JP2002145421A - サプライチェーンシミュレーションシステム - Google Patents
サプライチェーンシミュレーションシステムInfo
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Abstract
流の各作業をシミュレーションし、在庫、コスト、利
益、運転資本、キャッシュフロー、等の複数の視点から
サプライチェーン案を定量的に評価することによって、
資金等の企業のリソース、マーケット、製品ライフサイ
クル等の事業環境に適したサプライチェーン形態の決定
の支援を行うことが可能となる。
Description
ら、受注、生産、物流を経て、顧客へ商品を販売するま
での活動を表すサプライチェーンの構築時において、サ
プライチェーンの形態を決定することを支援するため
に、サプライチェーン案の実施効果についてシミュレー
ションにより定量評価する技術に関するものである。
調達拠点、製造拠点、輸送、マーケットといった物流プ
ロセスに関して、プロセス間のつながり、プロセス毎の
リードタイム、能力を定義し、情報に関して、調達計
画、生産計画の立案サイクル、タイムバケット、調達指
示、生産指示、出庫指示のサイクル、タイムバケットを
定義し、拠点間の商取引に関して、調達拠点と製造拠点
間、製造拠点と顧客間の売掛・買掛方式、を定義したも
のを想定している。
する場面においては、その投資対効果、事業計画の達成
度、顧客満足度等の複数の観点から、サプライチェーン
案を定量的に評価し、その意思決定を行わなければなら
ない。
ステムによるサプライチェーン評価のニーズは高く、従
来から、シミュレーションシステムの開発が行われてき
た。物流の状態を模倣したシミュレーションシステムと
して、特開平11−3101号公報記載の技術は、物流
経路に従って関連づけた物流プロセスモデルにおける在
庫などの物流の状態に応じて今後の物流の計画を作成
し、それに従って物流の各作業を模倣することを特徴と
するロジスティクスチェーンシミュレーションシステム
であり、これによって、物流の内容を規定するロジステ
ィクスチェーン案をシミュレーションして、在庫、コス
ト、利益等からロジスティクスチェーン案の評価を行
い、ロジスティクスチェーンの形態を決定することを支
援するものである。
システムとしては、例えば、特開平11−219346
号公報記載の技術は、価格割引や広告等の種々の要因を
考慮しながら需要予測を行ない、その予想した需要を基
に経営シミュレーションを行い、その結果としての実績
と、その基となった計画とを、販売計画や財務諸表的観
点から比較しながら、最適な経営計画を立案することを
支援するものである。また、特開平7−334576号
公報記載の技術は、販売計画、在庫計画、仕入計画、設
備投資計画などの経営計画を基に、それを資金繰り計
画、損益計算書、貸借対照表に連動させ、企業資金計画
をシミュレーションするものである。
する今日では、サプライチェーンにとって、在庫やコス
トといった従来の視点だけでなく、キャッシュフロー
や、ROAなどの経営指標による管理の重要性が求めら
れており、事業戦略やマーケット環境に応じた最適なサ
プライチェーンの構築のためには、事前にこのような複
数の視点から評価を行わなければ、その意思決定を誤る
可能性があるといえる。
売掛期間が比較的長い場合、保有資金が少ない会社の場
合等には、利益を計上しているにも関わらず、資金の流
動性が悪化し、最悪の場合資金ショートする可能性があ
るといえ、これは、利益という指標だけでなく、キャッ
シュフローの評価の必要性を示している。
合は、部品を仕込んだにも関わらず需要が落ち込んで在
庫化してしまうことも考えられることから、わずかな投
資でキャッシュをより多く生成できるかといった、効率
性という点も一つの重要なサプライチェーンの評価方式
であるといえる。また、実際に、キャッシュサイクルの
短縮化を図る財務構造となったサプライチェーン構築の
成功事例がデルコンピュータなどから発表されており、
今後も、こうした売掛・買掛管理、部品の引き取り責任
方式、といった財務構造の改革効果まで含めたシミュレ
ーションへのニーズは高まると思われる。
いて、従来から重要視されてきた在庫、利益といった指
標以外に、キャッシュフローや運転資金、また、効率的
にキャッシュをかせいでいるかを示すROA(Return o
n Asset)のような経営指標が重要視されている。
記載の技術によるサプライチェーンモデル案の評価にお
いては、物流の動作のみを模倣するものであり、お金の
流れの動作のみを模倣する機能を備えていないため、売
掛金、買掛金まで考慮して真のキャッシュの流れを示し
た、運転資金、キャッシュフロー、効率性等の評価を行
なうことができない。
を実施する技術に関しても、前記特開平11−2193
46号公報記載の技術は、販売される最終製品のレベル
での評価であり、別の観点からのサプライチェーンの形
態を変えることによる効果、例えば、リードタイム短縮
による部品在庫削減効果や、取引形態を変えることによ
る運転資金の削減等効果が評価結果に反映できない点
で、サプライチェーン構築時における評価には不十分と
思われる。また、同じく、特開平7−334576号公
報記載の技術についても、既存の計画値に基づいた経営
シミュレーションであり、実際の需要変動の予測が考慮
されないという点で、リスクを評価できず、サプライチ
ェーン評価には不十分と思われる。
れかを評価できるものはあるが、その両方を連動して評
価を行えるものは、従来にはなかった。
ン上の物と金の流れをシミュレーションし、在庫、利
益、キャッシュフロー等の複数の指標でもって、サプラ
イチェーンの効果を定量的に評価することにある。
価する指標とその目標値を設定する手段と、サプライチ
ェーン案の定義を行う手段と、在庫や品切れなどの物流
の状態に応じて、各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点
に関して、拠点間、及び、拠点内の、物流の計画を作成
する計画立案モデルと、各々物流経路を構成する要素で
ある各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点、輸送におけ
る、物流の各作業を模倣する物流シミュレーションモデ
ルと、企業間、あるいは、企業と一般消費者間における
商取引において発生する、企業会計処理上の取引と、実
際のお金の流れとをシミュレーションする、商流シミュ
レーションモデルと、需要の変化をモデル化した需要モ
デルとが、サプライチェーン案に従って関連づけられた
サプライチェーンモデルでシミュレーションを実行する
シミュレーション実行手段と、ユーザが設定した、サプ
ライチェーン案を定義するパラメータの値を基に、サプ
ライチェーンモデルを作成するモデル作成手段と、サプ
