JP4141314B2 - 全方向操舵式フォークリフトの走行規制装置 - Google Patents

全方向操舵式フォークリフトの走行規制装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪が360°、つまり全方向にわたって操舵可能に設けられる全方向操舵式フォークリフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷役作業に用いられるフォークリフトにあってはその小回り性が特長とされているが、反面、急旋回による車体の不安定化、延いては荷崩れや積荷の落下が問題とされている。そこで、操舵輪の操舵角度に基づいて旋回時の走行速度や発進加速度を制限することで、この問題を解決することが試みられている。すなわち、例えば下記文献に示すように、直進状態を基準とした操舵角度又は旋回中の操舵角速度が所定値を超える範囲で走行速度を制限したり、直進状態を基準とした操舵角度が境界角以上の範囲で、走行用モータへの印加電圧を制限して発進時の加速度を規制したりする技術が開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭61−92931号公報
【特許文献2】
特開2000−72399号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術は、直進状態を基準に左右に90°程度の範囲で車輪を操舵可能なフォークリフトを前提としたものであり、そのままでは車輪が360°、つまり全方向にわたって操舵可能に設けられるフォークリフトに適用することができない。すなわち、全方向操舵式フォークリフトでは直進状態から90°を超えて操舵することが可能であるが、上記の技術では、例えば前方への直進状態から180°操舵した状態(後方への直進状態)でも走行速度又は加速度は制限されたままとなってしまい、作業効率が低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に基づいて提案されたものであって、全方向操舵式フォークリフトにおいて適切に急旋回を防止できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ステアリング操作により全方向に操舵可能とされた車輪の操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、上記操舵角度に応じて走行速度を制限する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記操舵角度が、旋回半径が最小となる基準角度から前方直進方向側及び後方直進方向側へ所定角度までの角度範囲にあるときに、走行速度を制限する、という手段を採用する。
【0007】
このようにすれば、操舵角度が、基準角度から前方直進方向側及び後方直進方向側へ所定角度までの角度範囲にあるとき、つまり、旋回半径が最小となる場合を含み最小に近い値となるときに、走行速度が制限されることになり、急旋回が未然に防止される。従って、旋回走行中に車体が不安定化することがなくなり、運転者の安全や積荷の安定が確保される。又、直進状態から基準角度を超えて操舵される場合であっても、操舵角度が上記角度範囲にあるときには走行速度が制限されるが、上記角度範囲を超えて操舵されると走行速度は制限されないので、作業効率が低下することはない。
【0008】
旋回半径が最小となる基準角度は、車輪(操舵可能なもの及び操舵不可能なもの)の数及び配置寸法により規定される。例えば、一つの前輪が全方向に操舵可能、二つの後輪が操舵不可能であり、前輪が車体幅方向中央に配され、両後輪が前輪から車体後方向に所定の距離(ホイールベース)だけ離間し、且つ、車体幅方向中央から車体幅方向にそれぞれ等しい距離(トレッドの半分)だけ離間して配される場合、旋回半径が最小となる基準角度は、直進状態、つまり前輪の向きが車体前後方向に等しい状態を基準として90°となる。
【0009】
本発明において、上記制御手段は、上記操舵角度が、上記基準角度に近付くほど、走行速度を低く制限する構成とすることができる。このようにすれば、操舵角度が基準角度に近付き、旋回半径が小さくなるほど徐々に遅い走行速度で旋回走行することになるので、急旋回するおそれがなくなり、安全に、安定した旋回走行を行うことができる。
