JP4144542B2 - 狭域通信システム - Google Patents
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Description
尚、本願発明の従来技術は一般的な技術であり、先行特許文献の記載を省略する。
また、DSRC(Dedicated Short Range Communication)では、アプリケーションを識別するためにアプリケーションID(AID)が定義されており、たとえ複数の車載器が搭載されていても、異なるアプリケーションが実装された車載器は応答することはないものの、ETCで使用されるAID14は多目的料金収受システムと定義されているため、例えば駐車場システムなども、AID14の範疇に入るものと考えられる。
この場合、車載器の通信機能を利用して、他の車載器が車両に搭載されていることを検知することができるので、検知を容易に行うことができる。
請求項3の発明によれば、車載器のリリースタイマを設定することにより、車載器を停止状態とすることができる。
請求項4の発明によれば、複数の車載器が車内LANを通じて接続されているような環境では、車内LANを通じて他の車載器を検知することができる。
以下、本発明の第1実施例について、図1ないし図7を参照して説明する。
まず、図1は、例えば高速道路のインタチェンジなどに設置されるETC路側機の構成を概略的に示している。ETC路側機(基地局に相当)1は、路上アンテナ2、第1の車両検知器3、第2の車両検知器4、第3の車両検知器5、発進制御機6、路側表示器7および車両監視カメラ8などから構成されている。
第1の車両検知器3は、例えば一対の投光器と受光器とからなる光電センサにより構成されており、路上アンテナ2により形成される通信エリアにあって車両10が進入する側(図1中、左側)の端部に車両10の進行方向に対して略垂直となる検出エリアを形成するように設置されている。この場合、第1の車両検知器3は、車両10が通信エリアに進入しようとするのに伴って、光軸が車両10の前端部により遮られると、進入検知信号を車線制御装置11(図2参照)に出力する。
料金所コンピュータ15は、車線制御装置11から例えばETCカード識別情報や料金情報などの各種の情報を入力すると、入力された各種の情報を編集して精算処理センタに送信する。尚、料金所コンピュータ15は、1箇所の料金所で1台設置されており、料金所に複数の車線が敷設されている場合には、複数の車線毎に設置されている複数の車線制御装置11を統括管理する。
制御回路16は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、マイクロコンピュータが制御プログラムを実行することにより、ETC車載器13の動作全般を制御する。無線部17は、ETC路側機1のETC路側機1との間でDSRCに準じたETC通信を行う。
まず、料金所におけるETC通信の仕組みを説明する。図4は、ETC路側機1とETC車載器13との間のETC通信のシーケンスを示している。ETC路側機1は、まず、「FCMC(Frame Control Message channel)」をETC車載器13に送信する。
DSRCプロトコルでは、通信エリア内にいる全てのETC車載器13は、ETC路側機1から送られるFCMCに対し、ETC路側機1が持つアプリケーションと、ETC車載器13が対応可能なアプリケーションが一致した場合に、通信を開始するためにACTC(Activation Channel)を送信し、ETC路側機1がETC車載器13から「ACTC」を受信することにより、ETC車載器13との間で通信リンクを確立する。
図6は、ETC車載器13の動作のうち本発明に関連した動作を示すフローチャートである。この図6において、ETC車載器13は、電源投入に応じて起動したときは、タイマを0に設定してから(S1)、タイマが0であると共に(S2:YES)、ETC路側機1が近辺にないことを確認してから(S3:YES)、擬似路側モードを実行する(S4)。
従って、擬似路側モードでは、ETC車載器13は、自己の設定を変更し、ETC路側機1の周波数で電波を送信できるモードに遷移する。つまり、ETC路側機1の動作を擬似的に実行し、図4に示した通信シーケンスにより他のETC車載器13からの応答データを監視することで、自分以外に車内にETC車載器13がいるかを判断する。このような擬似的なETC路側機1の通信動作に応答するETC車載器13を発見した場合は(S5:YES)、自己の表示或いはカーナビゲーション装置等のHMI(Human Friendly Identifiers)機能を用い、ユーザに警告する(S6)。
