JP3796013B2 - 目地材および目地構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、目地材および目地構造に関し、具体的には、両側に配設される建築板の端部間隙を閉塞するのに有用な目地材および目地構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、窯業系外装材などのような建築板を両側に配設して端部間隙を閉塞する目地材および目地構造が知られていたものであった。この種の目地材および目地構造としては、例えば、建築下地上で目地部に取着固定される塩化ビニル樹脂系の下地材と、この下地材の上に配設して目地部表面をカバーするシリコン、エチレンプロピレンターポリマー(EPDMと称する。以下、本文中では、このエチレンプロピレンターポリマーをEPDMと書くものとする。)などのカバー材との雄雌の嵌合方式が一般的なものであり、上記下地材が目地部での止水の役割を果たし、上記カバー材が目地部を含めた外観仕上げの役割を果たしていたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような目地材および目地構造においては、建築板を横貼りにて積み上げるごとに施工精度である程度の誤差が生じ、その結果、カバー材の両側部分と建築板との端部とに若干の隙間を形成しやすいものとなり、この隙間から毛細管現象によって雨水が浸入しやすく、防水性は確保されがたいものであった。
【0004】
また、建築板の表面に凹凸がある場合、上記カバー材によっては、この凹凸に追随させることも無理であり、結果として、このような場合、納められた後の外観上での見栄えは良くできないものであった。
【0005】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、防水性が確保され、しかも、納められた後の外観上での見栄えが良い目地材および目地構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る目地材は、目地部(5)を表面側から閉塞する表面カバー片(8)、および、この表面カバー片(8)の裏面に塑性体(3)を挟み込んだ発泡体(6)を設けるとともに、この発泡体(6)の下面に接着性を有する粘着層(7)を設けたことを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る目地材は、上記塑性体(3)が、中空部(10)を有しているものであることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る目地材は、上記塑性体(3)が、ビート状であることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る目地材は、上記表面カバー片(8)が、弾性を有するものであることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る目地構造は、両側に配設される建築板(4)の端部間隙を上記目地部(5)となし、この目地部(5)の底部に断面略ハット形のジョイナー(2)を設けるとともに、請求項1ないし請求項4何れか記載の目地材をこの目地部(5)に配置して、上記ジョイナー(2)の表面に上記粘着層(7)が接着して納められてなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて詳細に説明する。
【0012】
図1の(a)は、本発明の一実施形態に係る目地材および目地構造を示す要部断面図であり、図1の(b)は、同図1の(a)の目地材および目地構造の要部正面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る目地材を示す要部断面図である。図3は、本発明の他の一実施形態に係る目地材を示す要部断面図である。
【0013】
本発明の目地材は、図1ないし図3に示すごとく、目地部(5)を表面側から閉塞する表面カバー片(8)、および、この表面カバー片(8)の裏面に塑性体(3)を挟み込んだ発泡体(6)を設けるとともに、この発泡体(6)の下面に接着性を有する粘着層(7)を設けているものである。
【0014】
上記表面カバー片(8)は、図1の(a)および(b)に示すごとく、目地部(5)を表面側から閉塞するものである。この表面カバー片(8)としては、様々なものを採用することができるものであるが、特に、長期にわたって変化する気候に耐えられるように耐久性を有することが好ましいものであるために、シリコン、EPDM、または、この両者の複層体などが一般に採用されるものである。
【0015】
上記発泡体(6)は、図1ないし図3に示すごとく、上記表面カバー片(8)の裏面に設けられているものである。この発泡体(6)としては、ウレタン樹脂やポリエチレンやEPDMなどを適宜発泡させて採用することができるものである。この発泡体(6)にて上記目地部(5)での保形性や止水性を確保するものであり、しかも、同目地部(5)の底部、すなわち、図1に示すごとき間柱や胴縁といった建築下地(1)を保護することができるものである。
【0016】
上記塑性体(3)は、図1ないし図3に示すごとく、上記発泡体(6)の間に挟み込まれたものである。この塑性体(3)としては、ポリブデンにタルクや繊維を混合したようなパテ類であってもかまわないし、ブチル系の樹脂であってもかまわないものである。この塑性体(3)にて上記目地部(5)での賦形性や止水性を確保するものであり、しかも、同目地部(5)の深さ調整を容易に行うことができるようになるものである。
【0017】
