JP4137747B2 - フレーズ単位のステップ演奏機能を備えたカラオケ装置 - Google Patents
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(1)主制御手段と、演奏手段と、映像制御手段とを備え、適宜な記憶部に蓄積された楽曲別の音楽生成データと歌詞描出データと歌詞文字/旋律対応データを処理するカラオケ装置である。
(2)音楽生成データは、各楽音規定データを音楽時間軸上に配列したデータであり、歌唱旋律パートの楽音規定データを含む。
(3)歌詞描出データは、歌詞文字列を表示し色変えし消去する時系列データであり、歌詞文字コードを含む。
(4)歌詞文字/旋律対応データは、歌詞描出データ中の1つ1つの文字コードと音楽生成データ中の歌唱旋律パートの各楽音規定データとを対応付けるとともに、文字コード集合と楽音規定データ集合とをフレーズ単位で対応付ける。
(5)主制御手段は、再生処理と、一時停止処理を可能とする。
(6)再生処理は、音楽生成データを演奏手段に演奏処理させて音響出力させるとともに、歌詞描出データを映像制御手段に表示処理させて歌詞画像を映像出力させる。
(7)一時停止処理は、利用者の操作入力あるいは内部処理に起因して、第1処理と第2処理を行う。
(8)第1処理は、所定のアルゴリズムに従って歌詞文字/旋律対応データ上においてフレーズを停止フレーズとして特定する。
(9)第2処理は、停止フレーズ中の末尾文字の色変えが終了した時点で表示処理の進行を一時停止し、歌詞文字/旋律対応データにおいて当該末尾文字に対応する楽音規定データの発音処理を完了した時点で演奏処理の進行を一時停止する。
本願発明は、特開平2000−298488号公報に詳しく開示されている「歌詞文字単位のステップ演奏機能を備えたカラオケ装置」の発明を前提とするものである。本願発明を実施するための形態は、きわめて多くの部分において前提発明と共通しており、前提発明の「歌詞文字単位」を「フレーズ単位」に拡張したのが本願発明に係る「フレーズ単位のステップ演奏機能を備えたカラオケ装置」である。
この明細書においては、理解を容易にするために、まず前提発明に係る「歌詞文字単位のステップ演奏機能を備えたカラオケ装置」の実施形態について詳しく説明し(以下の第2項〜第11項)、その後で、その説明の延長上に位置する本願発明に係る「フレーズ単位のステップ演奏機能を備えたカラオケ装置」について、その要点のみを説明する(第12項、第13項)。
本発明にかかるカラオケ装置の一実施形態の概略構成を図1に示す。このカラオケ装置2は、CPUやRAM、ROMなどからなるメインコンピュータ6と、大規模なデータを蓄積できるデータ記憶装置4と、カラオケ伴奏音楽を生成するためのシンセサイザ16と、歌詞画像をディスプレイ28に描画出力するためのVRAMなどからなるビデオ制御部24と、利用者からの操作入力を受け付けるためのユーザインターフェース14とを備えている。ユーザインターフェース14は、リモコン送信器8のリモコン受信部10や操作パネル12と接続されている。また、データ記憶装置4は、例えばハードディスク装置やCD−ROMドライブ装置、DVD−ROMドライブ装置などの1ないし複数の装置から構成される。このデータ記憶装置4には、楽曲データベースが構築されていて、カラオケ伴奏音楽の生成起源となる音楽生成データと、歌詞画像の生成起源となる歌詞描出データとが楽曲単位に多数蓄積されている。
音楽生成データは、例えばMIDIデータなどのデジタル楽音情報が記録された電子楽譜データであり、カラオケ伴奏音楽を奏でる伴奏音楽の各演奏パートの楽音規定データが音楽時間軸に沿って配列されている。各楽音規定データは、伴奏音楽の各演奏パートがそれぞれどのタイミングでどの音をどの音色でどのくらいの強さで発音するのかなどシンセサイザ16で楽音信号を合成出力するための情報が記述されている。
歌詞描出データは、歌詞文字列の表示、色変えおよび消去に関する表示制御情報がCG時間軸上に記述されたグラフィックデータである。歌詞描出データは、適当に区分された歌詞文字列をディスプレイ28の画面上の所定の位置に画面表示させるための書式情報が付加された歌詞文字列の文字コードの集合が主体であり、これら歌詞文字列を表示するタイミングや各文字を色変え処理するタイミング、消去するタイミングを規定したデータが含まれ、これらのタイミングデータがCG時間軸上に記述されている。ここで規定されている表示タイミングや色変えタイミングや消去タイミングは、前記音楽生成データに基づく伴奏音楽よりも若干先行するように設定されている。すなわち、歌詞文字列は、伴奏音楽の進行と同期して進行するのではなく、若干先行して表示されたり、色変えされたり、消去されたりするのである。これによって、流れてくる伴奏音楽に対して利用者が自然な形で追従できるようになっている。
