JP4142846B2 - 電子カメラ装置とその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、DCF(Design rule for Camera File system)規格に対応した電子カメラ装置とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、首記の如きDCF規格対応の電子カメラ装置は、撮影して得られた画像データを記録媒体に保存する際に、図11に示すような構造でのファイル管理を行なっている。このファイル管理構造は、カメラファイルシステム規格であるDCF Ver1.0により取り決められた内容によるものである。
【0003】
このDCF規格によると、データ記録時のファイル名称や、そのファイルを保持するディレクトリの名称ならびに保存場所等について、約束事項が細かく規定されている。この規定の詳細については省略するが、主要な事項について、以下に説明する。
【0004】
(1)DCFファイル名…####****.$$$
####:ベンダー固有の英数字及び_による4桁の文字列
****:ファイル番号(0001〜9999の数字)
$$$:データフォーマットを表す拡張子
(2)DCFディレクトリ名…***#####
***:ディレクトリ番号(100〜999の数字)
#####:ベンダー固有の英数字及び_による5桁の文字列
(3)DCFディレクトリ
図11に示されるように、DCIM(DCF Image root directory)内に、上記した(2)で名付けられたディレクトリを作成し、(1)で名付けられたファイル名で保存する。
【0005】
(4)DCFオブジェクト
ファイル名において、####****の部分は同一名称で拡張子が異なる場合、これらのファイル群は関連付けられたデータ群として扱われる。
【0006】
(5)その他の事項
上記(1)〜(4)の事項を満たしている場合、新たな拡張子によってデータ群の間連付けを行なうことが可能である。例えば、PDRM0001.JPGという静止画像データに対して、PDRM0001.TXT、PDRM0001.THMやPDRM0001.WAVというデータ群が存在することが可能となっている。
【0007】
これらの拡張子の異なる各データは、PDRM0001という名称で括られた1つのデータ群として扱われ、再生する機器が対応可能であれば、画像表示とともに、テキストデータ(拡張子TXT)、サムネイルデータ(拡張子THM)や音声データ(拡張子WAV)の再生を実現することができる。
【0008】
これらのデータ群の取り扱いは、メーカー毎に独自に行なうことが許容されているが、最低条件として静止画像の再生が義務づけられている。拡張子により再生する機器において対応が可能なデータである場合、その他のデータを再生することも可能であるが、強制的なものではない。
【0009】
上記のようなDCF規格に基づくファイル管理構造は、電子カメラ装置から見た場合、記録するデータ群を管理する上で非常に便利である。しかしながら、ユーザ側から見た場合、記録したデータ群に対して、ユーザが任意のファイル名を付けることが許されていないとともに、管理を行なう上で重要な構成となるディレクトリに対しても、ユーザが任意の名称を付けることが許されていないため、ユーザにとって取り扱いが不便になるという問題が生じている。
【0010】
特に、DCF規格対応の電子カメラ装置に接続される記録媒体の容量は、年々増加の一途をたどっており、将来的に、無線技術を用いることによって、記録媒体がPC(Personal Computer)サーバのハードディスクそのものになった場合には膨大な大きさとなる。
【0011】
そして、このような状況下において、ユーザがファイルやディレクトリに対して任意の名称を付加することができないということは、ファイル管理におけるユーザの利便性を著しく損なうことになる。
【0012】
なお、このような電子カメラ装置におけるファイル管理構造に関する公知技術として、特開平10−177646号公報及び特開2000−165789号公報に示されるものがある。
【0013】
