JPS5818883Y2 - 内視鏡における送気送水のための切換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は臓器を膨らませるための体腔内送気と対物レン
ズ面等を清浄するための洗滌水送り込みとを手許操作部
本体における指先操作で１由に切換えることの出来る送
気送水切換装置に関する。

内視鏡による体腔内被検部の観察に際しては、体腔内を
膨らませ、対物レンズ窓と体腔壁面との間の距離を保つ
ために体腔内に向けて空気を送り込む必要がある。

一方、被検部に向けて内視鏡先端部を挿入する過程或い
は被検部観察中に、この先端部の対物レンズ窓に体内粘
液等が付着して、観察障害を引き起す虞れがあり、この
付着粘液などを洗い流すための洗滌水送りが必要である
。

そのために、従来の内視鏡装置には、前記送気のための
送気ポンプを利用して、洗滌水を加圧下に内視鏡先端部
から構成される装置を附設し、これ等送気操作と送水操
作との切換装置を内視鏡の手許操作部に配置した構成が
採用されている。

ところで、従来のこの種切換装置によれば、送気ポンプ
からの圧搾空気を送り出す送気管と体内に送気する導管
との間にこの圧搾空気を外部に放出する通気管を設け、
この通気管の放出口を指先などによって閉じた際に、前
記先端部に一方の開口端を配し、他方の開口端を前記圧
搾空気の放出する通気管に臨ませた導管に圧搾空気を送
り込むような構成であるために、前記通気管からの空気
放出の状態のもとでは、先の導管が開放状態のままに放
置されることとなるので、前記先端部の開口端から体腔
内の空気が逃げ或いは粘液等の汚物が逆流する欠点があ
った。

又、この導管における前記逆流防止のために、逆止弁を
附設することも考えられるが、この場合にはこの逆止弁
部に汚物等が溜り、爾後清掃が困難であることから、衛
生上好ましくなかった。

また送気時の弁の抵抗による送気流量の低減や構造上ス
ペースを多くなるなどの欠点もあった。

更に、この種圧搾空気の放出する通気管に先端部に通じ
る導管端を単に開口せしめたようにしである従来装置で
は、内視鏡操作中に術者が観察作業あるいは鉗子作業な
どに熱中して、無意識のうちに前記通気管の放出口に指
先が掛がった場合に、不用意に体腔内への送気が行われ
てしまい患者に対する危険があった。

一方、送水操作においても、従来装置では前記放出口の
指先閉鎖による圧搾空気圧の加圧によって送水を行うの
で、送水特甲、この指先によって放出口閉鎖状態を保た
なければならず、そのために指先操作に注意力を必要と
し、操作性が劣るなどの欠点があった。

そこで、本考案ではこの種切換装置において、通常状態
のもとでは、内視鏡先端部に通じる送気用の導管と、圧
搾空気の放出する通気管とを分離し、且つ、送水状態の
もとでは圧搾空気路と圧搾空気を放出する通気管とを分
離するように構成することによって、前記従来装置にお
ける欠点を解消し得る切換装置を提供しようとするもの
である。

以下、図示の実施例に付き詳述する。

第１図は本考案装置を一般的な送気、送水装置との関連
で示す配置構成図で、内視鏡の手許操作部本・体１に配
設したシリンダー２に、押下自在の先端頭部３ａを突出
させたピストン部３を摺嵌しである。

このピストン部３は、本考案によれば、後述するように
、中空の第１のピストン３１とこれが摺嵌される中空の
第２のピストン３２とによって構成される。

そして、このシリンダー２には、送気管４及び送水管５
と内視鏡先端部６に通じる送気送水用の導管７とが接続
配置されている。

一方、前記送気管４の他端は別設の空気ポンプＰに接続
してあり、鉄管４の分岐管４ａを密封した洗滌水容器Ｑ
に差し入れである。

又、前記送水管５はその他端を前記容器Ｑの洗滌水Ｒ中
に差し入れである。

第２図は本考案装置の一実施例を示す要部の詳細な縦断
側面図で、前記シリンダー２を手許操作部本体１に螺合
緊締して一体的に固着してあり、そのシリンダー側壁に
は後述する各所定位置に前記送気管４及び送水管５並び
に導管７を夫々開口接続しである。

なお、本実施例における前記導管７は送気並びに送水用
の兼用導管である。

そして、第１図で示した一般的な送気送水装置における
ピストン部３は本考案の場合筒状の中空部を圧搾空気放
出用の通気管８となした第１ピストン３１とこれが嵌合
する第２ピストン３２とからなる二重構造筒管を以って
構成され、これ等両ピストン３１と３２との間には、抗
圧発条９を介在させ、且つ、第１ピストン３１の下端に
系止環１０を設けて、前記発条９の作用下に鉄環１０に
よる抜は止め状態で、それ等の軸長方向に対して図示の
通常状態を保つように組付けてあり、更に、第１ピスト
ン３１の開穿した長溝１１に、第２ピストン３２がら延
びるピン１２を摺嵌させて、これ等両ピストン３１及び
３２間における相対的な回動防止が施されている。

