JP2024076408A - 換気部材及び換気構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】取付状態が安定した換気部材及びこれを用いた換気構造体を提供する。【解決手段】換気部材1は、板状の天板部2と、天板部2の一端側の下部に設けられ、内部に通気路6を有し、通気路6と外気とを連通させる開口4を備える本体部10と、本体部10の内側に設けられ、開口4から浸入する雨水を衝突させる障壁部7と、本体部10の下面から下方へ延びる板状の取付板部8とを備える。換気部材1は天板部2及び取付板部8の2個所で下地躯体40に固定されるから、取付状態が強固で安定したものとなる。施工の際、天板部2を下地躯体40の上面部に配置する作業によって、取付板部8の位置決めがなされると共に、その位置に保持することができるから、施工能率が良好である。障壁部7を底板部5に対し鋭角を成して延びるように形成したので、開口4ら浸入する雨水が通気路6を通過するのを妨げる効果が向上している。【選択図】 図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社ハウゼコが、株式会社ハウゼコ 2023年度版カタログ、表紙裏の目次右側頁、1頁、13頁、14頁、24頁、81頁、82頁、83頁にて、神戸睦史が発明した換気部材及び換気構造体を公開した。
本発明は、換気部材及び換気構造体に関し、特にパラペット等の笠木を備える構造体に配置される換気部材、及び、これを用いて構築される換気構造体に関するものである。
図17は、特許文献1に記載された換気構造を示す断面図である。
特許文献1には、バルコニーや屋上の外周部に構築されるパラペット等の内部を換気するための換気材及び換気構造が記載されている。図17を参照して、上部に笠木100が設けられ側部に外装材107が取り付けられる壁本体110の内側を換気するために用いられる換気材101は、笠木100に対向する笠木対向部102と、複数の換気孔が形成され笠木対向部102の端部から下方に延在した前垂れ板部103と、笠木対向部102の下方において前垂れ板部103の下端の高さ位置から前垂れ板部103から遠ざかる方向に延在した下板部104と、前垂れ板部103の下端から下方向に延在した見切り板部105とを有している。
又、特許文献1には、壁本体110と、壁本体110の上方に配置された笠木100と、壁本体110の側方に胴縁108を介して取り付けられた外装材107と、笠木100と外装材107との間に配置された換気材101とを備え、下板部104が外装材107の上端に対向すると共に、見切り板部105が外装材107の外面に沿うように換気材101を配置して構築した換気構造も記載されている。
このように構成された特許文献1記載の換気材101及び換気構造によれば、前垂れ板部103の下端から見切り板部105を延在させることで、外装材107の上端に配置した止水材106が外側へはみ出しても外観を損ねることがなく、又、止水材106がはみ出しても下板部104及び見切り板部105により換気孔が塞がれる心配がない、という効果が得られるとされている。
特開2017-197961号公報
特許文献1記載の換気材101は、笠木対向部102の一端側のみが、釘109によって壁本体110の上面部に固定される構造となっている。従って、換気材101における壁本体110から側方へ突出する前垂れ板部103、下板部104及び見切り板部105の部分は、笠木対向部102の弾性により上下方向に変位可能となっており、取付状態が安定していない。このため、外装材107の上方に換気材101を配置したときに、下板部104で止水材106を十分な力で圧縮することができず、換気材101と外装材107との間の防水性能を低下させるおそれがあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、取付状態が安定した換気部材及びこれを用いた換気構造体を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、内部に通気用空間を有する下地躯体に取り付けられる換気部材であって、下地躯体の上面部に固定される板状の天板部と、天板部の一端側の下部に設けられ、内部に通気用空間と連通し得る通気路を有し、通気路と外気とを連通させる開口を備える本体部と、本体部の内側に設けられ、開口から浸入する雨水を衝突させる障壁部と、本体部の下面から下方へ延び、下地躯体の側面部に固定される板状の取付板部とを備えるものである。
