシングする。モータは、第2洗滌用ブラシ32が鉗子管路76と挿入部管路78との交差部位77に到達すると、その第2洗滌用ブラシ32を矢印93方向へ、吸引ボタン挿入口7にまで後退させるように設定されている。後退した第2洗滌用ブラシ32は、その先端が挿入部管路78から抜けて、挿入口7の直下から下方へ延びるユニバーサルコード部管路81に向かう。モータは、第1、第2洗滌用ブラシ31,32が再び前進する方向へ始動するように設定されており、前進する第1洗滌用ブラシ31は再び鉗子管路76をブラッシングする一方、第2洗滌用ブラシ32は下方へ直進してユニバーサルコード部管路81へ進入し、この管路81をブラッシングする。さらにモータは、第1洗滌用ブラシ31と第2洗滌用ブラシ32とが鉗子管路76とユニバーサルコード部管路81とのそれぞれを全長にわたってブラッシングしたときに停止し、次いでこれら第1、第2洗滌用ブラシ31,32が内視鏡1の外にまで戻るように回転する。
【0015】
図2に示されているように、ユニバーサルコード部管路81は、吸引ボタン挿入口7からほぼ直状に下方へ延びているが、挿入部管路78はユニバーサルコード部管路81から枝分れするように斜め下方へ延びた後に図の右方へ向かっている。それゆえ、第2洗滌用ブラシ32は、それが吸引ボタン挿入口7へ進入すると、ユニバーサルコード部管路81を直進し、挿入部管路78へ進むことがない。
【0016】
図3、4、5は、この発明に係る洗滌用ブラシの挿入案内具100の斜視図と、分解斜視図と、図3のV−V線断面図である。案内具100は、図2で説明された内視鏡1の洗滌に先立って図2の内視鏡1に取り付けられ、第2洗滌用ブラシ32の挿入部管路78への挿入を容易にすることができるもので、本体101と蓋102とを有する。
【0017】
本体101は、頂面部103と、その反対側である底面部104と、一対の側面部106a,106bと、前端面部107aと、後端面部107bとを有する。頂面部103には、径の小さい第1頂部開口111と、径の大きい第2頂部開口112とが形成され、これら第1、第2頂部開口111,112のそれぞれからは底面部104に形成された第1底部開口111aと第2底部開口112a(図5参照)とに向かって第1透孔113と第2透孔114とが延びている。頂面部103の側縁部分には側面部106a,106bのそれぞれに沿って延びるスライド溝116a,116bが形成されている。第1頂部開口111では、本体101の幅方向中央部において頂面部103から底面部104に向かって延びるブラシ挿入のための案内溝120が形成されている。
【0018】
蓋102は、頂面部103のスライド溝116a,116bに嵌合して後端面部107bから前端面部107aへ向かっての前進と、それとは逆の方向への後退とが可能なスライド式のもので、第1頂部開口111とほぼ同じ大きさの第1円孔121と、第2頂部開口112とほぼ同じ大きさの第2円孔122と、折曲部123とを有する。折曲部123と本体101の後端面部107bとの間には、折曲部123に取り付けられたねじ138に支えられたコイルばね124が介在して蓋102を後端面部107bから離間するように後方へ向かって付勢している。蓋102は、本体101の前端面部107a寄りにねじ部材で形成されたストッパー126を有し、このストッパー126が前端面部107aに当接することによって図3の状態で停止している。図3、5において、蓋102は本体101の案内溝120の頂部128を除いて、第1頂部開口111と第2頂部開口112のほぼ全体を閉じている。かような案内具100の本体101は、耐薬品性硬質プラスチックからなるブロック部材133と、ブロック部材133に取り外し可能に嵌合して本体101の底面部104と、側面部106a,106bの一部分と、前端面部107aと後端面部107bとの一部分とを形成している耐薬品性のゴムその他のエラストマーからなるアタッチメント部材134とを有する。ブロック部材133に形成された断面が円形の第1、第2透孔113,114は、アタッチメント部材134を貫通するように第1、第2底部開口111a,112aにまで延びている。
【0019】
