JP2004021856A - フロー管理システム、フロー管理方法、並びにコンピュータ上で動作する情報処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】サプライチェーンにおける物品の管理とお金の管理とを切り離して、より柔軟に、より自由度をもって、物品やお金のフローを管理することができる技術を提供する。
【解決手段】サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品(商品、材料を含む)がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する物系フロー管理手段と、前記物系フロー管理手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する金系フロー管理手段と、を備える。前記生産性指標として、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度を用いることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品(商品、材料を含む)がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する物系フロー管理手段と、前記物系フロー管理手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する金系フロー管理手段と、を備える。前記生産性指標として、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度を用いることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サプライチェーンを管理するための情報処理技術に関わり、特に、サプライチェーンにおける「物品」、「お金」の移動(フロー)を管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、サプライチェーン(商品が消費者の手に渡るまでの、計画、開発、設計、生産、配送、販売等の経路)内の情報の移動、物品の移動、お金の移動をマネジメントし、市場の環境変化に対してサプライチェーン全体をダイナミックに対応させて最適化する、SCM(Supply Chain Management)という考え方が注目されている。このようなSCMの具体的な手法としては、例えばMRP(Material Requirements Planning)、CRP(Continuous Replenishment Program:連続補充計画)、かんばん方式、ERP(Enterprise Resource Planning)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、SCMの基本コンセプトはサプライチェーン全体をダイナミックに最適化するというものであるが、実際に提案されている手法は、サプライチェーンを構成する各フェーズ(又はフェーズ担当者)ごとに独立システムがあることを前提とし、それらシステムを如何に効率よく連携(情報共有、最適化計画など)させるかについて改善を試みているものがほとんどである。
【0004】
ここで、各フェーズの既存システムは、システム内において取り扱う「物品」について、単品や品番ごとに取引価格等の「お金」を紐付けし、「物品」と「お金」を一体的に管理する構成となっている場合が多い。
【0005】
そのため、従来提案されているSCM、すなわち各独立システムを連携させて構築されるSCMにおいても、「物品」と「お金」をリンクさせた状態で一体的に管理する枠組みが採られている。
【0006】
しかし、上記枠組みには次のような問題が生じ得る。
【0007】
第一に、「物品」と「お金」が一体的に管理される従来の枠組みのもとでは、「物品」の移動が「お金」の移動によって制約を受け、サプライチェーンにおけるスムーズな移動が阻害されてしまうという問題である。例えば、フェーズA、フェーズB、フェーズCの順に「物品」が移動する場合、フェーズAとフェーズBとの間で「お金」の移動、すなわち入出金が完了しない限り、「物品」は次のフェーズCのところには移動しない(又は「物品」は移動したとしても所有権は移転しない)。一般に、入出金はある定まった期間(1日、1ヶ月など)(いわゆる”締め”)ごとにバッチ的に処理されるため、「物品」の移動もそれに引きずられてバッチ的となってしまう。そのため、「物品」の移動をリアルタイムに管理・把握することは非常に困難であった。
【0008】
第二に、サプライチェーンのフェーズ構成に関し、変更の自由度が低いという問題である。「物品」と「お金」がリンクした内部システムを連携させる上記枠組みのもとでは、フェーズ構成を変更する場合、「物品」「お金」のリンクを考慮して連携関係や内部システムを変更しなければならず、その変更は必ずしも容易ではなかった。
【0009】
第三に、「物品」の管理状態を把握するタイミングに関し、設定の自由度が低いという問題である。各システムを連携させる上記枠組みのもとでは、フェーズ間のタイミング(各フェーズに情報が入るタイミング又は出るタイミング)では、その情報に基づき「物品」の管理状態を把握することが可能である一方、フェーズ内の任意のタイミングで「物品」の管理状態を把握しようとすると、各内部システムに個別に修正を加えて情報を参照できるように機能変更をしなければならず、簡易にタイミングを設定して「物品」の管理状態を把握することは難しかった。
【0010】
第四に、各フェーズごとに「物品」と「お金」が一体的に管理される上記枠組みのもとでは、「物品」の移動=「お金」の移動であり、「お金」は「物品」が移動する2フェーズにのみ依存してローカルに決定されているという問題である。ローカルに決定されるということは、消費者から離れた2フェーズでは、その2フェーズ間で移動した「物品」が最終的にいくらの利益を出したのかに関係なく、その2フェーズ間で移動する「お金」が決定されることを意味する。
【0011】
この場合、各フェーズのローカルな「お金」(コストや利益)を積み上げた結果として最終的な消費者への販売価格(最終価格)が決まるため、かかる販売価格について値下げを行うと、どこかのフェーズが当初決定した利益等を縮小せざるを得ないという状況が生じ得る。
【0012】
しかし、ローカルに決定されている個別の「お金」を参照したとしても、最終的に得られた利益に対してどのフェーズがどの程度貢献しているのか、値下げ等による利益の増減分についてどのフェーズにどの割合で負担させればよいのか、を合理的に透明性をもって決めることは非常に困難であり、現実にはフェーズの力関係で負担の大小が決まってしまう場合が多い。
【0013】
特に、サプライチェーンに中小企業、下請け企業が多く含まれる業態(例えばアパレル業など)では、かかる中小企業等が上記負担を負わされる場合が多く、その結果、経営が立ち行かなくなる中小企業等が頻出するという、構造的・社会的な問題を引き起こす要因ともなっていた。
【0014】
更に、各フェーズでは、このような状況を想定して、ローカルな個別利益を多めに見積もることでリスクを回避しようとするため、最終的な販売価格が必要以上に高額になってしまうという問題も発生する。
【0015】
かかる第四の問題は、裏を返せば、物品価格に関し、設定の自由度が低いという問題でもある。すなわち、積み上げにより最終価格が決まる状況では、それまでに積み重ねられたコストや利益を考慮せざるを得ず、状況に応じて臨機応変に価格を設定しづらい環境となっていた。
【0016】
そこで、本発明では、「物品」と「お金」とを切り離して、より柔軟に、より自由度をもって、「物品」の管理、「お金」の管理を行うことができる、サプライチェーン管理技術を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する物系フロー管理手段と、前記物系フロー管理手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する金系フロー管理手段と、を備えることを特徴とする。
前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることが望ましい。
好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する手段と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記物系フロー管理手段が管理する情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記物系フロー管理手段は、端末と通信可能に構成されており、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新するとともに、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する。
【0018】
本発明のフロー管理方法は、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する工程と、前記情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、前記生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることが望ましい。
好適には、前記決定する工程は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記決定する工程は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段、及び、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する工程と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記管理する工程は、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新する工程と、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する工程と、を備える。
【0019】
また本発明のフロー管理システム、フロー管理方法は、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品(商品、材料を含む)がどれだけ保有されているかを示す情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とする。
【0020】
本発明のプログラムは、本発明のフロー管理方法の各工程をコンピュータ上で実行させることを特徴とする。本発明のプログラムは、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークを介して、コンピュータにインストールまたはロードすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(スキーム概要)
最初に、図1を参照して、本発明を利用して実現されるフロー管理スキームについて、従来スキームと対比して説明する。なお、図において、点線の黒矢印は情報の流れを、実線の黒矢印は有体物の流れを概念的に示している。
【0022】
図1(a)は従来スキームを概念的に示している。従来スキームでは、各フェーズは、サプライチェーンに関するそれぞれ独立した内部システムを備える。かかる内部システムは、例えば図に示すような在庫管理テーブルや価格テーブル等によって、単品単位(又は品番単位)で物品とお金を一体的に紐付けて管理している。従来スキームでは、フェーズ間を物品が移動する場合、単品単位や品番単位でその移動量が移動元フェーズ(又は移動先フェーズ)の内部システムにおいて参照され、(報酬=単品価格×移動量)という基本関係に基づいてローカルにフェーズ間を移動する報酬が決定される。このように、従来スキームでは、フェーズごとに管理する単品単位や品番単位の物品とお金の紐付けを利用してフェーズ間を移動する報酬を決定しているため、サプライチェーン全体としても物品とお金とが一体的に管理される枠組みとなる。
【0023】
図1(b)は、本発明のスキームを概念的に示している。本発明のスキームでは、各フェーズに共通の物系フロー管理手段と金系フロー管理手段が設けられており、フェーズ間を物品が移動する場合、その品番や移動量といった情報が物系フロー管理手段によって管理されることになる。一方、金系フロー管理手段は、物系フロー管理手段を参照して、客観的・定量的な生産性指標、例えば単品単位や品番単位ではなく総量としての物品の移動量又は/及び移動速度を取得し、かかる生産性指標に基づいてフェーズ間を移動する報酬を決定する。このように、本発明のスキームでは、単品単位や品番単位での物品とお金の紐付けを利用することなくフェーズ間を移動する報酬を決定しているため、物品とお金についてそれぞれ独立性をもってサプライチェーンを管理することが可能となる。
【0024】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施形態であるフロー管理システムの構成をあらわすブロック図である。
【0025】
図2に示すように、本発明に係るフロー管理システム1は、物系フロー管理手段10と、金系フロー管理手段20とを備えており、サプライチェーンを構成するフェーズ(又はフェーズ担当者)に対応して設けられている端末と、通信ネットワーク(LAN、インターネット、専用線、パケット通信網、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線、無線の両方を含む)を介して通信可能に構成されている。
【0026】
ここで、フェーズとは、例えば商品企画(計画)フェーズ、商品開発フェーズ、生産準備(設計)フェーズ、生産フェーズ、配送(物流)フェーズ、販売フェーズなど、サプライチェーンにおける所定単位の業務工程を指す。また、フェーズ担当者とは、例えば生産フェーズであれば生産メーカー、配送フェーズであれば配送業者、販売フェーズであれば店舗など、その業務工程を担当する企業、部門、個人等を指す。一つのフェーズについて該フェーズを担当可能な複数のフェーズ担当者が存在していてもよく、例えば複数の店舗がある場合は各店舗が販売フェーズ担当者となる。
