JP4137669B2 - カリックスレゾルシンアレーン誘導体およびその製造方法並びに屈折率変換材料および光−熱エネルギー変換蓄積材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カリックスレゾルシンアレーン誘導体およびその製造方法並びにこのカリックスレゾルシンアレーン誘導体よりなる屈折率変換材料および光−熱エネルギー変換蓄積材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノルボルナジエン(以下、「NBD」ともいう。)は、紫外線の照射により、分極率の低いクワドリシクラン(以下、「QC」ともいう。)に光原子価異性化し、また、QCは、触媒との接触および短波長の光の照射により、放熱を伴ってNBDに異性化する特性を有することから、NBD構造を有する化合物は、光エネルギーを熱エネルギーに変換して蓄積する光−熱エネルギー変換蓄積材料として注目されている(非特許文献1および非特許文献2参照)。
また、NBD構造を有する化合物は、異性化したQC構造を有する化合物と異なる屈折率を有する、すなわち光の照射によって屈折率が変化する特性を有することから、例えば光記憶素子や光スイッチシステムに用いられる屈折率変換材料への応用が期待されている(非特許文献3参照)。
【0003】
このような光−熱エネルギー変換蓄積材料および屈折率変換材料においては、容易に成膜され得るものであることが肝要である。そして、従来、成膜化が可能なNBD構造を有する化合物として、NBD構造が導入された種々のポリマーが提案されている(非特許文献4参照)。
しかしながら、従来のNBD構造が導入されたポリマーは、光照射による屈折率の変化量が0.01程度またはそれ以下であり、屈折率の変化量が十分に大きいものではない。
なお、本発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0004】
【非特許文献1】
T.Nishikubo et al.,Macromolecules,22,8(1989)
【非特許文献2】
T.Nishikubo et al.,Macromolecules,31,2789(1998)
【非特許文献3】
K.Kinoshita et al.,Appl.Lett.,70,2940(1997)
【非特許文献4】
C.D.Gutsche(ED),Calixarenes,Royal Soc.Chem.(1989)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、光照射によって屈折率が変化し、かつ、屈折率の変化量が大きく、しかも、容易に成膜することができる新規な化合物およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、屈折率の変化量が大きく、しかも、容易に成膜することができる屈折率変換材料を提供することにある。
本発明の第3の目的は、蓄熱量が大きく、しかも、容易に成膜することができる光−熱エネルギー変換蓄積材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、下記一般式(1)で表されるものである。
【0007】
【化8】
〔一般式(1)において、R1 は、下記式(a)で表される基、下記式(b)で表される基または下記式(c)で表される基を示し、R2 は、炭素数が1〜16のアルキル基または下記式(d)で表される基を示す。〕
【0008】
【化9】
【0009】
【化10】
〔式(b)において、R1 は、上記式(a)で表される基、上記式(b)で表される基または上記式(c)で表される基を示す。〕
【0010】
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法は、下記一般式(2)で表される化合物と、3−フェニル−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸とを反応させることにより、上記一般式(1)におけるR1 が式(a)で表される基であるカリックスレゾルシンアレーン誘導体を得ることを特徴とする。
【0011】
【化11】
〔一般式(2)において、R3 は下記式(e)で表される基を示し、R4 は炭素数が1〜16のアルキル基または下記式(f)で表される基を示す。〕
【0012】
【化12】
【0013】
【化13】
〔式(f)において、R3 は上記式(e)で表される基を示す。〕
【0014】
また、本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法は、上記一般式(2)で表される化合物と、2−(ベンゾフラン−2−イル)−7,7−ジメチル−3−(5−カルボキシチオフェノン−2−イル)−5,6−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエンとを反応させることにより、上記一般式(1)におけるR1 が式((b)で表される基であるカリックスレゾルシンアレーン誘導体を得ることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法は、上記一般式(2)で表される化合物と、けい皮酸とを反応させることにより、上記一般式(1)におけるR1 が式(c)で表される基であるカリックスアレーン誘導体を得ることを特徴とする。
【0016】
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法においては、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物と、エピブロモヒドリンまたはエピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるものであることが好ましい。
【0017】
【化14】
〔一般式(3)において、R5 は炭素数が1〜20のアルキル基またはp−ヒドロキシフェニル基を示す。〕
【0018】
本発明の屈折率変換材料は、上記一般式(1)で表されるカリックスレゾルシンアレーン誘導体よりなることを特徴とする。
【0019】
本発明の光−熱エネルギー変換蓄積材料は、上記一般式(1)で表されるカリックスレゾルシンアレーン誘導体よりなることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、上記一般式(1)で表されるカリックスレゾルシンアレーン誘導体(以下、「特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体」という。)である。
特定のカリックスアレーン誘導体を示す一般式(1)において、R1 は、上記式(a)で表される基、上記式(b)で表される基または上記式(c)で表される基である。R2 は、炭素数が1〜16のアルキル基または上記式(d)で表される基である。ここで、炭素数が1〜16のアルキル基の具体例としては、メチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基などが挙げられる。
【0021】
特定のカリックスアレーン誘導体のうち、上記一般式(1)においてR2 が上記式(a)で表される基であるカリックスアレーン誘導体(以下、「特定のカリックスアレーン誘導体(1)」という。)は、以下のようにして製造することができる。
先ず、適宜の溶媒中において、上記一般式(3)で表される化合物(以下、「出発物質A」という。)と、エピプロモヒドリンまたはエピクロロヒドリンとを反応させることにより、上記一般式(2)で表される化合物(以下、「中間体B」という。)を合成する。ここで、出発物質Aは、レゾシノールとアルデヒド類とを反応させることにより得られる。
【0022】
この中間体Bを得るための反応工程(以下、「反応工程(a−1)」という。)において、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
出発物質Aとエピプロモヒドリンまたはエピクロロヒドリンとの使用割合は、出発物質A中の水酸基1モルに対してエピプロモヒドリンまたはエピクロロヒドリンが1.0〜3.0モルであることが好ましい。
また、反応工程(a−1)においては、例えば炭酸セシウム等のアルカリ剤を添加することが好ましく、その使用割合は、出発物質A中の水酸基1モルに対して1.0〜1.5モルである。