上記粘着層(7)は、接着性を有するものであって、図1ないし図3に示すごとく、上記発泡体(6)の下面に設けられているものである。この粘着層(7)としては、一般に用いられているアクリル系樹脂やビニル系樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤を採用して、同接着剤を上記発泡体(6)の下面に塗布したり、同接着剤中に上記発泡体(6)の下面側を含浸させたりして形成されるものである。
【0018】
本発明の目地材は、このような構成をとることによって、表面カバー片(8)にて目地部(5)を表面側から確実に閉塞して、外観や耐久性を確保し、発泡体(6)にて同目地部(5)での保形性や止水性を確保するものであり、その結果、納められた後の外観上での見栄えを良くすることができるものである。しかも、同目地部(5)の底部、すなわち、図1に示すごとき間柱や胴縁といった建築下地(1)を保護するものである。また、発泡体(6)の間に挟み込まれた塑性体(3)にて同目地部(5)での賦形性や止水性を確保し、結果として、防水性が確実に向上するものであり、しかも、同目地部(5)の深さ調整を容易に行うことができるようになるものである。加えて、発泡体(6)の下面に設けられた粘着層(7)にて、目地部(5)の底部などに接着固定することができるものであり、結果として、目地部(5)の納めを確実なものとしている。
【0019】
すなわち、本発明の目地材は、防水性が確保され、しかも、納められた後の外観上での見栄えを良くすることができるものである。
【0020】
また、図3に示すごとく、上記塑性体(3)が、中空部(10)を有しているものであると、この中空部(10)にてより一層確実に塑性が増すものとなり、結果として、目地部(5)での深さ調整や目地幅調整がより一層容易に行うことができるようになって、目地部(5)での納まりが良くなるとともに、塑性体(3)としても、賦型しやすく簡単に形成することができるものである。
【0021】
同様に、図1の(a)および図2に示すごとく、上記塑性体(3)が、ビート状であると、ビート状の塑性体(3)にてより一層確実に塑性が増すものとなり、結果として、目地部(5)での深さ調整や目地幅調整がより一層容易に行うことができるようになって、目地部(5)での納まりが良くなるとともに、同塑性体(3)としても、賦型しやすく簡単に形成することができるものである。
【0022】
なお、上記塑性体(3)が、図1の(a)および図2に示すごときビート状である場合、塑性変形した際の逃げ場を確保することができる点で、同塑性体(3)どうしの間に空間部分を作っていることが好ましいものである。
【0023】
さらに、図1ないし図3に示すごとく、上記表面カバー片(8)が、弾性を有するものであると、弾性を有する表面カバー片(8)にて目地部(5)の目地幅に確実に追随することができるものであり、しかも、建築板の表面に凹凸がある場合でも、同弾性を有する表面カバー片(8)にて建築板の表面の凹凸に柔軟に追随させることもできるものであり、結果として、納められた後の外観上での見栄えはより一層確実に良くすることができるものである。
【0024】
上記弾性を有する表面カバー片(8)は、材質としてシリコンを採用することで弾性を有するようにしてもかまわないものであるし、図2に示すごとく、同表面カバー片(8)の端部を蛇腹部(9)として形成し弾性を有するようにしてもかまわないし、折り返し加工を行って弾性を有するようにしてもかまわないものである。
【0025】
また、本発明の目地構造は、図1の(a)および(b)に示すごとく、両側に配設される建築板(4)の端部間隙を上記目地部(5)となし、この目地部(5)の底部に断面略ハット形のジョイナー(2)を設けるとともに、上述した何れかの目地材をこの目地部(5)に配置して、上記ジョイナー(2)の表面に上記粘着層(7)が接着して納められてなるものである。
【0026】
上記ジョイナー(2)は、図1の(a)に示すごとく、断面略ハット形であって、上記目地部(5)の底部に設けられたものである。このジョイナー(2)としては、塩化ビニル樹脂などのプラスチック系のものであってもかまわないし、メッキ鋼板やガルバニューム鋼板などの金属系のものであってもかまわないし、あるいは、両者を併用して、例えば、金属系のものを芯材としてこの芯材の周囲をプラスチック系のもので形成したようなものであってもかまわないものである。
【0027】
本発明の目地構造は、このような構成をとることによって、ジョイナー(2)にて両側に配設される建築板(4)の端部間隙として形成された目地部(5)の底部を防水性も含めて確実に保護し、表面カバー片(8)にて同目地部(5)を表面側から確実に閉塞して、外観や耐久性を確保し、発泡体(6)にて同目地部(5)での保形性や止水性を確保するものであり、その結果、納められた後の外観上での見栄えを良くすることができるものである。また、発泡体(6)の間に挟み込まれた塑性体(3)にて同目地部(5)での賦形性や止水性を確保し、結果として、防水性が確実に向上するものであり、しかも、同目地部(5)の深さ調整を容易に行うことができるようになるものである。加えて、発泡体(6)の下面に設けられた粘着層(7)にて、ジョイナー(2)の表面に接着固定することができるものであり、結果として、目地部(5)の納めを確実なものとしている。
【0028】