【0027】
フロー管理システム1は、制御手段(CPU)、入出力手段(キーボード、マウス、ディスプレイなど)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスクなど)、通信インタフェース等を備えた一般的な構成の情報処理装置において、本発明のサプライチェーン管理方法における各工程を規定したソフトウェアを起動することにより、実現することができる。ただし、物理的に専用化したシステムとしてフロー管理システム1を構成してもよい。
【0028】
フロー管理システム1は、単一のコンピュータにより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータにより構成されるものであってもよい。例えば、物系フロー管理手段10と金系フロー管理手段20とを同一のコンピュータ上で実現してもよく、また例えば、物系フロー管理手段10と金系フロー管理手段20とを異なるコンピュータ上で実現し、それらを通信ネットワークを介して接続することで、フロー管理システム1を構成してもよい。以下では後者の場合を例として説明を行う。
【0029】
なお、図2には示していないが、フロー管理システム1は、必要に応じて各フェーズの内部システムやサプライチェーンマネジメントを支援するシステム等と通信可能に構成されていることが望ましい。
【0030】
端末100は、制御手段(CPU)、入出力手段(キーボード、マウス、ディスプレイなど)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスクなど)、通信インタフェース等を備えた一般的な構成の情報処理装置によって構成することができる。端末100は、フロー管理システム1の一部としてもよいし、フロー管理システム1に含まれない外部の装置であってもよい。
【0031】
(物系フロー管理手段10の構成)
物系フロー管理手段10は、物系情報記憶手段11、制御手段12等を備える。
【0032】
物系情報記憶手段11は、どのフェーズ担当者にどの物品(商品、材料を含む)がどれだけ保有されているかを記憶している。具体的には、物系情報記憶手段11は、物品の管理情報に対応づけてステータス情報を記憶している(図3参照)。
【0033】
物品管理情報は、移動対象の物品を特定するための情報であり、例えば、SKU番号とJANコードの組み合わせによって構成することができる。
【0034】
ステータス情報は、物品名などの基本情報、物品の量、フェーズステータス、管理ステータス、タイムスタンプなどを含む情報である。物系情報記憶手段11は、ステータス情報について、所定期間にわたる更新履歴を記憶している。
【0035】
フェーズステータスは、物品を保有・管理等しているフェーズ担当者を特定するための情報(識別情報)である。
【0036】
管理ステータスは、物品がどのような管理状態にあるかを示す情報である。選択可能な管理ステータスは、フェーズ担当者ごとに予め設定しておくことができる。ただし、他のフェーズ担当者から物品を受け入れたことを示す管理ステータス(初期ステータス)、他のフェーズ担当者へ物品が移動可能となっていることを示す管理ステータス(移動可能ステータス)を少なくとも選択できるように設定しておくことが望ましい。例えば物流フェーズの担当者であれば、選択可能な管理ステータスとして、棚入れ(初期ステータス)、ピッキング可能、出荷待(移動可能ステータス)、積送などが考えられる。
【0037】
タイムスタンプは、制御手段12がフェーズステータスや管理ステータスを更新したタイミングを示す情報である。
【0038】
図3に示す例では、例えば物品管理情報P1によって特定される物品は、物品名はXYZ、量は10、フェーズステータスはフェーズB、管理ステータスは棚入れ、タイムスタンプは4月15日14時となっている。
【0039】
このように、本発明では、フェーズステータスによってどのフェーズ担当者が物品を保有・管理しているかを特定できる構成としているため、フェーズ担当者の構成を変更する場合でも、フェーズステータスを追加/削除/変更することによって、容易に対応することができる。
【0040】
また、フェーズ内の所望のタイミングで物品の保有・管理状態を把握したい場合、該フェーズをより細かいサブフェーズに細分化し、かかるサブフェーズに対応させてフェーズステータスや管理ステータスを設けることで、そのタイミングでの物品の保有・管理状態を容易に把握することが可能となる。
【0041】
制御手段12は、物系フロー管理手段10全体の動作を制御するとともに、端末100から新規登録要求、フェーズステータス変更要求、管理ステータス変更要求、ステータス参照要求などを受けつけ、それぞれに対応する処理を実行する。また、金系フロー管理手段20からの問い合わせに応じて物系情報記憶手段11から必要な情報を抽出し、金系フロー管理手段20に出力する。図2では、制御手段12が実行する主要処理について、それぞれ機能手段として捉えて図示している。
【0042】
(新規登録処理)
物系フロー管理手段10は、新たにサプライチェーンに加わる物品(新規物品)に関連して、端末100から新規登録要求を受け付ける。新規登録要求は、例えば、物品管理情報、新規物品の基本情報、新規物品の数量、新規物品を保有・管理するフェーズ担当者の識別情報、該フェーズ担当者における新規物品の管理ステータス、日時情報(例えば、要求送信タイミング等;以下同様)などを含んで構成することができる。
【0043】
制御手段12は、端末100から新規登録要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11に該要求に対応する記憶領域を確保し、ステータス情報を登録する。
【0044】
ここで、ステータス情報に含まれるタイムスタンプは、ステータス情報の登録タイミングに基づいて決定することができるが、端末100が要求を送信したタイミング等と制御手段12が登録を行うタイミングとにタイムラグがある場合は、要求に含まれる日時情報に基づいてタイムスタンプを決定してもよい。かかる点に関しては、以下の他の要求についても同様とする。
【0045】
(フェーズステータス変更処理)
物系フロー管理手段10は、フェーズ担当者間の物品の移動に関連して、端末100からフェーズステータス変更要求を受け付ける。フェーズステータス変更要求は、例えば、物品管理情報、移動元フェーズ識別情報、移動先フェーズ識別情報、移動量、日時情報などを含んで構成することができる。
【0046】
制御手段12は、端末100からフェーズステータス変更要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照し、該要求内の物品管理情報に対応するステータス情報について、フェーズステータスを移動元フェーズ担当者から移動先フェーズ担当者の識別情報へ、管理ステータスを移動先フェーズ担当者の初期ステータスへ更新する。また、フェーズステータスの更新タイミング等に基づきタイムスタンプを決定する。
【0047】
ここで、制御手段12は、フェーズステータスを更新する際に、更新前の管理ステータスが移動可能ステータスとなっているかどうかをチェックし、移動可能ステータスとなっていない場合は、フェーズステータスを更新せずに、端末100に「物品が移動可能な状態となっていません」等のエラーメッセージを出力することが望ましい。ただし、所定の場合には強制的にフェーズステータスを更新する構成としてもよい。
【0048】
また、実際の物品の移動と物系情報記憶手段11のフェーズステータスとを正確に整合させるためには、制御手段12は、移動元フェーズ担当者の端末100から送信されるフェーズステータス変更情報(出荷情報)および移動先フェーズ担当者の端末100から送信されるフェーズステータス変更情報(入荷情報)の両方を受け付けて初めて、物系情報記憶手段11を更新するように構成することが望ましい。
【0049】
(管理ステータス変更処理)
物系フロー管理手段10は、管理ステータスの変更に関連して、端末100から管理ステータス変更要求を受け付ける。管理ステータス変更要求は、例えば、物品管理情報、変更後ステータス、日時情報などを含んで構成することができる。
【0050】
制御手段12は、端末100から管理ステータス変更要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照し、該要求内の物品管理情報に対応するステータス情報について、管理ステータスを変更後ステータスへ更新する。また、管理ステータスの更新タイミング等に基づきタイムスタンプを決定する。
【0051】
ここで、制御手段12は、管理ステータスを更新する際に、端末100からの要求が正当かどうかをチェックし、正当でない場合は、管理ステータスを更新せずに、端末100に「管理ステータスを変更する権限がありません」等のエラーメッセージを出力することが望ましい。正当かどうかの基準としては、例えば、端末100から変更を要求することができるのは該端末に対応するフェーズ担当者の管理ステータスのみとする、といった基準が考えられる。ただし、所定の場合には強制的に管理ステータスを更新する構成としてもよい。
【0052】
(ステータス参照処理)
物系フロー管理手段10は、端末100から物系情報記憶手段11についてステータス参照要求を受け付ける。
【0053】
ステータス参照要求としては、例えば、所定の時点、物品管理情報を指定して、対応する物品がどのフェーズ担当者に保有・管理されているかについて参照を要求するもの(パターンA)や、所定のフェーズ担当者を指定して、該フェーズ担当者が保有・管理する物品の履歴について参照を要求するもの(パターンB)などが考えられる。
【0054】
制御手段12は、端末100からステータス参照要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照し、参照要求に基づいて所定の情報を抽出して端末100に出力する。図4に端末100における抽出結果の表示例を示す。図4(a)はパターンAの場合、図4(b)はパターンBの場合の表示例である。
【0055】
(金系フロー管理手段20の構成)
金系フロー管理手段20は、関数記憶手段21、金系情報記憶手段22、制御手段23等を備える。
【0056】
関数記憶手段21は、物品の移動に関する生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係(以下、「貢献関数」と呼ぶ。)を、その識別情報(関数ID)に対応づけて複数記憶している。関数記憶手段21は、例えばフロー管理システム1の運用者等が貢献関数について登録や修正を行えるように構成することが望ましい。
【0057】
物品の移動に関する生産性指標としては、例えば物品の移動量や、物品の移動速度などを用いることができる。
【0058】
物品の移動量は、物品の種類、品番等ごとの移動量ではなく、移動した全物品の移動総量である。例えば物品Aが100個、物品Bが200個移動した場合と、物品Aのみが300個移動した場合とでは、貢献関数に当てはめる物品の移動量はいずれも300個となる。
【0059】
物品の移動速度は、単位時間(例えば1日や1ヶ月など)あたりの移動量である。物品が複数種類、複数品番ある場合は、各物品の移動速度の平均値を用いることができる。
【0060】
貢献指標は、フェーズ担当者の報酬を決定するための基準となる指標である。貢献指標は、例えば所定範囲の無次元の数値とすることができるが、「円」等の通貨単位によって直接報酬を表わすものであってもよい。
【0061】
貢献関数は、設計に応じて様々なタイプを考えることができる。例えば、非減少タイプの貢献関数とすることができ、単純な線形増加タイプ(図5(a))や、下限指標や上限指標(又はその組み合わせ)を設けたタイプ(図5(b))、非線形タイプ(図5(c))などを考えることができる。また例えば、図5(d)、(e)に示すような凸形状タイプの貢献関数としてもよい。なお、移動量及び移動速度の両方に依存する貢献関数を用いてもよく、この場合は3次元関数となる。
【0062】
金系情報記憶手段22は、所定の2つのフェーズ担当者(移動元フェーズ担当者、移動先フェーズ担当者)の組み合わせに関し、該2つのフェーズ担当者の識別情報に対応づけて、該組み合わせに割り当てられた貢献関数の関数ID、該2つのフェーズ担当者間における物品の移動量又は/及び移動速度、貢献指標、報酬、対象期間などを記憶している(図6参照)。金系情報記憶手段22は、例えばフロー管理システム1の運用者等が、割り当てられた貢献関数の識別情報について登録や修正を行えるように構成することが望ましい。
【0063】
制御手段23は、金系フロー管理手段20全体の動作を制御するとともに、所定のタイミングで物系フロー管理手段10に問い合わせを行って必要な情報を取得し、金系情報記憶手段22の更新処理(貢献指標の決定、報酬の決定など)を実行する。図2では、制御手段23が実行する主要処理について、それぞれ機能手段として捉えて図示している。
【0064】
(更新処理)
以下、図7に示すフローチャートに従って、制御手段23が実行する更新処理を説明する。なお、各ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して、又は並列して実行することができる(かかる点は、他の処理についても同様とする)。
【0065】
制御手段23は、所定の2つのフェーズ担当者(移動元フェーズ担当者、移動先フェーズ担当者)の組み合わせに関し、所定期間(例えば、月始めから月末までの1ヶ月など)を対象期間として、該対象期間において移動元フェーズ担当者から移動先フェーズ担当者に移動した物品のステータス情報を、物系フロー管理手段10に問い合わせる(S100)。
【0066】
