JP2002029439A - 後輪操舵制御装置 - Google Patents

後輪操舵制御装置

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JP2002029439A
JP2002029439A JP2000212992A JP2000212992A JP2002029439A JP 2002029439 A JP2002029439 A JP 2002029439A JP 2000212992 A JP2000212992 A JP 2000212992A JP 2000212992 A JP2000212992 A JP 2000212992A JP 2002029439 A JP2002029439 A JP 2002029439A
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steering angle
rear wheel
end point
vehicle
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Tokihiko Akita
時彦 秋田
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後輪舵角の制御可能範囲が前輪の操舵可能舵
角範囲より小さい4WS車両においても、車両の旋回性
等を損なうことなく、低速域での車両の小回り性向上と
車両後端の張り出しの抑制という相反する事象を両立可
能な後輪操舵制御装置の提供。 【解決手段】 目標後輪舵角演算手段(コントローラ2
1)は、2点を両端とする線分が車両の前後方向と平行
となる2点のうち、車両前方側の点を前端点、車両後方
側の点を後端点に設定し、前端点の走行軌跡を所定のサ
ンプリング距離ごとに記憶する前端点軌跡記憶手段(コ
ントローラ21、θfe(n))と、後端点が前端点軌跡記
憶手段が記憶している前端点の走行軌跡の内側領域から
はみ出さないように目標後輪舵角δrを制限する目標後
輪舵角制限手段(コントローラ21、δrlimit)とを有
することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の運動状態に
応じ、前輪のみならず後輪をも操舵し車両の走行安定性
等を向上することができる後輪操舵制御装置に関し、特
に、後輪を逆相操舵する場合の車両後端の張り出しを防
止するための目標後輪舵角の設定に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の運動状態に応じ、前輪
のみならず後輪をも操舵し車両の走行安定性や小回り性
を向上することができる後輪操舵制御装置が知られてい
る。かかる後輪操舵装置においては、車両の各運動状態
に応じ、前輪舵角に対しいかに最適な目標後輪舵角を設
定するかが問題となるところ、例えば、刊行物「自動車
の操舵系と操安性」(発行所:株式会社 山海堂、著
者:カヤバ工業株式会社、第1刷発行日:平成8年9月
10日)の196頁の「7.5.3横すべり零化4WS制
御」の欄(以下、「刊行物1」という。)によれば、車
体スリップ角(車両の進行方向と車両の前後方向との偏
差角)に着目し、常時この車体スリップ角を零にするよ
うに、所定車速以下では前輪舵角に比例して後輪舵角を
逆相に制御して小回り性を確保しつつ、所定車速以上で
は前輪舵角に比例して後輪舵角を同相に制御することに
より操安性に優れた理想の車両特性が得られることが記
載されている。
【0003】しかし、かかる刊行物1に記載の制御を行
うと、停止時から発進するような低速域の場合に、後輪
が前輪に対して逆相に操舵されるため、車両の後端(特
に車両最後端部の肩部)が張り出して、車両横側の障害
物に接触してしまうという問題がある。
【0004】そこで、かかる車両後端の張り出しという
問題を解消するため、例えば刊行物「社団法人自動車技
術会学術講演会前刷集882昭和63−10」の「10
54WS車の張り出しを抑制する一制御手法」(以下、
「刊行物2」という。)に記載されているように、車両
