JP4138983B2 - 可逆性感熱記録材料およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録材料およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを印加することにより画像形成および消去することのできる可逆性感熱記録材料に関し、本発明は、また、このような可逆性感熱記録材料を有する可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルヘッドなどの加熱手段で加熱することにより、文字、画像などの情報を記録することができる、可逆性感熱記録媒体が知られている。このような可逆性感熱記録媒体は、ロイコ染料などの電子供与性化合物と、顕減色剤としての電子受容性化合物を主成分とする可逆性感熱記録材料を有しており、この可逆性感熱記録材料を含む可逆性感熱記録媒体は、前記したような加熱手段により、ロイコ染料と、顕減色剤とが反応して、文字、画像などの情報を顕在化することを利用している。そしてこのような可逆性感熱記録媒体は、再加熱することにより、再書き込み/消去可能となっている。
【0003】
このような再書き込み/消去可能な可逆性感熱記録材料に用いられる電子受容性化合物としては、たとえば特開平5−124360号公報に可逆的熱発色性組成物の発明が知られている。この公報に記載された可逆的熱発色組成物に使用される電子受容性化合物として、下記式(a)で示されるようなフェノール化合物が用いられている。
【0004】
【化3】
Figure 0004138983
ただし、Yは−S−、−O−、−CONH−又は−COO−を表わし、R10は炭素数12以上の脂肪族基を表わす。
【0005】
また、特開平7−179043号公報には、可逆性感熱記録材料の発明が開示されており、この公報には、下記式に示される電子受容性化合物が開示されている。
【0006】
【化4】
Figure 0004138983
【0007】
式中、nは1以上3以下の整数を、R1 は炭素数1から18の炭化水素基を、Xは−CONH−結合を少なくとも一つ以上持つ二価の基を表す。単なるアミド、尿素結合は除く。R2 は炭素数1から24の炭化水素基を表す。
【0008】
さらに、特開平10−193800号公報には、可逆性感熱発色組成物及びそれを用いた可逆性記録媒体の発明が開示されている。
この公報には、水酸基を有するナフタレン環のα位に、ヘテロ原子を有する−NHCO−、−NHCONH−および−CONHNHCO−などの2価の基Xと置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基R1 とからなる−X−R1 基とが存在するナフトール系化合物が電子受容性化合物として使用されていることが開示されている。
【0009】
そしてこの公報には、消色させる場合の加熱方法には、熱ローラ、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いてもよいと記載されており、オーバーライトが可能である旨記載されている。
【0010】
しかしながら、サーマルヘッドによる書き込みおよび消去を同時に行ういわゆるオーバーライトは、特に消去時に、熱ローラ、熱スタンプ等による消去に比べ、精密な温度制御を行わないと消え残りが生じる虞れが高く、このため、実際には温度や湿度などが様々に異なる環境下で使用されたり、印字消去装置に個体差があることが多いことから、前述のようなオ−バ−ライトが可能な可逆性感熱記録材料であっても消え残ることが多々生じていた。このため、様々な使用環境下においても消え残り等の生じないオーバーライトが可能な可逆性感熱記録材料が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであって、サーマルヘッドのような加熱手段を用いて消去・書き込みを行っても劣化することがなく、オーバーライト時の消去のエネルギー範囲が広くオーバーライト適性に優れた可逆性感熱記録材料を提供することを目的としている。
【0012】
さらに本発明は、このような優れた熱特性を有する可逆性感熱記録材料を用いた可逆性感熱記録媒体を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る可逆性感熱記録材料は、電子供与性染料前駆体と、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調の変化を生ぜしめる下記一般式[1]で示されるナフトール基含有電子受容性化合物とを含むことを特徴とする。:
【0014】
【化5】
Figure 0004138983
【0015】
前記一般式[1]において、kは、1〜3の整数であり、Rは、炭素数11以上の脂肪族炭化水素を有する基であり、この基は二重結合を有していてもよく、ヘテロ原子を有していてもよく、さらに芳香族環を有していてもよい。