また、他のETC車載器13と自らとを比較し、自分の方が機能を停止させるべきと判断した場合には、自らの機能を停止するようになっている。例えばETC車載器13の場合、ETCカード14が挿入されていなければETCゲートを通過できないため、擬似路側モードで通信を行い、相手が持つETCカード情報と自らが持つETCカード情報を比較し、ETCカード情報がない方のETC車載器13の機能を停止させる。ここで機能停止とは、通信機能そのものを停止させても良いし、通信エリアで電波を受けても応答しないだけとしても良い。また、自らが機能停止状態の時に、通信エリアで他のETC車載器13が応答をしない場合には、それを検出して自らの機能を復帰させ、通信を行うようにしても良い。
また、他のETC車載器13を発見した場合は、有効なETC車載器13のみが動作するように特定の車載器13を停止するようにしたので、複数のETC車載器13が存在することによる不具合を自動的に解決することができ、使い勝手に優れている。
さらに、ETC車載器13の無線機能を利用するようにしたので、ETC車載器13のハード構成を変更することなくソフトの変更のみで実施することができる。
次に、本発明の第2実施例を図8に基づいて説明する。この第2実施例は、ETC車載器13が車内LANを通じて他のETC車載器13の存在を検出することを特徴とする。
図8は、車内LANに接続された機器を示している。この図8において、車両には車内LAN31が設けられており、車内LAN31を通じてカーナビゲーション装置32、オーディオ装置33、エアコンディショナー装置34などの外部機器が表示装置35と接続されており、それらの外部機器の使用状態を一つの表示装置35で表示すると共に、表示装置35に設けられたスイッチで各外部機器を制御可能とすることによりスペースの効率化が図られている。
A.各外部機器が自分の情報を自発的に車内LAN31上に送信する。
B.マスターなどのユニットからの要求に応じて、各外部機器が自分の情報を車内LAN31上に送信する。
Bの場合、ETC車載器13(停止手段に相当)がマスターになりきり、他にETC車載器13がいることを想定して要求コマンドを送り、その応答を監視することで、自分以外のETC車載器13の存在を確認できる。コマンドの送信タイミングは、第1実施例で説明したETC車載器13の擬似路側モード移行タイミングと同様でよいが、例えばカーナビゲーション装置32などが持つ位置情報などに応じて適切なタイミングが得られる場合には、ナビ情報をトリガにしてETC車載器13の接続状況を確認しても良い。
また、マスターとして機能するユニット(停止手段に相当)が存在する場合は、マスターは、各外部機器の存在を本来認識しているため、そのことをHMIでユーザに通知するようにしても良い。
次に、本発明の第3実施例を図9に基づいて説明する。この第3実施例の特徴は、料金所のETC路側機1の通信シーケンスを変更することで、複数台のETC車載器13に対応できるようにしたことを特徴とする。
本実施例のETC車載器13の動作が理解し易いように、従来の通信シーケンスを図10に示す。この図10において、従来のETC路側機は、車両がゲートに進入したときは、DSRC通信を準備し(S101)、DSRC処理(リンク確立)を開始したときは(S102:YES)、ETC車載器13から取得したIDが登録されているかを検索する(S103)。IDが登録されていない場合は(S104:NO)、ETC決済情報があるかを判断し(S105)、ある場合は(S105:YES)、ETC決済情報に基づいて所定のETC処理を実行してから(S106〜S110)、ETC処理結果をETC車載器13に通知すると共に(S111)、IDを登録してから(S112)、DSRC通信を処理する(S113)。
ここで、ETC路側機は、一度通信したETC車載器13とは、IDが登録されていることに基づいて(S104:YES)、ETC処理を再度行わないようになっており、無駄なETC処理を抑制するようにしている。このため、ETC路側機が複数のETC車載器13と通信する場合は、各ETC車載器13は、ETC路側機と他のETC車載器13との通信結果にかかわらず独立して動作することになり、複数のETC車載器13が矛盾する通信結果をユーザに通知する可能性がある。つまり、ETC決済情報があるETC車載器は、「ETCゲート通行可」と通知し、ETC決済情報がないETC車載器13は、「ETCゲート通行不可」と通知することになり、ユーザに対して異なる通信結果が通知されてしまうという不具合を生じる。
(複数のETC車載器13の何れかがETC決済情報を持っている場合)
図9は、本実施例のETC路側機1の動作を示しており、従来の動作を示す図10と同一の動作を示すステップには同一のステップ番号を付して説明を省略する。この図9において、複数のETC車載器13が搭載された車両が料金所のETC専用ゲートに進入すると、各ETC車載器13はETC路側機1と順に通信可能な状態となる。
そして、決済情報を持たないETC車載器13のリリースタイマが経過すると、当該ETC車載器13は、DSRC通信を再度開始する(S102:YES)。このとき、当該ETC車載器13のIDは登録されていると共に(S203:YES)、結果通知フラグがオンしていることから(S205:NO)、ETC路側機1は、何もすることなくDSRC処理を終了する(S113)。
