JP4135014B2 - ニッケル粉およびその製造方法 - Google Patents

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    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys

Description

本発明は、導電ペースト用および導電樹脂用の導電性粒子として好適なニッケル粒子、およびその製造方法に関する。
従来、電子機器の接続にはSn−Pb系はんだが用いられていたが、近年ではPbフリー化に対応して導電ペーストの使用が検討されている。また、近年においては、近年においては、導電樹脂を利用したデバイスが広く用いられるようになってきている。
これらの用途に使用される導電ペースト及び導電樹脂は、導電性粒子と各種の樹脂を混練したペースト及びこれを硬化させた成形体である。導電性粒子に求められる特性としては、粒子そのものの導電性が高く、樹脂と混練して得た成形体でも電気抵抗が低いこと、耐マイグレーション性が高いこと、耐候性に優れること等が挙げられる。現在、導電性粒子としては、金属粉もしくはカーボン粉が用いられている。
しかし、金属粉のうち、貴金属粉は導電性が高く、電気抵抗が低いが、高価であるという問題がある。また、NiあるいはCuなどに代表される卑金属粉は、コスト的に安価であり、かつ高い導電性を有しているが、耐候性に劣るため、樹脂と混練して導電ペーストや導電樹脂として長期にわたり使用すると、電気抵抗が上昇するという問題がある。一方、カーボン粉は、安価であり、かつ耐候性も高いが、導電性が低く、樹脂と混練した時の電気抵抗が高くなるという問題がある。
これらの問題点を解決する方法として、Ni粒子やCu粒子の表面にAg等の貴金属を被覆した粉末が提案されている(特開2002−025345号公報、特開2002−075057号公報)。これらの粉末は、貴金属でNi粒子やCu粒子を被覆することで特性的な面は改善されるが、コスト的に高価となる。特に、Ag被覆した粉末は、耐マイクレーション性が求められる使用環境下では、使用に適さない。
また、Ni粒子等の表面形状を変更すること、たとえば表面に半球状の小瘤を形成することにより、樹脂と混練した時の電気抵抗を下げる試みもなされている(特開2001−043734号公報、米国特許第5378407号明細書)。しかし、粒子の耐侯性が劣る点は改良されてないため、長期間使用での安定性を改善しているとは言えない。このような事情から、安価で、かつ耐侯性に優れ、樹脂と混練した状態で低い電気抵抗を有し、長期間にわたり安定して使用できる導電性粒子の提供が望まれている。
本発明は、上記した従来の事情に鑑み、安価で、かつ耐侯性に優れ、樹脂と混練した状態で電気抵抗が低く、長期間にわたり安定して使用でき、導電ペースト用および導電樹脂用の導電性粒子として好適なニッケル粉、およびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、ニッケル粉を樹脂と混練して得た成形体の電気抵抗に関する研究を進めた結果、ニッケル粉の粒径及びタップ密度が前記成形体の電気抵抗に与える影響が最も大きく、これらを特定の範囲に制御することで前記成形体の電気抵抗が大きく下がることを見出した。
また、コバルトをニッケル粉に添加含有させることにより、ニッケル粉の耐候性の改善に効果があり、特にニッケル粉の表層部、すなわち二次粒子の表層部にある一次粒子にのみコバルトを添加した場合でも耐侯性の改善が得られることを見出した。
すなわち、本発明が提供するニッケル粉は、走査電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が0.2〜2.0μm、レーザー粒度分布測定による平均二次粒子径が8〜50μm、タップ密度が0.5〜2.0g/mlであり、かつ、コバルトを1〜20重量%含有することを特徴とする。
