JP3949776B2 - 内視鏡のブラシ挿入補助具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の流体管路の連通状態を切り換え操作するために設けられたシリンダ体からピストン体を取り外してシリンダ体に取り付けられる内視鏡のブラシ挿入補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡には、送気送水管路や吸引管路などのような流体管路が設けられているものが少なくない。そして内視鏡の操作部には、流体管路の連通状態を切り換え操作するための切換操作弁が設けられている。
【0003】
そのような切換操作弁は一般に、流体管路が接続されたシリンダ体内に、軸線方向に進退自在にピストン体が嵌挿された構造になっている。そして、指先による操作でピストン体を複数の所定位置で停止させることによって、流体管路の連通状態を切り換えるようになっている。
【0004】
そして、内視鏡使用後に流体管路内をブラッシングするために、シリンダ体からピストン体を取り外し、それに代えて、掃除用ブラシを流体管路内に案内するための案内孔が形成されたブラシ挿入補助具を取り付けることができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内視鏡には一般に、送気送水切換操作弁と吸引操作弁とが並んで配置されていて、その双方からピストン体を取り外すと二つのシリンダ体が操作部の表面に並んで開口した状態になる。
【0006】
そのため、例えば送気送水切換操作弁のシリンダ体内に取り付けるべきブラシ挿入補助具を吸引操作弁のシリンダ体側に取り付けてしまう等、誤装着してしまう場合がある。
【0007】
そこで本発明は、ピストン体が取り外された状態のシリンダ体に対してブラシを誤りなく取り付けることができる内視鏡のブラシ挿入補助具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡のブラシ挿入補助具は、流体管路が接続されて開口部を外方に向けて操作部に配置された複数のシリンダ体と、管路切り換え操作を行うために上記各シリンダ体に着脱自在に取り付けられたピストン体とを有する内視鏡であって、上記ピストン体とそのピストン体が取り付けられる上記シリンダ体とに対であることを表示する指標が設けられたものから、上記ピストン体を取り外して、上記流体管路内に掃除用ブラシを案内するために上記ピストン体に代えて上記シリンダ体の一つに取り付けられる内視鏡のブラシ挿入補助具において、そのブラシ挿入補助具が取り付けられる上記シリンダ体の指標と対になる指標を設けたことを特徴とする。
【0009】
なお、上記ブラシ挿入補助具の一部又は全部が、そのブラシ挿入補助具が取り付けられる上記シリンダ体の指標の色と同色に形成された色指標になっていてもよい。
【0010】
また、上記ブラシ挿入補助具が、上記シリンダ体に取り付けられたときに上記シリンダ体内に嵌め込まれる嵌め込み部と、そのブラシ挿入補助具の向きを規制するために上記シリンダ体外に位置する位置決め部とを有していてもよい。
【0011】
そして、上記嵌め込み部と上記位置決め部の少なくとも一方が、そのブラシ挿入補助具が取り付けられるシリンダ体の指標色と同色に形成されていてもよく、上記嵌め込み部がプラスチック製であり、上記位置決め部がゴム製であってもよい。
【0012】
また、上記位置決め部には、そのブラシ挿入補助具が取り付けられるシリンダ体に隣接するシリンダ体の口元部分に圧接される縁部が形成されていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図3は内視鏡を示しており、1は挿入部、2は、挿入部1の基端に連結された操作部である。
【0014】
挿入部1内に全長にわたって挿通されたチャンネルチューブ3の先端は、挿入部1の先端面に開口しており、そこが送気送水吸引口4になっている。チャンネルチューブ3の基端は、操作部2に配置された送気送水切換操作弁20と吸引操作弁40とに連通接続されている。
【0015】
21と22は、送気送水切換操作弁20のシリンダ体と操作ボタンである。また、外部に突出して設けられた41と42は、吸引操作弁40のシリンダ体と操作ボタンである。
【0016】
