JP5962074B2 - 車両用舵角制御装置 - Google Patents

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本発明は、走行中に、前輪を操舵する前輪操舵モードと、後輪を操舵する後輪操舵モードとを切り替える車両用舵角制御装置に関するものである。
従来、前輪を操舵する前輪操舵手段と、後輪を操舵する後輪操舵手段を備えた四輪操舵車両において、ヨーレート変化を抑えるように後輪転舵角を制御する車両用舵角制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平06-316273号公報
ところで、四輪操舵車両において、例えばUターンを行う場合のような旋回走行中に操舵モードを切り替える場合、従来の車両用舵角制御装置のようにヨーレート変化を抑えるように転舵角を制御するときには、前輪操舵モード時の走行軌跡と後輪操舵モード時の走行軌跡が大きく変化してしまうという問題があった。
すなわち、操舵モードを切り替える際、ヨーレートを一定に保つためにモード切替前後における前輪転舵角と後輪転舵角の転舵角差と、モード切替期間の前輪転舵角と後輪転舵角の転舵角差を一定に保持する。このときには、モード切替前の旋回中心位置とモード切替後の旋回中心位置がずれてしまう。そのため、走行軌跡が大きく変わってしまい、ドライバーが操舵モードを切り替えるときの車両挙動の予測が困難になってしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、旋回中に操舵モードを切り替える際、車両の走行軌跡の変化を抑制することができる車両用舵角制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両用舵角制御装置では、前輪操舵手段と、後輪操舵手段と、操舵モード切替手段と、転舵角制御手段と、を備えている。
前記前輪操舵手段は、前輪を操舵する。
前記後輪操舵手段は、後輪を操舵する。
前記操舵モード切替手段は、前記前輪操舵手段により前記前輪を操舵する前輪操舵モードと、前記後輪操舵手段により前記後輪を操舵する後輪操舵モードとを切り替える。
前記転舵角制御手段は、前記操舵モード切替手段による操舵モード切替時、モード切替前の前記前輪の転舵角と前記後輪の転舵角の転舵角差、或いは、モード切替後の前記転舵角差に対して、モード切替期間の前記転舵角差を異ならせる。
さらに、この転舵角制御装置は、進行方向前側にある車輪を操舵する操舵モードから、進行方向後側にある車輪を操舵する操舵モードへのモード切替時、モード切替前の転舵角差或いはモード切替後の転舵角差に対して、モード切替中の転舵角差の方を大きい値にする。
本発明の車両用舵角制御装置にあっては、転舵角制御手段により、モード切替前或いはモード切替後の前輪の転舵角と後輪の転舵角の転舵角差に対し、モード切替期間の転舵角差が異なった値に制御される。そのため、モード切替に伴って旋回中心位置と車両との距離が変動し、モード切替前後における旋回中心位置のズレを抑えることができる。これにより、旋回中に操舵モードを切り替える際、車両の走行軌跡の変化を抑制することができる。
実施例1の車両用舵角制御装置を搭載した車両を示すシステムブロック図である。 実施例1の転舵角演算器により実行される理想舵角設定処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車両用舵角制御装置において、前進時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替えた際の車輪の転舵角変化を示す特性図の一例であり、(a)は変化特性を一次関数で設定し、(b)は変化特性を多次関数で設定した例である。 (a)は前進時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替えた際の走行距離に対する車体方角変化量を示す図であり、(b)は図4(a)における車体方角変化量のオフセット量を説明する説明図である。 実施例1の車両用舵角制御装置において、前進時、後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替えた際の車輪の転舵角変化を示す特性図の一例であり、(a)は変化特性を一次関数で設定し、(b)は変化特性を多次関数で設定した例である。 (a)は前進時、後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替えた際の走行距離に対する車体方角変化量を示す図であり、(b)は図6(a)における車体方角変化量のオフセット量を説明する説明図である。 実施例1の車両用舵角制御装置において、後退時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替えた際の車輪の転舵角変化を示す特性図の一例であり、(a)は変化特性を一次関数で設定し、(b)は変化特性を多次関数で設定した例である。 (a)は後退時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替えた際の走行距離に対する車体方角変化量を示す図であり、(b)は図8(a)における車体方角変化量のオフセット量を説明する説明図である。 実施例1の車両用舵角制御装置において、後退時、後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替えた際の車輪の転舵角変化を示す特性図の一例であり、(a)は変化特性を一次関数で設定し、(b)は変化特性を多次関数で設定した例である。 (a)は後退時、後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替えた際の走行距離に対する車体方角変化量を示す図であり、(b)は図10(a)における車体方角変化量のオフセット量を説明する説明図である。 (a)は比較例の車両用舵角制御装置において、前進時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替えた際の転舵角変化を示す特性図であり、(b)は走行距離に対する車体方角変化量及びヨーレートを示す図である。 比較例の車両用舵角制御装置において、前進Uターン旋回時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替えた際の走行軌跡を示す図である。 実施例1の車両用舵角制御装置において、前進Uターン旋回時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替えた際の走行軌跡を示す図である。 実施例2の車両用舵角制御装置を搭載した車両を示すシステムブロック図である。 (a)は第1方式での操舵モード切替時の転舵角変化を示す特性図であり、(b)は第2方式での操舵モード切替時の転舵角変化を示す特性図である。 第1方式と第2方式の実行優先度の設定を示す説明図である。 重み付け係数に応じて変化する目標転舵角の変化特性の一例を示す図であり、(a)はα=0のときを示し、(b)はα=0.5のときを示し、(c)はα=1のときを示す。 (a)〜(c)は重み付け係数の設定マップの一例を示す図である。 (a)は重み付け係数の時間に対する変化特性の一例を示す図であり、(b)は重み付け係数の横G検出値に対する変化特性の一例を示す図である。 (a)は第1方式のみによる走行距離に対する車体方角変化量及びヨーレートを示す図であり、(b)は第1方式のみによる旋回時の走行軌跡を示す図である。 第2方式のみによる走行距離に対する車体方角変化量及びヨーレートを示す図である。 前進時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替えた際の車輪の転舵角変化を示す特性図の他の一例である。 (a)は90°旋回時の走行軌跡を示す図であり、(b)は90°旋回中に前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替えた際の車輪の転舵角変化を示す特性図の一例である。 (a),(b)は重み付け係数の設定マップの他の例を示す図である。
以下、本発明の車両用舵角制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、実施例1の車両用舵角制御装置における構成を、「車両用舵角制御装置の構成」、「舵角設定処理構成」に分けて説明する。
[車両用舵角制御装置の構成]
