JP5088008B2 - 車体スリップ角制御装置及びプログラム - Google Patents

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本発明は、車体スリップ角制御装置及びプログラムに係り、特に、車両の車体スリップ角を制御する車体スリップ角制御装置及びプログラムに関する。
従来より、ドライバの操舵角から車体スリップ角とヨー角速度との特性を任意に設定できるアクティブ前後輪操舵制御車両における特性設定法として、「横すべり零化制御」が知られている(非特許文献1)。この横すべり零化制御では、車体スリップ角を常時0にするように前輪舵角に対する後輪舵角を制御し、操安性に優れた理想の車両特性が得られるようにしている。
カヤバ工業株式会社、「自動車の操舵系と操安性」、P196、山海堂、1996年
しかしながら、上記の非特許文献1に記載の技術では、機械特性としての車両運動の最適化を図っているため、ドライバには違和感を与えてしまう、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる車体スリップ角制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る車体スリップ角制御装置は、車速を検出する車速センサと、車速に応じて予め定めたヨー角速度ゲイン、ドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、及び前記車速センサによって検出された車速に基づいて、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記車体スリップ角、又は前記車体スリップ角ゲインより得られる車体スリップ角が得られるように、車両を制御する制御手段とを含んで構成されている。
本発明に係る車体スリップ角制御装置によれば、車速センサによって、車速を検出し、算出手段によって、車速に応じて予め定めたヨー角速度ゲイン、ドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、及び車速センサによって検出された車速に基づいて、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する。
そして、制御手段によって、算出手段によって算出された車体スリップ角、又は車体スリップ角ゲインより得られる車体スリップ角が得られるように、車両を制御する。
このように、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出して、車両を制御することにより、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる。
本発明に係る算出手段は、下記に示す(1)式によって、車体スリップ角ゲインGβを算出することができる。
Figure 0005088008
ただし、kは定数、xはドライバの眼の位置に応じて定めた基準位置からドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、Gγは車速に応じて予め定めたヨー角速度ゲイン、vは車速センサによって検出された車速である。
また、本発明に係る制御手段は、算出手段によって算出された車体スリップ角又は車体スリップ角ゲイン、及びステアリングの操舵角に基づいて、車両の前後輪の各々の舵角を制御することができる。これによって、車両の前後輪の各々の舵角を制御して、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる。
また、本発明に係る制御手段は、上記(1)式に基づいて定まる前輪舵角に対する後輪舵角のゲインKを用いて、下記に示す(2)式に従って、後輪の舵角δrを制御することができる。
Figure 0005088008
ただし、δはドライバのステアリング操舵角に応じた前輪の舵角、vは車速センサによって検出された車速、xはドライバの眼の位置に応じて定めた基準位置からドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、mは車両質量、Cは前輪コーナリングパワー、Cは後輪コーナリングパワー、lはホイールベース長、lは前軸と車両重心との距離、lは後軸と車両重心との距離である。
これによって、車両の後輪の舵角を制御して、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる。
上記のヨー角速度ゲインを、低速域では車速が高くなるに従って大きくなり、中速域では一定又は略一定となり、高速域では車速が高くなるに従って小さくなるように予め定めることができる。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、車速に応じて定めたヨー角速度ゲイン、ドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、及び車速を検出する車速センサによって検出された車速に基づいて、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する算出手段、及び前記算出手段によって算出された前記車体スリップ角、又は前記車体スリップ角ゲインより得られる車体スリップ角が得られるように、車両の車輪の舵角を制御する制御機構を制御する制御手段として機能させることを特徴としている。