【0016】
特に本発明に係る可逆性感熱記録材料は、電子供与性染料前駆体と、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調の変化を生ぜしめる下記一般式[2]で示されるナフトール基含有電子受容性化合物とを含むことが好ましい。:
【0017】
【化6】
Figure 0004138983
【0018 】
前記一般式[2]において、pは、1〜3の整数であり、Xは−CONH−、−NHCO−、−CONHCO−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−から選択されるいずれかの基であり、mは10以上の整数である。
【0019】
また本発明では、このような前記記載の可逆性感熱記録材料を含む記録層を基材上に有する可逆性感熱記録媒体が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可逆性感熱記録材料ならびに可逆性感熱記録媒体の実施の形態について、順に説明する。
【0021】
[可逆性感熱記録材料]
本発明に係る可逆性感熱記録材料は、電子供与性染料前駆体と、特定のナフトール基含有電子受容性化合物とを含んでいる。
【0022】
ナフトール基含有電子受容性化合物
本発明に係る可逆性感熱記録材料に使用される電子受容性化合物としては、下記一般式[1]で示される化合物が用いられる。
【0023】
【化7】
Figure 0004138983
【0024】
上記一般式[1]において、kは、1、2または3の整数であり、好ましくは1である。
またOH基と後述するR基とは、ナフトール環を構成する2つの環のいずれにあってもよく、同一の環に存在していても、別の環に存在していてもよい。さらにOH基が2以上存在する場合には、1つ以上がRと同一の環に存在し、残りのOH基が別の環に存在してもよい。
【0025】
R基
前記一般式 [1] 中、Rは、好ましくは炭素数11以上の脂肪族炭化水素を有する基で、好ましくは式−R1 XR2 または−XR2 で表される一価の基である。
1 基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、たとえば炭素数1〜10の直鎖状アルキレン基または分岐状アルキレン基、二重結合を有する2価の炭化水素基、ナフトール環と独立して環を形成する2価の芳香族環などを含む2価の基があげられる。なお芳香族環を形成する場合、ヘテロ原子と共に環を形成していてもよい。
【0026】
このようなR1 基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ノニレン基、デセン基などのC1 〜C10の直鎖状アルキレン基、
イソプロピレン基、イソブチレン基、イソペンテン基、イソヘキセン基、イソヘプテン基、イソオクテン基、イソノニル基、イソデセン基などの分岐状アルキレン基、さらに、シクロプロペニレン基、シクロペンテニレン基などのシクロアルキレン基;(これらシクロアルキレン基には、本明細書中で記載する一価の置換基を有していてもよい。)
【0027】
置換アルキレン基;上記2価の炭化水素基を構成する炭素に結合した水素の一部が、一価の基、たとえば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン基、−COOM(Mは、水素または一価の金属:Na、Kなど。これらMも一価の基に含まれる)、−NR1011(R10〜R11は、水素または(シクロ)アルキル基である)、水酸基などを有するアルキレン基など。
【0028】
また二重結合を有していてもよいR1 基としては、
−CH=CH−、−CH=CCl−、−CCl=CCl−、−C(COOH)=CH−、−CCH3 =C(COOH)−、−CCH3 =C(COOCH3 )−、−CH=C(COOH)−等が挙げられる。前記した基中のこれら炭素に結合した水素は、一価の基と、置換されていてもよい。
【0029】
Xは、−CONH−、−NHCO−、−CONHCO−、−NHCOCONH−または−CONHNHCO−の基から選択される2価の基である。
【0030】
2 基としては、炭素数10以上、好ましくは11以上の脂肪族炭化水素を有する基であって、以下に示す基が挙げられる。
【0031】
【化8】
Figure 0004138983
【0032】
このようなナフトール基含有電子受容性化合物としては、特に以下の化合物が好ましく選択される。
【0033】
【化9】
Figure 0004138983
【0034】