このように構成すると、天板部を下地躯体の上面部に固定し、取付板部を下地躯体の側面部に固定すると、本体部が上面部と側面部との突き合わせ部分に配置された状態で、換気部材が下地躯体に取り付けられる。外気と下地躯体の通気用空間とが、本体部の開口及び通気路を介して、連通可能となる。本体部の開口から浸入する雨水は、障壁部に衝突させて、通気用空間に達するのを妨げる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、換気部材が金属板の折り曲げ加工によって製造され、取付板部が、その下端で金属板を折り返して設けられると共に、取付板部の下端部に切欠が形成されているものである。
このように構成すると、その下端で金属板を折り返すことにより形成した取付板部は、内側に、互いに対面する金属板によって形成されるごく狭い間隙を有するものとなる。この内側の間隙は、取付板部の下端部に形成した切欠を通じて外気と連通する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、本体部は、天板部の一端部から垂下し、開口が形成された側板部と、側板部の下端から取付板部の上端まで延びる底板部とを備え、障壁部は、取付板部の上端から底板部に対し鋭角を成して側板部へ向かって延びているものである。
このように構成すると、障壁部が取付板部の上端から側板部へ向かって傾斜して延びているから、側板部に形成した開口から障壁部までの距離が短くなる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、底板部は、側板部に向かって下り勾配の傾斜を有しているものである。
このように構成すると、底板部が排水勾配を有する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、底板部と取付板部とによって形成される隅部に、弾性的に圧縮可能な止水材が配置されるものである。
このように構成すると、取付板部の表面に外装材を配置する際に、外装材が止水材を圧縮変形させる。
請求項6記載の発明は、内部に通気用空間を有する下地躯体、下地躯体の上方に配置される笠木、下地躯体の側方に配置される外装材、及び、請求項1記載の換気部材を含み、換気部材は、天板部が下地躯体の上面部に固定されると共に、取付板部が下地躯体の側面部に固定され、笠木は、天板部の上方に配置され、外装材は、取付板部の表面に配置される換気構造体である。
このように構成すると、天板部を下地躯体の上面部に固定し、取付板部を下地躯体の側面部に固定して換気部材を下地躯体に取り付けると、本体部の開口及び通気路を介して、外気と下地躯体の通気用空間とが連通可能となる。本体部の開口から浸入する雨水は、障壁部に衝突させて、通気用空間に達するのを妨げる。
請求項1記載の発明によれば、換気部材が天板部及び取付板部の2個所で下地躯体に固定されるから、換気部材の取付状態が強固で安定したものになる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、取付板部の内側の間隙に浸入した水を、下端部に形成した切欠から外部へ流出させることができるから、取付板部が腐食しにくくなる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、開口から浸入する雨水を直ちに障壁部に衝突させることができるから、雨水が通気路を通過するのを妨げる効果が向上する。
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、開口から内部へ浸入して底板部上に付着した雨水を外部へ効率的に排出できるから、換気部材内の湿度の上昇を抑えられる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、換気部材の取付状態が強固で安定したものになっているから、外装材を取り付ける際に、外装材で止水材を確実に圧縮することができる。これにより、換気部材と外装材との間の隙間を水密的に閉塞して、信頼性に優れた止水構造を形成できる。
請求項6記載の発明によれば、換気部材が天板部及び取付板部の2個所で下地躯体に固定されるから、換気部材の取付状態が強固で安定したものになる。