本発明に係るプログラムによれば、算出手段によって、車速に応じて予め定めたヨー角速度ゲイン、ドライバの眼の位置に応じて定めた基準位置からドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、及び車速センサによって検出された車速に基づいて、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する。
そして、制御手段によって、算出手段によって算出された車体スリップ角、又は車体スリップ角ゲインより得られる車体スリップ角が得られるように、車両の車輪の舵角を制御する制御機構を制御する。
このように、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出して、車両の車輪の舵角を制御することにより、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる。
以上説明したように、本発明の車体スリップ角制御装置及びプログラムによれば、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出して、車両を制御することにより、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、操舵角から車体スリップ角とヨー角速度の特性を任意に設定できるアクティブ前後輪操舵制御車両の車両制御装置に本発明を適用した場合を例に説明する。
まず、図2に示すように、車両運動の軸を重心から車両前方方向に向かってx軸、車両左方向に向かってy軸、鉛直上向きに向かってz軸としたときの各軸回りの回転角速度を各々ロール角速度、ピッチ角速度、ヨー角速度と定義する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る車両制御装置10は、車速を検出する車速センサ12と、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ14とを備えている。
また、車両制御装置10は、車速とヨー角速度ゲインとの予め定められた特性に基づいて、車速センサ12からの車速に応じたヨー角速度ゲインを演算するヨー角速度ゲイン演算部16と、ヨー角速度ゲイン演算部16によって演算されたヨー角速度ゲイン及び車速センサ12からの車速に基づいて、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない、すなわちドライバが感じる車体スリップ角が0となる車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを演算する車体スリップ角ゲイン演算部18とを備えている。なお、ヨー角速度ゲインは、操舵角に対するヨー角速度のゲインであり、車体スリップ角ゲインは、操舵角に対する車体スリップ角のゲインである。
また、車両制御装置10は、操舵角センサ14からの操舵角及び車体スリップ角ゲイン演算部18によって演算された車体スリップ角ゲインに基づいて、ドライバが感じる車体スリップ角が0となる制御目標の車体スリップ角を演算する目標車体スリップ角演算部20と、操舵角センサ14からの操舵角及びヨー角速度ゲイン演算部16によって演算されたヨー角速度ゲインに基づいて、ヨー角速度を演算するヨー角速度演算部22とを備えている。
車両制御装置10は、車両の前輪の舵角を制御するための前輪アクチュエータ24と、車両の後輪の舵角を制御するための後輪アクチュエータ26と、車速センサ12からの車速、目標車体スリップ角演算部20によって演算された制御目標となる車体スリップ角、及びヨー角速度演算部22によって演算されたヨー角速度に基づいて、前後輪の各々の舵角が、ドライバが感じる車体スリップ角が0となる車体スリップ角を得るための前後輪の各々の舵角となるように、前輪アクチュエータ24及び後輪アクチュエータ26の駆動を制御する舵角制御部28とを備えている。
本実施の形態のヨー角速度ゲイン演算部16、車体スリップ角ゲイン演算部18、目標車体スリップ角演算部20、ヨー角速度演算部22、及び舵角制御部28の全体または各々は、1つのマイクロコンピュータで構成されており、このマイクロコンピュータのメモリに、後述する操舵制御処理ルーチンを実現するプログラムを含む種々のプログラムが記憶されている。
次に、ドライバが感じる車体スリップ角が0となり、ドライバが車両前後方向と車両進行方向とのずれを感じないときの車体スリップ角について説明する。
まず、ドライバの視覚による車体スリップ角の感じ方及び適値について説明する。図3は、車速144km/h(40m/s)、横加速度3m/sで旋回中におけるドライバの前方視界の速度ベクトルを示した図である。また、2WS(2輪操舵)車両相当の車体スリップ角を付けたときのトレースラインと車体スリップ角=0となるときのトレースラインとを示している。
2WS車両相当の車体スリップ角を付けたときのトレースラインが、ドライバの前方視界とフードやインパネによって形成される死角との境界に進入するときの進入角、すなわちトレースラインが視界から消えるときの方位角は正であり、ドライバは車両前後方向がトレースラインに対して内側に向いていると感じる。
これに対し、車体スリップ角=0となるときのトレースラインの進入角は負となり、重心位置の車体スリップ角は0であるにも関わらず、ドライバは車両前後方向がトレースラインに対して外側に向いていると感じる。すなわち、ドライバは、車両前後方向と車両進行方向とのずれを感じる。
これは、ドライバの視覚で感じる車体スリップ角と重心位置での車体スリップ角とは異なることを示しており、人間の運動感受特性に基づいた気持ちの良い車両運動を実現するためには、このようなドライバの視覚で感じる車体スリップ角に着目し、車両前後方向と車両進行方向とのずれを感じないように設計することが重要となる。