また、反応工程(a−1)における反応条件としては、例えば反応温度が60〜80℃、反応時間が24〜48時間である。
【0023】
次いで、適宜の溶媒中において、触媒の存在下に、中間体Bと、3−フェニル−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸とを反応させることにより、特定のカリックスアレーン誘導体(1)を合成する。
この特定のカリックスアレーン誘導体(1)を得るための反応工程(以下、「反応工程(a−2)」という。)において、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
触媒としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラフェニルフォスフォニウムブロミドなどを用いることができる。また、触媒の使用割合は、中間体Bにおけるグリシジル基1モルに対して0.3〜0.5モルである。
中間体Bと、3−フェニル−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸との使用割合は、中間体Bにおけるグリシジル基1モルに対して3−フェニル−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸が1.0〜3.0モルである。
また、反応工程(a−2)における反応条件としては、例えば反応温度が60〜80℃、反応時間が24〜48時間である。
【0024】
特定のカリックスアレーン誘導体(1)の合成プロセスを、下記反応式(i)に示す。
【0025】
【化15】
〔反応式(i)において、R4 は炭素数が1〜16のアルキル基または上記式(e)で表される基を示し、R5 は炭素数が1〜16のアルキル基またはp−ヒドロキシフェニル基を示し、R6 は炭素数が1〜16のアルキル基または上記式(a)で表される基を示す。〕
【0026】
特定のカリックスアレーン誘導体のうち、上記一般式(1)においてR1 が上記式(b)で表される基であるカリックスアレーン誘導体(以下、「特定のカリックスアレーン誘導体(2)」という。)は、以下のようにして製造することができる。
【0027】
先ず、前述の特定のカリックスアレーン誘導体(1)の製造方法と同様にして中間体Bを合成する(反応工程(a−1))。
次いで、適宜の溶媒中において、触媒の存在下に、中間体Bと、2−(ベンゾフラン−2−イル)−7,7−ジメチル−3−(5−カルボキシチオフェノン−2−イル)−5,6−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエンとを反応させることにより、特定のカリックスアレーン誘導体(2)を合成する。
この特定のカリックスアレーン誘導体(2)を得るための反応工程(以下、「反応工程(a−3)」という。)において、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
触媒としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラフェニルフォスフォニウムブロミドなどを用いることができる。また、触媒の使用割合は、中間体Bにおけるグリシジル基1モルに対して0.3〜0.5モルである。
中間体Bと、2−(ベンゾフラン−2−イル)−7,7−ジメチル−3−(5−カルボキシチオフェノン−2−イル)−5,6−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエンとの使用割合は、中間体Bにおけるグリシジル基1モルに対して2−(ベンゾフラン−2−イル)−7,7−ジメチル−3−(5−カルボキシチオフェノン−2−イル)−5,6−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエンが1.0〜3.0モルである。
また、反応工程(a−3)における反応条件としては、例えば反応温度が60〜80℃、反応時間が24〜48時間である。
【0028】
特定のカリックスアレーン誘導体(2)の合成プロセスを、下記反応式(ii)に示す。
【0029】
【化16】
〔反応式(ii)において、R4 は炭素数が1〜16のアルキル基または上記式(e)で表される基を示し、R5 は炭素数が1〜16のアルキル基またはp−ヒドロキシフェニル基を示し、R7 は炭素数が1〜16のアルキル基または上記式(b)で表される基を示す。〕
【0030】
特定のカリックスアレーン誘導体のうち、上記一般式(1)においてR1 が上記式(c)で表される基であるカリックスアレーン誘導体(以下、「特定のカリックスアレーン誘導体(3)」という。)は、以下のようにして製造することができる。
【0031】
先ず、前述の特定のカリックスアレーン誘導体(1)の製造方法と同様にして中間体Bを合成する(反応工程(a−1))。
次いで、適宜の溶媒中において、触媒の存在下に、中間体Bとけい皮酸とを反応させることにより、特定のカリックスアレーン誘導体(3)を合成する。
この特定のカリックスアレーン誘導体(3)を得るための反応工程(以下、「反応工程(a−4)」という。)において、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジオキサンなどを用いることができる。
触媒としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラフェニルフォスフォニウムブロミドなどを用いることができる。また、触媒の使用割合は、中間体Bにおけるグリシジル基1モルに対して1.0〜2.0モルである。
中間体Bとけい皮酸との使用割合は、中間体Bにおけるグリシジル基1モルに対して3−フェニル−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸が1.0〜3.0モルである。
また、反応工程(a−4)における反応条件としては、例えば反応温度が60〜80℃、反応時間が24〜48時間である。
【0032】
上記の特定のカリックスアレーン誘導体(3)の合成プロセスを、下記反応式(iii)に示す。
【0033】
【化17】
〔反応式(iii)において、R4 は炭素数が1〜16のアルキル基または上記式(e)で表される基を示し、R5 は炭素数が1〜16のアルキル基またはp−ヒドロキシフェニル基を示し、R8 は炭素数が1〜16のアルキル基または上記式(c)で表される基を示す。〕
【0034】
〔用途〕
本発明に係る特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、カリックスレゾルシンアレーン骨格を有するため、容易に成膜することが可能である。
具体的には、特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を適宜の溶媒に溶解し、得られた溶液を適宜の支持体上に塗布して乾燥処理することにより、成膜することができる。
特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を溶解するための溶媒としては、メチルセルソルブアセテート、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアルデヒド、クロロホルム、塩化メチレンなどを用いることができる。
【0035】
本発明に係る特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、その構造単位中に2つ若しくは3つのNBD構造またはシンナモイル基を有するため、後述する実施例から明らかなように、いずれも特定の光例えば紫外線を受けることによって屈折率が変化する特性を有し、かつ、屈折率の変化量が大きく、しかも、カリックスレゾルシンアレーン骨格を有するため、容易に成膜することが可能である。また、本発明に係る特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、光エネルギーを熱エネルギーに変換して蓄積する特性を有し、かつ、蓄熱量が大きいものである。従って、本発明に係る特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、光記憶素子や光スイッチシステムなどに用いられる屈折率変換材料として極めて有用であり、また、光−熱エネルギー変換蓄積材料として極めて有用である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