図6、7は、第2洗滌用ブラシ32の挿入プロセスが示された図5と同様な図である。ただし、これらの図には内視鏡1の操作部2の一部分と、案内具100に挿入される洗滌用ホース139の先端接手部(第1接手部ともいう)131と、送気・送水シリンダ8につなげられるべき連結用ホース140の先端接手部(第2接手部ともいう)132とが併せて示されている。案内具100が取り付けられるときの内視鏡1の操作部2では、吸引ボタン12と送気・送水ボタン13とが外されている。本体101において、第1透孔113の周面部に形成された案内溝120は、頂面部103から内視鏡1の挿入部管路78へ向かって延びるように、第1透孔113の中心線Cに対して20°〜40°の角度で傾斜している。アタッチメント部材134には、第1透孔113と第2透孔114との周囲に、環状の爪部136,137が形成されており、これら爪部136,137が内視鏡1の吸引ボタン挿入口7と送気・送水シリンダ8の送気・送水ボタン挿入口9それぞれの周縁部に形成された環状突起部41,42に弾性変形下に嵌合離脱する。これら突起部41,42と爪部136,137との嵌合によって案内具100は、内視鏡1の操作部2に取り付けられる。本体101の第1、第2開口111,112は、ばね124に付勢されて後退している蓋102によってほとんど閉じた状態にあるが、ブラシ挿入用の案内溝120の頂部128は第2洗滌用ブラシ32を挿入可能な程度に開いている。
【0020】
図6において、第2洗滌用ブラシ32は、洗滌用ホース139に納められて、そのホース139の先端部に取り付けられている第1接手部131から進出・退却可能に外へ延びている。この第2洗滌用ブラシ32を案内溝120にその頂部128から挿入すると、第2洗滌用ブラシ32はブラシ32の幅とほぼ同じ幅を有する傾斜した溝120と、僅かに開いている頂部128とに案内されて内視鏡1の挿入部管路78へスムーズに進入する。その後に、蓋102をばね124の付勢に抗して前進させると、蓋102の第1円孔121と第2円孔122とを本体101の第1頂部開口111と第2頂部開口112とに一致させることができる。そこで第1接手部131を第1頂部開口111へ挿入すれば、この接手部131を第1頂部開口111から延びた第1透孔113に嵌合させることができる。第1接手部131は、先端部のテーパを付けられた外周面131aが第1透孔113のテーパを付けられた内周面113bに当接して、それ以上に深く挿入されることがなく、そのときに先端部に取り付けられているO−リング141は第1透孔113の周面に密着している。続いて、本体101の第2頂部開口112には第2接手部132を挿入し、第2透孔114に嵌合させる。仮想線で示されるように、この接手部132は、テーパを付けられた外周面132aが第2透孔114のテーパを付けられた内周面114bに当接して、それ以上に深く挿入されることがなく、そのときの先端部は底部開口112aを通り抜けて送気・送水シリンダ8へ進入し、先端部のO−リング142がシリンダ8の内周面に密着している。第2接手部132が案内具100と送気・送水シリンダ8とに嵌合することによって、案内具100の内視鏡1に対する取り付けが強固になる。このように、第1透孔113の内周面113bと第2透孔114の内周面114bとは、第1接手部131と第2接手部132とに対するストッパ手段として作用する。
【0021】
このようにして案内具100に第1接手部131と第2接手部132とが嵌合している内視鏡1では、さらに鉗子挿入口11に第1洗滌用ブラシ31を挿入してその挿入口11を閉じると、図2で説明の内視鏡1の洗滌を開始することができる。第2洗滌用ブラシ32は、挿入部管路78を洗滌した後に、吸引ボタン挿入口7の近傍にまで一旦後退し、次いでユニバーサルコード部管路81へ進入することが可能である。
【0022】
図6において明らかなように、第1接手部131と第2接手部132とは、それぞれのフランジ146,147の下方に、これら第1、第2接手部131,132の周方向へ延びる環状の溝部148,149を有する。これら第1、第2接手部131,132が第1、第2透孔113,114に嵌合すると、ばね124に付勢されている蓋102では、第1、第2円孔121,122の周縁部の一部分がそれぞれの接手部131,132の溝部148,149に蓋102の後退方向から進入して、接手部131,132が第1、第2透孔113,114から抜脱することがないようにそれら接手部131,132に係合する。
【0023】