ここで、定常旋回状態において視覚で感じる車体スリップ角の適値を導出するために、視覚以外の情報や旋回の過渡応答を除外した視覚シミュレータによる実験を行い、図4に示す実験結果が得られた。
実験では、被検者に一定半径(200R)のコースを走行する映像を見せて、車体スリップ角をパラメータとして変化させ、被験者が適値と感じたときの車体スリップ角、すなわちドライバが車両前後方向と車両進行方向とのずれを感じないときの車体スリップ角を調査した。図4の破線は、2WS車両の車体スリップ角特性を表しており、車速が高くなるのにしたがって車両前後方向は外向きから内向きに変化する。すなわち、車体スリップ角は正から負に変化する。
また、ドライバが視覚によって感じる車体スリップ角が0となる「進入角=0」の車体スリップ角(図4の一点鎖線参照)は、旋回半径が一定となる条件下では、車速に応じて変化せずに、負の一定値となっている。
この視覚シミュレータによる実験結果において、被検者が適値と感じた車体スリップ角は、進入角=0となる車体スリップ角とほぼ一致しており、進入角=0となる車体スリップ角のときに、ドライバが視覚によって感じる車体スリップ角が0となり、ドライバが車両前後方向と車両進行方向とのずれを感じないと考えられる。
次に、車体スリップ角が0となるときのトレースラインと前方視界との関係について図5を用いて説明する。車体スリップ角が0となるときのトレースラインの進入角θは、以下の(3)式で表される。
Figure 0005088008
ただし、xは、ドライバの眼の位置に基づく基準位置(例えば、眼位置)からドライバの前方視界とフードやインパネによって視界が遮られて形成された死角との境界までの車両前後方向の距離、Rは旋回半径である。
上記(3)で表されるθが、ドライバが視覚によって感じる車体スリップ角が0となり「進入角=0」となるときの車体スリップ角である。
次に、ドライバの感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインの算出方法について説明する。
まず、ドライバの感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角は、車速に依存せず、上記(3)式で表わすことができる。また、旋回半径Rは、ドライバの前方視界と死角との境界までの距離xに比較して十分大きいことから、以下の(4)式で表されるxの周りで、トレースライン進入角を表わす上記(3)式のテーラー展開による1次近似を考える。
Figure 0005088008
ここで、θを表わす上記(3)式は、以下の(5)式で表わすことができる。
Figure 0005088008
また、θは以下の(6)式で近似することができる。
Figure 0005088008
ところで、f(x)´は以下の(7)式で表わすことができる。
Figure 0005088008
上記(7)式では、f(0)及びg(0)は、ともに0/0の不定形となっている。このため、ロピタルの定理を適用し、以下の(8)式、(9)式を得る。
Figure 0005088008
Figure 0005088008
したがって、上記(7)式〜(9)式より、以下の(10)式、(11)式が得られる。
Figure 0005088008
Figure 0005088008
また、上記(6)式、(10)式、及び(11)式より、θを以下の(12)式で近似することができる。
Figure 0005088008
上記(12)式のように、ドライバの感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角は、前方視界と死角との境界までの距離に比例するとともに、旋回半径に反比例した値に近似できる。
また、旋回半径Rは、車速v及びヨー角速度rを用いて以下の(13)式で表わすことができる。
Figure 0005088008
そして、上記(12)式、(13)式より、ドライバの感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインGβは、ヨー角速度ゲインGrを用いて、以下の(14)式で表わすことができる。
Figure 0005088008
また、ヨー角速度ゲインと、上記(12)式に基づいて演算される車体スリップ角ゲインとの関係の一例を図6(A)、(B)に示す。図6(A)に示すように、車速に対するヨー角速度ゲインの特性は、低速域では車速が高くなるに従って大きくなり、中速域では一定となり、高速域では車速が高くなるに従って小さくなるように定められている。また、図6(B)に示すように、ヨー角速度ゲインが車速に比例して増加する低速域では、車体スリップ角ゲインは負の一定値となり、それ以上の車速領域では、0に漸近する特性となっている。
なお、上記(14)式で表される車体スリップ角ゲインは、定常旋回時にドライバが感じる車体スリップ角が0となる車体スリップ角の特性を表しており、この車体スリップ角ゲイン付近で調整することによって、操舵過渡応答を改善するための設計パラメータとして利用することができる。
次に、第1の実施の形態に係る車両制御装置10の作用について説明する。なお、以下では、車両が定常旋回中である場合を例に説明する。
車両制御装置10において、図4に示す舵角制御処理ルーチンが実行される。まず、ステップ100において、車速センサ12によって車速を検出し、ステップ102において、ヨー角速度ゲイン演算部16によって、上記図6(A)に示すヨー角速度ゲインの特性に基づいて、上記ステップ100で検出された車速に応じたヨー角速度ゲインを算出する。
