JP4137274B2 - 壁面用見切装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁面用見切装置、特に壁仕上げシート類を貼着した壁面箇所と貼着していない壁面箇所とを見切る見切装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の見切装置については、実公平7−16825号公報記載のものが知られている。該公報記載のものは、見切部材の上下の壁面に同様に壁仕上げシートが貼着されている場合に使用される見切装置であって、縁装置の片側のみの壁面に仕上げシートが貼着されている壁面に使用した場合には、見切部材に設けられた上側の仕上げシート挿入のための間隙が開放されたまま維持され、その結果この間隙に塵埃等が滞留してきわめて不衛生な環境を生じる。また見切部材は硬質材を使用しているために、設置作業が困難であるばかりでなく、壁面が不陸である場合に見切部材が壁面の不陸に順応せず、見切部材と壁面との間に隙間が生じてしまう。したがって壁仕上げシート類を貼着した壁面箇所と貼着しない壁面箇所とを見切る見切装置としては適当なものとはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、壁面見切りの頻度の高い壁仕上げシート類を貼着した壁面箇所と貼着していない壁面箇所を見切るのに適し、一側では壁面の不陸に順応して隙間を生じさせることがなく、他側では仕上げシート端部を確実に被覆し、且つ取付作業を容易に行うことができる壁面見切り装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の壁面見切り装置は、ウェブが壁面に取付ける底板部とされ且つ両リップ部が両係止縁とされるリップハット形断面材で形成された硬質材料製の細長い芯部材と、該芯部材の前方側を被覆する被覆主体部の中央部分は半円形状断面の外形を有すると共にその内部には長さ方向に空隙部が設けられ且つ該被覆主体部の内面両側に凹設された係合凹縁が該芯部材の該両係止縁に係止されて装着されると共に設置時に該壁面に密着する尖端断面をなす上側端縁並びに該壁面に対して該壁面に貼設された仕上シート類の厚さを飲込む所定の間隙を保持する下側端縁がそれぞれ形成された軟質材料製の被覆部材とよりなることを主な特徴とする。
【0005】
また、前記被覆部材には、ガラス繊維やアルミニウム薄板等の縮み防止要素が埋入されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1及び図2には、壁面見切装置の一実施形態が示されており、壁面Wには所定の高さまで仕上げシート類Fが貼設されている。仕上げシート類Fには、壁紙、壁布シート、化粧板等が含まれる。仕上げシート類Fが貼設されていない壁面箇所にも塗装等の壁面仕上げがなされているが、仕上げシート類Fの厚みよりはかなり薄い仕上げ層とされている。仕上げシート類Fの端縁に沿って壁面見切装置が設置される。この実施形態の壁面見切装置において、硬質材料製の細長い芯部材1は金属製のリップハット形断面材によって構成されている。芯部材1はリップハット形断面のウェブが底板部2を形成し、また底板部2から立上がった両フランジからそれぞれ外方に延びている両リップ部(後述する被覆部材4における両側の係合凹縁6,6の幅に応じて上側のリップ部の長さは下側のリップ部の長さより大きく形成されている。)は両係止縁3,3を形成している。芯部材1は、その底板部2が仕上げシート類Fの端縁に沿った壁面Wにアンカーボルト11によって取付けられている。図示されている実施形態では、両係止縁3,3は底板部2から立上がり、それぞれ上下の外方に延長されている。
【0007】
芯部材1を被覆する軟質材料、例えば軟質合成樹脂製の被覆部材4には、芯部材1の前方側を被覆する被覆主体部5の内面両側に係合凹縁6,6が凹設されている。この実施形態では、被覆主体部5の中央部分は半円形状の外形を有すると共にその内部には長さ方向に空隙部7が形成されている。図1及び図2で明らかなように、被覆部材4は自体の弾力性を利用してその係合凹縁6,6を芯部材1の両係止縁3,3に係止して取付けられるが、取付けられた状態で、上側端縁8は壁面Wに密着状態で当接し、また下側端縁9は、壁面Wに貼設された仕上げシート類Fの厚みを飲込むように、壁面Wと所定の間隙を保持する寸法とされている。軟質材料製の被覆部材4は芯部材1に容易に係止させることができるが、通常は被覆部材4を60C゜程度に加熱することにより係止操作を行う。芯部材1に被覆部材4が係止されると、被覆部材4は軟質材料で形成されているので、上側端縁8は壁面の不陸にも十分に追従して隙間なく壁面Wに密着するので外見を良好とし、且つ見切縁内に塵埃を侵入させて不衛生になることを防止する。さらに上側端縁8は尖端断面10とする場合には、さらに密着性を完全とすることができる。