【0010】
さて、本発明において、走行速度を制限する手法としては、例えば予め操舵角度に応じた制限速度を設定しておき、現在の走行速度をスピードセンサなどの速度検出手段にて検出し、この走行速度が上記制限速度以下となるように制御する手法がある。すなわち、操舵角度が上記角度範囲にあるときに、仮に現在の走行速度がこの操舵角度に応じた制限速度を超えていれば、制限速度まで自動的に減速させ、又、仮に現在の走行速度がこの制限速度を下回る状態から制限速度を超えて加速するアクセル操作が行われたとしても、上記制限速度まで加速した後、走行速度を頭打ちにして上記制限速度以下に制限する。
【0011】
又、例えばアクセル操作量を所定の割合で低減させる処理を行った上で走行を制御する手法がある。アクセル操作量と走行速度とが比例関係に設定されており、アクセル操作量100%のときに最高走行速度で走行するようになされている場合、アクセル操作量50%のときには、最高走行速度の1/2の走行速度で走行することになる。従って、操舵角度が上記角度範囲にあるときに、アクセル操作量をポテンショメータなどのアクセル操作量検出手段で検出した後、検出されたアクセル操作量を所定の割合(例えば1/2)で低減させる処理を行い、この処理後のアクセル操作量に基づいて走行を制御することで、走行速度を制限することができる。
【0012】
更に、例えば車輪に所定の制動力で制動を掛けるブレーキ装置を作動させる手法がある。すなわち、操舵角度が上記角度範囲にあるときには、ブレーキ装置を強制的に作動させて車輪を制動し、アクセル操作が行われたとしても、ブレーキ装置による制動力の分だけ減速された状態で旋回走行するようにすることができる。尚、この場合、ブレーキ装置による制動力をアクセル操作量に応じて変更することも可能である。
【0013】
ところで、フォークリフトによっては、左旋回時と右旋回時とでステアリング特性が異なる場合がある。そこで、本発明においては、ステアリング特性に応じて、上記所定角度を、上記基準角度から平面視右回りの上記角度範囲を規定するものと、上記基準角度から平面視左回りの上記角度範囲を規定するものとで、異なる値に設定することができる。又、フォークリフトによっては、前進旋回時と後進旋回時とでステアリング特性が異なる場合がある。そこで、本発明においては、ステアリング特性に応じて、上記角度範囲を、上記基準角度から前方直進方向側へ設定される第1の角度範囲と、上記基準角度から後方直進方向側へ設定される第2の角度範囲とからなる構成とし、上記所定角度を、上記第1の角度範囲を規定するものと、上記第2の角度範囲を規定するものとで、異なる値に設定することができる。このように、ステアリング特性に応じて、走行速度を制限する角度範囲を設定することで、フォークリフト毎に最適な走行規制装置とすることができ、又、運転者は良好な走行フィーリングを得ることができる。
【0014】
尚、本発明においては、制御手段が、上記走行速度の制限に代えて、走行加速度の制限を行う構成とすることができる。ここで、走行加速度とは、走行方向へ正の値となる場合、つまり加速時の加速度は勿論のこと、走行方向へ負の値となる場合、つまり減速時の加速度も含まれる。
【0015】
このようにすれば、旋回半径が最小となる基準角度から前方直進方向側及び後方直進方向側へ所定角度までの角度範囲にあるときには、走行加速度が制限され、急加速(急発進を含む)、急減速(急停止を含む)が防止される。従って、旋回走行に伴なう車体の不安定化が抑制され、運転者の安全や積荷の安定が確保される。勿論、このような走行加速度の制限と、上記走行速度の制限とを同時に実施しても構わない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に従って詳細に説明する。
【0017】