そして、ステップ104において、車体スリップ角ゲイン演算部18によって、上記ステップ100で検出された車速、及び上記ステップ102で算出されたヨー角速度ゲインに基づいて、上記(14)式を用いて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する。なお、ドライバの眼の基準位置からドライバの前方視界とフードやインパネによって形成された死角との境界までの距離については、予め求めてメモリ(図示省略)に記憶しておき、上記ステップ104では、メモリに予め記憶された値を用いればよい。
そして、ステップ106では、操舵角センサ14によって操舵角を検出し、ステップ108において、目標車体スリップ角演算部20によって、上記ステップ104で算出された車体スリップ角ゲインGβ及び上記ステップ106で検出された操舵角δswに基づいて、以下の(15)式を用いて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角βを算出する。
Figure 0005088008
ただし、Tsは時定数である。
次のステップ110では、ヨー角速度演算部22によって、上記ステップ102で算出されたヨー角速度ゲインGr及び上記ステップ106で検出された操舵角δswに基づいて、以下の(16)式を用いて、ヨー角速度rを算出する。
Figure 0005088008
そして、ステップ112において、舵角制御部28によって、上記ステップ100で検出された車速v、上記ステップ108で算出された車体スリップ角β、及び上記ステップ110で算出されたヨー角速度rに基づいて、以下の(17)を用いて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための前輪の舵角δfを算出すると共に、以下の(18)式を用いて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための後輪の舵角δrを算出する。
Figure 0005088008
ただし、mは車両質量、Cは前輪コーナリングパワー、Cは後輪コーナリングパワー、lはホイールベース長、lは前軸と車両重心との距離、lは後軸と車両重心との距離である。
そして、ステップ114において、舵角制御部28によって、上記ステップ114で算出された前後輪の各々の舵角となるように、前輪アクチュエータ24及び後輪アクチュエータを駆動させて、前輪の舵角と後輪の舵角とを制御して、舵角制御処理ルーチンを終了する。
上記舵角制御処理ルーチンにより、前輪の舵角と後輪の舵角とを制御して、定常旋回中のトレースライン、すなわちドライバ位置の車両軌跡が、ドライバの前方視界から消える位置の方位角が0となるように車体スリップ角を制御し、ドライバが感じる車体スリップ角を0とすることができる。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る車両制御装置によれば、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じないときの車体スリップ角を算出して、算出した車体スリップ角となるように車両の前後輪の各々の舵角を制御することにより、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる。
また、ドライバは、前方の視界から車体スリップ角を感じており、ドライバが前方視界から感じる車体スリップ角を0にすることで、車体前後方向と車両進行方向とが一致し、ドライバにとって運転しやすい車両運動を実現することができる。
なお、上記の実施の形態では、前後輪の各々の操舵角を制御する場合を例に説明したがこれに限定されるものではなく、その他の車両制御により、ドライバが感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るように制御してもよい。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、ドライバが感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出し、制御目標となる車体スリップ角を求めずに、車体スリップ角ゲインに基づいて、前後輪各々の舵角を制御している点が第1の実施の形態と異なっている。
図8に示すように、第2の実施の形態に係る車両制御装置210は、車速センサ12と、操舵角センサ14と、ヨー角速度ゲイン演算部16と、車体スリップ角ゲイン演算部18と、前輪アクチュエータ24と、後輪アクチュエータ26と、車速センサ12からの車速、操舵角センサ14からの操舵角、車体スリップ角ゲイン演算部18によって演算された車体スリップ角ゲイン、及びヨー角速度ゲイン演算部16によって演算されたヨー角速度ゲインに基づいて、ドライバが感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための前後輪の舵角となるように、前輪アクチュエータ24及び後輪アクチュエータ26の駆動を制御する舵角制御部228とを備えている。
次に、第2の実施の形態に係る舵角制御処理ルーチンについて図9を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップ100において、車速センサ12によって車速を検出し、ステップ102において、ヨー角速度ゲイン演算部16によって、車速に応じたヨー角速度ゲインを算出し、次のステップ104において、車体スリップ角ゲイン演算部18によって、上記ステップ100で検出された車速及び上記ステップ102で算出されたヨー角速度ゲインに基づいて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する。