図1は、実施例1の車両用舵角制御装置を搭載した車両を示すシステムブロック図である。以下、図1に基づいて、実施例1の車両用舵角制御装置の構成を説明する。
図1に示す車両Sは、左右前輪FL,FRと、左右後輪RL,RRと、前輪操舵機構(前輪操舵手段)1と、後輪操舵機構(後輪操舵手段)2と、バッテリ3と、ステアリング機構4と、車速センサ5と、操舵モード切替スイッチ(操舵モード切替手段)6と、舵角コントローラ(転舵角制御手段)7と、を備えている。
前記前輪操舵機構1は、左右前輪FL,FRを個別に転舵する前輪用転舵モータ11と、前輪用転舵モータ11を制御するインバータ12と、を有する。ここで、インバータ12は、舵角コントローラ7からの転舵角制御指令に基づき、バッテリ3からの電力供給を受けて前輪用転舵モータ11を駆動する。
前記後輪操舵機構2は、左右後輪RL,RRを個別に転舵する後輪用転舵モータ21と、後輪用転舵モータ21を制御するインバータ22と、を有する。ここで、インバータ22は、舵角コントローラ7からの転舵角制御指令に基づき、バッテリ3からの電力供給を受けて後輪用転舵モータ21を駆動する。
前記ステアリング機構4は、ドライバーにより操作されるハンドル41と、このハンドル41の操舵角を検出する操舵角センサ42と、を有している。操舵角センサ42により検出された操舵角検出値は、舵角コントローラ7に入力する。
前記車速センサ5は、例えば左右前輪FL,FRの車輪速を検出する車輪速センサから構成され、車両Sの走行速度を検出する。この車速センサ5により検出された車速検出値は、舵角コントローラ7に入力する。
前記操舵モード切替スイッチ6は、車室内に設けられ、ドライバーの手動による操作により操舵モード切替信号を出力し、前輪操舵モード又は後輪操舵モードの何れか一方の操舵モードを設定する。ここで、「前輪操舵モード」とは、前輪操舵機構1により左右前輪FL,FRを操舵する走行モードである。このときには、左右前輪FL,FRが操舵輪となる。また、「後輪操舵モード」とは、後輪操舵機構2により左右後輪RL,RRを操舵する走行モードである。このときには、左右後輪RL,RRが操舵輪となる。この操舵モード切替スイッチ6からの操舵モード切替信号は、舵角コントローラ7に入力する。
前記舵角コントローラ7は、ドライバーの要求舵角に応じて、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角をそれぞれ制御するものであり、切替距離演算器71と、転舵角演算器72と、転舵角サーボコントローラ73と、を有している。
前記切替距離演算器71は、車速センサ5により検出された車速検出値と、予め設定された操舵モード切替時間に基づいて、操舵モード切替期間の走行距離である切替距離を演算する。
ここで、「操舵モード切替期間」とは、操舵モードを切り替える際、左右前輪FL,FRの操舵と左右後輪RL,RRの操舵を同時に行なう時間である。つまり、切替距離演算器71は、前輪操舵と後輪操舵を同時に行なう4輪操舵中の走行距離を演算する。
前記転舵角演算器72は、舵角コントローラ7から操舵モード切替信号が入力されたら、操舵角センサ42により検出された操舵角検出値と、切替距離演算器71により演算された切替距離に基づいて、各輪FL,FR,RL,RRを転舵する際の目標転舵角を演算する。
ここで、転舵角演算器72は、操舵角検出値と切替距離に応じて、各輪FL,FR,RL,RRそれぞれの理想転舵角を予め設定したデータテーブルを有している。また、この転舵角演算器72には、転舵角サーボコントローラ73によって検出された各輪FL,FR,RL,RRの転舵角検出値(実転舵角)がそれぞれ入力される。そのため、この転舵角演算器72では、データテーブルから設定された理想転舵角と、転舵角サーボコントローラ73から入力された転舵角検出値(実転舵角)との平均値を各輪FL,FR,RL,RRの目標転舵角とする。
なお、データテーブルは、走行状態(前進・後退)と、モード切替状態(前輪操舵→後輪操舵・後輪操舵→前輪操舵)とで区分けされるパターンごとに存在する。
前記転舵角サーボコントローラ73は、転舵角演算器72にて演算された目標転舵角を実現可能な転舵角制御指令を、前輪操舵機構1及び後輪操舵機構2へ適宜出力する。また、この転舵角サーボコントローラ73には、前輪操舵機構1におけるインバータ12から前輪用転舵モータ11への供給電流値と、左右前輪FL,FR の転舵角検出値と、後輪操舵機構2におけるインバータ22から後輪用転舵モータ21への供給電流値と、左右後輪RL,RRの転舵角検出値と、がそれぞれ入力される。これにより、転舵角サーボコントローラ73は、前輪操舵機構1及び後輪操舵機構2における動作を監視する。
[舵角制御処理構成]
図2は、実施例1の転舵角演算器により実行される理想舵角設定処理の流れを示すフローチャートである。以下、図2に示すフローチャートに基づき、転舵角演算器72が有するデータテーブルにて設定される理想転舵角の設定処理の流れを説明する。
ステップS1では、ドライバーによる手動操作が行なわれ、操舵モード切替スイッチ6から操舵モード切替信号が入力したか否かを判断する。YES(信号入力あり)の場合はステップS2へ移行する。NO(信号入力なし)の場合はステップS1を繰り返す。
ステップS2では、ステップS1での操舵モード切替信号の入力との判断に続き、車両Sの走行状態が前進であるか否かを判断する。YES(前進)の場合はステップS3へ移行する。NO(後退)の場合はステップS4へ移行する。
ここで、前進であるか否かの判断は、車両Sに搭載した図示しないインヒビタスイッチからの入力信号に基づいて判断する。インヒビタスイッチからの入力信号がDレンジ選択であれば前進と判断し、Rレンジ選択であれば後退と判断する。
ステップS3では、ステップS2での前進との判断に続き、操舵モードの切り替えが、前輪操舵モードから後輪操舵モードへの切り替えであるか否かを判断する。YES(前輪操舵→後輪操舵)の場合はステップS5へ移行する。NO(後輪操舵→前輪操舵)の場合はステップS6へ移行する。
ステップS4では、ステップS2での後退との判断に続き、操舵モードの切り替えが、前輪操舵モードから後輪操舵モードへの切り替えであるか否かを判断する。YES(前輪操舵→後輪操舵)の場合はステップS7へ移行する。NO(後輪操舵→前輪操舵)の場合はステップS8へ移行する。
ステップS5では、ステップS3の前輪操舵→後輪操舵との判断に続き、図3(a),(b) に示すように、モード切替前の前輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθA、及び、モード切替後の後輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCの方が大きい値になるように、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角を設定し、エンドへ移行する。
なお、このときの「前輪−後輪」とは、車幅方向の同じ側で比較する。また、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、操舵角及び切替距離ごとに求める。
ここで、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、下記[式1]にて設定されるモード切替後の走行距離r(t)に対する車体方角の変化量φ(t)(図4(a)において実線で示す)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角の変化量(図4(a)において破線で示す)に、左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRの幾何中心位置Oと操舵角に応じた旋回中心Orを結ぶ線分L(図4(b)参照)と、左右後輪RL,RRの車軸Jとでなす角度θ(図4(b)参照)の2倍の値(2×arctan(-r(t0)/r(t0))を加算した値(図4(a)においてΔθで示す)となるように決める。つまり、図4(a)に示すΔθと、図4(b)に示すθ+θを等しくする。また、「t0」は、操舵モードの切り替えを開始する瞬間の時刻である。
[式1]
ここで、「ω(τ)」は、ヨーレートであり。「v」は車速である。また、「左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRの幾何中心位置O」とは、平面視上及び車両上下方向のそれぞれにおいて、各輪FL,FR,RL,RRの中心になる位置である。
