JP4143585B2 - 板状物の貼合装置及び貼合方法 - Google Patents

板状物の貼合装置及び貼合方法 Download PDF

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本発明は、板状物の貼合装置及び貼合方法に関し、特に、DVD、CD等の記録メディアの製造工程において、記録面と保護面を形成する2枚の基板を貼り合わせる際、または、半導体製造工程において、ガラスウエハを貼り合わせて積層する際等に用いられる板状物の貼合装置及び貼合方法に関する。
従来、半導体製造工程で半導体基板にダイシング用テープを貼り付ける際には、例えば、図11に示すように、半導体基板台41の上に半導体基板42を載置し、表面にゴムが貼着されたローラー44や、円筒状のブロック等でダイシング用テープ43を上方から押圧して貼り付けていた。
また、特許文献1には、図12に示すように、2つに分割された真空チャンバー51、52の一方の真空チャンバー51側に、断熱材53と、ヒーター54と、弾性体55と、熱圧着プレート56を設け、もう一方の真空チャンバー52側にも、断熱材62と、ヒーター61と、弾性体60と、熱圧着プレート59を設け、フィルム57に仮付けした基板58を搬入し、ラムシリンダ64内のピストン63を上昇させ、熱圧着プレート56、59により、基板58にフィルム57を熱圧着して貼り付けるフィルム貼付装置が開示されている。
さらに、特許文献2に記載のディスク貼合方法では、図13に示すように、真空チャンバー78内で、下面に接着剤を塗布した第1のディスク73の内孔または外周部を第1のディスク73の上側からチャック71を介して定盤72に固定し、プレート76上に載置された第2のディスク75を第1のディスク73に対向して下側のピストン77の上に真空吸着や重力により固定する。そして、第1のディスク73を固定しているチャック71を開放し、重力により第1のディスク73を第2のディスク75に落下させ、両ディスク73、75を貼り付け、ピストン77を上昇させて圧着し、両ディスク73、75を貼り合わせている。
また、特許文献3には、図14に示すように、上下の真空チャンバー81、85内の基板支持台84上に半導体基板83を載置し、フィルム82を上下の真空チャンバー81、85で挟み、基板支持台84をエアーシリンダ86で上昇させ、フィルム82の張力を用いて半導体基板83に仮付けし、真空チャンバー81、85内の真空圧を大気圧に戻すことにより、フィルム82を半導体基板83に貼り付ける方法が開示されている。
特開2003−025445号公報 特開2002−197739号公報 特許第2856216号公報
上記従来技術は、特許文献2を除き、板状物にフィルムを貼着する技術に関するものであるが、DVDの記録面と保護面を形成する2枚の基板等を貼り合わせる場合のように、2枚の板状物を貼り合わせる際にも上記と同様の問題が発生し、2枚の板状物の間に気泡が入りやすく、気泡の存在によって両部材間に介在する接着層の厚さがばらついたり、所望の品質を確保することが困難になるという問題があった。
また、従来のピストンで押し付ける方法等で板状物同士を接着層を介して貼り合わせると、ピストンの平行度と、板状物の平行度によって、貼り合わせ時の平行度も決まってしまうため、板状物のロットや、形状が変わると、ピストンは変化に対応できず、貼り合わせ面の平行度、すなわち接着層の厚さの精度が悪化するという問題があった。
さらに、従来、ピストンで貼り合わせた後、UV(紫外線)等を照射して接着層を硬化させているが、特にポリカーボネイト等の柔軟な樹脂系の材料については、加工上、必ず反りが発生し、反っている板状物を互いに平行になるように貼り合わせても、ピストンの押付力を解除すると、ポリカーボネイト等に元に戻ろうとする力が働き、接着層の硬化前に反りが戻ってしまうため、UV硬化が完了する前に反りが戻ってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、2枚の板状物同士を貼り合わせる際に、部材間に気泡が残るおそれがなく、貼り合わせ面の平行度を高精度に維持することができ、反りがある部材であっても接着層が硬化する前に反りが戻るようなことのない板状物の貼合装置及び貼合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、2枚の板状物を接着層を介して貼り合わせる貼合装置であって、減圧可能な内部空間を有し、該内部空間の上部を覆う蓋を備えた筐体と、該筐体の内部空間において、第1の板状物を保