JP2003271797A - 生産計画支援方法、生産計画支援システム、および、生産計画支援プログラム - Google Patents

生産計画支援方法、生産計画支援システム、および、生産計画支援プログラム

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JP2003271797A
JP2003271797A JP2002069599A JP2002069599A JP2003271797A JP 2003271797 A JP2003271797 A JP 2003271797A JP 2002069599 A JP2002069599 A JP 2002069599A JP 2002069599 A JP2002069599 A JP 2002069599A JP 2003271797 A JP2003271797 A JP 2003271797A
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JP2002069599A
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Junko Hosoda
順子 細田
Tazu Nomoto
多津 野本
Mitsuhiro Enomoto
充博 榎本
Takeshi Igarashi
健 五十嵐
Kazumasa Kita
和正 北
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】キャッシュで評価される経営指標が含まれる場
合でも、より適切な生産計画の立案を支援する。 【解決手段】各生産拠点での生産能力や資材調達期間な
どの制約条件を線形計画問題に定式化する際に、モノの
動きとは別にキャッシュの動きを定義している。入力部
150は、キャッシュに影響を与える期間別の製造およ
び輸送コストや、部品および製品価格や、期間別の為替
レートや、販売予定量の優先順位などを受け付ける。そ
して、演算部160は、これらを線形計画問題に取込む
ことにより、各種の経営指標に対して最低限達成したい
値もしくはその範囲を考慮した生産計画の立案を支援す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線形計画法を用い
た生産計画の立案を支援する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】製造業では、販売拠点の販売予定量およ
び販売価格からなる販売計画を基に、各生産拠点におい
て、生産能力や資材(部品)の調達期間などの制約条件
の中で、実行可能な資材調達量、生産量および輸送手段
を計画している。近年、資材調達拠点、生産拠点および
販売拠点は、国内だけでなく海外へと拡大してきてお
り、1種の製品に関して複数の調達拠点、生産拠点およ
び販売拠点が選択できるようになってきた。例えば、製
品Aにおいて、資材をアジアから調達して日本で生産す
る方法と、日本で調達して米国で生産する方法とを選択
することなどが考えられる。
【0003】このような生産形態をなす製品の生産計画
(資材の調達から生産、販売拠点への輸送までの生産活
動に関わる計画)を、線形計画法を用いて立案する方法
が提案されている。例えば特開2001-233414
号公報には、各生産拠点での生産能力や資材調達期間な
どの制約条件を線形計画問題に定式化する際に、生産計
画を評価する各種の経営指標に対し、最低限達成したい
値もしくはその範囲を考慮して、生産計画を立案する技
術が開示されている。ここで、経営指標の候補として、
売上、在庫、原価、利益、稼働率および販売拠点の販売
予定量充足率の他に、生産活動により得られるキャッシ
ュ(現金)および生産活動がキャッシュを生み出す効率
を加えている。そして、これら候補の少なくとも1つを
経営指標として用い、生産計画を立案するようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、経営指標の
候補のうち、売上、在庫、原価および利益は、生産活動
により得られるキャッシュと同様に、キャッシュで評価
される。一般的に、キャッシュには、次の2つの特徴が
ある。
【0005】(1)キャッシュの動きとモノの動きとは
異なる。
【0006】企業間の取引では、販売拠点に製品を納入
した時点で売上金を得ずに、売上金を売上債権として一
定期間累積しておき、入金期に売上債権を回収すること
が多い。部品の購入についても同様であり、部品が納入
された時点で材料費を支払うことはせずに、支払期に買
掛債務をまとめて返済することが多い。このように、売
上債権および買掛債務を利用する場合、キャッシュの入
金期および支払期と、モノの出荷期および入荷期が異な
ってくる。
【0007】(2)キャッシュの価値(製造および輸送
コスト、部品および製品価格)は、時間の経過とともに
変動する。
【0008】製品の販売価格や部品の購入価格の中に
は、パソコンや半導体などのように時間の経過とともに
下落するものがある。また、為替レートは、時間の経過
とともに変化する。このため、販売拠点において現地通
貨により一定価格で販売した場合であっても、会計上用
いている通貨に換算すると販売価格が異なることがあ
る。
【0009】さて、上述した特開2001-23341
4号公報記載の技術では、制約条件を線形計画問題に定
式化する際に、キャッシュで評価される経営指標のこの
ような2つの特徴を考慮していない。すなわち、キャッ
シュとモノとの動きは同期しており、かつ、製造および
輸送コスト、部品および製品価格は時間の経過に関わら
ず常に一定であると仮定して、制約条件を線形計画問題
に定式化している。
【0010】したがって、計画期間内に回収されない売
上債権が売上金として計上された場合に、生産活動によ
り得られるキャッシュを過大評価してしまい、計画通り
に実行しても生産活動により得られるキャッシュの目標
値を達成できないという問題が生じる。また、計画時に
想定した販売価格よりも実際に製品を販売した際の販売
価格が下落した場合に、利益目標を達成することができ
ないという問題が生じる。その他に、販売予定量は予測
値なので、実際の販売量が販売予定量よりも減少した場
合に、売上目標を達成することができないという問題も
生じる。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、生産計画を評価する各種の経営
指標に対し、最低限達成したい値もしくはその範囲を考
慮した生産計画を立案する生産計画支援技術において、
キャッシュで評価される経営指標が含まれる場合でも、
より適切な生産計画の立案を支援することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、各生産拠点での生産能力や資材調達期
間などの制約条件を線形計画問題に定式化する際に、モ
ノの動きとは別にキャッシュの動きを定義している。ま
た、キャッシュに影響を与える期間別の製造および輸送
コストや、部品および製品価格や、期間別の為替レート
や、販売予定量の優先順位などを線形計画問題に取込む
ことにより、各種の経営指標に対して最低限達成したい
値もしくはその範囲を考慮した生産計画の立案を支援す
る。
【0013】より具体的には、キャッシュに影響を与え
る少なくとも1つのキャッシュ制約データと、キャッシ
ュにより評価される経営指標である少なくとも1つの目
標データと、モノの流れに影響を与える少なくとも1つ
のモノ制約データとを受け付ける。そして、これらの受
け付けたデータを、制約条件として定式化した線形計画
問題に入力し、その実行可能解の中から受け付けた目標