更に、第１ピストン３１にはその上端部に前記通気管８
の放出口となる指当て部３１ ａを取付けてあり、下部
には側孔１３を開穿しである。

これに対して、第２ピストン３２はその上端の鍔体３２
ａと前記本体１に螺合緊締した止め金具１４との間に前
記抗圧発条９より強い抗圧力を有する発条９ａを介在さ
せた状態で、前記シリンダー２に嵌装されており、前記
止め金具１４の下端と係止段部３２ ｂとの当接下に保
持される通常状態で、その下端域における前記導管７の
シリンダー側壁開口位置と一致する位置に周回溝１５と
これに連らなり該ピストン壁を差し通す小孔１５ ａと
を穿設し、更に、中間域の周壁を一部削除して、シリン
ダー側壁との間に容室１６を形成するように加工しであ
る。

そして、これ等両ピストン３１及び３２の前記通常状態
におけるシリンダー内嵌装下の下端縁とシリンダー１の
底域との間に他の一つの容室１７が形成されるように構
成しである。

この両容室１６及び１７の内、容室１６には前記送水管
５のシリンダー側壁開口が臨むように位置調整され、且
つ、他の一つの容室１７には前記送気管４のシリンダー
側壁開口を、前記第２ピストン３２の下端から図示１２
の長さ範囲内の位置に臨ませである。

この距離１２は第２ピストン３２の鍔体３２ａと止め金
具１４の上端面間の距離であり、換言すれば、該第２ピ
ストン３２の移動可能な距離である。

そして、この距離１２による機構上の規制は図示の如く
導管７並びに送水管５の開口位置決めにおいても考慮さ
れている。

又、第１ピストン３１の指当て部３１ ａの下縁と前記
鍔体３２ ａの上端との間の距離１１即ち第１ピストン
３１と第２ピストン３２との間の相対移動距離は第１ピ
ストン３１における側孔１３と第２ピストン３２におけ
る小孔１５ａとの位置設定に考慮されている。

その他、１８．１８は水密用Ｏリングである。

このような構成よりなる第２図実施例によると、シリン
ダー２の手許操作部本体１への螺着固定に続いて、導管
４及び５並び導管７等を取付ける一方、予め各機構部を
組付けて一電にした第１ピストン３１．第２ピストン３
２から戒るピストン部３を前記シリンダー２に差し入れ
ながら、止め金具１４の締め付けをもって装着する。

従って、この止め金具１４の取外しによって、前記ピス
トン部３はシリンダー２即ち前記本体１から容易に離脱
させることができる。

このような組付けのもとで、使用に際して、空気ポンプ
Ｐを作動させると、圧搾空気は送気管４を通してシリン
ダー２の容室１７に送り込まれると共に、密封容器Ｑに
も分岐道４ａを通って送り込まれるが、該容器Ｑから延
設した送水管５は第２ピストン３２の独立した他の一つ
の容室１６に接続されているだけなので、通常の状態で
は、送気も送水も行なわれない。

従って、前記容室１７に導かれた空気は通気管８を通っ
て第１ピストン３１の上端放出口から放出される。

この時、内視鏡先端部６に通じる導管７は第２ピストン
３２の周回溝１５との一致下に置かれているが、これに
連らなる小孔１５ａが第１ピストン３１によって閉じら
れているので、閉鎖状態に保たれている。

次いで、送気操作に当り、指当て部３１ ａに開口した
放出口を指先で塞ぎながら、これを押し下げると、第１
ピストン３１と第２ピストン３２との間に設けた抗圧発
条９の抗圧力は第２ピストン３２と不動部分との間に設
けられた抗圧発条９ａより抗圧力が弱いため、第２ピス
トン３２は押し込まれずに、第１ピストン３１だけがま
ず押し込まれて、その指当て部３１ ａの下端が鍔体３
２ ａの上端に当接する迄の距離１１だけ降下する。

この第１ピストン３１の降下により、その側孔１３が第
２ピストン３２の小孔１５ａと一致し、これまでの小孔
１５ ａの閉鎖状態から通気管８への連通がなされるの
で、送気管４から送り込まれる空気は、通気管８の放出
口閉鎖下に導管７を通って内視鏡先端部６から射出する
こととなる。

この操作状態から、更に第１ピストン３１を押し下げる
と、第２ピストン３２は第１ピストン３１と一体となっ
て強い抗圧発条９ａの作用力に抗して、鍔体３２ ａの
下端が止め金具１４の上端に当接する迄距離１２だけ押
し下げられる。

