JP4669720B2 - カリックスレゾルシンアレーン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

カリックスレゾルシンアレーン誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カリックスレゾルシンアレーン誘導体およびその製造方法に関する。
ノルボルナジエン(以下、「NBD」ともいう。)は、紫外線の照射により、分極率の低いクワドリシクラン(以下、「QC」ともいう。)に光原子価異性化し、また、QCは、触媒との接触および短波長の光の照射により、放熱を伴ってNBDに異性化する特性を有することから、NBD構造を有する化合物は、光エネルギーを熱エネルギーに変換して蓄積する光−熱エネルギー変換蓄積材料として注目されている。
また、NBD構造を有する化合物は、異性化したQC構造を有する化合物と異なる屈折率を有する、すなわち光の照射によって屈折率が変化する特性を有することから、例えば光記憶素子や光スイッチシステムに用いられる屈折率変換材料への応用が期待されている。
このような光−熱エネルギー変換蓄積材料および屈折率変換材料においては、容易に成膜され得るものであることが肝要である。そして、従来、成膜化が可能なNBD構造を有する化合物として、NBD構造が導入された種々のポリマーが提案されている。また、本発明者らによっても、フェノール性水酸基を数多く有し、熱安定性に優れたカリックスレゾルシンアレーン化合物に対してNBD構造が導入されたカリックスレゾルシンアレーン誘導体が提案されており、そのカリックスレゾルシンアレーン誘導体は光照射によって屈折率が大きく変化する特性を有するものであることが報告されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特開2003−306470号公報 特開2004−262822号公報
本発明は、以上のような事情を背景として、カリックスレゾルシンアレーン誘導体について種々の研究を行った結果として得られたものである。
本発明の目的は、側鎖に光反応性基を有する新規なカリックスレゾルシンアレーン誘導体およびその製造方法を提供することにある。
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、下記式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 0004669720
〔式中、R1 は、炭素数1〜15のアルキル基または下記式(a)で表される基を示し、R2 は、下記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
Figure 0004669720
〔式中、R2 は、下記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
Figure 0004669720
〔式(ホ)において、R3 は、水素原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキル基基または−CF3 基を示す。式(ヘ)において、R4 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基またはジメチルアミノ基を示す。〕
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法は、下記式(2)で表される化合物および下記式(3)で表される化合物を反応させることにより、上記のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を得ることを特徴とする。
Figure 0004669720
〔式中、R1 は、炭素数1〜15のアルキル基または上記式(a)で表される基を示す。〕
Figure 0004669720
〔式中、R2 は、上記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法においては、式(2)で表される化合物が、下記式(4)で表される化合物および下記式(5)で表される化合物を反応させることによって得られるものであることを特徴とする。
Figure 0004669720
〔式中、R1 は、炭素数1〜15のアルキル基または上記式(a)で表される基を示す。〕
Figure 0004669720
〔式中、Xは、臭素原子または塩素原子を示す。〕
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、その構造単位中に光反応性基を有するため、特定の光を受けることによってその特性が変化する光反応特性を有し、しかも、容易に成膜することが可能なものである。
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法によれば、特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を有利に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、上記式(1)で表される構造を有する誘導体(以下、「特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体」ともいう。)である。
特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を示す式(1)において、R1 は、1〜15のアルキル基または上記式(a)で表される基であり、また、R2 は、上記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される光反応性基である。
ここで、炭素数1〜15のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ドデシル基などが挙げられる。
また、R2 を示す基に係る上記式(ホ)で表される基において、R3 は、水素原子、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばtert−ブチル基、ヘキシル基、ノニル基などの炭素数1〜10のアルキル基または−CF3 基である。また、R2 を示す基に係る上記式(ヘ)で表される基において、R4 は、例えばメチル基、オクチル基などの炭素数1〜10のアルキル基、例えばメトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基またはジメチルアミノ基であり、このR4 はベンゼン環の4位に結合されていることが好ましい。
このような特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、下記反応式(1)に示すように、上記式(2)で表される化合物(以下、「原料化合物(A)」ともいう。)と、上記式(3)で表される化合物(以下、「原料化合物(B)」という。)とを反応させることにより得ることができる。
Figure 0004669720
〔式中、R1 は、炭素数1〜15のアルキル基または上記式(a)で表される基を示し、R2 は、上記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