本発明の第1の実施の形態による換気部材を示す中間省略した斜視図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材の中間省略した正面図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材の中間省略した背面図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材の中間省略した平面図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材の中間省略した底面図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材の拡大した左側面図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材を用いて構築した換気構造体を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材を用いて換気構造体を構築する手順を説明するための図面であって、下地躯体、換気部材、及び防水材を分離して示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による換気部材を用いて換気構造体を構築する手順を説明するための図面であって、笠木、笠木取付具、及び外装材を分離して示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態による換気部材を示す中間省略した斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による換気部材の中間省略した正面図である。 本発明の第2の実施の形態による換気部材の中間省略した背面図である。 本発明の第2の実施の形態による換気部材の中間省略した平面図である。 本発明の第2の実施の形態による換気部材の中間省略した底面図である。 本発明の第2の実施の形態による換気部材の拡大した左側面図である。 本発明の第2の実施の形態による換気部材を用いて構築した換気構造体を示す断面図である。 特許文献1に記載された換気構造を示す断面図である。
[第1の実施の形態]
図1~図6は本発明の第1の実施の形態による換気部材を示すものであって、図1は中間省略した斜視図であり、図2は中間省略した正面図であり、図3は中間省略した背面図であり、図4は中間省略した平面図であり、図5は中間省略した底面図であり、図6は拡大した左側面図である。
本例の換気部材1は、上方に笠木が配置され側方に外装材が配置されるパラペット等の構造体に取り付けられるものであって、例えばガルバリウム鋼板(登録商標)等の錆びにくい金属板を折り曲げ加工することによって製造される長尺な形態の製品である。
図1~6を参照して、換気部材1の基本的な構成を説明すると、板状の天板部2と、天板部2の一端側の下部に設けられ、内部に通気路6を有し、通気路6と外気とを連通させる開口4を備える本体部10と、本体部10の内側に設けられ、開口4から浸入する雨水を衝突させる障壁部7と、本体部10の下面から下方へ延びる板状の取付板部8とを備えるものとなっている。
本例の本体部10は、天板部2の一端部から垂下し、複数の開口4が形成された側板部3と、側板部3の下端から取付板部8の上端まで延びる底板部5とを備え、障壁部7は、取付板部8の上端から底板部5に対し鋭角を成して側板部3へ向かって延びるように形成されている。
又、取付板部8が、その下端で金属板を折り返して設けられる場合、この取付板部8の下端部には適宜間隔で複数の切欠9を形成するのが好ましい。
底板部5と取付板部8とによって形成される隅部には、止水材S1が配置される。止水材S1は、弾性変形可能であって不透水性を有し、長期間にわたり劣化しにくい材料から成り、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が用いられる。
本例の天板部2は、自由端2d側の主部2aと、主部2aに対しわずかな角度α1で折れ曲がる側板部3側の傾斜部2bとを含む。これにより、傾斜部2bには、側板部3へ向かって角度α1の緩やかな下り勾配が付与される。又、主部2aの長さ、即ち主部2aと傾斜部2bとの境界2cから自由端2dまでの長さは、主部2aを下地躯体の上面に配置したときに、所定以上の重なり量が得られる寸法に設定される。
本例の底板部5は、取付板部8との成す角度が直角よりもわずかに小さく設定され、これにより、側板部3へ向かって緩やかに下る角度α2の排水勾配が付与される。
図6を参照して、傾斜部2bの勾配の角度α1及び底板部5の勾配の角度α2は、例えば3度に設定される。又、底板部5に対する障壁部7の成す角度α3は、例えば45度に設定される。但し上記の数値は一例であって、適宜変更可能なものである。
尚、側板部3及び取付板部8は、その延長方向が、天板部2の主部2aの延長方向と直交するように設定されている。
次に、上述した換気部材1を用いて構築される換気構造体について説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態による換気部材を用いて構築した換気構造体を示す断面図であり、図8は、同換気構造体を構築する手順を説明するための図面であって、下地躯体、換気部材、及び防水材を分離して示す断面図であり、図9は、同換気構造体を構築する手順を説明するための図面であって、笠木、笠木取付具、及び外装材を分離して示す断面図である。