前記式 [3] 中、pは、0〜10の整数、たとえばp=0、1、2、3の整数であり、より良好な発色性能と消去性能を得る点から、好ましくはp=1〜3の整数である。mは10以上の整数、たとえばm=10〜100までの整数、好ましくはm=10〜50の整数である。すなわち前記式 [3] において、pが0のときには、mは10以上の整数、たとえばm=10〜100までの整数、好ましくはm=10〜50の整数となり、同様にpが1のときには、mは10以上の整数、たとえばm=10〜100までの整数、好ましくはm=10〜50の整数となり、pが2のときには、mは10以上の整数、たとえばm=10〜100までの整数、好ましくはm=10〜50の整数となり、pが3のときには、mは10以上の整数、たとえばm=10〜100までの整数、好ましくはm=10〜50の整数となることが、前記式 [3] において示されている。このような化合物をナフトール基含有電子受容性化合物として具体的に例示することができる。
【0035】
その他の電子受容性化合物
本発明においては、前述した特定のナフトール基含有電子受容性化合物を使用することが好ましいが、本発明の趣旨を変更しない範囲で、他の電子受容性化合物を添加することができる。
【0036】
また、本発明に係る可逆性感熱記録材料に顕減色剤として用いられる電子受容性化合物は、前述したような特定のナフトール化合物から2種以上選択し、混合して用いることができる。なお前記式[3] のナフトール化合物中のmが20を越すと、純粋なナフト−ル化合物が得られにくくなる傾向がある。
【0037】
次に、本発明に係る可逆性感熱記録材料に使用される電子供与性前駆体について説明する。
電子供与性染料前駆体
本発明に係る可逆性可逆性感熱記録材料に使用される電子供与性染料前駆体としては、感圧記録紙、可逆性感熱記録紙、感光感圧紙、通電可逆性感熱記録紙、感熱転写紙等に用いられるものが挙げられる。
しかしながら、本発明においては、特にこれらに制限されるものではない。具体的な例としては、例えば下記に挙げられる。
【0038】
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
【0039】
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
【0040】
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0041】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
【0042】
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
【0043】
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等。
【0044】
前記通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体は、前述したような化合物の中から目的に応じて適宜選択することができ、これらを、1種以上選択して使用することができる。
【0045】
その他
本発明においては、可逆性感熱記録材料として、上述した、電子供与性化合物と、電子受容性化合物が主として用いられるが、好適には、以下に示すバインダー樹脂等に分散した塗膜として使用される。
【0046】
バインダー樹脂
バインダー樹脂としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダなどのポリアクリル酸金属塩、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテックスなどがあげられ、また、電子供与性染料前駆体および電子受容性化合物の分散性にすぐれ、書き換え耐久性にすぐれた可逆性可逆性感熱記録層が得られるため、熱可塑性樹脂の分子内に二重結合を導入して、放射線(可視光、紫外線、γ線などの光照射、および電子線、コバルト線、重粒子線などの粒子線照射)硬化性とした樹脂として、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体にアクリル酸またはメタクリル酸をエステル重合させた樹脂等が使用できる。
【0047】
上述したその他には、上述したようなバインダー樹脂以外に、電子受容性化合物と電子供与性化合物を主成分とする記録層に、必要に応じて、さらに、分散剤、フッ素系などの界面活性剤、導電剤、充填剤、シリコーンなどの滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定化剤、消色促進剤などを適宜使用することができる。
【0048】
上述したような可逆性感熱記録材料中に含まれる電子供与性化合物と、電子受容性化合物の量比は、使用する化合物の組合わせにより適宜選択されるが、電子供与性化合物1モルに対して、電子受容性化合物は0.5ないし20モルの範囲で、良好な発色濃度を得る点から好ましくは1.5ないし10モルの量で用いられる。この範囲であれば、顕色および減色の際に良好な特性を有し、劣化することがない。
