JP4134508B2 - サプライチェーンシミュレーションシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原材料の調達から、受注、生産、物流を経て、顧客へ商品を販売するまでの活動を表すサプライチェーンの構築時において、サプライチェーンの形態を決定することを支援するために、サプライチェーン案の実施効果についてシミュレーションにより定量評価する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明でいうサプライチェーン案とは、調達拠点、製造拠点、輸送、マーケットといった物流プロセスに関して、プロセス間のつながり、プロセス毎のリードタイム、能力を定義し、情報に関して、調達計画、生産計画の立案サイクル、タイムバケット、調達指示、生産指示、出庫指示のサイクル、タイムバケットを定義し、拠点間の商取引に関して、調達拠点と製造拠点間、製造拠点と顧客間の売掛・買掛方式、を定義したものを想定している。
【0003】
このようなサプライチェーンの形態を決定する場面においては、その投資対効果、事業計画の達成度、顧客満足度等の複数の観点から、サプライチェーン案を定量的に評価し、その意思決定を行わなければならない。
【0004】
このようなことから、シミュレーションシステムによるサプライチェーン評価のニーズは高く、従来から、シミュレーションシステムの開発が行われてきた。物流の状態を模倣したシミュレーションシステムとして、特開平11−3101号公報記載の技術は、物流経路に従って関連づけた物流プロセスモデルにおける在庫などの物流の状態に応じて今後の物流の計画を作成し、それに従って物流の各作業を模倣することを特徴とするロジスティクスチェーンシミュレーションシステムであり、これによって、物流の内容を規定するロジスティクスチェーン案をシミュレーションして、在庫、コスト、利益等からロジスティクスチェーン案の評価を行い、ロジスティクスチェーンの形態を決定することを支援するものである。
【0005】
一方、経営的観点からのシミュレーションシステムとしては、例えば、特開平11−219346号公報記載の技術は、価格割引や広告等の種々の要因を考慮しながら需要予測を行ない、その予想した需要を基に経営シミュレーションを行い、その結果としての実績と、その基となった計画とを、販売計画や財務諸表的観点から比較しながら、最適な経営計画を立案することを支援するものである。また、特開平7−334576号公報記載の技術は、販売計画、在庫計画、仕入計画、設備投資計画などの経営計画を基に、それを資金繰り計画、損益計算書、貸借対照表に連動させ、企業資金計画をシミュレーションするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
経営環境が激しく変化する今日では、サプライチェーンにとって、在庫やコストといった従来の視点だけでなく、キャッシュフローや、ROAなどの経営指標による管理の重要性が求められており、事業戦略やマーケット環境に応じた最適なサプライチェーンの構築のためには、事前にこのような複数の視点から評価を行わなければ、その意思決定を誤る可能性があるといえる。
【0007】
例えば、新製品など需要が不確実な場合、売掛期間が比較的長い場合、保有資金が少ない会社の場合等には、利益を計上しているにも関わらず、資金の流動性が悪化し、最悪の場合資金ショートする可能性があるといえ、これは、利益という指標だけでなく、キャッシュフローの評価の必要性を示している。
【0008】
また、需要の変動が激しいマーケットの場合は、部品を仕込んだにも関わらず需要が落ち込んで在庫化してしまうことも考えられることから、わずかな投資でキャッシュをより多く生成できるかといった、効率性という点も一つの重要なサプライチェーンの評価方式であるといえる。また、実際に、キャッシュサイクルの短縮化を図る財務構造となったサプライチェーン構築の成功事例がデルコンピュータなどから発表されており、今後も、こうした売掛・買掛管理、部品の引き取り責任方式、といった財務構造の改革効果まで含めたシミュレーションへのニーズは高まると思われる。
【0009】
このように、サプライチェーンの評価において、従来から重要視されてきた在庫、利益といった指標以外に、キャッシュフローや運転資金、また、効率的にキャッシュをかせいでいるかを示すROA(Return on Asset)のような経営指標が重要視されている。
【0010】
しかし、前記特開平11−3101号公報記載の技術によるサプライチェーンモデル案の評価においては、物流の動作のみを模倣するものであり、お金の流れの動作のみを模倣する機能を備えていないため、売掛金、買掛金まで考慮して真のキャッシュの流れを示した、運転資金、キャッシュフロー、効率性等の評価を行なうことができない。
【0011】
一方、先に記した、経営シミュレーションを実施する技術に関しても、前記特開平11−219346号公報記載の技術は、販売される最終製品のレベルでの評価であり、別の観点からのサプライチェーンの形態を変えることによる効果、例えば、リードタイム短縮による部品在庫削減効果や、取引形態を変えることによる運転資金の削減等効果が評価結果に反映できない点で、サプライチェーン構築時における評価には不十分と思われる。また、同じく、特開平7−334576号公報記載の技術についても、既存の計画値に基づいた経営シミュレーションであり、実際の需要変動の予測が考慮されないという点で、リスクを評価できず、サプライチェーン評価には不十分と思われる。
【0012】
このように、物流、あるいは、商流のいずれかを評価できるものはあるが、その両方を連動して評価を行えるものは、従来にはなかった。
【0013】
よって、本発明の課題は、サプライチェーン上の物と金の流れをシミュレーションし、在庫、利益、キャッシュフロー等の複数の指標でもって、サプライチェーンの効果を定量的に評価することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータを用いて、企業、複数の企業間、企業と一般消費者との間、における調達活動、製造活動、物流活動、販売活動の、一連の形態を規定するサプライチェーン案をシミュレーションするサプライチェーンシミュレーションシステムを提案する。その構成は、ユーザインターフェースを通して、サプライチェーン案を評価する指標とその目標値、サプライチェーン案に係わる項目についてのパラメータ、および需要の変化パターンのパラメータの入力を受付けるデータ入力手段と、需要、計画立案、受注引当、物流プロセス、商流プロセスを、前記サプライチェーン案のパラメータに従って関連付けたサプライチェーンモデルを作成するモデル作成装置と、MPSデータを用いてMRP展開を行い、各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点、輸送に関して、各拠点の日毎や週毎の調達指示、生産指示、輸送指示の拠点別計画を作成する計画立案手段と、物流経路を構成する要素である各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点、輸送手段をモデル化した拠点モデルを前記サプライチェーン案が規定する物流経路に従って関連づけた物流プロセスモデルに従って、物流の状態を模倣する物流シミュレーション手段と、企業間、あるいは、企業と一般消費者間における商取引において発生する金の流れと、企業会計の処理上の取引をモデル化した商流プロセスモデルに従って、金の流れと、企業会計の処理上の取引を模倣する商流シミュレーション手段と、前記サプライチェーン案毎に、前記物流シミュレーション手段の処理結果である調達量、製造量、在庫量、配送量、顧客要求量、および前記商流シミュレーション手段の処理結果である売掛、買掛、キャッシュのデータを記憶するデータ記憶手段と、前記物流シミュレーション手段、および前記商流シミュレーション手段の各処理結果に基づいて、少なくとも在庫、コスト、品切れ、運転資金、およびキャッシュフローの内、複数の組合せの評価指標を計算する評価装置と、前記計算した評価指標の値を表示するデータ出力手段と、を有することを特徴とする