さらに、走行距離r(t)は、下記[式2]にて求める。また、「車体方角」とは、車両Sの走行中の向き(方角)である。「車体方角の変化量」は、例えば左旋回時、東方向を0[deg]とすると、北方向が90[deg]、西方向が180[deg]、南方向が270[deg]となり、さらに旋回する場合では、東方向が360[deg]、北方向が450[deg]、西方向が540[deg]、南方向が630[deg]となる。
[式2]
また、「θ1L」は、左前輪FLの転舵角度であり、「θ1R」は、右前輪FRの転舵角度であり、「θ2L」は、左後輪RLの転舵角度であり、「θ2R」は、右後輪RRの転舵角度であり、「H」は、ホイールベースであり、「T」はトレッドである。「m,m,m,m」は、それぞれ重み付け係数である。ここでは、mを左前輪FLの輪荷重とし、mを右前輪FRの輪荷重とし、mを左後輪RLの輪荷重とし、mを右後輪RRの輪荷重とする。
ステップS6では、ステップS3での後輪操舵→前輪操舵との判断に続き、図5に示すように、モード切替前の後輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθA、及び、モード切替後の前輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCの方が小さい値になるように、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角を設定し、エンドへ移行する。
なお、このときの「前輪−後輪」とは、車幅方向の同じ側で比較する。また、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、操舵角及び切替距離ごとに求める。
ここで、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、上記[式1]にて設定されるモード切替後の走行距離r(t)に対する車体方角の変化量φ(t)(図6(a)において実線で示す)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角の変化量(図6(a)において破線で示す)から、左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRの幾何中心位置Oと操舵角に応じた旋回中心Orを結ぶ線分L(図6(b)参照)と、左右後輪RL,RRの車軸Jとでなす角度θ(図6(b)参照)の2倍の値(2×arctan(-r(t0)/r(t0))を減算した値(図6(a)においてΔθで示す)となるように決める。つまり、図6(a)に示すΔθと、図6(b)に示すθ+θを等しくする。
ステップS7では、ステップS4での前輪操舵→後輪操舵との判断に続き、図7に示すように、モード切替前の前輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθA、及び、モード切替後の前輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCの方が小さい値になるように、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角を設定し、エンドへ移行する。
なお、このときの「前輪−後輪」とは、車幅方向の同じ側で比較する。また、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、操舵角及び切替距離ごとに求める。
ここで、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、上記[式1]にて設定されるモード切替後の走行距離r(t)に対する車体方角の変化量φ(t)(図8(a)において実線で示す)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角の変化量(図8(a)において破線で示す)から、左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRの幾何中心位置Oと操舵角に応じた旋回中心Orを結ぶ線分L(図8(b)参照)と、左右前輪FL,FRの車軸Jとでなす角度θ(図8(b)参照)の2倍の値(2×arctan(-r(t0)/r(t0))を減算した値(図8(a)においてΔθで示す)となるように決める。つまり、図8(a)に示すΔθと、図8(b)に示すθ+θを等しくする。
ステップS8では、ステップS4での後輪操舵→前輪操舵との判断に続き、図9に示すように、モード切替前の後輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθA、及び、モード切替後の前輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCの方が大きい値になるように、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角を設定し、エンドへ移行する。
なお、このときの「前輪−後輪」とは、車幅方向の同じ側で比較する。また、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、操舵角及び切替距離ごとに求める。
ここで、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、上記[式1]にて設定されるモード切替後の走行距離r(t)に対する車体方角の変化量φ(t)(図10(a)において実線で示す)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角の変化量(図10(a)において破線で示す)に、左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRの幾何中心位置Oと操舵角に応じた旋回中心Orを結ぶ線分L(図10(b)参照)と、左右前輪FL,FRの車軸Jとでなす角度θ(図10(b)参照)の2倍の値(2×arctan(-r(t0)/r(t0))を加算した値(図10(a)においてΔθで示す)となるように決める。つまり、図10(a)に示すΔθと、図10(b)に示すθ+θを等しくする。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例の車両用舵角制御装置の構成と課題」を説明し、続いて、実施例1の車両用舵角制御装置の作用を、「前進時・前輪操舵モード→後輪操舵モード作用」、「前進時・後輪操舵モード→前輪操舵モード作用」、「後退時・前輪操舵モード→後輪操舵モード作用」、「後退時・後輪操舵モード→前輪操舵モード作用」に分けて説明する。
[比較例の車両用舵角制御装置の構成と課題]
図11(a)は、比較例の車両用舵角制御装置において、前進時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替えた際の転舵角変化を示す特性図であり、(b)は走行距離に対する車体方角変化量及びヨーレートを示す図である。図12は、比較例の車両用舵角制御装置において、前進Uターン旋回時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替えた際の走行軌跡を示す図である。
比較例の車両用操舵制御装置では、図11(a)に示すように、モード切替前の前輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθA、及び、モード切替後の後輪操舵モード時における前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCを同じ値になるように、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角を設定する。
すなわち、前輪操舵角と後輪操舵角の転舵角差を一定にするには、各輪FL,FR,RL,RRの理想転舵角は、上記[式1]にて設定されるモード切替後の走行距離r(t)に対する車体方角の変化量φ(t)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角の変化量と、同じ値になるように決める。
これにより、図11(b)に示すように、前輪操舵モードから後輪操舵モードへのモード切替期間に生じるヨーレート変化を抑制することができる。