の前端軌跡に車両の後端を追従させるように後輪舵角を
制御する手法が提案されている。具体的には、車両前端
の走行軌跡を所定のサンプリング距離ごとに記憶してお
き、それらサンプル点のうち、その時点にて車両後端と
の距離が最も近い直近サンプル点での車両前端進行方向
と車両後端の進行方向とが一致するように後輪舵角値を
制御するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常の4WS
車両においては、後輪舵角の制御可能範囲は、前輪の操
舵可能舵角範囲より小さいため、常に車両の前端軌跡に
車両の後端を追従させることができるとは限らず、かか
る刊行物2に記載の制御手法を採用すると、低速域の場
合においても、前輪に対し後輪が同相操舵されたまま走
行する、いわゆるかに走りの状態(直近サンプル点と車
両後端との偏差が定常的に残存している状態)となるこ
ともあり、車両の旋回性を損ねてしまうという問題があ
った(図5参照)。
【0006】一方、このようなかに走りの状態の発生を
回避するためには、後輪舵角の制御可能範囲を、前輪の
操舵可能舵角範囲と同等の範囲まで広げることが必要と
なるが、後輪舵角の制御可能範囲を広げることは、機構
的・スペース的に問題があり、また、ドライバーの操縦
フィーリングを損ねてしまうことにも繋がる。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、後輪舵角の制御可能範囲が前輪の操舵
可能舵角範囲より小さい4WS車両においても、車両の
旋回性等を損なうことなく、低速域での車両の小回り性
向上と車両後端の張り出しの抑制という相反する事象を
両立可能な後輪操舵制御装置を提供することを課題とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、少なくとも車速、実前輪舵角及び実後輪
舵角を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づ
いて目標後輪舵角を演算する目標後輪舵角演算手段と、
検出手段により検出された実後輪舵角が目標後輪舵角演
算手段により演算された目標後輪舵角になるように制御
する後輪舵角制御手段とを有する後輪操舵制御装置であ
って、目標後輪舵角演算手段は、2点を両端とする線分
が車両の前後方向と平行となる2点のうち、車両前方側
の点を前端点、車両後方側の点を後端点に設定し、前端
点の走行軌跡を所定のサンプリング距離ごとに記憶する
前端点軌跡記憶手段と、後端点が前端点軌跡記憶手段が
記憶している前端点の走行軌跡の内側領域からはみ出さ
ないように目標後輪舵角を制限する目標後輪舵角制限手
段とを有することを特徴とする後輪操舵制御装置とし
た。なお、ここにおいて、「前端点軌跡記憶手段が記憶
している前端点の走行軌跡の内側領域」とは、車両が進
行方向右側に旋回しているときは前端点の走行軌跡の進
行方向右側領域をいい、車両が進行方向左側に旋回して
いるときは前端点の走行軌跡の進行方向左側領域をい
う。また、「前端点」及び「後端点」は、2点を両端と
する線分が車両の前後方向と平行となる2点であれば、
車両に対して任意の位置に設定することができる。
【0009】本発明によれば、目標後輪舵角演算手段
が、車両の後端点が前端点軌跡記憶手段が記憶している
前端点の走行軌跡の内側領域からはみ出さないように目
標後輪舵角を制限する目標後輪舵角制限手段を有してい
るので、前輪に対し後輪が逆相操舵されていても、前端
点の走行軌跡に対して後端点が外側に張り出すことがな
く、確実に車両後端点の張り出しの問題を解消すること
が可能となる。
【0010】また、本発明にかかる目標後輪舵角演算手
段は、少なくとも車速、実前輪舵角及び実後輪舵角を検
出する検出手段の検出結果に基づいて目標後輪舵角を演
算するものであれば、どのように目標後輪舵角を演算し
てもよく、演算された目標後輪舵角にて走行すると後端
点が前端点軌跡記憶手段が記憶している前端点の走行軌
跡の内側領域からはみ出す場合には、はみ出さないよう
に目標後輪舵角制限手段が目標後輪舵角を制限するとい