データとの乖離が最小になる生産計画を求める。
【0014】ここで、キャッシュ制約データとしては、
部品や製品が行き来する各拠点間の支払期データや、期
間別の製造および輸送コストデータや、期間別の部品お
よび製品価格データや、前記各拠点の現地通貨に対する
会計上用いている通貨の期間別の為替レートデータなど
がある。また、目標データとしては、売上や、在庫や、
原価や、利益や、生産活動により得られるキャッシュな
どがある。そして、モノ制約データには、前記各拠点間
の輸送データ、生産拠点の能力データ、および、販売拠
点の販売予定量データが含まれる。
【0015】ここで、本発明において、前記キャッシュ
制約データについて、立案する生産計画の期間中におけ
る変動を表すシナリオを複数用意し、シナリオ毎に、目
標データとの乖離が最小になる生産計画を求めてもよ
い。ここで、シナリオは、期間別の値あるいは経過期間
の関数式として記述されたものでもよい。なお、経過期
間の関数式として記述されている場合は、期間別の値に
換算してから計算に用いればよい。
【0016】また、本発明において、各販売拠点の優先
順位を受け付けると共に、優先順位を受け付けた各販売
拠点の販売予定量データを前記モノ制約データとして受
け付け、優先順位の高い販売拠点から順番に、前記線形
計画問題に入力することで、生産計画を求めてもよい。
【0017】また、本発明において、前記線形計画問題
の実行可能解の中から求まる前記目標データとの乖離を
さらに小さくするために、前記モノ制約データとして受
け付けた、過不足のある販売拠点の販売予定量データや
販売価格データを変更し、あるいは、生産拠点の能力デ
ータを変更し、これらを前記線形計画問題に入力するこ
とで、生産計画を再度求めてもよい。
【0018】さらには、前記目標データの追加・変更を
受け付け、追加・変更後の目標データを用いて生産計画
を再度求めてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て説明する。
【0020】本実施形態の生産計画支援方法では、販売
拠点の販売予定量および販売価格からなる販売計画に基
づいて、キャッシュの流れに影響を与える少なくとも1
つのキャッシュ制約データと、キャッシュにより評価さ
れる経営指標である少なくとも1つの目標データと、モ
ノの流れに影響を与える少なくとも1つのモノ制約デー
タとを受け付ける。そして、これらの受け付けたデータ
を、制約条件として定式化した線形計画問題に入力し、
その実行可能解の中から受け付けた目標データとの乖離
が最小になる生産計画を求める。
【0021】ここで、キャッシュ制約データとしては、
部品や製品が行き来する各拠点間の支払期データや、期
間別の製造および輸送コストデータや、期間別の部品お
よび製品価格データや、前記各拠点の現地通貨に対する
会計上用いている通貨の期間別の為替レートデータなど
がある。また、目標データとしては、売上や、在庫や、
原価や、利益や、生産活動により得られるキャッシュな
どがある。そして、モノ制約データには、前記各拠点間
の輸送データ、生産拠点の能力データ、および、販売拠
点の販売予定量データが含まれる。
【0022】本実施形態の生産計画支援方法を、複数の
部品から中間製品を組み立て、さらに複数の中間製品や
部品から製品を組み立てる生産活動を一例にとり説明す
る。
【0023】先ず、モノの流れに着目する。
【0024】部品制約および生産能力制約について、部
品、中間製品および製品の在庫に着目し、これを倉庫と
みなして、部品、中間製品および製品の区別なく、各期
における倉庫への入出庫の流れをモデル化した。倉庫へ
の入出庫フローを図1に示す。
【0025】部品は、部品調達拠点(部品メーカ)10
1に発注され、調達リードタイム後に納入され、倉庫1
02へ入庫されて部品在庫となる。ここで、図1に示す
モデルでは、説明を簡単にするために、部品の倉庫10
2が部品調達拠点101にあるものとしている。しか
し、実際にはどこにあってもかまわない。
【0026】次に、中間製品は、必要な部品が部品の倉
庫102より出庫され、輸送リードタイム103後に中
間製品の生産拠点104に到着されて、そこの設備10
5にて生産される。それから、中間製品の倉庫106へ
入庫されて中間製品在庫となる。
【0027】次に、製品は、必要な部品および中間製品
がそれぞれの倉庫102、106より出庫され、輸送リ
ードタイム107a、107b後に製品の生産拠点10
8に到着されて、そこの設備109にて生産される。そ
れから、製品の倉庫110へ入庫されて製品在庫とな
る。
【0028】最後に、製品在庫は、販売拠点(マーケッ
ト)112の納期に間に合うように輸送リードタイム1
11を加味して出庫される。
【0029】さて、倉庫への入出庫に着目すると、部
品、中間製品および製品ともに、入庫→倉庫→出庫とい
う流れをとり、それぞれの数量は同一品目において互い
に従属的である。つまり、出庫量は倉庫量によってきま
り、倉庫量は入庫量によって決まる。また、各品目の出
庫数量は、それを必要とする後続品目の入庫数量によっ
て決まる。さらに、各生産拠点における中間製品および
製品の期毎の入庫数量は、当該生産拠点の設備での生産
量によって決まる。さらにまた、部品の期毎の入庫数量
は、部品調達拠点(部品メーカ)への発注残(入庫予定
量)により決まる。
【0030】つまり、部品の調達から製品の販売拠点へ
の納入までのプロセスは、部品、中間製品および製品の
各品目の入庫→倉庫→出庫プロセスの結合として、線形
計画問題に定式化できる。
【0031】先ず、 T :計画対象期間(期) N :製品種 M :中間製品種 B :部品種 R :調達拠点数(=部品メーカ数とする) P :生産拠点数(=設備数とする) S :販売拠点数 E :輸送手段数 H :販売計画優先順位数 とおく。そして、添字を
【0032】
【数1】 とおく。さて、1期〜T期の生産計画を立案したい場合
に必要となる定数には、
【0033】
【数2】
【0034】
【数3】 が挙げられる。この中にはキャッシュ制約データが含ま
れる。また、定式化した線形計画問題の実行可能解とし
て求まる変数を、
【0035】
【数4】 とする。ここで、部品に関する入庫量Rが、新たに発生
する(発注残を除いた)部品の調達量を表す。また、中
間製品および製品に関する入庫量Rが、新たに発生する
(仕掛量を除いた)各生産拠点での生産量を表す。
【0036】以上を考慮した上で、モノの流れに関する
制約条件(モノ制約データより定まる制約条件)を説明
する。
【0037】<制約条件1:在庫量制約>品目iの拠点p
におけるt期在庫は、t-1期在庫にt期入庫とt期入庫予定
(発注残または仕掛)を加え、t期出庫を差し引いた量
である。したがって、
【0038】
【数5】 となる。これは、製品、中間製品および部品に共通であ
る。
【0039】<制約条件2:拠点間接続制約>品目jがt
期に出庫する量は、後続品目(品目jを部品として生産
する品目)iの「入庫予定×品目jの所要量」となる。た
だし、品目jは中間製品もしくは部品であり、品目iは中
間製品もしくは製品であるので、
【0040】
【数6】 となる。
【0041】<制約条件3:生産能力制約>製品もしく
は中間製品の品目iの入庫量および入庫予定量は、それ
を生産する設備の稼動可能時間により制約される。すな
わち、設備pでt期に生産される品目iは、設備pがt期に
有する稼動可能時間以上に生産できない。したがって品
目iの入庫量は、
【0042】
【数7】 となる。なお、残業を考慮する場合、上記の代わりに
【0043】
【数8】 としてもよい。この場合、残業に上限があるならば、設