この反応に供する原料化合物(A)は、上記式(4)で表される化合物(以下、「出発物質」ともいう。)と、上記式(5)で表される化合物、具体的にはエピブロモヒドリンまたはエピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるものである。
ここに、特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体のうち、式(1)においてR1 が炭素数1〜15のアルキル基であるカリックスレゾルシンアレーン誘導体を得るために用いられる出発物質は、例えば、レゾルシノールとp−ヒドロキシベンズアルデヒドとを反応させることにより調製することができる。
また、式(1)においてR1 が式(a)で表される基であるカリックスレゾルシンアレーン誘導体を得るために用いられる出発物質は、例えば、レゾルシノールとパラアルデヒドとを反応させることにより調製することができる。
原料化合物(A)を得るための反応工程において、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
出発物質とエピプロモヒドリンまたはエピクロロヒドリンとの使用割合は、出発物質中の水酸基1molに対してエピプロモヒドリンまたはエピクロロヒドリンが1.0〜3.0molであることが好ましい。
また、この反応工程においては、例えば炭酸セシウムなどのアルカリ剤を添加することが好ましく、その使用割合は、出発物質1molに対して0.8〜3.5molであることが好ましい。
また、この反応工程における反応条件としては、例えば反応温度が50〜80℃、反応時間が24〜48時間である。
原料化合物(A)と原料化合物(B)とを反応させる反応工程において、当該原料化合物(A)と原料化合物(B)との反応は、適宜の溶媒中において、触媒を用いて或いは用いずに行うことができる。
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
触媒としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミドなどを用いることができる。また、触媒の使用割合は、反応に供する原料化合物(A)および原料化合物(B)に対して0.1〜10mol%であることが好ましい。
原料化合物(A)と、原料化合物(B)との使用割合は、原料化合物(A)におけるグリシジル基1molに対して原料化合物(B)が1.0〜3.0molであることが好ましい。
また、この反応工程における反応条件としては、触媒を用いないときには、例えば反応温度が70〜90℃、反応時間が24〜48時間であり、また、触媒を用いるときには、例えば反応温度が60〜80℃、反応時間が24〜48時間である。
以上のような特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、カリックスレゾルシンアレーン骨格を有するため、容易に成膜することが可能である。
具体的には、特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を適宜の溶媒に溶解し、得られた溶液を適宜の支持体上に塗布して乾燥処理することにより、成膜することができる。 特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を溶解するための溶媒としては、メチルセルソルブアセテート、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアルデヒド、クロロホルム、塩化メチレンなどを用いることができる。
本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、その構造単位中に光反応性基を有するため、後述する実施例から明らかなように、特定の光、例えば紫外線を受けることによってその特性が変化する光反応特性を有し、しかも、カリックスレゾルシンアレーン骨格を有するため、容易に成膜することが可能である。
従って、本発明の特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、光記憶素子や光スイッチシステムなどに用いられる屈折率変換材料として極めて有用であると考えられる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈原料化合物(A)の調製例1〉
(1)出発物質の調製:
レゾルシノール5.52g(0.05mol)をエタノール20mLに溶解し、さらに塩酸7.0mLを加えた。この溶液を撹拌しながら5℃まで氷冷し、当該溶液にp−ヒドロキシベンズアルデヒド6.11g(0.05mol)をゆっくり滴下し、80℃で30分間撹拌することによって反応させた。
反応が終了した後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した固体をろ別により回収した。この固体を蒸留水、メタノール、およびアセトンをこの順に用いて十分に洗浄することにより、収率85%で赤白色固体9.11gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤白色固体)は、下記式(A)で表される化合物〔C−4−ヒドロキシベンズ−カリックス[4]レゾルシンアレーン(以下、「出発物質(1)」ともいう。)〕であると同定された。
Figure 0004669720
出発物質(1)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR( KBr,cm-1):
3366(νO−H),
1611,1511(νC=C aromatic)
1H NMR(500MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
5.43〜5.52(m,4.0H,Ha),
5.92〜6.64(m,24.0H,aromatic),
8.40〜8.45(m,12.1H,OH)
(2)原料化合物(A)の調製:
出発物質(1)0.433g(0.5mmol)および炭酸セシウム5.0g(15mmol)の混合物に、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」ともいう。)10mLを添加し、50℃で3時間かけて塩形成処理を行い、その後、エピブロモヒドリン(以下、「EBH」ともいう。)6.06g(42mmol)を滴下し、さらに50℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、蒸留水による洗浄を5回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、さらに貧溶媒としてメタノールを用いて2回再沈精製を行うことにより、収率86%で淡赤色固体1.32gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(淡赤色固体)は、下記式(B)で表される化合物(以下、「原料化合物(A1)」ともいう。)であると同定された。出発物質(1)における水酸基に対するエーテル化率は100%であった。
Figure 0004669720