うものであるので、前述の刊行物2に記載のような車両
の前端軌跡に車両の後端を常に追従させるように後輪舵
角を制御する手法とは本質的に異なる。従って、後輪舵
角の制御可能範囲が前輪の操舵可能舵角範囲より小さい
4WS車両においても、前述のようないわゆるかに走り
状態となる事態は発生せず、車両の旋回性等を損なうこ
となく、低速域での車両の小回り性向上と車両後端の張
り出しの抑制という相反する事象を両立可能な後輪操舵
制御装置を提供することができる。
【0011】より好ましくは、目標後輪舵角制限手段
は、前端点軌跡記憶手段が記憶しているサンプル点のう
ち、その時点にて後端点との距離が最も近い直近サンプ
ル点と後端点との偏差を算出し、目標後輪舵角制限値の
絶対値を、直近サンプル点での前端点進行方向と後端点
の進行方向とが一致するような後輪舵角値の絶対値に偏
差に応じて算出される緩和量を加えた値に設定すること
が望ましい。これにより、車両後端点の張り出しを確実
に防止しつつ、よりきめの細かい目標後輪舵角制限値を
設定することが可能となる。特に、偏差に応じて算出さ
れる緩和量を加えているので、偏差が発生している場合
には、その緩和量だけ目標後輪舵角制限値の絶対値を大
きく設定でき、前輪に対し後輪が逆相操舵されている場
合には、より小回り性を向上することが可能となる。
【0012】さらに、より好ましくは、前端点及び後端
点を、それぞれ車両の最前端部及び最後端部に設定する
ことが望ましい。これにより、車両の最後端部が車両の
最前端部の走行軌跡に対して外側に張り出すことがなく
なり、車両の最後端部が車両横側の障害物に接触する事
態を確実に防止することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。まず、図1を用いて、車両全体の
基本構造及び後輪操舵制御装置の作動について簡単に説
明する。図1は、本発明に係る後輪操舵制御装置を含ん
だ4WS車両の概念図である。車両1において、前輪3
には、車輪速センサ9(検出手段)が配設されており、
車輪速センサ9の出力値により車両1の車速を検出して
いる。後輪5には、後輪5を操舵するためのアクチュエ
ータ15(後輪舵角制御手段)が連結されており、アク
チュエータ15には、後輪舵角センサ13(検出手段)
が配設されている。ステアリング7には、前輪舵角セン
サ11(検出手段)が配設されており、ステアリング7
の回転に伴い操舵される前輪3の舵角量を検出してい
る。これら前輪舵角センサ11、後輪舵角センサ13、
車輪速センサ9、及びヨーレートセンサ17(検出手
段)の出力は、コントローラ21(後輪舵角制御手段、
目標後輪舵角演算手段)に入力され、コントローラ21
は、これら各種センサの出力結果に基づいて最適な目標
後輪舵角を演算し、アクチュエータ15に指令を与え、
実後輪舵角が目標後輪舵角になるようにアクチュエータ
15が後輪5を操舵制御する。
【0014】次に、上記のような本発明に係る後輪操舵
制御装置を含んだ4WS車両において、本発明にかかる
後輪操舵制御装置が、目標後輪舵角をどのように設定す
るかを図2及び図3を用いて説明する。図2は、本発明
にかかる後輪操舵制御装置が目標後輪舵角をどのように
設定するかを説明するに際し、説明に必要な各種物理量
を記号にて表現し、これら各種記号の説明と、これら各
種物理量を視覚的に表現したモデル図とを示したもので
ある。
【0015】図2において、点aは前端点、点bは後端
点を示している。すなわち、前端点及び後端点は、それ
ぞれ車両の最前端部及び最後端部に設定している。ま
た、θb、θfe(n)、θreは、イグニッション19ON時
の車両の方向をゼロとし、その方向から紙面左回り方向
を正とする絶対角として表現している。βfe、βb、βr
e、δf、δrは、車両の前後方向をゼロとし、その方向
から紙面左回り方向を正とする相対角として表現してい
る。また、点a,c,d,e,fは、コントローラ21
(前端点軌跡記憶手段)が記憶している前端点軌跡のサ
ンプル点であり、点aが現在の前端点の位置である。こ
れらサンプル点は、予め決められた所定のサンプリング