本実施の形態に係るリーチ型フォークリフト1は、図1に示すように、車体2の後部端に左右一対のストラドルアーム3が後方に突設固定され、これら両ストラドルアーム3間に、フォーク4を昇降自在に案内するマスト5が車体2の前後方向に移動可能に設立されている。両ストラドルアーム3にはそれぞれ従動輪6が回転自在に取り付けられ、車体2の前部下方には1個の駆動輪7が取り付けられている。車体2の前部上方は運転席とされており、操舵用のステアリングハンドル8やフォーク4の昇降やマスト5の前後動を操作するための各種のレバー9が配設されると共に、運転席の床部には、走行速度調整用のアクセルペダル10とブレーキペダル11とが配設される。尚、本実施の形態では、左右の従動輪6はいずれも操舵不能に設けられると共に、駆動輪7が操舵輪を兼ねており、ステアリングハンドル8を操作することにより、駆動輪7が操舵される。
【0018】
図2に示すように、駆動輪7は車体2の幅方向中央に配置されており、この駆動輪7から車体2の後方へ距離Hだけ離間して左右の従動輪6が配置されている。左右の従動輪6は、車体2の幅方向中央からそれぞれ距離T/2だけ離間して配置され、両従動輪6,6間は距離Tだけ離間している。従って、このリーチ型フォークリフト1の旋回半径Rが最小となるのは、両従動輪6,6の中間点である点Pを中心に旋回するときであり、このときの駆動輪7の向きは、平面視において点Pを中心とする半径Hの円に接する向きとなる。ここで、図3に示すように、駆動輪7の操舵角度θ(以下、駆動輪角度)をリーチ型フォークリフト1の前方直進方向を0°、後方直進方向(すなわち、マスト5側)を180°(−180°)とすれば、旋回半径Rが最小となる駆動輪角度θは、90°、−90°となる。駆動輪角度θが、90°又は−90°から前方直進方向側、後方直進方向側のいずれかへ増減すると、旋回の中心位置が点Pから移動すると共に旋回半径Rが変化し、駆動輪角度θが0°又は180°(−180°)に近付くほど旋回半径Rは大きくなる。尚、本実施の形態では、図3に示すように、前方直進方向(0°)を基準として、平面視右回りに駆動輪7が操舵される側を駆動輪角度θの正値、逆に平面視左回りに操舵される側を駆動輪角度θの負値としている。
【0019】
図4に示すように、駆動輪7は、複数の歯車が内蔵された伝動装置12に支持され、この伝動装置12に付設される走行用モータ13が作動し回転することにより、その回転が伝動装置12を介して伝達されて回転駆動される。伝動装置12には、縦軸である走行用モータ13の中心軸14と同心に配置された旋回歯車15が設けられており、この旋回歯車15が回転することにより、伝動装置12と共に駆動輪7が縦軸回りに360°、つまり全方向に回転可能とされている。又、走行用モータ13の中心軸14には、この走行用モータ13の回転数を検出する回転数検出手段16が設けられており、回転数検出手段16からの信号が走行制御装置17へ入力され、走行制御装置17はこの信号に基づいてフォークリフト1の実際の走行速度Vmを算出する。又、アクセルペダル10にはこのアクセルペダル10の操作量を検出するセンサが内蔵され、このセンサからの信号が走行制御装置17へ入力されるようになっており、走行制御装置17は、これらの信号に基づいて走行用モータ13を制御する。
【0020】
又、図4に示すように、旋回歯車15には、駆動歯車18が噛み合わされており、駆動歯車18には、この駆動歯車18を回転駆動する操舵用モータ19が付設されている。更に、旋回歯車15には、従動歯車20が噛み合わされており、従動歯車20には、この従動歯車20の回転角度を検出する回転角度検出手段21が付設され、回転角度検出手段21からの信号は操舵制御手段23に入力される。ここで、操舵制御手段23に入力される信号、つまり回転角度は従動歯車20のものであるから、操舵制御手段23は、この従動歯車20の回転角度と、旋回歯車15と従動歯車20との歯数の比に応じて、旋回歯車15の回転角度、すなわち実際の駆動輪角度θを算出する。この操舵制御手段23による駆動輪角度θの算出処理が、本発明における操舵角度検出手段に相当する。一方、ステアリングハンドル8の回転軸にはステアリングハンドル8の回転角度を検出する操作角度検出手段22が設けられており、この操作角度検出手段22からの信号が操舵制御装置23に入力され、操舵制御装置23は、この信号に基づいて操舵用モータ19を制御する。すなわち、操作角度検出手段22からステアリングハンドル8の回転角度が入力されると、操舵制御装置23はこれに基づいて目標となる駆動輪角度を決定し、この目標駆動輪角度と回転角度検出手段21からの信号に基づいて算出した実際の駆動輪角度θとが一致するように、操舵用モータ21を回転させて、駆動輪7を操舵する。