物系フロー管理手段10は、該問い合わせを受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照して、フェーズステータスが移動元フェーズ担当者の識別情報となっており、かつタイムスタンプが該対象期間内となっているステータス情報を抽出する(ステータス情報A)。また、ステータス情報Aと物品管理情報が共通し、かつフェーズステータスが移動先フェーズ担当者となっており、かつタイムスタンプが該対象期間内となっているステータス情報を抽出する(ステータス情報B)。そして、ステータス情報A及びステータス情報Bを金系フロー管理手段20に出力する。
【0067】
制御手段23は、金系フロー管理手段20からステータス情報A及びステータス情報Bを受け付けた場合、各ステータス情報Bに含まれる物品の量の合計し、総量としての物品の移動量を求める(S101)。
【0068】
また、物品管理情報が共通するステータス情報Aとステータス情報Bに基づき、ステータス情報Bの物品の量(=ステータス情報Aの物品の量)を、移動に要した時間(=ステータス情報Bのタイムスタンプ−ステータス情報Aのタイムスタンプ)により除算し、該物品管理情報によって特定される物品の移動速度を求める。そして、各物品の移動速度を平均し、総量としての物品の移動速度を求める(S102)。
【0069】
なお、物系フロー管理手段10において物品の移動量、移動速度を求め、金系フロー管理手段20に出力する構成としてもよい。
【0070】
次に、制御手段23は、金系情報記憶手段22を参照して、該フェーズ担当者の組み合わせに割り当てられている関数IDを抽出する。そして、関数記憶手段21を参照して、前記抽出した関数IDに対応する貢献関数を読み出す(S103)。
【0071】
次に、制御手段23は、前記求めた物品の移動量又は/及び移動速度を、前記読み出した貢献関数に当てはめ、物品の移動に関する移動元フェーズ担当者の貢献指標を決定する(S104)。
【0072】
次に、制御手段23は、前記決定した貢献指標に基づき、移動先フェーズ担当者が移動元フェーズ担当者へ支払う報酬を決定する(S105)。例えば、貢献指標が直接報酬を表わしている場合、報酬=貢献指標となる。
【0073】
最後に、制御手段23は、前記求めた物品の移動量又は/及び移動速度、前記決定した貢献指標、前記決定した報酬、前記対象期間に基づき、金系情報記憶手段22の該フェーズ担当者の組み合わせに対応する記憶内容を更新する(S106)。
【0074】
なお、このようにして更新された金系情報記憶手段22について端末100から参照要求を受け付けた場合、制御手段23は必要な情報を抽出して該端末に出力することができる。
【0075】
また、かかる更新処理は、移動先フェーズ担当者が消費者である場合(例えば、店舗での販売による消費者への物の移動)には適用しない。この場合、移動元フェーズ担当者(店舗など)の報酬は、物品の販売によって得られる売上となるからである。
【0076】
上述したように、本発明では、個々の物品の種類や品番等に依らない事後的な移動総量に基づいて報酬を決定する枠組みを採っているため、物品の移動とお金の移動とを必ずしも連動させて更新する必要がなく、従って、金系フロー管理段20(制御手段23)が更新処理を実行するタイミングについて、現実の物品の移動や物系フロー管理手段10(制御手段12)が更新処理を実行するタイミングと独立して設定することが可能となる。
【0077】
このように、物系フロー管理手段10の動作と金系フロー管理手段20の動作について高い独立性を確保できたことにより、物品について、お金の移動に制約を受けることなく、特にお金の”締め”に起因するバッチ的な処理に影響を受けることなく、よりスムーズにリアルタイムにその移動を管理することが可能となる。一方、お金については、客観的・定量的な生産性指標である物品の移動量や移動速度に基づいて、客観的に貢献度合を評価してフェーズ間を移動する報酬を決定することが可能となる。
【0078】
更に、端末100は、物系フロー管理手段10に対して要求を送信できれば十分であるため、物品についてのみ管理/参照できる構成となっていればよく、従来のPOS端末のように物品とお金の両方を管理/参照する機能を備えた装置に比べて、端末の製造コストを大幅に低減することができる。なお、端末100に、他の機能、例えばお金について管理/参照する機能や、入出金管理機能(レジ機能など)を実装してもよく、端末100が設置されるフェーズや環境に合わせて柔軟に機能を選択することが可能である。
【0079】
(変形例1)
第1実施形態では、報酬を決定する際に2つのフェーズ担当者(移動元フェーズ担当者、移動先フェーズ担当者)のみ考慮する構成としているが、3以上のフェーズ担当者を考慮して相対的に報酬を決定する構成とすることもできる(図8参照)。
【0080】
この場合、金系フロー管理手段20は、相対的に報酬を決定する3以上のフェーズ担当者を一つのグループとして管理し、グループ単位でプールした利益(グループ総利益)をグループ内の各フェーズ担当者に配分して報酬を決定する。サプライチェーンの全フェーズを含むようにトータルなグループを設定して管理してもよい。
【0081】
具体的には、制御手段23は、以下のように変形した更新処理を実行する。
【0082】
(更新処理;図9参照)
制御手段23は、グループを一つのフェーズ担当者(以下、「グループフェーズ担当者」と呼ぶ。)であるとして、第1実施形態と同様にして、該グループフェーズ担当者が受け取る報酬、該グループフェーズ担当者が支払う報酬を決定する(S200)。
【0083】
そして、制御手段23は、受け取る報酬より支払う報酬を減算し、グループ総利益を求める(S201)。かかるグループ総利益は、例えば銀行等のグループ共有口座で管理することができる。
【0084】
また、制御手段23は、グループ内の各フェーズ担当者について、第1実施形態と同様にして、貢献指標を決定する(S202)。
【0085】
次に、制御手段23は、グループ総利益、各フェーズ担当者の貢献指標に基づき、例えば以下の式に基づいてグループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する(S203)。なお、以下の式は例示であり、更に他の要素を考慮して式を構成してもよい。
【0086】
フェーズ担当者iの報酬=グループ総利益×(フェーズ担当者iの貢献指標)/(各フェーズ担当者の貢献指標の和)
このように、本変形例1では、3以上のフェーズ担当者を一つのグループフェーズ担当者(利益共同体)として扱い、各フェーズ担当者の貢献指標に基づきグループ内で相対的に報酬を決定する構成としているため、合理的に透明性をもって利益分配を図ることができる。また、各フェーズ担当者が自己の利益やコストを積み重ねて次のフェーズ担当者への販売価格を決定していくといった従来の逐次的な枠組みとは異なり、各フェーズ担当者に対してフラットに報酬が分配され、各フェーズ担当者は分配された報酬の中から利益やコストを引き当てていく枠組みを採ることができるため、コスト等の積み重ねによる制約を受けずに、状況に応じて臨機応変に販売価格を設定することが可能となる。
【0087】
(変形例2)
変形例1では、報酬についてはグループ全体を考慮して相対的に決定する構成としている一方、貢献指標については、第1実施形態と同様、フェーズ担当者間の移動量等に基づいてローカルに決定する構成としている。
そこで本変形例2では、貢献指標についてもグループ全体を考慮して決定するように、例えばグループ全体における移動量や移動速度を考慮して貢献指標を決定する構成とする。以下、第1実施形態、変形例1との主な相違点について説明する。
金系情報記憶手段22は、移動量又は/及び移動速度の基準指標(基準値)を記憶している。
かかる基準値は、例えばグループ全体として所定の移動量又は/及び移動速度(以下、「グループ移動量等」と呼ぶ。)を達成するように、決定することができる。これは換言すれば、各フェーズ担当者がそれぞれ基準値に相当する移動量等を達成する場合に、グループ全体としてもグループ移動量が達成されることを意味する。
グループ移動量等は、例えばグループ移動量等=最小値{所定時点における各フェーズ担当者によって達成可能な最大移動量又は/及び最大移動速度}のように、グループにおけるボトルネックを基準として定めることが考えられる。ただし、例えばグループ移動量等=最小値{各フェーズ担当者によって申告された移動量又は/及び移動速度}のように自己申告に基づいてグループ移動量等を定めたり、所定の目標値に基づいてグループ移動量等を定めてもよい。
以下、図10を参照して、基準値の決定方法について説明する。今、図10(a)に示すように、フェーズ担当者A、フェーズ担当者B、フェーズ担当者Cが1グループを形成しており、ある時点における物品の最大移動量(最大生産量)がそれぞれ40単位、50単位、20単位であるとする。この場合、上記ボトルネック基準によればグループ移動量は20単位となり、そして基準値もグループ全体としてグループ移動量を達成するために20単位に決定されることになる。
一方、同一フェーズを担当する担当者が複数存在する場合(以下、このような同一フェーズ内の各担当者を「並列担当者」と呼ぶ。)、前記ボトルネック基準における最大移動量又は/及び最大移動速度は、同一フェーズ内の全並列担当者によって達成可能な最大移動量又は/及び最大移動速度となる。また、並列担当者の基準値は、前記ボトルネック基準に基づき決定された基準値を同一フェーズの各並列担当者に処理能力等に応じて比例分配して、並列担当者ごとに決定されることになる(図10(b)参照)。
次に、制御手段23が実行する更新処理について説明する。
【0088】
(更新処理;図11参照)
制御手段23は、変形例1と同様に、グループフェーズ担当者が受け取る報酬、該グループフェーズ担当者が支払う報酬を決定する(S200)。
【0089】
そして、制御手段23は、受け取る報酬より支払う報酬を減算し、グループ総利益を求める(S201)。
【0090】
また、制御手段23は、第1実施形態と同様にして、グループ内の2つのフェーズ担当者間について、物品の移動量又は/及び移動速度を求める(S2021)。
【0091】
次に、制御手段23は、金系情報記憶手段22を参照して基準値を読み出す(S2022)。
【0092】
次に、制御手段23は、グループ内の2つのフェーズ担当者間について求めた移動量又は/及び移動速度と、前記基準値との比較結果に基づき、グループ内の各フェーズ担当者について、物品の移動に関する第1貢献指標を決定する(S2023)。
【0093】
具体的には、例えば移動量等と基準値との乖離が大きいほど、貢献指標が低下するように決定する。グループ全体の物品の移動を考えると、移動量等が基準値よりも過大/過少となるフェーズ担当者間が存在する場合、その乖離の程度に応じて、いずれかのフェーズにおいて在庫過多/欠品が生じる可能性が高まるからである。換言すれば、各フェーズ担当者間における移動量等が基準値に近づけば近づくほど、グループ全体として在庫の滞留や欠品が減少し、グループ全体としての生産性が最適化されることになる。
【0094】
次に、制御手段23は、第1実施形態と同様にして、前記求めた物品の移動量又は/及び移動速度を貢献関数に当てはめて、グループ内の各フェーズ担当者について、物品の移動に関する第2貢献指標を決定する(S2024)。
【0095】
そして、制御手段23は、第1貢献指標と第2貢献指標に基づき、グループ内の各フェーズ担当者について、物品の移動に関する貢献指標(総合貢献指標)を決定する(S2025)。
【0096】
例えば、図12(a)に示すように第1貢献指標と第2貢献指標の組み合わせに対応させて総合貢献指標を記憶しておき、これに当てはめて総合貢献指標を決定する構成が考えられる。また例えば、図12(b)に示すように第1貢献指標と第2貢献指標の組み合わせに対応させて重み係数を記憶しておき、これに当てはめて対応する重み係数を求め、そして第2貢献指標(又は第1貢献指標)に該重み係数を乗算して総合貢献指標決定する構成としてもよい。
【0097】
なお、第1の貢献指標と第2の貢献指標の線形和として総合貢献指標を求めてもよく、この場合、重み係数の大小によって第1貢献指標と第2貢献指標のいずれをより重要視するかを調整することができる。
【0098】
次に、制御手段23は、グループ総利益、各フェーズ担当者の貢献指標に基づき、例えば上述した式に基づいてグループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する(S203)。
【0099】
このように、本変形例2では、変形例1と同様に3以上のフェーズ担当者を一つのグループフェーズ担当者(利益共同体)として扱い、グループ全体としてグループ移動量等を達成するように基準値を定め、かかる基準値と物系フロー管理手段10を参照して取得される移動量等との比較結果に基づき貢献指標を決定する構成としているため、個別のフェーズ間における物品の移動がグループ全体としての物品の移動に対して同期しているかどうか(グループ移動量等を達成する上での適切な移動量等となっているかどうか)を考慮して、利益分配を図ることが可能となる。
【0100】
(その他)
本発明の他の実施形態として、情報処理プログラムを記録した記録媒体が考えられる。記録媒体としてはCD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリその他の記録媒体を用いることができる。
【0101】
情報処理プログラムは記録媒体からデータ処理装置に読み込まれ、データ処理装置の動作を制御する。データ処理装置は情報処理プログラムの制御により、第1実施形態の物系フロー管理手段10や金系フロー管理手段20による処理と同一の処理を実行する。
【0102】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
【0103】
例えば、決定した報酬について実際にどのようなタイミングで支払いを行うかについて予め決定しておき、金系情報記憶手段22に記憶しておく構成とすることもできる(図13参照)。このような支払タイミングとしては、例えば、着荷タイミング(物品が到着したタイミング)、売仕タイミング(物品が売れたタイミング)などが考えられる。
【0104】
また例えば、対象とするサプライチェーンが生産フェーズを含む場合、生産された物品については新規登録処理を実行し、消費物品(材料物品)については、もはや移動や消費の対象とならないことがわかるように、その管理ステータスについて消費済・移動不可を示すように変更しておくことが考えられる。