【0015】
【発明の実施の形態】
本サプライチェーンシミュレーションシステムについてのある実施の形態について説明する。
【0016】
本発明のサプライチェーンシミュレーションシステムは、ある製品のサプライチェーン構築の場面(以下ではそれをプロジェクトと呼ぶ)において検討したサプライチェーン案に対して、例えば在庫削減効果等の目標を達成するかどうか、あるいは、利益などの事業計画を達成できるかどうか、といった評価を可能にするために、サプライチェーン上の動作をシミュレーションし、サプライチェーン案の定量的な評価を行うシステムである。
【0017】
そして、このような評価を行いながら、ユーザは、調達拠点、製造拠点、輸送、マーケットといった物流プロセスに関して、プロセス間のつながり、プロセス毎のリードタイム、能力を定義し、情報に関して、調達計画、生産計画の立案サイクル、タイムバケット、調達指示、生産指示、出庫指示のサイクル、タイムバケットを定義し、拠点間の商取引に関して、調達拠点と製造拠点間、製造拠点と顧客間の売掛・買掛方式、を定義した、サプライチェーンの形態を決定する。
【0018】
図1に、サプライチェーンシミュレーションシステム(1)の全体構成図を示す。
【0019】
サプライチェーンシミュレーションシステム(1)は、
サプライチェーン案を評価したい指標とその目標値を設定する、評価方法設定インターフェース(151)と、サプライチェーンの形態を定義するパラーメータの設定によりサプライチェーン案を作成する、サプライチェーン案定義インターフェース(152)と、シミュレーションの実行内容に基づいてサプライチェーン案を評価した結果を表示する、結果表示インターフェース(153)とから構成された、システムと意思決定者との間のユーザーインターフェースを提供する、データ入出力装置(15)と、
在庫や品切れなどの物流の状態に応じて、各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点に関して、拠点間、及び、拠点内の、物流の計画を作成する計画立案部(111)と、各々物流経路を構成する要素である各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点、輸送における、物流の各作業を模倣する物流シミュレーション部(113)と、企業間、あるいは、企業と一般消費者間における商取引において発生する、企業会計処理上の取引と、実際のお金の流れとをシミュレーションする、商流シミュレーション部(114)と、前記計画立案手段と、前記物流シミュレーション手段と、前記商流シミュレーション手段と、需要の変化をモデル化した需要モデルとが、サプライチェーン案に従って関連づけられたサプライチェーンモデルに基づいてシミュレーションを実行するための、全体制御を行うシミュレーション全体制御部(112)とから構成される、シミュレーション実行装置(11)と、
ユーザが設定した、サプライチェーン案を定義する、リードタイム、物流経路、取引形態等のパラメータの値のデータを基に、サプライチェーンモデルを自動的に作成するモデル作成装置(12)と、
前記シミュレーション実行装置(11)において、シミュレーション中に単位時間あたりに収集した、各拠点の在庫情報、取引情報等の各情報を基に、評価指標の値を算出する、評価装置(13)と、
各種データを保持する媒体である、データ記憶装置(14)、
とから構成される。
【0020】
なお、サプライチェーンシミュレーションシステム(1)の構成は、CPUや、主記憶装置や、外部記憶装置や、表示装置や印刷装置などの出力装置や、キーボードやポインティングディバイスなどの入力装置などを備えた、一般的な構成を有する電子計算機上にプロセスや主記憶装置や外部記憶装置に記憶されたデータとして構築することができる。
【0021】
入力データについて説明する。
【0022】
入力データは、ユーザインターフェースを通してユーザが設定するデータと、予め用意しておくデータが必要となる。
【0023】
ユーザインターフェースを通して、ユーザが設定するデータは、サプライチェーン案を評価する指標とその目標値を格納する評価指標・目標値データ(148)と、サプライチェーン案を定義する、リードタイム、物流経路、取引形態等のパラメータの値を格納するサプライチェーン案データ(145)であり、これらは、設定後、データ記憶装置(14)へ記憶される。
【0024】
次に、データ記憶装置(14)に予め用意しておくデータについて説明する。
まず、言葉の定義をすると、本実施形態において、拠点とは、製品の製造を行う工場、もしくは、その中の組立ライン、塗装ラインなど、工場を構成する小工程を指す。また、製品の製造だけでなく、材料・部品の調達先、外注先も拠点とし、材料、部品、外注による中間部品などを調達する工程、最終製品を顧客あるいはユーザーに供給や販売する工程、輸送の工程も拠点とする。また、各拠点で調達・生産される部品、中間製品、製品のそれぞれを品目と呼ぶ。
【0025】
予め用意しておくデータは、物流計画立案のために必要な計画立案データ(141)、各拠点の活動で発生するコスト単価情報や、製品・部品の売価情報を格納するコスト等の情報を格納するコストデータ(142)、サプライチェーンの評価指標の複数の種類を格納する指標テンプレート(143)、需要の傾向についての複数の種類を格納する需要モデルテンプレート(144)が必要となる。
計画立案データ(141)の詳細は、部品番号、製品番号、ロット番号等のある一工程に流れる部品、製品、もしくはロットを特定できるような製造番号と、部品の種類を表す品名と、所要日と、所要量とから成る、基準となる生産計画を示すMPSデータ(1411)と、品目1個の製造にかかる時間(作業時間)等の品目に特有のデータを持つ品目データ(1412)と、製品と部品、部品と部品、部品と原材料といった品目と品目の関連を示した製品構成データ(1413)と、各拠点において、その稼動日とその作業可能時間情報を持つ工程能力情報(1414)と、それぞれの品目、拠点についての計画立案開始時点での在庫情報を持つ初期在庫データ(1415)と、計画立案開始時点におけるそれぞれの品目についての既に発注済みで将来納品される予定の入庫予定データ(1416)である。
【0026】
各データファイルのフォーマット例を図17〜図25に示す。
【0027】
次に、本実施形態に係るサプライチェーンシミュレーションシステム(1)における処理の流れについて、全体の処理の流れを示した全体処理フロー(図2)と、先の装置の全体構成図(図1)を用いて説明する。以下図2の各ステップについて、詳細に説明する。
【0028】
ステップ201
ユーザが、評価方法設定インターフェース(151)にて、プロジェクトの目標、すなわち、サプライチェーン案を評価する指標とその目標値を設定する。この値は、評価指標・目標値データ(148)としてデータ記憶装置(14)に記憶される。その例を図26に示す。
【0029】
そのインターフェースの一例を図3に示す。図3における操作としては、評価したい指標の欄にチェックをいれ、必要ならば目標値を入力することで、サプライチェーン案を評価する指標とその目標値の設定が完了する。ここで設定する指標を新たに追加したい場合は、指標テンプレート(143)にその指標データを新たに登録すればよい。
【0030】
ステップ202