そして、ステップ106では、操舵角センサ14によって操舵角を検出し、ステップ250において、舵角制御部228によって、上記ステップ100で検出された車速v、上記ステップ104で算出された車体スリップ角ゲインGβ、上記ステップ102で算出されたヨー角速度ゲインGr、及び上記ステップ106で検出された操舵角δswに基づいて、以下の(19)式を用いて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための前輪の舵角δfを算出すると共に、以下の(20)式を用いて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための後輪の舵角δrを算出する。
Figure 0005088008
ただし、Tsは時定数、mは車両質量、Cは前輪コーナリングパワー、Cは後輪コーナリングパワー、lはホイールベース長、lは前軸と車両重心との距離、lは後軸と車両重心との距離である。
そして、ステップ114において、舵角制御部228によって、上記ステップ250で算出された舵角となるように、前輪アクチュエータ24及び後輪アクチュエータ26を駆動させて、前輪の舵角と後輪の舵角とを制御して、舵角制御処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る車両制御装置によれば、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じないときの車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出して、算出された車体スリップ角ゲインに基づいて車両の前後輪の各々の舵角を制御することにより、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる。
また、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じないときの車体スリップ角を算出せずに、車体スリップ角ゲインに基づいて、車両の前後輪の各々の舵角を制御するため、処理速度を向上させることができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、後輪の舵角のみを制御している点が第1の実施の形態と異なっている。
図10に示すように、第3の実施の形態に係る車両制御装置310は、車速センサ12と、操舵角センサ14と、車速センサ12からの車速、後輪アクチュエータ26と、車速センサ12からの車速及び操舵角センサ14からの操舵角に基づいて、ドライバが感じる車体スリップ角が0となる車体スリップ角を得るための後輪の舵角となるように、後輪アクチュエータ26の駆動を制御する舵角制御部328とを備えている。
次に、ドライバの感じる車体スリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための後輪の舵角の算出方法について説明する。
まず、4WS(4輪操舵)車両の運動は、以下の(21)式で表される伝達関数で記述できる.
Figure 0005088008
ただし、Δ(s)及びN1(s)〜N4(s)の各々は、以下の(22)式〜(26)式で表される。
Figure 0005088008
ここで、前輪舵角δfに対する後輪舵角δrの定常ゲインをKとすると、以下の(27)式で表される。
Figure 0005088008
また、後輪舵角を制御したときの前輪舵角に対する車体スリップ角の定常ゲインGβ、及び前輪舵角に対するヨー角速度の定常ゲインGrは、以下の(28)式、(29)式で表される。
Figure 0005088008
ただし、G1は前輪舵角に対する車体スリップ角の定常ゲイン、G2は後輪舵角に対する車体スリップ角の定常ゲイン、G3は前輪舵角に対するヨー角速度の定常ゲイン、G4は後輪舵角に対するヨー角速度の定常ゲインである。また、G1〜G4は、以下の(30)式〜(33)式で表される。
Figure 0005088008
ここで、ドライバの感じる車体スリップ角を0とするためには、上記(14)式の関係を成立させる必要があり、ドライバの感じる車体スリップ角を0とするための条件は、上記(14)式、(28)式、(29)式により、以下の(34)で表される。
Figure 0005088008
また、上記(34)式をKについて解くと、Kは、以下の(35)式で表される。
Figure 0005088008
従って、上記(27)式及び(35)式により、前輪舵角δfに対して、以下の(36)式で表される後輪舵角δrとなるように後輪舵角を制御すると、ドライバの感じる車体スリップ角を0にすることができる。
Figure 0005088008
次に、第3の実施の形態に係る舵角制御処理ルーチンについて、図11を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップ100において、車速センサ12によって車速を検出し、ステップ106では、操舵角センサ14によって操舵角を検出し、ステップ350において、舵角制御部328によって、上記ステップ106で検出された操舵角に基づいて、前輪の舵角を算出する。
そして、ステップ352において、舵角制御部328によって、上記ステップ100で検出された車速v及び上記ステップ350で算出された前輪の舵角δfに基づいて、上記(36)式を用いて、ドライバの感じるスリップ角が0となるときの車体スリップ角を得るための制御目標の後輪の舵角δrを算出する。
そして、ステップ354において、舵角制御部328によって、上記ステップ352で算出された舵角となるように、後輪アクチュエータ26を駆動させて、後輪の舵角を制御して、舵角制御処理ルーチンを終了する。