原料化合物(A1)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR( film,cm-1):
1608,1583,1508(νC=C aromatic),
1242,1159(νPh−O−C),
913(νC−O−C cyclic ether )
1H NMR(600MHz,CDCl3 ,TMS):δ(ppm)
2.38〜3.37(m,3.0H,Ha,Hb),
3.85〜4.17(m,2.0H,Hc),
5.73(s,1.0H,Hd),
6.18〜6.57(m,6.0H,aromatic)
〈原料化合物(A)の調製例2〉
(1)出発物質の調製:
レゾルシノール16.5g(0.15mol)を、メタノールと水との混合溶媒(質量比2:1)60mLに溶解し、さらに塩酸20mLを加えた。この溶液を撹拌しながら5℃まで氷冷し、当該溶液にパラアルデヒド6.60g(0.05mol)をゆっくり滴下し、80℃で30分間撹拌することによって反応させた。
反応が終了した後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した固体をろ別により回収した。この固体を蒸留水、メタノールをこの順に用いて洗浄した後、メタノールを用いて2回再結晶処理し、減圧乾燥処理を行うことにより、収率54%で淡黄色固体10.9gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(淡黄色固体)は、下記式(C)で表される化合物〔C−メチル−カリックス[4]レゾルシンアレーン(以下、「出発物質(2)」ともいう。)〕であると同定された。
Figure 0004669720
出発物質(2)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR( KBr,cm-1):
3357(νO−H),
1617,1518(νC=C aromatic)
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
1.99(d,12.0H,CH3 ),
4.46(s,4.0H,Ha),
6.14(s,4.0H,Hb),
6.68(s,4.0H,Hc),
8.54(s,8.0H,OH)
(2)原料化合物(A)の調製:
出発物質(2)1.02g(1.88mmol)および炭酸セシウム4.89g(15mmol)の混合物に、NMP30mLを添加し、50℃で3時間かけて塩形成処理を行い、その後、EBH3.03g(21mmol)を滴下し、さらに50℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、蒸留水による洗浄を5回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、さらに貧溶媒としてメタノールを用いて2回再沈精製を行うことにより、収率92%で淡黄色固体1.41gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(淡黄色固体)は、下記式(D)で表される化合物(以下、「原料化合物(A2)」ともいう。)であると同定された。出発物質(2)における水酸基に対するエーテル化率は100%であった。
Figure 0004669720
原料化合物(A2)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR( film,cm-1):
1502(νC=C aromatic),
1192(νPh−O−C),
910(νC−O−C cyclic ether )
1H NMR(600MHz,CDCl3 ,TMS):δ(ppm)
1.31(s,12.0H,CH3 ),
2.45〜2.85(m,40.0H,Ha,Hb,Hc),
4.45(s,4.0H,Hd),
5.75〜7.06(m,8.0H,aromatic)
〈実施例1〉
原料化合物(A1)0.76g(0.5mmol)、3−フェニル−2,5−ノルボルナジエン−2−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン(以下、「PNHK」ともいう。)2.95g(12mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(以下、「TBAB」ともいう。)0.12g(3mol%)の混合物に、NMP15mLを添加し、70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、蒸留水による洗浄を5回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率89%で赤白色固体2.8gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤白色固体)は、下記式(E)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A1)に対するPNHKの導入率は82%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR( film,cm-1):
3494(νO−H),
1608(νC=C in NBD),
1508(νC=C in aromatic),
1297(C=O),
1243(νPh−O−C),
914(νC−O−C of cyclic ether )
1H NMR(600MHz,CDCl3 ,TMS):δ(ppm)
2.00(m,16.0H,CH2 in NBD),
2.85〜5.13(m,52.0H,Ha 〜He ,Ph−CH,CH in NBD),
5.66(s,4.0H,Ph−CH),
6.15〜7.44(m,96.0H,CH=CH in NBD,aromatic in CRA,aromatic in NBD)
〈実施例2〉
原料化合物(A2)1.99g(2.0mmol)、PNHK5.90g(24mmol)およびTBAB0.26g(3mol%)の混合物に、NMP30mLを添加し、70℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、蒸留水による洗浄を5回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率45%で赤白色固体2.70gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤白色固体)は、下記式(F)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A2)に対するPNHKの導入率は85%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR( film,cm-1):
3504(νO−H),
1608,1583(νC=C in NBD),
1508(νC=C in aromatic),
1299(νC=O),
1243(νPh−O−C),
912(νC−O−C of cyclic ether )
1H NMR(600MHz,CDCl3 ,TMS):δ(ppm)
1.21(s,12.0H,CH3 ),
2.00(m,16.0H,CH2 in NBD),
2.85〜5.45(m,52.0H,Ha 〜He ,Ph−CH,CH in NBD),
