JP2013253310A - ニッケルナノ粒子、その製造方法及びこれを利用した積層セラミックキャパシタ - Google Patents

ニッケルナノ粒子、その製造方法及びこれを利用した積層セラミックキャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はニッケルナノ粒子、その製造方法及び上記ニッケルナノ粒子を利用した積層セラミックキャパシタに関する。
【解決手段】本発明は、水と水酸基を含む溶液とを混合して水溶液を形成する段階と、上記水溶液に、水酸基を含む溶液に対して10〜20wt%の比率でカルボン酸(carboxylic acid)を添加し混合液を形成する段階と、上記混合液にニッケル塩を入れて撹拌する段階とを含むニッケルナノ粒子の製造方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明はニッケルナノ粒子、その製造方法及び上記ニッケルナノ粒子を利用した積層セラミックキャパシタに関する。
セラミック材料を使用する電子部品には、キャパシタ、インダクター、圧電素子、バリスタ及びサーミスタなどがある。
中でも、積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、様々な電子製品の回路基板に装着されて直流電流を遮断し、交流電流を通過させて電気を充電または放電させる重要な役割をするチップ形態のコンデンサーである。
また、上記積層セラミックキャパシタは、信号のバイパス(bypass)及び周波数共振などの機能に用いられ、温度に対する誘電率の変化が少なくて、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという長所を有する。
最近では、コンピューター、個人用携帯端末機(PDA:Personal Digital Assistants)及び携帯電話などの電子製品が小型化されるにつれ、該電子製品に用いられる積層セラミックキャパシタも軽量化、超小型化及び超高容量化が求められている。
このような超小型化及び超高容量化のためには、積層セラミックキャパシタを構成する誘電体層及び内部電極の超薄層及び高分散技術が先行されなければならない。
また、このような超薄層及び高分散技術のためには、内部電極の原料となる金属の特性が重要で、そのために粒度分布及びBET(Brunauer−Emmett−Teller)に優れたナノ金属粒子の製作が重要となる。
一方、従来は上記原料金属として伝導性に優れた銀、白金やパラジウムなどの貴金属材料を用いたが、最近では製造費の節減のためにニッケルに取り替えられる傾向にある。
しかし、上記ニッケルは粉末冶金において、充填密度が成形体より低く、焼成の際、焼結による収縮量が誘電体層より大きいため、内部電極の層間短絡や断線による不良が発生しやすいという問題がある。
該問題を防止するには、ニッケル粉末の粒度分布が均一である上、凝集がなくて優れた分散性を有さなければならない。
しかし、一般的に、ニッケルナノ粒子は、分散中にそれぞれの粒子が凝集するという問題が発生する可能性がある。
このような問題を解消するため、従来は数十から数百のナノ粒子を乾式または湿式法により製作した後、単純な熱処理を通じて人為的に酸化膜を形成させてから非活性化状態にすることで、活性化による粒子間の凝集を一部改善した。
しかし、このような熱処理は、不均一な酸化により分散特性に多くの変化が発生することがあり、熱処理後、むしろ非活性化状態であるNiO形態とNi(OH)基やCOなどが混在されることにより、表面が不均一となって分散性がさらに低下したり、粒子間の凝集がさらに増加するという問題などが生じ得るため、上記ニッケル粒子が凝集する問題を解消するのに限界がある。
特に、Ni−OH構造は、ニッケルの酸度(acidity)が低下して分散剤との化学吸着(chemisorption)が困難である。このとき、化学吸着されるとしても水分子の脱水結合となる可能性が高く、水分子が解離されると、樹脂及び分散剤の極(polar)部分に吸着され、分散剤の役割低下及び樹脂凝集などが発生するため、ペーストの分散性が低下するという問題点がある。
