JP4136563B2 - ニードルパンチ柄加工ミシン及び加工方法 - Google Patents

ニードルパンチ柄加工ミシン及び加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて基布の表面に出すことにより、基布の表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ針を備えたニードルパンチ柄加工ミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のニードルパンチ柄加工を行うミシンは、図11(a)に示すように、ニードルパンチ柄84の所望形状に裁断した当て布80を基布81の裏面に重ね合わせるとともに、針先端の分布範囲がニードルパンチ柄84の所望形状よりも大きくなるように配列した多数のニードルパンチ針82を当て布80側から刺すことで基布81の表面に図11(b)に示すようにニードルパンチ柄84を一括形成するものがあったが、ニードルパンチ柄84が一括形成されるのでニードルパンチ柄加工の効率は良いものの、当て布80が重なっていない基布81の部分にまでニードルパンチ針82が刺されて基布81が傷む場合があった。また、当て布80を所望形状に精度良く裁断しておく必要があった(例えば特許文献1参照。)。
そこで、ニードルパンチ柄の所望形状よりもやや大きめに裁断した当て布98を重ね合わせて粗く縫製した基布97を刺繍枠に展張保持し、刺繍枠を駆動して基布97及び当て布98のニードルパンチ柄99の所望形状の全体に対応する位置に、図12(a)に示す状態から図12(b)に示す状態となるまで、1本(又は複数本)のニードルパンチ針を順次刺してニードルパンチ柄99を形成するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−172566号公報(第2−3頁、第3図、第5図、第7図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のミシンでは、基布97及び当て布98のニードルパンチ柄99の所望形状の全体に対応する位置に終始1本(又は複数本)のニードルパンチ針を刺してゆくので、当て布98が重なっていない基布97の部分がニードルパンチ針を刺さされず傷まないものの、ニードルパンチ柄加工の効率が悪かった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、基布を傷めずに短時間でニードルパンチ柄加工を行えるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るニードルパンチ柄加工ミシンは、基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ針を備えたニードルパンチ柄加工ミシンにおいて、多数のニードルパンチ針を針先端の分布範囲がニードルパンチ柄の所望形状と略同一となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる一括加工針と、前記基布を展張保持する縫製枠とを備え、一括加工針によりニードルパンチ柄の所望形状を、前記縫製枠を駆動することなく、一括形成するように構成したことを特徴としている。
【0007】
本発明のニードルパンチ柄加工方法は、ニードルパンチ針により、基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ柄加工方法において、前記基布を縫製枠に展張保持し、針先端の分布範囲がニードルパンチ柄の所望形状と略同一である多数の互いに間隔をおいたニードルパンチ針により、ニードルパンチ柄の所望形状を、前記縫製枠を駆動することなく、一括形成することを特徴としている。
【0008】
「ニードルパンチ柄の所望形状」は、特に限定されないが、所望形状の内部全体や、所望形状を中抜きしたものや、分離された図形等を例示できる。
【0009】
一括加工針を構成するニードルパンチ針の間隔は、特に限定されない。また、一括加工針を構成するニードルパンチ針の数は、特に限定されないが、ニードルパンチ柄の所望形状の面積、ニードルパンチ針の間隔等により適宜選定される。
【0010】
当て布の大きさは、ニードルパンチ柄の所望形状よりも大きければよい。但し、当て布の大きさがニードルパンチ柄の所望形状に比べて大きすぎると、当て布が基布からめくれやすくなるので、当て布はニードルパンチ柄の所望形状よりやや大きく裁断しておくことが好ましい。また、当て布が基布からめくれないように、当て布を基布に重ね合わせた状態で縫い止めステッチ等の縫製を施しておくことが好ましい。
【0011】
本発明に係る別のニードルパンチ柄加工ミシンは、基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ針を備えたニードルパンチ柄加工ミシンにおいて、相対的に多数のニードルパンチ針を針先端の分布範囲が相対的に広範囲となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる能率加工針と、一本のニードルパンチ針よりなるか又は相対的に少数のニードルパンチ針を針先端の分布範囲が相対的に狭範囲となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる要所加工針とを備え、能率加工針によりニードルパンチ柄の大部分を能率的に形成し、要所加工針によりニードルパンチ柄の要所を高精度に形成するように構成したことを特徴としている。