備pでのt期上限残業時間(定数)をOMAX(p,t)とおき、
制約条件に、 Opt≦OMAX(p,t) ,(p=R+1,...,R+P)(t=1,...,T) を追加する。
【0044】<制約条件4:リードタイム制約>品目i
のt期における入庫のために、当該品目iに使用する部品
の出庫(品目iが部品の場合は発注)が、輸送リードタ
イム+生産して入庫するまでのリードタイム(品目iが
部品の場合は調達リードタイム)前に発生する。しか
し、それが過去の期ならば、当該品目iに使用する部品
の出庫(品目iが部品の場合は発注)は不可能である。
したがって、
【0045】
【数9】 となる。
【0046】<制約条件5:引当制約>製品iの出庫
は、販売拠点に配分される。したがって、
【0047】
【数10】 となる。
【0048】<制約条件6:販売量制約>販売拠点に配
分される量が販売予定量を上回ることはない。したがっ
て、
【0049】
【数11】 となる。
【0050】<制約条件7:輸送能力制約>品目の出庫
量は、輸送可能量により制約される。t期に設備pから設
備p'へ輸送手段eで出庫する量が、輸送能力を上回るこ
とはない。したがって、
【0051】
【数12】 となる。
【0052】次に、キャッシュの流れに着目する。
【0053】図1において、部品メーカ101に発注し
た部品が中間製品の生産拠点104に到着すると、生産
拠点104は、部品メーカ101へ部品の購入代金を支
払う義務が発生する。しかし、部品が到着する都度、生
産拠点104が部品メーカ101へ部品の購入代金を支
払うことは煩雑である。このため、生産拠点104と部
品メーカ101との契約により支払期を定め、前回の支
払期から次回の支払期までの購入代金を、一括して次回
の支払期に支払う。ここで、図1に示すモデルでは、説
明を簡単にするために、支払期間の購入代金を次回の支
払期に支払うものとしている。しかし、実際には、支払
期とは別に購入代金の計上締切期を設け、前回の購入代
金の計上締切期から次回の購入代金の計上締切期までの
購入代金を、次回の支払期に支払うようにしてもよい。
【0054】図1において、部品メーカ101と製品の
生産拠点108との間、および、製品の生産拠点108
とマーケット112との間にも、同様に、購入代金の支
払期が決定される。なお、製品の生産拠点108を、製
造を委託している製造メーカとした場合は、中間製品の
生産拠点104と製品の生産拠点108との間に、製造
代金の支払期が決定される。
【0055】さて、購入代金や製造代金を支払う際に
は、各拠点の現地通貨を用いる。現地通貨と会計上用い
ている通貨との為替レートは、支払期の為替レートを用
いてもよいし、あるいは、事前に現地通貨を購入した際
の為替レートなど、支払者の戦略により決定された為替
レートを用いてもよい。
【0056】キャッシュにより評価される経営指標に
は、売上、在庫、原価、利益および生産活動により得ら
れるキャッシュがある。これらの経営指標について、目
標値を定数(目標データ)として制約条件に組み込む。
しかし、経営指標の目標値を満足する生産計画が、必ず
しも存在しないことがある。換言すれば、線形計画問題
における実行可能領域が存在しないことがある。このと
きに、「解なし」という計算結果を出したのでは、何が
原因でそうなったのかわからない。そこで、本実施形態
では、 計算結果(変数)=目標値+計算結果の目標値からの正
の乖離(変数)−計算結果の目標値からの負の乖離(変
数) という式で記述するようにしている。例えば在庫の目標
値を50とした場合、 計算結果=50+計算結果の目標値からの正の乖離−計
算結果の目標値からの負の乖離 となる。線形計画問題を解いた結果、在庫の目標値50
に対して実行可能解が存在せず、結果として計算結果が
40だった場合、制約条件上では、40=50+0−1
0となる。つまり、「=」の条件を満たすことになる。
このように定式化することで、生産計画立案者が,次の
アクション(トレードオフ関係にある経営指標の目標値
を低くするなど)を意思決定し易くすることができる。
【0057】以上を考慮した上で、キャッシュの流れに
関する制約条件(目標データより定まる制約条件)を説
明する。
【0058】<制約条件8:売上>販売拠点sの売上目
標をGV1,sとすると、
【0059】
【数13】 となる。
【0060】<制約条件9:在庫>在庫とは、キャッシ
ュを投資したもののまだ製品として販売されておらず、
このため、回収されていないキャッシュのことである。
品目iの在庫目標をGV2,iとすると、
【0061】
【数14】 となる。
【0062】<制約条件10:原価>原価とは、1期〜
T期に投資したキャッシュにあたる。固定費は含まな
い。原価目標をGV3とすると、
【0063】
【数15】 となる。
【0064】<制約条件11:利益>利益とは、売上か
らその製品に投資したキャッシュおよび固定費を引いた
ものである。利益目標をGV4とすると、
【0065】
【数16】 となる。
【0066】<制約条件12:生産活動により得られる
キャッシュ>生産活動により得られるキャッシュとは、
1期〜T期に得られたキャッシュである。1期〜T期に
回収したキャッシュと投資したキャッシュとの差として
定式化できる。生産活動により得られるキャッシュの目
標値をGV5とすると、
【0067】
【数17】 となる。
【0068】なお、経営指標には、キャッシュの流れに
関係しないものもある。このような経営指標として、生
産拠点の稼働率、販売拠点の販売予定量充足率が挙げら
れる。これらを次のように定式化して制約条件に組み込
む。
【0069】<制約条件13:生産拠点の稼働率>生産
拠点pの稼働率目標値をGV6,pとすると,
【0070】
【数18】 となる。
【0071】<制約条件14:販売拠点の販売予定量充
足率>販売拠点sの製品iについて、販売予定量充足率
の目標値をGV7,s,iとすると、
【0072】
【数19】 となる。
【0073】さて、以上の制約条件1〜14において、
制約条件1〜7は、モノの流れに関する制約(部品制約
および生産能力制約)であり、これらを満たすことが条
件となる。しかし、制約条件8〜14は、経営指標に関
する制約であり、必ずしも全てを満たす必要はない。ま
た、これらの制約条件8〜14は、計算結果の目標値か
らの乖離を許容している。このため、採用した制約条件
8〜14各々について、正の乖離を許容するか、負の乖
離を許容するか、それとも、乖離を許容しないか(計算
値=目標値)を決定する必要がある。その上で、採用し
た制約条件8〜14各々の目標値との乖離の総和が最小
となる計算結果を求める。
【0074】本実施形態では、そのための関数を目的関
数と呼ぶ。目的関数では、採用した制約条件8〜14各
々の目標値に対して、実際の数値(計算結果)が、それ
より大きくなって欲しいのか、小さくなって欲しいの
か、それとも一致して欲しいのかを選択するためのフラ
グを採用している。さらに、フラグに加え、重視したい
経営指標に重み付けを行なっている。
【0075】制約条件8〜14を全て考慮した場合にお
ける目的関数は、
【0076】
【数20】 となる。ここで、Fn *は、制約条件n+7に対するフラグ
である(但し、nは1〜7の整数)。Fn +については、 目標値以上:−1 目標値以下:1 一致:1 最大:−A(A:適当な正の数) 最小:A である。また、Fn -については、 目標値以上:1 目標値以下:−1 一致:1 最大:A(A:適当な正の数) 最小:−A である。また、Zn、Zn *もしくはZn,*は、制約条件n+7
に対する重み付けある(但し、nは1〜7の整数)。こ
こで、採用しない経営指標の制約条件に関する重み付け