そして、車両がETC専用ゲートを通過して車両検知がオフしたときは(S114:YES)、DSRC通信をオフすると共に(S115)、ID登録を解除してから(S116)、車両情報登録を解除し(S117)、さらに結果通知フラグをオフして(S207)、通信を終了する。
そして、IDが登録されたETC車載器13が、リリースタイマの経過により通信を再開したときには、それまでには、ETC決済情報を持ったETC車載器13とのETC処理が終了し、当該ETC車載器13にETC処理結果が通知されると共に(S111)、結果通知フラグがオンしているので(S206)、結果通知フラグがオンしていることに基づいて(S205:NO)、何もすることなくDSRC通信を終了する。
ETC決済情報を持たないETC車載器13が通信を開始した際に、初めて通信するETC車載器13の場合は、IDだけを登録してDSRC通信を終了する。
そして、IDが登録されたETC車載器13が、リリースタイマ経過後に再度通信を開始したときは、IDが登録されていると共に(S203:YES)、結果通知フラグがオフしていることから(S205:YES)、ETC処理結果を通知すると共に(S111)、結果通知フラグをオンする(S206)。この場合、ETC路側機1は、ETC処理を終了していないことから、決済が終了していないことを示すETC処理結果をETC車載器13に通知することになる。
従って、最初に通信したETC車載器13の1台のみにETC処理結果が通知されるので、複数のETC車載器13が異なるETC処理結果を通知してしまうことを防止できる。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
上記実施例を組合せることによりシステムの信頼性を高めるようにしてもよい。
ETC以外のアプリケーションでも、車両保有情報に相当する固有情報を利用することで、物流配送センターのような荷役タグ物量管理システム、ガソリンスタンドのような料金決済システムなどに適用するようにしてもよい。
Claims (8)
- 車両に搭載された車載器と基地局との間でデータ通信を実行する狭域通信システムにおいて、
前記車載器は、
車両内に存在する他の車載器を検知する検知手段と、
この検知手段が他の車載器の存在を検知した場合は、ユーザに他の車載器が存在することを報知する報知手段とを備え、
前記検知手段は、前記基地局の通信動作を擬似的に実行することにより他の車載器を検知することを特徴とする狭域通信システム。 - 前記検知手段が検知した車載器のうち特定の車載器の機能を停止する停止手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の狭域通信システム。
- 前記停止手段は、特定の車載器の機能を停止するときは、当該車載器の次の通信までの時間であるリリースタイマを設定することを特徴とする請求項2記載の狭域通信システム。
- 前記車両には車内LANが設けられており、
前記検知手段は、前記車内LANを通じて当該車内LANに接続された他の車載器を検知することを特徴とする請求項1記載の狭域通信システム。 - 前記検知手段が車内LANで複数の車載器を検出した場合に、車載器が特定の車載器の機能を停止する停止手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の狭域通信システム。
- 前記検知手段が車内LANで複数の車載器を検出した場合に、車内LANに接続されている他の機器が特定の車載器の機能を停止する停止手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の狭域通信システム。
- 車両に搭載された車載器と基地局との間でデータ通信を実行する狭域通信システムにおいて、
前記車載器は、
車両内に存在する他の車載器を検知する検知手段と、
この検知手段が他の車載器の存在を検知した場合は、ユーザに他の車載器が存在することを報知する報知手段とを備え、
前記車両には車内LANが設けられており、
前記検知手段が前記車内LANを通じて当該車内LANに接続された他の車載器を検知した場合に、ETCカード情報がない車載器が、当該車載器の機能を停止する停止手段を備えたことを特徴とする狭域通信システム。 - 車両に搭載された車載器と基地局との間でデータ通信を実行する狭域通信システムにおいて、
前記車載器は、
車両内に存在する他の車載器を検知する検知手段と、
この検知手段が他の車載器の存在を検知した場合は、ユーザに他の車載器が存在することを報知する報知手段とを備え、
前記車両には車内LANが設けられており、
前記検知手段が前記車内LANを通じて当該車内LANに接続された他の車載器を検知した場合に、車内LANに接続されている他のマスターとして機能するユニットが、ETCカード情報がない前記他の車載器の機能を停止する停止手段を備えたことを特徴とする狭域通信システム。
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