5.78〜8.30(m,96.0H,CH=CH in NBD,aromatic in CRA,aromatic in NBD)
〈実施例3〉
原料化合物(A1)1.52g(1.0mmol)および4−フェニルアゾフェノール3.56g(18mmol)の混合物に、NMP20mLを添加し、90℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率89%で赤褐色固体2.93gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤褐色固体)は、下記式(G)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A1)に対する4−フェニルアゾフェノールの導入率は79%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図1に示し、 1H−NMRスペクトル図を図2に示す。
○IR( film,cm-1):
3388(νO−H),
2561(νN=N),
1600,1585,1502(νC=C in aromatic),
1249(νPh−O−C of ether ),
916(νC−O−C of cyclic ether )
1H NMR(600MHz,CDCl3 ,TMS):δ(ppm)
2.39〜4.61(m,47.4H,Ha 〜He ),
5.73(s,4.0H,Ph−CH),
6.01〜6.96(m,24H,aromatic H),
7.26〜7.83(m,85.7H,aromatic H in Azobenzene)
〈実施例4〉
原料化合物(A2)0.993g(1.0mmol)、4−フェニルアゾフェノール2.38g(12mmol)およびテトラブチルホスホニウムブロミド(以下、「TBPB」ともいう。)0.12g(3mol%)の混合物に、NMP15mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率78%で赤褐色固体2.12gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤褐色固体)は、下記式(H)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A2)に対する4−フェニルアゾフェノールの導入率は98%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示し、IRスペクトル図を図3に示す。
○IR( film,cm-1):
3351(νO−H),
2561(νN=N),
1600,1583,1500(νC=C in aromatic),
1251(νPh−O−C of ether),
908(νC−O−C of cyclic ether )
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
1.30(s,12.0H,CH3 ),
3.34〜5.01(m,43.2H,Ha〜He,Ph−CH),
5.86〜7.07(m,8.0H,aromatic H),
7.07〜8.31(m,70.6H,aromatic H in Azobenzene)
〈実施例5〉
原料化合物(A1)1.52g(1.0mmol)、1−ナフタレン酢酸3.35g(18mmol)およびTBPB0.18g(3mol%)の混合物に、NMP20mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率94%で赤白色固体3.11gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤白色固体)は、下記式(I)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(5)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A1)に対する1−ナフタレン酢酸の導入率は86%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(5)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図4に示す。
○IR( film,cm-1):
3415(νO−H),
1735(νC=O of ester ),
1608,1583,1508(νC=C in aromatic),
1245(νPh−O−C of ether),
914(νC−O−C of cyclic ether )
1H NMR(600MHz,CDCl3 ,TMS):δ(ppm)
2.35〜3.95(m,102.8H,Ha 〜Hf ),
5.59(s,4.0H,Ph−CH),
6.09〜6.46(m,28.0H,aromatic H),
7.25〜7.87(m,92.5H,aromatic H in Naphthalene )
〈実施例6〉
原料化合物(A2)0.993g(1.0mmol)、1−ナフタレン酢酸2.23g(12mmol)およびTBPB0.12g(3mol%)の混合物に、NMP15mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率76%で赤白色固体1.98gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤白色固体)は、下記式(J)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(6)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A2)に対する1−ナフタレン酢酸の導入率は100%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(6)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図5に示す。
○IR( film,cm-1):
3423(νO−H),
1733(νC=O of ester ),
1598,1585,1500(νC=C in aromatic),
1267,1245(νPh−O−C of ether )
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
1.36(s,12.0H,CH3 ),
2.12〜2.68(m,24.0H,Ha〜Hc),
3.26〜5.83(m,36.0H,Hd〜Hf,Ph−CH),
6.18〜7.06(m,8.0H,aromatic H),
7.35〜8.32(m,56.0H,aromatic H in Naphthalene )
〈実施例7〉