音楽生成データおよび歌詞描出データには、楽曲別の歌詞文字/旋律対応データが付属している。この歌詞文字/旋律対応データは、歌詞描出データに含まれる歌詞文字列の各歌詞文字と音楽生成データに含まれる歌唱旋律パートの各楽音との楽典的な対応関係を適宜な論理形式で楽曲別に規定したデータである。つまり、この歌詞文字/旋律対応データは、歌詞描出データ中の歌詞文字コード1つひとつと音楽生成データ中の歌詞旋律パートの各楽音規定データ1つひとつとを個々に対応付けているのである。例えば、図2に示すように、歌曲『ふじの山』において、歌詞描出データ中に歌詞文字列として『あたまをくもの』が含まれているときに、歌詞文字列中の歌詞文字『あ』・『た』・『ま』・『を』・『く』・『も』・『の』に対応する歌唱旋律パートの楽音、即ち音階『ラ』・『ラ』・『シ』・『ラ』・『ファ』・『レ』・『ミ』・『ファ』を規定する楽音規定データがそれぞれ対応付けられる。すなわち、図3のような対応関係を規定したデータとなる。歌詞描出データ中の歌詞文字コードと音楽生成データ中の楽音規定データとの対応付けのしかたとしては、例えば、各歌詞文字コードと各楽音規定データにそれぞれ番号などの識別符号を付加して、これらの識別符号の対応関係を表形式で表わすなどしてデータとして持たせることができる。この他、音楽生成データ中における楽音規定データのアドレスと歌詞描出データ中における歌詞文字コードのアドレスとを相互に対応付けて記憶しておいたり、また楽音の発音タイミングと歌詞文字の色変えタイミングとの関係を演奏開始からの経過時間をもとに対応させてもよい。
本カラオケ装置2に付属のリモコン送信器8の一実施形態を図4に示す。このリモコン送信器8は、プラスチックケース29の外表面に、利用者からの操作入力を受け付けるためのいくつかの操作キー30,32,34,36,38,40が設けられている。これら操作キーには、利用者がリクエスト楽曲の番号を入力するためのテンキー30や、入力したリクエスト楽曲の番号をリモコン受信部10に転送指示するためのメモリ/セットキー32、演奏キーを適宜変更するためのキーコントロールキー34、それに演奏テンポをコントロールするためのテンポコントロールキー36が設けられている。この他、このリモコン送信器8には、リクエスト楽曲の演奏中に一時停止を指示するとともに一時停止された演奏処理を再開する指示を送るための『一時停止/再スタート』キー38と、演奏処理を歌詞文字1文字分ずつ進める指示を送るための『1文字ステップ』キー40とが設けられている。利用者がこのリモコン送信器8に対し行った操作入力はリモコン受信部10からユーザインターフェース14を経由してメインコンピュータ6に伝達される。
メインコンピュータ6は、利用者からリクエストされた楽曲を演奏する機会が到来すると、リクエスト楽曲に対応する音楽生成データおよび歌詞描出データをデータ記憶装置4から取得しそれぞれ演奏処理して、スピーカ22からはマイクロホン20からの歌唱入力とともに伴奏音楽を音響出力するとともに、ディスプレイ28には歌詞画像を映像出力する。
ここで、リモコン送信器8の『一時停止/再スタート』キー38が利用者により操作され、演奏中に一時停止命令が発行されると、メインコンピュータ6は、所定のアルゴリズムに従って、演奏を停止すべき箇所の歌詞文字を歌詞文字/旋律対応データ上で停止文字として特定する。すなわち、メインコンピュータ6は、利用者から一時停止命令を受領すると、音楽生成処理や歌詞文字色変え処理の進行状況を調べて、その進行状況に基づき停止文字を特定するのである。メインコンピュータ6は、所定のアルゴリズムに従って、今まさに色変えの対象となっている歌詞文字を停止文字として特定したり、未だ色変えされていない歌詞文字列の中から適当な文字、例えば先頭文字などを停止文字として特定したりする。例えば、現在、『あたまをくもの』という歌詞文字列が画面表示され、『を』という文字について色変えが行われていた場合には、『を』という歌詞文字が停止文字として特定したり、また、その次の文字である『く』という歌詞文字が停止文字として特定したりするのである。
ここで、リモコン送信器8の『一時停止/再スタート』キー38が利用者により操作され、一時停止中に演奏再開命令が発行されると、メインコンピュータ6は、一時停止にかかる停止文字の歌詞描出データ上のつぎの歌詞文字から色変え処理を開始する。つまり、『あたまをくもの』という歌詞文字列中で『を』という文字が停止文字として特定されていた場合には、『く』という文字から色変え表示処理を再開するのである。このとき、伴奏音楽の生成処理再開にあっては、『く』という文字の色変え処理を開始してから前記時間差Δtが経過した後から、歌詞文字『く』に対応する楽音規定データの演奏処理から開始する。これによって、『く』に対応する楽音規定データの音楽時間軸上の発音開始タイミングが、歌詞文字『く』の色変えを開始するタイミングよりも若干遅れる形のまま再スタートすることができる。メインコンピュータ6の再スタートの状況を概略的に図6に示す。