以下の実施例において、原料および溶媒等として下記のものを使用した。
(1)テトラブチルアンモニウムブロミド(以下、「TBAB」という。)としては、市販品を、脱水酢酸エチルを用いて2回再結晶したものを使用した。
(2)3−フェニル−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸(以下、「PNC」という。)としては、市販品を、n−ヘキサンを用いて1回再結晶したものを使用した。
(3)2−(ベンゾフラン−2−イル)−7,7−ジメチル−3−(5−カルボキシチオフェノン−2−イル)−5,6−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエン(以下、「BMCFn」という。)としては、市販品を、酢酸エチルおよびn−ヘキサンを用いて1回再結晶したものを使用した。
(4)trans−けい皮酸としては、市販品を、クロロホルムを用いて1回再結晶したものを使用した。
(5)N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」という。)としては、市販品を、水素化カルシウム(乾燥剤)を用いて蒸留精製したものを使用した。
(6)レゾルシノールとしては、市販品をそのまま使用した。
(7)パラアルデヒドとしては、市販品をそのまま使用した。
(8)ウンデカナールとしては、市販品をそのまま使用した。
(9)p−ヒドロキシベンズアルデヒドとしては、市販品をそのまま使用した。
(10)炭酸セシウムとしては、市販品をそのまま使用した。
(11)エピブロモヒドリン(以下、「EBH」という。)としては、市販品をそのまま使用した。
【0038】
また、測定装置としては、下記のものを使用した。
(1)赤外分光光度計:日本分光(株)製「FT/IR−420」
(2)紫外分光光度計:(株)島津製作所製「UV−2500PC」
(3) 1H核磁気共鳴装置:日本電子(株)製「JNM−FX−270」(270MHz)、「JNM−α500」(500MHz)および「JNM−α600」(600MHz)
(4)質量分析装置(MALDI−TOF−MS):(株)島津製作所製「SHIMAZU/KRATOSマトリックス支援レーザー離脱イオン化飛行時間型質量分析装置 KOMPACT MALDI IV tDE」
(5)リサイクル分取高速液体クロマトグラフィー(以下、「分取HPLC」という。):日本分析工業(株)製「HPLC−908型」(カラム:JAIgel1HA−FおよびJAIgel1HA−A,展開溶媒:クロロホルム)
(6)エリプソメーター:ガードナー社製「L115Bエリプソメーター」
(7)示差走査熱量計(DSC):セイコーインスツルメント社製「EXTRA6000 DSC 6200」
【0039】
〔出発物質Aの合成〕
〈合成例1〉
レゾルシノール16.5g(0.15mol)を、メタノールと水との混合溶媒(質量比2:1)60mLに溶解し、更に塩酸20mLを加えた。この溶液を攪拌しながら5℃まで氷冷し、当該溶液にパラアルデヒド6.60g(0.05mol)をゆっくり滴下し、80℃で30分間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した固体をろ別により回収した。この固体を、メタノールおよび蒸留水により洗浄し、メタノールを用いて2回再沈精製を行い、24時間減圧乾燥することにより、白色の粉末固体13.1gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果から、得られた生成物は、下記式(A−1)で表される化合物(C−メチル−カリックスレゾルシン[4]アレーン)であると同定された。収率は64%であった。この化合物を「出発物質(A−1)」とする。
【0040】
【化18】
【0041】
また、出発物質(A−1)のIR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3300(νOH),
2923,2853(νC−H),
1500,1458(νC=C of aromatic)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
1.45(d,J=6.60Hz 3.0H.CH3 ),
4.29(q,J=6.60Hz 1.0H,Ph−CH),
6.13(s,1.0H,aromatic Ha ),
7.05〜7.30(m,1.0H,aromatic H)
○質量分析(MALDI−TOF−MS):
実測値(m/z)544.61[M+H]+ ,
計算値(m/z)544.24[M+H]+
【0042】
〈合成例2〉
レゾルシノール5.5g(0.05mol)を、エタノール20mLに溶解し、更に塩酸7mLを加えた。この溶液を攪拌しながら5℃まで氷冷し、当該溶液にウンデカナール8.5g(0.05mol)をゆっくり滴下し、80℃で30分間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した固体をろ別により回収した。この固体を、メタノールおよび蒸留水により洗浄し、メタノールを用いて2回再沈精製を行い、24時間減圧乾燥することにより、白色の粉末固体12.6gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果から、得られた生成物は、下記式(A−2)で表される化合物(C−ウンデシル−カリックスレゾルシン[4]アレーン)であると同定された。収率は96%であった。この化合物を「出発物質(A−2)」とする。
【0043】
【化19】
【0044】
また、出発物質(A−2)のIR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3300(νOH),
2923,2853(νC−H),
1500,1457(νC=C of aromatic)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
0.85〜1.57(m,21.0H,C10H21)
4.29(t,J=1.0H,Ph−CH),
6.13〜7.05(m,1.0H,aromatic Ha )
○質量分析(MALDI−TOF−MS):
実測値(m/z)1049.77[M+H]+ ,
計算値(m/z)1049.52[M+H]+
【0045】
〈合成例3〉
レゾルシノール11.0g(0.1mol)を、エタノール40mLに溶解し、更に塩酸14mLを加えた。この溶液を攪拌しながら5℃まで氷冷し、当該溶液にp−ヒドロキシベンズアルデヒド12.2g(0.1mol)をゆっくり滴下し、80℃で30分間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した固体をろ別により回収した。この固体を、メタノールおよび蒸留水により洗浄し、メタノールを用いて2回再沈精製を行い、24時間減圧乾燥することにより、淡桃色の粉末固体20.0gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果から、得られた生成物は、下記式(A−3)で表される化合物(C−4−ヒドロキシベンズ−カリックスレゾルシン[4]アレーンであると同定された。収率は93%であった。この化合物を「出発物質(A−3)」とする。
【0046】
【化20】
【0047】
また、出発物質(A−3)のIR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
3500〜3300(νOH),
3018,2923(νC−H),
1610,1508(νC=C of aromatic)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
5.41〜5.55(m,1.0H,Ph−CH),
6.09〜6.45(m,6.0H,aromatic H)
○質量分析(MALDI−TOF−MS):
実測値(m/z)856.36[M+H]+ ,
計算値(m/z)856.84[M+H]+
【0048】
〈実施例1〉