ユーザが、サプライチェーン案定義インターフェース(152)にて、物流経路、輸送手段、輸送サイクル、計画管理業務サイクル、リードタイム、取引形態等の、サプライチェーンに係わる項目についてのパラメータの値を設定することにより、サプライチェーン案を定義する。上記に挙げた項目の他に、調達拠点への発注方式、顧客の注文を引当てる在庫拠点、需要の変化するパターンなどもパラメータとすることができる。例えば、新しい部品メーカとの契約形態を決定する場面においては、調達リードタイム、買掛期間等のパラメータの値を設定すればよい。
【0031】
このような、パラメータの値設定により作成したサプライチェーン案は、サプライチェーン案データ(145)としてデータ記憶装置(14)に記憶される。このデータの例を図27に示す。このとき、複数個のサプライチェーン案を作成し、同時にシミュレーションを行い、結果を比較することもできる。
【0032】
このようなサプライチェーン案作成のステップで用いる、サプライチェーン案定義インターフェース(152)の一例を図4に示す。意思決定者は、まず、サプライチェーン案の名称を、プロジェクト名称とモデル名称のセットとして登録する。次に、需要モデル、物流モデル、商流モデル、情報モデルの切り口から、各パラメータ値を画面に入力する。
【0033】
例えば、図5は、部品メーカとの契約形態の見直しを中心としたサプライチェーンを検討するプロジェクトを示している。このプロジェクトの内容を説明する。製品を組立てる拠点に対して、部品を製造する拠点として部品メーカA、部品メーカBがあり、各調達拠点の部品調達リードタイムは、部品メーカAが1週間、部品メーカBが3週間である。また、モデルAでは、製造拠点において1週間分の部品在庫を保持しており、モデルBでは、2週間分の部品在庫を保持している。部品の代金は、部品メーカAが、部品到着後1ヶ月以内、部品メーカBが、部品到着後2週間以内に支払うこととなっているが、部品メーカAの部品価格は、部品メーカBの2倍となっている。一方、製造拠点から顧客への輸送リードタイムは2日であり、顧客からの代金納入は商品到着後1ヶ月以内となっている。また、部品メーカと製造拠点間の輸送サイクルは1週間毎、製造拠点と顧客間の輸送サイクルは1日とする。また、顧客の要求は、製造拠点の、製品の在庫に引当てて顧客へ直送されるものとしている。そして、ここでの計画立案は、製造拠点において、製品の生産計画、部品の調達計画が全体計画として、立案され、在庫状況や品切れ状況を考慮した生産指示、調達指示が提示されるものとし、その計画サイクルは1週間としている。このような、部品メーカA,Bのどちらの取引形態が製造拠点にとって有利かをシミュレーションするプロジェクトである。
この例の場合のサプライチェーンの変動パラメータは、部品調達リードタイム、製造拠点での部品保持日数、部品代金支払い方法、部品コストなどの、取引形態に関するパラメータと、需要変化パターンであり、サプライチェーン案の作成とは、これらを設定する処理のことを指す。
【0034】
この、サプライチェーン案作成の処理フローを図6に示す。図4のサプライチェーン案定義インターフェース(152)を用いた処理の内容を、図5の例において部品メーカAの場合のモデルをサプライチェーン案1として設定する場合で説明する。
【0035】
ステップ601
まず、プロジェクト名称と、そのプロジェクトに属するサプライチェーン案のモデル名称を登録する。図4におけるモデル名称登録(400、401)に対応する。この場合は、プロジェクトを「サプライヤ選定」、モデル名称を「案1」として、設定する。
【0036】
ステップ602
次に、検討するサプライチェーンにおける需要動向の設定を行う。図4における需要設定(402)に対応する。
【0037】
図4の需要設定について説明する。一般的に、大きな需要動向の変化は、顧客からの需要量が増加傾向にある「立上げ期」、需要量の増加がとまる「安定期」、次期製品投入など需要量が減少する「衰退期」が考えられ、本装置においても、意思決定者は、この3つから需要モデルを選択する。そしてさらに、シミュレーションを実行するためには、パラメータである需要項目を設定する必要がある。需要項目には、需要が発生する時間値を表わす需要発生時期、需要が衰退して終了する時間値を表わす需要終了時期、見込み計画値に対する変化が増大、減少、同など(安定)であるかを表わす需要変化パターンと、その変動率等が挙げられる。
【0038】
図5の例においては、発生する需要パターンは、顧客からの需要量が増加傾向にある「立上げ期」とし、初期の販売計画通りのものと、初期計画に対して緩やかな上昇パターンのものの2つとする。需要発生時期は、シミュレーション開始から1ヶ月後とし、緩やかな上昇パターンの需要変化率としては、初期計画に対して−15%と設定する。
【0039】
ステップ603
次に、物流プロセスの設定を行う。図4におけるサプライチェーン設定の物流設定(4031)に対応する。図5の例においては、物流プロセスとしては、部品メーカA、部品メーカAから製造拠点への輸送A、製造拠点、製造拠点から顧客への輸送、顧客、が挙げられる。それぞれ詳細を設定していくが、部品メーカAを例にそれを説明する。部品メーカAは、カテゴリとしては、調達拠点を設定し、プロセスタイムとしてはパラメータである部品調達リードタイムの1週間(7日)を設定する。そして次のプロセスとして、輸送Aプロセスを設定する。このように、各物流プロセスの、プロセスタイム、能力、サイクル、次のプロセスを案の通りに設定していく。
【0040】
ステップ604
次に商流プロセスの設定を行う。図4におけるサプライチェーン設定の商流設定(4032)に対応する。図5の例においては、部品メーカと製造拠点間、及び、製造拠点と顧客間の取引形態を定義するが、例えば、部品メーカAと製造拠点の取引形態については、買掛日数のパラメータの値を30日と設定する。
【0041】
ステップ605
次に情報プロセスの設定を行う。図4におけるサプライチェーン設定の情報設定(4033)に対応する。図5の例においては、生産計画、生産指示、調達計画、調達指示、取引指示、需要引当について、そのサイクルや、指示先のプロセス等を設定していく。例えば、調達計画については、カテゴリの項に計画立案を設定し、サイクルの項に7日と設定し、出力の項に調達指示と設定する。出金処理の取引についても、サイクルの項に1日、すなわち毎日と設定し、出力の項、すなわち出金指示の先として製造拠点を設定する。
【0042】
ステップ606
以上の処理を、シミュレーションを実行したいサプライチェーン案の数だけ実行する。
【0043】
以上で、サプライチェーン案を定義するプロセスが終了する。
【0044】
ステップ203
ステップ202で作成したサプライチェーンの案について、モデル作成装置(12)にて、需要、計画立案、受注引当、物流プロセス、商流プロセスを、サプライチェーン案に従って関連づけたサプライチェーンモデルを作成する。
【0045】
まず、サプライチェーンモデルについて説明する。
【0046】
サプライチェーンを構成するモデルは、品目の流れる過程をモデル化した物流プロセスモデル、企業と一般消費者間における商取引において発生する、実際のお金の流れと、企業会計の処理上の取引をモデル化した商流プロセスモデル、顧客の需要をモデル化した需要モデル、注文や要求に対して、生産している品目に引当てる処理をモデル化した受注モデル、各拠点に対して生産指示、調達指示を出す処理をモデル化した計画立案モデルの5つのモデルを基本とし、これらを関連づけてサプライチェーン案をシミュレーションするためのサプライチェーンモデルを作成する。図7は、そのサプライチェーンモデルの一例であり、以下、これを用いて、各モデルを説明する。
【0047】
まず、物流プロセスモデルについて説明する。物流プロセスモデルは、部品や材料の調達から製造、輸送、納入に関する品目の流れる過程をモデル化したものであり、製造拠点、調達拠点、配送センタ、輸送手段などを表現した複数のモデルから構成されている。