これら一時停止命令と演奏再開命令とを適宜なタイミングで利用者が繰り返し発行することで、音楽療法や歌唱指導に適した歌詞文字単位のステップ演奏を実現することができる。
さらに、本カラオケ装置2では、音楽療法や歌唱指導に適したステップ演奏を実現すべく、利用者からの指示によって1文字単位でステップ演奏を実施することができる。一時停止中にリモコン送信器8の『1文字ステップ』キー40が操作されると1文字ステップ命令が発行され、メインコンピュータ6は、音楽生成処理と歌詞文字色変え処理とを再開し、未だ色変えされていない文字列の先頭文字を停止文字として、一文字分の歌詞文字色変え処理と音楽生成処理とを終了させた時点でこれらの処理の進行を一時停止する。
また、メインコンピュータ6は、一時停止中にリモコン送信器8の『1文字ステップ』キー40が、所定の条件、例えば最初にこのキー40が操作されてから所定時間以内に再びこのキー40が連続的にn回操作されたときに、未だ色変えされていない文字列の先頭文字からn個目の文字を停止文字として、音楽生成データの生成処理と歌詞画像の描出処理とを再開しつつ、n個目の文字の音楽生成処理と歌詞文字色変え処理とを終了した時点でこれらの処理の進行を一時停止する。
前記歌詞文字/旋律対応データでは、歌詞文字コードと楽音規定データとが歌詞文字1文字単位で対応付けられているが、この他、歌詞文字コードと楽音規定データとをフレーズ単位やコーラス単位などの適宜な演奏区分で対応付けるデータが含まれていてもよい。この場合、メインコンピュータ6は、フレーズ単位やコーラス単位などといった適宜な演奏区分に従って演奏を停止すべき箇所の歌詞文字を特定したり、ステップ演奏したりする。
(A)『一時停止』および『再スタート』を指示するにあたっては、必ずしも楽曲リクエスト用のリモコン送信器8に設けられた専用の操作キー38,40などで行う必要はなく、これより別途独立した他のリモコン送信器などの操作入力手段を使って入力指示できるようにしてもよく、また、操作パネルなどに専用の操作キーを設けてこのキーにより指示できるようにしてもよい。
(B)一時停止命令や再スタート命令は、利用者からだけではなく、メインコンピュータ6の内部処理に起因して発行される場合があってもよい。
4 データ記憶装置
6 メインコンピュータ
8 リモコン送信器
10 リモコン受信部
12 操作パネル
14 ユーザインターフェース
16 シンセサイザ
18 ミキシングアンプ
20 マイクロホン
22 スピーカ
24 ビデオ制御部
28 ディスプレイ
Claims (3)
- 主制御手段と、演奏手段と、映像制御手段とを備え、適宜な記憶部に蓄積された楽曲別の音楽生成データと歌詞描出データと歌詞文字/旋律対応データを処理するカラオケ装置であって、
音楽生成データは、各楽音規定データを音楽時間軸上に配列したデータであり、歌唱旋律パートの楽音規定データを含み、
歌詞描出データは、歌詞文字列を表示し色変えし消去する時系列データであり、歌詞文字コードを含み、
歌詞文字/旋律対応データは、歌詞描出データ中の1つ1つの文字コードと音楽生成データ中の歌唱旋律パートの各楽音規定データとを対応付けるとともに、文字コード集合と楽音規定データ集合とをフレーズ単位で対応付けし、
主制御手段は、再生処理と、一時停止処理を可能とし、
再生処理は、音楽生成データを演奏手段に演奏処理させて音響出力させるとともに、歌詞描出データを映像制御手段に表示処理させて歌詞画像を映像出力させ、
一時停止処理は、利用者の操作入力あるいは内部処理に起因して、第1処理と第2処理を行い、
第1処理は、所定のアルゴリズムに従って歌詞文字/旋律対応データ上においてフレーズを停止フレーズとして特定し、
第2処理は、停止フレーズ中の末尾文字の色変えが終了した時点で表示処理の進行を一時停止し、歌詞文字/旋律対応データにおいて当該末尾文字に対応する楽音規定データの発音処理を完了した時点で演奏処理の進行を一時停止する
カラオケ装置。 - 主制御手段は、演奏処理中に所定の操作入力があったとき、色変えされていない先頭フレーズを停止フレーズとして特定するアルゴリズムにて一時停止処理を行う
請求項1に記載のカラオケ装置。 - 主制御手段は、一時停止中に所定の操作入力があったとき、一時停止箇所より再生処理を再開し、
色変えされていない先頭フレーズを停止フレーズとして特定するアルゴリズムにて一時停止処理を行う
請求項1または2のいずれかに記載のカラオケ装置。
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