(1)中間体Bの合成:
出発物質(A−1)1.02g(1.88mmol)および炭酸セシウム4.89g(15mmol)の混合物に、NMP30mL(2mmol)を添加し、50℃で3時間攪拌した。その後、EBH3.03g(21mmol)を滴下し、さらに50℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液から副生成物であるCsBrをろ別し、当該反応溶液をクロロホルムによって希釈した後、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、クロロホルムを減圧留去し、貧溶媒としてメタノールを用いて2回再沈精製を行い、24時間減圧乾燥することにより、白色の粉末固体1.09gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果から、得られた生成物は、下記式(B−1)で表される化合物(C−メチル−25,29,33,37,41,45,49,52−オクタキス(グリシジロキシ)カリックスレゾルシン[4]アレーン)であると同定された。収率は60%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、グリシジル基に基づく2.85〜4.64ppmのシグナルおよびカリックスレゾルシン[4]アレーン環に直結したメチル基に基づく1.45ppmのシグナルの積分強度比から、出発物質(A−1)における水酸基に対するエーテル化率を算出したところ、100%であった。以下、この生成物を「中間体(B−1)」とする。また、中間体(B−1)の合成工程を下記反応式(イ)に示す。
【0049】
【化21】
【0050】
【化22】
【0051】
また、中間体(B−1)のIR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
1502(νC=C of aromatic)
1192(νPh−O−C),
909(νC−O−C of cyclic ether)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
1.45(s,3.0H,CH3 ),
2.87〜4.64(m,11.0H,Ha 〜He ,Ph−CH),
5.82〜6.56(m,2.0H,aromatic H)
○質量分析(MALDI−TOF−MS):
実測値(m/z)993.16[M+H]+ ,
計算値(m/z)993.34[M+H]+
【0052】
(2)特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の合成:
中間体(B−1)0.047g(0.47mmol)、PNC0.339g(1.6mmol)およびTBAB0.008g(3mol%)の混合物に、NMP3mLを添加し、攪拌しながら70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムによって希釈し、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、分取HPLCによって生成物の単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、褐色の粉末固体0.038gを得た。
IR分析および 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(1−1)で表される化合物であると同定された。収率は40%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、カリックスレゾルシン[4]アレーン環に直結したメチル基に基づくシグナルを基準とし、NBD残基におけるオレフィン部位に基づくシグナルの積分強度比から、グリシジル基に対するエステル化率を算出したところ、81%であった。以下、この生成物を「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)」とする。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)の合成工程を下記反応式(ロ)に示す。
【0053】
【化23】
【0054】
【化24】
【0055】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示し、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図をそれぞれ図1および図2に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3200(νOH),
1695(νO=C of ester ),
1604(νC=C in NBD),
1448(νC=C of aromatic),
1216(νPh−O−C)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
1.39(s,3.0H,CH3 ),
2.03〜2.28(m,3.3H,CH2 in NBD),
3.02〜4.52(m,12.8H,Ha 〜He ,Ph−CH,CH in NBD),
6.27〜7.48(m,13.6H,CH=CH in NBD,aromatic H)
【0056】
〈実施例2〉
(1)中間体Bの合成:
出発物質(A−2)1.30g(1.24mmol)および炭酸セシウム4.97g(15.3mmol)の混合物に、NMP20mLを添加し、50℃で3時間攪拌した。その後、EBH3.03g(21mmol)を滴下し、さらに50℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液から副生成物であるCsBrをろ別し、当該反応溶液をクロロホルムによって希釈した後、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、クロロホルムを減圧留去し、貧溶媒としてn−ヘキサンを用いて2回再沈精製を行い、24時間減圧乾燥することにより、白色の粉末固体1.48gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果から、得られた生成物は、下記式(B−2)で表される化合物(C−ウンデシル−25,29,33,37,41,45,49,52−オクタキス(グリシジロキシ)カリックスレゾルシン[4]アレーン)であると同定された。収率は80%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、グリシジル基に基づく2.76〜4.40ppmのシグナルおよび−C10H21に基づく0.85〜1.57ppmのシグナルの積分強度比から、出発物質(A−2)における水酸基に対するエーテル化率を算出したところ、100%であった。以下、この生成物を「中間体(B−2)」とする。また、中間体(B−2)の合成工程を下記反応式(ハ)示す。
【0057】
【化25】
【0058】
【化26】
【0059】
また、中間体(B−2)のIR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
1501(νC=C of aromatic),
1192(νPh−O−C),
912(νC−O−C of cyclic ether)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
0.85〜1.57(m,21.0H,C10H21),
2.76〜4.40(m,11.0H,Ha 〜He ,Ph−CH),
5.83〜6.57(m,2.0H,aromatic H)
○質量分析(MALDI−TOF−MS):
実測値(m/z)1497.56[M+H]+ ,
計算値(m/z)1498.28[M+H]+
【0060】
(2)特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の合成:
中間体(B−2)0.072g(0.048mmol)、PNC0.339g(1.6mmol)およびTBAB0.018g(3mol%)の混合物に、NMP5mLを添加し、攪拌しながら70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムによって希釈し、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、分取HPLCによって生成物の単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、白色の粉末固体0.051gを得た。