しかしながら、前者は、電子カメラの画像データをファイル管理するシステムにおいて、同一の撮影装置で記録する限りにおいては重複しない固有のファイル名を生成し、同一名称のファイルが複数存在することを防止するようにしたものであり、後者は、複数種類のデジタルカメラで撮影された映像情報を簡単な操作で取り込み、ファイルとして保存することができるようにしたものであって、いずれも、DCF規格に基づくファイル管理構造でユーザが任意の名称を設定することができないという上記の問題に対処することについては、何らの記載もなされていないものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、DCF規格に準拠した既存のファイル管理構造との互換性を維持した上で、ユーザが任意のファイル名やディレクトリ名を付けることを可能とするとともに、撮影して得られる画像データの保存場所として、ユーザが任意の名称を付したファイルやディレクトリを容易に選択することを可能とし、ファイル管理におけるユーザの利便性を効果的に向上させ得る極めて良好な電子カメラ装置とその制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電子カメラ装置は、撮影して得られた画像データをDCF規格に対応したファイル管理構造で記録媒体に記録するものを対象としている。そして、記録媒体にDCF規格に対応したファイル管理構造で記録されたディレクトリに対して、DCF規格に規定されない形態の仮想ディレクトリ名を入力設定する入力手段と、この入力手段で入力設定された仮想ディレクトリ名を記録名称とし、該仮想ディレクトリ名と、この仮想ディレクトリ名に対応するDCF規格に対応したディレクトリの名称とを対応させた仮想ディレクトリ管理用ファイルを作成して記録媒体に記録する記録手段と、特定のキーを操作することにより、入力手段で入力設定された仮想ディレクトリ名の一覧リストを画面表示させる表示手段と、この表示手段で表示された仮想ディレクトリ名の一覧リストから、所定の仮想ディレクトリ名を選択する選択手段と、この選択手段で選択した仮想ディレクトリ名に対応するDCF規格に対応したディレクトリに、撮影して得られた画像データを記録する制御手段とを備えるようにしたものである。
【0016】
また、この発明に係る電子カメラ装置の制御方法は、撮影して得られた画像データをDCF規格に対応したファイル管理構造で記録媒体に記録するように電子カメラ装置を制御する方法を対象としている。そして、記録媒体にDCF規格に対応したファイル管理構造で記録されたディレクトリに対して、DCF規格に規定されない形態の仮想ディレクトリ名を入力設定する入力工程と、この入力工程で入力設定された仮想ディレクトリ名を記録名称とし、該仮想ディレクトリ名と、この仮想ディレクトリ名に対応するDCF規格に対応したディレクトリの名称とを対応させた仮想ディレクトリ管理用ファイルを作成して記録媒体に記録する記録工程と、特定のキーを操作することにより、入力工程で入力設定された仮想ディレクトリ名の一覧リストを画面表示させる表示工程と、この表示工程で表示された仮想ディレクトリ名の一覧リストから、所定の仮想ディレクトリ名を選択する選択工程と、この選択工程で選択した仮想ディレクトリ名に対応するDCF規格に対応したディレクトリに、撮影して得られた画像データを記録する制御工程とを経るようにしたものである。
【0017】
上記のような構成及び方法によれば、入力設定された仮想ディレクトリ名の一覧リストを特定のキーの操作により画面表示させ、この表示された仮想ディレクトリ名の一覧リストから所定の仮想ディレクトリ名を選択して画像データを記録させるようにしたので、DCF規格に準拠した既存のファイル管理構造との互換性を維持した上で、ユーザが任意のファイル名やディレクトリ名を付けることを可能とするとともに、撮影して得られる画像データの保存場所として、ユーザが任意の名称を付したファイルやディレクトリを容易に選択することを可能とし、ファイル管理におけるユーザの利便性を効果的に向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1において、四角形の枠で囲まれているファイル群が、DCF規格にない、新たに追加されたファイルを示している。
【0019】
すなわち、このファイル管理構造では、管理用のファイルとして、2つのファイルを用意している。1つのファイルは、拡張子vfmを持った仮想ディレクトリ管理用ファイルであり、もう1つのファイルは、拡張子vlmを持った仮想ファイル管理用ファイルである。
【0020】
このうち、拡張子vfmを持つ管理用ファイルは、DCF規格とは独立した形で存在し、仮想的なディレクトリを定義している。そして、この仮想的ディレクトリ内に存在するファイルにより、DCF規格のファイル管理構造に存在する実際のファイルへの参照情報を定義している。
【0021】