しかしながら、この比較例の車両用操舵制御装置では、転舵角差を一定にすることで、モード切替期間の旋回中心と車体の内周側面との距離が一定となり、図12に示すように、前輪操舵モード時の軌跡内接円R1の位置と、後輪操舵モード時の軌跡内接円R2の位置とがずれてしまう。
このため、モード切替前(前輪操舵モード)の旋回中心Or1の位置とモード切替後(後輪操舵モード)の旋回中心Or2の位置がずれてしまい、モード切替期間における旋回半径が大きくなってしまう。この結果、操舵モードを切り替えることで走行軌跡が大きく変わってしまい、ドライバーが操舵モードを切り替えたときの車両挙動の予測が困難になっていた。
なお、ここでは、図11及び図12に基づいて、前進走行時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替えた際の転舵角変化を示している。しかしながら、前進走行時に後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替える場合、後退走行時に前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替える場合、後退走行時に後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替える場合のいずれであっても、操舵モード切替期間における前輪操舵角と後輪操舵角の転舵角差を、操舵モード切替前後の転舵角差に対して一定にすれば、走行軌跡の大きなずれは生じてしまう。
[前進時・前輪操舵モード→後輪操舵モード作用]
図13は、実施例1の車両用舵角制御装置において、前進Uターン旋回時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替えた際の走行軌跡を示す図である。
実施例1の車両用操舵制御装置において、前進走行時に左方向にUターン旋回を行なう際、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替える場合を説明する。
このとき、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5へと進み、図3に示すように、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCを、前輪操舵モード時(モード切替前)における転舵角差ΔθA、及び、後輪操舵モード時(モード切替後)における転舵角差ΔθBよりも大きい値に設定する。
ここで、前輪操舵モードでは、左後輪RLが内周側に位置し、後輪操舵モードでは、左前輪FLが内周側に位置する。
そのため、図13に示すように、モード切替期間に、軌跡内接円R3に左後輪RLが接するときと、左前輪FLが接するときの車両ヨー角の差分を与えるように、タイヤ操舵角変化時の角度変化の増加量を設定することで、おのずと走行軌跡が円状となる。
すなわち、モード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量に、車両ヨー角の差分(ここでは、前輪FL,FRと後輪RL,RRの幾何中心位置Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、後輪RL,RRの車軸Jとでなす角度θの2倍の値とする)を加算した値となるように、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を設定する。これにより、モード切替後に車体方角の変化量が増加方向にオフセットする。
この結果、モード切替期間に旋回中心Orと車体の内周側面との距離が変動し、モード切替前後における旋回中心Orの位置ズレを抑えることができる。これにより、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替える際、車両Sの走行軌跡の変化を抑制することができる。そして、ドライバーの予期せぬ旋回軌跡を走行するような違和感のある車両挙動を防止することができる。
さらに、上記比較例の場合のように、モード切替前(前輪操舵モード)の旋回中心Or1の位置とモード切替後(後輪操舵モード)の旋回中心Or2の位置がずれてしまうと、小回り性が悪化するが、旋回中心Orの位置ズレを抑えることで、小回り性の悪化を防止することができる。
[前進時・後輪操舵モード→前輪操舵モード作用]
実施例1の車両用操舵制御装置において、前進走行時に左旋回を行なう際、後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替える場合を説明する。
このとき、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS6へと進み、図5に示すように、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCを、後輪操舵モード時(モード切替前)における転舵角差ΔθA、及び、前輪操舵モード時(モード切替後)における転舵角差ΔθBよりも小さい値に設定する。
ここで、前輪操舵モードでは、左後輪RLが内周側に位置し、後輪操舵モードでは、左前輪FLが内周側に位置する。
そのため、軌跡内接円に左後輪RLが接するときと、左前輪FLが接するときの車両ヨー角の差分を減ずるように、タイヤ操舵角変化時の角度変化の減少量を設定することで、おのずと走行軌跡が円状となる。
すなわち、モード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量から、車両ヨー角の差分(ここでは、前輪FL,FRと後輪RL,RRの幾何中心位置Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、後輪RL,RRの車軸Jとでなす角度θの2倍の値とする)を減算した値となるように、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を設定する。
この結果、モード切替に伴って旋回中心と車体の内周側面との距離が変動し、モード切替前後における旋回中心Orの位置ズレを抑えることができる。これにより、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替える際、車両Sの走行軌跡の変化を抑制することができる。そして、ドライバーの予期せぬ旋回軌跡を走行するような違和感のある車両挙動を防止することができる。
[後退時・前輪操舵モード→後輪操舵モード作用]
実施例1の車両用操舵制御装置において、後退走行時に左旋回を行なう際、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替える場合を説明する。
このとき、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS7へと進み、図7に示すように、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCを、前輪操舵モード時(モード切替前)における転舵角差ΔθA、及び、後輪操舵モード時(モード切替後)における転舵角差ΔθBよりも小さい値に設定する。
ここで、前輪操舵モードでは、左後輪RLが内周側に位置し、後輪操舵モードでは、左前輪FLが内周側に位置する。
そのため、軌跡内接円に左後輪RLが接するときと、左前輪FLが接するときの車両ヨー角の差分を減ずるように、タイヤ操舵角変化時の角度変化の減少量を設定することで、おのずと走行軌跡が円状となる。
すなわち、モード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量から、車両ヨー角の差分(ここでは、前輪FL,FRと後輪RL,RRの幾何中心位置Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、前輪FL,FRの車軸Jとでなす角度θの2倍の値とする)を減算した値となるように、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を設定する。
この結果、モード切替に伴って旋回中心と車体の内周側面との距離が変動し、モード切替前後における旋回中心Orの位置ズレを抑えることができる。これにより、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替える際、車両Sの走行軌跡の変化を抑制することができる。そして、ドライバーの予期せぬ旋回軌跡を走行するような違和感のある車両挙動を防止することができる。
[後退時・後輪操舵モード→前輪操舵モード作用]