IR分析および 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(1−2)で表される化合物であると同定された。収率は38%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、−C10H21に基づくシグナルを基準とし、NBD残基におけるオレフィン部位に基づくシグナルの積分強度比から、グリシジル基に対するエステル化率を算出したところ、80%であった。以下、この生成物を「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)」とする。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)の合成工程を下記反応式(ニ)に示す。
【0061】
【化27】
【0062】
【化28】
【0063】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示し、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図をそれぞれ図3および図4に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3200(νOH),
1694(νO=C of ester ),
1604(νC=C in NBD),
1445(νC=C of aromatic),
1236(νC−O−C of ester )
1100(νPh−O−C of ester )
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
0.85〜1.60(m,21.0H,C10H21),
1.90〜2.26(m,3.2H,CH2 in NBD),
3.38〜4.43(m,14.2H,Ha 〜He ,Ph−CH,CH in NBD),
6.86〜7.49(m,14.3H,CH=CH in NBD,aromatic H)
【0064】
〈実施例3〉
(1)中間体Bの合成:
出発物質(A−3)0.865g(1mmol)および炭酸セシウム10.00g(30mmol)の混合物に、NMP20mLを添加し、50℃で3時間攪拌した。その後、EBH12.12g(84mmol)を滴下し、さらに50℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液から副生成物であるCsBrをろ別し、当該反応溶液をクロロホルムによって希釈した後、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、貧溶媒としてメタノールを用いて2回再沈精製を行い、24時間減圧乾燥することにより、白色の粉末固体1.15gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果から、得られた生成物は、下記式(B−3)で表される化合物(C−4−ヒドロキシベンズ−25,29,33,37,41,45,49,52,56,60,64,68−ドデカキス(グリシジロキシ)カリックスレゾルシン[4]アレーン)であると同定された。収率は75%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、グリシジル基に基づく2.51〜3.34ppmのシグナルおよびベンゼン環に基づく6.17〜7.27ppmのシグナルの積分強度比から、出発物質(A−3)における水酸基に対するエーテル化率を算出したところ、100%であった。以下、この生成物を「中間体(B−3)」とする。また、中間体(B−3)の合成工程を下記反応式(ホ)に示す。
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
また、中間体(B−3)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
1508(νC=C aromatic ),
1179(νPh−O−C),
913(νC−O−C of cyclic ether)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
2.51〜3.34(m,6.0H,Ha ,Hb ),
3.85〜5.13(m,10.0H,Hc 〜He ,Ph−CH),
6.17〜7.27(m,6.0H,aromatic H)
【0068】
(2)特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の合成:
中間体(B−3)0.12g(0.08mmol)、PNC0.40g(1.89mmol)およびTBAB0.015g(3mol%)の混合物に、NMP5mLを添加し、攪拌しながら70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムによって希釈し、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、分取HPLCによって生成物の単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、粉末固体0.12gを得た。
IR分析および 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(1−3)で表される化合物であると同定された。収率は40%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、カリックスレゾルシン[4]アレーン環におけるベンゼン環に基づくシグナルを基準とし、NBD残基におけるオレフィン部位に基づくシグナルの積分強度比から、グリシジル基に対するエステル化率を算出したところ、86%であった。以下、この生成物を「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)」とする。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)の合成工程を下記反応式(ヘ)に示す。
【0069】
【化31】
【0070】
【化32】
【0071】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示し、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図をそれぞれ図5および図6に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3200(νOH),
1693(νO=C of ester ),
1609(νC=C in NBD),
1455(νC=C of aromatic),
1219(νPh−O−C)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
1.96〜2.17(m,5.48H,CH2 in NBD),
2.89〜4.14(m,21.4H,Ha 〜He ,Ph−CH,CH in NBD),
5.59〜6.61(m,6.0H,aromatic H),
6.80〜7.36(m,19.1H,CH=CH in NBD,aromatic H in NBD)
【0072】
〈実施例4〉
実施例1と同様にして中間体(B−1)を合成し、この中間体(B−1)0.05g(0.05mmol)、BMCFn0.80g(1.6mmol)およびTBAB0.016g(3mol%)の混合物に、NMP5mLを添加し、攪拌しながら70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムによって希釈し、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、分取HPLCによって生成物の単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、粉末固体0.066gを得た。