一方、拡張子vlmを持つ管理用ファイルは、DCF規格に準拠した形で存在する。この拡張子vlmを持つ管理用ファイルは、ユーザが任意のファイル名を付ける対象となるファイルであり、DCFの規格上、拡張子vlm以外のファイル名が一致している他のファイルと関連付けられたデータ群として取り扱われる。そして、この拡張子vlmを持つ管理用ファイルは、対象となるファイルがユーザにより仮想的に付けられた名称を定義している。
【0022】
図2は、拡張子vfmを持つ管理用ファイルと拡張子vlmを持つ管理用ファイルとの関係を示している。図2において、「旅行.vfm」と称されたファイルが、仮想的なディレクトリを定義する管理用ファイルとなる。
【0023】
この管理用ファイル「旅行.vfm」には、仮想ディレクトリ名(この場合、旅行)、登録画像数、実際のデータの登録場所つまりディレクトリ(この場合、101TOSHI)、そこに登録されている実際のファイル名(この場合、PDRM0001,PDRM0002,PDRM0004)等が記載されており、この管理用ファイルの情報に基づいて、DCF規格のファイル管理構造に存在する実際のデータを引き当てる。
【0024】
そして、引き当てたディレクトリ(この場合、101TOSHI)を検索し、拡張子vlmを持つ管理用ファイルが存在している場合には、その管理用ファイルを解析する。
【0025】
例えば、図2において、「PDRM0001.vlm」というファイルが、仮想的なファイル名を定義する管理用ファイルである。この管理用ファイルには、仮想ファイル名(この場合、出発)、この管理用ファイルを参照している拡張子vfmを持つ管理用ファイルの名称(この場合、旅行)等が記載されている。
【0026】
拡張子vfmを持つ管理用ファイルと拡張子vlmを持つ管理用ファイルとにより、ユーザが任意の名称を付けた仮想的なディレクトリと、その中に含まれるユーザが任意の名称を付けた仮想的なファイル群とを構築することができる。
【0027】
そして、仮想的なファイル名に対応する実際のファイルの所在地は、拡張子vfmを持つ管理用ファイルに記載してあるため、記録媒体から実際にデータを読み取る場合には、拡張子vfmを持つ管理用ファイルの情報に基づいて、DCF規格のファイル管理構造から実際のデータを引き当てる。
【0028】
このように、このファイル管理構造では、拡張子vfmを持つ管理用ファイルと拡張子vlmを持つ管理用ファイルとの2つの管理用ファイルを、DCF規格のファイル管理構造との整合性を取るように運用することによって、DCF規格に準拠した既存のファイル管理構造との互換性を維持した上で、ユーザが任意のファイル名やディレクトリ名を付けることを可能としている。
【0029】
ここで、ユーザが任意の名称を付けるために用意した仮想的な管理用ファイルを、拡張子vfmを持つ管理用ファイルと拡張子vlmを持つ管理用ファイルとに分離し、拡張子vlmを持つ管理用ファイルを、DCF規格のファイル管理構造のデータ群の構成要素に含めている理由は、データの削除時に、消去対象として一緒に取り扱うことが可能になるからである。
【0030】
例えば、「PDRM0001」というファイルの消去が要求された場合、「PDRM0001.jpg」,「PDRM0001.wav」や「PDRM0001.txt」というファイルとともに、「PDRM0001.vlm」のファイルも一括消去することができるからである。しかも、この場合、拡張子vfmを持つ管理用ファイルは消去されずに残るので、他の消去されない「PDRM0002」や「PDRM0004」のファイルは、検索することが可能となる。
【0031】
上記したファイル管理構造によれば、ユーザは、DCF規格に対応したファイル管理構造において、記録媒体に保存するデータに任意の名称を付ける環境を手に入れることが可能となる。そして、このことは、拡張子vfm及び拡張子vlmを持つ管理用ファイルを解釈することにより、ユーザが任意に付けた名称によってデータ群を管理運用することができることを意味しており、DCF規格対応の電子カメラ装置による画像のアルバム管理といった使い方を実現することが可能となる。
【0032】
ここで、DCF規格対応の電子カメラ装置が、2バイトコードの文字データを持っている場合には、日本語による漢字を含めた名称の設定も可能となるので、より効果的なファイル管理を実現することができる。
【0033】
図3は、この場合における電子カメラ装置11の信号処理系の構成を示している。すなわち、撮像ユニット12は、撮影された被写体の光学像を電気的な画像信号に変換している。この撮像ユニット12から出力された画像信号は、CPU(Central Processing Unit)を内蔵した信号処理制御部13に供給される。
【0034】
