JP2024057274A - 四輪操舵車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵輪を転舵した場合の快適性を向上させるように構成された車両の旋回性能もしくは操舵性を向上させる。【解決手段】前輪と後輪とを同相に転舵して旋回走行する場合に、前輪の操舵角もしくは転舵角δfに基づいて決まる第1後輪転舵角targetδr1と、四輪操舵車両が走行しようとする旋回箇所の旋回曲率ρまたは旋回曲率ρに対応する物理量に基づく第2後輪転舵角targetδr2とを求めるとともに、第1後輪転舵角targetδr1と第2後輪転舵角targetδr2とに基づいて後輪の転舵角targetδrを求める。快適性を向上させるように設定される第1後輪転舵角targetδr1を、旋回曲率ρに基づく第2後輪転舵角targetδr2によって補正し後輪転舵角targetδrとするので、快適性と旋回性を向上させることができる。【選択図】 図2
Description
この発明は、前後の四輪を転舵することのできる車両において、後輪の転舵角を制御する装置に関するものである。
車両は、運転者によるステアリングホイールの操舵角に応じて前輪などの操舵輪を転舵させることにより旋回する。その場合の横加速度やヨーレイトなどは、運転者の意図に可及的に即したものとすることが好ましい。そこで例えば特許文献1に記載されている装置では、操舵輪の転舵角をステアリングバイワイヤ方式で制御するにあたり、人間が知覚し得る見込み横加速度に応じた感覚適合転舵角と、車速が小さいときの制限転舵角であって転舵ギヤ比を予め定めた値に制限することによりヨーレイトの増大を制限する第1の制限転舵角と、車速が大きいときの制限転舵角であってヨーレイトゲインをヨーレイト定常ゲインで制限した第2の制限転舵角とを求め、これらの転舵角のうちヨーレイトゲインが小さくなる転舵角を目標転舵角としている。そして、実旋回曲率を、ヨーレイトと車速とに基づいて演算して求めている。また、特許文献2には、四輪操舵車両における後輪を転舵する方法として、高い横加速度での旋回中の操舵応答特性を改善するために、横加速度に応じて前後輪の転舵比を変化させる方法が記載されている。すなわち、特許文献2に記載の方法では、横加速度と、定常円旋回状態での前後輪の等価コーナリングパワーと、前後輪車軸上の等価質量とに基づいて転舵比を求めている。
特許文献1に記載された装置によれば、運転者の旋回の意図もしくは知覚を、操舵輪の転舵角に反映させることができる。しかしながら、算出する転舵角は、前後いずれかの操舵輪についての転舵角であり、旋回走行や車線変更あるいは幅寄せなどを容易にすることのできる前後四輪を転舵(操舵)する四輪操舵車両には直ちには適用することができない。これに対して特許文献2に記載された装置は、前輪と後輪との転舵角の比率である転舵比を求めてそれぞれの転舵角を制御するから、高い横加速度での走行中の操舵応答性を改善することができる。しかしながら、特許文献2に記載の装置は、快適性の向上を図ることを目的として転舵比を求めているから、操舵した場合の車両の向きの変化が少なく、横加速度を抑えることができるものの、ヨーレイトの発生が抑えられるので、旋回走行中において、運転者が意図する走行ラインから車両が外れる傾向が強くなり、運転者が操舵量を増大させる必要がある。このような傾向は、車速が大きいほど大きくなるので、旋回時の操作性が損なわれる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、後輪を前輪と同相に転舵して旋回走行する際のいわゆる曲がりにくさを回避して操作性を向上させることを目的としている。
上記の目的を達成するために、この発明は、運転者の操舵によって転舵される前輪と、前記前輪が転舵されることに応じて転舵される後輪とを有する四輪操舵車両の制御装置であって、前記後輪の転舵角を求めるコントローラを備え、前記コントローラは、前記前輪と前記後輪とを同相に転舵して旋回走行する場合に、前記前輪の操舵角もしくは転舵角に基づいて決まる第1後輪転舵角と、前記四輪操舵車両が走行しようとする旋回箇所の旋回曲率または前記旋回曲率に対応する物理量に基づく第2後輪転舵角とを求めるとともに、前記第1後輪転舵角と前記第2後輪転舵角とに基づいて前記後輪の転舵角を求めることを特徴とするものである。