ライチェーン構築を定量的な評価を行う、評価手段とサ
プライチェーン案の評価結果を表示する手段とを有す
る、サプライチェーンシミュレーションシステム。
ョンシステムについてのある実施の形態について説明す
る。
ンシステムは、ある製品のサプライチェーン構築の場面
(以下ではそれをプロジェクトと呼ぶ)において検討し
たサプライチェーン案に対して、例えば在庫削減効果等
の目標を達成するかどうか、あるいは、利益などの事業
計画を達成できるかどうか、といった評価を可能にする
ために、サプライチェーン上の動作をシミュレーション
し、サプライチェーン案の定量的な評価を行うシステム
である。
ーザは、調達拠点、製造拠点、輸送、マーケットといっ
た物流プロセスに関して、プロセス間のつながり、プロ
セス毎のリードタイム、能力を定義し、情報に関して、
調達計画、生産計画の立案サイクル、タイムバケット、
調達指示、生産指示、出庫指示のサイクル、タイムバケ
ットを定義し、拠点間の商取引に関して、調達拠点と製
造拠点間、製造拠点と顧客間の売掛・買掛方式、を定義
した、サプライチェーンの形態を決定する。
ンシステム(1)の全体構成図を示す。
ム(1)は、サプライチェーン案を評価したい指標とそ
の目標値を設定する、評価方法設定インターフェース
(151)と、サプライチェーンの形態を定義するパラ
ーメータの設定によりサプライチェーン案を作成する、
サプライチェーン案定義インターフェース(152)
と、シミュレーションの実行内容に基づいてサプライチ
ェーン案を評価した結果を表示する、結果表示インター
フェース(153)とから構成された、システムと意思
決定者との間のユーザーインターフェースを提供する、
データ入出力装置(15)と、在庫や品切れなどの物流
の状態に応じて、各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点
に関して、拠点間、及び、拠点内の、物流の計画を作成
する計画立案部(111)と、各々物流経路を構成する
要素である各製造拠点、各物流拠点、各販売拠点、輸送
における、物流の各作業を模倣する物流シミュレーショ
ン部(113)と、企業間、あるいは、企業と一般消費
者間における商取引において発生する、企業会計処理上
の取引と、実際のお金の流れとをシミュレーションす
る、商流シミュレーション部(114)と、前記計画立
案手段と、前記物流シミュレーション手段と、前記商流
シミュレーション手段と、需要の変化をモデル化した需
要モデルとが、サプライチェーン案に従って関連づけら
れたサプライチェーンモデルに基づいてシミュレーショ
ンを実行するための、全体制御を行うシミュレーション
全体制御部(112)とから構成される、シミュレーシ
ョン実行装置(11)と、ユーザが設定した、サプライ
チェーン案を定義する、リードタイム、物流経路、取引
形態等のパラメータの値のデータを基に、サプライチェ
ーンモデルを自動的に作成するモデル作成装置(12)
と、前記シミュレーション実行装置(11)において、
シミュレーション中に単位時間あたりに収集した、各拠
点の在庫情報、取引情報等の各情報を基に、評価指標の
値を算出する、評価装置(13)と、各種データを保持
する媒体である、データ記憶装置(14)、とから構成
される。
システム(1)の構成は、CPUや、主記憶装置や、外
部記憶装置や、表示装置や印刷装置などの出力装置や、
キーボードやポインティングディバイスなどの入力装置
などを備えた、一般的な構成を有する電子計算機上にプ
ロセスや主記憶装置や外部記憶装置に記憶されたデータ
として構築することができる。
通してユーザが設定するデータと、予め用意しておくデ
ータが必要となる。
が設定するデータは、サプライチェーン案を評価する指
標とその目標値を格納する評価指標・目標値データ(1
48)と、サプライチェーン案を定義する、リードタイ
ム、物流経路、取引形態等のパラメータの値を格納する
サプライチェーン案データ(145)であり、これら
は、設定後、データ記憶装置(14)へ記憶される。
しておくデータについて説明する。まず、言葉の定義を
すると、本実施形態において、拠点とは、製品の製造を
行う工場、もしくは、その中の組立ライン、塗装ライン
など、工場を構成する小工程を指す。また、製品の製造
だけでなく、材料・部品の調達先、外注先も拠点とし、
材料、部品、外注による中間部品などを調達する工程、
最終製品を顧客あるいはユーザーに供給や販売する工
程、輸送の工程も拠点とする。また、各拠点で調達・生
産される部品、中間製品、製品のそれぞれを品目と呼
ぶ。
のために必要な計画立案データ(141)、各拠点の活
動で発生するコスト単価情報や、製品・部品の売価情報
を格納するコスト等の情報を格納するコストデータ(1
42)、サプライチェーンの評価指標の複数の種類を格
納する指標テンプレート(143)、需要の傾向につい
ての複数の種類を格納する需要モデルテンプレート(1
44)が必要となる。計画立案データ(141)の詳細
は、部品番号、製品番号、ロット番号等のある一工程に
流れる部品、製品、もしくはロットを特定できるような
製造番号と、部品の種類を表す品名と、所要日と、所要
量とから成る、基準となる生産計画を示すMPSデータ
(1411)と、品目1個の製造にかかる時間(作業時
間)等の品目に特有のデータを持つ品目データ(141
2)と、製品と部品、部品と部品、部品と原材料といっ
た品目と品目の関連を示した製品構成データ(141
3)と、各拠点において、その稼動日とその作業可能時
間情報を持つ工程能力情報(1414)と、それぞれの
品目、拠点についての計画立案開始時点での在庫情報を
持つ初期在庫データ(1415)と、計画立案開始時点
におけるそれぞれの品目についての既に発注済みで将来
納品される予定の入庫予定データ(1416)である。
7〜図25に示す。
シミュレーションシステム(1)における処理の流れに
ついて、全体の処理の流れを示した全体処理フロー(図
2)と、先の装置の全体構成図(図1)を用いて説明す
る。以下図2の各ステップについて、詳細に説明する。
て、プロジェクトの目標、すなわち、サプライチェーン
案を評価する指標とその目標値を設定する。この値は、
評価指標・目標値データ(148)としてデータ記憶装
置(14)に記憶される。その例を図26に示す。
す。図3における操作としては、評価したい指標の欄に
チェックをいれ、必要ならば目標値を入力することで、
サプライチェーン案を評価する指標とその目標値の設定
が完了する。ここで設定する指標を新たに追加したい場
合は、指標テンプレート(143)にその指標データを
新たに登録すればよい。
(152)にて、物流経路、輸送手段、輸送サイクル、
計画管理業務サイクル、リードタイム、取引形態等の、
サプライチェーンに係わる項目についてのパラメータの