【0048】
物流プロセスモデルの一例として、製造拠点のモデル構成を示す。輸送モデルについては、後で受注モデルと合わせて説明する。
【0049】
製造拠点モデルは、それと前のプロセスの拠点とを結ぶ輸送のモデルから入庫される品目を表わすデータ(以下、「入庫品目」と呼ぶ)と、立案された生産計画に従ったその拠点の生産指示を表わすデータ(以下、「生産指示」と呼ぶ)と、生産された品目の別の拠点への出庫指示、とを入力とし、出庫される品目を表わすデータを出力するものである。
【0050】
この製造拠点モデル(75)は、部品在庫モジュール(751)、投入指示モジュール(752)、製造工程モジュール(753)、製品在庫モジュール(754)の大きな4つの処理モジュールから構成される。部品在庫モジュール(751)は、初期在庫発生(7511)、出庫処理(7512)、使用部品仕分け(7513)からなる。投入指示モジュール(752)は、投入ロット分割(7521)、使用部品計算(7522)、使用部品収集指示(7523)、ライン投入指示(7524)からなる。製造工程モジュール(753)は、製造ライン(7531)、製造量算出(7532)からなる。製品在庫モジュール(754)は、初期在庫発生(7541)、入庫処理(7542)、出庫処理(7543)からなる。
【0051】
図7の製造拠点モデル(75)はシミュレーション実行時には次のように動作する。まず、シミュレーション開始と同時に、部品在庫モジュール(751)の初期在庫発生(7511)において、初期在庫データ(1415)に従って初期在庫を発生させ、それが出庫処理(7512)において、部品在庫として一時的に保持される。一方、製造拠点モデルの直前の輸送モデルから出力された入庫品目についても(731)、出庫処理(7512)において部品在庫として一時的に保持される。
【0052】
次に、生産する品目を表わす生産指示が入力されると(732)、まず、投入指示モジュール(752)の投入ロット分割(7521)において投入ロット数に分割される。次に、使用部品計算(7522)にて、生産に使用する部品を計算し、使用部品収集指示(7523)において指示された品目を生産するのに必要な使用部品を在庫モジュールから出庫するように、出庫処理(7512)へ指示を出す(733)。そして、使用部品仕分け(7513)にて出庫指示品目とその量を判別し、それらの部品が揃っていれば、そのことをライン投入指示(7524)に伝えると(734)、使用部品が製造ライン(7531)へ投入される(735)。製造ライン(7531)へ投入された部品は、製造リードタイム後に製造ラインから製品を表わすデータに変換され(以下、「製品」と呼ぶ)、その生産実績値を製造量算出(7532)で集計しながら、製品が製品倉庫(7542)に入庫される(736)。製品倉庫(7542)では、予め初期在庫発生(7541)にて、初期在庫データ(1415)に従った初期在庫を発生させ、それが入庫処理(7542)で製品在庫として一時的に保持されている。これに加えて、製造量算出(7532)から出力された製品も入庫処理(7542)へ流れ、製品在庫として一時的に保持される。出庫処理(7543)は、オーダが入ってきた製品の出庫処理をモデル化したものであり、説明は後述する。
【0053】
物流プロセスモデルは、このようにな複数のモジュールからなる拠点モデルとともに、同様に詳細化されたモジュールから構成された輸送モデルや物流センターモデルなどの複数のモデルが関連し合ったものとなる。
【0054】
次に、商流プロセスモデルについて説明する。
【0055】
商流プロセスモデルは、企業における簿記上の売掛・買掛の処理をモデル化した簿記取引モデル(78)と、企業間、もしくは、企業と一般消費者間における、お金の支払・受領の処理をモデル化した、キャッシュ取引モデル(79)とから成る。入力は、サプライチェーン案データ(145)の商取引形態、物流プロセスモデルからの資産の移動情報であり、シミュレーション中の売掛、買掛、キャッシュの状態を出力する。
【0056】
図5の例を用いてシミュレーション実行時の動作を説明する。この例は、製造拠点モデルを主体として考えた商流を検討するモデルであるため、製造拠点への部品の入庫処理、製造拠点で生産した製品の顧客への納入処理に伴う、物や金といった資産の移動をモデル化する。
【0057】
簿記取引モデル(78)は、取引指示内容決定モジュール(781)と、取引実行モジュール(782)とから構成される。取引指示内容決定モジュール(781)は、取引発生認識(7811)と取引タイミング・内容計算(7812)とから成る。取引実行モジュール(782)は、指示タイミング計算(7821)と、簿記取引指示発生(7822)と、簿記取引実行(7823)とから成る。
【0058】
これらは、シミュレーション実行時には次のように動作する。まず、取引発生認識(7811)が、直前の輸送モデルから部品が入庫されたことを感知する。そして、このような部品入庫のタイミングの度に、取引タイミング・内容計算(7812)において、買掛の追加の対象となる品目と量を、日毎や週毎で集計することを繰り返す。この集計のタイミングは、4033で定義した情報プロセスの取引サイクルの設定に従う。また、製品を顧客に納入する時は、取引発生認識(7811)が、製造拠点モデルの後ろの輸送モデルの納入(764)において製品を顧客へ納入したタイミングを感知し、その納入のタイミングの度に、取引タイミング・内容計算(7812)において、売掛を追加しながら、それらを日毎や週毎で集計することを繰り返す。一方、取引実行モジュール(782)は、指示タイミング計算(7821)にて、毎日、あるいは、週1回など、シミュレーションの時間上での簿記取引の集計を実行するタイミングを計算し、そのタイミングが来れば、簿記取引指示発生(7822)において、取引タイミング・内容計算(7812)で定めた取引内容についての実行指示を発生させ、簿記取引実行(7823)にて、その指示に従って製造拠点の売掛、買掛を増減する処理を実行する。
【0059】
キャッシュ取引モデル(79)は、取引指示内容決定モジュール(791)と、取引実行モジュール(792)とから構成される。取引指示内容決定モジュール(791)は、取引発生認識(7911)と取引タイミング・内容計算(7912)とから成る。取引実行モジュール(792)は、指示タイミング計算(7921)と、キャッシュ取引指示発生(7922)と、キャッシュ取引実行(7923)から成る。
【0060】
これらは、シミュレーション実行時には次のように動作する。まず、取引発生認識(7921)が、直前の輸送モデルから部品が入庫されたことを感知する。そして、このような部品入庫のタイミングの度に、取引タイミング・内容計算(7912)において、4032で定めたキャッシュの支払い方式に従って、支払い日を計算し、日毎や週毎で、その支払い量を集計することを繰り返す。図5の例は、部品購入の2週間後、もしくは、1ヶ月後に代金を支払う、というモデルであることから、部品入庫のタイミングから2週間後、もしくは、1ヶ月後のタイミングを支払日とし、その日のキャッシュの支払い対象となる品目と量に、当該部品を追加する。逆に、製品を顧客に納入する時は、図5の例では、顧客納入の1ヶ月後に商品の代金が入金されるモデルであるため、取引発生認識(7921)が、製造拠点モデルの後ろの輸送モデルの納入(764)において製品を顧客へ納入したタイミングを感知し、取引タイミング・内容計算(7912)において、そのタイミングの1ヶ月後のタイミングを入金日とし、その日の入金対象となる品目と量に当該製品を追加する。
【0061】