この発明の制御装置によれば、所定の車速以上の車速で走行している際に前輪が操舵されると、後輪を前輪と同相に転舵する旋回走行を行い、その場合には、前輪の操舵角もしくは転舵角に基づいて第1後輪転舵角が求められるとともに、旋回走行するべき旋回曲率もしくはそれに対応する操舵角などの物理量に基づいて第2後輪転舵角が求められる。そして、これら第1および第2の後輪転舵角を合算するなど、これらの後輪転舵角に基づいて、後輪の転舵角が求められる。したがって、操舵することにより算出された旋回曲率のラインを描いて四輪操舵車両が走行するように後輪が転舵されるので、旋回曲率として現れている運転者の走行意図に即した旋回走行が可能になるから、旋回走行時の操舵のための操作性が向上する。
つぎに、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態はこの発明を実施した場合の一例に過ぎないのであって、この発明を限定するものではない。
この発明を適用する車両は、前輪1と後輪2との四輪を転舵することのできる四輪操舵車両であり、図1に示すように、前輪1は、操舵輪(ステアリングホイール)3を運転者(図示せず)が回転させることにより、ステアリングリンケージ4を介して向きを変えるように構成されている。この前輪1を転舵させる前輪ステアリング機構5は、従来知られている構成の機構であってよく、電動アクチュエータや油圧アクチュエータなどによって転舵操作をアシストするように構成されていてよい。後輪2を伝達させる後輪ステアリング機構6が設けられており、後輪ステアリング機構6は後輪2に連結されているステアリングリンケージ7と、そのステアリングリンケージ7を動作させるモータなどのアクチュエータ8とを備えている。
後輪2は、前輪1が転舵させることに伴って前記アクチュエータ8が動作して転舵されるように構成されている。その後輪2の転舵を制御するコントローラ9が設けられている。コントローラ9は、マイクロコンピュータを主体にして構成され、センサから入力されたデータならびに予め記憶しているデータなどを使用して演算を行い、その演算の結果を前記アクチュエータ8を制御する制御指令信号として出力するように構成されている。その入力データの一例を挙げると、車速センサ10によって検出した車速、ステアリングホイール3の操舵量を検出する操舵角センサ11によって検出した操舵角、後輪2の転舵角を検出する後輪舵角センサ12によって検出した後輪転舵角、ナビゲーションシステム(NAV)13から伝送される自車両の位置情報ならびに自車両の周囲の道路情報などである。また、予め記憶しているデータの例を挙げると、車速に対応させてマップなどの形式で定めてある目標ヨーレイトゲイン、前輪転舵角δfに応じた、目標とする第1後輪転舵角targetδr1を求めるための定数K(v)を車速に応じて定めてあるマップ、旋回曲率ρと車速とに応じた、目標とする第2後輪転舵角targetδr2を定めてあるマップ、旋回曲率ρと車速とに応じた、目標とする後輪転舵角targetδrについてのガード値TgGuardを定めてあるマップなどである。
この発明の実施形態における制御装置は、前輪転舵角δfに基づいた第1後輪転舵角targetδr1と、旋回曲率ρに基づいた第2後輪転舵角targetδr2とを求め、これら第1および第2の後輪転舵角targetδr1,targetδr2から目標とする後輪転舵角targetδrを求めるように構成されている。これらの演算は、上述したコントローラ9によって行うように構成され、したがってコントローラ9は、図2に示す機能的構成を有している。その機能的構成は、第1後輪転舵角演算部9A、第2後輪転舵角演算部9B、ならびに合算部9Cである。第1後輪転舵角演算部9Aは、ステアリングホイール3の操舵角(ハンドル角)MAもしくはステアリングホイール3を操舵することに伴う前輪転舵角δfに応じた後輪2の転舵角を求めるように構成されている。
より具体的に説明すると、前輪転舵角δfは、操舵角MAと前輪ステアリング機構5におけるギヤ比Nとから、
δf=MA/N
によって求められる。なお、ステアバイワイヤ式の操舵装置の場合には、操舵角MAと予め定めた制御ゲインとに基づいて求めることができる。前輪転舵角δfに対応する第1後輪転舵角δr1を定める定数K(v)は、車速vの関数として予め定めてある。その一例を図3に示してある。図3において横軸が車速vであり、定数K(v)は所定の車速v0を境に、低車速側で負の値、高車速側で正の値となるように定められている。すなわち、所定車速v0より低車速側では、前輪1の転舵方向と後輪2の転舵方向とを反対にする逆相に制御し、これとは反対に所定車速v0以上では前輪1と後輪2とを同方向に転舵する同相に制御するようになっている。また、図3に示す例では、旋回走行時の横加速度や車体のローリングなどを抑制して快適性を向上させることを目的として、同相制御の場合の定数K(v)の値を従来よりも大きく設定してある。第1後輪転舵角演算部9Aは、以上のようにして求まる前輪転舵角δfと、定数K(v)とから、第1後輪転舵角targetδr1を