送気送水切換操作弁20のシリンダ体21には、空気を供給するための給気チューブ6と、水を供給するための給水チューブ7とが接続されている。また、吸引操作弁40のシリンダ体41には、外部に配置された吸引装置と連通する吸引チューブ8が接続されている。9は、両シリンダ体21,41の側部どうしを接続するように配置された接続管である。
【0017】
図4は、送気送水切換操作弁20と吸引操作弁40の部分を拡大して示している。
送気送水切換操作弁20と吸引操作弁40のシリンダ体21,41は、各々固定ナット23,43によって操作部2に固定されており、操作部2の外表面に開口するように配置されている。24と44は、シール用のOリングである。
【0018】
両固定ナット23,43の外端面には、各々シリンダ体21,41の外端部を囲む環状の有色指標38,58が設けられている。送気送水切換操作弁20側の有色指標38は例えば青色であり、吸引操作弁40側の有色指標58は例えば赤色である。
【0019】
給気チューブ6と給水チューブ7とは、間隔をあけて各々送気送水切換操作弁20のシリンダ体21の側面に接続されている。吸引チューブ8は、吸引操作弁40のシリンダ体41の側面に接続されている。
【0020】
また、両シリンダ体21,41の各々の底部は、連通管10,11によって連通しており、その連通管10の一端にチャンネルチューブ3の基端が連通接続されている。
【0021】
送気送水切換操作弁20のシリンダ体21内には、ピストン体26が軸線方向に摺動自在に嵌挿されている。ピストン体26の外端は、シリンダ体21の開口から外部に突出していて、そこに、取り付け座22aを介して操作ボタン22が螺合により取り付けられている。
【0022】
取り付け座22aは、ピストン体26の端部に螺合連結されていて、その取り付け座22aに、操作ボタン22がねじ込まれて取り付けられている。
【0023】
34は、ピストン体26がシリンダ体21から抜け出すのを防止するためのストッパであり、一体成形されたゴムカバー35によって、固定ナット23に着脱自在に係止されている。
【0024】
操作ボタン22とストッパ34との間には圧縮コイルスプリング36が介装されていて、それによって、ピストン体26がシリンダ体21から突出する方向に付勢されている。圧縮コイルスプリング36の一端は、ピストン体26に螺合して取り付けられた取り付け座22aによって受けられている。
【0025】
図4において、送気送水切換操作弁20の右側半部は、ピストン体26がストッパ34にぶつかるまで圧縮コイルスプリング36によって外方にいっぱいに押し出された第1の所定位置にある状態を示し、左側半部は、ピストン体26がシリンダ体21内にいっぱいに押し込まれた第2の所定位置にある状態を示している。
【0026】
ピストン体26の軸線位置に穿設された通気孔31は、操作ボタン22の突端の中心に形成されたリーク孔32において外部に開口している。通気孔31には、右側半部に示される待機状態において接続管9に連通する連通孔27と、給気チューブ6に連通する連通孔25とが穿設されている。
【0027】
操作ボタン22には、有色のプラスチック材によって形成された有色筒体37がリーク孔32を囲む部分に配置されていて、その端面が外方から見えるようになっている。有色筒体37は、取り付け座22aと操作ボタン22とによって挟持固定されている。
【0028】
その有色筒体37の色は、シリンダ体21の端面を囲む有色指標38の色と同じ青色である。したがって、内視鏡使用後に、シリンダ体21からピストン体26を取り外して洗浄消毒した後で再び取り付けを行う際に適合関係が分かり、誤装着を防止することができる。
【0029】
接続管9に通じる連通孔27の部分に形成された凹部内には、弾力性のあるゴム材からなる逆止弁28が配置されていて、接続管9側からピストン体26内への流体の流れを阻止している。
【0030】
ピストン体26の底部側には、軸線位置に通水孔33が穿設されていて、ピストン体26の底面に開口している。そして、左側半部に示されるように、ピストン体26がシリンダ体21内にいっぱいに押し込まれた状態のときに給水チューブ7と連通する連通孔29が穿設されている。また、ピストン体26の外周部には必要に応じてシール用のOリング30が複数装着されている。
【0031】