一方、取引実行モジュール(792)は、指示タイミング計算(7921)にて、毎日、あるいは、週1回など、シミュレーション上の時間上でのキャッシュ取引を実行するタイミングを計算し、そのタイミングが来れば、キャッシュ取引指示発生(7922)において、取引タイミング・内容計算(7812)で定めた取引内容についての実行指示を発生させ、キャッシュ取引実行(7923)にて、その指示に従って製造拠点のキャッシュを増減する処理を実行する。
【0062】
また、もし、部品代金の支払いが、部品納入の翌月末の支払いであれば、取引指示内容決定モジュール(791)にて、月の初めから月末まで、直前の輸送モデルから部品が入庫されたタイミングを感知する度に、その品目と量を月毎に累積で記憶しておき、キャッシュ取引指示発生(7922)にて、その月の翌月末になった時点でその分のキャッシュを減少させる処理を指示し、キャッシュ取引実行(7923)においてそれを実行する。同じく、売り上げた製品の代金入金が、製品納入の翌月末の入金であれば、取引指示内容決定モジュール(791)にて、月の初めから月末まで、後の輸送モデルの納入(764)において製品を顧客へ納入したタイミングを感知する度に、その品目と量を月毎に累積で記憶しておき、キャッシュ取引指示発生(7922)にて、その月の翌月末になった時点でその分のキャッシュを増加させる処理を指示し、キャッシュ取引実行(7923)においてそれを実行すればよい。
【0063】
次に、計画立案モデルについて説明する。
【0064】
計画立案モデルは、各拠点の調達計画、製造計画、出荷計画などの計画立案の処理をモデル化したものである。
【0065】
このモデルはサプライチェーン案作成時に定めた運用管理方式、計画サイクルなどの、パラメータの値に基づいて作成される。たとえば、図5に示したサプライチェーン案では、前述のように、生産・調達計画のサイクルは1週間毎と設定されている。
【0066】
図7に、この場合の計画立案モデルを示す。
【0067】
このモデルは前提条件である計画サイクル、計画立案タイミング、計画指示タイミングなどを入力とし、各拠点への調達・生産指示を出力とする。構成は、計画実行モジュール(711)、調達・生産指示タイミング計算モジュール(712)、調達・生産指示モジュール(713)と、大きく3つの処理モジュールから成る。
【0068】
計画実行モジュール(711)は、実行タイミング計算(7111)と、計画関数実行(7112)とから成る。調達・生産指示タイミング計算モジュール(712)は、指示タイミング時間計算(7121)、調達・生産指示発生(7122)から成る。計画指示モジュール(713)は、指示ファイル読込(7131)、タイムバケット振分け(7132)、各拠点へ調達・生産指示(7133)から成る。
【0069】
入力は、計画立案データ(141)、サプライチェーン案データ(145)の計画の立案サイクルに関するデータであり、各拠点への、調達指示や、生産指示を出力する。
【0070】
シミュレーション時において、このモデルは次のように動作する。
【0071】
計画実行モジュール(711)では、4033で定義された計画実行タイミングに従い、そのタイミング毎に、各拠点モデルへの調達・生産計画を立案する。まず、実行タイミング計算(7111)において計画サイクル情報に基づいて、計画の実行日が計算される。次に、その実行日になると、計画関数実行(7112)でMRP展開を実行し、部品拠点への調達指示、組立拠点の生産指示ファイルが作られる。再び、実行タイミング計算(7111)において次の計画の実行日が計算され、これがシミュレーション終了時まで繰り替えされる。
【0072】
計画指示タイミング計算モジュール(712)では、711で作成した計画を、物流プロセスモデルの各拠点モデルへ、調達・生産指示として出力するタイミングを計算する。指示タイミング時間計算(7121)により求められた計画指示タイミング毎に、調達・生産指示発生(7122)が実行され、計画指示モジュール(713)の指示ファイル読込(7131)を実行する指示が出る(714)。
【0073】
この指示が出されたら、計画指示モジュール(713)の指示ファイル読込(7131)において、計画関数実行(7112)で計算された各拠点の調達・生産指示データが読込まれ、タイムバケット振分(7132)で、4033で定義されたバケット単位に生産指示のデータが振り分けられる。そして、各拠点へ調達・生産指示(7133)により、物流プロセスモデルの各拠点モデルへ調達・生産指示として出力される。
【0074】
次に、需要モデルについて説明する。需要モデル(73)は、オーダ計算(731)、タイミング計算(732)、オーダ発生(733)から成る。入力は、サプライチェーン案データ(145)の需要パターンの情報と、MPSデータであり、本モデルで算出したオーダをそのタイミング毎に受注モデルに出力する。シミュレーション時、このモデルは次のように動作する。このモデルは402で定めた需要パターンに基づいて、オーダを作成する。まず、オーダ計算(731)にて、急上昇や緩上昇などの需要パターンに従って、MPSデータ(1411)を基にオーダを計算する。次に、タイミング計算(732)にて、オーダ発生のタイミング、すなわち、作成したオーダを受注モデルに出力するタイミングを計算する。そして、そのタイミング毎に、オーダ発生(733)にてオーダを発生させ、受注モデルにそれを送る(701)。
【0075】
次に受注モデルについて説明する。
【0076】
受注モデル(72)は、オーダ受領(721)、在庫引き当て(722)、出庫指示(723)から成る。入力はオーダであり、製品の出庫指示を出力する。シミュレーション時、このモデルは次のように動作する。まず、オーダ受領(721)にて、オーダ発生(733)から送られてきたオーダを受領する。次に、在庫引当(722)にて、受領したオーダをまとめ、出庫のタイミング、品目、数を計算し、在庫引き当て指示を作成する。次に、出庫指示(723)にて、そのタイミングに、出庫すべき品目、数についての指示を、物流プロセスモデルの一部である、顧客への輸送モデル(76)のオーダ集約(761)に送る(702)。
【0077】
輸送モデル(76)は、オーダ集約(761)、製品ピッキング(762)、出荷(763)、納入(764)から構成される。入力は出庫指示(723)からのオーダであり、輸送品目データを出力する。シミュレーション時、このモデルは次のように動作する。まず、オーダ集約(761)にて、出庫指示(723)からのオーダを受け取り、全オーダの品目と数量をまとめる。次に、製品ピッキング(762)にて、製品在庫モジュールの出庫処理(7543)に、オーダ集約(761)でまとめた品目と数量についての出庫指示を出す。出庫処理(7543)では、その出庫指示に従って必要な品目を出庫する。そして、出荷プロセス(763)において必要な輸送リードタイムを経て、納入プロセス(764)にて、商品が顧客に到着する。
【0078】
以上がサプライチェーンモデルについての説明である。
【0079】
次に、このようなサプライチェーンモデルを作成するための、モデル作成装置(12)について説明する。本装置では、ステップ202で入力したサプライチェーンの案を定義するパラメータの値を読みこみ、それに従ってサプライチェーンモデルを作成する処理を行う。
【0080】
図16にその構成を示す。モデル作成装置(12)は、物流プロセス構築(121)、商流プロセス構築(122)、情報プロセス構築(123)とから構成される。物流プロセス構築(121)は、物流パラメータ入力(1211)とプロセス構築(1212)と拠点属性設定(1213)から成る。商流プロセス構築(122)は、商流パラメータ入力(1221)とキャッシュ取引タイミング計算式作成(1222)から成る。情報プロセス構築(123)は、情報パラメータ入力(1231)と、計画立案タイミング設定(1232)と、指示タイミング設定(1233)と、情報入力先設定(1234)から成る。