原料化合物(A1)1.52g(1.0mmol)、4−メトキシケイ皮酸3.21g(18mmol)およびTBPB0.18g(3mol%)の混合物に、NMP20mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率74%で赤白色固体3.11gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物(赤白色固体)は、下記式(K)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(7)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A1)に対する4−メトキシケイ皮酸の導入率は100%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(7)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図6に示す。
○IR( film,cm-1):
3423(νO−H),
1704(νC=O of ester ),
1604,1511(νC=C in aromatic),
1253(νPh−O−C of ether)
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
1.57(36.0H,CH3 in Methoxy ),
3.83〜4.98(m,79.9H,Ha〜Hf,OH),
5.56(s,4.0H,Ph−CH),
6.10〜8.79(m,56.0H,aromatic H in CRA,CH=CH in cinnamic acid,aromatic H in cinnamic acid)
〈実施例8〉
原料化合物(A2)0.993g(1.0mmol)、4−メトキシケイ皮酸2.14g(12mmol)およびTBPB0.12g(3mol%)の混合物に、NMP20mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率71%で反応生成物1.8gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(L)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(8)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A2)に対する4−メトキシケイ皮酸の導入率は100%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(8)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図7に示す。
○IR( film,cm-1):
3495(νO−H),
1706(νC=O of ester ),
1604,1511(νC=C of aromatic),
1245(νPh−O−C of ether)
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
1.40(s,12.0H,CH3 in cinnamic acid),
2.15(s,24.0H,CH3 ),
3.76〜5.38(m,44.0H,Ha〜He,Ph−CH),
5.82〜8.30(m,57.9H,aromatic H in CRA,CH=CH in cinnamic acid,aromatic H in cinnamic acid)
〈実施例9〉
原料化合物(A1)1.52g(1.0mmol)、4−ヒドロキシカルコン4.03g(18mmol)およびTBPB0.18g(3mol%)の混合物に、NMP20mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率74%で反応生成物2.8gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(M)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(9)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A1)に対する4−ヒドロキシカルコンの導入率は88%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(9)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図8に示す。
○IR( film,cm-1):
3423(νO−H),
1704(νC=O of ester ),
1604,1511(νC=C in aromatic),
1253(νPh−O−C of ether )
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
2.17〜4.98(m,42.4H,Ha 〜Hf ,Ph−CH),
67〜8.31(m,56.0H,aromatic H,CH=CH in caicon,aromatic H in calcon)
〈実施例10〉
原料化合物(A2)0.993g(1.0mmol)、4−ヒドロキシカルコン2.69g(12mmol)およびTBPB0.13g(3mol%)の混合物に、NMP20mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率86%で反応生成物2.34gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(N)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A2)に対する4−ヒドロキシカルコンの導入率は96%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図9に示す。
○IR( film,cm-1):
3423(νO−H),
1704(νC=O of ester ),
1604,1511(νC=C in aromatic),
1253(νPh−O−C of ether )
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
1.31(s,36.0H,CH3 ),
2.17〜4.98(m,42.4H,Ha 〜Hf ,Ph−CH),
67〜8.31(m,56.0H,aromatic H,CH=CH in caicon,aromatic H in calcon)
〈実施例11〉
原料化合物(A2)0.993g(1.0mmol)、P−(ジメチルアミノ)ケイ皮酸2.29g(12mmol)およびTBPB0.13g(3mol%)の混合物に、NMP15mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率93%で反応生成物2.13gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(O)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(11)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A2)に対するP−(ジメチルアミノ)ケイ皮酸の導入率は91%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(11)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示し、IRスペクトル図を図10に示す。