は0にセットされる。また、αは販売予定量の優先順位
に関する重み付けである。
【0077】次に、以上の数5〜数20に示すような、
定式化された線形計画問題を用いて、生産計画の立案を
支援するための生産計画支援システムについて説明す
る。
【0078】図2は、本発明の一実施形態の生産計画支
援方法に用いる生産計画支援システムの概略構成図であ
る。図において、入力部150は、ユーザより上記の数
5〜数20に入力すべき入力データを受け付ける。具体
的には、数2および数3に示す定数データと、数13〜
数19に示す経営指標に関する制約条件にて用いる経営
指標の目標値データGn,*と、数20で用いるフラグ
Fn *、重み付けZn、Zn *もしくはZn,*、および、優先順位
の重み付けαとを受け付ける。
【0079】演算部160は、入力部150を介して受
け付けた各入力データを、対応する数5〜数20に入力
する。そして、これらの数5〜数20を満足する数4の
変数(最適解)を算出する。そして、算出結果を基に生
産計画を立案する。
【0080】そして、表示部170は、入力部150と
共にGUIを形成し、ユーザから演算部160で使用す
る各種データを受け付けるための入力画面を表示した
り、演算部160が作成した生産計画を表示したりす
る。
【0081】以上のような構成を有する生産計画支援シ
ステムは、例えば、CPU、RAM、HDD、ネットワ
ークインターフェース、および、ディスプレイや操作ボ
タン等のユーザインターフェースを備えたコンピュータ
システムにおいて、CPUがHDD等に格納されている
所定のプログラムを実行することにより実現できる。ま
た、線形計画問題で取り扱う上述の制約条件や目的関数
などの情報(数1〜数20の情報)は、HDD等の記憶
装置に保持される。
【0082】図3は図2に示す生産計画支援システムの
動作フローを説明するための図である。
【0083】先ず、入力部150は、ユーザより、数2
および数3に示す定数データと、数13〜数19に示す
経営指標に関する制約条件にて用いる経営指標の目標値
データGn,*と、数20で用いるフラグFn *、重み付け
Zn、Zn *もしくはZn,*、および、優先順位の重み付けα
の入力を受け付ける(S201)。
【0084】このとき、キャッシュ制約データ(為替レ
ートデータ、製造および輸送コスト、および、部品およ
び製品価格データ)について、立案する生産計画の期間
中における変動を表すシナリオを複数用意し、シナリオ
毎に入力を受け付けるようにしてもよい。ここで、シナ
リオは、期間別の値あるいは経過期間の関数式として記
述されたものでもよい。なお、シナリオが複数入力され
た場合は、以下のステップで演算部160が使用するシ
ナリオ(線形計画問題で考慮するシナリオ)の指定を、
ユーザより受け付けるようにする。
【0085】次に、演算部160は、入力部150を介
して受け付けた各入力データを、対応する数5〜数20
に入力する。そして、これらの数5〜数20を満足する
数4の変数(最適解)を算出する。そして、算出結果を
基に生産計画を立案し、これを表示部170に表示する
(S202)。
【0086】ここで、制約条件8〜14(経営指標に関
する制約)について、数20に示す目的関数にどのよう
に反映させるかは、対応する重み付けZn、Zn *もしくはZ
n,*の設定により行なう。なお、重み付けが0に設定さ
れた場合は、その経営指標は、生産計画に考慮されな
い。なお、制約条件1〜7(部品制約および生産能力制
約)についても、これらを生産計画の立案に考慮させる
か否かの選択を、入力部150を介してユーザより受け
付けるようにしてもよい。例えば、生産能力の制約(制
約条件3)や輸送能力の制約(制約条件7)を、線形計
画問題から外すことができるようにしてもかまわない。
なお、線形計画問題の解法自体については、既存の線形
計画ソフトウエア・パッケージ、あるいは、シンプレッ
クス法や内点法といった周知の技術を利用できる。
【0087】なお、本実施形態において、演算部160
は、数5〜数20に示す線形計画問題の最適解(数4の
変数)として、以下の変数を求めている。
【0088】
【数21】
【0089】また、演算部160は、算出した線形計画
問題の最適解と、少なくとも1つのシナリオの値とを用
いて、制約条件8〜制約条件14に関連する経営指標の
値を全て計算する。そして、その結果を表示部170に
表示する。
【0090】ここで、各経営指標の値は、例えば、
【0091】
【数22】
【0092】
【数23】
【0093】
【数24】
【0094】
【数25】
【0095】
【数26】
【0096】
【数27】
【0097】
【数28】 により計算できる。なお、生産計画や経営指標の表示形
式は、表にしてもよいし、あるいはグラフにしてもかま
わない。
【0098】さて、ユーザ(生産計画担当者)は、表示
部170に表示された生産計画および経営指標を確認す
ることで、この生産計画で満足できるか否かを判断する
ことができる(S203)。満足できない場合(S20
4でNo)、販売拠点の販売予定量、生産能力のバラン
ス、そして、各拠点間の支払期間といった制約条件1〜
7(部品制約および生産能力制約)と、原価低減、販売
拠点の販売予定量充足率向上、在庫低減、そして、稼働
率向上といった制約条件8〜14(経営指標に関する制
約)と間のトレードオフ関係を見直す。その結果、制約
条件1〜14を変更する場合(S205でYes)は、
その旨を入力部150に入力する。これを受けて、生産
計画支援システムは、S201に戻って入力データの受
け付けから再度行なう。また、経営指標の目標データの
みを変更する場合(S205でNo)は、その旨を入力
部150に入力する。これを受けて、生産計画支援シス
テムは、入力部150を介して、変更する目標データの
入力を受け付ける(S206)。そして、S202に戻
って、変更された目標データを用いて、線形計画問題の
計算を再度行なう。
【0099】このように、生産計画支援システムは、ユ
ーザが満足する生産計画が算出できるまで、S201〜
S206の処理を繰り返し実行する。この際、S202
にて生産計画および経営指標を表示部170に表示する
ことで、ユーザは、生産計画のよさを経営指標で評価で
きる。また、トレードオフ関係にある経営指標があった
場合でも、ユーザが最低限満たしたい値を各経営指標の
目標値に設定しておくことで、生産計画支援システム
は、その目標値を考慮して求解する。このため、ユーザ
は、満足する生産計画を早く得ることが可能となる(S
203)。
【0100】また、S201〜S206の処理を繰り返
して、全てのシナリオに対する経営指標を表示すること
で、様々なシナリオを想定した生産計画および経営指標
を確認することができる。
【0101】次に、上述の動作フロー(S201〜S2
06)について、製品「PC」の生産計画を例にとり、
その具体的な手順を説明する。
【0102】図4に、製品「PC」の部品構成を示す。
【0103】図示するように、製品「PC」401の1
単位は、中間製品「HDD」402を1単位、および、
部品「CPU」403を2単位使って生産される。ま
た、中間製品「HDD」402の1単位は、部品「DI
SK」404を1単位使って生産される。
【0104】図5に、図4に示す部品「CPU」40
3、「DISK」404、中間製品「HDD」402お
よび製品「PC」401それぞれの入出庫ルートを示
す。この例では、製品「PC」401の販売拠点をM
1、M2、M3の3拠点、製品「PC」401の生産拠
点をP1、P2の2拠点、中間製品「HDD」402の
生産拠点をP3の1拠点、そして、部品「CPU」40
3、「DISK」404の調達拠点をV1の1拠点とし
ている。