距離Dxごとに記憶されている。このモデル図の車両の走
行時点において、後端点bとの距離が最も近い直近サン
プル点は、点fである。点fは、現在からk回前のサン
プル点であり、kは、Le/Dxの値を四捨五入した自然数
である。また、直近サンプル点fと後端点bとの偏差は
Etにて表現されている。Etは、前端点軌跡に対し進行方
向左側に後端点bが位置する場合を正、逆の場合を負と
して算出される。従って、このモデル図の状態では、Et
は正の値として算出される。
【0016】図3は、本発明にかかる後輪操舵制御装置
が目標後輪舵角を設定するに際し、コントローラ21の
演算アルゴリズムを示したフローチャートである。図3
において、まず、イグニッション19がONされると、
ステップ100に進み、コントローラ21は、θb、及
びθfe(n)(n=1〜k)にゼロを入力し初期化する。次
に、ステップ102へ進む。ステップ102以降の処理
は、その後繰り返しループ処理される部分である。ステ
ップ102では、コントローラ21は、前輪舵角センサ
11、車輪速センサ9等の各種センサの出力結果に基づ
いて最適な仮の目標後輪舵角δrを演算する。ここで
は、例えば、前述の刊行物1に記載の制御手法、すなわ
ち、所定車速以下では前輪舵角δfに比例して後輪舵角
を逆相に制御し、所定車速以上では前輪舵角δfに比例
して後輪舵角を同相に制御する制御手法(以下、「舵角
比例制御」という。)を採用することにする。
【0017】次に、ステップ104へ進み、コントロー
ラ21は、現在の車体絶対角θbを、現在の前輪舵角δ
f、ステップ102にて演算した仮の目標後輪舵角δr、
及び所定のサンプリング距離Dxに基づき表示の算出式に
て演算する。ステップ106では、コントローラ21
(前端点軌跡記憶手段)が順次記憶している各サンプル
点での前端点進行方向角θfe(n)(n=1〜k)の値を更
新する。ステップ108では、コントローラ21は、現
在の前端点での進行方向角fe(1)を、表示の算出式にて
演算する。
【0018】次に、ステップ110では、コントローラ
21は、直近サンプル点と後端点との偏差Etを、表示の
算出式にて演算する。ステップ112では、コントロー
ラ21(目標後輪舵角制限手段)は、目標後輪舵角制限
値δrlimitを、表示の算出式にて演算する。この算出式
において、L/(Lf+Lre)・(θfe(k)―θb)−(Lr−Lre)/
(Lf+Lre)・δfの項は、直近サンプル点での前端点進行
方向角θfe(k)と、後端点進行方向角θreとが一致する
ような後輪舵角値を算出する部分であり、−Et/Leの項
は、偏差Etに応じて算出される緩和量を算出する部分で
ある。δrlimitも、δr等と同様、車両の前後方向をゼ
ロとし、その方向から紙面左回り方向を正とする相対角
として表現している。
【0019】次にステップ114では、コントローラ2
1は、ステップ102にて算出した仮の目標後輪舵角δ
rの絶対値と、ステップ112にて算出した目標後輪舵
角制限値δrlimitの絶対値との大小を比較する。比較し
た結果、仮の目標後輪舵角δrの絶対値が目標後輪舵角
制限値δrlimitの絶対値より大きくなければ、仮の目標
後輪舵角をそのまま目標後輪舵角δrとして確定し、コ
ントローラ21は、アクチュエータ15に指令を与え、
実後輪舵角が目標後輪舵角δrになるようにアクチュエ
ータ15が後輪5を操舵制御する。一方、比較した結
果、仮の目標後輪舵角δrの絶対値が目標後輪舵角制限
値δrlimitの絶対値より大きければ、目標後輪舵角制限
値δrlimitを目標後輪舵角δrとして確定し(ステップ
116)、コントローラ21(目標後輪舵角制限手段)
は、アクチュエータ15に指令を与え、実後輪舵角がこ
の制限された目標後輪舵角δrになるようにアクチュエ
ータ15が後輪5を操舵制御する。以上の処理が終了し
たら、また、ステップ102に戻り、上述した処理が繰
り返しなされる。
【0020】以上のようにして、仮の目標後輪舵角δr
の絶対値が目標後輪舵角制限値δrlimitの絶対値より大
きければ、コントローラ21は、アクチュエータ15に