初めに図7を参照して、換気構造体の構成を概略的に説明する。この換気構造体は、内部に通気用空間41を有する下地躯体40、下地躯体40の上方に配置される笠木70、下地躯体40の側方に配置される外装材60、及び、上記の換気部材1を含む。換気部材1は、天板部2が下地躯体40の上面部に固定されると共に、取付板部8が下地躯体40の側面部に固定される。笠木70は、天板部2の上方に配置され、外装材60は、取付板部8の表面を覆うように下地躯体40の側方に配置される。本例の下地躯体40は、上面部分を構成する笠木下地42と、側面部分を構成する壁下地43とを有し、これらの内側が中空の通気用空間41となされている。外装材60は、例えばサイディング材や壁材である。
次に、上に述べた換気構造体を構築する手順について説明する。
(1)図8を参照して、従来の工法と同様の手法により、下地躯体40における壁下地43の表面を、防水紙等の透湿性を有する防水シート52で覆った後、笠木下地42の上端面を含む上部領域を、防水性能がより高い鞍掛シート51で覆う。
(2)壁下地43の表面に、防水シート52を介し、胴縁44を、適宜間隔を置いて取着する。
(3)引き続き、換気部材1を下地躯体40の上部側に取り付ける。そのため先ず、換気部材1における天板部2の主部2aを、下地躯体40の上端面を覆う鞍掛シート51の表面上に載置すると共に、取付板部8を胴縁44の表面に当接させる。これにより、換気部材1の位置決めがなされる。次いで、釘又はビス55を、取付板部8を挿通させて胴縁44に打ち込み、取付板部8を胴縁44に固定する。この作業により、換気部材1が、下地躯体40の所定位置に取り付けられる。
(4)続けて、図9を参照して、外装材60を、従来公知の方法で、胴縁44を介し下地躯体40の側方に装着する。この時、外装材60の上端面及び背面の上端側で、取付板部8の表面に配置した止水材S1を弾性的に圧縮変形させる。こうすると、止水材S1が外装材60と取付板部8との間を水密的に充填して止水構造を形成するので、この部分から下地躯体40側への浸水が阻止される。
尚、上記(2)~(4)の作業は、下地躯体40の両側において同等に実施されるものである。
(5)更に、下地躯体40の上面側において、換気部材1の天板部2における自由端側の縁部を、防水テープ等の防水材50で覆う。これにより、天板部2と鞍掛シート51との間の隙間から、下地躯体40側への漏水が生じるのを防止することができる。
(6)更に続けて、下地躯体40の笠木下地42に、釘やビス等(不図示)を用いて笠木取付具65を固定する。笠木取付具65の固定により、換気部材1の天板部2も、笠木下地42に止め付けられる。
(7)最後に、笠木70を、換気部材1及び下地躯体40の上面を覆うように、笠木取付具65に装着すれば、図7に示すような換気構造体を得ることができる。
このようにして構築された換気構造体は、換気部材1の本体部10の開口4及び通気路6を通じて、外気と下地躯体40の通気用空間41とが連通可能となり、通気用空間41から、透湿性の防水シート52を介し、湿気を排出することが可能となる。その結果、下地躯体40の内部が多湿化するのを防ぎ、下地躯体40の腐食や換気部材1の錆びの発生を抑止して、換気構造体の長寿命化を図ることができる。
又、雨天時に換気部材1の開口4から本体部10内に雨水が浸入することがあるが、この雨水は障壁部7に衝突させるように構成されているので、雨水が下地躯体40にまで到達しにくくなっている。
特に本例では、障壁部7を、取付板部8の上端から底板部5に対し鋭角(α3)を成して側板部3へ向かって延びるように形成したので、側板部3に形成した開口4から障壁部7までの距離が短くなっている。そのため、開口4から浸入する雨水を直ちに障壁部7に衝突させることができ、雨水が通気路6を通過するのを妨げる効果が向上している。
又、天板部2の一部(傾斜部2b)及び底板部5に、施工状態において、側板部3へ向かって下る排水勾配を付与したので、笠木70の下に吹き込まれた雨水が天板部2の一部及び底板部5に付着しても、それらを効率的に外部へ排出することができる。これにより、換気部材1の周囲や内部の湿度が上昇するのが抑えられ、腐食しにくい環境を形成し易くなる。
換気部材1を金属板の折り曲げ加工によって製造するにあたり、取付板部8をその下端で金属板を折り返して設けた場合、取付板部8は、その内側に、互いに対面する金属板によって形成されるごく狭い間隙を有するものとなる。そして、この間隙には、水が溜まる可能性が有る。そこで本例では、取付板部8の下端部に切欠9を形成し、内側の間隙を外気と連通させるように構成した。この構成により、取付板部8の内側の間隙に浸入した水を、下端に形成した切欠9から外部へ排出することができるから、取付板部8が腐食しにくくなる。