上記本発明のニッケル粉においては、前記レーザー粒度分布測定による平均二次粒子径と前記走査電子顕微鏡観察による平均一次粒子径の比、すなわち、平均二次粒子径/平均一次粒子径が、5〜100の範囲内であることが望ましい。ここに、平均の意味は、平均二次粒子径(D50)は、レーザー粒度分布測定により累積体積が50%となる粒子径である。平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)5000倍写真の視野に於いて100個の粒子径を計測し、平均を求めたものである。また、上記本発明のニッケル粉においては、表層部、すなわち二次粒子の表層部にある一次粒子にのみコバルトを含有し、その表層部におけるコバルト含有量が1〜40重量%であることが好ましい。コバルトを全体に含める場合のコバルト含有量の上限が20重量%であるのに対し、表層部にのみ含める場合のコバルト含有量の上限が40重量%であるのは、全体的にコバルトを含める場合と比較すると表層部のみに含める場合はコバルト量を少なくでき、コスト的に有利なためである。
また、本発明が提供するニッケル粉の製造方法は、2価のニッケル塩を含有する水溶液に還元剤を添加してニッケルを析出させる第1段の還元析出工程と、その水溶液に少なくとも2価のニッケル塩溶液を添加してニッケルを更に析出させる第2段の還元析出工程とからなり、前記第1段及び第2段の還元析出工程のうち少なくとも第2段において、水溶液に2価のコバルト塩を添加した状態でニッケルを析出させることを特徴とするものである。
上記本発明のニッケル粉の製造方法においては、前記第2段の還元析出工程における水溶液に、ニッケルとコバルトの合計に対しコバルトが1〜40重量%となるように2価のコバルト塩を添加して、表層部にのみコバルトを含有するニッケル粉を得ることが好ましい。また、本発明のニッケル粉の製造方法においては、前記第1段及び第2段の還元析出工程における各水溶液に、それぞれニッケルとコバルトの合計に対しコバルトが1〜20重量%となるように2価のコバルト塩を添加して、全体にコバルトを含有するニッケル粉を得ることもできる。
本発明によって得られるニッケル粉は、安価であって、該ニッケル粉と樹脂とを混練した成形体の電気抵抗が著しく低く、該成形体は優れた耐侯性を有しており、長期間安定して使用できる。このニッケル粉は導電ペースト用及び導電樹脂用の導電性粒子として極めて好適である。
図1は、本発明のニッケル粉のSEM写真(×1500)である。
図2は、本発明のニッケル粉のSEM写真(×5000)である。
本発明のニッケル粉は、図1〜2に示すように、一次粒子が強く凝集した形態の二次粒子からなっている。そして、このような本発明のニッケル粉では、走査電子顕微鏡(SEM)観察による平均一次粒子径を0.2〜2.0μm、レーザー粒度分布測定による平均二次粒子径(D50)を8〜50μm、及びタップ密度を0.5〜2.0g/mlの範囲とする。ここに、D50の意味に関し、平均二次粒子径(D50)は、レーザー粒度分布測定により累積体積が50%となる粒子径である。また、平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)5000倍写真の視野に於いて100個の粒子径を計測し、平均を求めたものである。
SEM観察による一次粒子径は、凝集している個々の一次粒子の粒径を示す。このSEM観察による平均一次粒子径を0.2〜2.0μmの範囲とすることで、一次粒子が適度に凝集して鎖状などの複雑な形状の二次粒子となる。これにより、樹脂との混練による成形体では、二次粒子が互いに絡み合ってネットワークを構成するため、該成形体は著しく低い電気抵抗を示す。しかし、この平均一次粒子径が0.2μm未満では、一次粒子の凝集が激しくなり過ぎ、凝集後の二次粒子形状が極めて大きな塊状もしくは球状となるため好ましくない。また、この平均一次粒子径が2.0μmを超えると、一次粒子の凝集が少なく、一次粒子が分散した状態に近いままとなってしまう。
レーザー粒度分布測定による二次粒子径は、一次粒子が凝集した二次粒子の粒径を示す。このレーザー粒度分布測定による平均二次粒子径(D50)を8〜50μmの範囲とすることで、樹脂との混練後にニッケル粉同士が接触する箇所が多くなり、電気抵抗が著しく低下する。しかし、この平均二次粒子径(D50)が8μm未満では、一次粒子の凝集が少ないため絡み合う箇所が減少し、ニッケル粉と樹脂とも混練した成形体の抵抗値が高くなる。また、平均二次粒子径(D50)が50μmを超えると、樹脂中でのニッケル粉の分散が不均一となるため好ましくない。