【0105】
また例えば、移動元フェーズ担当者と移動先フェーズ担当者の関係は相対的なものであり、フェーズ担当者1からフェーズ担当者2へ物品Aを順送する場合は(移動元=フェーズ担当者1、移動先=フェーズ担当者2)とし、フェーズ担当者2からフェーズ担当者1へ物品Bを返送する場合は(移動元=フェーズ担当者2、移動先=フェーズ担当者1)とすることができる。ただし返送の場合、図5(a)〜(c)に示す移動量に関する貢献関数をそのまま用いると、返送量が多いほど貢献度合が高いという不自然な結果となるため、移動量に関する貢献関数を非増加関数に修正して用いる必要がある。
【0106】
また例えば、変形例2では、移動量等と基準値とに基づき第1貢献指標を決定し、移動量等と貢献関数に基づき第2貢献指標を決定し、両者に基づいて総合貢献指標を決定する構成について説明しているが、本発明はこのような構成に限られない。例えば、第1貢献指標にのみ基づいて(すなわち、第1貢献指標=総合貢献指標として)報酬を決定するように構成してもよい。また例えば、基準値に基づいて適用すべき貢献関数を決定し、移動量等と前記決定した貢献関数に基づき貢献指標を決定する構成としてもよい。この場合、貢献関数の決定方法としては、例えば移動量等が基準値に一致する場合に貢献指標が最大となるように貢献関数を設定する(又はそのような貢献関数を選択する)方法が考えられる。図14(a)、(b)、(c)は、基準値が低い場合に設定される貢献関数、中程度の場合に設定される貢献関数、高い場合に設定される貢献関数の例を、それぞれ示している。
【0107】
また例えば、変形例2において、次のようなサイクルを構築することが考えられる。すなわち、(1)ボトルネックとなっているフェーズ担当者間について例えば設備の増強等により移動量等を改善する。(2)改善の結果を反映させて、グループ移動量等、基準値を変更する。(3)変更後の基準値との乖離が最大となるフェーズ担当者間を新たなボトルネックと判定する。(4)新たなボトルネックを基準にグループ移動量等を定め、グループ全体の生産性を最適化する。
【0108】
また例えば、移動元フェーズ担当者と移動先フェーズ担当者との間の調整により移動量が定まる場合などは、該調整を考慮して移動元又は/及び移動先のフェーズ担当者の貢献度合を決定するように構成してもよい。
【0109】
なお、上記では主にフロー管理システムについて説明したが、本発明はシステムとしての実施形態に限られず、フロー管理システムにおいて実行される各処理を本発明に係るサプライチェーン管理方法として把握することも可能である。
【0110】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、物品とお金とを切り離してSCMを構築するという新たな着想のもと、物品についてはステータス情報を用いてその移動を管理するとともに、お金については、単品単位や品番単位での物品とお金の紐付けを利用することなく、物品の移動量や移動速度といった生産性指標に基づいてフェーズ間を移動する報酬を決定しているため、物品とお金についてそれぞれ高い独立性をもってサプライチェーンを管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により実現されるスキームを説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施形態であるフロー管理システムの構成を説明するためのブロック図である。
【図3】物系情報記憶手段におけるデータ構造を説明するための図である。
【図4】端末における表示例を説明するための図である。
【図5】貢献関数を説明するための図である。
【図6】金系情報記憶手段におけるデータ構造を説明するための図である。
【図7】金系フロー管理手段20における更新処理(第1実施形態)の流れを示すフローチャートである。
【図8】変形例のスキームを説明するための図である。
【図9】金系フロー管理手段20における更新処理(変形例1)の流れを示すフローチャートである。
【図10】グループ移動量等、基準値を説明するための図である。
【図11】金系フロー管理手段20における更新処理(変形例2)の流れを示すフローチャートである。
【図12】第1貢献指標と第2貢献指標に基づき総合貢献指標を決定する構成を説明するための図である。
【図13】物系情報記憶手段におけるデータ構造の他の例を説明するための図である。
【図14】基準値に基づいて貢献関数を決定する構成を説明するための図である。
【符号の説明】
1 フロー管理システム
10 物系フロー管理手段
11 物系情報記憶手段
12 制御手段
20 金系フロー管理手段
21 関数記憶手段
22 金系情報記憶手段
23 制御手段
100 端末
【発明の属する技術分野】
本発明は、サプライチェーンを管理するための情報処理技術に関わり、特に、サプライチェーンにおける「物品」、「お金」の移動(フロー)を管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、サプライチェーン(商品が消費者の手に渡るまでの、計画、開発、設計、生産、配送、販売等の経路)内の情報の移動、物品の移動、お金の移動をマネジメントし、市場の環境変化に対してサプライチェーン全体をダイナミックに対応させて最適化する、SCM(Supply Chain Management)という考え方が注目されている。このようなSCMの具体的な手法としては、例えばMRP(Material Requirements Planning)、CRP(Continuous Replenishment Program:連続補充計画)、かんばん方式、ERP(Enterprise Resource Planning)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、SCMの基本コンセプトはサプライチェーン全体をダイナミックに最適化するというものであるが、実際に提案されている手法は、サプライチェーンを構成する各フェーズ(又はフェーズ担当者)ごとに独立システムがあることを前提とし、それらシステムを如何に効率よく連携(情報共有、最適化計画など)させるかについて改善を試みているものがほとんどである。
【0004】
ここで、各フェーズの既存システムは、システム内において取り扱う「物品」について、単品や品番ごとに取引価格等の「お金」を紐付けし、「物品」と「お金」を一体的に管理する構成となっている場合が多い。
【0005】
そのため、従来提案されているSCM、すなわち各独立システムを連携させて構築されるSCMにおいても、「物品」と「お金」をリンクさせた状態で一体的に管理する枠組みが採られている。
【0006】
しかし、上記枠組みには次のような問題が生じ得る。
【0007】
第一に、「物品」と「お金」が一体的に管理される従来の枠組みのもとでは、「物品」の移動が「お金」の移動によって制約を受け、サプライチェーンにおけるスムーズな移動が阻害されてしまうという問題である。例えば、フェーズA、フェーズB、フェーズCの順に「物品」が移動する場合、フェーズAとフェーズBとの間で「お金」の移動、すなわち入出金が完了しない限り、「物品」は次のフェーズCのところには移動しない(又は「物品」は移動したとしても所有権は移転しない)。一般に、入出金はある定まった期間(1日、1ヶ月など)(いわゆる”締め”)ごとにバッチ的に処理されるため、「物品」の移動もそれに引きずられてバッチ的となってしまう。そのため、「物品」の移動をリアルタイムに管理・把握することは非常に困難であった。
【0008】
第二に、サプライチェーンのフェーズ構成に関し、変更の自由度が低いという問題である。「物品」と「お金」がリンクした内部システムを連携させる上記枠組みのもとでは、フェーズ構成を変更する場合、「物品」「お金」のリンクを考慮して連携関係や内部システムを変更しなければならず、その変更は必ずしも容易ではなかった。
【0009】
第三に、「物品」の管理状態を把握するタイミングに関し、設定の自由度が低いという問題である。各システムを連携させる上記枠組みのもとでは、フェーズ間のタイミング(各フェーズに情報が入るタイミング又は出るタイミング)では、その情報に基づき「物品」の管理状態を把握することが可能である一方、フェーズ内の任意のタイミングで「物品」の管理状態を把握しようとすると、各内部システムに個別に修正を加えて情報を参照できるように機能変更をしなければならず、簡易にタイミングを設定して「物品」の管理状態を把握することは難しかった。
【0010】
第四に、各フェーズごとに「物品」と「お金」が一体的に管理される上記枠組みのもとでは、「物品」の移動=「お金」の移動であり、「お金」は「物品」が移動する2フェーズにのみ依存してローカルに決定されているという問題である。ローカルに決定されるということは、消費者から離れた2フェーズでは、その2フェーズ間で移動した「物品」が最終的にいくらの利益を出したのかに関係なく、その2フェーズ間で移動する「お金」が決定されることを意味する。
【0011】
この場合、各フェーズのローカルな「お金」(コストや利益)を積み上げた結果として最終的な消費者への販売価格(最終価格)が決まるため、かかる販売価格について値下げを行うと、どこかのフェーズが当初決定した利益等を縮小せざるを得ないという状況が生じ得る。
【0012】
しかし、ローカルに決定されている個別の「お金」を参照したとしても、最終的に得られた利益に対してどのフェーズがどの程度貢献しているのか、値下げ等による利益の増減分についてどのフェーズにどの割合で負担させればよいのか、を合理的に透明性をもって決めることは非常に困難であり、現実にはフェーズの力関係で負担の大小が決まってしまう場合が多い。
【0013】
特に、サプライチェーンに中小企業、下請け企業が多く含まれる業態(例えばアパレル業など)では、かかる中小企業等が上記負担を負わされる場合が多く、その結果、経営が立ち行かなくなる中小企業等が頻出するという、構造的・社会的な問題を引き起こす要因ともなっていた。
【0014】
更に、各フェーズでは、このような状況を想定して、ローカルな個別利益を多めに見積もることでリスクを回避しようとするため、最終的な販売価格が必要以上に高額になってしまうという問題も発生する。
【0015】
かかる第四の問題は、裏を返せば、物品価格に関し、設定の自由度が低いという問題でもある。すなわち、積み上げにより最終価格が決まる状況では、それまでに積み重ねられたコストや利益を考慮せざるを得ず、状況に応じて臨機応変に価格を設定しづらい環境となっていた。
【0016】
そこで、本発明では、「物品」と「お金」とを切り離して、より柔軟に、より自由度をもって、「物品」の管理、「お金」の管理を行うことができる、サプライチェーン管理技術を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する物系フロー管理手段と、前記物系フロー管理手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する金系フロー管理手段と、を備えることを特徴とする。
前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることが望ましい。
好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する手段と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記物系フロー管理手段が管理する情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記物系フロー管理手段は、端末と通信可能に構成されており、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新するとともに、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する。
【0018】
本発明のフロー管理方法は、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する工程と、前記情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、前記生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることが望ましい。
好適には、前記決定する工程は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記決定する工程は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段、及び、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する工程と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記管理する工程は、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新する工程と、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する工程と、を備える。
【0019】
また本発明のフロー管理システム、フロー管理方法は、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品(商品、材料を含む)がどれだけ保有されているかを示す情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とする。
【0020】
本発明のプログラムは、本発明のフロー管理方法の各工程をコンピュータ上で実行させることを特徴とする。本発明のプログラムは、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークを介して、コンピュータにインストールまたはロードすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(スキーム概要)