ところで本例では、換気部材1を天板部2及び取付板部8の2個所で下地躯体40に固定する構造を採用しており、それによって換気部材1の取付状態が強固で安定したものとなるという効果を得ている。従って、外力に対し換気部材1の底板部5が変位しにくいので、外装材60を取り付ける際、その上端部で止水材S1を確実に弾性的に圧縮することができる。これにより、換気部材1と外装材60との間の隙間を水密的に閉塞して、信頼性の高い止水構造を形成することができる。
又、換気構造体を施工する際、天板部2を下地躯体40の上面部に配置する作業によって、取付板部8の下地躯体40に対する位置決めがなされると共に、換気部材1をその位置に保持することができるから、施工能率が良好であるという利点も有している。
[第2の実施の形態]
図10~図15は、本発明の第2の実施の形態による換気部材を示すものであって、図10は中間省略した斜視図であり、図11は中間省略した正面図であり、図12は中間省略した背面図であり、図13は中間省略した平面図であり、図14は中間省略した底面図であり、図15は拡大した左側面図である。
本例の換気部材21は、第1の実施の形態に係る換気部材1と、その用途及び基本的な構成は共通である。即ち、本例の換気部材21は、パラペット等の構造体に取り付けられるものであって、金属板の折り曲げ加工によって製造される長尺な形態の製品であり、板状の天板部22と、天板部22の一端側の下部に設けられ、内部に通気路26を有し、通気路26と外気とを連通させる開口24を備える本体部30と、本体部30の内側に設けられ、開口24から浸入する雨水を衝突させる障壁部27と、本体部30の下面から下方へ延びる板状の取付板部28とを備えるものとなっている。
天板部22は、自由端側の主部22aと、主部22aに対しわずかな角度で折れ曲がる傾斜部22bとを含む。本体部30は、天板部22の一端部から垂下し、複数の開口24が形成された側板部23と、側板部23の下端から取付板部28まで延びる底板部25とを備える。底板部25は、取付板部28との成す角度が直角よりもわずかに小さく設定され、これにより底板部25には、側板部23へ向かう緩やかな下り勾配が付与されている。底板部25と取付板部28とによって形成される隅部には、EPDM等から成る止水材S2が配置される。
本例では、障壁部27が、取付板部28の上端から取付板部28と面一に上方へ延びるように形成されている点で、第1の実施の形態と異なる。このような形態とすることにより、本例の換気部材21は、障壁部27を金属板の折り返しによって形成し、取付板部28の部分は単板で形成できるので、第1の実施の形態よりも必要な折り曲げ回数が少なくなる。又、取付板部28の下端に切欠を形成する必要もなくなっている。その結果、本例では、第1の実施の形態よりも製造工数が減少しているから、第1の実施の形態よりも生産性を高めることが可能である。
図16は、本発明の第2の実施の形態による換気部材を用いて構築した換気構造体を示す断面図である。
本例の換気部材21を用いた換気構造体の構成、及び、その施工手順についても、第1の実施の形態と共通である。本例の換気部材21を用いた換気構造体を構築する手順は以下のようになる。
(1′)下地躯体40における壁下地43の表面を防水シート52で覆った後、笠木下地42の上端面を含む上部領域を鞍掛シート51で覆う。
(2′)壁下地43の表面に、防水シート52を介し、胴縁44を、適宜間隔を置いて取着する。
(3′)換気部材21における天板部22の主部22aを、下地躯体40の上端面を覆う鞍掛シート51の表面上に載置すると共に、取付板部28を胴縁44の表面に当接させて、換気部材21の位置決めを行う。次いで、釘又はビス55を打ち込んで、取付板部28を胴縁44に固定し、換気部材21を、下地躯体40の所定位置に取り付ける。
(4′)続けて、外装材60を、胴縁44を介し、下地躯体40の側方に装着する。この時、外装材60の上端面及び背面の上端側で止水材S2を弾性的に圧縮変形させ、外装材60と取付板部28との間を水密的にシールする。
上記(2)~(4)の作業を、下地躯体40の両側において同等に実施する。
(5′)下地躯体40の上面側において、換気部材21の天板部22における自由端側の縁部を防水材50で覆う。
(6′)下地躯体40の笠木下地42に、釘やビス等(不図示)を用いて、笠木取付具65を固定する。
(7′)笠木70を、笠木取付具65に装着して、図16に示す換気構造体を得る。