実施例1の車両用操舵制御装置において、後退走行時に左旋回を行なう際、後輪操舵モードから前輪操舵モードへと切り替える場合を説明する。
このとき、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS8へと進み、図9に示すように、モード切替期間の前輪操舵角−後輪操舵角間の転舵角差ΔθCを、後輪操舵モード時(モード切替前)における転舵角差ΔθA、及び、前輪操舵モード時(モード切替後)における転舵角差ΔθBよりも大きい値に設定する。
ここで、前輪操舵モードでは、左後輪RLが内周側に位置し、後輪操舵モードでは、左前輪FLが内周側に位置する。
そのため、軌跡内接円に左後輪RLが接するときと、左前輪FLが接するときの車両ヨー角の差分を与えるように、タイヤ操舵角変化時の角度変化の増加量を設定することで、おのずと走行軌跡が円状となる。
すなわち、モード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量に、車両ヨー角の差分(ここでは、前輪FL,FRと後輪RL,RRの幾何中心位置Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、前輪FL,FRの車軸Jとでなす角度θの2倍の値とする)を加算した値となるように、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を設定する。
この結果、モード切替に伴って旋回中心と車体の内周側面との距離が変動し、モード切替前後における旋回中心Orの位置ズレを抑えることができる。これにより、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと操舵モードを切り替える際、車両Sの走行軌跡の変化を抑制することができる。そして、ドライバーの予期せぬ旋回軌跡を走行するような違和感のある車両挙動を防止することができる。
なお、上記実施例1では、図3(a),図5(a),図7(a),図9(a)に示すように、モード切替期間の各輪FL,FR,RL,RRの転舵角の走行距離に対する変化特性を、直線的になる一次関数により設定する場合では、各転舵角の変化特性を単純化することができ、簡易な演算により各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を求めることができる。
一方、図3(b),図5(b),図7(b),図9(b)に示すように、モード切替期間の各輪FL,FR,RL,RRの転舵角の走行距離に対する変化特性を、放物線的になる多次関数により設定する場合では、各転舵角を円滑に変化させることができ、走行軌跡のずれをより抑えることができて、操作性の向上をさらに図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用舵角制御装置にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(1) 前輪FL,FRを操舵する前輪操舵手段(前輪操舵機構)1と、
後輪RL,RRを操舵する後輪操舵手段(後輪操舵機構)2と、
前記前輪操舵手段1により前記前輪FL,FRを操舵する前輪操舵モードと、前記後輪操舵手段2により前記後輪RL,RRを操舵する後輪操舵モードとを切り替える操舵モード切替手段(操舵モード切替スイッチ)6と、
前記操舵モード切替手段6による操舵モード切替時、モード切替前の前記前輪FL.FRの転舵角と前記後輪RL,RRの転舵角の転舵角差ΔθA、或いは、モード切替後の前記転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前記転舵角差ΔθCを異ならせる転舵角制御手段(舵角コントローラ)7と、
を備えた構成とした。
これにより、旋回中に操舵モードを切り替える際、車両の走行軌跡の変化を抑制することができる。
(2) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、進行方向前側にある車輪を操舵する操舵モードから、進行方向後側にある車輪を操舵する操舵モードへのモード切替時、モード切替前の前記転舵角差ΔθA或いはモード切替後の前記転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前記転舵角差ΔθCの方を大きい値にする構成とした。
これにより、軌跡内接円に、前輪が接するときと、後輪が接するときの車両ヨー角の差分を与えるようにタイヤ操舵角変化時の角度変化の増加量を設定することになり、車両の走行軌跡を円状にして、軌跡変化を抑制することができる。
(3) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、車両前進時、前記前輪操舵モードから前記後輪操舵モードへのモード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量φ(t)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量に、前記前輪FL,FRと前記後輪RL,RRの中心位置(幾何中心位置)Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、前記後輪RL,RRの車軸Jとでなす角度θの2倍の値を加算した値になるように、前記前輪FL,FR及び前記後輪RL,RRの各転舵角を制御する構成とした。
これにより、車両前進時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへのモード切替において、走行軌跡の変化を小さくし、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
(4) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、車両後退時、前記後輪操舵モードから前記前輪操舵モードへのモード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量φ(t)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量に、前記前輪FL,FRと前記後輪RL,RRの中心位置(幾何中心位置)Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、前記前輪FL,FRの車軸Jとでなす角度の2倍の値を加算した値になるように、前記前輪及び前記後輪の各転舵角を制御する構成とした。
これにより、車両後退時、後輪操舵モードから前輪操舵モードへのモード切替において、走行軌跡の変化を小さくし、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
(5) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、進行方向後側にある車輪を操舵する操舵モードから、進行方向前側にある車輪を操舵する操舵モードへのモード切替時、モード切替前の前記転舵角差ΔθA或いはモード切替後の前記転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前記転舵角差ΔθCを小さい値にする構成とした。
これにより、軌跡内接円に、前輪が接するときと、後輪が接するときの車両ヨー角の差分を減ずるようにタイヤ操舵角変化時の角度変化の減少量を設定することになり、車両の走行軌跡を円状にして、軌跡変化を抑制することができる。
(6) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、車両前進時、前記後輪操舵モードから前記前輪操舵モードへのモード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量φ(t)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量から、前記前輪FL,FRと前記後輪RL,RRの中心位置(幾何中心位置)Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、前記後輪RL,RRの車軸Jとでなす角度の2倍の値を減算した値になるように、前記前輪FL,FR及び前記後輪RL,RRの各転舵角を制御する構成とした。