【0021】
さて、回転角度検出手段21により検出される従動歯車20の回転角度は操舵制御手段23に入力され、操舵制御手段23にて駆動輪角度θが算出されるが、この駆動輪角度θは更に減速係数設定手段24へ入力される。減速係数設定手段24は、減速係数dと駆動輪角度θとの関係データに基づいて、減速係数dを入力される駆動輪角度θに対応する値に設定する。本実施の形態の減速係数設定手段24には、例えば図5に示す減速係数dと駆動輪角度θとの関係データが予め設定されている。図5において、減速係数dは、
(1) 0≦|θ|≦90−θIのとき、
d=1.0
(2) 90−θI<|θ|<90のとき、
d=1.0−(1.0−0.2)/θI×{|θ|−(90−θI)}
(3) 90≦|θ|<90+θIのとき、
d=1.0+(1.0−0.2)/θI×{|θ|−(90+θI)}
(4) 90+θI≦|θ|≦180のとき、
d=1.0
である。
【0022】
本実施の形態の減速係数設定手段24は、上記の関係データに基づいて減速係数dを、0.2〜1.0の範囲で設定する。図3に示すように、駆動輪角度θ=90°及び−90°を基準としてそこから前方直進方向側及び後方直進方向側へ減速範囲指定角度θIまでの角度範囲、すなわち駆動輪角度θ=90°及び−90°をそれぞれ中心とする2θIの角度範囲に実際の駆動輪角度θがあるときには、減速係数設定手段24は、減速係数dを1.0未満の値に設定する。尚、減速範囲指定角度θIは例えば30°とされる。
【0023】
このようにして設定される減速係数dは走行制御装置17へ入力され、走行制御装置17はこの減速係数dと、アクセルペダル10の操作量a、リーチ型フォークリフト1の実際の走行速度Vmとに基づいて走行用モータ13を制御する。
【0024】
すなわち、アクセルペダル10のセンサからアクセル操作量aが入力されると、走行制御装置17はこれに基づいて走行速度Vを決定する。ここで、走行制御装置17には、例えば図6に示すアクセル操作量aと走行速度Vとの関係データが予め設定されており、走行制御装置17は、この関係データに基づいて走行速度Vを入力されるアクセル操作量aに対応する値に設定する。図6において、アクセル操作量aと走行速度Vとは正比例関係であり、アクセル操作量a=0%、すなわちアクセルペダル10を操作していないとき、走行速度Vが0であり、アクセル操作量a=100%(いわゆるフルアクセル状態)のとき、走行速度Vが最高走行速度Vmax(例えば10[km/h])である。走行速度Vを決定すると、更に、走行制御装置17は走行速度Vと減速係数dとを乗算して目標走行速度Vt(=V×d)を求め、この目標走行速度Vtと回転数検出手段16の信号から算出した実際の走行速度Vmとが一致するように、つまりリーチ型フォークリフト1が目標走行速度Vtで走行するように走行用モータ13の回転数を制御する。
【0025】
以下、本実施の形態の制御の流れを、図7を参照しながら説明する。メインスイッチが投入されリーチ型フォークリフト1が起動されると、図7に示すように、回転角度検出手段21からの信号に基づいて、操舵制御手段23は駆動輪角度θを算出する(S1)。算出された駆動輪角度θは減速係数設定手段24へ入力され、減速係数設定手段24は、駆動輪角度θに応じて減速係数dを設定する(S2)。ここで、アクセルペダル10が操作されその操作量aが走行制御装置17に入力されると(S3)、走行制御装置17は、アクセル操作量aと減速係数dとに基づいて目標走行速度Vtを算出する(S4)。又、回転数検出手段16から走行用モータ13の回転数を表す信号が走行制御装置17へ入力され、走行制御装置17はこの信号に基づいてリーチ型フォークリフト1の実際の走行速度Vmを算出する(S5)。そして、走行制御装置17は、算出された目標走行速度Vtと実際の走行速度Vmとを比較し(S6)、目標走行速度Vtが実際の走行速度Vmよりも小さければ(S6のYES)、走行用モータ13の回転数を下げて実際の走行速度Vmが目標走行速度Vtに等しくなるまで自動的に減速する(S7)。このようにして減速された後、目標走行速度Vtで走行するように、走行制御装置17は走行用モータ13の回転数を制御する(S8)。又、目標走行速度Vtが実際の走行速度Vmよりも大きければ(S6のNO)、減速する必要はないので、走行制御装置17はそのまま目標走行速度Vtで走行するように走行用モータ13の回転数を制御する(S8)。この一連の制御は、アクセルペダル10の操作の有無に拘わらずメインスイッチが切られるまで繰り返し行われ、駆動輪角度θ及び減速係数dは、刻々と最新値に更新される。