IR分析および 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(2−1)で表される化合物であると同定された。収率は35%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、カリックスレゾルシン[4]アレーン環に直結したメチル基に基づくシグナルを基準とし、NBD残基におけるメチル基に基づくシグナルの積分強度比から、グリシジル基に対するエステル化率を算出したところ、70%であった。以下、この生成物を「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)」とする。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の合成工程を下記反応式(ト)に示す。
【0073】
【化33】
【0074】
【化34】
【0075】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3200(νOH),
1706(νO=C of ester ),
1612(νC=C in NBD),
1504(νC=C of aromatic),
1214(νPh−O−C)
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
1.26(d,8.2H,CH2 in NBD),
1.45(s,3.0H,CH3 ),
2.88〜4.60(m,13.8H,Ha 〜He ,Ph−CH,CH in NBD),
6.02〜7.82(m,12.6H,aromatic H,aromatic H in NBD)
【0076】
〈実施例5〉
実施例1と同様にして中間体(B−1)を合成し、この中間体(B−1)0.25g(0.25mmol)、trans−けい皮酸1.69g(11.4mmol)およびTBAB0.11g(3mol%)の混合物に、NMP6mLを添加し、攪拌しながら70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムによって希釈し、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、良溶媒としてクロロホルム、貧溶媒としてイソプロパノールとn−ヘキサンとの混合溶媒(体積比1:20)を用いて再沈精製を行い、沈殿物をろ過処理により回収し、60℃で24時間減圧乾燥することにより、粉末固体0.32gを得た。
IR分析および 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(3−1)で表される化合物であると同定された。収率は62%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、カリックスレゾルシン[4]アレーン環に直結したメチル基に基づくシグナルを基準とし、シンナモイル(以下、「CM」と記す。)基におけるCH=CH部位に基づくシグナルの積分強度比から、グリシジル基に対するエステル化率を算出したところ、90%であった。以下、この生成物を「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−1)」とする。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−1)の合成工程を下記反応式(チ)に示す。
【0077】
【化35】
【0078】
【化36】
【0079】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−1)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3200(νOH),
1711(νO=C of ester ),
1635(νC=C in CM),
1503(νC=C of aromatic),
1180(νC−O−C of ester )
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
1.39(s,3.0H,CH3 ),
2.8〜4.68(m,11.0H,Ha 〜He ,Ph−CH),
6.46(d,1.1H,Hf ),
7.26〜7.64(m,8.5H,aromatic H in CM,aromatic H in CRA)
7.75(d,1.1H,Hg ),
【0080】
〈実施例6〉
実施例2と同様にして中間体(B−2)を合成し、この中間体(B−2)0.092g(0.062mmol)、trans−けい皮酸0.29g(2.0mmol)およびTBAB0.015g(3mol%)の混合物に、NMP1mLを添加し、攪拌しながら70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムによって希釈し、この希釈溶液に対して蒸留水による洗浄を5回行い、さらにクロロホルム相に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。次いで、乾燥剤をろ別した後、分取HPLCによって単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、粉末固体0.06gを得た。
IR分析および 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(3−2)で表される化合物であると同定された。収率は39%であった。また、 1H−NMRスペクトルにおいて、カリックスレゾルシン[4]アレーン環に直結した−C10H21に基づくシグナルを基準とし、CM基におけるCH=CH部位に基づくシグナルの積分強度比から、グリシジル基に対するエステル化率を算出したところ、90%であった。以下、この生成物を「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−2)」とする。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−2)の合成工程を下記反応式(リ)に示す。
【0081】
【化37】
【0082】
【化38】
【0083】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−2)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示す。
○IR(film,cm-1):
3600〜3200(νOH),
1710(νO=C of ester ),
1638(νC=C in CM),
1498(νC=C of aromatic),
1175(νC−O−C of ester )
1090(νPh−O−C of ester )
○ 1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
0.83〜1.70(m,21H,C10H21),
3.83〜4.50(m,11.1H,Ha 〜He ,Ph−CH),
6.46(d,1.6H,Hf ),
7.26〜7.70(m,aromatic H in CM,aromatic H in CRA),
7.95(d,1.6H,Hg ),
【0084】
〔カリックスレゾルシンアレーン誘導体の特性〕
(1)光反応特性:
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)の各々を、濃度が1×10-4mol/Lとなるようにテトラヒドロフランに溶解した。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)を濃度が0.5×10-4mol/Lとなるようにテトラヒドロフランに溶解した。得られた溶液の各々を、石英セルの内壁面に塗布し、室温で2時間減圧乾燥処理することにより、薄膜を形成した。石英セル内に形成された薄膜に対して、500Wキセノンランプ「UXL−500D−O」(ウシオ電機(株)製)および熱線カットフィルター「HA50」(HOYA(株)製)を用い、1.20mW/cm2 (313nm)の条件で、光照射時間を変えながら光照射処理を行うと共に、紫外分光光度計により、当該薄膜における紫外線の吸光度の変化を測定した。結果を図7〜図10に示す。