これにより、車両前進時、後輪操舵モードから前輪操舵モードへのモード切替において、走行軌跡の変化を小さくし、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
(7) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、車両後退時、前記前輪操舵モードから前記後輪操舵モードへのモード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量φ(t)が、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量から、前記前輪FL,FRと前記後輪RL,RRの中心位置(幾何中心位置)Oと旋回中心Orを結ぶ線分Lと、前記前輪FL,FRの車軸Jとでなす角度の2倍の値を減算した値になるように、前記前輪FL,FR及び前記後輪RL,RRの各転舵角を制御する構成とした。
これにより、車両後退時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへのモード切替において、走行軌跡の変化を小さくし、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
(8) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、前記操舵モードのモード切替期間における前記前輪FL,FR及び前記後輪RL,RRの各転舵角の走行距離に対する変化特性を、一次関数により設定する構成とした。
これにより、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角の走行距離に対する変化特性を単純化することができ、簡易な演算により各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を求めることができる。
(9) 前記転舵角制御手段(舵角コントローラ)7は、前記操舵モードのモード切替期間における前記前輪FL,FR及び前記後輪RL,RRの各転舵角の走行距離に対する変化特性を、多次関数により設定する構成とした。
これにより、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を円滑に変化させることができ、走行軌跡のずれをより抑えることができて、操作性の向上をさらに図ることができる。
実施例2の車両用舵角制御装置は、車両に生じる横加速度の大きさに応じて、操舵モード切替時の舵角制御方式を制御する例である。
まず、構成を説明する。
図14は、実施例2の車両用舵角制御装置を搭載した車両を示すシステムブロック図である。以下、図14に基づいて、実施例1の車両用舵角制御装置の構成を説明する。
図14に示す車両S1は、一対の前輪FL,FRと、一対の後輪RL,RRと、前輪操舵機構(前輪操舵手段)1と、後輪操舵機構(後輪操舵手段)2と、バッテリ3と、ステアリング機構4と、車速センサ5と、操舵モード切替スイッチ(操舵モード切替手段)6と、舵角コントローラ(転舵角制御手段)7Aと、横Gセンサ(横加速度検出手段)8と、を備えている。実施例1と同様の構成については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
前記横Gセンサ8は、車体に設けられ、車両S1の左右方向に発生した横加速度を検出する。この横Gセンサ8により検出された横G検出値(実横加速度)は、舵角コントローラ7Aに入力する。
前記舵角コントローラ7Aは、グリップ状態横G計算器74と、モード切替方式重み付け演算器(モード切替方式制御手段)75と、転舵角演算器76と、転舵角サーボコントローラ73と、を有している。
前記グリップ状態横G計算器74は、車速センサ5により検出された車速検出値と、転舵角サーボコントローラ73から入力された転舵角検出値(実転舵角)に基づき、各輪FL,FR,RL,RRがグリップしている状態(完全グリップ状態)での横G推定値(推定横加速度)を演算する。
なお、この横G推定値a(t)は、下記[式3]にて求められる。
[式3]
ここで、「v」は車速である。また、走行距離r(t)は、実施例1にて示した[式2]に基づいて求める。
前記モード切替方式重み付け演算器75は、グリップ状態横G計算器74により演算された横G推定値と、横Gセンサ8により検出された横G検出値との横G差(横加速度差)ΔGに基づいて、操舵モードのモード切替時の制御方式の実行優先度を設定し、各輪FL,FR,RL,RRの目標転舵角をそれぞれ演算する。
ここで、「モード切替時の制御方式」とは、操舵モード切替時の走行軌跡のずれを抑制することができる第1方式と、操舵モード切替時のヨーレート変動を抑制することができる第2方式である。
すなわち、前記第1方式は、実施例1において説明した制御方式であり、操舵モード切替時、モード切替前の前輪FL,FRの転舵角と後輪RL,RRの転舵角の転舵角差ΔθA、或いは、モード切替後の転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の転舵角差ΔθCを異ならせる(図15(a)参照)。
また、前記第2方式は、実施例1において比較例として説明した制御方式であり、操舵モード切替時、モード切替前の前輪FL,FRの転舵角と後輪RL,RRの転舵角の転舵角差ΔθA、及び、モード切替後の転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の転舵角差ΔθCを一定にする(図15(b)参照)。
そして、第1方式と第2方式の実行優先度は、図16においてドットで示す領域のように、横G推定値よりも横G検出値が大きい値のときには、第1方式の実行優先度を高くする。また、図16において斜線で示す領域のように、横G推定値よりも横G検出値が小さい値のときには、第2方式の実行優先度を高くする。
なお、この図16では、横G推定値よりも横G検出値が僅かに小さい値のときには、第1方式の実行優先度を高くする。
具体的には、「α」を重み付け係数とし、「θ1」を第1方式により設定する理想転舵角とし、「θ2」を第2方式により設定する理想転舵角とし、「θ」を目標転舵角としたとき、下記式(4)により各輪FL,FR,RL,RRごとに目標転舵角を設定する。
θ=θ1×α+θ2×(1−α) …(4)
なお、第1方式による理想転舵角の設定方法及び第2方式による理想転舵角の設定方法については、実施例1にて説明したのでここでは詳細な説明を省略する。
そして、例えば前進走行時に、前輪操舵モードから後輪操舵モードへとモード切替を行なう際、「α=0」とすれば、第1方式により設定する理想転舵角の割合はゼロとなり、第2方式により設定する理想転舵角のみで目標転舵角が設定される(図17(a)参照)。
また、「α=0.5」とすれば、第1方式より設定する理想転舵角の割合と、第2方式により設定する理想転舵角の割合は同等になり、それぞれの方式により設定された理想転舵角の平均値で目標転舵角が設定される(図17(b)参照)。
また、「α=1」とすれば、第2方式により設定する理想転舵角の割合はゼロとなり、第1方式により設定する理想転舵角のみで目標転舵角が設定される(図17(c)参照)。
この重み付け係数αは、横G差ΔGと予め設定したマップ(例えば、図18(a)〜(c)に示す)に基づいて設定する。このマップは任意に設定することができる。さらに、モード切替の経過時間に応じて、重み付け係数αを次第に大きくしたり(図19(a)において実線で示す)、小さくしたり(図19(a)において一点鎖線で示す)してもよい。また、モード切替に伴う横G検出値(実横加速度)の変化に応じて、重み付け係数αを次第に大きくしたり(図19(b)において実線で示す)、小さくしたり(図19(b)において一点鎖線で示す)してもよい。
前記転舵角サーボコントローラ73は、転舵角演算器76にて演算された目標転舵角を実現可能な転舵角制御指令を前輪操舵機構1及び後輪操舵機構2へ適宜出力する。また、この転舵角サーボコントローラ73には、前輪操舵機構1におけるインバータ12から前輪用転舵モータ11への供給電流値と、前輪FL,FR の転舵角検出と、後輪操舵機構2におけるインバータ22から後輪用転舵モータ21への供給電流値と、後輪RL,RRの転舵角検出値と、がそれぞれ入力される。これにより、転舵角サーボコントローラ73は、前輪操舵機構1及び後輪操舵機構2における動作を監視する。
次に、実施例2における作用を、「第1方式優先作用」、「第2方式優先作用」に分けて説明する。
[第1方式優先作用]