すなわち、本発明の目地構造は、防水性が確保され、しかも、納められた後の外観上での見栄えを確実に良くすることができるものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る目地材によると、表面カバー片(8)にて目地部(5)を表面側から確実に閉塞して、外観や耐久性を確保し、発泡体(6)にて同目地部(5)での保形性や止水性を確保するものであり、その結果、納められた後の外観上での見栄えを良くすることができるものである。しかも、同目地部(5)の底部、すなわち、間柱や胴縁といった建築下地を保護するものである。また、発泡体(6)の間に挟み込まれた塑性体(3)にて同目地部(5)での賦形性や止水性を確保し、結果として、防水性が確実に向上するものであり、しかも、同目地部(5)の深さ調整を容易に行うことができるようになるものである。加えて、発泡体(6)の下面に設けられた粘着層(7)にて、目地部(5)の底部などに接着固定することができるものであり、結果として、目地部(5)の納めを確実なものとしている。
【0030】
すなわち、本発明の目地材は、防水性が確保され、しかも、納められた後の外観上での見栄えを良くすることができるものである。
【0031】
本発明の請求項2に係る目地材によると、請求項1記載の場合に加えて、この中空部(10)にてより一層確実に塑性が増すものとなり、結果として、目地部(5)での深さ調整や目地幅調整がより一層容易に行うことができるようになって、目地部(5)での納まりが良くなるとともに、塑性体(3)としても、賦型しやすく簡単に形成することができるものである。
【0032】
本発明の請求項3に係る目地材によると、請求項1記載の場合に加えて、ビート状の塑性体(3)にてより一層確実に塑性が増すものとなり、結果として、目地部(5)での深さ調整や目地幅調整がより一層容易に行うことができるようになって、目地部(5)での納まりが良くなるとともに、同塑性体(3)としても、賦型しやすく簡単に形成することができるものである。
【0033】
本発明の請求項4に係る目地材によると、請求項1ないし請求項3何れか記載の場合に加えて、弾性を有する表面カバー片(8)にて目地部(5)の目地幅に確実に追随することができるものであり、しかも、建築板の表面に凹凸がある場合でも、同弾性を有する表面カバー片(8)にて建築板の表面の凹凸に柔軟に追随させることもできるものであり、結果として、納められた後の外観上での見栄えはより一層確実に良くすることができるものである。
【0034】
本発明の請求項5に係る目地構造によると、ジョイナー(2)にて両側に配設される建築板(4)の端部間隙として形成された目地部(5)の底部を防水性も含めて確実に保護し、表面カバー片(8)にて同目地部(5)を表面側から確実に閉塞して、外観や耐久性を確保し、発泡体(6)にて同目地部(5)での保形性や止水性を確保するものであり、その結果、納められた後の外観上での見栄えを良くすることができるものである。また、発泡体(6)の間に挟み込まれた塑性体(3)にて同目地部(5)での賦形性や止水性を確保し、結果として、防水性が確実に向上するものであり、しかも、同目地部(5)の深さ調整を容易に行うことができるようになるものである。加えて、発泡体(6)の下面に設けられた粘着層(7)にて、ジョイナー(2)の表面に接着固定することができるものであり、結果として、目地部(5)の納めを確実なものとしている。
【0035】
すなわち、本発明の目地構造は、防水性が確保され、しかも、納められた後の外観上での見栄えを確実に良くすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る目地材および目地構造を示す要部断面図であり、(b)は、(a)の目地材および目地構造の要部正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る目地材を示す要部断面図である。
【図3】本発明の他の一実施形態に係る目地材を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2 ジョイナー
3 塑性体
4 建築板
5 目地部
6 発泡体
7 粘着層
8 表面カバー片
10 中空部
Claims (5)
- 目地部を表面側から閉塞する表面カバー片、および、この表面カバー片の裏面に塑性体を挟み込んだ発泡体を設けるとともに、この発泡体の下面に接着性を有する粘着層を設けたことを特徴とする目地材。
- 上記塑性体が、中空部を有しているものであることを特徴とする請求項1記載の目地材。
- 上記塑性体が、ビート状であることを特徴とする請求項1記載の目地材。
- 上記表面カバー片が、弾性を有するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3何れか記載の目地材。
- 両側に配設される建築板の端部間隙を上記目地部となし、この目地部の底部に断面略ハット形のジョイナーを設けるとともに、請求項1ないし請求項4何れか記載の目地材をこの目地部に配置して、上記ジョイナーの表面に上記粘着層が接着して納められてなることを特徴とする目地構造。
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JP19767297A JP3796013B2 (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 目地材および目地構造 |
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JP19767297A Expired - Lifetime JP3796013B2 (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 目地材および目地構造 |
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-
1997
- 1997-07-24 JP JP19767297A patent/JP3796013B2/ja not_active Expired - Lifetime
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