【0049】
可逆性感熱記録材料において、発色を行うには加熱に引き続き急速な冷却を起こせば良く、消色を行うには、加熱後の冷却速度を遅くすれば良い。例えば、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーターからの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱される為に冷却速度が遅くなり、相分離状態(消色状態)になる。一方、上記したような加熱手段等の適当な方法で加熱した後、加熱部分に低温の金属ブロックなどを押し当てる等して急冷することにより、発色状態を発現させることができる。
【0050】
また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却(固化)が始まる為、発色状態を発現させることもできる。
従って、同じ加熱温度および/または同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
【0051】
本発明に係る可逆性可逆性感熱記録材料においては、特にサーマルヘッドにより消色する際に用いられる消去エネルギー幅が広範囲なものとなる。
【0052】
[可逆性感熱記録媒体]
次に、本発明に係る可逆性感熱記録媒体について説明する。
本発明に係る可逆性感熱記録媒体は、上述した可逆性感熱記録材料を少なくとも基材上に有している。このような可逆性感熱記録媒体は、基材上に前記したような可逆性感熱記録材料を有していればよく、他に、保護層などを適宜有することができ、また、基材上に可逆性感熱記録材料を含む記録層を直接あるいは他の層を介して形成したり、剥離性基材上に可逆性感熱記録材料を含む記録層と接着層とを有して転写シートとしたもの、基材上に可逆性感熱記録材料を含む記録層を有し、前記基材の裏面に接着層を有する接着シートとしたもの、あるいはこれらの転写シートまたは接着シートを他の基材に転写あるいは接着したものとすることができる。
【0053】
基材
基材としては、特に制限されず用いられるが、たとえば紙(不織布などの合成紙を含む)、樹脂フィルム(たとえばポリエチレンフタレートフィルム、ポリブチレンフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のオレフィンフィルム、さらにアクリルフィルム、塩ビフィルム、フッ素樹脂フィルムなど)、金属フィルム、ガラス(繊維状も含む)等が挙げられる。またこれらの複合体なども用いられる。さらに基材は前記したような材料のものであればよく、透明、半透明および不透明のいずれであってもよい。なお本発明に使用される基材としては、上記した材料以外のフィルム状のものであってもよく、目的に応じて適宜選択される。
【0054】
保護層
保護層としては、紫外線硬化型樹脂で構成することができ、この保護層には、シリカ等が含有される。なおこの保護層は可逆性可逆性感熱記録媒体の表面を保護するための層である。
【0055】
他の記録層
また本発明においては、必要に応じて他の記録層を設けてもよい。このような記録層として、電気的、磁気的あるいは光学的に情報を記録できる材料を用いてて形成することができる。このような他の記録層は、基材に対して可逆性可逆性可逆性感熱記録層が設けられている面と同じ面に設けてもよく、さらに反対面に設けられていてもよい。
【0056】
以下に、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが、本発明は、このような実施例に制限されて解釈されるものではない。
【0057】
実施例1
(1)可逆性可逆性感熱記録層の作成
厚さ188μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)基材上に、以下に示す組成比からなる可逆性可逆性感熱記録層を、ペイントシェーカーにより1時間分散後、ワイヤーバー塗工機にて塗工し、80℃にて5分間乾燥し、160W/cmの紫外線照射ランプ存在下に、30m/分の速度で1回パスにより照射して、乾燥膜厚8μmの塗膜を作成した。
【0058】
Figure 0004138983
【0059】
【化10】
Figure 0004138983
【0060】
(2)保護層の作成
上記した可逆性可逆性感熱記録層を形成した上に、全面に、下記の組成比で調製した樹脂を、ペイントシェーカーにより10分間分散後、ワイヤーバー塗工機にて塗工し、80℃にて5分間乾燥し、160W/cmの紫外線照射ランプ下に30m/分の速度で1回パスにて照射して、乾燥膜厚3μmの塗膜を形成し、サンプル1を作成した。
保護層を形成する樹脂
塗料:紫外線硬化型アクリル樹脂(大日本インキ(株)製 商品名C3−374) 1重量部