値を設定することにより、サプライチェーン案を定義す
る。上記に挙げた項目の他に、調達拠点への発注方式、
顧客の注文を引当てる在庫拠点、需要の変化するパター
ンなどもパラメータとすることができる。例えば、新し
い部品メーカとの契約形態を決定する場面においては、
調達リードタイム、買掛期間等のパラメータの値を設定
すればよい。
成したサプライチェーン案は、サプライチェーン案デー
タ(145)としてデータ記憶装置(14)に記憶され
る。このデータの例を図27に示す。このとき、複数個
のサプライチェーン案を作成し、同時にシミュレーショ
ンを行い、結果を比較することもできる。
ップで用いる、サプライチェーン案定義インターフェー
ス(152)の一例を図4に示す。意思決定者は、ま
ず、サプライチェーン案の名称を、プロジェクト名称と
モデル名称のセットとして登録する。次に、需要モデ
ル、物流モデル、商流モデル、情報モデルの切り口か
ら、各パラメータ値を画面に入力する。
の見直しを中心としたサプライチェーンを検討するプロ
ジェクトを示している。このプロジェクトの内容を説明
する。製品を組立てる拠点に対して、部品を製造する拠
点として部品メーカA、部品メーカBがあり、各調達拠
点の部品調達リードタイムは、部品メーカAが1週間、
部品メーカBが3週間である。また、モデルAでは、製
造拠点において1週間分の部品在庫を保持しており、モ
デルBでは、2週間分の部品在庫を保持している。部品
の代金は、部品メーカAが、部品到着後1ヶ月以内、部
品メーカBが、部品到着後2週間以内に支払うこととな
っているが、部品メーカAの部品価格は、部品メーカB
の2倍となっている。一方、製造拠点から顧客への輸送
リードタイムは2日であり、顧客からの代金納入は商品
到着後1ヶ月以内となっている。また、部品メーカと製
造拠点間の輸送サイクルは1週間毎、製造拠点と顧客間
の輸送サイクルは1日とする。また、顧客の要求は、製
造拠点の、製品の在庫に引当てて顧客へ直送されるもの
としている。そして、ここでの計画立案は、製造拠点に
おいて、製品の生産計画、部品の調達計画が全体計画と
して、立案され、在庫状況や品切れ状況を考慮した生産
指示、調達指示が提示されるものとし、その計画サイク
ルは1週間としている。このような、部品メーカA,B
のどちらの取引形態が製造拠点にとって有利かをシミュ
レーションするプロジェクトである。この例の場合のサ
プライチェーンの変動パラメータは、部品調達リードタ
イム、製造拠点での部品保持日数、部品代金支払い方
法、部品コストなどの、取引形態に関するパラメータ
と、需要変化パターンであり、サプライチェーン案の作
成とは、これらを設定する処理のことを指す。
ーを図6に示す。図4のサプライチェーン案定義インタ
ーフェース(152)を用いた処理の内容を、図5の例
において部品メーカAの場合のモデルをサプライチェー
ン案1として設定する場合で説明する。
サプライチェーン案のモデル名称を登録する。図4にお
けるモデル名称登録(400、401)に対応する。こ
の場合は、プロジェクトを「サプライヤ選定」、モデル
名称を「案1」として、設定する。
定を行う。図4における需要設定(402)に対応す
る。
に、大きな需要動向の変化は、顧客からの需要量が増加
傾向にある「立上げ期」、需要量の増加がとまる「安定
期」、次期製品投入など需要量が減少する「衰退期」が
考えられ、本装置においても、意思決定者は、この3つ
から需要モデルを選択する。そしてさらに、シミュレー
ションを実行するためには、パラメータである需要項目
を設定する必要がある。需要項目には、需要が発生する
時間値を表わす需要発生時期、需要が衰退して終了する
時間値を表わす需要終了時期、見込み計画値に対する変
化が増大、減少、同など(安定)であるかを表わす需要
変化パターンと、その変動率等が挙げられる。
ンは、顧客からの需要量が増加傾向にある「立上げ期」
とし、初期の販売計画通りのものと、初期計画に対して
緩やかな上昇パターンのものの2つとする。需要発生時
期は、シミュレーション開始から1ヶ月後とし、緩やか
な上昇パターンの需要変化率としては、初期計画に対し
て−15%と設定する。
イチェーン設定の物流設定(4031)に対応する。図
5の例においては、物流プロセスとしては、部品メーカ
A、部品メーカAから製造拠点への輸送A、製造拠点、
製造拠点から顧客への輸送、顧客、が挙げられる。それ
ぞれ詳細を設定していくが、部品メーカAを例にそれを
説明する。部品メーカAは、カテゴリとしては、調達拠
点を設定し、プロセスタイムとしてはパラメータである
部品調達リードタイムの1週間(7日)を設定する。そ
して次のプロセスとして、輸送Aプロセスを設定する。
このように、各物流プロセスの、プロセスタイム、能
力、サイクル、次のプロセスを案の通りに設定してい
く。
チェーン設定の商流設定(4032)に対応する。図5
の例においては、部品メーカと製造拠点間、及び、製造
拠点と顧客間の取引形態を定義するが、例えば、部品メ
ーカAと製造拠点の取引形態については、買掛日数のパ
ラメータの値を30日と設定する。
チェーン設定の情報設定(4033)に対応する。図5
の例においては、生産計画、生産指示、調達計画、調達
指示、取引指示、需要引当について、そのサイクルや、
指示先のプロセス等を設定していく。例えば、調達計画
については、カテゴリの項に計画立案を設定し、サイク
ルの項に7日と設定し、出力の項に調達指示と設定す
る。出金処理の取引についても、サイクルの項に1日、
すなわち毎日と設定し、出力の項、すなわち出金指示の
先として製造拠点を設定する。
チェーン案の数だけ実行する。
ロセスが終了する。
て、モデル作成装置(12)にて、需要、計画立案、受
注引当、物流プロセス、商流プロセスを、サプライチェ
ーン案に従って関連づけたサプライチェーンモデルを作
成する。
明する。
目の流れる過程をモデル化した物流プロセスモデル、企
業と一般消費者間における商取引において発生する、実
際のお金の流れと、企業会計の処理上の取引をモデル化
した商流プロセスモデル、顧客の需要をモデル化した需
要モデル、注文や要求に対して、生産している品目に引
当てる処理をモデル化した受注モデル、各拠点に対して
生産指示、調達指示を出す処理をモデル化した計画立案
モデルの5つのモデルを基本とし、これらを関連づけて
サプライチェーン案をシミュレーションするためのサプ
ライチェーンモデルを作成する。図7は、そのサプライ
チェーンモデルの一例であり、以下、これを用いて、各
モデルを説明する。
る。物流プロセスモデルは、部品や材料の調達から製
造、輸送、納入に関する品目の流れる過程をモデル化し
たものであり、製造拠点、調達拠点、配送センタ、輸送
手段などを表現した複数のモデルから構成されている。
点のモデル構成を示す。輸送モデルについては、後で受