最初に、図1を参照して、本発明を利用して実現されるフロー管理スキームについて、従来スキームと対比して説明する。なお、図において、点線の黒矢印は情報の流れを、実線の黒矢印は有体物の流れを概念的に示している。
【0022】
図1(a)は従来スキームを概念的に示している。従来スキームでは、各フェーズは、サプライチェーンに関するそれぞれ独立した内部システムを備える。かかる内部システムは、例えば図に示すような在庫管理テーブルや価格テーブル等によって、単品単位(又は品番単位)で物品とお金を一体的に紐付けて管理している。従来スキームでは、フェーズ間を物品が移動する場合、単品単位や品番単位でその移動量が移動元フェーズ(又は移動先フェーズ)の内部システムにおいて参照され、(報酬=単品価格×移動量)という基本関係に基づいてローカルにフェーズ間を移動する報酬が決定される。このように、従来スキームでは、フェーズごとに管理する単品単位や品番単位の物品とお金の紐付けを利用してフェーズ間を移動する報酬を決定しているため、サプライチェーン全体としても物品とお金とが一体的に管理される枠組みとなる。
【0023】
図1(b)は、本発明のスキームを概念的に示している。本発明のスキームでは、各フェーズに共通の物系フロー管理手段と金系フロー管理手段が設けられており、フェーズ間を物品が移動する場合、その品番や移動量といった情報が物系フロー管理手段によって管理されることになる。一方、金系フロー管理手段は、物系フロー管理手段を参照して、客観的・定量的な生産性指標、例えば単品単位や品番単位ではなく総量としての物品の移動量又は/及び移動速度を取得し、かかる生産性指標に基づいてフェーズ間を移動する報酬を決定する。このように、本発明のスキームでは、単品単位や品番単位での物品とお金の紐付けを利用することなくフェーズ間を移動する報酬を決定しているため、物品とお金についてそれぞれ独立性をもってサプライチェーンを管理することが可能となる。
【0024】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施形態であるフロー管理システムの構成をあらわすブロック図である。
【0025】
図2に示すように、本発明に係るフロー管理システム1は、物系フロー管理手段10と、金系フロー管理手段20とを備えており、サプライチェーンを構成するフェーズ(又はフェーズ担当者)に対応して設けられている端末と、通信ネットワーク(LAN、インターネット、専用線、パケット通信網、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線、無線の両方を含む)を介して通信可能に構成されている。
【0026】
ここで、フェーズとは、例えば商品企画(計画)フェーズ、商品開発フェーズ、生産準備(設計)フェーズ、生産フェーズ、配送(物流)フェーズ、販売フェーズなど、サプライチェーンにおける所定単位の業務工程を指す。また、フェーズ担当者とは、例えば生産フェーズであれば生産メーカー、配送フェーズであれば配送業者、販売フェーズであれば店舗など、その業務工程を担当する企業、部門、個人等を指す。一つのフェーズについて該フェーズを担当可能な複数のフェーズ担当者が存在していてもよく、例えば複数の店舗がある場合は各店舗が販売フェーズ担当者となる。
【0027】
フロー管理システム1は、制御手段(CPU)、入出力手段(キーボード、マウス、ディスプレイなど)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスクなど)、通信インタフェース等を備えた一般的な構成の情報処理装置において、本発明のサプライチェーン管理方法における各工程を規定したソフトウェアを起動することにより、実現することができる。ただし、物理的に専用化したシステムとしてフロー管理システム1を構成してもよい。
【0028】
フロー管理システム1は、単一のコンピュータにより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータにより構成されるものであってもよい。例えば、物系フロー管理手段10と金系フロー管理手段20とを同一のコンピュータ上で実現してもよく、また例えば、物系フロー管理手段10と金系フロー管理手段20とを異なるコンピュータ上で実現し、それらを通信ネットワークを介して接続することで、フロー管理システム1を構成してもよい。以下では後者の場合を例として説明を行う。
【0029】
なお、図2には示していないが、フロー管理システム1は、必要に応じて各フェーズの内部システムやサプライチェーンマネジメントを支援するシステム等と通信可能に構成されていることが望ましい。
【0030】
端末100は、制御手段(CPU)、入出力手段(キーボード、マウス、ディスプレイなど)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスクなど)、通信インタフェース等を備えた一般的な構成の情報処理装置によって構成することができる。端末100は、フロー管理システム1の一部としてもよいし、フロー管理システム1に含まれない外部の装置であってもよい。
【0031】
(物系フロー管理手段10の構成)
物系フロー管理手段10は、物系情報記憶手段11、制御手段12等を備える。
【0032】
物系情報記憶手段11は、どのフェーズ担当者にどの物品(商品、材料を含む)がどれだけ保有されているかを記憶している。具体的には、物系情報記憶手段11は、物品の管理情報に対応づけてステータス情報を記憶している(図3参照)。
【0033】
物品管理情報は、移動対象の物品を特定するための情報であり、例えば、SKU番号とJANコードの組み合わせによって構成することができる。
【0034】
ステータス情報は、物品名などの基本情報、物品の量、フェーズステータス、管理ステータス、タイムスタンプなどを含む情報である。物系情報記憶手段11は、ステータス情報について、所定期間にわたる更新履歴を記憶している。
【0035】
フェーズステータスは、物品を保有・管理等しているフェーズ担当者を特定するための情報(識別情報)である。
【0036】
管理ステータスは、物品がどのような管理状態にあるかを示す情報である。選択可能な管理ステータスは、フェーズ担当者ごとに予め設定しておくことができる。ただし、他のフェーズ担当者から物品を受け入れたことを示す管理ステータス(初期ステータス)、他のフェーズ担当者へ物品が移動可能となっていることを示す管理ステータス(移動可能ステータス)を少なくとも選択できるように設定しておくことが望ましい。例えば物流フェーズの担当者であれば、選択可能な管理ステータスとして、棚入れ(初期ステータス)、ピッキング可能、出荷待(移動可能ステータス)、積送などが考えられる。
【0037】
タイムスタンプは、制御手段12がフェーズステータスや管理ステータスを更新したタイミングを示す情報である。
【0038】
図3に示す例では、例えば物品管理情報P1によって特定される物品は、物品名はXYZ、量は10、フェーズステータスはフェーズB、管理ステータスは棚入れ、タイムスタンプは4月15日14時となっている。
【0039】
このように、本発明では、フェーズステータスによってどのフェーズ担当者が物品を保有・管理しているかを特定できる構成としているため、フェーズ担当者の構成を変更する場合でも、フェーズステータスを追加/削除/変更することによって、容易に対応することができる。
【0040】
また、フェーズ内の所望のタイミングで物品の保有・管理状態を把握したい場合、該フェーズをより細かいサブフェーズに細分化し、かかるサブフェーズに対応させてフェーズステータスや管理ステータスを設けることで、そのタイミングでの物品の保有・管理状態を容易に把握することが可能となる。
【0041】
制御手段12は、物系フロー管理手段10全体の動作を制御するとともに、端末100から新規登録要求、フェーズステータス変更要求、管理ステータス変更要求、ステータス参照要求などを受けつけ、それぞれに対応する処理を実行する。また、金系フロー管理手段20からの問い合わせに応じて物系情報記憶手段11から必要な情報を抽出し、金系フロー管理手段20に出力する。図2では、制御手段12が実行する主要処理について、それぞれ機能手段として捉えて図示している。
【0042】
(新規登録処理)
物系フロー管理手段10は、新たにサプライチェーンに加わる物品(新規物品)に関連して、端末100から新規登録要求を受け付ける。新規登録要求は、例えば、物品管理情報、新規物品の基本情報、新規物品の数量、新規物品を保有・管理するフェーズ担当者の識別情報、該フェーズ担当者における新規物品の管理ステータス、日時情報(例えば、要求送信タイミング等;以下同様)などを含んで構成することができる。
【0043】
制御手段12は、端末100から新規登録要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11に該要求に対応する記憶領域を確保し、ステータス情報を登録する。
【0044】
ここで、ステータス情報に含まれるタイムスタンプは、ステータス情報の登録タイミングに基づいて決定することができるが、端末100が要求を送信したタイミング等と制御手段12が登録を行うタイミングとにタイムラグがある場合は、要求に含まれる日時情報に基づいてタイムスタンプを決定してもよい。かかる点に関しては、以下の他の要求についても同様とする。
【0045】
(フェーズステータス変更処理)
物系フロー管理手段10は、フェーズ担当者間の物品の移動に関連して、端末100からフェーズステータス変更要求を受け付ける。フェーズステータス変更要求は、例えば、物品管理情報、移動元フェーズ識別情報、移動先フェーズ識別情報、移動量、日時情報などを含んで構成することができる。
【0046】
制御手段12は、端末100からフェーズステータス変更要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照し、該要求内の物品管理情報に対応するステータス情報について、フェーズステータスを移動元フェーズ担当者から移動先フェーズ担当者の識別情報へ、管理ステータスを移動先フェーズ担当者の初期ステータスへ更新する。また、フェーズステータスの更新タイミング等に基づきタイムスタンプを決定する。
【0047】
ここで、制御手段12は、フェーズステータスを更新する際に、更新前の管理ステータスが移動可能ステータスとなっているかどうかをチェックし、移動可能ステータスとなっていない場合は、フェーズステータスを更新せずに、端末100に「物品が移動可能な状態となっていません」等のエラーメッセージを出力することが望ましい。ただし、所定の場合には強制的にフェーズステータスを更新する構成としてもよい。
【0048】
また、実際の物品の移動と物系情報記憶手段11のフェーズステータスとを正確に整合させるためには、制御手段12は、移動元フェーズ担当者の端末100から送信されるフェーズステータス変更情報(出荷情報)および移動先フェーズ担当者の端末100から送信されるフェーズステータス変更情報(入荷情報)の両方を受け付けて初めて、物系情報記憶手段11を更新するように構成することが望ましい。
【0049】
(管理ステータス変更処理)
物系フロー管理手段10は、管理ステータスの変更に関連して、端末100から管理ステータス変更要求を受け付ける。管理ステータス変更要求は、例えば、物品管理情報、変更後ステータス、日時情報などを含んで構成することができる。
【0050】
制御手段12は、端末100から管理ステータス変更要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照し、該要求内の物品管理情報に対応するステータス情報について、管理ステータスを変更後ステータスへ更新する。また、管理ステータスの更新タイミング等に基づきタイムスタンプを決定する。
【0051】
ここで、制御手段12は、管理ステータスを更新する際に、端末100からの要求が正当かどうかをチェックし、正当でない場合は、管理ステータスを更新せずに、端末100に「管理ステータスを変更する権限がありません」等のエラーメッセージを出力することが望ましい。正当かどうかの基準としては、例えば、端末100から変更を要求することができるのは該端末に対応するフェーズ担当者の管理ステータスのみとする、といった基準が考えられる。ただし、所定の場合には強制的に管理ステータスを更新する構成としてもよい。
【0052】
(ステータス参照処理)
物系フロー管理手段10は、端末100から物系情報記憶手段11についてステータス参照要求を受け付ける。
【0053】
ステータス参照要求としては、例えば、所定の時点、物品管理情報を指定して、対応する物品がどのフェーズ担当者に保有・管理されているかについて参照を要求するもの(パターンA)や、所定のフェーズ担当者を指定して、該フェーズ担当者が保有・管理する物品の履歴について参照を要求するもの(パターンB)などが考えられる。
【0054】
制御手段12は、端末100からステータス参照要求を受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照し、参照要求に基づいて所定の情報を抽出して端末100に出力する。図4に端末100における抽出結果の表示例を示す。図4(a)はパターンAの場合、図4(b)はパターンBの場合の表示例である。
【0055】
(金系フロー管理手段20の構成)
金系フロー管理手段20は、関数記憶手段21、金系情報記憶手段22、制御手段23等を備える。
【0056】
関数記憶手段21は、物品の移動に関する生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係(以下、「貢献関数」と呼ぶ。)を、その識別情報(関数ID)に対応づけて複数記憶している。関数記憶手段21は、例えばフロー管理システム1の運用者等が貢献関数について登録や修正を行えるように構成することが望ましい。
【0057】
物品の移動に関する生産性指標としては、例えば物品の移動量や、物品の移動速度などを用いることができる。
【0058】