下記の先行技術文献に記載された特許文献1は、ニッケルナノ粒子にカルボン酸10から20wt%を混合することについて開示していない。
日本特許公開公報第2006−152439号
当技術分野では、ニッケルナノ粒子を製作した後、表面処理を通じて粒子間が凝集することを抑制し、分散剤の官能基が適切に付着できる表面状態にするための新しい方案が求められていた。
本発明の一側面は、水と水酸基を含む溶液とを混合して水溶液を形成する段階と、上記水溶液に、水酸基を含む溶液に対して10〜20wt%の比率でカルボン酸(carboxylic acid)を添加し混合液を形成する段階と、上記混合液にニッケル塩を入れて撹拌する段階とを含むニッケルナノ粒子の製造方法を提供する。
本発明の一実施例において、上記混合液を撹拌する段階の後、上記攪拌された混合液を乾燥及び熱処理する段階をさらに行ってよい。
本発明の一実施例において、上記水溶液を形成する段階は、上記水酸基を含む溶液を水に対して10〜100wt%の比率で混合して行ってよい。
本発明の一実施例において、上記水溶液を形成する段階は、上記水酸基を含む溶液として過酸化水素(H)及び二酸化塩素(ClO)を使用してよい。
本発明の一実施例において、上記混合液を乾燥する段階は、80〜100℃の窒素雰囲気内で行われてよい。
本発明の一実施例において、上記熱処理段階は、180〜250℃のエア(air)雰囲気内で行われてよい。
本発明の他の側面は、NiO 20.0〜60.0at%、Ni(OH) 20.0〜60.0at%及びCO 0.5〜20.0at%を含むニッケルナノ粒子を提供する。
本発明の一実施例において、上記ニッケルナノ粒子の平均粒径は60〜500nmであってよい。
本発明のさらに他の側面は、複数の誘電体層が積層されたセラミック素体と、上記誘電体層の少なくとも一面に形成されて上記セラミック素体の内部に配置され、NiO 20.0〜60.0at%、Ni(OH) 20.0〜60.0at%及びCO 0.5〜20.0at%を含むニッケルナノ粒子を含む複数の第1及び第2内部電極と、上記セラミック素体の両側面に形成され、上記第1及び第2内部電極の露出した部分と電気的に接続される第1及び第2外部電極とを含む積層セラミックキャパシタを提供する。
本発明の一実施形態によると、ニッケルナノ粒子の表面処理を通じて粒子間が凝集することを抑制し、分散剤の官能基が適切に付着できる表面状態にすることで、該ニッケルナノ粒子で内部電極用ペーストを製作する際、分散安全性が改善できる上、経時変化の問題点が解決できるという効果がある。
本発明の一実施形態により製造されたニッケルナノ粒子を内部電極の材料として含む積層セラミックキャパシタの概略的な構造を示した斜視図である。 図1の A−A’線断面図である。 ニッケルナノ粒子における水酸基を含む溶液とカルボン酸との反応メカニズムを示した図である。 ニッケルナノ粒子をX線光電子分光法(XPS;X−ray Photoelectron Spectroscopy)で分析し、表面処理の有無によるニッケルナノ粒子のNi(OH)及びNiOの含量をピーク(peak)の形態で比較して示したグラフである。 従来方法により製造されたニッケルナノ粒子のX線回折(XRD;X−ray Diffraction)分析結果を示したグラフである。 本発明の実施形態により表面処理されたニッケルナノ粒子のX線回折(XRD;X−ray Diffraction)分析結果を示したグラフである。 一般的なニッケルナノ粒子のX線回折(XRD;X−ray Diffraction)値を示したグラフである。 本発明の一実施形態により製造されたニッケルナノ粒子の走査電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)の写真である。 図6に示されたニッケルナノ粒子のA区域を透過電子顕微鏡(TEM;Transmission Electron Microscope)でスキャンし、特定ポジションでNi及びOの変化をそれぞれ示したグラフである。
以下、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。
また、本発明の実施形態は当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