注モデルと合わせて説明する。
拠点とを結ぶ輸送のモデルから入庫される品目を表わす
データ(以下、「入庫品目」と呼ぶ)と、立案された生
産計画に従ったその拠点の生産指示を表わすデータ(以
下、「生産指示」と呼ぶ)と、生産された品目の別の拠
点への出庫指示、とを入力とし、出庫される品目を表わ
すデータを出力するものである。
モジュール(751)、投入指示モジュール(75
2)、製造工程モジュール(753)、製品在庫モジュ
ール(754)の大きな4つの処理モジュールから構成
される。部品在庫モジュール(751)は、初期在庫発
生(7511)、出庫処理(7512)、使用部品仕分
け(7513)からなる。投入指示モジュール(75
2)は、投入ロット分割(7521)、使用部品計算
(7522)、使用部品収集指示(7523)、ライン
投入指示(7524)からなる。製造工程モジュール
(753)は、製造ライン(7531)、製造量算出
(7532)からなる。製品在庫モジュール(754)
は、初期在庫発生(7541)、入庫処理(754
2)、出庫処理(7543)からなる。
ーション実行時には次のように動作する。まず、シミュ
レーション開始と同時に、部品在庫モジュール(75
1)の初期在庫発生(7511)において、初期在庫デ
ータ(1415)に従って初期在庫を発生させ、それが
出庫処理(7512)において、部品在庫として一時的
に保持される。一方、製造拠点モデルの直前の輸送モデ
ルから出力された入庫品目についても(731)、出庫
処理(7512)において部品在庫として一時的に保持
される。
力されると(732)、まず、投入指示モジュール(7
52)の投入ロット分割(7521)において投入ロッ
ト数に分割される。次に、使用部品計算(7522)に
て、生産に使用する部品を計算し、使用部品収集指示
(7523)において指示された品目を生産するのに必
要な使用部品を在庫モジュールから出庫するように、出
庫処理(7512)へ指示を出す(733)。そして、
使用部品仕分け(7513)にて出庫指示品目とその量
を判別し、それらの部品が揃っていれば、そのことをラ
イン投入指示(7524)に伝えると(734)、使用
部品が製造ライン(7531)へ投入される(73
5)。製造ライン(7531)へ投入された部品は、製
造リードタイム後に製造ラインから製品を表わすデータ
に変換され(以下、「製品」と呼ぶ)、その生産実績値
を製造量算出(7532)で集計しながら、製品が製品
倉庫(7542)に入庫される(736)。製品倉庫
(7542)では、予め初期在庫発生(7541)に
て、初期在庫データ(1415)に従った初期在庫を発
生させ、それが入庫処理(7542)で製品在庫として
一時的に保持されている。これに加えて、製造量算出
(7532)から出力された製品も入庫処理(754
2)へ流れ、製品在庫として一時的に保持される。出庫
処理(7543)は、オーダが入ってきた製品の出庫処
理をモデル化したものであり、説明は後述する。
のモジュールからなる拠点モデルとともに、同様に詳細
化されたモジュールから構成された輸送モデルや物流セ
ンターモデルなどの複数のモデルが関連し合ったものと
なる。
る。
上の売掛・買掛の処理をモデル化した簿記取引モデル
(78)と、企業間、もしくは、企業と一般消費者間に
おける、お金の支払・受領の処理をモデル化した、キャ
ッシュ取引モデル(79)とから成る。入力は、サプラ
イチェーン案データ(145)の商取引形態、物流プロ
セスモデルからの資産の移動情報であり、シミュレーシ
ョン中の売掛、買掛、キャッシュの状態を出力する。
の動作を説明する。この例は、製造拠点モデルを主体と
して考えた商流を検討するモデルであるため、製造拠点
への部品の入庫処理、製造拠点で生産した製品の顧客へ
の納入処理に伴う、物や金といった資産の移動をモデル
化する。
決定モジュール(781)と、取引実行モジュール(7
82)とから構成される。取引指示内容決定モジュール
(781)は、取引発生認識(7811)と取引タイミ
ング・内容計算(7812)とから成る。取引実行モジ
ュール(782)は、指示タイミング計算(7821)
と、簿記取引指示発生(7822)と、簿記取引実行
(7823)とから成る。
のように動作する。まず、取引発生認識(7811)
が、直前の輸送モデルから部品が入庫されたことを感知
する。そして、このような部品入庫のタイミングの度
に、取引タイミング・内容計算(7812)において、
買掛の追加の対象となる品目と量を、日毎や週毎で集計
することを繰り返す。この集計のタイミングは、403
3で定義した情報プロセスの取引サイクルの設定に従
う。また、製品を顧客に納入する時は、取引発生認識
(7811)が、製造拠点モデルの後ろの輸送モデルの
納入(764)において製品を顧客へ納入したタイミン
グを感知し、その納入のタイミングの度に、取引タイミ
ング・内容計算(7812)において、売掛を追加しな
がら、それらを日毎や週毎で集計することを繰り返す。
一方、取引実行モジュール(782)は、指示タイミン
グ計算(7821)にて、毎日、あるいは、週1回な
ど、シミュレーションの時間上での簿記取引の集計を実
行するタイミングを計算し、そのタイミングが来れば、
簿記取引指示発生(7822)において、取引タイミン
グ・内容計算(7812)で定めた取引内容についての
実行指示を発生させ、簿記取引実行(7823)にて、
その指示に従って製造拠点の売掛、買掛を増減する処理
を実行する。
示内容決定モジュール(791)と、取引実行モジュー
ル(792)とから構成される。取引指示内容決定モジ
ュール(791)は、取引発生認識(7911)と取引
タイミング・内容計算(7912)とから成る。取引実
行モジュール(792)は、指示タイミング計算(79
21)と、キャッシュ取引指示発生(7922)と、キ
ャッシュ取引実行(7923)から成る。
のように動作する。まず、取引発生認識(7921)
が、直前の輸送モデルから部品が入庫されたことを感知
する。そして、このような部品入庫のタイミングの度
に、取引タイミング・内容計算(7912)において、
4032で定めたキャッシュの支払い方式に従って、支
払い日を計算し、日毎や週毎で、その支払い量を集計す
ることを繰り返す。図5の例は、部品購入の2週間後、
もしくは、1ヶ月後に代金を支払う、というモデルであ
ることから、部品入庫のタイミングから2週間後、もし
くは、1ヶ月後のタイミングを支払日とし、その日のキ
ャッシュの支払い対象となる品目と量に、当該部品を追
加する。逆に、製品を顧客に納入する時は、図5の例で
は、顧客納入の1ヶ月後に商品の代金が入金されるモデ
ルであるため、取引発生認識(7921)が、製造拠点
モデルの後ろの輸送モデルの納入(764)において製
品を顧客へ納入したタイミングを感知し、取引タイミン