【0085】
図7の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)よりなる薄膜においては、NBD構造に基づく最大吸収波長285nmの紫外線の吸収が、光照射時間の経過に伴って減少することが確認され、また、波長252nmに等吸収点が確認されたことにより、NBD構造からこれに対応するQC構造への光異性化反応は、副反応が生じることなしに進行することが理解される。また、光異性化反応は、光照射時間が300秒間で完了することが確認された。
図8の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)よりなる薄膜においては、NBD構造に基づく最大吸収波長287nmの紫外線の吸収が、光照射時間の経過に伴って減少することが確認され、また、波長251nmに等吸収点が確認されたことにより、NBD構造からこれに対応するQC構造への光異性化反応は、副反応が生じることなしに進行することが理解される。また、光異性化反応は、光照射時間が300秒間で完了することが確認された。
図9の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)よりなる薄膜においては、NBD構造に基づく最大吸収波長288nmの紫外線の吸収が、光照射時間の経過に伴って減少することが確認され、また、波長250nmに等吸収点が確認されたことにより、NBD構造からこれに対応するQC構造への光異性化反応は、副反応が生じることなしに進行することが理解される。また、光異性化反応は、光照射時間が300秒間で完了することが確認された。
図10の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)よりなる薄膜においては、NBD構造に基づく最大吸収波長406nmの紫外線の吸収が、光照射時間の経過に伴って減少することが確認され、また、波長273nmおよび236nmに等吸収点が確認されたことにより、NBD構造からこれに対応するQC構造への光異性化反応は、副反応が生じることなしに進行することが理解される。また、光異性化反応は、光照射時間が40秒間で完了することが確認された。
【0086】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)における異性化反応率を一次速度式にプロットした結果を図11に示し、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)における異性化反応率を一次速度式にプロットした結果を図12に示す。ここで、異性化反応率は、最大吸収波長における吸光度の変化から求めた。
図11および図12の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)における光異性化反応は、いずれも一次で進行していることが理解される。
【0087】
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)の各々を、濃度が1×10-4mol/Lとなるようにテトラヒドロフランに溶解した。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)を、濃度が0.5×10-4mol/Lとなるようにテトラヒドロフランに溶解した。得られた溶液の各々を石英セルに入れ、この溶液に対して、500Wキセノンランプ「UXL−500D−O」(ウシオ電機(株)製)および熱線カットフィルター「HA50」(HOYA(株)製)を用い、1.20mW/cm2 (313nm)の条件で、光照射時間を変えながら光照射処理を行うと共に、紫外分光光度計により、当該溶液における紫外線の吸光度の変化を測定した。その結果、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)の各々の光異性化反応は、光照射時間が400秒間で完了することが確認され、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の光異性化反応は、光照射時間が9秒間で完了することが確認された。
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)の溶液における異性化反応率を一次速度式にプロットした結果を図13に示す。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の溶液における紫外線の吸光度の変化を図14に示し、異性化反応率を一次速度式にプロットした結果を図15に示す。
【0088】
(2)屈折率変化:
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)の各々をメチルセルソルブアセテートに溶解し、得られた溶液を、スピンナー(浅沼製作所(株)製)によってシリコンウエハの表面に塗布して乾燥処理することにより、厚みが約1.0μmの薄膜を形成した。得られた薄膜に対し、250W超高圧水銀灯を用いて20分間紫外線を照射し、エリプソメーターを用い、波長632.8nmのレーザー光により、紫外線照射前後における屈折率をそれぞれ測定し、屈折率の変化量を求めた。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)をメチルセルソルブアセテートに溶解し、得られた溶液を、スピンナー(浅沼製作所(株)製)によってシリコンウエハの表面に塗布して乾燥処理することにより、厚みが約1.0μmの薄膜を形成した。得られた薄膜に対し、250W超高圧水銀灯を用いて1分間紫外線を照射し、エリプソメーターを用い、波長632.8nmのレーザー光により、紫外線照射前後における屈折率を測定し、屈折率の変化量を求めた。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−1)をメチルセルソルブアセテートに溶解し、得られた溶液を、スピンナー(浅沼製作所(株)製)によってシリコンウエハの表面に塗布して乾燥処理することにより、厚みが約1.0μmの薄膜を形成した。得られた薄膜に対し、250W超高圧水銀灯を用いて5時間紫外線を照射し、エリプソメーターを用い、波長632.8nmのレーザー光により、紫外線照射前後における屈折率を測定し、屈折率の変化量を求めた。
以上、結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
表1の結果から明らかなように、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(3−1)の各々は、紫外線が照射されることによって屈折率が変化する特性を有し、また、屈折率の変化量が大きいものであり、屈折率変換材料として有用なものであることが確認された。
【0091】
(3)熱的特性:
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の各々をテトラヒドロフランに溶解し、得られた溶液の各々を、ガラス板に塗布し、室温で2時間減圧乾燥処理することにより、薄膜を形成した。得られた薄膜に対して、500Wキセノンランプ「UXL−500D−O」(ウシオ電機(株)製)により、1時間光照射処理を行った。この薄膜について、示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素気流下、昇温速度10℃/minの条件で、示差走査熱分析を行うことにより、蓄熱量を測定した。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の各々について、窒素気流下、昇温速度10℃/minの条件で、熱重量−示差熱分析を行うことにより、重量減少開始温度および5%重量減少温度を測定した。
以上、結果を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
表2の結果から明らかなように、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の各々は、紫外線が照射されることにより、当該紫外線エネルギーを熱エネルギーとして蓄積する特性を有し、また、蓄熱量が大きいものであり、光−熱エネルギー変換蓄積材料として有用なものであることが確認された。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−3)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の各々は、いずれも重量減少開始温度が300℃以上であり、高い耐熱性(耐熱劣化性)を有するものであることが確認された。