従って、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがあり、図面上に同じ符号で示される要素は同じ要素である。
また、類似する機能及び作用をする部分に対しては、図面全体にわたって同じ符号を使用する。
尚、明細書の全体において、ある構成要素を「含む」とは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
以下では、本発明の一実施形態によるニッケルナノ粒子の製造方法及びこれにより製造されたニッケルナノ粒子について詳しく説明する。
本発明の一実施形態によるニッケルナノ粒子は、水と水酸基(OH基)を含む溶液とを混合して水溶液を形成する段階と、上記水溶液に上記水酸基を含む溶液に対して10〜20wt%の比率でカルボン酸(carboxylic acid)を添加し混合液を形成する段階と、上記混合液にニッケル塩を入れて撹拌する段階とを含んで製造してよい。
次いで、攪拌された混合液を乾燥及び熱処理し、内部電極用ペーストに用いられるニッケルナノ粒子を製造することができる。
本発明は、従来のニッケルナノ粒子の製造方法とは異なり、水酸基が混合された水溶液に、水酸基を含む溶液に対して10〜20wt%の比率でカルボン酸を添加してからこれを還元させることが技術的特徴であり、このような段階を通じて分散安全性に優れたニッケルナノ粒子を製造することができる。
このような本実施形態のニッケルナノ粒子の形成方法を段階別に説明する。
図3は、本発明の一実施形態により製造されたニッケルナノ粒子における水酸基を含む溶液とカルボン酸との反応メカニズムを示した図である。
図3を参照すると、まず、蒸留水である水(HO)と水酸基を含む溶液とを混合して水溶液を形成する段階を行う。
ここで、水酸基は−OHで表される1価の基で、有機物の場合、ヒドロキシ基という。
上記水酸基は、無機化合物としては金属の水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化アルミニウム(Al(OH))があり、その他に窒酸、硫酸などの酸素酸及び塩基性塩の一種であるヒドロオキシ塩などがある。
また、上記水酸基は、有機化合物としてはエタノールのようなアルコール類及びベンゼンスルホン酸のようなスルホン酸などがある。
本実施例では、上記水酸基を含む溶液として過酸化水素(H)及び二酸化塩素(C)を使用したが、本発明はこれに限定されない。
上記水酸基溶液は、水に対して10〜100wt%の比率で混合されることが好ましく、例えば、NiO:Ni(OH):CO=1:5:4からNiO:Ni(OH):CO=3:6.5:0.5水準に変化し、上記水酸基溶液と後述するカルボン酸との反応により酸化膜を形成することができる。
上記水酸基溶液の混合比率が、水に対して10wt%未満と少量のときは、カルボン酸との酸化反応が起きず、NiOの含量変化も発生しないため、酸化膜がうまく形成されない。
また、上記水酸基溶液の混合比率が、水に対して100wt%を超えると、例えば、NiO:Ni(OH):CO=1:5:4からNiO:Ni(OH):CO=0.2:8.8:1水準に変化し、余剰水酸基により粒子のOHが増加するという問題点が発生し得る。
次に、上記水溶液に、水酸基を含む溶液に対して10〜20wt%の比率でカルボン酸を添加し混合液を形成する段階を行う。
上記カルボン酸の混合比率である10〜20wt%は、水酸基と容易に反応が行われる比率であり、上記カルボン酸が10wt%未満と少量のときは、粒子間の酸化反応が発生しないことがあり、上記カルボン酸が20wt%を超えると、例えば、NiO:Ni(OH):CO=1:5:4からNiO:Ni(OH):CO=3:5:2水準に変化し、余剰カルボン酸により粒子のCOが増加するという問題点が発生する恐れがある。
上記カルボン酸は炭素原子と酸素原子とが二重結合されており、ヒドロキシ基が単一結合している化合物であり、例えば、アセト酸またはエステルなどがある。
上記カルボン酸を添加する段階は、ニッケルナノ粒子の酸化溶解を加速させる段階であり、溶剤である水酸基を含む溶液成分と弱酸であるカルボン酸の混合反応を通じてナノ粒子の表面を微細にエッチングすると同時に、その表面に酸化膜を均一に形成してコロイダル安全性を向上させることができる。