持する第1の保持手段と、前記筐体の内部空間の前記第1の板状物の下方において、第2の板状物の下面全体を保持するとともに、該筐体の内部空間内で上下方向に移動可能な第2の保持手段と、該第2の保持手段の下面側と上面側の気圧差によって該第2の保持手段を前記筐体の内部空間を上下方向に移動させる移動手段と、該移動手段によって前記第2の保持手段及び前記第2の板状物が上昇し、該第2の板状物が前記第1の板状物と当接し、さらに前記第2の板状物が上昇することにより、前記第1の保持手段による前記第1の板状物の保持が解除され、さらに前記第2の板状物が上昇することにより、前記第1の板状物の上面が前記蓋の内面に押圧された後、前記第2の保持手段の上面に圧縮空気を入れて下降させるとともに、押圧された前記第1と前記第2の板状物の上面を圧縮空気により均一に押圧し、該状態で、両板状物の間に介在する接着層を硬化させる接着層硬化手段とを備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、両板状物の貼り合わせを減圧下で行うことができるため、筐体内の気体は減少し、たとえ筐体内に気体が僅かに残存していたとしても、両板状物の間に巻き込まれる気泡の内部には減圧された空気が存在するだけであるため、両板状物を減圧下から圧縮空気を入れた加圧下にした場合に、気圧差によって気泡が押し潰され、両板状物の間に気泡が残存することがない。また、2枚の板状物を加圧しながら両者間の接着層を硬化させることができるため、両板状物を互いに平行な状態を維持しながら貼り合わせを行うことができる。さらに、板状物の全面に圧縮空気による押圧力が加わるため、接着層は均一の厚さに押し潰される。また、空気圧の特性上、面内に同じ押圧力が加わるため、板状物に傾きや、反りが発生していても、矯正することができ、矯正した状態で接着層を硬化させることができる。
前記貼合装置において、前記接着層を紫外線硬化性樹脂で形成し、前記蓋を紫外線透過可能な材料で形成し、前記接着層硬化手段によって、前記蓋を介して前記接着層に紫外線を照射するようにしてもよい。
また、前記貼合装置において、前記接着層を熱硬化性樹脂で形成し、前記接着層硬化手段によって、前記第2の保持手段を介して前記接着層に熱を加えるようにしてもよい。
さらに、本発明は、板状物の貼合方法であって、下面に接着層を形成した第1の板状物と、該第1の板状物の下方で該第1の板状物と相対向して位置する第2の板状物とを減圧した筐体内で保持し、該第2の板状物を上昇させ、前記第1の板状物を該第2の板状物と前記筐体の内壁との間で押圧して該第1の板状物と前記第2の板状物とを貼り合わせ、前記第1の板状物の上面全面を空気を介して略々均一な圧力で押圧しながら前記接着層を硬化させることを特徴とする。これによって、上述のように、両板状物の間に気泡が残存することがなく、両板状物を互いに平行な状態を維持しながら貼り合わせることができ、接着層を均一の厚さに押し潰し、板状物の傾きや、反りを矯正した状態で接着層を硬化させることができる。
また、本発明は、板状物の貼合方法であって、上面に接着層を形成した第1の板状物と、該第1の板状物の上方で該第1の板状物と相対向して位置する第2の板状物とを減圧した筐体内で保持し、前記第1の板状物を上昇させ、前記第2の板状物を該第1の板状物と前記筐体の内壁との間で押圧して該第1の板状物と前記第2の板状物とを貼り合わせ、前記第2の板状物の上面全面を空気を介して略々均一な圧力で押圧しながら前記接着層を硬化させることを特徴とし、上記貼合方法と同様の作用効果を奏する。
本発明によれば、2枚の板状物同士を貼り合わせる際に、部材間に気泡が残るおそれがなく、貼り合わせ面の平行度を高精度に維持することができ、反りがある部材であっても接着層が硬化する前に反りが戻るようなことのない板状物の貼合装置及び貼合方法を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明においては、本発明にかかる板状物の貼合装置及び貼合方法を、半導体製造工程において、基板としてのガラスウエハにUVを照射して接着層を硬化させて貼り合わせる場合を例にとって説明する。
図1は、本発明にかかる板状物の貼合装置の第1の実施の形態を示す断面図であって、この板状物の貼合装置は、大別して、減圧可能な内部空間を有し、内部空間の上部を覆う蓋5を備えた筐体4と、筐体4の内部空間において、基板2を保持する保持部6と、筐体4の内部空間において、基板1の下面全体を保持するとともに、筐体4の内部空間を上下方向に移動可能なピストン3と、ピストン3の上面側または下面側に圧縮空気を供給したり、減圧したりするための上側空気流路11及び下側空気流路12とで構成される。