【0081】
物流プロセス構築(121)では、物流パラメータ入力(1211)にて、サプライチェーン案データ(145)のなかの物流に関するパラメータを読み込む。プロセス構築(1212)において、次プロセスのデータを基に、拠点と拠点とのつながりを定義する。次に拠点属性設定(1213)において、サプライチェーン案データ(145)における拠点毎の、製造や輸送のリードタイム、キャパシティ、サイクルタイム、等の属性を設定する。
【0082】
商流プロセス構築(122)では、商流パラメータ入力(1221)にて、サプライチェーン案データ(145)のなかの商流に関するパラメータを読み込む。キャッシュ取引タイミング計算式作成(1222)において、売掛、買掛のデータを基に、キャッシュを支払うタイミングの計算式の値をその入力値に設定してモデル内での計算式の作成を行う。
【0083】
情報プロセス構築(123)では、情報パラメータ入力(1231)にて、サプライチェーン案データ(145)のなかの情報に関するパラメータを読み込む。情報のカテゴリは、大きく、計画と指示があり、計画とは、生産計画や調達計画の立案、指示とは、生産指示、調達指示、需要の引当指示、等を指す。まず、計画立案タイミング設定(1232)において、生産計画や調達計画のタイミングを示すサプライチェーン案データ(145)のサイクルタイムの値を基に、計画実行モジュール(711)の実行タイミング計算(7111)におけるタイミング計算式の作成を行う。次に指示タイミング設定(1233)において、生産指示や調達指示のタイミングを示すサプライチェーン案データ(145)のサイクルタイムの値を基に、計画指示タイミング計算モジュール(712)の指示タイミング時間計算(7121)の計算式の作成を行う。計画や指示のタイミング計算式が完成したら、最後に、情報入力先設定(1234)において、計画や指示の情報の出力先を定義する。
【0084】
このようにモデルの属性情報を定義することで、サプライチェーンモデルを作成する。
【0085】
ステップ204
ステップ203において、パラメータの組合せにより作成された複数のサプライチェーン案のシミュレーションモデルに従って、シミュレーションを実行する。
【0086】
図8に、図1のシミュレーション実行装置(11)の内部構成を示す。
【0087】
図示するように、この構成は、物流シミュレーション部(113)、商流シミュレーション部(114)、計画立案部(111)、シミュレーション全体制御部(112)を有する。物流シミュレーション部(113)は、ステップ203で作成した物流プロセスモデル(1131)、需要モデル(1132)、受注モデル(1133)、計画立案モデル(1134)を有する。ただし、ここでは、物流シミュレーション部(113)の計画立案モデル(1134)は、図7の計画立案モデル(71)の実行タイミング計算(7111)に相当し、パラメータとして設定された計画サイクル毎に、計画立案指示を計画立案部(111)に出力する機能であるとし、計画立案部(111)が、図7の計画立案モデル(71)の計画関数実行(7112)に相当するものとして示している。また、商流シミュレーション部(114)は、簿記取引モデル(78)と、キャッシュ取引モデル(79)を有する。
【0088】
入力データとして、計画立案部(111)に対して、MRP(Material Requirement Planning)に必要なデータ(141)と、需要作成のための、需要モデルテンプレート(142)と、ステップ203においてサプライチェーン案データ(145)を基に作成されたサプライチェーンモデルを読み込む。
【0089】
シミュレーション実行時はシミュレーション全体制御部(112)によりシミュレーション開始、終了における時間制御が行われ、入力のサプライチェーンモデルに従って、各モデルの作業が模倣される。また、模倣された結果としての物流、商流の状態は、各拠点において、一定のタイミングで品目毎の拠点への入力数、拠点からの出力数の履歴をカウントすることで記憶しており、これが、シミュレーション結果データ(146)としてデータ記憶装置(14)に記憶される。
【0090】
まず、計画立案部(111)は、計画立案モデル(1134)からの計画立案指示が入力されると(802)、前提条件として与えられたMPSデータ(1411)を用いてMRP展開を行い(1112)、各拠点の日毎や週毎の調達指示、生産指示、輸送指示などの拠点別計画を算出する(803)。この算出結果に従い物流シミュレーション部の物流プロセスモデルの調達、生産、輸送が行われる(804)。
【0091】
そして、需要モデル(1132)において、ステップ202で作成した、サプライチェーン案の需要モデルに従った顧客の要求指示が作成される。次にこの要求指示が受注モデル(1133)に入力され(105)、完成品あるいは中間品、部品など受注条件又は受注のパラメータに基づき、引当て指示が作成される。この引当て指示は物流プロセスモデルに入力され(106)、プロセス内で在庫に引当てられる。
【0092】
また、計画立案部(111)は計画立案モデル(1134)から計画サイクルに基づき、計画立案部(111)の実行が促されると、物流シミュレーション部(113)で発生した在庫量、品切れ量、需要量の結果を計画立案部(111)で読込み(807)、これと基準の生産計画を考慮した新たな日毎または週毎の調達指示、生産指示、輸送指示を作成する。
【0093】
このようにして新たな調達指示、生産指示、輸送指示が生成されると、この調達指示、生産指示、輸送指示に従い物流シミュレーション部の物流プロセスモデルの調達、生産、輸送が行われる(804)。
【0094】
そして、商流シミュレーション部(114)において、製造拠点への部品の入庫処理、製品の顧客への納入処理に伴って(808、809)、簿記上の資産の移動と、実際のキャッシュの移動が実行される。
【0095】
シミュレーションが終了すると、前述のようにシミュレーション結果が、シミュレーション結果データ(146)としてデータ記憶装置(14)に記憶される。
【0096】
シミュレーション結果データ(146)には、具体的に次の情報が保存されている。まず、最も基本的なデータとして、各拠点における、品目や指示の入力数、出力数を記憶した、シミュレーション結果素データ(1461)が存在し、そのデータを加工して、単位時間当たりの仕掛かり量に換算したデータを格納した、シミュレーション結果加工データ(1462)も存在する。図28、29にそのデータの例を示す。物流シミュレーションの結果としては、その品目の入力数・出力数が、調達量や生産量であり、仕掛かり量がその拠点における仕掛量、もしくは、在庫量、を指す。また、商流シミュレーションの結果としては、売掛や買掛やキャッシュを擬似的に拠点とみなし、例えば売掛を例にとると、売掛という拠点に関するデータレコードにおいて、物流の入力数が売掛の増加を促す品目の量を示し、出力数が売掛の減少を促す品目の量を示し、仕掛かりが、その時点での売掛や買掛やキャッシュの量を表す品目と量、ということになる。このように、物流シミュレーション部での結果である調達量、製造量、在庫量、配送量、顧客要求量や、商流シミュレーション部での結果である売掛、買掛、キャッシュ等の情報は、シミュレーション結果データ(146)としてデータ記憶装置(14)に記憶される。また、これに関して、時点毎の売掛、買掛、キャッシュの情報を、品目毎の数ベースで記憶する他に、品目とコストが対応したコストデータ(142)を予め入力しておき、これをシミュレーション実行中に参照しながら、全て金額ベースで計算し、データ記憶装置(14)に記憶する方法もある。
【0097】
ステップ205
実行していない未処理の案が残っている場合、終了するまでステップ204を繰返し行う。
【0098】
ステップ206