targetδr1=K(v)*δf
として算出する。
δf=MA/N
によって求められる。なお、ステアバイワイヤ式の操舵装置の場合には、操舵角MAと予め定めた制御ゲインとに基づいて求めることができる。前輪転舵角δfに対応する第1後輪転舵角δr1を定める定数K(v)は、車速vの関数として予め定めてある。その一例を図3に示してある。図3において横軸が車速vであり、定数K(v)は所定の車速v0を境に、低車速側で負の値、高車速側で正の値となるように定められている。すなわち、所定車速v0より低車速側では、前輪1の転舵方向と後輪2の転舵方向とを反対にする逆相に制御し、これとは反対に所定車速v0以上では前輪1と後輪2とを同方向に転舵する同相に制御するようになっている。また、図3に示す例では、旋回走行時の横加速度や車体のローリングなどを抑制して快適性を向上させることを目的として、同相制御の場合の定数K(v)の値を従来よりも大きく設定してある。第1後輪転舵角演算部9Aは、以上のようにして求まる前輪転舵角δfと、定数K(v)とから、第1後輪転舵角targetδr1を
targetδr1=K(v)*δf
として算出する。
また、第2後輪転舵角演算部9Bは、旋回曲率ρに応じて第2後輪転舵角targetδr2を求めるように構成されている。旋回曲率ρは、従来知られているように、車速vと操舵角MAとに基づいて求めることができる。また、いわゆるナビ情報として自車両の位置情報ならびに道路情報とが得られている場合には、それらの情報として旋回曲率ρを取得することができる。第2後輪転舵角targetδr2は、旋回曲率ρおよび車速vの関数
targetδr2=fδr(ρ)(v)
として予め定めておくことができ、例えば図4に示すマップとして予め用意しておくことができる。図4に示す例は、第2後輪転舵角targetδr2が負の値となるように定めた例であり、旋回曲率ρが大きい(旋回半径が小さい)ほど、また高車速ほど、第2後輪転舵角targetδr2の絶対値が大きくなるように構成してある。すなわち、第2後輪転舵角targetδr2は、後述するように、第1後輪転舵角δr1の減少補正値となっている。なお、図4においてTH(v)は車速vごとに定めたしきい値であり、後輪2を前輪1に対して同相に転舵することが好ましい領域(もしくは第2後輪転舵角targetδr2を減少させなくてよい領域)の限界値として実験やシミュレーションなどにより求めて予め設定してある。所定の車速vにおける旋回曲率ρがしきい値TH(v)を超えている場合に、その旋回曲率ρおよび車速vに基づいて第2後輪転舵角targetδr2が求められるようになっている。結局、第2後輪転舵角演算部9Bは、入力された旋回曲率ρおよび車速vならびに図4に示すマップを使用して、第2後輪転舵角targetδr2を求めるように構成されている。
targetδr2=fδr(ρ)(v)
として予め定めておくことができ、例えば図4に示すマップとして予め用意しておくことができる。図4に示す例は、第2後輪転舵角targetδr2が負の値となるように定めた例であり、旋回曲率ρが大きい(旋回半径が小さい)ほど、また高車速ほど、第2後輪転舵角targetδr2の絶対値が大きくなるように構成してある。すなわち、第2後輪転舵角targetδr2は、後述するように、第1後輪転舵角δr1の減少補正値となっている。なお、図4においてTH(v)は車速vごとに定めたしきい値であり、後輪2を前輪1に対して同相に転舵することが好ましい領域(もしくは第2後輪転舵角targetδr2を減少させなくてよい領域)の限界値として実験やシミュレーションなどにより求めて予め設定してある。所定の車速vにおける旋回曲率ρがしきい値TH(v)を超えている場合に、その旋回曲率ρおよび車速vに基づいて第2後輪転舵角targetδr2が求められるようになっている。結局、第2後輪転舵角演算部9Bは、入力された旋回曲率ρおよび車速vならびに図4に示すマップを使用して、第2後輪転舵角targetδr2を求めるように構成されている。
合算部9Cは、上記の第1後輪転舵角targetδr1および第2後輪転舵角targetδr2から下記式により目標とする後輪転舵角targetδrを算出するよう構成されている。
targetδr=targetδr1+targetδr2