実施例2の車両用舵角制御装置において、走行中、操舵モード切替スイッチ6が操作されると、横Gセンサ8により横G検出値を検出すると共に、グリップ状態横G計算器74により横G推定値を推定する。なお、このとき、走行状態が前進・後退の何れであるか、また操舵モードの切り替えが、前輪操舵モード→後輪操舵モード・後輪操舵モード→前輪操舵モードの何れであるかを判断する。
続いて、横G推定値と横G検出値との横G差ΔGを演算し、この横G差ΔGと、図18に示すマップに基づいて、重み付け係数αを設定する。
そして、第1方式によって理想転舵角θ1を設定すると共に、第2方式によって理想転舵角θ2を設定し、設定された重み付け係数αと、上記式(4)により、最終的な目標転舵角θを設定する。
このとき、重み付け係数αが0.5より大きい値の場合には、目標転舵角において第1方式によって設定される理想転舵角θ1の割合が高くなる。ここで、前進走行時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替える場合、第1方式では、図20(a)に示すように、モード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量を、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量に、車両ヨー角の差分を加算した値とする。これにより、図20(b)に示すように、前輪操舵モード時の走行軌跡と後輪操舵モード時の走行軌跡がほぼ一致し、モード切替に伴う走行軌跡のずれを抑制して、ドライバーが走行軌跡の予測を行ないやすくすることができる。
[第2方式優先作用]
実施例2の車両用舵角制御装置において、重み付け係数αが0.5より小さい値の場合には、目標転舵角において第2方式よって設定される理想転舵角θ2の割合が高くなる。ここで、前進走行時、前輪操舵モードから後輪操舵モードへと切り替える場合、第2方式では、図21に示すように、モード切替後の走行距離に対する実際の車体方角変化量を、モード切替をしない場合の走行距離に対する予想車体方角変化量と一致する値とする。これにより、ヨーレートはモード切替期間も、モード切替前後に対して変動することがなくなり、ヨーレートが安定して特に高速走行時での車両挙動の違和感を低減することができる。
このように、目標転舵角θを設定する際に、第1方式によって設定される理想転舵角θ1の割合を高めることで、旋回中に操舵モードを切り替えた際の走行軌跡のズレを抑えることができる。一方、第2方式によって設定される理想転舵角θ2の割合を高めることで、旋回中に操舵モードを切り替えた際のヨーレート変化を抑えることができる。
すなわち、横G差ΔGに応じて操舵モード切り替え方式の優先度合いを変化させることにより、走行状態に合わせて適切な舵角制御を行うことができて、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
特に、実施例2の車両用舵角制御装置では、図16に示すように、横G推定値よりも横G検出値の方が大きい値のときには第1方式の実行優先度を高くし、横G推定値よりも横G検出値の方が小さい値のときには第2方式の実行優先度を高くする。
すなわち、低速旋回時等のヨーレートの変化を感じにくい走行シーンでは、走行軌跡の変動を抑えることができる第1方式の実行優先度を高くする。一方、高速旋回時等のヨーレートの変化を感じやすく、ヨーレート変化による車両挙動の違和感が大きくなる走行シーンでは、ヨーレート変化を抑えることができる第2方式の実行優先度を高くする。
これにより、走行状態に合わせてさらに適切な舵角制御を行うことで、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
また、上記式(4)によって各輪FL,FR,RL,RRの転舵角を設定するため、演算が単純化され、容易に転舵角を求めることができる。
なお、第1方式と第2方式の実行優先度を設定する重み付け係数αを、モード切替の経過時間や実際に車両S1に作用する横G検出値に応じて変化させることで、走行状態に合わせてさらに適切な舵角制御を行うことができる。この結果、ドライバーに違和感を与えることをより効果的に防止できる。
すなわち、実施例2の車両用舵角制御装置にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(10) 車両S1の左右方向に発生した横加速度を検出する横加速度検出手段(横Gセンサ)8を備え、
前記転舵角制御手段7Aは、前記横加速度検出手段8により検出された実横加速度(横G検出値)と、前記前輪FL,FR及び前記後輪RL,RRの各転舵角に基づいて推定した推定横加速度(横G推定値)との横加速度差(横G差)ΔGに応じて、
前記操舵モードのモード切替時、モード切替前の前記前輪FL,FRの転舵角と前記後輪RL,RRの転舵角の転舵角差ΔθA、或いは、モード切替後の前記転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前記転舵角差ΔθCを異ならせる第1方式と、
前記操舵モードのモード切替時、モード切替前の前記前輪FL,FRの転舵角と前記後輪RL,RRの転舵角の転舵角差ΔθA、及び、モード切替後の前記転舵角差ΔθBに対して、モード切替期間の前記転舵角差ΔθCを一定にする第2方式と、のうちいずれか一方を優先実行するモード切替方式制御手段(モード切替方式重み付け演算器)75を有する構成とした。
これにより、横G差ΔGに応じて操舵モード切り替え方式の優先度合いを変化させることができ、走行状態に合わせて適切な舵角制御を行うことで、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
(11) 前記モード切替方式制御手段(モード切替方式重み付け演算器)75は、前記推定横加速度(横G推定値)よりも前記実横加速度(横G検出値)の方が大きい値のときには前記第1方式の実行優先度を高くし、前記推定横加速度(横G推定値)よりも前記実横加速度(横G検出値)の方が小さい値のときには前記第2方式の実行優先度を高くする構成とした。
これにより、走行状態に合わせてさらに適切な舵角制御を行うことができて、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
(12) 前記モード切替方式制御手段(モード切替方式重み付け演算器)75は、αを重み付け係数とし、θ1を前記第1方式により設定する転舵角とし、θ2を前記第2方式により設定する転舵角とし、θを目標転舵角としたとき、
θ=θ1×α+θ2×(1−α)
にて示す式により前記目標転舵角を設定する構成とした。
これにより、各輪FL,FR,RL,RRの転舵角の演算が単純化され、容易に転舵角を求めることができる。
(13) 前記重み付け係数αは、前記操舵モードのモード切替の経過時間に応じて変化させる構成とした。
これにより、走行状態に合わせてさらに適切な舵角制御を行うことができ、ドライバーに違和感を与えることをより効果的に防止できる。
(14) 前記重み付け係数αは、前記操舵モードのモード切替時における前記実横加速度の変化に応じて変化させる構成とした。
これにより、走行状態に合わせてさらに適切な舵角制御を行うことができ、ドライバーに違和感を与えることをより効果的に防止できる。
以上、本発明の車両用舵角制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
図22に示すように、各輪の転舵角の変化特性を設定する場合、モード切替期間、変化特性を段階的に変化させてもよい。また、左前輪FLの変化特性の傾きと、右前輪FRの変化特性の傾きとを異ならせてもよいし、左後輪RLの変化特性の傾きと、右後輪RRの変化特性の傾きとを異ならせてもよい。
そして、図23に示すように、90°旋回しながら、前輪操舵モードから後輪操舵モードへとモード切替する場合等では、モード切替期間の前後に、各操舵モードでの定常円運動期間を設けなくてもよい。
さらに、実施例2では、軌跡変化を抑制する第1方式と、ヨーレート変化を抑制する第2方式との優先度合いを決定する重み付け係数αを、横G推定値よりも横G検出値が僅かに小さい値のときには、第1方式の実行優先度が高くなる値に設定している(図16及び図18参照)。しかしながら、例えば図24(a),(b)に示すように、横G検出値の方が横G推定値よりも小さい値の間は、第2方式の実行優先度を低くし、横G検出値の方が横G推定値よりも大きい値になったときに、第1方式の実行優先度を高くするように、重み付け係数αを設定してもよい。