この信号処理制御部13は、RAM(Random Access Memory)&ROM(Read Only Memory)14の記録領域及び格納されたプログラムを利用して、入力された画像信号に所定の信号処理を施した後、電子カメラ装置11に対して着脱自在な記録媒体15に、DCF規格に対応したファイル管理構造で保存している。
【0035】
ここで、上記信号処理制御部13は、操作部及び表示装置16を介してユーザにより入力設定された任意のファイル名を、拡張子vfmを持つ管理用ファイル及び拡張子vlmを持つ管理用ファイルとして、記録媒体15に書き込む機能を有している。
【0036】
また、記録媒体15に書き込まれた拡張子vfm,vlmを持つ2つの管理用ファイルは、記録媒体15から読み出されて信号処理制御部13のCPUにより解析される。この場合、拡張子vfmを持つ管理用ファイルには、アルバムに相当する仮想ディレクトリ名が情報として存在し、拡張子vlmを持つ管理用ファイルには、アルバムに登録されているデータが仮想ファイルとして登録されている。
【0037】
このとき、仮想ファイル及び仮想ディレクトリの名称に2バイト文字が使われている場合、信号処理制御部13は、漢字ROM17から該当する文字コードを読み出し、操作部及び表示装置16に対して画像データとともに、ファイル名及びディレクトリ名等も表示させる。
【0038】
上記したファイル管理構造では、DCF規格で定められたファイル管理構造との互換性を維持しつつ、新たな管理用ファイル群を導入し、この管理用ファイル群により、仮想的にファイル名やディレクトリ名を付けるようにしている。
【0039】
この管理用ファイル群は、1つ以上のファイルで構成され、そのファイルは、仮想的に作成されたユーザ任意名称を持つディレクトリと、その仮想ディレクトリに含まれるデータ群の実際の所在地情報及びユーザ任意名称の情報とで構成される。
【0040】
このファイル管理構造では、上記の管理用ファイル群を解析することで、ユーザ任意の名称を持つ仮想ファイルや仮想ディレクトリと、実際にDCF規格のファイル管理構造に存在する実ファイルや実ディレクトリとの関連付け情報を取得し、DCF規格で構成されたファイル管理構造を阻害することなく、ユーザ側は自分が付けた名称で、電子カメラ装置11側はDCF規格の名称で、それぞれファイル管理を行なうことができる。
【0041】
次に、図4に示すように、拡張子vfmを持つ管理用ファイルと拡張子vlmを持つ管理用ファイルとは、DCF規格対応の電子カメラ装置11の記録媒体15に記録されているだけでなく、相互に有線または無線でデータ伝送可能に接続される、DCF規格に対応した各種の機器(図4ではPCサーバ)の記録媒体にそれぞれ記録させることが可能である。
【0042】
そして、このようなDCF規格に対応した機器は、自己の記録媒体、あるいは、他の機器の記録媒体に存在する拡張子vfmを持つ管理用ファイルを参照・解析し、そこで得られた情報に基づいて、実際のデータが存在する場所にデータを引き当てに行くように動作する。
【0043】
また、このDCF規格に対応した機器は、引き当てたデータに対して、拡張子vlmを持つ管理用ファイルが存在している場合、この管理用ファイルを参照・解析して、対応する拡張子vfmを持つ管理用ファイルに名付けられたユーザの任意名称を引き当てる。
【0044】
図5及び図6は、上記のような多重リンク機能に対応した、拡張子vfmを持つ管理用ファイル及び拡張子vlmを持つ管理用ファイルのデータ構造の一例を示している。
【0045】
すなわち、拡張子vfmを持つ管理用ファイルは、そのデータ構成上、上述したように、DCF規格に対応した複数の危機の記録媒体に存在するデータを管理するために、登録データ毎に実データが存在する所在地情報(この場合Structure Code:0x1106:実アドレス)を記載している。
【0046】
また、拡張子vlmを持つ管理用ファイルは、拡張子vfmを持つ複数の管理用ファイルから参照されることを想定して、参照している拡張子vfmを持つ管理用ファイルの所在地情報(この場合Structure Code:0x2106:リンクアドレス)を記載している。これらの記載情報により、複数の記録媒体に存在するデータを複数の仮想ディレクトリによって一元管理することが可能となる。
【0047】
さらに、図5及び図6において、拡張子vfm及びvlmを持つ各管理用ファイルにおける多重リンクは、閉じたDCF規格対応機器の記録媒体のみを対象としている場合「0」となり、複数の開いた記録媒体まで拡張した場合「1」となり、それぞれ、これらの拡張子vfm及びvlmによる管理システムをどこまで対応させるかを示すフラグである。