このようにして構築された換気構造体は、換気部材21の開口24及び通気路26を通じて、外気と下地躯体40の通気用空間41とを連通可能とし、それにより、透湿性の防水シート52を介し、通気用空間41から湿気を排出できる点は、第1の実施の形態と共通である。
又、換気部材21の開口24から本体部30内に浸入する雨水は、障壁部27に衝突させて、下地躯体40の通気用空間41に到達させにくくする点も同様である。
更に、本例の換気部材21が、取付状態が強固で安定したものとなるという効果、及び、施工能率が良好であるという効果が得られる点も共通である。
尚、上述した各実施の形態では、換気部材を、金属板の折り曲げ加工によって製造したが、金属材料の鋳造成形、射出成形、押出成形等によって製造してもよい。或いは、複数部分に分割し、それらを接着や溶接によって結合して換気部材を製造してもよい。更に、金属材料に代えて、合成樹脂材料により換気部材を製造してもよい。
又、上述の各実施の形態では、天板部の一部及び底板部に、側板部へ向かう下り勾配を付与したが、これらを施工状態において水平となるように形成してもよい。
更に又、上述の各実施の形態では、天板部の自由端側を防水材で覆う構成としたが、天板部の下面を、接着剤や両面粘着テープ等で貼り付ける構成としてもよい。
更に又、第1の実施の形態では、取付板部の下端に複数の切欠を形成したが、この切欠を省略してもよい。
更に又、上述の各実施の形態では、換気部材と外装材との間をEPDM製の止水材でシールしているが、両者の間の隙間を、コーキング材等で充填する構成としてもよい。
1…換気部材
2…天板部
3…側板部
4…開口
5…底板部
6…通気路
7…障壁部
8…取付板部
9…切欠
10…本体部
21…換気部材
22…天板部
23…側板部
24…開口
25…底板部
26…通気路
27…障壁部
28…取付板部
30…本体部
40…下地躯体
41…通気用空間
42…笠木下地
43…壁下地
44…胴縁
50…防水材
52…防水シート
55…釘又はビス
60…外装材
65…笠木取付具
70…笠木
S1…止水材
S2…止水材
α1…天板部の傾斜部の角度
α2…底板部の角度
α3…障壁部の角度
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、内部に通気用空間を有する下地躯体に取り付けられる換気部材であって、下地躯体の上面部に固定される板状の天板部と、天板部の一端側の下部に設けられ、内部に通気用空間と連通し得る通気路を有し、通気路と外気とを連通させる開口を備え、通気路の下面を形成する底板部を有する本体部と、本体部の内側に設けられ、開口から浸入する雨水を衝突させる障壁部と、本体部の底板部の下面から下方へ延び、下地躯体の側面部に固定される板状の取付板部とを備えるものである。

Claims (6)

  1. 内部に通気用空間を有する下地躯体に取り付けられる換気部材であって、
    前記下地躯体の上面部に固定される板状の天板部と、
    前記天板部の一端側の下部に設けられ、内部に前記通気用空間と連通し得る通気路を有し、前記通気路と外気とを連通させる開口を備える本体部と、
    前記本体部の内側に設けられ、前記開口から浸入する雨水を衝突させる障壁部と、
    前記本体部の下面から下方へ延び、前記下地躯体の側面部に固定される板状の取付板部とを備える、
    換気部材。
  2. 金属板の折り曲げ加工によって製造され、
    前記取付板部が、その下端で前記金属板を折り返して設けられると共に、
    前記取付板部の下端部に切欠が形成されている、
    請求項1記載の換気部材。
  3. 前記本体部は、前記天板部の前記一端部から垂下し、前記開口が形成された側板部と、前記側板部の下端から前記取付板部の上端まで延びる底板部とを備え、
    前記障壁部は、前記取付板部の前記上端から前記底板部に対し鋭角を成して前記側板部へ向かって延びている、
    請求項1又は請求項2記載の換気部材。
  4. 前記底板部は、前記側板部に向かって下り勾配の傾斜を有している、請求項3記載の換気部材。
  5. 前記底板部と前記取付板部とによって形成される隅部に、弾性的に圧縮可能な止水材が配置される、請求項4記載の換気部材。
  6. 内部に通気用空間を有する下地躯体、
    前記下地躯体の上方に配置される笠木、
    前記下地躯体の側方に配置される外装材、及び、
    請求項1記載の換気部材を含み、
    前記換気部材は、前記天板部が前記下地躯体の上面部に固定されると共に、前記取付板部が前記下地躯体の側面部に固定され、
    前記笠木は、前記天板部の上方に配置され、
    前記外装材は、前記取付板部の表面に配置される、
    換気構造体。
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