グ・内容計算(7912)において、そのタイミングの
1ヶ月後のタイミングを入金日とし、その日の入金対象
となる品目と量に当該製品を追加する。
指示タイミング計算(7921)にて、毎日、あるい
は、週1回など、シミュレーション上の時間上でのキャ
ッシュ取引を実行するタイミングを計算し、そのタイミ
ングが来れば、キャッシュ取引指示発生(7922)に
おいて、取引タイミング・内容計算(7812)で定め
た取引内容についての実行指示を発生させ、キャッシュ
取引実行(7923)にて、その指示に従って製造拠点
のキャッシュを増減する処理を実行する。
入の翌月末の支払いであれば、取引指示内容決定モジュ
ール(791)にて、月の初めから月末まで、直前の輸
送モデルから部品が入庫されたタイミングを感知する度
に、その品目と量を月毎に累積で記憶しておき、キャッ
シュ取引指示発生(7922)にて、その月の翌月末に
なった時点でその分のキャッシュを減少させる処理を指
示し、キャッシュ取引実行(7923)においてそれを
実行する。同じく、売り上げた製品の代金入金が、製品
納入の翌月末の入金であれば、取引指示内容決定モジュ
ール(791)にて、月の初めから月末まで、後の輸送
モデルの納入(764)において製品を顧客へ納入した
タイミングを感知する度に、その品目と量を月毎に累積
で記憶しておき、キャッシュ取引指示発生(7922)
にて、その月の翌月末になった時点でその分のキャッシ
ュを増加させる処理を指示し、キャッシュ取引実行(7
923)においてそれを実行すればよい。
造計画、出荷計画などの計画立案の処理をモデル化した
ものである。
定めた運用管理方式、計画サイクルなどの、パラメータ
の値に基づいて作成される。たとえば、図5に示したサ
プライチェーン案では、前述のように、生産・調達計画
のサイクルは1週間毎と設定されている。
す。
ル、計画立案タイミング、計画指示タイミングなどを入
力とし、各拠点への調達・生産指示を出力とする。構成
は、計画実行モジュール(711)、調達・生産指示タ
イミング計算モジュール(712)、調達・生産指示モ
ジュール(713)と、大きく3つの処理モジュールか
ら成る。
イミング計算(7111)と、計画関数実行(711
2)とから成る。調達・生産指示タイミング計算モジュ
ール(712)は、指示タイミング時間計算(712
1)、調達・生産指示発生(7122)から成る。計画
指示モジュール(713)は、指示ファイル読込(71
31)、タイムバケット振分け(7132)、各拠点へ
調達・生産指示(7133)から成る。
ライチェーン案データ(145)の計画の立案サイクル
に関するデータであり、各拠点への、調達指示や、生産
指示を出力する。
は次のように動作する。
33で定義された計画実行タイミングに従い、そのタイ
ミング毎に、各拠点モデルへの調達・生産計画を立案す
る。まず、実行タイミング計算(7111)において計
画サイクル情報に基づいて、計画の実行日が計算され
る。次に、その実行日になると、計画関数実行(711
2)でMRP展開を実行し、部品拠点への調達指示、組
立拠点の生産指示ファイルが作られる。再び、実行タイ
ミング計算(7111)において次の計画の実行日が計
算され、これがシミュレーション終了時まで繰り替えさ
れる。
2)では、711で作成した計画を、物流プロセスモデ
ルの各拠点モデルへ、調達・生産指示として出力するタ
イミングを計算する。指示タイミング時間計算(712
1)により求められた計画指示タイミング毎に、調達・
生産指示発生(7122)が実行され、計画指示モジュ
ール(713)の指示ファイル読込(7131)を実行
する指示が出る(714)。
ル(713)の指示ファイル読込(7131)におい
て、計画関数実行(7112)で計算された各拠点の調
達・生産指示データが読込まれ、タイムバケット振分
(7132)で、4033で定義されたバケット単位に
生産指示のデータが振り分けられる。そして、各拠点へ
調達・生産指示(7133)により、物流プロセスモデ
ルの各拠点モデルへ調達・生産指示として出力される。
モデル(73)は、オーダ計算(731)、タイミング
計算(732)、オーダ発生(733)から成る。入力
は、サプライチェーン案データ(145)の需要パター
ンの情報と、MPSデータであり、本モデルで算出した
オーダをそのタイミング毎に受注モデルに出力する。シ
ミュレーション時、このモデルは次のように動作する。
このモデルは402で定めた需要パターンに基づいて、
オーダを作成する。まず、オーダ計算(731)にて、
急上昇や緩上昇などの需要パターンに従って、MPSデ
ータ(1411)を基にオーダを計算する。次に、タイ
ミング計算(732)にて、オーダ発生のタイミング、
すなわち、作成したオーダを受注モデルに出力するタイ
ミングを計算する。そして、そのタイミング毎に、オー
ダ発生(733)にてオーダを発生させ、受注モデルに
それを送る(701)。
1)、在庫引き当て(722)、出庫指示(723)か
ら成る。入力はオーダであり、製品の出庫指示を出力す
る。シミュレーション時、このモデルは次のように動作
する。まず、オーダ受領(721)にて、オーダ発生
(733)から送られてきたオーダを受領する。次に、
在庫引当(722)にて、受領したオーダをまとめ、出
庫のタイミング、品目、数を計算し、在庫引き当て指示
を作成する。次に、出庫指示(723)にて、そのタイ
ミングに、出庫すべき品目、数についての指示を、物流
プロセスモデルの一部である、顧客への輸送モデル(7
6)のオーダ集約(761)に送る(702)。
1)、製品ピッキング(762)、出荷(763)、納
入(764)から構成される。入力は出庫指示(72
3)からのオーダであり、輸送品目データを出力する。
シミュレーション時、このモデルは次のように動作す
る。まず、オーダ集約(761)にて、出庫指示(72
3)からのオーダを受け取り、全オーダの品目と数量を
まとめる。次に、製品ピッキング(762)にて、製品
在庫モジュールの出庫処理(7543)に、オーダ集約
(761)でまとめた品目と数量についての出庫指示を
出す。出庫処理(7543)では、その出庫指示に従っ
て必要な品目を出庫する。そして、出荷プロセス(76
3)において必要な輸送リードタイムを経て、納入プロ
セス(764)にて、商品が顧客に到着する。
説明である。
を作成するための、モデル作成装置(12)について説
明する。本装置では、ステップ202で入力したサプラ
イチェーンの案を定義するパラメータの値を読みこみ、
それに従ってサプライチェーンモデルを作成する処理を
行う。
(12)は、物流プロセス構築(121)、商流プロセ
ス構築(122)、情報プロセス構築(123)とから
構成される。物流プロセス構築(121)は、物流パラ
メータ入力(1211)とプロセス構築(1212)と