筺体4の内部空間は、上部が蓋5で囲繞され、十分に気密が確保され、真空室として機能する。筺体4の内部は、電磁13A、13B、上側空気流路11及び下側空気流路12を介して、図2に示す真空ポンプ14で減圧するとともに、圧縮空気によって加圧するため、これらの圧力に耐えうる材質で形成し、十分な厚さを有するものとする。
ピストン3は、筺体4の内部空間を上側と下側に分割し、この内部空間内をピストン3の上下の差圧によって上下動可能に構成される。ピストン3の上面には、基板1を載置し、下面側には、下側空気流路12が設けられる。このピストン3には、高精度の平面度を備えたものを使用し、筺体4の上側と下側の気圧差によってスムーズに筺体4内を上下方向に移動することができるようにする。
上側空気流路11は、ピストン3の上側の筺体4の内部空間を減圧、大気開放または加圧するために設けられ、真空ポンプ14等に接続される。また、下側空気流路12は、ピストン3の下側の筺体4の内部空間を減圧、大気開放または加圧するために設けられる。
蓋5は、UV透過率95%程度の石英ガラス等で形成され、筺体4の気密を可能とする。蓋5の加工は、研磨によって平面度を高精度に保ち、上部からUV照射部7によってUV照射を行っても、UVが筺体4の内部空間に位置する基板1、2まで透過し、基板1、2の間のUV硬化性樹脂を硬化させることができるものを使用する。
保持部6は、図3に示すように、円周を4分割する位置に配置された弾性体によって基板2を保持することができる。
UV照射部7は、蓋5を介して筺体4の内部空間にUV硬化性樹脂を硬化させるためのUVを照射する。尚、UV硬化性樹脂は、硬化時に収縮するため、UVの照度のムラによって平行度がばらつくおそれがある。そのため、UV照射部7には照度ムラの少ないUV照射機を選択する。
電磁弁13(13A、13B)は、図2に示すように、上側空気流路11及び下側空気流路12を介してピストン3を境にした筺体4の上側、下側を減圧、大気開放、加圧の3つの状態に切り換えるために備えられる。
次に、上記構成を有する板状物の貼合装置の動作について、図1乃至図7を参照しながら説明する。尚、ピストン3の上側及び下側の圧力変化を図4に示す。
まず、予め最適量のUV硬化性樹脂をスピンコート法等により均一に塗布した基板1を準備する。図2の電磁弁13Bを動作させ、図1のピストン3の下側に下側空気流路12を介して圧縮空気を導入し、ピストン3を上昇させ、上記基板1をピストン3の上面にセットし、もう1枚の基板2の外周面を保持部6によってクランプし、基板1と基板2との間の間隔を維持しながら、筐体4の蓋5を閉め、電磁弁13Aを動作させ、筐体4の内部空間を図2に示した真空ポンプ14及び上側空気流路11を介して減圧雰囲気にする。尚、筐体4の内部空間の気圧は、UV硬化性樹脂の脱泡が始まらない程度に設定する。
次に、電磁弁13Bを動作させ、下側空気流路12を介してピストン3の下側を大気に開放すると、図5に示すように、ピストン3の上側と下側との差圧により、ピストン3は上昇し、基板1を持ち上げ、図6に示すように、蓋5に2枚の基板1、2が重ね合わせられた状態で押し付けられ、基板1、2同士が貼り合わせられる。また、この際、UV硬化性樹脂は均一に伸ばされる。
2枚の基板1、2が貼り合わせられた後、電磁弁13Aを動作させ、図7に示すように、上側空気流路11を介して圧縮空気を上側の内部空間に導入する。これによって、ピストン3は下降し、基板1、2の全面が圧縮空気により加圧される。ここで、基板1、2間に気泡が残存していたとしても、気泡中の雰囲気は減圧されたものであるため、気泡は圧縮空気によって押し潰される。また、基板1、2に予め反り等があっても、圧縮空気によって押圧され、基板1、2には互いに平行な状態となる。
次に、図8に示すように、基板1、2が加圧された状態のまま、蓋5の上面よりUV照射部7によってUVを照射し、UV硬化性樹脂を硬化させる。最後に、電磁弁13Aを動作させ、ピストン3の上側の圧縮空気を上側空気流路11を介して抜き取り、筐体4の蓋5を開け、電磁弁13Bを動作させ、ピストン3の下側に下側空気流路12を介して圧縮空気を導入し、ピストン3を上昇させ、貼り合わせられた基板1、2を取り出して一連の工程が完了する。
尚、図9に示すような保持部15を使用すれば、上記と同様の要領で、DVDやCD等、内側に穴が穿設された基板16等の貼り合わせを行うことも可能である。