【0012】
本発明の別のニードルパンチ柄加工方法は、ニードルパンチ針により、基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ柄加工方法において、針先端の分布範囲が相対的に広範囲である相対的に多数の互いに間隔をおいたニードルパンチ針により、ニードルパンチ柄の大部分を能率的に形成し、一本のニードルパンチ針により又は針先端の分布範囲が相対的に狭範囲である相対的に少数の互いに間隔をおいたニードルパンチ針により、ニードルパンチ柄の要所を高精度に形成することを特徴としている。
【0013】
「ニードルパンチ柄の要所」とは、ニードルパンチ柄の輪郭部分や込み入った部分という意味である。
【0014】
能率加工針を構成するニードルパンチ針の間隔は、特に限定されない。能率加工針を構成するニードルパンチ針の数や配列は、特に限定されないが、ニードルパンチ柄の所望形状の大きさや形状により適宜選定される。
【0015】
要所加工針が二本以上のニードルパンチ針により構成される場合、要所加工針を構成するニードルパンチ針の間隔は、特に限定されない。要所加工針を構成するニードルパンチ針の数や配列は、特に限定されないが、ニードルパンチ柄の要所の大きさや形状により適宜選定される。
【0016】
「相対的に広範囲」及び「相対的に狭範囲」とは、共に特に限定されないが、能率加工針を構成するニードルパンチ針の間隔と要所加工針を構成するニードルパンチ針の間隔とが略等しい場合、能率加工針が要所加工針よりも一本以上多ければよい。
【0017】
また、能率加工針と要所加工針とは、同一のミシンヘッドに設けられた別の針棒にそれぞれ取着されていてもよいし、別のミシンヘッドの針棒にそれぞれ取着されていてもよい。
【0018】
当て布の大きさは、ニードルパンチ柄の所望形状よりも大きければよい。但し、当て布の大きさがニードルパンチ柄の所望形状に比べて大きすぎると、当て布が基布からめくれやすくなるので、当て布はニードルパンチ柄の所望形状よりもやや大きく裁断しておくことが好ましい。また、当て布が基布からめくれないように、当て布を基布に重ね合わせた状態で縫い止めステッチ等の縫製を施しておくことが好ましい。
【0019】
当て布は、ニードルパンチ柄加工後に基布からめくれないように、ニードルパンチ柄加工の前にニードルパンチ柄の所望形状よりもやや大きく裁断しておき、基布と重ね合わせて縫い止めステッチを施してもよい。また、当て布のニードルパンチ柄の輪郭部分に対応する位置が、要所加工針により基布に密着させるので、当て布をニードルパンチ柄の所望形状と略同一形状に裁断して、縫い止めステッチを省略してもよい。
【0020】
一括加工針、能率加工針又は要所加工針に用いるニードルパンチ針は、特に限定されないが、次の二態様を例示できる。
(a)当て布と当て布の下側に重ね合わせた基布とに上方から突き刺すときに当て布の一部繊維を引掛けて基布の下面に押し出すタイプ。
(b)基布と基布の下側に重ね合わせた当て布とに上方から突き刺して上方へ引き抜くときに当て布の一部繊維を引掛けて基布の上面に引っ張り出すタイプ。
【0021】
上記(b)の場合、基布と当て布とが従来より強い力で引き上げられるので、ニードルパンチ針には布押さえを設けることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を単頭式ミシンに具体化した第一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。本実施形態のミシンは、テーブル1の上側に支持されたミシンヘッド3と、ミシンヘッド3の直下位置に設けられたベッド4とを備えており、ミシンヘッド3には、上下動可能に支持されるとともに駆動モータ(図示略)により上下駆動される針棒5が内蔵されている。
【0023】
また、本実施形態のミシンは、基布11の裏面に重ね合わせられた当て布12の一部繊維12aを引掛けて基布11の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄13を形成するニードルパンチ針16を備えたニードルパンチ柄加工ミシンにおいて、多数のニードルパンチ針16を針先端の分布範囲がニードルパンチ柄13の所望形状と略同一となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる一括加工針17を備え、一括加工針17によりニードルパンチ柄13の所望形状を一括形成するように構成されている。
【0024】
テーブル1の上側には、四角枠状の縫製枠10が載置され、基布11が表面を上側にして展張保持されている。基布11の下面(基布11の裏面)には、ニードルパンチ柄13の所望形状よりやや大きめに裁断された当て布12が重ね合わされている。当て布12と基布11との間には、糊をスプレー状に吹きつける等して仮接着が施されている。なお、当て布12と基布11とを糊で仮接着する代わりに、当て布12と基布11とを仮縫いしてもよい。なお、縫製枠10を用いないで、テーブル1上に載置した基布11と当て布12とを作業者が手で保持してもよい。