物品の移動量は、物品の種類、品番等ごとの移動量ではなく、移動した全物品の移動総量である。例えば物品Aが100個、物品Bが200個移動した場合と、物品Aのみが300個移動した場合とでは、貢献関数に当てはめる物品の移動量はいずれも300個となる。
【0059】
物品の移動速度は、単位時間(例えば1日や1ヶ月など)あたりの移動量である。物品が複数種類、複数品番ある場合は、各物品の移動速度の平均値を用いることができる。
【0060】
貢献指標は、フェーズ担当者の報酬を決定するための基準となる指標である。貢献指標は、例えば所定範囲の無次元の数値とすることができるが、「円」等の通貨単位によって直接報酬を表わすものであってもよい。
【0061】
貢献関数は、設計に応じて様々なタイプを考えることができる。例えば、非減少タイプの貢献関数とすることができ、単純な線形増加タイプ(図5(a))や、下限指標や上限指標(又はその組み合わせ)を設けたタイプ(図5(b))、非線形タイプ(図5(c))などを考えることができる。また例えば、図5(d)、(e)に示すような凸形状タイプの貢献関数としてもよい。なお、移動量及び移動速度の両方に依存する貢献関数を用いてもよく、この場合は3次元関数となる。
【0062】
金系情報記憶手段22は、所定の2つのフェーズ担当者(移動元フェーズ担当者、移動先フェーズ担当者)の組み合わせに関し、該2つのフェーズ担当者の識別情報に対応づけて、該組み合わせに割り当てられた貢献関数の関数ID、該2つのフェーズ担当者間における物品の移動量又は/及び移動速度、貢献指標、報酬、対象期間などを記憶している(図6参照)。金系情報記憶手段22は、例えばフロー管理システム1の運用者等が、割り当てられた貢献関数の識別情報について登録や修正を行えるように構成することが望ましい。
【0063】
制御手段23は、金系フロー管理手段20全体の動作を制御するとともに、所定のタイミングで物系フロー管理手段10に問い合わせを行って必要な情報を取得し、金系情報記憶手段22の更新処理(貢献指標の決定、報酬の決定など)を実行する。図2では、制御手段23が実行する主要処理について、それぞれ機能手段として捉えて図示している。
【0064】
(更新処理)
以下、図7に示すフローチャートに従って、制御手段23が実行する更新処理を説明する。なお、各ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して、又は並列して実行することができる(かかる点は、他の処理についても同様とする)。
【0065】
制御手段23は、所定の2つのフェーズ担当者(移動元フェーズ担当者、移動先フェーズ担当者)の組み合わせに関し、所定期間(例えば、月始めから月末までの1ヶ月など)を対象期間として、該対象期間において移動元フェーズ担当者から移動先フェーズ担当者に移動した物品のステータス情報を、物系フロー管理手段10に問い合わせる(S100)。
【0066】
物系フロー管理手段10は、該問い合わせを受け付けた場合、物系情報記憶手段11を参照して、フェーズステータスが移動元フェーズ担当者の識別情報となっており、かつタイムスタンプが該対象期間内となっているステータス情報を抽出する(ステータス情報A)。また、ステータス情報Aと物品管理情報が共通し、かつフェーズステータスが移動先フェーズ担当者となっており、かつタイムスタンプが該対象期間内となっているステータス情報を抽出する(ステータス情報B)。そして、ステータス情報A及びステータス情報Bを金系フロー管理手段20に出力する。
【0067】
制御手段23は、金系フロー管理手段20からステータス情報A及びステータス情報Bを受け付けた場合、各ステータス情報Bに含まれる物品の量の合計し、総量としての物品の移動量を求める(S101)。
【0068】
また、物品管理情報が共通するステータス情報Aとステータス情報Bに基づき、ステータス情報Bの物品の量(=ステータス情報Aの物品の量)を、移動に要した時間(=ステータス情報Bのタイムスタンプ−ステータス情報Aのタイムスタンプ)により除算し、該物品管理情報によって特定される物品の移動速度を求める。そして、各物品の移動速度を平均し、総量としての物品の移動速度を求める(S102)。
【0069】
なお、物系フロー管理手段10において物品の移動量、移動速度を求め、金系フロー管理手段20に出力する構成としてもよい。
【0070】
次に、制御手段23は、金系情報記憶手段22を参照して、該フェーズ担当者の組み合わせに割り当てられている関数IDを抽出する。そして、関数記憶手段21を参照して、前記抽出した関数IDに対応する貢献関数を読み出す(S103)。
【0071】
次に、制御手段23は、前記求めた物品の移動量又は/及び移動速度を、前記読み出した貢献関数に当てはめ、物品の移動に関する移動元フェーズ担当者の貢献指標を決定する(S104)。
【0072】
次に、制御手段23は、前記決定した貢献指標に基づき、移動先フェーズ担当者が移動元フェーズ担当者へ支払う報酬を決定する(S105)。例えば、貢献指標が直接報酬を表わしている場合、報酬=貢献指標となる。
【0073】
最後に、制御手段23は、前記求めた物品の移動量又は/及び移動速度、前記決定した貢献指標、前記決定した報酬、前記対象期間に基づき、金系情報記憶手段22の該フェーズ担当者の組み合わせに対応する記憶内容を更新する(S106)。
【0074】
なお、このようにして更新された金系情報記憶手段22について端末100から参照要求を受け付けた場合、制御手段23は必要な情報を抽出して該端末に出力することができる。
【0075】
また、かかる更新処理は、移動先フェーズ担当者が消費者である場合(例えば、店舗での販売による消費者への物の移動)には適用しない。この場合、移動元フェーズ担当者(店舗など)の報酬は、物品の販売によって得られる売上となるからである。
【0076】
上述したように、本発明では、個々の物品の種類や品番等に依らない事後的な移動総量に基づいて報酬を決定する枠組みを採っているため、物品の移動とお金の移動とを必ずしも連動させて更新する必要がなく、従って、金系フロー管理段20(制御手段23)が更新処理を実行するタイミングについて、現実の物品の移動や物系フロー管理手段10(制御手段12)が更新処理を実行するタイミングと独立して設定することが可能となる。
【0077】
このように、物系フロー管理手段10の動作と金系フロー管理手段20の動作について高い独立性を確保できたことにより、物品について、お金の移動に制約を受けることなく、特にお金の”締め”に起因するバッチ的な処理に影響を受けることなく、よりスムーズにリアルタイムにその移動を管理することが可能となる。一方、お金については、客観的・定量的な生産性指標である物品の移動量や移動速度に基づいて、客観的に貢献度合を評価してフェーズ間を移動する報酬を決定することが可能となる。
【0078】
更に、端末100は、物系フロー管理手段10に対して要求を送信できれば十分であるため、物品についてのみ管理/参照できる構成となっていればよく、従来のPOS端末のように物品とお金の両方を管理/参照する機能を備えた装置に比べて、端末の製造コストを大幅に低減することができる。なお、端末100に、他の機能、例えばお金について管理/参照する機能や、入出金管理機能(レジ機能など)を実装してもよく、端末100が設置されるフェーズや環境に合わせて柔軟に機能を選択することが可能である。
【0079】
(変形例1)
第1実施形態では、報酬を決定する際に2つのフェーズ担当者(移動元フェーズ担当者、移動先フェーズ担当者)のみ考慮する構成としているが、3以上のフェーズ担当者を考慮して相対的に報酬を決定する構成とすることもできる(図8参照)。
【0080】
この場合、金系フロー管理手段20は、相対的に報酬を決定する3以上のフェーズ担当者を一つのグループとして管理し、グループ単位でプールした利益(グループ総利益)をグループ内の各フェーズ担当者に配分して報酬を決定する。サプライチェーンの全フェーズを含むようにトータルなグループを設定して管理してもよい。
【0081】
具体的には、制御手段23は、以下のように変形した更新処理を実行する。
【0082】
(更新処理;図9参照)
制御手段23は、グループを一つのフェーズ担当者(以下、「グループフェーズ担当者」と呼ぶ。)であるとして、第1実施形態と同様にして、該グループフェーズ担当者が受け取る報酬、該グループフェーズ担当者が支払う報酬を決定する(S200)。
【0083】
そして、制御手段23は、受け取る報酬より支払う報酬を減算し、グループ総利益を求める(S201)。かかるグループ総利益は、例えば銀行等のグループ共有口座で管理することができる。
【0084】
また、制御手段23は、グループ内の各フェーズ担当者について、第1実施形態と同様にして、貢献指標を決定する(S202)。
【0085】
次に、制御手段23は、グループ総利益、各フェーズ担当者の貢献指標に基づき、例えば以下の式に基づいてグループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する(S203)。なお、以下の式は例示であり、更に他の要素を考慮して式を構成してもよい。
【0086】
フェーズ担当者iの報酬=グループ総利益×(フェーズ担当者iの貢献指標)/(各フェーズ担当者の貢献指標の和)
このように、本変形例1では、3以上のフェーズ担当者を一つのグループフェーズ担当者(利益共同体)として扱い、各フェーズ担当者の貢献指標に基づきグループ内で相対的に報酬を決定する構成としているため、合理的に透明性をもって利益分配を図ることができる。また、各フェーズ担当者が自己の利益やコストを積み重ねて次のフェーズ担当者への販売価格を決定していくといった従来の逐次的な枠組みとは異なり、各フェーズ担当者に対してフラットに報酬が分配され、各フェーズ担当者は分配された報酬の中から利益やコストを引き当てていく枠組みを採ることができるため、コスト等の積み重ねによる制約を受けずに、状況に応じて臨機応変に販売価格を設定することが可能となる。
【0087】
(変形例2)
変形例1では、報酬についてはグループ全体を考慮して相対的に決定する構成としている一方、貢献指標については、第1実施形態と同様、フェーズ担当者間の移動量等に基づいてローカルに決定する構成としている。
そこで本変形例2では、貢献指標についてもグループ全体を考慮して決定するように、例えばグループ全体における移動量や移動速度を考慮して貢献指標を決定する構成とする。以下、第1実施形態、変形例1との主な相違点について説明する。
金系情報記憶手段22は、移動量又は/及び移動速度の基準指標(基準値)を記憶している。
かかる基準値は、例えばグループ全体として所定の移動量又は/及び移動速度(以下、「グループ移動量等」と呼ぶ。)を達成するように、決定することができる。これは換言すれば、各フェーズ担当者がそれぞれ基準値に相当する移動量等を達成する場合に、グループ全体としてもグループ移動量が達成されることを意味する。
グループ移動量等は、例えばグループ移動量等=最小値{所定時点における各フェーズ担当者によって達成可能な最大移動量又は/及び最大移動速度}のように、グループにおけるボトルネックを基準として定めることが考えられる。ただし、例えばグループ移動量等=最小値{各フェーズ担当者によって申告された移動量又は/及び移動速度}のように自己申告に基づいてグループ移動量等を定めたり、所定の目標値に基づいてグループ移動量等を定めてもよい。
以下、図10を参照して、基準値の決定方法について説明する。今、図10(a)に示すように、フェーズ担当者A、フェーズ担当者B、フェーズ担当者Cが1グループを形成しており、ある時点における物品の最大移動量(最大生産量)がそれぞれ40単位、50単位、20単位であるとする。この場合、上記ボトルネック基準によればグループ移動量は20単位となり、そして基準値もグループ全体としてグループ移動量を達成するために20単位に決定されることになる。
一方、同一フェーズを担当する担当者が複数存在する場合(以下、このような同一フェーズ内の各担当者を「並列担当者」と呼ぶ。)、前記ボトルネック基準における最大移動量又は/及び最大移動速度は、同一フェーズ内の全並列担当者によって達成可能な最大移動量又は/及び最大移動速度となる。また、並列担当者の基準値は、前記ボトルネック基準に基づき決定された基準値を同一フェーズの各並列担当者に処理能力等に応じて比例分配して、並列担当者ごとに決定されることになる(図10(b)参照)。
次に、制御手段23が実行する更新処理について説明する。
【0088】
(更新処理;図11参照)
制御手段23は、変形例1と同様に、グループフェーズ担当者が受け取る報酬、該グループフェーズ担当者が支払う報酬を決定する(S200)。
【0089】
そして、制御手段23は、受け取る報酬より支払う報酬を減算し、グループ総利益を求める(S201)。
【0090】
また、制御手段23は、第1実施形態と同様にして、グループ内の2つのフェーズ担当者間について、物品の移動量又は/及び移動速度を求める(S2021)。
【0091】
次に、制御手段23は、金系情報記憶手段22を参照して基準値を読み出す(S2022)。
【0092】
次に、制御手段23は、グループ内の2つのフェーズ担当者間について求めた移動量又は/及び移動速度と、前記基準値との比較結果に基づき、グループ内の各フェーズ担当者について、物品の移動に関する第1貢献指標を決定する(S2023)。
【0093】
具体的には、例えば移動量等と基準値との乖離が大きいほど、貢献指標が低下するように決定する。グループ全体の物品の移動を考えると、移動量等が基準値よりも過大/過少となるフェーズ担当者間が存在する場合、その乖離の程度に応じて、いずれかのフェーズにおいて在庫過多/欠品が生じる可能性が高まるからである。換言すれば、各フェーズ担当者間における移動量等が基準値に近づけば近づくほど、グループ全体として在庫の滞留や欠品が減少し、グループ全体としての生産性が最適化されることになる。
【0094】
次に、制御手段23は、第1実施形態と同様にして、前記求めた物品の移動量又は/及び移動速度を貢献関数に当てはめて、グループ内の各フェーズ担当者について、物品の移動に関する第2貢献指標を決定する(S2024)。
【0095】
そして、制御手段23は、第1貢献指標と第2貢献指標に基づき、グループ内の各フェーズ担当者について、物品の移動に関する貢献指標(総合貢献指標)を決定する(S2025)。