また、上記実施の形態においては、接着層としてUV硬化性樹脂を使用しているが、熱硬化性樹脂を貼り合わせに使用することも可能である。その場合には、図10に示すように、蓋10を石英ガラスにする必要はなく、ピストン3にヒーター8を取り付け、本発明と同様に貼り合わせを行った後、圧縮空気で加圧しながらヒーター8を加熱して樹脂を硬化させることも可能である。
本発明にかかる板状物の貼合装置の第1の実施の形態を示す図であって、筐体の内部空間を減圧している状態を示す断面図である。 本発明にかかる貼合装置の配管図である。 本発明にかかる貼合装置の保持部を示す平面図である。 図1の貼合装置の動作のタイミングチャートである。 図1の貼合装置のピストンの上昇中の状態を示す断面図である。 図1の貼合装置で基板を貼り合わせている状態を示す断面図である。 図1の貼合装置の基板の筐体の内部空間を加圧している状態を示す断面図である。 図1の貼合装置のUV硬化中の状態を示す断面図である。 貼り合わせられる板状物がDVD、CD等の場合の本発明にかかる保持部を示す平面図である。 本発明にかかる貼合装置の第2の実施の形態として、熱硬化性樹脂によって貼り合わせを行う場合の貼合装置を示す断面図である。 従来のテープ貼付方法の一例を示す概略図である。 従来のフィルム貼付装置の一例を示す断面図である。 従来のディスク貼合方法の一例を示す断面図である。 従来の半導体ウエハに粘着テープを接着する方法の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 基板
3 ピストン
4 筺体
5 蓋
6 保持部
7 UV照射部
8 ヒーター
10 蓋
11 上側空気流路
12 下側空気流路
13 電磁弁
14 真空ポンプ
15 保持部
16 基板

Claims (5)

  1. 2枚の板状物を接着層を介して貼り合わせる貼合装置であって、
    減圧可能な内部空間を有し、該内部空間の上部を覆う蓋を備えた筐体と、
    該筐体の内部空間において、第1の板状物を保持する第1の保持手段と、
    前記筐体の内部空間の前記第1の板状物の下方において、第2の板状物の下面全体を保持するとともに、該筐体の内部空間を上下方向に移動可能な第2の保持手段と、
    該第2の保持手段の下面側と上面側の気圧差によって該第2の保持手段を前記筐体の内部空間内で上下方向に移動させる移動手段と、
    該移動手段によって前記第2の保持手段及び前記第2の板状物が上昇し、該第2の板状物が前記第1の板状物と当接し、さらに前記第2の板状物が上昇することにより、前記第1の保持手段による前記第1の板状物の保持が解除され、さらに前記第2の板状物が上昇することにより、前記第1の板状物の上面が前記蓋の内面に押圧された後、前記第2の保持手段の上面に圧縮空気を入れて下降させるとともに、押圧された前記第1と前記第2の板状物の上面を圧縮空気により均一に押圧し、該状態で、両板状物の間に介在する接着層を硬化させる接着層硬化手段とを備えることを特徴とする板状物の貼合装置。
  2. 前記接着層は、紫外線硬化性樹脂で形成され、前記蓋は、紫外線を透過可能な材料で形成され、前記接着層硬化手段は、前記蓋を介して前記接着層に紫外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の板状物の貼合装置。
  3. 前記接着層は、熱硬化性樹脂で形成され、前記接着層硬化手段は、前記第2の保持手段を介して前記接着層に熱を加えることを特徴とする請求項1に記載の板状物の貼合装置。
  4. 下面に接着層を形成した第1の板状物と、該第1の板状物の下方で該第1の板状物と相対向して位置する第2の板状物とを減圧した筐体内で保持し、
    該第2の板状物を上昇させ、前記第1の板状物を該第2の板状物と前記筐体の内壁との間で押圧して該第1の板状物と前記第2の板状物とを貼り合わせ、
    前記第1の板状物の上面全面を空気を介して略々均一な圧力で押圧しながら前記接着層を硬化させることを特徴とする板状物の貼合方法。
  5. 上面に接着層を形成した第1の板状物と、該第1の板状物の上方で該第1の板状物と相対向して位置する第2の板状物とを減圧した筐体内で保持し、
    前記第1の板状物を上昇させ、前記第2の板状物を該第1の板状物と前記筐体の内壁との間で押圧して該第1の板状物と前記第2の板状物とを貼り合わせ、
    前記第2の板状物の上面全面を空気を介して略々均一な圧力で押圧しながら前記接着層を硬化させることを特徴とする板状物の貼合方法。

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