指令を与える目標後輪舵角δrを目標後輪舵角制限値δr
limitに制限するので、本発明に係る後輪操舵装置によ
れば、車両後端点の張り出しを確実に防止できる。特
に、直近サンプル点と後端点との偏差に応じて算出され
る緩和量を加えているので、偏差が発生している場合に
は、その緩和量だけ目標後輪舵角制限値δrlimitの絶対
値を大きく設定でき、前輪に対し後輪が逆相操舵されて
いる場合には、より小回り性を向上することが可能とな
る。
【0021】なお、上述した例では、仮の目標後輪舵角
の演算手法として舵角比例制御を採用しているが、これ
に限定されることはなく、仮の目標後輪舵角の演算手法
としてどのような演算手法を用いてもよいことは言うま
でもない。
【0022】また、目標後輪舵角δrとして、常に目標
後輪舵角制限値δrlimitを設定してもよい。この場合、
刊行物2に記載の制御手法との差異は、目標後輪舵角δ
r(=目標後輪舵角制限値δrlimit)を算出する際に、直
近サンプル点と後端点との偏差に応じて算出される緩和
量(上記の例では、−Et/Le)を加えている点である。
これにより、直近サンプル点と後端点との偏差Etが生じ
ていれば、必ずこの偏差Etを消滅させる方向へ制御する
ことになるので、刊行物2に記載の制御手法を採用した
場合に問題となっていた、いわゆるかに走り状態が発生
することはない。
【0023】さらには、本発明において、4WS車両に
おける「前輪」及び「後輪」をそれぞれ逆に把握し、本
発明を「前輪操舵制御装置」として使用することも可能
であることは言うまでもない。
【0024】図4及び図5は、従来技術における後輪操
舵装置等を採用した場合と本発明における後輪操舵装置
を採用した場合とで車両運動シミュレーションを行い、
その結果を比較したものである。図4は、2WS車両
(後輪舵角はゼロ)、舵角比例制御、後輪張出抑制制御
(本発明において後端点を後輪軸上に設定した場合)、
及び後端張出抑制制御(本発明において後端点を車両の
最後端部に設定した場合)を採用した場合において、ス
テアリング角545°(前輪舵角38.93°)、車速
2km/h一定にてUターンを想定した場合の車両運動軌跡
のシミュレーション結果をそれぞれ示している。旋回半
径a及び後端張出長bは図示したとおりである。図4の
結果から明らかなように、2WS車両の場合は、他の3
パターンの4WS車両の場合に比して旋回半径aが大き
い。また、2WS車両の場合と後端張出抑制制御の場合
は、他の2パターンに比して後端張出長bが小さい。こ
れらは、予測される結果と完全に一致する。
【0025】また、図5は、刊行物2に記載の制御手
法、すなわち車両前端点の走行軌跡を所定のサンプリン
グ距離ごとに記憶しておき、それらサンプル点のうち、
その時点にて車両後端点との距離が最も近い直近サンプ
ル点での車両前端進行方向と車両後端の進行方向とが一
致するように後輪舵角値を制御する手法を採用した場合
と、本発明における図3に記載した制御手法を採用した
場合において、前輪舵角を、中立位置から1秒かけて4
0°(左向き)まで一様に増加させ、その後6秒間保持
し、その後1秒かけて20°(左向き)まで戻した場合
の、車両運動軌跡、前輪舵角δf、目標後輪舵角δr、及
び直近サンプル点と後端点との偏差Etのシミュレーショ
ン結果をそれぞれ示している。ここで、後輪舵角の制御
可能範囲は10°、前輪の操舵可能舵角範囲は40°に
設定している。図5の結果からわかるように、刊行物2
に記載の制御手法を採用した場合には、図中のa領域に
て後輪舵角が10°以上必要であるところ10°に制限
されてしまい、適切な制御が行われず、その結果、低速
域の場合においても、前輪に対し後輪が同相操舵された
まま走行し(図中b領域参照)、偏差Etが定常的に残存
している状態(図中c領域参照)が継続しており、いわ
ゆるかに走りの状態が発生していることがわかる。一
方、本発明における図3に記載した制御手法を採用した
場合においては、いわゆるかに走りの状態は発生してお
らず、かつ、偏差Etが収束の方向へ向かっていることが