第2後輪転舵角targetδr2は、前述したように負の値であるから、後輪転舵角δrは、結局、第1後輪転舵角δr1を第2後輪転舵角δr2によって減少補正した値として求められることになる。その関係を図5に示してある。図5は、車速vがakm/hのときの例を示しており、第1後輪転舵角targetδr1は破線で示すように、前輪転舵角δfが大きいほど大きくなる。また、第2後輪転舵角targetδr2は、旋回曲率ρが小さいほど絶対値が大きくなる。すなわち、旋回曲率ρが小さいほど、第1後輪転舵角targetδr1に対する減少補正量が大きくなるので、第1および第2の後輪転舵角targetδr1,targetδr2で決まる後輪転舵角targetδrは、旋回曲率ρが小さくなるのに従って小さくなる。その結果、前輪1と同相に転舵する後輪2の転舵角が抑制されるので、車両としてのヨーレイトが出やすく、運転者が意図する旋回走行を容易に行うことが可能になる。
targetδr=targetδr1+targetδr2
第2後輪転舵角targetδr2は、前述したように負の値であるから、後輪転舵角δrは、結局、第1後輪転舵角δr1を第2後輪転舵角δr2によって減少補正した値として求められることになる。その関係を図5に示してある。図5は、車速vがakm/hのときの例を示しており、第1後輪転舵角targetδr1は破線で示すように、前輪転舵角δfが大きいほど大きくなる。また、第2後輪転舵角targetδr2は、旋回曲率ρが小さいほど絶対値が大きくなる。すなわち、旋回曲率ρが小さいほど、第1後輪転舵角targetδr1に対する減少補正量が大きくなるので、第1および第2の後輪転舵角targetδr1,targetδr2で決まる後輪転舵角targetδrは、旋回曲率ρが小さくなるのに従って小さくなる。その結果、前輪1と同相に転舵する後輪2の転舵角が抑制されるので、車両としてのヨーレイトが出やすく、運転者が意図する旋回走行を容易に行うことが可能になる。
上述した後輪転舵角targetδrを算出して出力する制御すなわちこの発明の実施形態の制御装置による制御をフローチャートで説明すると、以下のとおりである。図6はそのフローチャートの一例を示しており、先ず、車速vならびに旋回曲率ρおよび操舵角MAが読み込まれる(ステップS1)。車速vに基づいて前述した定数K(v)が求められ、かつ操舵角MAと前輪ステアリング機構5でのギヤ比Nとから前輪転舵角δfが求められるので、これらに基づいて第1後輪転舵角targetδr1が算出される(ステップS2)。
ついで、旋回曲率が図4に示してあるしきい値TH(v)より大きいか否か、あるいは同相転舵を行う走行状態か否かが判断される(ステップS3)。ステップS3で肯定的に判断された場合には、後輪2を前輪1と同相に転舵することになるので、前輪転舵角δfに基づいて算出された第1後輪転舵角targetδr1を減少補正するための第2後輪転舵角targetδr2が算出される(ステップS4)。すなわち、車速vと旋回曲率ρと図4に示すマップとに基づいて第2後輪転舵角targetδr2が算出される。
こうして算出された第1および第2の後輪転舵角targetδr1,targetδr2を合算して後輪転舵角targetδrが求められる(ステップS5)。そして、このステップS5で算出された後輪転舵角targetδrが、後輪2を転舵する指令値δrとして出力される(ステップS6)。
一方、上記のステップS3で否定的に判断された場合には、ステップS2で求められた第1後輪転舵角targetδr1が後輪転舵角targetδrとされ(ステップS7)。ついで上記のステップS6に進んでその後輪転舵角targetδr(=targetδr1)が後輪2を転舵する指令値δrとして出力される。
上述した例では、減少補正値として機能する第2後輪転舵角targetδr2を求め、これと第1後輪転舵角targetδr1とを合算して後輪転舵角targetδrを求めた。このように、この発明の実施形態の制御装置は、後輪2を前輪1に対して同相に転舵する場合、操舵時もしくは旋回時の快適性を向上させるべく後輪2を転舵する角度を求め、その後輪転舵角を、旋回性(回頭性)を向上させるべく、旋回曲率ρに応じて制限する。この発明の実施形態においては、前輪1の転舵角に基づいて求まる後輪転舵角についての制限は、上述したいわゆる減少補正による制限以外の制限であってもよく、例えば、以下に説明するように、旋回曲率ρに基づく後輪転舵角をガード値として求め、前述した第1後輪転舵角targetδr1がそのガード値より大きい場合には、ガード値を後輪転舵角targetδrとして採用して、出力することとしてもよい。