拠点属性設定(1213)から成る。商流プロセス構築
(122)は、商流パラメータ入力(1221)とキャ
ッシュ取引タイミング計算式作成(1222)から成
る。情報プロセス構築(123)は、情報パラメータ入
力(1231)と、計画立案タイミング設定(123
2)と、指示タイミング設定(1233)と、情報入力
先設定(1234)から成る。
ラメータ入力(1211)にて、サプライチェーン案デ
ータ(145)のなかの物流に関するパラメータを読み
込む。プロセス構築(1212)において、次プロセス
のデータを基に、拠点と拠点とのつながりを定義する。
次に拠点属性設定(1213)において、サプライチェ
ーン案データ(145)における拠点毎の、製造や輸送
のリードタイム、キャパシティ、サイクルタイム、等の
属性を設定する。
ラメータ入力(1221)にて、サプライチェーン案デ
ータ(145)のなかの商流に関するパラメータを読み
込む。キャッシュ取引タイミング計算式作成(122
2)において、売掛、買掛のデータを基に、キャッシュ
を支払うタイミングの計算式の値をその入力値に設定し
てモデル内での計算式の作成を行う。
ラメータ入力(1231)にて、サプライチェーン案デ
ータ(145)のなかの情報に関するパラメータを読み
込む。情報のカテゴリは、大きく、計画と指示があり、
計画とは、生産計画や調達計画の立案、指示とは、生産
指示、調達指示、需要の引当指示、等を指す。まず、計
画立案タイミング設定(1232)において、生産計画
や調達計画のタイミングを示すサプライチェーン案デー
タ(145)のサイクルタイムの値を基に、計画実行モ
ジュール(711)の実行タイミング計算(7111)
におけるタイミング計算式の作成を行う。次に指示タイ
ミング設定(1233)において、生産指示や調達指示
のタイミングを示すサプライチェーン案データ(14
5)のサイクルタイムの値を基に、計画指示タイミング
計算モジュール(712)の指示タイミング時間計算
(7121)の計算式の作成を行う。計画や指示のタイ
ミング計算式が完成したら、最後に、情報入力先設定
(1234)において、計画や指示の情報の出力先を定
義する。
とで、サプライチェーンモデルを作成する。
成された複数のサプライチェーン案のシミュレーション
モデルに従って、シミュレーションを実行する。
(11)の内部構成を示す。
レーション部(113)、商流シミュレーション部(1
14)、計画立案部(111)、シミュレーション全体
制御部(112)を有する。物流シミュレーション部
(113)は、ステップ203で作成した物流プロセス
モデル(1131)、需要モデル(1132)、受注モ
デル(1133)、計画立案モデル(1134)を有す
る。ただし、ここでは、物流シミュレーション部(11
3)の計画立案モデル(1134)は、図7の計画立案
モデル(71)の実行タイミング計算(7111)に相
当し、パラメータとして設定された計画サイクル毎に、
計画立案指示を計画立案部(111)に出力する機能で
あるとし、計画立案部(111)が、図7の計画立案モ
デル(71)の計画関数実行(7112)に相当するも
のとして示している。また、商流シミュレーション部
(114)は、簿記取引モデル(78)と、キャッシュ
取引モデル(79)を有する。
に対して、MRP(Material Requirement Plannin
g)に必要なデータ(141)と、需要作成のための、
需要モデルテンプレート(142)と、ステップ203
においてサプライチェーン案データ(145)を基に作
成されたサプライチェーンモデルを読み込む。
ン全体制御部(112)によりシミュレーション開始、
終了における時間制御が行われ、入力のサプライチェー
ンモデルに従って、各モデルの作業が模倣される。ま
た、模倣された結果としての物流、商流の状態は、各拠
点において、一定のタイミングで品目毎の拠点への入力
数、拠点からの出力数の履歴をカウントすることで記憶
しており、これが、シミュレーション結果データ(14
6)としてデータ記憶装置(14)に記憶される。
モデル(1134)からの計画立案指示が入力されると
(802)、前提条件として与えられたMPSデータ
(1411)を用いてMRP展開を行い(1112)、
各拠点の日毎や週毎の調達指示、生産指示、輸送指示な
どの拠点別計画を算出する(803)。この算出結果に
従い物流シミュレーション部の物流プロセスモデルの調
達、生産、輸送が行われる(804)。
て、ステップ202で作成した、サプライチェーン案の
需要モデルに従った顧客の要求指示が作成される。次に
この要求指示が受注モデル(1133)に入力され(1
05)、完成品あるいは中間品、部品など受注条件又は
受注のパラメータに基づき、引当て指示が作成される。
この引当て指示は物流プロセスモデルに入力され(10
6)、プロセス内で在庫に引当てられる。
デル(1134)から計画サイクルに基づき、計画立案
部(111)の実行が促されると、物流シミュレーショ
ン部(113)で発生した在庫量、品切れ量、需要量の
結果を計画立案部(111)で読込み(807)、これ
と基準の生産計画を考慮した新たな日毎または週毎の調
達指示、生産指示、輸送指示を作成する。
示、輸送指示が生成されると、この調達指示、生産指
示、輸送指示に従い物流シミュレーション部の物流プロ
セスモデルの調達、生産、輸送が行われる(804)。
4)において、製造拠点への部品の入庫処理、製品の顧
客への納入処理に伴って(808、809)、簿記上の
資産の移動と、実際のキャッシュの移動が実行される。
うにシミュレーション結果が、シミュレーション結果デ
ータ(146)としてデータ記憶装置(14)に記憶さ
れる。
は、具体的に次の情報が保存されている。まず、最も基
本的なデータとして、各拠点における、品目や指示の入
力数、出力数を記憶した、シミュレーション結果素デー
タ(1461)が存在し、そのデータを加工して、単位
時間当たりの仕掛かり量に換算したデータを格納した、
シミュレーション結果加工データ(1462)も存在す
る。図28、29にそのデータの例を示す。物流シミュ
レーションの結果としては、その品目の入力数・出力数
が、調達量や生産量であり、仕掛かり量がその拠点にお
ける仕掛量、もしくは、在庫量、を指す。また、商流シ
ミュレーションの結果としては、売掛や買掛やキャッシ
ュを擬似的に拠点とみなし、例えば売掛を例にとると、
売掛という拠点に関するデータレコードにおいて、物流
の入力数が売掛の増加を促す品目の量を示し、出力数が
売掛の減少を促す品目の量を示し、仕掛かりが、その時
点での売掛や買掛やキャッシュの量を表す品目と量、と
いうことになる。このように、物流シミュレーション部
での結果である調達量、製造量、在庫量、配送量、顧客
要求量や、商流シミュレーション部での結果である売