【0025】
また、針棒5の下端には、一括加工針17を備えた針支持部材15が配されて、針棒5の下端にネジ止めされている。針支持部材15は、平面正方形状の針支持部15aと、針支持部15aの上側に突出して針棒5にネジ止めされる取付部15bとからなっている。針支持部15aの下面には、ニードルパンチ柄の所望形状(図示例では熊の顔を模った形状)に沿って例えば略5mm間隔に穴15cが形成され、該穴15cには一括加工針17を構成する多数のニードルパンチ針16の基端がそれぞれ圧入固定されている。
【0026】
各ニードルパンチ針16は、丸棒状の基端部16aと、断面略正三角形状の途中部16bと、針先16cとで構成されている。途中部6bの三つの角には、針の長さ方向に所定間隔をおいて二つずつ凹部16dが形成され、該凹部16dの下縁には、図3(a)及び図3(b)に示すように、鉤16eが形成されている。
【0027】
また、ニードルパンチ針16の近傍には、基布11に上方から当接して基布11と当て布12とが浮き上がるのを押さえる布押さえ20が設けられている。布押さえ20は、透明樹脂を用いて有底四角筒状に形成され、その上部開口端にネジ止めされた取付金具20aを介してミシンヘッド3の下端に取付けられている。
【0028】
布押さえ20の底部には、各ニードルパンチ針16の直下となる位置に、各ニードルパンチ針16を遊通させる遊通穴20bが貫設されている。布押さえ20は、透明樹脂で形成されているので、基布11の上面のニードルパンチ柄13の状態を目視確認しながら加工を続けることができる。
【0029】
また、ベッド4の上面であって、各ニードルパンチ針16の直下となる位置には、各ニードルパンチ針16を進入させて逃がす針穴18がそれぞれ形成されている。
【0030】
次に、本実施形態のニードルパンチ柄加工ミシンを用いたニードルパンチ柄加工方法について説明する。
(1)基布及び当て布の保持
まず、図4(a)に示すように、ニードルパンチ柄13の所望形状よりもやや大きく裁断した当て布12が、基布11の裏面に重ね合わせられるとともに、当て布12と基布11とが糊で仮接着される。そして、当て布12が仮接着された基布11を、基布11の表面を上側にして、縫製枠10に展張保持させる。
(2)ニードルパンチ柄加工
次に、ミシンを駆動して一括加工針17を図4(b)及び図4(c)に示すように上下に駆動する。すると、多数のニードルパンチ針16が、互いに略等間隔で、針先端の分布範囲がニードルパンチ柄13の所望形状と略同一となるように針支持部材15に固定されているので、ニードルパンチ針16の基布11及び当て布12に対する針落ち点は、所望形状と略同一に分布する。そして、ニードルパンチ針16が基布11及び当て布12から引き抜かれる時には、鉤16eが当て布12の一部繊維12aを引掛けて基布11の表面に引っ張り出すので、ニードルパンチ柄13の所望形状が基布11の表面に一括形成される。
【0031】
本実施形態のニードルパンチ柄加工ミシン及び加工方法によれば、多数のニードルパンチ針16を針先端の分布範囲がニードルパンチ柄13の所望形状と略同一となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる一括加工針17を、基布11の当て布12が重なった部分に針落ちさせるので、基布11の当て布12が重なっていない部分を傷めることがない。また、一括加工針17によりニードルパンチ柄13の所望形状が一括形成されるので、効率的に短時間でニードルパンチ柄13の加工が行える。また、縫製枠10を駆動する必要がないため、縫製枠駆動装置を省略することができ、ミシンのコストを低減することができる。
【0032】
次に、本発明を多針式ミシンに具体化した第二実施形態について図5〜図6を用いて説明する。本実施形態のミシンは、基布21の裏面に重ね合わせられた当て布22の一部繊維22aを引掛けて基布21の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄23を形成するニードルパンチ針38を備えたニードルパンチ柄加工ミシンであって、ミシンヘッド30の内部に設けられた複数本の針棒(図示例では針棒32と針棒33)の中から一本の針棒を選択駆動する多針式ミシンである。
【0033】
ミシンヘッド30の下方には、縫製枠駆動装置(図示略)によりX方向とY方向とに駆動される四角枠状の縫製枠25が設けられている。縫製枠25には、基布21が表面を上側にして展張保持され、該基布21の下面(基布21の裏面)にはニードルパンチ柄23の所望形状(図示例では熊の顔を模った形状)よりもやや大きく裁断された当て布22が、基布21の裏面に糊で仮接着されている。なお、縫製枠25と縫製枠駆動装置とを用いずに、基布21と当て布22とを作業者が手で動かしてもよい。
【0034】
また、本実施形態のミシンは、相対的に多数のニードルパンチ針38を針先端の分布範囲が相対的に広範囲となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる能率加工針39と、一本のニードルパンチ針38を針先端の分布範囲が相対的に狭範囲となるように配してなる要所加工針40とを備え、能率加工針39によりニードルパンチ柄23の大部分を能率的に形成し、要所加工針40によりニードルパンチ柄23の要所を高精度に形成するように構成されている。