この動作で、前記容室１６はそのシリンダー２内での占
位位置を変え、送水管５と導管７とを該容室１６を介し
て連通させる状態になると半に、送気管４は第２ピスト
ン３２によってその開口部を閉鎖されるようになる。

従って、空気ポンプＰは送気管４の閉鎖下に密封容器Ｑ
に向けて分岐管４ａを通して圧搾空気を送り込み、その
空気圧によって洗滌水Ｒを送水管５を通して押し上げ、
この洗滌水Ｒは、連通した導管７を経て内視鏡先端部６
から射出される。

そして、この動作は指当て部３１ ａを手離すことによ
る抗圧発条９及び９ａの復帰作用力により、第１及び第
２のピストン３１．３２の上昇復帰で中止される。

このように、本考案装置では、送気送水操作の切換えに
おいて、操作前の通常状態で導管のシリンダーの開口端
をピストンにより閉鎖しているで、体内圧による導管先
端からの空気又は汚物等の導管内への逆流を防ぐことが
出来る結果、送気ピストン操作と同時に清浄空気が先端
部より放出されるため、体腔内から不必要な空気の漏れ
がなく、体腔内への送り込み空気量も観察に必要な最少
限の量で済み、これによる患者の苦痛を軽減することに
役立つと共に汚物等による装置自体の汚染が少なくて衛
生的であり患者間の感染を防ぐ上で効果的である。

更に、本考案装置は送気及び送水操作を行なわない通常
状態において、内視鏡先端部に通じる送気送水用の導管
を閉鎖状態に置くように構成したので、観察時などに術
者がピストン先端の放出口を無意識のうちに塞ぐような
ことがあっても、前記導管により先端部へ送気されるよ
うなことがなくて、操作上の安全性に優れた効果を有す
ると共に、ピストンを押し込んだ送水操作状態では、該
ピストンによって送気管のシリンダー内開口部を自動的
に閉じるので、この状態ではピストン先端の前記放出口
を指先によって閉鎖し続ける必要がなくて、この指先操
作に注意力を必要とする術者の作業を軽減し得る等の操
作性にも優れている等、本考案装置は実用に供して顕著
な効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案装置の組付は状態を一般的な同種装置と
の関連で示す配置構成図、第２図は本考案装置の一実施
例を示す要部の詳細な縦断側面図である。 １・・・・・・操作部本体、２・・・・・・シリンダー
、３・・・・・・ピストン部、４・・・・・・送気管、
５・・・・・・送水管、６・・・・・・内視鏡先端部、
７・・・・・・導管、８・・・・・・通気管、９・・・
・・・強い抗圧発条、９ａ・・・・・・弱い抗圧発条、
１３・・・・・・側孔、１５・・・・・・周回溝、１５
ａ・・・・・・小孔、１６・・・・・・容室、１７・
・・・・・容室、３１・・・・・・第１ピストン、３２
・・・・・・第２ピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手許操作部本体１に配設されたシリンダー２に摺嵌され
   る中空の第２ピストン３２と、第２ピストン３２の内側
   に摺嵌される中空第１ピストン３１とから成り、シリン
   ダー２には空気ポンプＰの圧力作用下に揚水される送水
   管５と空気ポンプＰから導かれる圧搾空気を送る送気管
   ４とを上下２段に開口接続させるとともに内視鏡先端部
   ６に開口を有する導管７を開口接続させ、第２ピストン
   ３２と不動部分との間に仕組んだ強い抗圧発条９ａと第
   １ピストン３１と第２ピストン３２との間に仕組んだ弱
   い抗圧発条９とにより上記各ピストンは常時はシリンダ
   ー２の外方に向けて突出する位置に占位させ、第２ピス
   トン３２にはその外側に容室１６を設は且つ第２ピスト
   ン３２の内外を貫く小孔１５ａと周回溝１５とを開穿し
   、第１ピストン３１にはその中空部を圧搾空気放出用の
   通気管８とする内側とその外側とを連通ずる側孔１３を
   一部に開穿し、各ピストンの上記突出位置においては、
   送気管４と前記通気管８に連なるシリンダー２の器底部
   の容室１７とが連通され且つ導管７と連通ずる周回溝１
   ５及び小孔１５ａが側孔１３とを連通せず、第２ピスト
   ン３２に対し第１ピストン３１が所定量圧入された位置
   では、側孔１３が前記小孔１５ ａと相対して送気管４
   と導管７とを連通させ、両ピストン３１と３２の充分な
   圧入位置においては、第２ピストン３２の外側が送気管
   ４との連通を遮断するとともに送水管５と容室１６及び
   容室１６と導管７とを連ねる流路が形成されるべく送気
   管４、送水管５、導管７、側孔１３、小孔１５ ａとこ
   れに連なる周回溝１５を夫々各ピストン３１．３２の作
   動方向に沿って位置づけてなる内視鏡における送気送水
   のための切換装置。