このように構成された送気送水切換操作弁20は、何も操作しない待機状態においては、給気チューブ6から送り込まれる空気が、通気孔31を通り、リーク孔32から大気に放出される。
【0032】
そして、指先でリーク孔32を塞ぐと、給気チューブ6から通気孔31内に送り込まれた空気が、接続管9を通って、吸引操作弁40のシリンダ体41内を経てチャンネルチューブ3に送り出され、送気送水吸引口4から送気が行われる。
【0033】
そして、左側半部に示されるように、リーク孔32を指先で塞いだ状態で、操作ボタン22をいっぱいに押し込むと、給水チューブ7から送り込まれる水が通水孔33を通ってチャンネルチューブ3に送り出され、送気送水吸引口4から送水が行われる。
【0034】
吸引操作弁40側のシリンダ体41内にもピストン体46が軸線方向に進退自在に嵌挿されており、その頭部には、送気送水切換操作弁20側と同様の操作ボタン42、取り付け座42a、圧縮コイルスプリング56、ストッパ54及びゴムカバー55が取り付けられていて、シリンダ体41に対して着脱自在となっている。
【0035】
吸引操作弁40は、中心線の右半部に示されるように、待機状態においてはピストン体46に形成された吸引連通孔45がシリンダ体41の内壁面で塞がれていて、チャンネルチューブ3からの吸引は行われない。48は、吸引連通孔45を囲んで設けられたシール材である。
【0036】
そして、中心線の左半部に示されるように、操作ボタン42を押し込むと吸引連通孔45を介して吸引チューブ8とチャンネルチューブ3とが連通し、チャンネルチューブ3から吸引が行われる。
【0037】
49は、ピストン体46がシリンダ体41内で回転しないようにするために、シリンダ体41の内壁部に軸線方向に形成された案内溝47に係合するガイドピンである。
【0038】
この吸引操作弁40の操作ボタン42には、その中心軸位置に有色のプラスチック材によって形成された有色軸体57が配置されていて、その端面が外方から見えるようになっている。
【0039】
その有色軸体57の色はシリンダ体41の端面を囲む有色指標58の色と同じ赤色である。したがって、内視鏡使用後に、シリンダ体41からピストン体46を取り外して洗浄消毒した後で再び取り付けを行う際に適合関係が分かり、誤装着を防止することができる。
【0040】
図1は、内視鏡使用後に送気送水切換操作弁20と吸引操作弁40のシリンダ体21,41からピストン体26,46を取り外して、シリンダ体21,41に接続された流体管路内に掃除用ブラシ100を挿入するためのブラシ挿入補助具60を、送気送水切換操作弁20側のシリンダ体21に取り付けた状態を示している。図2は、その平面図である。
【0041】
ブラシ挿入補助具60は、送気送水切換操作弁20のシリンダ体21に差し込まれて、接続管9内に掃除用ブラシ100を案内するためのものであり、シリンダ体21に嵌め込まれるプラスチック製の嵌め込み部61と、ブラシ挿入補助具60の向きを規制するためにシリンダ体21外に位置するゴム製の位置決め部62とを一体的に結合して構成されている。66は、掃除用ブラシ100を案内するためのブラシ案内孔であり、位置決め部62から嵌め込み部61にまたがって形成されている。
【0042】
嵌め込み部61と位置決め部62とは、間隔をあけて嵌め込み部61に突設された第1の鍔部63と第2の鍔部64とによって軸線方向の相対的移動が規制され、嵌め込み部61側に形成された切り欠きとそこに位置決め部62側から係合する部分とからなる回転止め部65によって相対的な回転が規制されて、一体化されている。
【0043】
そして、位置決め部62に形成された位置決め縁67を吸引操作弁40の固定ナット43の外周に沿わせることによって、送気送水切換操作弁20のシリンダ体21に対するブラシ挿入補助具60の向きが規制され、その状態で図1に示されるように嵌め込み部61をシリンダ体21に嵌め込むことによって、ブラシ案内孔66が接続管9に連通する所定位置にセットされる。
【0044】
この状態においては、位置決め縁67が固定ナット43の外縁に圧接される。したがって、ブラシ挿入補助具60がシリンダ体21に対して位置決め部62の弾力性によって安定状態に固定される。
【0045】