【0035】
即ち、針棒32の下端には、針支持材41を介して能率加工針39が設けられている。針支持材41は、平面正方形に形成された針支持部41aと、針支持部41aの上側に突出して針棒32にネジ止めされた取付部41bとからなっている。針支持部41aの下側には、X方向とY方向とに例えば5mm間隔で6列ずつ能率加工針39を構成する36本のニードルパンチ針38が配されて、針支持部41aの下面に凹設された穴にその基端部がそれぞれ圧入されている。
【0036】
もう一つの針棒33の下端には、要所加工針40を構成する一本のニードルパンチ針38がネジ止めされている。
【0037】
また、ミシンヘッド30には、左右方向にスライド可能に支持されるとともに針棒32,33を上下摺動可能に支持する四角枠状の可動ブロック34が設けられている。可動ブロック34には、各針棒32,33に対応して連動する布押さえ50,51が設けられている。
【0038】
布押さえ50は、透明樹脂で中空直方体状に形成されるとともに、能率加工針39のニードルパンチ針38と針支持材41とを包み込むように形成され、その底部には各ニードルパンチ針38を遊通させる遊通穴70が貫設されている。
【0039】
また、布押さえ50,51の下方には、ベッド29が設けられている。ベッド29の上面には、能率加工針39のニードルパンチ針38又は要所加工針40のニードルパンチ針38を進入させて逃がす針穴72が設けられている。
【0040】
次に、本実施形態のニードルパンチ柄加工ミシンを用いたニードルパンチ柄加工方法について説明する。
(1)基布及び当て布の保持
第一実施形態のニードルパンチ柄加工方法と同様に、ニードルパンチ柄の所望形状よりもやや大きく裁断した当て布22が、基布21の裏面に重ね合わせられるとともに、当て布22と基布21とが糊で仮接着される。そして、当て布22が仮接着された基布21を、基布21の表面を上側にして、縫製枠25に展張保持させる。
(2)能率加工針によるニードルパンチ柄加工
次に、ニードルパンチ柄データに基づいて、縫製枠駆動装置を駆動して基布21と当て布22とを駆動するとともに、能率加工針39を上下に駆動させる。すると、能率加工針39は基布21と当て布22とが重なっている部分であってニードルパンチ柄23の所望形状からはみ出さない範囲に針落ちする。このとき、針先端の分布範囲が要所加工針40よりも相対的に広範囲であって36本の互いに間隔をおいた能率加工針39のニードルパンチ針38により、図6(a)に示すように、ニードルパンチ柄23の大部分(図示例では熊の顔の大部分)が能率的に形成される。
(3)要所加工針によるニードルパンチ加工
次に、ニードルパンチ柄データに基づいて、縫製枠駆動装置を駆動して基布21と当て布22とを駆動するとともに、針棒33を介して要所加工針40を上下に駆動させる。すると、要所加工針40は基布21と当て布22とが重なっている部分であってニードルパンチ柄23の所望形状の込み入った部分(図示例では熊の耳の部分)と輪郭部分(図示例では熊の顔の輪郭部分)とに針落ちする。このとき、要所加工針40の一本のニードルパンチ針38は、針先端の分布範囲が36本のニードルパンチ針38からなる能率加工針39よりも相対的に狭範囲であり、能率加工針39よりも相対的に少数であることから、図6(b)に示すように、ニードルパンチ柄23の要所(図示例では熊の顔の輪郭部分と耳の部分)が高精度に形成される。
【0041】
本実施形態のニードルパンチ柄加工ミシン及び加工方法によれば、相対的に多数のニードルパンチ針38を針先端の分布範囲が相対的に広範囲となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる能率加工針39を基布21と当て布22とが重なっている部分に針落ちさせて、一本のニードルパンチ針38よりなる要所加工針40も基布21と当て布22とが重なっている部分に針落ちさせるので基布21の当て布22が重なっていない部分を傷付けない。また、能率加工針39によりニードルパンチ柄23の大部分を能率的に形成し、要所加工針40によりニードルパンチ柄23の要所を高精度に形成することにより、効率的に短時間でニードルパンチ柄加工を行うことができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。
(1)図7に示すように、一括加工針17と刺繍針90とを一つのミシンヘッド91に設け、一括加工針17と刺繍針90とを切り替え駆動することによりニードルパンチ柄加工と刺繍加工とを両方行えるようにすること。
(2)図8に示すように、能率加工針39を一括加工針17に変更して、一括加工針17と要所加工針40とを一つのミシンヘッド92に設けること。
(3)複数のミシンヘッドを設け、能率加工針と要所加工針とを別のミシンヘッドに設けるとともに能率加工針と要所加工針とを切り替えて駆動すること。
(4)布押さえの構成を適宜変更すること。
(5)図9(a)や図9(b)に示すように、ニードルパンチ柄13の所望形状を、分離された形状や中抜き形状にして一括加工針17を構成するニードルパンチ針16の配列を適宜変更すること。