即ち、このような反応を通じて、ナノ粒子の表面は表面処理前より分散剤が円滑に吸着される形態になるため、ニッケルナノ粒子の分散安全性を向上させることができる。
次に、上記水酸基を含む水溶液と上記カルボン酸の混合液にニッケル塩を入れて撹拌する。
上記ニッケル塩を入れて撹拌する方法には乾式方法と湿式方法がある。上記乾式方法は物理的方法であって、機械的に凝集(bulk)を高エネルギーで粉砕してナノメートルサイズまで小さくする方法と、熱又は電子ビームなど高エネルギーを加えて対象物質を溶かした後蒸発凝縮させて100nm以下の粉末を得る方法などがあり、上記湿式方法には、化学反応を利用して核生成させた後所望するサイズまで成長させてナノ粉末を製造する方法などがある。
このとき、上記ニッケル塩はニッケルイオンを含む化合物で、例えば、NiCl、Ni(NO、NiSOまたは(CHCOO)Niなどがあるが、本発明はこれに限定されない。
次に、上記攪拌された混合液を乾燥し、このように乾燥されたナノ粒子を熱処理して最終的に内部電極用ペーストに用いられるニッケルナノ粒子を得る。
上記乾燥工程は、80〜100℃の窒素雰囲気内で行われることが好ましく、この場合、粉末状態に乾燥変化がうまく行われることができる。
上記乾燥工程時の温度が80℃未満では、水分除去がうまく行われないことがあり、この温度が100℃を超えると、酸化が不均一に起こって有機物が除去されなかったり、2次酸化層が生成されてニッケル粉末の色が変化するなどの問題点が発生することがある。
上記熱処理工程は、180〜250℃のエア(air)雰囲気内で行われることが好ましく、この場合、NiO:Ni(OH):CO=4:6.5:0.5水準に変化されることができる。
上記熱処理工程時の温度が180℃未満では、OHが変化せず、有機物により残炭が発生するという問題が起こることがあり、この温度が250℃を超えると、COの含量増加により2次有機物の除去及び粒子間のネックキング(necking)に対する問題が発生することがある。
上記のように製造されたニッケルナノ粒子は、NiO 20.0〜60.0at%、Ni(OH) 20.0〜60.0at%及びCO 0.5〜20.0at%を含むことができる。
ここで、上記NiOは20.0〜60.0at%で、高温焼成工程時にニッケル収縮制御効果を最大化することができ、この含量が20.0at%未満では、Ni(OH)及びCOの含量が相対的に増加して分散及び残炭の問題が発生することがある。また、この含量が60.0at%を超えると、過度な酸化物となり、純粋なニッケルの含量が減少するため、電気的特性が低下するという問題が発生することがある。
また、上記Ni(OH)の20.0〜60.0at%は、仮焼工程の際、除去されたり、酸化層への変化が容易であるため、収縮制御に有利な含量である。この含量が20.0at%未満では、OHの減少分に比べて、COが相対的に大きく増加し残炭の問題が発生することがある。この含量が60.0at%を超えると、分散剤を吸着した後、HOが発生してペーストの経時変化が発生するという問題が起こる可能性がある。
また、上記COの0.5〜20.0at%は、仮焼及び焼成工程の際、残炭の除去が可能な含量で、この含量範囲内で酸化物の増加によるニッケル収縮制御効果を最大化することができ、この含量が0.5at%未満では、相対的なOH基の増加によりペーストの分散特性及び経時変化が発生することがあり、この含量が20.0at%を超えると、仮焼及び焼成工程での残炭問題が発生することがある。
このような本発明の一実施形態による方法で製造されるニッケルナノ粒子の特性を確認するため、粒子の表面処理前後のX線光電子分光法(XPS;X−ray Photoelectron Spectroscopy)、X線回折(XRD;X−ray Diffraction)及び透過電子顕微鏡(TEM;Transmission Elctron Microscope)分析を行った。これを通じてニッケルナノ粒子の表面特性の変化を確認した。
図4はニッケルナノ粒子をX線光電子分光法(XPS;X−ray Photoelectron Spectroscopy)で分析し、上記ニッケルナノ粒子に含まれたNi(OH)及びNiOの含量をピーク(peak)の形態で示したグラフである。