また、ニッケル粉のタップ密度は、樹脂中での分散度に影響する。タップ密度を0.5〜2.0g/mlの範囲とすることにより、樹脂中にニッケル粉が均一に分散し、これにより得られる成形体の電気抵抗が著しく低い。しかしながら、タップ密度が2.0g/mlを超えると、樹脂中でニッケル粉が偏在して相互の接触が減少し、逆に0.5g/ml未満では樹脂との混練が困難となり成形体が得られない。
本発明のニッケル粉は、少量のコバルトを添加含有させることにより、耐候性が著しく改善向上する。その理由は明らかではないが、コバルト(Co)はニッケル(Ni)より僅かに卑であることから、コバルトが優先的に腐食して、ニッケルの耐候性が向上するものと考えられる。しかしながら、コバルト含有量がニッケル粉全体の1重量%未満では耐侯性向上の効果がなく、20重量%を超えるとコスト的に高価となり好ましくない。
少ないコバルト含有量で十分な耐侯性を確保するためには、ニッケル粉の表層部のみにコバルトを含有させることが好ましい。この場合、ニッケル粉の表層部は、後述する製造方法における第2段の還元析出工程で形成される部分であって、一次粒子が凝集した二次粒子の表面側に存在する一次粒子で構成される。表層部における一次粒子のコバルト含有量は1〜40重量%の範囲とすることが好ましい。必要な耐侯性を得るためには、表層部にある一次粒子の1重量%以上のコバルト含有量が必要であるが、40重量%を超えて添加しても耐候性のさらなる向上が得難いばかりか、ニッケル粉が強磁性を帯びるようになり、電子部品等に使用する場合に好ましくない。
さらに、本発明のニッケル粉では、レーザー粒度分布測定による平均二次粒子径(D50)とSEM観察による平均一次粒子径の比、すなわち平均二次粒子径(D50)/平均一次粒子径(SEM径)が、5〜100の範囲にあることが好ましい。この平均二次粒子径(D50)/平均粒径(SEM径)の比が5〜100の範囲にあるとき、樹脂との混練中にニッケル粉間で接触が起きやすくなり、低い電気抵抗が得られる。しかし、この比が5未満ではニッケル粉の接触が起きにくく、100を超えると凝集体が大きくなるため、樹脂中でのニッケル粉の分散が不均一となり好ましくない。
次に、本発明のニッケル粉の製造方法について説明する。本発明のニッケル粉は、2価のニッケル塩を含有する水溶液から、2段階の還元析出工程により製造する。すなわち、第1段の還元析出工程で、2価のニッケル塩を含有する水溶液に還元剤を添加(一般的に過剰に添加)してニッケルをほぼ全て析出させ、引き続き第2段の還元析出工程において、第1段の還元析出工程が終了し析出したニッケル粉を含む水溶液に2価のニッケル塩溶液を添加し、必要に応じて更に還元剤を添加することにより、ニッケルをさらに析出させる。その際、2価のニッケル塩を含有する水溶液には、酒石酸などの多価カルボン酸やエチレンジアミンなどの通常使用されている錯化剤、pH調整用の水酸化ナトリウム等を添加することができる。また、還元剤としては、ニッケルを還元析出し得るものであれば特に制限はないが、ヒドラジン系の還元剤を好適に使用することができる。
上記製造方法においては、まず、第1段の還元析出工程により、析出したニッケル粒子は一次粒子が適度に凝集した二次粒子となるが、その凝集力は弱く、反応済溶液との分離操作あるいは樹脂との混練の際に、容易に分離して単独の粒子となってしまう。ところが、引き続いて第2段の還元析出工程を行なうことによって、さらに析出したニッケルにより凝集が強固となり、その後の操作でも分離することなく適度な凝集状態を維持でき、こうして得たニッケル粉と樹脂との混練による成形体の電気抵抗も著しく低い。なお、第2段の還元析出工程で析出したニッケル一次粒子は、第1段の還元析出工程で析出し凝集したニッケル二次粒子の外側に凝集して、ネットワーク構造的につなぎ、強度の高いニッケル粉を形成するものと考えられる。
かかる2段階の還元析出工程を経て製造されたニッケル粉は、ニッケル塩や還元剤の濃度、水溶液の温度その他の条件を調整することによって、上記した粉体特性、すなわち、走査電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が0.2〜2.0μm、レーザー粒度分布測定による平均二次粒子径が8〜50μm、タップ密度が0.5〜2.0g/mlの範囲とすることができる。