【0105】図6に、図5に示す拠点間の、輸送可能な
ルート、輸送手段毎の輸送リードタイムおよび輸送コス
トを示す。
【0106】図示するように、品目601と、輸送ルー
トを特定する輸送元602および輸送先603と、輸送
手段604と、輸送リードタイム605と、輸送コスト
606と、支払い期間607とを備えて、1つのレコー
ドが形成される。
【0107】ここで、輸送コスト606は、計画期間で
ある1期から12期まで一定としている。また、調達拠
点V1と生産拠点P1〜P3との間、および、生産拠点
P3と生産拠点P1、P2との間の輸送手段604は、
1通りである。また、生産拠点P1と売拠点M1との
間、および、生産拠点P2と売拠点M2との間の輸送手
段604も、1通りである。
【0108】これに対し、生産拠点P1と売拠点M2、
M3との間、および、生産拠点P2と売拠点M1、M3
との間の輸送手段604は、2通りである。一方は、飛
行機での輸送であり、他方は船での輸送である。飛行機
の輸送は、輸送リードタイム605が船の輸送より短
い。しかし、輸送コスト606が高くなる。なお、輸送
容量の制約は特にない。また、拠点全体での固定費は1
0である。
【0109】図7に、製品「PC」401および中間製
品「HDD」402の各生産拠点P1〜P3での作業時
間、リードタイムおよびコストを示す。
【0110】図示するように、品目701と、生産拠点
702と、作業時間703と、生産リードタイム704
と、単価705と、標準コスト706とを備えて、1つ
のレコードが形成される。
【0111】ここで、製造コストは計画期間中一定とし
ている。また、0期末在庫、発注残量および仕掛入庫量
をゼロとしている。また、生産拠点P1、P2の稼動可
能時間を各期で110、生産拠点P3の稼動可能時間を
各期で200とし、さらに、各生産拠点P1〜P3での
残業を不可としている。さらにまた、10期〜12期に
おける各販売拠点M1〜M3での製品「PC」401の
販売予定量を、それぞれ100としている。
【0112】図8に、部品「CPU」403および部品
「DISK」404の調達拠点V1での作業時間、リー
ドタイムおよびコストを示す。図示するように、品目8
01と、調達拠点802と、作業時間803と、調達リ
ードタイム804と、単価805と、標準コスト806
とを備えて、1つのレコードが形成される。
【0113】以上において、調達拠点V1と生産拠点P
1〜P3との間、および、生産拠点P1〜P3と販売拠
点M1〜M3との間における取引契約に従い、生産拠点
P1〜P3は、調達拠点V1へ購入代金を毎期支払う。
販売拠点M1、M3は、生産拠点P1へ購入代金を毎期
支払うと共に、生産拠点P2へ購入代金を6期毎に支払
う。また、販売拠点M2は、生産拠点P1、P2へ購入
代金を毎期支払う。なお、各拠点間の支払期間607は
図6に示すとおりである。
【0114】さて、生産計画立案に使用する基本的なシ
ナリオとしては、以下を想定する。
【0115】・PCの販売価格:M1で50、M2で3
0、M3で40(計画期間中一定) ・為替レート:全ての拠点において1.0(計画期間中
一定) 図5に示す例では、部品「DISK」404と中間製品
「HDD」402との間の輸送ルートが1通りしかな
い。したがって、生産計画では、製品「PC」401の
生産拠点P1、P2と、販売拠点M1〜M3と、生産拠
点P1、P2および販売拠点M1〜M3間の輸送手段の
取扱いが問題となる。
【0116】上記の数5〜数11に示した制約条件1〜
6(部品制約および生産能力制約)を、図4〜図8で説
明した内容(条件)に従って、下記の通り具体的に定式
化する。なお、数12に示した制約条件7は、輸送能力
に制約がないので、ここでは必要ない。
【0117】<制約条件1>
【0118】
【数29】 <制約条件2>
【0119】
【数30】 <制約条件3>
【0120】
【数31】 <制約条件4>
【0121】
【数32】 <制約条件5>
【0122】
【数33】 <制約条件6>
【0123】
【数34】
【0124】また、経営指標の目標値に関する制約条件
8〜14(経営指標に関する制約)を以下の通り、具体
的に定式化する。
【0125】<制約条件8>
【0126】
【数35】 <制約条件9>
【0127】
【数36】 <制約条件10>
【0128】
【数37】 <制約条件11>
【0129】
【数38】 <制約条件12>
【0130】
【数39】 <制約条件13>
【0131】
【数40】 <制約条件14>
【0132】
【数41】
【0133】また、目的関数は、
【0134】
【数42】 となる。
【0135】さて、1つ目の生産計画立案例(例題1)
として、上述した基本的なシナリオの他に、事前に行っ
た販売価格予測および為替レート予測により算出した、
次の2つのシナリオを想定する。
【0136】シナリオA:販売拠点M1におけるPCの
販売価格下落 10期が50、11期が48、そして、12期が45と
する。
【0137】シナリオB:調達拠点V1の現地通貨に対
する為替レートの変動 1期〜5期が1.0、そして、6期〜12期が1.5と
する。
【0138】想定したシナリオA、Bが現実に発生する
確率は、低い(例えば10%程度)と予想される。しか
し、万が一発生した場合でも、利益を10000以上に
することを目標とする。制約条件1〜6(数29〜3
4)、制約条件11(数38)、および、以下の利益最
大のみを目的とする目的関数(数43)からなる線形計
画問題として定式化する。
【0139】
【数43】
【0140】図3に示すフローに従って、図6〜図8に
示すデータ、利益に関する経営指標の目標データ、およ
び、数43に示す目的関数とするためのフラグおよび重
み付けを受け取り、この線形計画問題を解くと、一例と
して図9に示す結果(立案された生産計画)が得られ
る。この図では、品目901(製品「PC」401)の
各生産拠点902(生産拠点P1、P2)について、生
産量903、輸送先の販売拠点904(販売拠点M1〜
M3)、販売拠点904への輸送手段905および輸送
量906が、線形計画問題の最適解として求まる。
【0141】また、基本的なシナリオ1002、シナリ
オA1003、シナリオB1004に対する、制約条件
8〜制約条件14に関連する経営指標1001は、図1
0に示すようになる。この例は、基本的なシナリオ10
02の場合の利益は12670になっている。一方、シ
ナリオA1003では、販売拠点M1のPC販売価格下
落により売上が700低下しているため、利益は119
70となっている。また、シナリオB1004では、調
達拠点V1の現地通貨高により原価が2600上昇して
いるため、利益は10070となっている。しかし、シ
ナリオA1003およびシナリオB1004の発生時に
おいても、利益目標10000以上を達成する。したが
って、図9に示す生産計画を採用できる。
【0142】このように、複数の起こり得るシナリオに
対して経営指標の値を算出することで、キャッシュ変動
による様々な事態を考慮しつつ、経営指標の目標値を達
成する生産計画を立案することができる。
【0143】ここで、基本的なシナリオ1002に対し
て図10に示す結果を考察すると、利益は12670と
大きくなっている一方で、生産活動により得られるキャ
ッシュは2070であり、利益の2割にも満たない。こ
れは、利益を大きくするために原価の安い生産拠点P2
において優先的にPCを生産するものの、生産拠点P2
から販売拠点M1および販売拠点M3へ納入されたPC
の売上は、計画期間中にキャッシュとして回収されない
ためである。また、生産拠点P2において優先的にPC
を生産しているために、生産拠点P2の稼働率は98.