【0048】
また、図4に示したように、これらの拡張子vfm及びvlmを用いた管理システムは、DCF規格対応のファイル管理構造との整合性を取るのみでなく、既存のPCのようなファイルシステム上でも実現可能である。
【0049】
現状のDCF規格では、100〜999のディレクトリ番号と0001〜9999のファイル番号とにより、静止画899万9100枚分に対応する画像データの記録が可能である。ここで、画像データを記録する記録媒体(メディア)を1つと限定しないのは、記録媒体に記録再生を行なうためのドライブの違いを認識する識別子をDCF規格が規定していないためである。
【0050】
ところが、現在存在する電子カメラ装置に搭載される記録媒体は、一部の特殊なものを除いて、数10MB(Mega Bytes)の容量しか持っていないため、現実に約900万枚分もの静止画像データを一度に取り扱うという事態は発生していない。
【0051】
しかしながら、上記のように、電子カメラ装置と無線でデータ伝送可能に接続されたPCサーバを記録媒体とした場合には、約900万枚分の静止画像データを一度に管理する必要が生じることになる。そして、このような事態になると、3桁のディレクトリ番号と4桁のファイル番号との、合計7桁の数字のみを用いて、ユーザがデータ管理を行なうことは不可能になる。
【0052】
図4で説明したファイル管理構造では、拡張子vfmを持つ管理用ファイルと拡張子vlmを持つ管理用ファイルとを導入し、ユーザが任意の名称でディレクトリやファイルを管理することができる他、電子カメラ装置に設置されるデータ交換用メディアや記録媒体とPCサーバの記録媒体といったように、複数の記録媒体からデータを参照可能として、一元管理することができるシステムを提供することができる。
【0053】
すなわち、図1で説明したファイル管理構造では、電子カメラ装置の記録媒体をターゲットとしており、取り扱うデータもその記録媒体に存在している。ところが、図4で説明したファイル管理構造では、実際のデータは、電子カメラ装置に無線で接続されたPCサーバに存在する場合を想定しており、これらのデータを全て電子カメラ装置上に展開することは不可能である。
【0054】
このため、図4で説明したファイル管理構造では、拡張子vfmを持つ管理用ファイルの中に、実際のデータの所在地情報までを保持するようにし、1つのファイル(vfmファイル)で複数の記録媒体に存在するデータを一元管理することを可能としている。
【0055】
次に、図7は、図1または図4で説明したファイル管理構造でデータ管理が行なわれる電子カメラ装置11を、背面側から見た状態を示している。すなわち、この電子カメラ装置11には、ファインダ18やレリーズスイッチ19等が配置されるとともに、前記操作部及び表示装置16を構成する、液晶表示部20と、この液晶表示部20の画面上に表示された複数の選択対象の1つを指示する選択指標を上下左右方向に移動させるための移動キー21と、この移動キー21によって選択された対象を決定するための決定キー22と、アルバムキー23と、その他の各種のキーを有する操作部24とが設けられている。
【0056】
図8は、この電子カメラ装置11における撮影時の動作をまとめたフローチャートを示している。まず、ユーザが操作部24の電源キーをオン状態に操作することにより開始(ステップS11)されると、信号処理制御部13は、ステップS12で、撮像ユニット12で捕らえた被写体の光学像を、液晶表示部20にモニタリングさせるように制御する。
【0057】
このような状態で、信号処理制御部13は、ステップS13で、アルバムキー23が操作されたか否かを判別し、操作されたと判断された場合(YES)、ステップS14で、これから撮影して得られる画像データの保存先を選択するための保存先選択画面を、液晶表示部20に表示させるように制御する。
【0058】
この保存先選択の画面は、図9に示すように、保存先として、既にユーザが任意の名称を付けて保存しているファイルやディレクトリの名称(「My Car」,「旅行」)と、その名称のファイルやディレクトリの中でユーザが予め選択して設定しておいた代表的な画像のサムネイル画面(TN1,TN2)とを対応づけた一覧リストを、上下方向に表示したものである。
【0059】
また、この保存先選択の画面には、保存先として、これから新たに名称付けを行なって新規ファイルやディレクトリを作成するための「新規作成」の欄も設けられている。この「新規作成」の欄に対応するサムネイル画面表示位置には、「NEW」の文字が表示される。