掛、買掛、キャッシュ等の情報は、シミュレーション結
果データ(146)としてデータ記憶装置(14)に記
憶される。また、これに関して、時点毎の売掛、買掛、
キャッシュの情報を、品目毎の数ベースで記憶する他
に、品目とコストが対応したコストデータ(142)を
予め入力しておき、これをシミュレーション実行中に参
照しながら、全て金額ベースで計算し、データ記憶装置
(14)に記憶する方法もある。
までステップ204を繰返し行う。
3)において、シミュレーション結果に基づいた評価を
行う。各サプライチェーン案に対する、在庫、コスト、
品切れ、運転資金、キャッシュフローなどの評価指標
を、図8のシミュレーション結果データ(146)を基
に計算し、その結果を、電子計算機の備えられた表示装
置に表示するとともに、これらをデータ記憶装置201
に記憶する。その構成を図10に示す。評価装置(1
3)は、データ読込部(131)と、評価指標計算部
(132)から成る。データ読込部(131)は、評価
指標読込(1311)と、必要データ読込(1312)
から成り、評価指標計算部(132)は、評価指標計算
(1321)と、評価結果表示データ作成(1322)
から成る。入力は、評価指標・目標値データ(148)
と、指標テンプレート(143)と、シミュレーション
結果データ(146)であり、予め設定した評価指標で
シミュレーション結果を評価した結果を出力する。
理フローを用いて説明する。
01で設定した、サプライチェーン案を評価する指標と
その目標値を、評価指標・目標値データ(148)から
読み込む。また、その評価指標についての情報、例え
ば、評価指標の計算式や、それを計算するのに必要なデ
ータ項目を指標テンプレート(143)から読み込む。
標の計算式として、「売上高÷在庫」を読込み、必要な
データとして、製品在庫、中間製品在庫、部品在庫、売
上量のデータと、品目毎の原価データ、製品売価データ
という項目を読み込む。
901で読み込んだ評価指標計算に必要なデータ項目に
ついて、シミュレーション結果データ(146)やコス
トデータ(142)からそのデータを読み込む。
レーション結果データ(146)から、物流に関するデ
ータのなかで、カテゴリが「製品在庫」、「中間製品在
庫」、「部品在庫」となっている拠点に関する全レコー
ドから、その「品目」と「仕掛量」のデータを読込むこ
とで在庫品目情報を得る。次に、カテゴリのデータ項目
が「顧客」である拠点の全レコードから「品目」と「物
流入力数」を読み込むことで売上品目情報を得る。次
に、コストデータ(142)から、全品目の原価や製品
売価の情報を得る。
01で読み込んだ評価指標の計算式と、ステップ902
で読み込んだデータを基に、評価指標の値を計算する。
する。ステップ901で読み込んだ、在庫回転率の計算
式は、売上高÷在庫となっている。まず、売上高は、顧
客という拠点に入力された品目に対し、品目毎の製品売
価をかけたものである。よって、ステップ902におい
てシミュレーション結果データ(146)の顧客の拠点
に関する入力品目を集計した結果に、製品毎にコストデ
ータ(142)の製品売価を参照して売上高を集計す
る。在庫は、シミュレーションの最後の時点での、部品
在庫、中間製品在庫、製品在庫を金額ベースで換算した
値である。これを図5の例を用いて説明すると、ここで
は、組立メーカを主体として考えているため、組立メー
カの資産である在庫、すなわち、製造メーカの部品倉庫
に存在する部品在庫と、製造メーカのラインに仕掛かっ
ている中間製品在庫、そして、製造メーカの製品倉庫に
存在する製品在庫を、ステップ902において品目毎に
集計した結果に、品目毎にコストデータ(142)の品
目毎の原価を参照して在庫額を集計する。このようにし
て計算された売上高と在庫額を売上高÷在庫という計算
式に従って計算した結果が在庫回転率という評価指標の
値となる。
する指標全てについて計算を終了したか確認し、終了し
ていれば、次のステップへ進み、終了していなければ、
ステップ903を繰り返す。
する。結果表示インターフェース(153)の一例を図
11に示す。ステップ201で設定した、サプライチェ
ーン案を評価する指標全てについての結果を表示し、グ
ラフなど、より詳細な情報を得たい評価指標について
は、その項目をチェックし、詳細表示起動ボタン(10
01)の実行により、それぞれの評価指標毎にその詳細
を別の画面で見ることができる。
価指標を「在庫回転率」「利益率」「運転資金」「キャ
ッシュフロー」と設定したとして説明する。需要が安定
上昇で部品メーカAというパラメータの組合せが案1、
需要が安定上昇で部品メーカBというパラメータの組合
せが案2、需要が緩上昇で部品メーカAというパラメー
タの組合せが案3、需要が緩上昇で部品メーカBという
パラメータの組合せが案4とする。
価結果の一例を、図13に、利益率を算出したときの評
価結果の一例を、図14に、運転資金とキャッシュフロ
ーを算出したときの評価結果の一例を示す。
な判断を行う。図12、図13をみると、案2、4の方
が在庫は多いが、期待できる利益は大きい。よって、需
要が安定していれば、案2が望ましいと言える。しか
し、需要があまりのびない場合、すなわち、案3、案4
についての図14の結果をみると、案4は運転資金や目
標値を達成しておらず、需要が不確実な場合、売掛期間
が長い場合、手持ち資金が少ない会社の場合等には、資
金ショートする危険性があることが分かる。一方、案3
は、在庫が少なく、買掛期間が長いため、キャッシュフ
ローは案4より大きく、運転資金も目標を満たしてい
る。このようなことから、需要のまだよく分からない新
製品に対しては、回転性の高い、部品メーカAとの取引
形態の案を採用する、という意思決定を行う。
だけでなく、図15のように、部品在庫、半製品在庫、
製品在庫の推移のような、シミュレーション結果そのも
のを、グラフ化して表示してもよい。また、各案に対す
るリードタイム評価、顧客要求対応度、生産能力負荷
量、また複数の評価項目からのレーダーチャート評価な
ど、さまざまな角度からの分析結果を表示するようにし
てもよい。
価結果を意思決定者に提示することにより最適なパラメ
ータの決定を可能とする。
て、ステップ206による評価の結果と、ステップ20
1にて設定した目標値とを比較し、サプライチェーン案
を満足するかどうかについて、ユーザが検討する。そし
て、設定した評価値を満たしていないなど、サプライチ
ェーン案、あるいは、目標値そのものの変更を行う必要
があるかのチェックを行う。
場合には、ステップ202に戻り、以降の処理を実施す
る。目標そのものから見直す場合には、ステップ201
に戻り、以降の処理を実施する。
を満たしている場合には、複数のサプライチェーン案の
中から評価結果が最良であったサプライチェーン案を選
択し、全ての処理を終了する。