(6)図10に示すように、ニードルパンチ柄13の所望形状よりも十分大きい当て布12に変更すること。同様にニードルパンチ柄23の所望形状よりも十分大きい当て布22に変更すること。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、請求項1記載のニードルパンチ柄加工ミシン及び請求項2記載の加工方法によれば、基布を傷めることなく短時間でニードルパンチ柄加工を行うことができる。また、縫製枠駆動装置を省いてミシンのコストを低減することができる。また、請求項3記載のニードルパンチ柄加工ミシン及び請求項4記載の加工方法によれば、縫製枠駆動装置を省くことはできないものの、基布を傷めることなく短時間でニードルパンチ柄加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るニードルパンチ柄加工ミシンの要部を示す斜視図である。
【図2】同ミシンを示す斜視図である。
【図3】同ミシンの要部を示す(a)は底面図、(b)は正面図である。
【図4】同ミシンによるニードルパンチ柄加工の状態を示す(a)は斜視図、(b)は図4(a)の異なる状態を示す斜視図、(c)は図4(a)及び図4(b)と異なる状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係るニードルパンチ柄加工ミシンの正面図ある。
【図6】同ミシンによるニードルパンチ柄加工の状態を示す(a)は平面図、(b)は加工終了状態を示す平面図である。
【図7】本発明の変更例を示すニードルパンチ柄加工ミシンの斜視図である。
【図8】本発明の別の変更例を示すニードルパンチ柄加工ミシンの斜視図である。
【図9】本発明の別の変更例を示すニードルパンチ柄加工ミシンの要部底面図である。
【図10】本発明の別の変更例を示す平面図である。
【図11】従来のニードルパンチ柄加工を示す平面図である。
【図12】従来のニードルパンチ柄加工を示す平面図である。
【符号の説明】
11 基布
12 当て布
16 ニードルパンチ針
17 一括加工針

Claims (4)

  1. 基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて前記基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ針を備えたニードルパンチ柄加工ミシンにおいて、
    多数のニードルパンチ針を針先端の分布範囲がニードルパンチ柄の所望形状と略同一となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる一括加工針と、前記基布を展張保持する縫製枠とを備え、前記一括加工針によりニードルパンチ柄の所望形状を、前記縫製枠を駆動することなく、一括形成するように構成したことを特徴とするニードルパンチ柄加工ミシン。
  2. ニードルパンチ針により、基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて前記基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ柄加工方法において、
    前記基布を縫製枠に展張保持し、針先端の分布範囲がニードルパンチ柄の所望形状と略同一である多数の互いに間隔をおいたニードルパンチ針により、ニードルパンチ柄の所望形状を、前記縫製枠を駆動することなく、一括形成することを特徴とするニードルパンチ柄加工方法。
  3. 基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて前記基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ針を備えたニードルパンチ柄加工ミシンにおいて、
    相対的に多数のニードルパンチ針を針先端の分布範囲が相対的に広範囲となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる能率加工針と、
    一本のニードルパンチ針よりなるか又は相対的に少数のニードルパンチ針を針先端の分布範囲が相対的に狭範囲となるように互いに間隔をおいて配するとともに針基端で連結してなる要所加工針とを備え、
    前記能率加工針によりニードルパンチ柄の大部分を能率的に形成し、
    前記要所加工針によりニードルパンチ柄の要所を高精度に形成するように構成したことを特徴とするニードルパンチ柄加工ミシン。
  4. ニードルパンチ針により、基布の裏面に重ね合わせられた当て布の一部繊維を引掛けて前記基布の表面に出すことにより該表面にニードルパンチ柄を形成するニードルパンチ柄加工方法において、
    針先端の分布範囲が相対的に広範囲である相対的に多数の互いに間隔をおいたニードルパンチ針により、ニードルパンチ柄の大部分を能率的に形成し、
    一本のニードルパンチ針により又は針先端の分布範囲が相対的に狭範囲である相対的に少数の互いに間隔をおいたニードルパンチ針により、ニードルパンチ柄の要所を高精度に形成すること特徴とするニードルパンチ柄加工方法。
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