顔料:シリカ(水澤化学(株)製 商品名P−603) 0.05重量部
溶剤:メチルエチルケトン/トルエン=1:1重量混合物 1.5重量部
【0061】
比較例1
実施例1において、前記式[4]に示す顕減色剤を、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N’−n−ドコサノヒドラジドに変更した以外は、実施例1と同様にして可逆性可逆性感熱記録媒体を作成し、サンプル2を作成した。
試験方法
上記したサンプル1〜2を用いて、印字および消去を以下の方法で評価した。(1)印字および消去評価方法
サーマルヘッド:8dot/mmを用いて書き込み・消去試験を行った。
印字エネルギー範囲は、飽和印字濃度−0.05となるエネルギー範囲を測定した。
また消去エネルギー範囲は、最も消去した濃度+0.05となるエネルギー範囲を測定した。なお印字エネルギー範囲および消去エネルギー範囲を測定するため、以下のようにして濃度測定をした。
濃度測定:マクベス社製光学反射濃度計RD918により印字および消去の際の濃度を測定した。
【0062】
(2)耐久性試験:オーバーライトを50回繰り返した。
(3)印字速度―消去速度試験:サーマルヘッドと可逆性感熱記録媒体の相対速度を15.6mm/秒(8msec/line)および31.3mm/秒(4msec/line)で印字・消去試験を行い、印字エネルギー範囲および消去エネルギー範囲を測定した。
各試験の結果を表1に示す。なお表1中、サーマルヘッドと可逆性感熱記録媒体の相対速度は、相対速度と略記した。
【0063】
【表1】
Figure 0004138983
【0064】
表1に示すように、本発明により得られた可逆性感熱記録材料を用いて作成された可逆性感熱記録媒体は、消去エネルギーの範囲が比較例の消去エネルギー幅と比較して2倍以上拡大していることが判明した。したがって本発明の可逆性感熱記録材料を用いれば、従来のものと比較して、温度および湿度等の使用環境の変化や印字消去装置の個体格差にも十分対応でき、オーバーライト適性が向上した。また印字・消去速度を2倍に増加させても、消去エネルギーの幅が比較例と対比して2倍となっている。そして本発明の可逆性感熱記録材料では、消去エネルギー幅が0.06と、余裕があり、サーマルヘッドの設定の選択幅が十分にあることがわかる。
【0065】
これに対して比較例では消去エネルギー幅が0.03と極端に狭くなり、したがってサーマルヘッドの設定の選択幅が非常に狭くなることがわかった。
【0066】
【発明の効果】
本発明にかかる可逆性感熱記録材料を用いた可逆性感熱記録媒体は、消去エネルギーが広い範囲にわたっているので、オーバーライトしやすい。このため、本発明に係る可逆性感熱記録材料を可逆性感熱記録媒体として用いれば、消去・印字する際に熱エネルギーを印加するための加熱機器の設定が広範囲に可能となる。
【0067】
特に加熱機器の個体差による印加エネルギーのバラツキが大きくても消去・印字が可能とすることができる。さらに、印字速度、消去速度を増加させても印字エネルギー範囲および消去エネルギー範囲を広範囲に確保でき、消去を広範囲にわたってコントロールできる。

Claims (3)

  1. 電子供与性染料前駆体と、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調の変化を生ぜしめる下記一般式[1]で示されるナフトール基含有電子受容性化合物とを含むことを特徴とする可逆性感熱記録材料。:
    Figure 0004138983
    (前記一般式[1]において、kは、1〜3の整数であり、Rは、炭素数11以上の脂肪族炭化水素を有する基であり、この基は二重結合を有していてもよく、ヘテロ原子を有していてもよく、さらに芳香族環を有していてもよい。)
  2. 電子供与性染料前駆体と、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調の変化を生ぜしめる下記一般式[2]で示されるナフトール基含有電子受容性化合物とを含むことを特徴とする可逆性感熱記録材料。:
    Figure 0004138983
    (前記一般式[2]において、pは、1〜3の整数であり、Xは−CONH−、−NHCO−、−CONHCO−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−から選択されるいずれかの基であり、mは10以上の整数である。)
  3. 請求項1または2に記載の可逆性感熱記録材料を含む記録層を基材上に有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
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