わかる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
後輪舵角の制御可能範囲が前輪の操舵可能舵角範囲より
小さい4WS車両においても、車両の旋回性等を損なう
ことなく、低速域での車両の小回り性向上と車両後端の
張り出しの抑制という相反する事象を両立可能な後輪操
舵制御装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る後輪操舵制御装置を含んだ4WS
車両の概念図である。
【図2】車両に関する各種物理量を記号にて表現し、こ
れら各種記号の説明、及びこれら各種物理量を視覚的に
表現したモデル図を示したものである。
【図3】コントローラの演算アルゴリズムを示したフロ
ーチャートである。
【図4】各種制御手法を採用した場合において、所定条
件にてUターンを想定した場合の車両運動軌跡のシミュ
レーション結果を示した図である。
【図5】刊行物2に記載の制御手法を採用した場合と、
本発明における図3に記載した制御手法を採用した場合
において、前輪舵角を所定のパターンにて変化させた場
合の、車両運動軌跡、前輪舵角、目標後輪舵角、及び直
近サンプル点と後端点との偏差のシミュレーション結果
を示した図である。
【符号の説明】
1 車両 3 前輪 5 後輪 9 車輪速センサ(検出手段) 11 前輪舵角センサ(検出手段) 13 後輪舵角センサ(検出手段) 15 アクチュエータ(後輪舵角制御手段) 17 ヨーレートセンサ(検出手段) 21 コントローラ(後輪舵角制御手段、目標後輪舵角
演算手段、前端点軌跡記憶手段、目標後輪舵角制限手
段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車速、実前輪舵角及び実後輪
    舵角を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に
    基づいて目標後輪舵角を演算する目標後輪舵角演算手段
    と、前記検出手段により検出された実後輪舵角が前記目
    標後輪舵角演算手段により演算された目標後輪舵角にな
    るように制御する後輪舵角制御手段とを有する後輪操舵
    制御装置であって、前記目標後輪舵角演算手段は、2点
    を両端とする線分が車両の前後方向と平行となる前記2
    点のうち、車両前方側の点を前端点、車両後方側の点を
    後端点に設定し、前記前端点の走行軌跡を所定のサンプ
    リング距離ごとに記憶する前端点軌跡記憶手段と、前記
    後端点が前記前端点軌跡記憶手段が記憶している前端点
    の走行軌跡の内側領域からはみ出さないように前記目標
    後輪舵角を制限する目標後輪舵角制限手段とを有するこ
    とを特徴とする後輪操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記目標後輪舵角制
    限手段は、前記前端点軌跡記憶手段が記憶しているサン
    プル点のうち、その時点にて前記後端点との距離が最も
    近い直近サンプル点と前記後端点との偏差を算出し、目
    標後輪舵角制限値の絶対値を、前記直近サンプル点での
    前端点進行方向と前記後端点の進行方向とが一致するよ
    うな後輪舵角値の絶対値に前記偏差に応じて算出される
    緩和量を加えた値とすることを特徴とする後輪操舵制御
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記前端点及
    び後端点を、それぞれ車両の最前端部及び最後端部に設
    定することを特徴とする後輪操舵制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013173441A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Aisin Seiki Co Ltd 舵角検出装置、舵角検出方法、及びプログラム

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