図7は、そのように構成した場合のコントローラ9の機能的構成を示しており、図7に示す構成では、図2に示す構成のうち、第2後輪転舵角演算部9Bに替えてガード値演算部9Dが設けられ、合算部9Cに替えてガード処理部9Eが設けられている。他の構成は図2に示す構成と同様である。ガード値演算部9Dは、後輪2の転舵角を、前輪転舵角δfに基づいて求まる角度を制限するガード値を求めるための演算部であり、したがって、旋回曲率ρについて車速に応じて設定したしきい値TH(v)を超えた領域では、ガード値は第1後輪転舵角演算部9Aで求まる第1後輪転舵角targetδr1より小さい角度である。このガード値TgGuardは、車速vと旋回曲率ρとの関数(TgGuard=fTG(ρ)(v))として求めることができる。図8は、その関数(TgGuard=fTG(ρ)(v))による値(ガード値TgGuard)と車速vおよび旋回曲率ρとの関係を示す線図(マップ)であり、車速vごとに旋回曲率ρについてのしきい値TH(v)が設定されており、しきい値TH(v)より大きい領域においては、ガード値が旋回曲率ρの増大に応じて増大し、また低車速ほどガード値が大きくなるように構成されている。ガード値演算部9Dは、車速vおよび旋回曲率ρと図8に示すマップとからガード値(TgGuard=fTG(ρ)(v))を求めるように構成されている。
また、ガード処理部9Eは、第1後輪転舵角targetδr1とガード値TgGuardとのいずれか一方を後輪転舵角targetδrとして選択する演算処理部であり、旋回曲率ρがしきい値TH(v)以上の領域ではガード値TgGuardを後輪転舵角targetδrとして選択し、旋回曲率ρがしきい値TH(v)より小さい領域では第1後輪転舵角targetδr1を後輪転舵角targetδrとして選択するように構成されている。各車速において、旋回曲率ρが小さい場合には、ヨーレイトの発生を促進し、反対に旋回曲率ρが大きい場合には、快適性を優先するためである。すなわち、図9は車速vがakm/hのときの旋回曲率ρと指令値δrとの関係を示しており、図9で直線L1は第1後輪転舵角targetδr1を示し、直線L2はガード値TgGuardを示しており、旋回曲率ρがしきい値TH(v)より小さい領域では、第1後輪転舵角targetδr1がガード値TgGuardより小さくなるので、第1後輪転舵角targetδr1が後輪転舵角targetδrとして採用されて、これが指令値δrとされる。これに対して旋回曲率ρがしきい値TH(v)以上の領域では、ガード値TgGuardが第1後輪転舵角targetδr1より小さくなるので、ガード値TgGuardが後輪転舵角targetδrとして採用されて、これが指令値δrとされる。
なおここで、旋回曲率ρについて説明すると、四輪操舵車両が旋回走行する場合の旋回曲率ρは、下記の式で推定することができる。
ρ=(1+A・v2)l/(δf-δr)
ここで、Aはスタビリティファクタ、lはホイールベースである。車両はステアリングホイール3が操舵されて旋回を始めるから、運転者の意図は、操舵角MAもしくはそれに基づく前輪転舵角δfに表れている。また、その時点では、後輪2は転舵されていない。したがって、運転者がステアリングホイール3を操舵することによる旋回予定路すなわち旋回曲率は、上記の式で後輪転舵角δrを「δr=0」とおいて求めることができる。この発明の実施形態では、このようにして求めた推定旋回曲率ρを、図2や図7に示す実施形態における「旋回曲率ρ」として用いてもよい。したがって、この発明における「旋回曲率」は、車両が実際に走行もしくは移動して生じた位置の変化に基づいて算出される旋回曲率と、操舵角や車速あるいは道路情報などから推定される推定旋回曲率とのいずれであってもよい。
ρ=(1+A・v2)l/(δf-δr)
ここで、Aはスタビリティファクタ、lはホイールベースである。車両はステアリングホイール3が操舵されて旋回を始めるから、運転者の意図は、操舵角MAもしくはそれに基づく前輪転舵角δfに表れている。また、その時点では、後輪2は転舵されていない。したがって、運転者がステアリングホイール3を操舵することによる旋回予定路すなわち旋回曲率は、上記の式で後輪転舵角δrを「δr=0」とおいて求めることができる。この発明の実施形態では、このようにして求めた推定旋回曲率ρを、図2や図7に示す実施形態における「旋回曲率ρ」として用いてもよい。したがって、この発明における「旋回曲率」は、車両が実際に走行もしくは移動して生じた位置の変化に基づいて算出される旋回曲率と、操舵角や車速あるいは道路情報などから推定される推定旋回曲率とのいずれであってもよい。
また、旋回曲率ρは、前述した式
ρ=(1+A・v2)l/(δf-δr)
において、δr=0とおいて求めることができる。その前輪転舵角δfは