このニッケル粉にコバルトを含有させるには、上記した2段階の還元析出工程のうち、第2段のみ、又は第1段及び第2段の両方において、水溶液に2価のコバルト塩を添加した状態でニッケルを析出させればよい。特に、ニッケル粉の内部にはコバルトを含有させず、表層部にのみコバルトを含有させる場合には、第1段の還元析出工程ではコバルトを添加せず、第2段の還元析出工程において水溶液に2価のコバルト塩を添加する。その際のコバルト塩の添加量は、水溶液中のニッケルとコバルトの合計量に対し1〜40重量%とし、これによりニッケル粉表層部におけるコバルト含有量が1〜40重量%にすることができる。
また、表層部だけでなく、内部も含めたニッケル粉全体にコバルトを含有させる場合には、第1段及び第2段の還元析出工程において、それぞれの水溶液中に2価のコバルト塩を添加する。その際のコバルト塩の添加量は、第1段及び第2段の還元析出工程のそれぞれにおいて、水溶液中のニッケルとコバルトの合計量に対し1〜20重量%とするか、もしくは最終的にニッケル粉全体のコバルト含有量が1〜20重量%となるように調整すればよい。
純水750mlに水酸化ナトリウム及び酒石酸を添加し、撹拌しながら85℃まで加温した。この水溶液にヒドラジン60mlと、Ni当量で13gの塩化ニッケル水溶液とを加え、第1段の還元反応によりニッケルを析出させた。次に、この第1段の還元析出終了後の水溶液に、塩化コバルト水溶液と塩化ニッケル水溶液をCo含有量がNi+Co量に対し10重量%となるように混合した水溶液をNi+Co当量で13g加えて、第2段の還元反応によりさらにニッケルを析出させた。その後、ろ過及び水洗した後、大気中にて80℃で乾燥して、試料1のニッケル粉を得た。
得られた試料1のニッケル粉は表層部にのみコバルトを含有しており、その粉体特性を下記表1に示した。ただし、全体のCo含有量は分析値であるが、表層部のCo含有量は第2段の還元析出工程における水溶液中のNi+Co量に対するCo量から計算した値である。また、表1中のSEM径はSEM観察による平均一次粒子径、及びD50はレーザー粒度分布測定による平均二次粒子径を意味する。
次に、上記試料1のニッケル粉2.4gを熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)3gと混練し、シート状に成形して硬化させて形成体を得た。これを幅12mmに切り出した後、電極間隔5mmで電気抵抗値を測定したところ、初期抵抗値は4.5Ωであった。さらに、耐侯性を評価するため、同じ試料1のニッケル粉を、85℃−85%RHに設定した恒温恒湿槽中に40時間保持した後、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)と混練して得た成形体の電気抵抗値を測定したところ、その耐湿試験後抵抗値は36.5Ωを示した。これらの結果を、耐湿試験前後での抵抗値の上昇率と共に、下記表2にまとめて示した。
実施例1と同様の方法で2段階のニッケルの還元析出を行った。ここでは、塩化コバルト水溶液と塩化ニッケル水溶液をCo含有量がNi+Co量に対し10重量%となるように混合した水溶液を用い、第1段及び第2段の還元析出時にそれぞれNi+Co当量でこの水溶液を13g添加して、試料2のニッケル粉を得た。
得られた試料2のニッケル粉は全体(内部及び表層部)にコバルトを含有しており、その粉体特性を下記表1に示した。また、この試料2のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について測定した電気抵抗値は、初期抵抗値が5.1Ω、及び耐湿試験後抵抗値が40.3Ωであり、これらの結果を下記表2にまとめて示した。
実施例1と同様に2段階でニッケルの還元析出を行った。ここでは、第1段の還元析出時には塩化ニッケル水溶液をNi当量で6g添加し、第2段での還元析出時にのみ、塩化コバルト水溶液と塩化ニッケル水溶液をCo含有量がNi+Co量に対し3.5重量%となるように混合した水溶液をNi+Co当量で20g添加して、試料3のニッケル粉を得た。