2%と高くなっている一方で、生産拠点P1の稼働率は
65.5%と低くなっている。
【0144】そこで、2つ目の生産計画立案例(例題
2)として、例題1の基本的なシナリオに対して、利益
を10000以上とする制約(制約条件11)に加え、
生産活動により得られるキャッシュを3000以上とす
る制約(制約条件12)、および、生産拠点P1〜P3
の稼働率を80%以上とする制約(制約条件13)を考
慮して、生産計画を立案する。
【0145】このための第1の方法として、上述した利
益、生産活動により得られるキャッシュおよび各生産拠
点の稼働率に関する制約条件11〜制約13を追加し
て、線形計画問題を解き直す方法が考えられる。しか
し、例題1の場合、図10に示すように、既に販売拠点
M1〜M3の販売予定量は100%充足しており、生産
能力は余っている。このため、生産拠点P1の稼働率を
上げるためには生産拠点P2の稼働率を下げなければな
らない。つまり、生産拠点P1および生産拠点P2の少
なくともどちらか一方は、稼働率目標を達成することが
できない。
【0146】次に、このための第2の方法として、余剰
となっている生産能力を消費するように販売拠点の販売
予定量を増加させた上で、上述した利益、生産活動によ
り得られるキャッシュ、各生産拠点の稼働率に関する制
約条件11〜制約13を追加して、線形計画問題を解き
直す方法が考えられる。この方法によれば、P1〜P3
の稼働率の目標を達成することができる。
【0147】そこで、前記第2の方法により、生産計画
を立案し直す。例題1における計画期間中の生産拠点P
1の生産能力は550であり、余剰は190である。こ
の生産能力の余剰を110未満にできれば、稼働率は8
0%以上となる。稼働率を80%以上にするためには、
販売拠点の販売予定量を80以上追加すればよい。この
結果を受けて、販売拠点M2の販売予定量を再計画し、
10期および11期に25のサービス価格でPCを提供
する販売促進活動を追加する。これにより、10期およ
び11期の販売予定量を150へ変更する。制約条件1
〜5(数29〜33)、制約条件13(数40)に加え
て、以下に示す制約条件6(数44)、制約条件11
(数45)、制約条件12(数46)と、利益、生産活
動により得られるキャッシュおよび各生産拠点の稼働率
を目標以上とすることを目的とする目的関数(数47)
と、を考慮した線形計画問題として、定式化する。
【0148】
【数44】
【数45】
【数46】
【数47】
【0149】図3に示すフローに従って、図6〜図8に
示すデータ、利益、生産活動により得られるキャッシ
ュ、売上および各生産拠点の稼働率に関する経営指標の
目標データ、および、数47に示す目的関数とするため
のフラグおよび重み付けを受け取り、この線形計画問題
を解くと、一例として図11に示す結果(立案された生
産計画)が得られる。この図では、図9と同様に、品目
901(製品「PC」401)の各生産拠点902(生
産拠点P1、P2)について、生産量903、輸送先の
販売拠点904(販売拠点M1〜M3)、販売拠点90
4への輸送手段905および輸送量906が、線形計画
問題の最適解として求まる。
【0150】また、制約条件8〜制約条件14に関連す
る経営指標1001は、図12に示すようになる。この
例において、利益は11280になっていいる。例題1
の利益12670に較べて1割程度減少しているもの
の、生産活動により得たキャッシュは3780であり、
例題1の2070よりも増加している。さらに、生産拠
点P1の稼働率は92.7であり、生産拠点P2の稼働
率は89.1であり、そして、生産拠点P3の稼働率は
83.3である。生産拠点P1および生産拠点P2は、
バランスよく生産を行なえることが判る。また、利益、
生産活動により得られるキャッシュ、各生産拠点の稼働
率ともに目標を満たしている。
【0151】このように、本実施形態によれば、一度、
生産計画を立案して得られた経営指標の値を利用して、
販売拠点の販売予定量や販売価格を見直すことができる
ので、経営指標の目標を達成する生産計画および販売計
画を立案することが可能となる。
【0152】次に、3つ目の生産計画立案例(例題3)
として、例題1の基本的なシナリオにおいて生産拠点M
3の稼動可能時間を各期で120とした場合の生産計画
を立案する。
【0153】生産活動により得られるキャッシュを30
00以上とする制約(制約条件12)、および、各販売
拠点の販売予定量充足率を100%とする制約(制約条
件14)を考慮して、生産計画を立案する。制約条件1
(数29)、制約条件2(数30)、制約条件4〜制約
条件6(数32〜数34)、制約条件12(数39)、
および、制約条件14(数41)に加えて、以下に示す
制約条件3(数48)と、生産活動により得られるキャ
ッシュおよび各販売拠点の販売予定量充足率を目標に近
づけることを目的とする目的関数(数49)と、を考慮
した線形計画問題として、定式化する。
【0154】
【数48】
【0155】
【数49】
【0156】図3に示すフローに従って、図6〜図8に
示すデータ、生産活動により得られるキャッシュおよび
各販売拠点の販売予定量充足率に関する経営指標の目標
データ、および、数49に示す目的関数とするためのフ
ラグおよび重み付けを受け取り、この線形計画問題を解
くと、一例として図13に示す結果(立案された生産計
画)が得られる。この図では、図9と同様に、品目90
1(製品「PC」401)の各生産拠点902(生産拠
点P1、P2)について、生産量903、輸送先の販売
拠点904(販売拠点M1〜M3)、販売拠点904へ
の輸送手段905および輸送量906が、線形計画問題
の最適解として求まる。
【0157】また、制約条件8〜制約条件14に関連す
る経営指標1001は、図14に示すようになる。この
例において、生産活動により得られるキャッシュは52
90であり、目標を大きく超えている。一方で、販売拠
点M2の販売予定量充足率は33.3%であり、目標を
達成していない。しかし、生産拠点P3の稼働率は、略
100%となっているため、販売拠点の販売予定量に較
べて生産拠点の生産能力が不足していることが判る。こ
のままでは販売拠点の販売予定量を100%にすること
はできない。
【0158】ところで、販売拠点の販売予定量の中に
は、計画時点で既に顧客からの注文を受けている販売予
定量や、顧客と折衝中の販売予定量や、顧客がついてい
ない販売予定量などが含まれる。この中で、顧客からの
注文を受けている販売予定量や顧客と折衝中の販売予定
量については、実際に販売される確率が高いと考えられ
る。一方、顧客がついていない販売予定量については、
現段階において実際に販売される確率が低いと考えられ
る。そこで、実際に販売される確率が高い販売予定量を
優先順位1、販売される確率が低い販売予定量を優先順
位2として再度、生産計画を立案する。
【0159】今回の生産計画で得られた各販売拠点への
期毎の供給量を図15に、そして、各販売拠点の優先順
位1の期間別販売予定量を図16に示す。これらから判
るように、販売拠点M1およびM3へは、全ての販売予
定量に対して供給している一方で、販売拠点M2へは優
先順位が高い販売予定量でさえ供給していない。
【0160】制約条件1(数29)、制約条件2(数3
0)、制約条件3(数48)、制約条件4〜制約条件6
(数32〜数34)、および、制約条件12(数39)
に加えて、以下に示す販売拠点の販売予定量充足率に関
する制約条件14(数50)と、販売拠点において販売
予定量の優先順位に応じた販売予定量充足率を目標に近
づけることを目的とする目的関数(数51)と、を考慮
した線形計画問題として、定式化する。
【0161】
【数50】
【数51】
【0162】図3に示すフローに従って、図6〜図8に
示すデータ、各販売拠点の販売予定量充足率に関する経
営指標の目標データ、および、数51に示す目的関数と
するためのフラグおよび重み付けを受け取り、この線形