【0026】
これにより、このリーチ型フォークリフト1で実現される目標走行速度Vtの最高値と駆動輪角度θとの関係は、図8において直線Fで表され、この直線Fよりも下方の範囲(斜線部分)にある目標走行速度Vtで、リーチ型フォークリフト1は走行することになる。
【0027】
例えば、駆動輪角度θ=0°で車体2の前方向へアクセル操作量a=100%で直進している状態から、アクセル操作量aを変えずに、ステアリングハンドル8を回転操作して駆動輪7を平面視右回り(駆動輪角度θの正方向)に操舵すると、θ<90−θIの範囲ではd=1.0なので、リーチ型フォークリフト1は前方直進時と変わらない走行速度、つまり10[km/h]で、ある程度大回りに旋回走行する。更に、駆動輪7を平面視右回りに操舵し90−θI≦θ≦90+θIとなると、旋回半径が小さくなり小回りで旋回走行することになるが、このとき、減速係数dが1.0よりも小さな値に設定されるので、それまでに比べ目標走行速度Vtが小さくなる。ここで、減速係数dは、駆動輪角度θ=90°に近付くほど小さな値に設定されるので、θ=90−θIを超えてθ=90°となるまで10[km/h]から徐々に減速されて行き、θ=90°で2[km/h]と最も減速された後、θ=90°を超えてθ=90+θIとなるまで徐々に増速されて行く。そして、更に駆動輪7を平面視右回りに操舵し、θ>90+θIとなると、d=1.0に戻り、リーチ型フォークリフト1は直進時と同じ走行速度、つまり10[km/h]で大回りに旋回走行する。そして、θ=180°となるまで操舵されると、リーチ型フォークリフト1は前方直進時と同じく10[km/h]で、車体2の後方向へ直進走行する。
【0028】
以上のように、本実施の形態によれば、駆動輪角度θが90−θI≦θ≦90+θI、又は−90−θI≦θ≦−90+θIの角度範囲内となり、旋回半径が小さいときには走行速度の制限を行なうので、急旋回を防止して作業の安全性を確保することができる。逆に、駆動輪角度θが90−θI≦θ≦90+θI、又は−90−θI≦θ≦−90+θIの角度範囲内になく、旋回半径がある程度大きいときには走行速度が制限されないので、作業効率が低下したり使い勝手が悪くなったりすることはない。そのため、360°、つまり全方向に操舵可能な駆動輪7を持つというこのリーチ型フォークリフト1の特長を活かしながらも、急旋回を防止して安全に荷役作業を行うことができる。
【0029】
ところで、上記の実施の形態では、減速係数dの大小によってアクセル操作量aと目標走行速度Vtとの関係が変化することになり、図9に示すように、例えば駆動輪角度θ=0°で減速係数d=1.0のときに比べ、例えば駆動輪角度θ=90°で減速係数d=0.2のときには、同じアクセル操作量aの変化に対する目標走行速度Vtの変化が1/5に小さくなる。つまり、減速係数dが1.0よりも小さな値に設定され走行速度が制限されている状態では、アクセル操作量aが増加するときの目標走行速度Vtの増加率、すなわち正の走行加速度と、アクセル操作量aが減少するときの目標走行速度Vtの減少率、すなわち負の走行加速度も小さく制限される。
【0030】
従って、駆動輪7が操舵されて駆動輪角度θが90−θI≦θ≦90+θI、又は−90−θI≦θ≦−90+θIの角度範囲内となり、旋回半径が最小値、又はそれに近い状態では、急激な加減速が抑制されて車体2の不安定化を招くことがなくなり、運転者の乗り心地も良好に保たれる。又、減速係数dの値によってアクセルペダル10を操作するフィーリングが異なるので、運転者はこのフィーリングの変化によって大凡の駆動輪角度θを感得して、リーチ型フォークリフト1の走行方向を把握することが可能となる。尚、この走行加速度の制限は、走行中に限らずリーチ型フォークリフト1の停止状態でも起こるので、駆動輪角度θが90−θI≦θ≦90+θI、又は−90−θI≦θ≦−90+θIの角度範囲にある状態から発進する際には、駆動輪角度θの値に応じて抑制された加速度で発進することになり、急発進が防止される。