【0060】
さらに、この保存先選択の画面に表示されている各種の保存先は、その1つが枠状の指標kによって囲まれている。そして、上下方向の移動キー21を操作することにより、指標kの位置が上下方向に移動されるので、所望の保存先に指標kを設定した状態で決定キー22を操作することによって、その保存先を選択することができる。
【0061】
また、画面上で、保存先の上部または下部に三角印20a,20bが表示されている場合は、画面に表示し切れていない保存先が存在することを意味する。この場合は、指標kを一番上または下に移動させた状態で、さらに、上方向または下方向に移動させる操作を行なうことにより、新たな保存先が表示されるようになる。
【0062】
次に、信号処理制御部13は、ステップS15で、保存先として「新規作成」が選択されたか否かを判別する。この判別は、保存先選択の画面上で、新規作成が選択されるか、または、既にユーザが任意の名称を付けている保存先が選択されるかによって行なわれる。
【0063】
そして、新規作成が選択されていないと判断された場合(NO)、信号処理制御部13は、ステップS16で、選択された保存先に画像データを書き込むための待機状態となり、ステップS17で、撮影が行なわれると、その画像データを先に選択した保存先に書き込んで、ステップS12の処理に戻される。
【0064】
また、上記ステップS15で保存先として新規作成が選択されたと判断された場合(YES)、信号処理制御部13は、ステップS18で、ユーザが任意の名称を付けたファイルやディレクトリを作成するための文字入力画面を、液晶表示部20に表示させるように制御する。
【0065】
この文字入力画面は、図10に示すように、数字やアルファベット等を一覧表示しているものある。そして、ユーザが、この文字入力画面上で、前記移動キー21及び決定キー22を操作して所定の文字を選定することにより、任意の名称を設定して、新保存先を作成することができる。
【0066】
上記のような構成によれば、アルバムキー23を操作するだけの簡単な作業により保存先選択画面を表示させて、これから撮影して得られる画像データの保存場所として、ユーザが任意の名称を付した保存先を容易に選択することができるようにしたので、例えば撮影しながら画像を所望の保存先に分類していく等、ファイル管理におけるユーザの利便性を効果的に向上させることが可能となる。
【0067】
なお、この発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、DCF規格に準拠した既存のファイル管理構造との互換性を維持した上で、ユーザが任意のファイル名やディレクトリ名を付けることを可能とするとともに、撮影して得られる画像データの保存場所として、ユーザが任意の名称を付したファイルやディレクトリを容易に選択することを可能とし、ファイル管理におけるユーザの利便性を効果的に向上させ得る極めて良好な電子カメラ装置とその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電子カメラ装置とその制御方法の実施の形態を示すもので、ファイル管理構造の一例を説明するために示す図。
【図2】同実施の形態における拡張子vfmを持つ管理用ファイルと拡張しvlmを持つ管理用ファイルとの関係を説明するために示す図。
【図3】同実施の形態における電子カメラ装置の信号処理系の詳細を説明するために示すブロック構成図。
【図4】同実施の形態におけるファイル管理構造の他の例を説明するために示す図。
【図5】同実施の形態における拡張子vfmを持つ管理用ファイルのデータ構造の一例を説明するために示す図。
【図6】同実施の形態における拡張子vlmを持つ管理用ファイルのデータ構造の一例を説明するために示す図。
【図7】同実施の形態における電子カメラ装置を背面側から見た状態を説明するために示す図。
【図8】同実施の形態における電子カメラ装置の撮影時の動作を説明するために示すフローチャート。
【図9】同実施の形態における撮影して得られた画像データの保存先を選択する画面の一例を説明するために示す図。
【図10】同実施の形態における画像データの保存先を新規に作成する場合の文字入力画面の一例を説明するために示す図。
【図11】DCF規格におけるファイル管理構造を説明するために示す図。
【符号の説明】
11…電子カメラ装置、
12…撮像ユニット、
13…信号処理制御部、
14…RAM&ROM、
15…記録媒体、
16…操作部及び表示装置、
17…漢字ROM、
18…ファインダ、
19…レリーズスイッチ、
20…液晶表示部、