計画問題を解くと、一例として図17に示す結果(立案
された生産計画)が得られる。この図では、図9と同様
に、品目901(製品「PC」401)の各生産拠点9
02(生産拠点P1、P2)について、生産量903、
輸送先の販売拠点904(販売拠点M1〜M3)、販売
拠点904への輸送手段905および輸送量906が、
線形計画問題の最適解として求まる。
【0163】また、制約条件8〜制約条件14に関連す
る経営指標1001は、図18に示すようになり、各販
売拠点への期毎の供給量は、図19に示すようになる。
販売拠点M2および販売拠点M3の販売予定量充足率
は、66.7%である。しかし、図19から明らかなよ
うに、優先順位1の販売予定量は100%充足してい
る。
【0164】このように、販売拠点の販売予定量に対し
て優先順位を設けると共に、優先順位の高いものから順
番に販売拠点の販売予定量を使用して、図3に示すフロ
ーを繰り返すことにより、優先順位の高い販売予定量か
ら充足させることができる生産計画を立案することがで
きる。また、販売予定量を100%充足できない場合で
も、優先順位とその充足率を評価した生産計画を立案す
ることができる。
【0165】次に、図3に示すフローに際して表示部1
70へ表示される画面例について説明する。
【0166】先ず、経営指標の表示例について説明す
る。経営指標の表示例としては、図10、図12、図1
4および図18に示す表形式の他に、図20に示すレー
ダーチャート形式や、図21に示す棒グラフ形式が考え
られる。入力部150を介して受け付けた経営指標の目
標データを点1901や線分2001のように表示する
ことができる。
【0167】なお、図20に示すレーダーチャートでは
多角形1902の面積が大きいほど、また、図21に示
す棒グラフでは棒の長さが長いほどよい指標であること
を示している。そのため、在庫や原価など、小さいほど
よい指標は、値の大きさに反比例してグラフの表示座標
値を大きくする。このようにグラフで経営指標を示すこ
とは、経営指標の目標値と実際の値との差異や、経営指
標間のトレードオフ関係の理解に役立つ。
【0168】また、図3に示すフローが繰り返し行なわ
れる場合、図21や図22に示すように、前回の結果と
の差分を表示すると,前回の生産計画との比較が把握し
易くなる。さらに、レーダーチャート表示や棒グラフ表
示の際に、経営指標の現在または過去(1日前、1ヶ月
前、1年前等)の実績値を併せて表示することで、生産
計画立案における経営指標を変更する場合の参照値とす
ることができる。
【0169】次に、生産計画の表示例について説明す
る。生産計画の表示例としては、図9、図11、図13
および図17に示す表形式の他に、例えば、図5に示す
モデル図中の書く拠点に、対応する生産計画の情報を直
接表示する方式や、モデル図中の拠点が選択された場合
に、その拠点に関連する生産計画の情報を別窓で表示す
る方法などが考えられる。
【0170】次に、線形計画問題を定式化するのに必要
な各種情報の入力画面の表示例について説明する。これ
は、入力フォームを順番に表示して対話的に受け付ける
ようにしてもよいし、あるいは、1つの入力フォームで
必要な情報を全て受付けるようにしてもよい。情報の入
力方法には、いろいろな方法が考えられるが、これらを
方法全てを本実施形態に適用できる。
【0171】以上、本発明の一実施形態について説明し
た。
【0172】本実施形態によれば、各生産拠点での生産
能力や資材調達期間などの制約条件を線形計画問題に定
式化する際に、モノの動きとは別にキャッシュの動きを
定義している。また、キャッシュに影響を与える期間別
の製造および輸送コストや、部品および製品価格や、期
間別の為替レートや、販売予定量の優先順位などを線形
計画問題に取込むことにより、各種の経営指標に対して
最低限達成したい値もしくはその範囲を考慮した生産計
画の立案を支援している。このため、キャッシュで評価
される経営指標が含まれる場合でも、より適切な生産計
画の立案を支援できる。
【0173】また、本実施形態によれば、複数の生産拠
点、資材調達拠点、販売拠点各々において、複数の製品
の生産量、調達量および輸送手段を算出するに際し、為
替レート、製造、輸送コスト、および、部品、製品価格
の少なくとも1つの計画期間中の変動を記述したシナリ
オを複数用意し、これらのシナリオに対して経営指標の
値を算出している。このため、キャッシュ変動による様
々な事態を考慮しつつ、経営指標の目標値を達成する生
産計画を立案することができる。
【0174】また、本実施形態によれば、複数の生産拠
点、資材調達拠点、販売拠点各々において、複数の製品
の生産量、調達量および輸送手段を算出するに際し、一
度、生産計画を立案して得られた経営指標の値を参照し
て見直した販売拠点の販売予定量や販売価格を用いて、
経営指標の目標値を達成する生産計画を再度立案でき
る。
【0175】また、本実施形態によれば、複数の生産拠
点、資材調達拠点、販売拠点各々において、複数の製品
の生産量、調達量および輸送手段を算出するに際し、販
売拠点の販売予定量に対して優先順位を設けることで、
優先順位の高いものから販売予定量を充足させることが
できる生産計画を立案することができる。また、販売予
定量を100%充足できない場合でも、優先順位とその
充足率を評価した生産計画を立案することができる。
【0176】なお、本発明は、上記の実施形態に限定さ
れるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可
能である。
【0177】例えば、上記の実施形態では、本発明の生
産計画支援システムが、いわゆる1つのコンピュータシ
ステム上に構築される場合を想定して説明した。しか
し、本発明の生産計画支援システムは、複数のコンピュ
ータシステムがネットワーク接続されて構成されたネッ
トワークシステム上に構築することもできる。複数拠点
間の輸送情報や各拠点でのコスト等に関する情報をネッ
トワークを介してユーザ端末からホストサーバへ送信
し、ホストサーバが、ユーザ端末から受け付けた情報を
用いて線形計画問題を定式化して経営指標の目標値を達
成する解を算出し、その結果をユーザ端末に送信する形
態、および、経営指標の目標値情報をネットワークを介
してユーザ端末からホストサーバへ送信し、ホストサー
バが、ユーザ端末から受け付けた情報と、自身に蓄積さ
れている複数拠点間の輸送情報や各拠点でのコスト等に
関する情報とを用いて、線形計画問題を定式化して経営
指標の目標値を達成する解を算出し、その結果をユーザ
端末に送信する形態は、いずれも本発明の範囲内であ
る。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
生産計画を評価する各種の経営指標に対し、最低限達成
したい値もしくはその範囲を考慮した生産計画を立案す
る生産計画支援技術において、キャッシュで評価される
経営指標が含まれる場合でも、より適切な生産計画の立
案を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】倉庫への入出庫フローのモデル例を示す図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態が適用される生産計画支援
システムの概略図である。
【図3】図2に示す生産計画支援システムの動作フロー
を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態で用いる生産計画の立案対
象製品の部品構成を示す図である。
【図5】図4に示す生産計画の立案対象製品および構成
部品の倉庫への入出庫フローを示す図である。
【図6】図5に示す拠点間の、輸送可能なルート、輸送
手段毎の輸送リードタイムおよび輸送コストを示す図で
ある。
【図7】図5に示す製品「PC」401および中間製品
「HDD」402の各生産拠点P1〜P3での作業時
間、リードタイムおよびコストを示す図である。