【0096】
例えば、図12(a)に示すように第1貢献指標と第2貢献指標の組み合わせに対応させて総合貢献指標を記憶しておき、これに当てはめて総合貢献指標を決定する構成が考えられる。また例えば、図12(b)に示すように第1貢献指標と第2貢献指標の組み合わせに対応させて重み係数を記憶しておき、これに当てはめて対応する重み係数を求め、そして第2貢献指標(又は第1貢献指標)に該重み係数を乗算して総合貢献指標決定する構成としてもよい。
【0097】
なお、第1の貢献指標と第2の貢献指標の線形和として総合貢献指標を求めてもよく、この場合、重み係数の大小によって第1貢献指標と第2貢献指標のいずれをより重要視するかを調整することができる。
【0098】
次に、制御手段23は、グループ総利益、各フェーズ担当者の貢献指標に基づき、例えば上述した式に基づいてグループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する(S203)。
【0099】
このように、本変形例2では、変形例1と同様に3以上のフェーズ担当者を一つのグループフェーズ担当者(利益共同体)として扱い、グループ全体としてグループ移動量等を達成するように基準値を定め、かかる基準値と物系フロー管理手段10を参照して取得される移動量等との比較結果に基づき貢献指標を決定する構成としているため、個別のフェーズ間における物品の移動がグループ全体としての物品の移動に対して同期しているかどうか(グループ移動量等を達成する上での適切な移動量等となっているかどうか)を考慮して、利益分配を図ることが可能となる。
【0100】
(その他)
本発明の他の実施形態として、情報処理プログラムを記録した記録媒体が考えられる。記録媒体としてはCD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリその他の記録媒体を用いることができる。
【0101】
情報処理プログラムは記録媒体からデータ処理装置に読み込まれ、データ処理装置の動作を制御する。データ処理装置は情報処理プログラムの制御により、第1実施形態の物系フロー管理手段10や金系フロー管理手段20による処理と同一の処理を実行する。
【0102】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
【0103】
例えば、決定した報酬について実際にどのようなタイミングで支払いを行うかについて予め決定しておき、金系情報記憶手段22に記憶しておく構成とすることもできる(図13参照)。このような支払タイミングとしては、例えば、着荷タイミング(物品が到着したタイミング)、売仕タイミング(物品が売れたタイミング)などが考えられる。
【0104】
また例えば、対象とするサプライチェーンが生産フェーズを含む場合、生産された物品については新規登録処理を実行し、消費物品(材料物品)については、もはや移動や消費の対象とならないことがわかるように、その管理ステータスについて消費済・移動不可を示すように変更しておくことが考えられる。
【0105】
また例えば、移動元フェーズ担当者と移動先フェーズ担当者の関係は相対的なものであり、フェーズ担当者1からフェーズ担当者2へ物品Aを順送する場合は(移動元=フェーズ担当者1、移動先=フェーズ担当者2)とし、フェーズ担当者2からフェーズ担当者1へ物品Bを返送する場合は(移動元=フェーズ担当者2、移動先=フェーズ担当者1)とすることができる。ただし返送の場合、図5(a)〜(c)に示す移動量に関する貢献関数をそのまま用いると、返送量が多いほど貢献度合が高いという不自然な結果となるため、移動量に関する貢献関数を非増加関数に修正して用いる必要がある。
【0106】
また例えば、変形例2では、移動量等と基準値とに基づき第1貢献指標を決定し、移動量等と貢献関数に基づき第2貢献指標を決定し、両者に基づいて総合貢献指標を決定する構成について説明しているが、本発明はこのような構成に限られない。例えば、第1貢献指標にのみ基づいて(すなわち、第1貢献指標=総合貢献指標として)報酬を決定するように構成してもよい。また例えば、基準値に基づいて適用すべき貢献関数を決定し、移動量等と前記決定した貢献関数に基づき貢献指標を決定する構成としてもよい。この場合、貢献関数の決定方法としては、例えば移動量等が基準値に一致する場合に貢献指標が最大となるように貢献関数を設定する(又はそのような貢献関数を選択する)方法が考えられる。図14(a)、(b)、(c)は、基準値が低い場合に設定される貢献関数、中程度の場合に設定される貢献関数、高い場合に設定される貢献関数の例を、それぞれ示している。
【0107】
また例えば、変形例2において、次のようなサイクルを構築することが考えられる。すなわち、(1)ボトルネックとなっているフェーズ担当者間について例えば設備の増強等により移動量等を改善する。(2)改善の結果を反映させて、グループ移動量等、基準値を変更する。(3)変更後の基準値との乖離が最大となるフェーズ担当者間を新たなボトルネックと判定する。(4)新たなボトルネックを基準にグループ移動量等を定め、グループ全体の生産性を最適化する。
【0108】
また例えば、移動元フェーズ担当者と移動先フェーズ担当者との間の調整により移動量が定まる場合などは、該調整を考慮して移動元又は/及び移動先のフェーズ担当者の貢献度合を決定するように構成してもよい。
【0109】
なお、上記では主にフロー管理システムについて説明したが、本発明はシステムとしての実施形態に限られず、フロー管理システムにおいて実行される各処理を本発明に係るサプライチェーン管理方法として把握することも可能である。
【0110】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、物品とお金とを切り離してSCMを構築するという新たな着想のもと、物品についてはステータス情報を用いてその移動を管理するとともに、お金については、単品単位や品番単位での物品とお金の紐付けを利用することなく、物品の移動量や移動速度といった生産性指標に基づいてフェーズ間を移動する報酬を決定しているため、物品とお金についてそれぞれ高い独立性をもってサプライチェーンを管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により実現されるスキームを説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施形態であるフロー管理システムの構成を説明するためのブロック図である。
【図3】物系情報記憶手段におけるデータ構造を説明するための図である。
【図4】端末における表示例を説明するための図である。
【図5】貢献関数を説明するための図である。
【図6】金系情報記憶手段におけるデータ構造を説明するための図である。
【図7】金系フロー管理手段20における更新処理(第1実施形態)の流れを示すフローチャートである。
【図8】変形例のスキームを説明するための図である。
【図9】金系フロー管理手段20における更新処理(変形例1)の流れを示すフローチャートである。
【図10】グループ移動量等、基準値を説明するための図である。
【図11】金系フロー管理手段20における更新処理(変形例2)の流れを示すフローチャートである。
【図12】第1貢献指標と第2貢献指標に基づき総合貢献指標を決定する構成を説明するための図である。
【図13】物系情報記憶手段におけるデータ構造の他の例を説明するための図である。
【図14】基準値に基づいて貢献関数を決定する構成を説明するための図である。
【符号の説明】
1 フロー管理システム
10 物系フロー管理手段
11 物系情報記憶手段
12 制御手段
20 金系フロー管理手段
21 関数記憶手段
22 金系情報記憶手段
23 制御手段
100 端末
【0018】
本発明のフロー管理方法は、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される第1の手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される第2の手段が、前記情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される第3の手段が、前記生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることが望ましい。
好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段、及び、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、前記第3の手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する工程と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記管理する工程は、前記第1の手段が、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新する工程と、前記第1の手段が、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する工程と、を備える。
本発明のフロー管理方法は、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される第1の手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される第2の手段が、前記情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される第3の手段が、前記生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることが望ましい。
好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記決定する工程は、前記第3の手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段、及び、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、前記第3の手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する工程と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記管理する工程は、前記第1の手段が、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新する工程と、前記第1の手段が、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する工程と、を備える。
【0019】
また本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める手段と、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備えることを特徴とする。
また本発明のフロー管理方法は、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。
また本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める手段と、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備えることを特徴とする。
また本発明のフロー管理方法は、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶し、管理する物系フロー管理手段と、 前記物系フロー管理手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品総量に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する金系フロー管理手段と、を備えることを特徴とする。
前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動総量又は/及び移動平均速度であることが望ましい。
好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する手段と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記物系フロー管理手段が管理する情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記物系フロー管理手段は、端末と通信可能に構成されており、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新するとともに、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する。
【課題を解決するための手段】
本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶し、管理する物系フロー管理手段と、 前記物系フロー管理手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品総量に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する金系フロー管理手段と、を備えることを特徴とする。
前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動総量又は/及び移動平均速度であることが望ましい。