【0031】
上記の実施の形態では、走行速度及び走行加速度の制限を行う駆動輪角度θの角度範囲での減速係数dを駆動輪角度θの1次関数としているが、これに限らず、2次以上の高次関数や指数関数、三角関数としてもよい。勿論、上記の実施の形態において示した各数値は一例として挙げたものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、フォークリフトの形態や荷役作業の形態、運転者の好みなどに応じて適宜変更することができる。又、上記の実施の形態では、減速係数dを用いることで走行速度及び走行加速度を制限しているが、本発明において走行速度及び走行加速度を制限する手法は、これに限られるものではない。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、旋回半径が小さくなるときには走行速度の制限を行なうので、急旋回を防止して作業の安全性を確保することができ、旋回半径が大きいときには走行速度が制限されないので、使い勝手が悪くならない。又、走行加速度が制限されるようにすれば、旋回走行中の急加速、急減速が防止されるので、車体の不安定化が抑制され、運転者の安全や積荷の安定が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るリーチ型フォークリフトの斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るリーチ型フォークリフトの概略平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態における駆動輪角度θと減速範囲指定角度θIとを示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態の機能ブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態における駆動輪角度θと減速係数dとの関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態におけるアクセル操作量aと走行速度Vとの関係を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態の制御フロー図である。
【図8】 本発明の実施の形態における駆動輪角度θと目標走行速度Vtとの関係を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態におけるアクセル操作量aと目標走行速度Vtとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 リーチ型フォークリフト
2 車体
7 駆動輪
8 ステアリングハンドル
10 アクセルペダル
13 走行用モータ
16 回転数検出手段
17 走行制御装置
19 操舵用モータ
21 回転角度検出手段
23 操舵制御装置
24 減速係数設定手段

Claims (3)

  1. ステアリング操作により全方向に操舵可能とされた車輪の操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、上記操舵角度に応じて走行速度を制限する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、上記操舵角度が、旋回半径が最小となる基準角度から前方直進方向側及び後方直進方向側へ所定角度までの角度範囲にあるときに、走行速度を制限することを特徴とする全方向操舵式フォークリフトの走行規制装置。
  2. 上記制御手段は、上記操舵角度が、上記基準角度に近付くほど、走行速度を低く制限することを特徴とする請求項1に記載の全方向操舵式フォークリフトの走行規制装置。
  3. 請求項1又は2に記載の全方向操舵式フォークリフトの走行規制装置において、上記制御手段が、上記走行速度の制限に代えて、走行加速度の制限を行うことを特徴とする全方向操舵式フォークリフトの走行規制装置。
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