21…移動キー、
22…決定キー、
23…アルバムキー、
24…操作部。

Claims (8)

  1. 撮影して得られた画像データをDCF規格に対応したファイル管理構造で記録媒体に記録する電子カメラ装置において、
    前記記録媒体に前記DCF規格に対応したファイル管理構造で記録されたディレクトリに対して、前記DCF規格に規定されない形態の仮想ディレクトリ名を入力設定する入力手段と、
    この入力手段で入力設定された仮想ディレクトリ名を記録名称とし、該仮想ディレクトリ名と、この仮想ディレクトリ名に対応する前記DCF規格に対応したディレクトリの名称とを対応させた仮想ディレクトリ管理用ファイルを作成して前記記録媒体に記録する記録手段と、
    特定のキーを操作することにより、前記入力手段で入力設定された仮想ディレクトリ名の一覧リストを画面表示させる表示手段と、
    この表示手段で表示された仮想ディレクトリ名の一覧リストから、所定の仮想ディレクトリ名を選択する選択手段と、
    この選択手段で選択した仮想ディレクトリ名に対応する前記DCF規格に対応したディレクトリに、撮影して得られた画像データを記録する制御手段とを具備してなることを特徴とする電子カメラ装置。
  2. 前記選択手段は、
    前記表示手段で一覧表示された複数の前記仮想ディレクトリ名を、画面上で選択的に指示するための指標を移動させる第1のキーと、
    この第1のキーによって移動された指標が指示する前記仮想ディレクトリ名を決定するための第2のキーとを備えていることを特徴とする請求項1記載の電子カメラ装置。
  3. 前記表示手段は、前記入力手段で入力設定された仮想ディレクトリ名と、この仮想ディレクトリ名に対応する前記DCF規格に対応したディレクトリに記録された画像データから生成したサムネイル画像とを、対応させて画面表示させることを特徴とする請求項1記載の電子カメラ装置。
  4. 前記表示手段は、前記入力手段で入力設定された仮想ディレクトリ名に加えて、前記入力手段によって前記DCF規格に規定されない形態の新たな仮想ディレクトリ名を入力設定するために、前記選択手段によって選択可能な項目を表示させることを特徴とする請求項1記載の電子カメラ装置。
  5. 撮影して得られた画像データをDCF規格に対応したファイル管理構造で記録媒体に記録するように電子カメラ装置を制御する電子カメラ装置の制御方法において、
    前記記録媒体に前記DCF規格に対応したファイル管理構造で記録されたディレクトリに対して、前記DCF規格に規定されない形態の仮想ディレクトリ名を入力設定する入力工程と、
    この入力工程で入力設定された仮想ディレクトリ名を記録名称とし、該仮想ディレクトリ名と、この仮想ディレクトリ名に対応する前記DCF規格に対応したディレクトリの名称とを対応させた仮想ディレクトリ管理用ファイルを作成して前記記録媒体に記録する記録工程と、
    特定のキーを操作することにより、前記入力工程で入力設定された仮想ディレクトリ名の一覧リストを画面表示させる表示工程と、
    この表示工程で表示された仮想ディレクトリ名の一覧リストから、所定の仮想ディレクトリ名を選択する選択工程と、
    この選択工程で選択した仮想ディレクトリ名に対応する前記DCF規格に対応したディレクトリに、撮影して得られた画像データを記録する制御工程とを経るようにしてなることを特徴とする電子カメラ装置の制御方法。
  6. 前記選択工程は、
    前記表示工程で一覧表示された複数の前記仮想ディレクトリ名を、画面上で選択的に指示するための指標を第1のキーの操作によって移動させる工程と、
    この工程によって移動された指標が指示する前記仮想ディレクトリ名を第2のキーの操作によって決定するための工程とを有することを特徴とする請求項5記載の電子カメラ装置の制御方法。
  7. 前記表示工程は、前記入力工程で入力設定された仮想ディレクトリ名と、この仮想ディレクトリ名に対応する前記DCF規格に対応したディレクトリに記録された画像データから生成したサムネイル画像とを、対応させて画面表示させることを特徴とする請求項5記載の電子カメラ装置の制御方法。
  8. 前記表示工程は、前記入力工程で入力設定された仮想ディレクトリ名に加えて、前記入力工程によって前記DCF規格に規定されない形態の新たな仮想ディレクトリ名を入力設定するために、前記選択工程によって選択可能な項目を表示させることを特徴とする請求項5記載の電子カメラ装置の制御方法。
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