再び図6において、第1接手部131とホース139との内面は、第2洗滌用ブラシ32を滑らかに前進・後退させることができるように、段差を形成することなくつながっている。ホース139は、弾性変形可能なもので、内径Pを有する。第1接手部131は、変形することがないもので、ホース139への挿入先端部151における内径Qと先端部151における外径Rとがホース内径Pとほぼ一致し、好ましくはプラス・マイナス0.5mmの範囲内で一致している。したがって、その先端部151は、図示例の如く鋭角を成しているか、または曲率半径が0.1〜0.5mm程度の小さな曲面を成している。第1接手部131の内周面は内径Qが図の下方に向かって小さくなるようにテーパがつけられている。また第1接手部131の外周面は外径Rが図の下方に向かって大きくなるようにテーパがつけられ、かつ抜け止め用の環状の起伏152が設けられている。このように第1接手部131とホース139とが互いの内周面の間において段差をほとんど形成することがないと、第2洗滌用ブラシ32が図の上方から下降してきたときに、第1接手部131に引っ掛ることがない。
【0024】
図8は、この発明の実施態様の一例を示す図5と同様な図面である。この案内具100におけるブロック部材133は図5のそれと同じであるが、アタッチメント部材134は、図5のそれと異なり、第1、第2透孔113,114の周縁部に爪部136,137に代わる環状部153,154を有し、これら環状部153,154の外周面には抜け止め用の起伏が形成されている。この案内具100は、吸引シリンダ6と送気・送水シリンダ8の開口端部形状が、図6に仮想線で示されている吸引ボタン挿入口7と送気・送水ボタン挿入口9とは異なる吸引シリンダ6と送気・送水シリンダ8とに対して使用されて、環状部153,154が各シリンダ6,8の内周面に密着する。なお、図示例の場合であれば、アタッチメント部材134に形成されている第2底部開口112aの内径は第2透孔114の内径よりも小さいから、このような案内具100に対しては、図6に例示の第2接手部132よりも上下方向の寸法が短い図8の第2接手部132が使用される。後者の第2接手部132は、その外周面の少なくとも一部分が、ストッパ手段である第2透孔114におけるテーパを付けられた内周面114bに図の上方から当接してアタッチメント部材134を押圧することがない。図6,8のアタッチメント部材134は、ゴム等のエラストマーからなるものであればブロック部材133に対する着脱が容易であるが、エラストマーに代えて硬質プラスチック等で変形することがないように作ることもできる。
【0025】
この発明の実施例において、案内具100は、第1透孔113と第2透孔114とを有するものであったが、この案内具100を第1透孔113にのみ適用できるものに代えてこの発明を実施することも可能である。その場合には、内視鏡1の送気・送水シリンダ8の送気・送水ボタン挿入口9を案内具100とは別体のアタッチメントによって、好ましくは給水可能に塞げばよい。図6に例示の第2接手部132と図8に例示の第2接手部132とは、長さの異なるものであり、このように長さの異なる第2接手部132を1台の洗滌装置または洗滌槽で使い分けるときには、第2接手部132が一端部に取り付けられている連結用ホース140のもう一端部(図示せず)とこの一端部が接続される洗滌装置における給水口とにいわゆるワンタッチカプラを取り付けて、第2接手部132の交換作業を容易にすることができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明に係る内視鏡洗滌用ブラシの挿入案内具は、その案内具に形成された案内溝にブラシを挿入するだけで、そのブラシを挿入部管路へ進入させることができるから、内視鏡の洗滌に際してブラシの挿入部管路への挿入が煩雑になるとか、その挿入に格別の熟練を要するとかいうことがない。また、この挿入案内具の使用方法においては、第2透孔に嵌合している第2接手部の先端部が送気・送水シリンダにも嵌合することによって、案内具の内視鏡に対する取り付けが強固になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡の斜視図。
【図2】内視鏡の断面図。
【図3】案内具の斜視図。
【図4】案内具の分解斜視図。
【図5】案内具の断面図。
【図6】案内具の使用状態を示す図5と同様な図。
【図7】案内具の使用状態を示す図5と同様な図。
【図8】実施態様の一例を示す図5と同様な図。
【符号の説明】
1 内視鏡
2 操作部
6 吸引シリンダ
7 開口端部(吸引ボタン挿入口)