得られた試料3のニッケル粉は表層部にのみコバルトを含有していた。該ニッケル粉の粉体特性を下記表1に示した。また、この試料3のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について測定した電気抵抗値は、初期抵抗値が7.6Ω、及び耐湿試験後抵抗値が75.7Ωであり、これらの結果を下記表2にまとめて示した。
実施例1と同様に2段階でニッケルの還元析出を行った。ここでは、第1段の還元析出時には塩化ニッケル水溶液をNi当量で13g添加し、第2段での還元析出時にのみ、塩化コバルト水溶液と塩化ニッケル水溶液をCo含有量がNi+Co量に対し30重量%となるように混合した水溶液をNi+Co当量で13g添加して、試料4のニッケル粉を得た。
得られた試料4のニッケル粉は表層部にのみコバルトを含有していた。該ニッケル粉の粉体特性を下記表1に示した。また、この試料4のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について測定した電気抵抗値は、初期抵抗値が4.8Ω、及び耐湿試験後抵抗値が23.5Ωであり、これらの結果を下記表2にまとめて示した。
実施例2と同様に2段階でニッケルの還元析出を行った。ここでは、塩化コバルト水溶液と塩化ニッケル水溶液をCo含有量がNi+Co量に対し1.0重量%となるように混合した水溶液を用い、この水溶液を第1段及び第2段の還元析出時にそれぞれNi+Co当量で13g添加して、試料5のニッケル粉を得た。
得られた試料5のニッケル粉は全体(内部及び表層部)にコバルトを含有していた。ここで、該ニッケル粉の粉体特性を下記表1に示した。また、この試料5のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について測定した電気抵抗値は、初期抵抗値が5.3Ω、及び耐湿試験後抵抗値が70.0Ωであり、これらの結果を下記表2にまとめて示した。
実施例1と同様に2段階でニッケルの還元析出を行ったが、第1段の還元析出時には塩化ニッケル水溶液をNi当量で13g添加し、第2段での還元析出時にのみ、塩化コバルト水溶液と塩化ニッケル水溶液をCo含有量がNi+Co量に対し40重量%となるように混合した水溶液をNi+Co当量で13g添加して、試料6のニッケル粉を得た。
得られた試料6のニッケル粉は表層部にのみコバルトを含有していた。該ニッケル粉の粉体特性を下記表1に示した。また、この試料6のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について測定した電気抵抗値は、初期抵抗値が6.2Ω、及び耐湿試験後抵抗値が28.5Ωであり、これらの結果を下記表2にまとめて示した。
比較例1
実施例1と同様の方法で2段階でニッケルの還元析出を行った。ここで、第1段及び第2段の還元析出時とも塩化コバルト水溶液を添加せずに、試料7のニッケル粉を得た。なお、塩化ニッケル水溶液は、第1段の還元析出時にNi当量で13g添加し、第2段の還元析出時にはNi当量で5g添加した。
得られた試料7のニッケル粉はコバルトを含まない。該ニッケル粉の粉体特性を下記表1に示した。また、この試料7のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について測定した電気抵抗値は、初期抵抗値が5.2Ω、及び耐湿試験後抵抗値が123.1Ωであり、これらの結果を下記表2にまとめて示した。
なお、導電ペースト用及び導電樹脂用の導電性粒子として市販されている代表的なフィラー状ニッケル粉について、その粉体特性を試料7aとして下記表1に示した。また、この試料7aのニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について電気抵抗値を測定したところ、初期抵抗値が5.2Ω、及び耐湿試験後抵抗値が102.5Ωであった。この結果についても、参考のために下記表2に併せて示した。
比較例2
純水750mlに水酸化ナトリウム及び酒石酸を添加し、撹拌しながら85℃まで加温した。この水溶液にヒドラジン60mlと、Ni当量で26gの塩化ニッケル水溶液とを加え、1段階のみの還元析出工程によりニッケル粉を析出させた。その後、ろ過及び水洗した後、大気中にて80℃で乾燥して、試料8のニッケル粉を得た。また、錯化剤である酒石酸の代りにエチレンジアミンを用いた以外は上記と同様にして、試料9のニッケル粉を得た。