その結果、ブラシ案内孔66から掃除用ブラシ100を差し込むことによって、その掃除用ブラシ100が接続管9内に案内され、接続管9内をブラッシング掃除することができる。そして、そのような操作に際してブラシ挿入補助具60がシリンダ体21から簡単に外れたりしない。
【0046】
このように構成されたブラシ挿入補助具60の嵌め込み部61は、送気送水切換操作弁20の有色指標38と同色である青色のプラスチックによって形成されている。したがって、その色を確認することによって、取り付けるべきシリンダ体21,41との適合関係が分かり、送気送水切換操作弁20用のブラシ挿入補助具60を吸引操作弁40側に誤装着するおそれがない。
【0047】
また、図示はしないが、吸引操作弁40用のブラシ挿入補助具は、吸引操作弁40の有色指標58と同色である赤色に形成されており、送気送水切換操作弁20側に誤装着するおそれがない。
【0048】
なお、本発明のブラシ挿入補助具60は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、掃除用ブラシ100が案内される流体管路は接続管9以外の管であってもよい。
【0049】
また、嵌め込み部61と位置決め部62の一方又は両方を上記の有色にしてもよく、或いはそれとは別に有色の指標等を取り付けてもよい。また、指標を色以外の模様又は線等によって表示してもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、内視鏡の管路切り換え操作装置のシリンダ体の入口部分に設けられた指標と対になる指標を有するブラシ挿入補助具をそのシリンダ体に取り付ければよいので、管路切り換え操作装置に対するブラシ挿入補助具の適合関係が明確になり、誤装着を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のブラシ挿入補助具がシリンダ体に取り付けられた状態の側面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態のブラシ挿入補助具がシリンダ体に取り付けられた状態の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態の内視鏡の全体概略図である。
【図4】本発明の実施の形態の流体管路切換装置の側面断面図である。
【符号の説明】
20 送気送水切換操作弁
21 シリンダ体
22 操作ボタン
23 固定ナット
37 有色筒体
38 有色指標
40 吸引操作弁
57 有色軸体
58 有色指標
60 ブラシ挿入補助具
61 嵌め込み部
62 位置決め部
66 ブラシ案内孔
67 位置決め縁
Claims (4)
- 流体管路が接続されて開口部を外方に向けて操作部に配置された複数のシリンダ体と、管路切り換え操作を行うために上記各シリンダ体に着脱自在に取り付けられたピストン体とを有する内視鏡であって、上記ピストン体とそのピストン体が取り付けられる上記シリンダ体とに対であることを表示する指標が設けられたものから、上記ピストン体を取り外して、上記流体管路内に掃除用ブラシを案内するために上記ピストン体に代えて上記シリンダ体の一つに取り付けられる内視鏡のブラシ挿入補助具において、
そのブラシ挿入補助具が取り付けられる上記シリンダ体の指標と対になる指標が設けられると共に、
上記シリンダ体に取り付けられたときに上記シリンダ体内に嵌め込まれる嵌め込み部と、そのブラシ挿入補助具の向きを規制するために上記シリンダ体外に位置する位置決め部とが設けられて、
上記位置決め部には、そのブラシ挿入補助具が取り付けられるシリンダ体に隣接するシリンダ体の口元部分に弾力的に圧接される縁部が形成されていることを特徴とする内視鏡のブラシ挿入補助具。 - 上記ブラシ挿入補助具の一部又は全部が、そのブラシ挿入補助具が取り付けられる上記シリンダ体の指標の色と同色に形成された色指標になっている請求項1記載の内視鏡のブラシ挿入補助具。
- 上記嵌め込み部と上記位置決め部の少なくとも一方が、そのブラシ挿入補助具が取り付けられるシリンダ体の指標色と同色に形成されている請求項1又は2記載の内視鏡のブラシ挿入補助具。
- 上記嵌め込み部がプラスチック製であり、上記位置決め部がゴム製である請求項1、2又は3記載の内視鏡のブラシ挿入補助具。
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