○IR( film,cm-1):
3417(νO−H),
1698(νC=O of ester ),
1602,1552,1527,1502(νC=C in aromatic),
1261,1222(νPh−O−C of ether ),
913(νC−O−C of cyclic ether )
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
1.65(s,36.0H,CH3 ),
2.47〜4.65(m,42.4H,Ha 〜Hf ,Ph−CH),
5.73〜6.46(m,12.0H,aromatic H),
6.51〜7.26(m,29.3H,CH=CH in cinnnamaic acid,aromaticH in cinnamic acid)
〈実施例12〉
原料化合物(A1)0.764g(0.5mmol)、P−(ジメチルアミノ)ケイ皮酸1.72g(9mmol)およびTBPB0.09g(3mol%)の混合物に、NMP10mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行い、60℃で24時間減圧乾燥することにより、収率94%で反応生成物1.56gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(P)で表される化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(12)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A1)に対するP−(ジメチルアミノ)ケイ皮酸の導入率は85%であった。
Figure 0004669720
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(12)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示すと共に、IRスペクトル図を図11に示す。
○IR( film,cm-1):
3419(νO−H),
1697(νC=O of ester ),
1600,1552,1527,1508(νC=C in aromatic),
1259,1222(νPh−O−C of ether ),
914(νC−O−C of cyclic ether )
1H NMR(600MHz,DMSO−d6 ):δ(ppm)
2.38〜4.09(m,42.4H,Ha 〜Hf ),
5.76(s,4.0H,Ph−CH),
6.09〜7.65(m,56.0H,aromatic H,CH=CH in cinnamaic acid ,aromatic H in cinnamic acid),
8.49(s,H,OH in cinnamic acid)
〈実施例13〉
原料化合物(A1)0.38g(0.25mmol)、9−スペーサーアントラセン1.38g(9mmol)およびTBPB0.09g(3mol%)の混合物に、NMP10mLを添加し、80℃で48時間の条件で反応させた。
反応が終了した後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、重曹水による洗浄を2回、蒸留水による洗浄を2回行い、さらに有機層に乾燥剤として無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥処理を行った。乾燥剤をろ別し、クロロホルムを減圧留去し、エーテルを用いて単離精製を行うことにより、収率93%で反応生成物0.8gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、式(1)においてR1 が式(a)で表される基であってR2 が式(ロ)で表される基である化合物(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(13)」ともいう。)であると同定された。原料化合物(A1)に対する9−スペーサーアントラセンの導入率は71%であった。
〔カリックスレゾルシンアレーン誘導体の特性〕
(1)ガラス転移温度および重量減少開始温度の測定:
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)〜カリックスレゾルシンアレーン誘導体(6)の各々について、示差走査熱量計(DSC)を用い、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)〜カリックスレゾルシンアレーン誘導体(6)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(8)の各々について、窒素気流下、昇温速度10℃/minの条件で、熱重量分析を行うことにより、重量減少開始温度(Td)を測定した。
以上、結果を表1に示す。
Figure 0004669720
(2)光反応特性:
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)の各々を、濃度が1×10-4mol/Lとなるようにテトラヒドロフランに溶解した。得られた溶液の各々を、石英セルの内壁面に塗布し、室温で2時間減圧乾燥処理することにより、薄膜を形成した。石英セル内に形成された薄膜に対して、キセノンランプを用い、1.8〜2.0mW/cm2 (313nm)の条件で、光照射時間を変えながら光照射処理を行うと共に、紫外分光光度計により、当該薄膜における紫外線の吸光度の変化を測定した。結果を図12〜図15に示す。
図12〜図15の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体よりなる薄膜においては、最大吸収波長の紫外線の吸収が、光照射時間の経過に伴って減少することが確認された。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)の薄膜における光異性化反応は、光照射時間が120秒間で完了すること、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)の薄膜における光異性化反応は、光照射時間が30秒間で完了すること、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)の薄膜における光異性化反応は、光照射時間が20秒間で完了すること、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)の薄膜における光異性化反応は、光照射時間が600秒間で完了することが確認された。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)の各々を、濃度が1×10-4mol/Lとなるようにテトラヒドロフランに溶解した。得られた溶液の各々を石英セルに入れ、この溶液に対して、キセノンランプを用い、1.8〜2.0mW/cm2 (313nm)の条件で、光照射時間を変えながら光照射処理を行うと共に、紫外分光光度計により、当該溶液における紫外線の吸光度の変化を測定した。結果を図16〜図19に示す。