得られた試料8及び試料9のニッケル粉はコバルトを含まない。該ニッケル粉の粉体特性を下記表1に示した。また、この試料8及び試料9のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について電気抵抗値を測定したところ、初期抵抗値が10Ωを超えて極めて高かったため、耐湿試験後抵抗値は測定しなかった。これらの結果を下記表2にまとめて示した。
比較例3
比較例2と同様の方法で、かつ錯化剤として酒石酸を用い、1段階のみの還元析出工程によりニッケル粉を析出させた。その際に、撹拌速度が遅くなるように撹拌条件を変更して、試料10のニッケル粉を得た。
得られた試料10のニッケル粉はコバルトを含まない。該ニッケル粉の粉体特性を下記表1に示した。また、この試料10のニッケル粉について、実施例1と同様にして得た成形体について電気抵抗値を測定したところ、初期抵抗値が1050Ωと高かったため、耐湿試験後抵抗値は測定しなかった。これらの結果を下記表2にまとめて示した。
比較例4
水酸化ニッケル粉末を水素・窒素混合雰囲気中において450℃で還元して、試料11のNi粉を得た。この乾式法により得られた試料11のNi粉は、Coを含まず、その粉体特性を下記表1に示した。また、この試料11のNi粉について、実施例1と同様にして電気抵抗値を測定したところ、初期抵抗値が1713Ωと高かったため、耐湿試験後抵抗値は測定しなかった。これらの結果を下記表2にまとめて示した。
Figure 0004135014
Figure 0004135014

Claims (7)

  1. 1〜20重量%のコバルトを含み、残部がニッケル及び不可避的不純物からなり、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されるニッケル粉において、走査電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が0.2〜2.0μmであり、レーザー粒度分布測定による平均二次粒子径が8〜50μmであり、タップ密度が0.5〜2.0g/mlであることを特徴とするニッケル粉。
  2. 前記レーザー粒度分布測定による平均二次粒子径と前記走査電子顕微鏡観察による平均一次粒子径の比(平均二次粒子径/平均一次粒子径)が5〜100の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載のニッケル粉。
  3. 二次粒子の表層部に存在する一次粒子にのみコバルトを含有し、その表層部におけるコバルト含有量が1〜40重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のニッケル粉。
  4. 2価のニッケル塩を含有する水溶液に還元剤を添加してニッケルを析出させる第1段の還元析出工程と、その水溶液に少なくとも2価のニッケル塩溶液を添加して、さらにニッケルを析出させる第2段の還元析出工程とからなり、前記第1段および第2段の還元析出工程のうち少なくとも第2段において、水溶液に2価のコバルト塩を添加した状態でニッケル粉を析出させることを特徴とするニッケル粉の製造方法。
  5. 前記第2段の還元析出工程における水溶液に添加する2価のコバルト塩の量が、ニッケルとコバルトの合計に対しコバルトが1〜40重量%となるようにして、二次粒子の表層部にのみコバルトを含有するニッケル粉を得ることを特徴とする、請求項4に記載のニッケル粉の製造方法。
  6. 前記第2段の還元析出工程における水溶液に添加する2価のコバルト塩の量が、ニッケルとコバルトの合計に対しコバルトが1〜20重量%となるようにして、二次粒子の全体にコバルトを含有するニッケル粉を得ることを特徴とする、請求項4に記載のニッケル粉の製造方法。
  7. 前記第1段の還元析出工程における水溶液に、ニッケルとコバルトの合計に対しコバルトが1〜20重量%となるように2価のコバルト塩を添加して、二次粒子の全体にコバルトを含有するようにしたことを特徴とする、請求項4〜6に記載のニッケル粉の製造方法。
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