S 車両
1 前輪操舵機構(前輪操舵手段)
11 前輪用転舵モータ
12 インバータ
2 後輪操舵機構(後輪操舵手段)
21 後輪用転舵モータ
22 インバータ
3 バッテリ
4 ステアリング機構
41 ハンドル
42 操舵角センサ
5 車速センサ
6 操舵モード切替スイッチ(操舵モード切替手段)
7 舵角コントローラ(転舵角制御手段)
71 切替距離演算器
72 転舵角演算器
73 転舵角サーボコントローラ
FL,FR 左右前輪
RL,RR 左右後輪

Claims (13)

  1. 前輪を操舵する前輪操舵手段と、
    後輪を操舵する後輪操舵手段と、
    前記前輪操舵手段により前記前輪を操舵する前輪操舵モードと、前記後輪操舵手段により前記後輪を操舵する後輪操舵モードとを切り替える操舵モード切替手段と、
    前記操舵モード切替手段による操舵モード切替時、モード切替前の前記前輪の転舵角と前記後輪の転舵角の転舵角差、或いは、モード切替後の前記転舵角差に対して、モード切替中の前記転舵角差を異ならせる転舵角制御手段と、
    を備え
    前記転舵角制御手段は、進行方向前側にある車輪を操舵する操舵モードから、進行方向後側にある車輪を操舵する操舵モードへのモード切替時、モード切替前の前記転舵角差或いはモード切替後の前記転舵角差に対して、モード切替中の前記転舵角差の方を大きい値にする
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記転舵角制御手段は、車両前進時、前記前輪操舵モードから前記後輪操舵モードへのモード切替後における走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合における走行距離に対する予想車体方角変化量に、前記前輪と前記後輪の中心位置と旋回中心を結ぶ線分と、前記後輪の車軸とでなす角度の2倍の値を加算した値になるように、前記前輪及び前記後輪の各転舵角を制御する
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  3. 請求項1に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記転舵角制御手段は、車両後退時、前記後輪操舵モードから前記前輪操舵モードへのモード切替後における走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合における走行距離に対する予想車体方角変化量に、前記前輪と前記後輪の中心位置と旋回中心とを結ぶ線分と、前記前輪の車軸とでなす角度の2倍の値を加算した値になるように、前記前輪及び前記後輪の各転舵角を制御する
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  4. 前輪を操舵する前輪操舵手段と、
    後輪を操舵する後輪操舵手段と、
    前記前輪操舵手段により前記前輪を操舵する前輪操舵モードと、前記後輪操舵手段により前記後輪を操舵する後輪操舵モードとを切り替える操舵モード切替手段と、
    前記操舵モード切替手段による操舵モード切替時、モード切替前の前記前輪の転舵角と前記後輪の転舵角の転舵角差、或いは、モード切替後の前記転舵角差に対して、モード切替中の前記転舵角差を異ならせる転舵角制御手段と、
    を備え、
    前記転舵角制御手段は、進行方向後側にある車輪を操舵する操舵モードから、進行方向前側にある車輪を操舵する操舵モードへのモード切替時、モード切替前の前記転舵角差或いはモード切替後の前記転舵角差に対して、モード切替中の前記転舵角差の方を小さい値にする
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  5. 請求項4に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記転舵角制御手段は、車両前進時、前記後輪操舵モードから前記前輪操舵モードへのモード切替後における走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合における走行距離に対する予想車体方角変化量から、前記前輪と前記後輪の中心位置と旋回中心とを結ぶ線分と、前記後輪の車軸とでなす角度の2倍の値を減算した値になるように、前記前輪及び前記後輪の各転舵角を制御する
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  6. 請求項4に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記転舵角制御手段は、車両後退時、前記前輪操舵モードから前記後輪操舵モードへのモード切替後における走行距離に対する実際の車体方角変化量が、モード切替をしない場合における走行距離に対する予想車体方角変化量から、前記前輪と前記後輪の中心位置と旋回中心とを結ぶ線分と、前記前輪の車軸とでなす角度の2倍の値を減算した値になるように、前記前輪及び前記後輪の各転舵角を制御する
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記転舵角制御手段は、前記操舵モードのモード切替中における前記前輪及び前記後輪の各転舵角の走行距離に対する変化特性を、一次関数により設定した
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記転舵角制御手段は、前記操舵モードのモード切替中における前記前輪及び前記後輪の各転舵角の走行距離に対する変化特性を、多次関数により設定した
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載された車両用舵角制御装置において、
    車両の左右方向に発生した横加速度を検出する横加速度検出手段を備え、
    前記転舵角制御手段は、前記横加速度検出手段により検出された実横加速度と、前記前輪及び前記後輪の各転舵角に基づいて推定した推定横加速度との横加速度差に応じて、
    前記操舵モードのモード切替時、モード切替前の前記前輪の転舵角と前記後輪の転舵角の転舵角差、或いは、モード切替後の前記転舵角差に対して、モード切替中の前記転舵角差を異ならせる第1方式と、
    前記操舵モードのモード切替時、モード切替前の前記前輪の転舵角と前記後輪の転舵角の転舵角差、及び、モード切替後の前記転舵角差に対して、モード切替中の前記転舵角差を一定にする第2方式と、のうちいずれか一方を優先実行するモード切替方式制御手段を有する
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  10. 請求項9に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記モード切替方式制御手段は、前記推定横加速度よりも前記実横加速度の方が大きい値のときには前記第1方式の実行優先度を高くし、前記推定横加速度よりも前記実横加速度の方が小さい値のときには前記第2方式の実行優先度を高くする
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  11. 請求項9又は請求項10に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記モード切替方式制御手段は、αを重み付け係数とし、θ1を前記第1方式により設定する転舵角とし、θ2を前記第2方式により設定する転舵角とし、θを目標転舵角としたとき、
    θ=θ1×α+θ2×(1−α)
    にて示す式により前記目標転舵角を設定する
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  12. 請求項11に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記重み付け係数は、前記操舵モードのモード切替の経過時間に応じて変化させる
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
  13. 請求項11又は請求項12に記載された車両用舵角制御装置において、
    前記重み付け係数は、前記操舵モードのモード切替時における前記実横加速度の変化に応じて変化させる
    ことを特徴とする車両用舵角制御装置。
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