図4において、比較例は表面処理前のニッケルナノ粒子に対する分析結果を、実施例は本実施形態により表面処理されたニッケルナノ粒子の分析結果をそれぞれ示す。
図4を参照すると、ニッケルナノ粒子の表面を微細エッチングしてその表面に均一な酸化膜を形成した実施例は、Ni(OH)及びNiOに該当するバインディングエネルギーでのピークの形態変化が表面処理されない比較例より大きく発生するため、本実施形態による表面処理によってニッケルナノ粒子の成分が変化されたことが分かる。
下記表1は、図4に示された表面処理の有無によるニッケルナノ粒子の成分変化を様々な例で示したものである。
Figure 2013253310
<表面処理の有無によるニッケルナノ粒子のXPS分析結果>
ニッケル粉末の表面は、大体、NiO、Ni(OH)及びCOの状態で存在するため、表1を参照すると、ニッケルナノ粒子の表面処理の有無によってNiO、Ni(OH)及びCOが変化することが分かる。
上記実施例のように、ニッケルナノ粒子の表面を処理すると、NiOは比較例の11.77at%から22.20at%に増加し、分散剤の吸着がさらに容易であることが分かる。
また、実施例のNi(OH)は、比較例の59.26at%から68.83at%に小幅増加したが、このように増加したNi(OH)は後に行われる熱処理段階を通じて除去することができる。
また、ニッケルナノ粒子のCOを積層セラミックキャパシタの内部電極の材料に使用すると、電気的特性に良くない影響を及ぼすが、実施例の場合、比較例の28.97at%から8.96at%に大きく減少するため、本実施形態による表面処理によってさらに優れた特性のニッケルナノ粒子を製作することができることが分かる。
図5a及び図5bは、従来の方法により製造されたニッケルナノ粒子と本発明の実施形態により表面処理されたニッケルナノ粒子のX線回折(XRD;X−ray Diffraction)分析結果をそれぞれ示したグラフである。
図5cは一般的なニッケルナノ粒子のX線回折(XRD;X−ray Diffraction)値を示したグラフで、方位角によるニッケルナノ粒子の強度を(1)111度、(2)200度、(3)220度、(4)311度及び(5)222度において算出したそれぞれのピーク値で示した。
図5cと、表面処理前の図5a及び本実施形態により表面処理された図5bの対応する方位角での強度を比較すると、比較例は一般的なニッケルナノ粒子と同じ値であり、この比較例と実施例の該当方位角での強度値も類似することが分かる。
従って、本実施形態により表面処理されたニッケルナノ粒子には、キュービック(cubic、FCC)構造を有するニッケル結晶構造の他に、他のニッケル酸化物が混在されていないことが分かる。これは表面処理によって結晶構造が変化せずにニッケル表面の酸化層だけが変化したことを示す。
図6は本発明の一実施形態により製造されたニッケルナノ粒子の走査電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)の写真であり、図7は図6に示されたニッケルナノ粒子のA区域を透過電子顕微鏡(TEM;Transmission Electron Microscope)でスキャンし、特定ポジションでニッケル(Ni)及び酸素(O)の変化をそれぞれ示したグラフである。
図6及び図7を参照すると、粒子成分をスキャンすると、Niの含量は減少し、Oの含量が増加する区間(b)があり、この区間(b)がポジション上、縁近所であることから、ニッケルナノ粒子の表面が処理されて酸化層が生成されたことを確認することができる。
本実施形態によると、表面処理後のニッケルナノ粒子は、球形の細くて均一な粒子で、その平均粒径は60〜500nmで、優れた分散安全性を有することができる。
上記のように本実施形態によると、カルボン酸と水酸基溶剤を適用したニッケル表面処理の結果、粒子の表面に形成された酸化物の成分及び形状が変化されることが分かる。
このような変化は、NiO酸化膜の含量増加による分散剤の吸着性の増大に繋がってペーストの分散性を改善させることで、ニッケルナノ粒子の表面粗度を改善し、経時変化を減少させることができる。