δf=MA/N
で算出される。したがって、旋回曲率ρは操舵角MAおよび車速vの関数となるから、第2後輪転舵角δr2やガード値TgGuardを算出する場合に、旋回曲率ρに替えて、操舵角MAおよび車速vから直接、第2後輪転舵角δr2やガード値TgGuardを算出することとしてもよい。その場合には、操舵角MAや車速vがこの発明の実施形態における「旋回曲率に対応する物理量」に相当することになる。
ρ=(1+A・v2)l/(δf-δr)
において、δr=0とおいて求めることができる。その前輪転舵角δfは
δf=MA/N
で算出される。したがって、旋回曲率ρは操舵角MAおよび車速vの関数となるから、第2後輪転舵角δr2やガード値TgGuardを算出する場合に、旋回曲率ρに替えて、操舵角MAおよび車速vから直接、第2後輪転舵角δr2やガード値TgGuardを算出することとしてもよい。その場合には、操舵角MAや車速vがこの発明の実施形態における「旋回曲率に対応する物理量」に相当することになる。
1 前輪
2 後輪
3 ステアリングホイール
4 ステアリングリンケージ
5 前輪ステアリング機構
6 後輪ステアリング機構
7 ステアリングリンケージ
8 アクチュエータ
9 コントローラ
9A 第1の後輪転舵角演算部
9B 第2の後輪転舵角演算部
9C 合算部
9D ガード値演算部
9E ガード処理部
10 車速センサ
11 操舵角センサ
12 後輪舵角センサ
TgGuard ガード値
targetδr 後輪転舵角
targetδr1 第1後輪転舵角
targetδr2 第2後輪転舵角
δf 前輪転舵角
δr 後輪転舵角(指令値)
ρ 旋回曲率
K(v) 定数
2 後輪
3 ステアリングホイール
4 ステアリングリンケージ
5 前輪ステアリング機構
6 後輪ステアリング機構
7 ステアリングリンケージ
8 アクチュエータ
9 コントローラ
9A 第1の後輪転舵角演算部
9B 第2の後輪転舵角演算部
9C 合算部
9D ガード値演算部
9E ガード処理部
10 車速センサ
11 操舵角センサ
12 後輪舵角センサ
TgGuard ガード値
targetδr 後輪転舵角
targetδr1 第1後輪転舵角
targetδr2 第2後輪転舵角
δf 前輪転舵角
δr 後輪転舵角(指令値)
ρ 旋回曲率
K(v) 定数
Claims (1)
- 運転者の操舵によって転舵される前輪と、前記前輪が転舵されることに応じて転舵される後輪とを有する四輪操舵車両の制御装置であって、
前記後輪の転舵角を求めるコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記前輪と前記後輪とを同相に転舵して旋回走行する場合に、
前記前輪の操舵角もしくは転舵角に基づいて決まる第1後輪転舵角と、前記四輪操舵車両が走行しようとする旋回箇所の旋回曲率または前記旋回曲率に対応する物理量に基づく第2後輪転舵角とを求めるとともに、
前記第1後輪転舵角と前記第2後輪転舵角とに基づいて前記後輪の転舵角を求める
ことを特徴とする四輪操舵車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022163889A JP2024057274A (ja) | 2022-10-12 | 2022-10-12 | 四輪操舵車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022163889A JP2024057274A (ja) | 2022-10-12 | 2022-10-12 | 四輪操舵車両の制御装置 |
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JP2024057274A true JP2024057274A (ja) | 2024-04-24 |
Family
ID=90779107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022163889A Pending JP2024057274A (ja) | 2022-10-12 | 2022-10-12 | 四輪操舵車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024057274A (ja) |
-
2022
- 2022-10-12 JP JP2022163889A patent/JP2024057274A/ja active Pending
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