【図8】図5に示す部品「CPU」403および部品
「DISK」404の調達拠点V1での作業時間、リー
ドタイムおよびコストを示す図である。
【図9】例題1で立案した生産計画の一例を示す図であ
る。
【図10】例題1で立案した生産計画の経営指標の例を
示す図である。
【図11】例題2で立案した生産計画の一例を示す図で
ある。
【図12】例題2で立案した生産計画の経営指標の例を
示す図である。
【図13】例題3で第1回目に立案した生産計画の一例
を示す図である。
【図14】例題3で第1回目で立案した生産計画の経営
指標の例を示す図である。
【図15】例題3の第1回目で立案した生産計画の販売
拠点への供給量を示す図である。
【図16】例題3の販売拠点における優先順位1の期毎
の販売予定量を示す図である。
【図17】例題3で第2回目に立案した生産計画の一例
を示す図である。
【図18】例題3で第2回目に立案した生産計画の経営
指標の例を示す図である。
【図19】例題3の第2回目で立案した生産計画の販売
拠点への供給量を示す図である。
【図20】例題1〜例題3で立案した生産計画の経営指
標をレーダーチャートで示した図である。
【図21】例題1〜例題3で立案した生産計画の経営指
標を棒グラフで示した図である。
【図22】立案した複数の生産計画の経営指標をレーダ
ーチャートで示した図である。
【図23】立案した複数の生産計画の経営指標を棒グラ
フで示した図である。
【符号の説明】
150…入力部、160…演算部、170…表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 充博 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 五十嵐 健 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 北 和正 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町5030番地 株 式会社日立製作所ソフトウェア事業部内 Fターム(参考) 3C100 AA05 AA13 AA45 BB05 BB11 BB36 BB38

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各生産拠点での生産能力や資材調達期間な
    どの制約条件を線形計画問題に定式化して、最適解を求
    めることにより生産計画の立案を支援する生産計画支援
    方法であって、 キャッシュに影響を与えるキャッシュ制約データと、キ
    ャッシュにより評価される経営指標である目標データ
    と、モノの流れに影響を与えるモノ制約データとを受け
    付ける入力ステップと、 これらの受け付けたデータを、制約条件として定式化し
    た線形計画問題に入力し、その実行可能解の中から受け
    付けた目標データとの乖離が最小になる生産計画を求め
    る演算ステップと、を有することを特徴とする生産計画
    支援方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記キャッシュ制約データは、部品や製品が行き来する
    各拠点間の支払期データ、期間別の製造および輸送コス
    トデータ、期間別の部品および製品価格データ、およ
    び、前記各拠点の現地通貨に対する会計上用いている通
    貨の期間別の為替レートデータのうちの少なくとも1つ
    を含み、 前記目標データは、売上、在庫、原価、利益、および、
    生産活動により得られるキャッシュのうちの少なくとも
    1つを含み、 前記モノ制約データは、前記各拠点間の輸送データ、生
    産拠点の能力データ、および、販売拠点の販売予定量デ
    ータを含むことを特徴とする生産計画支援方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記入力ステップは、前記キャッシュ制約データについ
    て、立案する生産計画の期間中における変動を表すシナ
    リオを複数受け付け、 前記演算ステップは、シナリオ毎に生産計画を求めるこ
    とを特徴とする生産計画支援方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記シナリオは、期間別の値あるいは経過期間の関数式
    として記述されており、 前記演算ステップは、経過期間の関数式を期間別の値に
    換算して、生産計画の計算に用いることを特徴とする生
    産計画支援方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記入力ステップは、各販売拠点の優先順位を受け付け
    ると共に、優先順位を受け付けた各販売拠点の販売予定
    量データを前記制約条件データとして受け付け、 前記演算ステップは、優先順位の高い販売拠点から順番
    に、前記線形計画問題に入力することで、生産計画を求
    めることを特徴とする生産計画支援方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記入力ステップは、受け付けたモノ制約データの変更
    を受け付け、 前記演算ステップは、変更後のモノ制約データを用いて
    生産計画を求めることを特徴とする生産計画支援方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記入力ステップは、受け付けた目標データの追加・変
    更を受け付け、 前記演算ステップは、追加・変更後の目標データを用い
    て生産計画を求めることを特徴とする生産計画支援方
    法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記演算ステップは、生産計画と共に経営指標を求める
    ことを特徴とする生産計画支援方法。
  9. 【請求項9】請求項1記載の生産計画支援方法であっ
    て、 前記演算ステップの算出結果を表示する表示ステップを
    さらに有することを特徴とする生産計画支援方法。
  10. 【請求項10】各生産拠点での生産能力や資材調達期間
    などの制約条件を線形計画問題に定式化して、最適解を
    求めることにより生産計画の立案を支援するためのプロ
    グラムであって、 前記プログラムは、コンピュータシステムに読み取られ
    て実行されることにより、前記コンピュータシステム
    に、 キャッシュに影響を与えるキャッシュ制約データと、キ
    ャッシュにより評価される経営指標である目標データ
    と、モノの流れに影響を与えるモノ制約データとを受け
    付ける入力ステップと、 これらの受け付けたデータを、制約条件として定式化し
    た線形計画問題に入力し、その実行可能解の中から受け
    付けた目標データとの乖離が最小になる生産計画を求め
    る演算ステップと、を行なわせることを特徴とするプロ
    グラム。
  11. 【請求項11】各生産拠点での生産能力や資材調達期間
    などの制約条件を線形計画問題に定式化して、最適解を
    求めることにより生産計画の立案を支援するための生産
    計画支援システムであって、 キャッシュに影響を与えるキャッシュ制約データと、キ
    ャッシュにより評価される経営指標である目標データ
    と、モノの流れに影響を与えるモノ制約データとを受け
    付ける入力手段と、 前記入力手段で受け付けたデータを、制約条件として定
    式化した線形計画問題に入力し、その実行可能解の中か
    ら受け付けた目標データとの乖離が最小になる生産計画
    を求める演算手段と、を有することを特徴とする生産計
    画支援システム。
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