上記舵角制御処理ルーチンにより、前輪の舵角に対して後輪の舵角を制御して、定常旋回中のトレースライン、すなわちドライバ位置の車両軌跡が、ドライバの前方視界から消える位置の方位角が0となるように車体スリップ角を制御し、ドライバが感じる車体スリップ角を0とすることができる。
以上説明したように、第3の実施の形態に係る車両制御装置によれば、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じないときの車体スリップ角を得るための後輪の舵角を算出して、算出した舵角となるように車両の後輪の舵角を制御することにより、ドライバの感じる車体スリップ角を最適にすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置の構成を示す概略図である。 車両運動を説明する各軸の方向を示す図である。 (A)旋回中におけるドライバの前方視界の速度ベクトルを示す図、及び(B)車体スリップ角=0のときのトレースラインと2WS車両相当の車体スリップ角となるときのトレースラインとを示す図である。 視覚シミュレータによる実験の結果を示すグラフである。 車体スリップ角が0となるときのトレースラインと前方視界との関係を説明するための図である。 (A)車速に対するヨー角速度ゲインの特性を示すグラフ、及び(B)車速に対する車体スリップ角ゲインの特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置における舵角制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る車両制御装置の構成を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る車両制御装置における舵角制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る車両制御装置の構成を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係る車両制御装置における舵角制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
符号の説明
10、210、310 車両制御装置
12 車速センサ
14 操舵角センサ
16 ヨー角速度ゲイン演算部
18 車体スリップ角ゲイン演算部
20 目標車体スリップ角演算部
22 ヨー角速度演算部
24 前輪アクチュエータ
26 後輪アクチュエータ
28、228、328 舵角制御部

Claims (6)

  1. 車速を検出する車速センサと、
    車速に応じて予め定めたヨー角速度ゲイン、ドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、及び前記車速センサによって検出された車速に基づいて、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された前記車体スリップ角、又は前記車体スリップ角ゲインより得られる車体スリップ角が得られるように、車両を制御する制御手段と、
    を含む車体スリップ角制御装置。
  2. 前記算出手段は、下記に示す式によって、前記車体スリップ角ゲインGβを算出する請求項1記載の車体スリップ角制御装置。
    Figure 0005088008
    ただし、kは定数、xはドライバの眼の位置に応じて定めた基準位置からドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、Gγは車速に応じて予め定めたヨー角速度ゲイン、vは前記車速センサによって検出された車速である。
  3. 前記制御手段は、前記算出手段によって算出された前記車体スリップ角又は前記車体スリップ角ゲイン、及びステアリングの操舵角に基づいて、車両の前後輪の各々の舵角を制御する請求項1又は2記載の車体スリップ角制御装置。
  4. 前記制御手段は、数1に基づいて定まる前輪舵角に対する後輪舵角のゲインKを用いて、下記に示す式に従って、後輪の舵角δrを制御する請求項2記載の車体スリップ角制御装置。
    Figure 0005088008
    ただし、δは前輪の舵角、vは前記車速センサによって検出された車速、xはドライバの眼の位置に応じて定めた基準位置からドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、mは車両質量、Cは前輪コーナリングパワー、Cは後輪コーナリングパワー、lはホイールベース長、lは前軸と車両重心との距離、lは後軸と車両重心との距離である。
  5. 前記ヨー角速度ゲインを、低速域では車速が高くなるに従って大きくなり、中速域では一定又は略一定となり、高速域では車速が高くなるに従って小さくなるように予め定めた請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車体スリップ角制御装置。
  6. コンピュータを、
    車速に応じて定めたヨー角速度ゲイン、ドライバの視界と死角との境界までの車両前後方向の距離、及び車速を検出する車速センサによって検出された車速に基づいて、車両進行方向と車両前後方向とのずれをドライバが感じない車体スリップ角、又は該車体スリップ角を得るための車体スリップ角ゲインを算出する算出手段、及び
    前記算出手段によって算出された前記車体スリップ角、又は前記車体スリップ角ゲインより得られる車体スリップ角が得られるように、車両の車輪の舵角を制御する制御機構を制御する制御手段
    として機能させるためのプログラム。
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