8 送気・送水シリンダ
9 開口端部(送気・送水ボタン挿入口)
31 洗滌用ブラシ(第1洗滌用ブラシ)
32 洗滌用ブラシ(第2洗滌用ブラシ)
100 案内具
101 本体
102 蓋
103 頂面部
104 底面部
111 頂部開口(第1頂部開口)
111a 底部開口(第1底部開口)
112 頂部開口(第2頂部開口)
112a 底部開口(第2底部開口)
113 第1透孔
114 第2透孔
120 ブラシ案内溝
124 ばね
128 頂部
131 先端接手部(第1接手部)
132 先端接手部(第2接手部)
133 ブロック部材
134 アタッチメント部材
139 洗滌用ホース
140 連結用ホース
148 溝部
149 溝部
C 中心線

Claims (9)

  1. 内視鏡の操作部に形成された吸引シリンダの開口端部に着脱可能かつ、前記吸引シリンダへの洗滌用ブラシの挿入を案内することが可能な案内具であって、
    前記案内具が、前記洗滌用ブラシと前記洗滌用ブラシが進出・退却可能に納まる洗滌用ホースの先端接手部とを挿入抜脱可能な頂部開口を形成された頂面部と、前記吸引シリンダの開口端部に着脱可能な底部開口を形成された底面部とを有し、前記頂部開口と底部開口との間には、前記先端接手部が抜脱可能に嵌合する直状の第1透孔が延在し、前記第1透孔の内周面には前記内周面の一部がくぼむことによって前記頂部開口の縁部から前記底面部方向へ傾斜して延びるブラシ案内溝が形成されており、前記頂面部には、一方向への前進とその逆方向への後退とによって前記頂部開口を開閉可能なスライド式の蓋が設けられ、前記蓋が前記逆方向へばね付勢下に後退して前記頂部開口をほぼ閉じているときに、前記ブラシ案内溝の頂部には前記ブラシを挿入可能な程度に開口が残されていることを特徴とする前記案内具。
  2. 前記案内具には、前記底面部において前記内視鏡の送気・送水シリンダの開口端部に着脱可能であり、前記頂面部において前記送気・送水シリンダへの連結用ホースの先端接手部が抜脱可能に嵌合する第2透孔が形成され、前記第2透孔が前記頂部開口よりも前記蓋の前進方向前方に位置しており、前記蓋が後退したときに前記第2透孔を閉じ、前進したときに前記第2透孔を開くように形成されている請求項1に記載の案内具。
  3. 前記洗滌用ホースの先端接手部は、前記頂面部上方に位置して前記洗滌用ホースにおける先端接手部の周方向へ延びる溝部を有し、前記第1透孔に嵌合した状態において、前記蓋が前記後退方向から前記溝部に進入して前記洗滌用ホースの先端接手部の前記第1透孔からの抜脱を阻止可能である請求項1または2に記載の案内具。
  4. 前記蓋は、前記第2透孔に嵌合している前記連結用ホースの先端接手部に形成されて前記連結用ホースにおける先端接手部の周方向に延びる溝部にも前記後退方向から進入して前記連結用ホースの前記第2透孔からの抜脱をも阻止可能である請求項1〜3のいずれかに記載の案内具。
  5. 前記案内具を複数種類の内視鏡に使用し得るように、前記底面部は、前記複数種類の内視鏡それぞれにおける前記吸引シリンダの開口端部の形状に対応して用意された複数種類のアタッチメント部材を着脱可能に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の案内具。
  6. 前記アタッチメント部材が前記送気・送水用シリンダの開口端部の形状にも対応するように用意されている請求項5記載の案内具。
  7. 前記第1透孔と前記第2透孔の少なくとも一方は、それに嵌合する前記洗滌用ホースの先端接手部と前記連結用ホースの先端接手部との少なくとも一方の先端部分が前記案内具の前記底面部から延出することがないように前記少なくとも一方の先端接手部に作用するストッパ手段を有している請求項2〜6のいずれかに記載の案内具。
  8. 前記連結用ホースの一端部には吸水口に接続可能なワンタッチカプラが取り付けられている請求項2〜7のいずれかに記載の案内具。
  9. 前記請求項2に記載の案内具を内視鏡の吸引シリンダと送気・送水シリンダとの開口端部に取り付けて前記案内具を使用する方法であって、前記第2透孔に嵌合した前記連結用ホースの先端接手部の先端部分を前記底面部から前記送気・送水シリンダへ進入させて、前記送気・送水シリンダの内周面に抜脱可能に密着させることを特徴とする前記方法。
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