全ての案のシミュレーションの終了後、評価装置(13)において、シミュレーション結果に基づいた評価を行う。各サプライチェーン案に対する、在庫、コスト、品切れ、運転資金、キャッシュフローなどの評価指標を、図8のシミュレーション結果データ(146)を基に計算し、その結果を、電子計算機の備えられた表示装置に表示するとともに、これらをデータ記憶装置201に記憶する。その構成を図10に示す。評価装置(13)は、データ読込部(131)と、評価指標計算部(132)から成る。データ読込部(131)は、評価指標読込(1311)と、必要データ読込(1312)から成り、評価指標計算部(132)は、評価指標計算(1321)と、評価結果表示データ作成(1322)から成る。入力は、評価指標・目標値データ(148)と、指標テンプレート(143)と、シミュレーション結果データ(146)であり、予め設定した評価指標でシミュレーション結果を評価した結果を出力する。
【0099】
次に、それぞれの処理について、図9の処理フローを用いて説明する。
【0100】
ステップ901
図8の評価指標読込(1311)において、ステップ201で設定した、サプライチェーン案を評価する指標とその目標値を、評価指標・目標値データ(148)から読み込む。また、その評価指標についての情報、例えば、評価指標の計算式や、それを計算するのに必要なデータ項目を指標テンプレート(143)から読み込む。
【0101】
例えば、在庫回転率で説明すると、評価指標の計算式として、「売上高÷在庫」を読込み、必要なデータとして、製品在庫、中間製品在庫、部品在庫、売上量のデータと、品目毎の原価データ、製品売価データという項目を読み込む。
【0102】
ステップ902
図8の必要データ読込(1312)において、ステップ901で読み込んだ評価指標計算に必要なデータ項目について、シミュレーション結果データ(146)やコストデータ(142)からそのデータを読み込む。
【0103】
例えば、在庫回転率で説明すると、シミュレーション結果データ(146)から、物流に関するデータのなかで、カテゴリが「製品在庫」、「中間製品在庫」、「部品在庫」となっている拠点に関する全レコードから、その「品目」と「仕掛量」のデータを読込むことで在庫品目情報を得る。次に、カテゴリのデータ項目が「顧客」である拠点の全レコードから「品目」と「物流入力数」を読み込むことで売上品目情報を得る。次に、コストデータ(142)から、全品目の原価や製品売価の情報を得る。
【0104】
ステップ903
図8の評価指標計算(1321)において、ステップ901で読み込んだ評価指標の計算式と、ステップ902で読み込んだデータを基に、評価指標の値を計算する。
【0105】
例えば、在庫回転率を算出する過程を説明する。ステップ901で読み込んだ、在庫回転率の計算式は、売上高÷在庫となっている。まず、売上高は、顧客という拠点に入力された品目に対し、品目毎の製品売価をかけたものである。よって、ステップ902においてシミュレーション結果データ(146)の顧客の拠点に関する入力品目を集計した結果に、製品毎にコストデータ(142)の製品売価を参照して売上高を集計する。在庫は、シミュレーションの最後の時点での、部品在庫、中間製品在庫、製品在庫を金額ベースで換算した値である。これを図5の例を用いて説明すると、ここでは、組立メーカを主体として考えているため、組立メーカの資産である在庫、すなわち、製造メーカの部品倉庫に存在する部品在庫と、製造メーカのラインに仕掛かっている中間製品在庫、そして、製造メーカの製品倉庫に存在する製品在庫を、ステップ902において品目毎に集計した結果に、品目毎にコストデータ(142)の品目毎の原価を参照して在庫額を集計する。このようにして計算された売上高と在庫額を売上高÷在庫という計算式に従って計算した結果が在庫回転率という評価指標の値となる。
【0106】
ステップ904
ステップ201で設定した、サプライチェーン案を評価する指標全てについて計算を終了したか確認し、終了していれば、次のステップへ進み、終了していなければ、ステップ903を繰り返す。
【0107】
ステップ905
結果表示インターフェース(153)に評価結果を表示する。結果表示インターフェース(153)の一例を図11に示す。ステップ201で設定した、サプライチェーン案を評価する指標全てについての結果を表示し、グラフなど、より詳細な情報を得たい評価指標については、その項目をチェックし、詳細表示起動ボタン(1001)の実行により、それぞれの評価指標毎にその詳細を別の画面で見ることができる。
【0108】
次に、図5の例において、ステップ1で評価指標を「在庫回転率」「利益率」「運転資金」「キャッシュフロー」と設定したとして説明する。需要が安定上昇で部品メーカAというパラメータの組合せが案1、需要が安定上昇で部品メーカBというパラメータの組合せが案2、需要が緩上昇で部品メーカAというパラメータの組合せが案3、需要が緩上昇で部品メーカBというパラメータの組合せが案4とする。
【0109】
図12に、在庫回転率を算出したときの評価結果の一例を、図13に、利益率を算出したときの評価結果の一例を、図14に、運転資金とキャッシュフローを算出したときの評価結果の一例を示す。
【0110】
この結果から、ユーザは、例えば次のような判断を行う。図12、図13をみると、案2、4の方が在庫は多いが、期待できる利益は大きい。よって、需要が安定していれば、案2が望ましいと言える。しかし、需要があまりのびない場合、すなわち、案3、案4についての図14の結果をみると、案4は運転資金や目標値を達成しておらず、需要が不確実な場合、売掛期間が長い場合、手持ち資金が少ない会社の場合等には、資金ショートする危険性があることが分かる。一方、案3は、在庫が少なく、買掛期間が長いため、キャッシュフローは案4より大きく、運転資金も目標を満たしている。このようなことから、需要のまだよく分からない新製品に対しては、回転性の高い、部品メーカAとの取引形態の案を採用する、という意思決定を行う。
【0111】
また、このような評価指標による結果表示だけでなく、図15のように、部品在庫、半製品在庫、製品在庫の推移のような、シミュレーション結果そのものを、グラフ化して表示してもよい。また、各案に対するリードタイム評価、顧客要求対応度、生産能力負荷量、また複数の評価項目からのレーダーチャート評価など、さまざまな角度からの分析結果を表示するようにしてもよい。
【0112】
以上のように、シミュレーションによる評価結果を意思決定者に提示することにより最適なパラメータの決定を可能とする。
【0113】
ステップ207
ステップ202で作成した、サプライチェーン案に対して、ステップ206による評価の結果と、ステップ201にて設定した目標値とを比較し、サプライチェーン案を満足するかどうかについて、ユーザが検討する。そして、設定した評価値を満たしていないなど、サプライチェーン案、あるいは、目標値そのものの変更を行う必要があるかのチェックを行う。
【0114】
ステップ208
目標値はそのままで、サプライチェーン案を変更したい場合には、ステップ202に戻り、以降の処理を実施する。目標そのものから見直す場合には、ステップ201に戻り、以降の処理を実施する。
【0115】
これらを繰り返しながら、設定した評価値を満たしている場合には、複数のサプライチェーン案の中から評価結果が最良であったサプライチェーン案を選択し、全ての処理を終了する。
【0116】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、サプライチェーン案に従って、物流と、商流の各作業をシミュレーションし、在庫、コスト、利益、運転資本、キャッシュフロー、等の複数の視点からサプライチェーン案を定量的に評価することによって、資金等の企業のリソース、マーケット、製品ライフサイクル等の事業環境に適したサプライチェーン形態の決定の支援を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のサプライチェーンシミュレーションシステムの全体構成図である。