た。
従って、物流と、商流の各作業をシミュレーションし、
在庫、コスト、利益、運転資本、キャッシュフロー、等
の複数の視点からサプライチェーン案を定量的に評価す
ることによって、資金等の企業のリソース、マーケッ
ト、製品ライフサイクル等の事業環境に適したサプライ
チェーン形態の決定の支援を行うことが可能となる。
システムの全体構成図である。
ステムの処理全体の手順を示す流れ図である。
である。
面例を示す図である。
る。
れ図である。
る。
図である。
である。
結果を示す詳細画面の例を示す図である。
を示す詳細画面の例を示す図である。
ャッシュフローの結果を示す詳細画面の例を示す図であ
る。
結果を示す詳細画面の例を示す図である。
る。
る。
である。
示す図である。
る。
る。
ある。
る。
ある。
ある。
示す図である。
を示す図である。
ト例を示す図である。
ット例を示す図である。
…シミュレーション実行装置、111…計画立案部、1
12…シミュレーション全体制御部、113…物流シミ
ュレーション部、1131…物流プロセスモデル、11
32…需要モデル、1133…受注モデル、1134…
計画立案モデル、114…商流シミュレーション部、1
141…簿記取引モデル、1142…キャッシュ取引モ
デル、12…モデル作成装置、121…物流プロセス構
築部、122…商流プロセス構築部、123…情報プロ
セス構築部、13…評価装置、131…データ読込部、
132…評価指標計算部、14…データ記憶装置、14
1…計画立案データ、1411…MPSデータ、141
2…品目データ、1413…製品構成データ、1414
…工程能力情報、1415…初期在庫データ、1416
…入庫予定データ、142…拠点データ、143…指標
テンプレート、144…需要モデルテンプレート、14
5…サプライチェーン案データ、146…シミュレーシ
ョン結果データ、1461…シミュレーション結果素デ
ータ、1462…シミュレーション結果加工データ、1
47…評価結果データ、148…評価指標・目標値デー
タ、15…データ入出力装置、151…評価方法設定イ
ンターフェース、152…サプライチェーン案定義イン
ターフェース、153…結果表示インターフェース。
Claims (5)
- 【請求項1】 コンピュータを用いて、企業、複数の企
業間、企業と一般消費者との間、における調達活動、製
造活動、物流活動、販売活動の、一連の形態を規定する
サプライチェーン案をシミュレーションするサプライチ
ェーンシミュレーションシステムであって、 各々物流経路を構成する要素である各製造拠点、各物流
拠点、各販売拠点、輸送の各要素をサプライチェーン案
が規定する物流経路に従って関連づけた物流プロセス
と、企業間、あるいは、企業と一般消費者間における商
取引をモデル化した商流プロセスにおいて発生する、サ
プライチェーンの各作業を模倣するサプライチェーンモ
デルに従って、シミュレーションを実行することを特徴
とする、シミュレーション実行手段と、 データ入出力手段と、 データ記憶手段を有するサプライチェーンシミュレーシ
ョンシステム。 - 【請求項2】 コンピュータを用いて、企業、複数の企
業間、企業と一般消費者との間、における調達活動、製
造活動、物流活動、販売活動の、一連の形態を規定する
サプライチェーン案をシミュレーションするサプライチ
ェーンシミュレーションシステムであって、 在庫や品切れなどの物流の状態に応じて、各製造拠点、
各物流拠点、各販売拠点、輸送に関して、拠点間、及
び、拠点内の、物流の計画を作成する計画立案手段と、 各々物流経路を構成する要素である各製造拠点、各物流
拠点、各販売拠点、輸送の作業をモデル化した拠点モデ
ルをサプライチェーン案が規定する物流経路に従って関
連づけた物流プロセスモデルに従って、物流の状態を模
倣することを特徴とする、物流シミュレーション手段
と、 企業間、あるいは、企業と一般消費者間における商取引
において発生する、実際のお金の流れと、企業会計の処
理上の取引をモデル化した商流プロセスモデルに従っ
て、実際のお金の流れと、企業会計の処理上の取引を模
倣することを特徴とする、商流シミュレーション手段
と、 前記計画立案手段と、前記物流シミュレーション手段
と、前記商流シミュレーション手段と、サプライチェー
ン案における最終顧客の需要の変化をモデル化した需要
モデルとを、サプライチェーン案に従って関連づけたサ
プライチェーンモデルに従って、前記計画立案手段にお
いて、物流プロセスモデルにおける在庫や欠品などの物
流の状態を、前記需要モデルが模倣する需要の変化に応
じて判定しながら、拠点間、及び、拠点内の今後の物流
の計画を作成する作業と、前記物流シミュレーション手
段において、前記計画立案手段が作成した物流の計画に
従って物流の状態を模倣する作業と、前記商流シミュレ
ーション手段において、企業間、あるいは、企業と一般
消費者間における商取引によって発生する、実際のお金
の流れと、企業会計の処理上の取引作業を模倣する作業
とを制御しながらシミュレーションを実行することを特
徴とするシミュレーション全体制御手段と、 データ入出力手段と、 データ記憶手段を有するサプライチェーンシミュレーシ
ョンシステム。 - 【請求項3】 請求項1、または、2のサプライチェー
ンシミュレーションシステムであって、前記シミュレー
ション中におけるサプライチェーンの各作業の模倣の結
果を記録した情報を基に、評価指標に換算することで、
サプライチェーンの効果を定量的に評価する、サプライ
チェーン評価手段を有することを特徴とするサプライチ
ェーンシミュレーションシステム。 - 【請求項4】 請求項3のサプライチェーンシミュレー
ションシステムであって、 サプライチェーン案を評価する指標とその目標値を設定
することを特徴とする、評価方法設定手段と、シミュレ
ーション実行結果により算出した評価指標の実績値と前
記目標値を表示することを特徴とする、結果表示手段を
有し、 サプライチェーン案を実施することによる効果が、目標
を達成しているかどうかを比較しながら、サプライチェ
ーン構築の意思決定を支援することを特徴とするサプラ
イチェーンシミュレーションシステム。 - 【請求項5】 請求項1、2、3、または、4のサプラ
イチェーンシミュレーションシステムであって、 サプライチェーン案を規定するパラーメータを入力して
サプライチェーン案を定義することを特徴とする、サプ
ライチェーン案定義手段と サプライチェーン案を規定するパラメータのデータによ
り、サプライチェーンモデルを簡易に作成することを特
徴とするモデル作成手段を有し、 簡易にサプライチェーン案をシミュレーションすること
を可能にするサプライチェーンシミュレーションシステ
ム。
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