好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備える。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する手段と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記物系フロー管理手段が管理する情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記物系フロー管理手段は、端末と通信可能に構成されており、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新するとともに、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する。
【0018】
本発明のフロー管理方法は、物系フロー管理手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を物系情報記憶手段に記憶して管理する工程と、金系フロー管理手段が、前記物系情報記憶手段に記憶される前記情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品総量に関する生産性指標を求める工程と、金系フロー管理手段が、前記生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動総量又は/及び移動平均速度であることが望ましい。
好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段、及び、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、金系フロー管理手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する工程と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記管理する工程は、物系フロー管理手段が、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新する工程と、物系フロー管理手段が、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する工程と、を備える。
本発明のフロー管理方法は、物系フロー管理手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を物系情報記憶手段に記憶して管理する工程と、金系フロー管理手段が、前記物系情報記憶手段に記憶される前記情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品総量に関する生産性指標を求める工程と、金系フロー管理手段が、前記生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動総量又は/及び移動平均速度であることが望ましい。
好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する。
また好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する。又は、前記貢献指標を、移動元フェーズ担当者が得る報酬そのものとしてもよい。
また好適には、前記決定する工程は、金系フロー管理手段が、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段、及び、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、金系フロー管理手段が、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する工程と、を備えており、前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることが望ましい。
また好適には、前記情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されている。
また好適には、前記管理する工程は、物系フロー管理手段が、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新する工程と、物系フロー管理手段が、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する工程と、を備える。
【0019】
また本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める手段と、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記対応関係のうちの1つを用いて前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備えることを特徴とする。
また本発明のフロー管理方法は、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。
また本発明のフロー管理システムは、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める手段と、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記対応関係のうちの1つを用いて前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、を備えることを特徴とする。
また本発明のフロー管理方法は、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を記憶する記憶手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、コンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される手段が、生産性指標と物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照して、前記求めた生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とする。
【0027】
フロー管理システム1は、制御手段(CPU)、入出力手段(キーボード、マウス、ディスプレイなど)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスクなど)、通信インタフェース等を備えた一般的な構成の情報処理装置において、本発明のフロー管理方法における各工程を規定したソフトウェアを起動することにより、実現することができる。ただし、物理的に専用化したシステムとしてフロー管理システム1を構成してもよい。
フロー管理システム1は、制御手段(CPU)、入出力手段(キーボード、マウス、ディスプレイなど)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスクなど)、通信インタフェース等を備えた一般的な構成の情報処理装置において、本発明のフロー管理方法における各工程を規定したソフトウェアを起動することにより、実現することができる。ただし、物理的に専用化したシステムとしてフロー管理システム1を構成してもよい。
Claims (22)
- サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する物系フロー管理手段と、
前記物系フロー管理手段を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する金系フロー管理手段と、を備えることを特徴とするフロー管理システム。 - 前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることを特徴とする請求項1記載のフロー管理システム。
- 前記金系フロー管理手段は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を備え、
2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とする請求項1又は2記載のフロー管理システム。 - 前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を備え、
2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフロー管理システム。 - 前記金系フロー管理手段は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフロー管理システム。
- 前記貢献指標は、移動元フェーズ担当者が得る報酬であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフロー管理システム。
- 前記金系フロー管理手段は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段と、
生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段と、
2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する手段と、
複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する手段と、を備えており、
前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることを特徴とする、請求項1又は2記載のフロー管理システム。 - 前記物系フロー管理手段が管理する情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフロー管理システム。
- 前記物系フロー管理手段は、端末と通信可能に構成されており、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新するとともに、端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフロー管理システム。
- サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とするフロー管理システム。
- サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を管理する工程と、
前記情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求める工程と、
前記生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、を備えることを特徴とするフロー管理方法。 - 前記生産性指標は、前記2つのフェーズ担当者間において移動した物品の移動量又は/及び移動速度であることを特徴とする請求項11記載のフロー管理方法。
- 前記決定する工程は、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てた前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とする請求項11又は12記載のフロー管理方法。
- 前記決定する工程は、生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と前記基準指標とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のフロー管理方法。
- 前記決定する工程は、複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のフロー管理方法。
- 前記貢献指標は、移動元フェーズ担当者が得る報酬であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のフロー管理方法。
- 前記決定する工程は、
生産性に関する基準指標を記憶する記憶手段、及び、生産性指標と、物品の移動に関する貢献指標との対応関係を複数記憶する記憶手段を参照し、2つのフェーズ担当者間について求めた生産性指標と、前記基準指標と、該2つのフェーズ担当者間に割り当てられる前記対応関係とに少なくとも基づき、移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定する工程と、
複数のフェーズ担当者をグループとして管理し、グループ総利益を前記貢献指標に基づき分配して、グループ内の各フェーズ担当者の報酬を決定する工程と、を備えており、
前記基準指標は、グループ全体として所定の生産性指標を達成するように定められていることを特徴とする、請求項11又は12記載のフロー管理方法。 - 前記情報は、物品の管理情報に対応づけて、該物品を保有するフェーズ担当者の識別情報と、該物品がどのような管理状態にあるかを示す情報とを少なくとも含んで構成されていることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載のフロー管理方法。
- 前記管理する工程は、端末からの要求に基づきフェーズ担当者間の物品の移動に応じて前記情報を更新する工程と、
端末からの要求に応じて前記情報を該端末に出力する工程と、を備えることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載のフロー管理方法。 - サプライチェーンを構成するフェーズに関し、どのフェーズ担当者にどの物品がどれだけ保有されているかを示す情報を参照して、所定の2つのフェーズ担当者間において移動した物品に関する生産性指標を求め、かかる生産性指標に基づき移動元フェーズ担当者の物品の移動に関する貢献指標を決定することを特徴とするフロー管理方法。
- 請求項11乃至20のいずれか一項に記載のフロー管理方法をコンピュータで実行させるための情報処理プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項11乃至20のいずれか一項に記載のフロー管理方法をコンピュータで実行させるための情報処理プログラム。
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