【図2】実施例のサプライチェーンシミュレーションシステムの処理全体の手順を示す流れ図である。
【図3】評価方法設定インタフェースの画面例を示す図である。
【図4】サプライチェーン案定義インターフェースの画面例を示す図である。
【図5】実施例のサプライチェーン案の例を示す図である。
【図6】サプライチェーン案の作成処理の手順を示す流れ図である。
【図7】実施例のサプライチェーンモデルの説明図である。
【図8】実施例のシミュレーション実行装置の機能構成図である。
【図9】評価結果表示処理の手順を示す流れ図である。
【図10】実施例の評価装置の機能構成図である。
【図11】結果表示インターフェースの画面例を示す図である。
【図12】結果表示インターフェースの、在庫回転率の結果を示す詳細画面の例を示す図である。
【図13】結果表示インターフェースの、利益率の結果を示す詳細画面の例を示す図である。
【図14】結果表示インターフェースの、運転資金、キャッシュフローの結果を示す詳細画面の例を示す図である。
【図15】結果表示インターフェースの、在庫データの結果を示す詳細画面の例を示す図である。
【図16】実施例のモデル作成装置の機能構成図である。
【図17】コストデータのフォーマット例を示す図である。
【図18】指標テンプレートのフォーマット例を示す図である。
【図19】需要モデルテンプレートのフォーマット例を示す図である。
【図20】MPSデータのフォーマット例を示す図である。
【図21】品目データのフォーマット例を示す図である。
【図22】製品構成データのフォーマット例を示す図である。
【図23】工程能力情報のフォーマット例を示す図である。
【図24】初期在庫データのフォーマット例を示す図である。
【図25】入庫予定データのフォーマット例を示す図である。
【図26】評価指標・目標値データのフォーマット例を示す図である。
【図27】サプライチェーン案データのフォーマット例を示す図である。
【図28】シミュレーション結果素データのフォーマット例を示す図である。
【図29】シミュレーション結果加工データのフォーマット例を示す図である。
【符号の説明】
1…サプライチェーンシミュレーションシステム、11…シミュレーション実行装置、111…計画立案部、112…シミュレーション全体制御部、113…物流シミュレーション部、1131…物流プロセスモデル、1132…需要モデル、1133…受注モデル、1134…計画立案モデル、114…商流シミュレーション部、1141…簿記取引モデル、1142…キャッシュ取引モデル、12…モデル作成装置、121…物流プロセス構築部、122…商流プロセス構築部、123…情報プロセス構築部、13…評価装置、131…データ読込部、132…評価指標計算部、14…データ記憶装置、141…計画立案データ、1411…MPSデータ、1412…品目データ、1413…製品構成データ、1414…工程能力情報、1415…初期在庫データ、1416…入庫予定データ、142…拠点データ、143…指標テンプレート、144…需要モデルテンプレート、145…サプライチェーン案データ、146…シミュレーション結果データ、1461…シミュレーション結果素データ、1462…シミュレーション結果加工データ、147…評価結果データ、148…評価指標・目標値データ、15…データ入出力装置、151…評価方法設定インターフェース、152…サプライチェーン案定義インターフェース、153…結果表示インターフェース。

Claims (4)

  1. コンピュータを用いて、企業、複数の企業間、企業と一般消費者との間、における調達活動、製造活動、物流活動、販売活動の、一連の形態を規定するサプライチェーン案をシミュレーションするサプライチェーンシミュレーションシステムであって、
    ユーザインターフェースを通して、サプライチェーン案を評価する指標とその目標値、サプライチェーン案に係わる項目についてのパラメータ、および需要の変化パターンのパラメータの入力を受付けるデータ入力手段と
    需要、計画立案、受注引当、物流プロセス、商流プロセスを、前記サプライチェーン案のパラメータに従って関連付けたサプライチェーンモデルを作成するモデル作成装置と、
    MPSデータを用いてMRP展開を行い、各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点、輸送に関して、各拠点の日毎や週毎の調達指示、生産指示、輸送指示の拠点別計画を作成する計画立案手段と、
    物流経路を構成する要素である各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点、輸送手段をモデル化した拠点モデルを前記サプライチェーン案が規定する物流経路に従って関連づけた物流プロセスモデルに従って、物流の状態を模倣する物流シミュレーション手段と、
    企業間、あるいは、企業と一般消費者間における商取引において発生する金の流れと、企業会計の処理上の取引をモデル化した商流プロセスモデルに従って、金の流れと、企業会計の処理上の取引を模倣する商流シミュレーション手段と、
    前記サプライチェーン案毎に、前記物流シミュレーション手段の処理結果である調達量、製造量、在庫量、配送量、顧客要求量、および前記商流シミュレーション手段の処理結果である売掛、買掛、キャッシュのデータを記憶するデータ記憶手段と
    前記物流シミュレーション手段、および前記商流シミュレーション手段の各処理結果に基づいて、少なくとも在庫、コスト、品切れ、運転資金、およびキャッシュフローの内、複数の組合せの評価指標を計算する評価装置と、
    前記計算した評価指標の値を表示するデータ出力手段と、
    を有することを特徴とするサプライチェーンシミュレーションシステム。
  2. 請求項1のサプライチェーンシミュレーションシステムであって、
    前記シミュレーション中におけるサプライチェーンの各作業の模倣の結果を記録した情報を基に、評価指標に換算することで、サプライチェーンの効果を定量的に評価する、サプライチェーン評価装置を有することを特徴とするサプライチェーンシミュレーションシステム。
  3. 請求項のサプライチェーンシミュレーションシステムであって、
    前記データ入力手段が入力したサプライチェーン案を評価する指標とその目標値を前記データ記憶手段に記憶し、
    前記データ出力手段が、シミュレーション実行結果により算出した評価指標の実績値と前記目標値を表示して、サプライチェーン案を実施することによる効果が、前記目標値を達成しているかどうかを比較しながら、ユーザによるサプライチェーン構築の意思決定を支援することを特徴とするサプライチェーンシミュレーションシステム。
  4. 前記計画立案手段が、物流プロセスモデルにおける物流の状態を、前記サプライチェーンモデルの中の需要モデルが模倣する需要の変化に応じて判定して、拠点間、及び、拠点内の物流の計画を作成し直し、
    前記物流シミュレーション手段が、前記計画立案手段が作成し直した物流の計画に従って物流の状態を模倣し、
    前記商流シミュレーション手段、企業間、あるいは、企業と一般消費者間における商取引によって発生する金の流れと、企業会計の処理上の取引作業を模倣する処理を制御するシミュレーション全体制御手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のサプライチェーンシミュレーションシステム。
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