図16〜図19の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体よりなる溶液においては、最大吸収波長の紫外線の吸収が、光照射時間の経過に伴って減少することが確認された。また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)の溶液における光異性化反応は、光照射時間が300秒間で完了すること、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)の溶液における光異性化反応は、光照射時間が30秒間で完了すること、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)の溶液における光異性化反応は、光照射時間が30秒間で完了すること、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)の溶液における光異性化反応は、光照射時間が600秒間で完了することが確認された。
本発明の特定のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、光記憶素子や光スイッチシステムなどに用いられる屈折率変換材料として極めて有用であると考えられる。
実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)のIRスペクトル図である。 実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)の 1H−NMRスペクトル図である。 実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)のIRスペクトル図である。 実施例5に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(5)のIRスペクトル図である。 実施例6に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(6)のIRスペクトル図である。 実施例7に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(7)のIRスペクトル図である。 実施例8に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(8)のIRスペクトル図である。 実施例9に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(9)のIRスペクトル図である。 実施例10に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)のIRスペクトル図である。 実施例11に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(11)のIRスペクトル図である。 実施例12に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(12)のIRスペクトル図である。 実施例2に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。 実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。 実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。 実施例10に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)の薄膜における紫外線の吸光度の変化を示す図である。 実施例2に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)の溶液における紫外線の吸光度の変化を示す図である。 実施例3に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(3)の溶液における紫外線の吸光度の変化を示す図である。 実施例4に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(4)の溶液における紫外線の吸光度の変化を示す図である。 実施例10に係るカリックスレゾルシンアレーン誘導体(10)の溶液における紫外線の吸光度の変化を示す図である。

Claims (3)

  1. 下記式(1)で表されることを特徴とするカリックスレゾルシンアレーン誘導体。
    Figure 0004669720
    〔式中、R1 は、炭素数1〜15のアルキル基または下記式(a)で表される基を示し、R2 は、下記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
    Figure 0004669720
    〔式中、R2 は、下記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
    Figure 0004669720
    〔式(ホ)において、R3 は、水素原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、または−CF3 基を示す。式(ヘ)において、R4 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基またはジメチルアミノ基を示す。〕
  2. 下記式(2)で表される化合物および下記式(3)で表される化合物を反応させることにより、請求項1に記載のカリックスレゾルシンアレーン誘導体を得ることを特徴とするカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法。
    Figure 0004669720
    〔式中、R1 は、炭素数1〜15のアルキル基または下記式(a)で表される基を示す。〕
    Figure 0004669720
    〔式中、R2 は、下記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
    Figure 0004669720
    〔式(ホ)において、R3 は、水素原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、または−CF3 基を示す。式(ヘ)において、R4 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基またはジメチルアミノ基を示す。〕
    Figure 0004669720
    〔式中、R2 は、上記式(イ)〜式(ヘ)のいずれかで表される基を示す。〕
  3. 式(2)で表される化合物が、下記式(4)で表される化合物および下記式(5)で表される化合物を反応させることによって得られるものであることを特徴とする請求項2に記載のカリックスレゾルシンアレーン誘導体の製造方法。
    Figure 0004669720
    〔式中、R1 は、1〜15のアルキル基または上記式(a)で表される基を示す。〕
    Figure 0004669720
    〔式中、Xは、臭素原子または塩素原子を示す。〕
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