また、本実施形態のニッケルナノ粒子の製造方法によると、COの含量を減少させて完成したニッケルナノ粒子を内部電極の材料に使用して積層セラミックキャパシタを製造する場合、チップ内の炭素残存を減らして誘電体への影響を最小化することができるため、より信頼性が向上した積層セラミックキャパシタを製造することができる。
図1及び図2を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、複数の誘電体層111が積層されたセラミック素体110と、誘電体層111の少なくとも一面に形成され、セラミック素体110の内部に配置された複数の第1及び第2内部電極130a、130bと、セラミック素体110の両側面に形成され、第1及び第2内部電極130a、130b の露出した部分と電気的に接続されて外部端子の役割をする第1及び第2外部電極120a、120bを含むことができる。
このとき、第1及び第2内部電極130a、130bは上述の本実施形態のニッケルナノ粒子を含む導電性ペーストにより形成されることができる。
本発明は上述した実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求の範囲により限定される。
従って、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能で、これも本発明の範囲に属する。
100 積層セラミックキャパシタ
110 セラミック素体
111 誘電体層
120a、120b 第1及び第2外部電極
130a、130b 第1及び第2内部電極

Claims (10)

  1. 水と水酸基を含む溶液とを混合して水溶液を形成する段階と、
    前記水溶液に、水酸基を含む溶液に対して10〜20wt%の比率でカルボン酸(carboxylic acid)を添加し混合液を形成する段階と、
    前記混合液にニッケル塩を入れて撹拌する段階と、
    を含むニッケルナノ粒子の製造方法。
  2. 前記混合液を撹拌する段階の後、前記攪拌された混合液を乾燥及び熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  3. 前記水溶液を形成する段階は、前記水酸基を含む溶液を水に対して10〜100wt%の比率で混合することを特徴とする請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  4. 前記水溶液を形成する段階は、前記水酸基を含む溶液として過酸化水素(H)及び二酸化塩素(ClO)を使用することを特徴とする請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  5. 前記混合液を乾燥する段階は、80〜100℃の窒素雰囲気内で行われることを特徴とする請求項2に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  6. 前記熱処理段階は、180〜250℃のエア(air)雰囲気内で行われることを特徴とする請求項2に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  7. NiO 20.0〜60.0at%、Ni(OH) 20.0〜60.0at%及びCO 0.5〜20.0at%を含むニッケルナノ粒子。
  8. 前記ニッケルナノ粒子の平均粒径は60〜500nmであることを特徴とする請求項7に記載のニッケルナノ粒子。
  9. 複数の誘電体層が積層されたセラミック素体と、
    前記誘電体層の少なくとも一面に形成されて前記セラミック素体の内部に配置され、NiO 20.0〜60.0at%、Ni(OH) 20.0〜60.0at%及びCO 0.5〜20.0at%を含むニッケルナノ粒子を含む複数の第1及び第2内部電極と、
    前記セラミック素体の両側面に形成され、前記第1及び第2内部電極の露出した部分と電気的に接続される第1及び第2外部電極と、
    を含む積層セラミックキャパシタ。
  10. 前記ニッケルナノ粒子の平均粒径が60〜500nmであることを特徴とする請求項9に記載の積層セラミックキャパシタ。
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