【0008】
下側端縁9側では仕上げシート類Fの端縁を隠蔽するので、仕上げシート類Fの端縁処理に厳密性を必要としない。また壁面Wから間隔をあけた下側端縁9は指をかけやすく、また施工器具の挿入が容易であるから、先に取付けられた芯部材1に対する被覆部材4の係止操作を容易にすることができる。図1及び図2に示される実施形態では、被覆主体部5の中央部分が半円形状の外形を有すると共にその内部に長さ方向に空隙部7が形成されているので、被覆部材4が軟質材料で形成されていることと相俟って壁面見切装置に大きいクッション性を付与することができるから、外部からの衝接が予想される壁面に設置する場合に極めて有効である。外部からの衝接が生じた場合に、衝接箇所のみが変形して全体は変形しないから、被覆部材4と芯部材1との係止が離脱して被覆部材4が脱落する虞はない。なお被覆部材4にはガラス繊維やアルミニウム薄板等の縮み防止要素を埋入して、温度変化等による被覆部材4の長さ方向収縮に起因する端部での隙間の発生を防止することができる。また被覆部材4には木目模様等を付した表面模様層を設けることができる。
【0009】
【発明の効果】
本発明は、次のような効果を奏する。
A.壁面に設置された見切装置は、被覆部材が軟質材料で形成されているために、被覆部材の上側端縁は、壁面の不陸にも十分に追従して隙間なく壁面に密着するので外見を良好とし、且つ見切縁内に塵埃を侵入させて不衛生になることを防止し、下側端縁側では壁面に貼着した仕上げシート類の端縁を隠蔽するので、仕上げシート類の端縁処理に厳密性を必要としない。また壁面から間隔をあけた下側端縁は指をかけやすく、また施工器具の挿入が容易であるから、先に取付けられた芯部材に対する被覆部材の係止操作を容易にすることができる。
B.被覆部材は軟質材料で形成されているので、硬質材料製の芯部材への係止操作を容易に行うことができる。
C.被覆部材は軟質材料製なので、見切装置にクッション性が付与される。
D.被覆部材の上側端縁を尖端断面とすることにより、被覆部材の上側端縁の密着性を確実にする。
E.被覆部材の被覆主体部の中央部分を半円形状断面とし、その内部に長さ方向の空隙部を設けることにより、見切装置のクッション性を増大させることができるので、外部からの衝接が生じた場合に、衝接箇所のみが変形して全体は変形しないから、被覆部材と芯部材との係止が離脱して被覆部材が脱落する虞はない。
F.被覆部材にはガラス繊維やアルミニウム薄板等の縮み防止要素を埋入して、温度変化等による被覆部材の長さ方向収縮に起因する端部での隙間の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の壁面見切装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す壁面見切装置の断面図である。
【符号の説明】
1 芯部材
2 底板部
3 係止縁
4 被覆部材
5 被覆主体部
6 係合凹縁
7 空隙部
8 上側端縁
9 下側端縁
10 尖端断面
Claims (2)
- ウェブが壁面に取付ける底板部とされ且つ両リップ部が両係止縁とされるリップハット形断面材で形成された硬質材料製の細長い芯部材と、該芯部材の前方側を被覆する被覆主体部の中央部分は半円形状断面の外形を有すると共にその内部には長さ方向に空隙部が設けられ且つ該被覆主体部の内面両側に凹設された係合凹縁が該芯部材の該両係止縁に係止されて装着されると共に設置時に該壁面に密着する尖端断面をなす上側端縁並びに該壁面に対して該壁面に貼設された仕上シート類の厚さを飲込む所定の間隙を保持する下側端縁がそれぞれ形成された軟質材料製の被覆部材とよりなることを特徴とする壁面用見切装置。
- 前記被覆部材には、ガラス繊維やアルミニウム薄板等の縮み防止要素が埋入されていることを特徴とする請求項1記載の壁面用見切装置。
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