【0094】
(4)光異性化の繰り返し耐久性:
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の各々をメチルセルソルブアセテートに溶解し、得られた溶液を、スピンナー(浅沼製作所(株)製)によってシリコンウエハの表面に塗布して乾燥処理することにより、薄膜を形成した。
次いで、得られた薄膜に対して、500Wキセノンランプを用い、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)については30分間、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)については1分間光照射することにより、NBD構造からQC構造へ異性化させ、エリプソメーターを用い、波長632.8nmのレーザー光により屈折率を測定した。この操作を「操作▲1▼」とする。その後、この薄膜を、140℃のオーブンで30分間加熱することにより、QC構造からNBD構造へ異性化させ、エリプソメーターを用い、波長632.8nmのレーザー光により屈折率を測定した。この操作を「操作▲2▼」とする。そして、操作▲1▼およひ操作▲2▼を1サイクルとして繰り返すことにより、光異性化の繰り返し耐久性を評価した。
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)について、各操作による屈折率の変化を図16に示し、各サイクルにおける屈折率の差の変化を図17に示す。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)について、各操作による屈折率の変化を図18に示し、各サイクルにおける屈折率の差の変化を図19に示す。
【0095】
図16〜図19の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1−1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2−1)の各々は、サイクル数が増加するに従って屈折率差が減少するが、いずれも大きい屈折率差が維持されており、十分な耐久性を有することが確認された。
なお、屈折率差の減少は、光照射によって分子間架橋などの副反応が起こったためと考えられる。
【0096】
【発明の効果】
本発明に係る特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、光照射によって屈折率が変化し、かつ、屈折率の変化量が大きく、しかも、容易に成膜することができるものである。
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法によれば、特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を有利に製造することができる。
本発明に係る屈折率変換材料は、屈折率の変化量が大きく、しかも、容易に成膜することができるものである。
本発明に係る光−熱エネルギー変換蓄積材料は、蓄熱量が大きく、しかも、容易に成膜することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体のIRスペクトル図である。
【図2】実施例1に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の 1H−NMRスペクトル図である。
【図3】実施例2に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体のIRスペクトル図である。
【図4】実施例2に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の 1H−NMRスペクトル図である。
【図5】実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体のIRスペクトル図である。
【図6】実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の 1H−NMRスペクトル図である。
【図7】実施例1に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。
【図8】実施例2に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。
【図9】実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。
【図10】実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。
【図11】実施例1〜実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の薄膜における異性化反応率を一次速度式にプロットした図である。
【図12】実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の薄膜における異性化反応率を一次速度式にプロットした図である。
【図13】実施例1〜実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の溶液における異性化反応率を一次速度式にプロットした図である。
【図14】実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の溶液における紫外線の吸光度の変化を示す図である。
【図15】実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の溶液における異性化反応率を一次速度式にプロットした図である。
【図16】実施例1に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の異性化の繰り返し耐久性試験において、各操作による屈折率の変化を示す図である。
【図17】実施例1に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の異性化の繰り返し耐久性試験において、各サイクルにおける屈折率の差の変化を示す図である。
【図18】実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の異性化の繰り返し耐久性試験において、各操作による屈折率の変化を示す図である。
【図19】実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体の異性化の繰り返し耐久性試験において、各サイクルにおける屈折率の差の変化を示す図である。
Claims (7)
- 請求項2に記載の一般式(2)で表される化合物と、2−(ベンゾフラン−2−イル)−7,7−ジメチル−3−(5−カルボキシチオフェノン−2−イル)−5,6−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエンとを反応させることにより、請求項1に記載の一般式(1)におけるR1 が式(b)で表される基であるカリックスレゾルシンアレーン誘導体を得ることを特徴とするカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法。
- 請求項2に記載の一般式(2)で表される化合物と、けい皮酸とを反応させることにより、請求項1に記載の一般式(1)におけるR1 が式(c)で表される基であるカリックスアレーン誘導体を得ることを特徴とするカリックスアレーン誘導体の製造方法。
- 請求項1に記載のカリックスレゾルシンアレーン誘導体よりなることを特徴とする屈折率変換材料。
- 請求項1に記載のカリックスレゾルシンアレーン誘導体よりなることを特徴とする光−熱エネルギー変換蓄積材料。
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