JP4132209B2 - 冷凍機用流体組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍機用流体組成物に関し、さらに詳しくは、HFC−254fa等を冷媒として用いる冷凍機の流体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在ターボ冷凍機は冷凍容量が大きいので、百貨店,事務所,ホテル,劇場などの大規模な空調器に使用されている。冷媒としては、成層圏のオゾン層破壊効果が小さいHCFC−123(1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン)が使用されているが、HCFC冷媒は将来全廃される予定である。このため、HCFC−123の代替冷媒として、オゾン層を破壊しないHFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)等の炭素数3〜5で塩素を含まない弗化炭化水素化合物が検討されている。しかし、それに対応する冷凍機油が見出されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、冷媒として、炭素数3〜5の弗化炭化水素を使用した場合に適した冷凍機用流体組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定の含酸素系合成油を基油として使用することにより、上記本発明の目的を効果的に達成しうることの見出し本発明を完成したものである。すなわち、本発明は、
(A)炭素数3〜5の弗化炭化水素の少なくとも一種からなる冷媒、及び(B)(a)ポリビニルエーテル、(b)下記の一般式( XVII )
R 43 〔OCOR 44 〕 f ・・・(XVII)
(式中、R 43 は炭化水素基、R 44 は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基、fは2〜6の整数を示し、複数の−OCOR 44 は同一でも異なっていてもよい。)で表されるポリオールエステル、(c)下記の一般式( XX )
R 45 −〔(OR 46 ) g −OR 47 〕 h ・・・( XX )
(式中、R 45 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R 46 は炭素数2〜4のアルキレン基、R 47 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、hは1〜6の整数、gはg×hの平均値が6〜80となる数を示す。)
で表されるポリアルキレングリコールから選ばれる少なくとも一種の含酸素系合成油で、40℃における動粘度が5〜500mm2/s、全酸価が0.1mgKOH/g以下である基油、を含有することを特徴とする冷凍機用流体組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、本発明の冷凍機用流体組成物において、(A)成分の冷媒として、炭素数3〜5の弗化炭化水素が使用される。中でも、蒸気圧の点で、炭素数3のものが好適に使用され、例えば、HFC−236ca(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン)、HFC−236cb(1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン)、HFC−245ca(1,1,2,2−テトラフルオロプロパン)、HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−227ea(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)、HFC−227ca(1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン)、HFC−236ea(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン)、HFC−236fa(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)などを挙げることができる。炭素数3のものの中で、安全性の点で、HFC−245faが好ましい。
【0006】
次に、本願発明の冷凍機用流体組成物において、(B)成分の基油として(a)ポリビニルエーテル、(b)下記の一般式( XVII )
R 43 〔OCOR 44 〕 f ・・・(XVII)
(式中、R 43 は炭化水素基、R 44 は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基、fは2〜6の整数を示し、複数の−OCOR 44 は同一でも異なっていてもよい。)で表されるポリオールエステル、(c)下記の一般式( XX )
R 45 −〔(OR 46 ) g −OR 47 〕 h ・・・( XX )
(式中、R 45 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R 46 は炭素数2〜4のアルキレン基、R 47 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、hは1〜6の整数、gはg×hの平均値が6〜80となる数を示す。)
で表されるポリアルキレングリコールから選ばれる少なくとも一種の含酸素系合成油が使用される。前記(a)のポリビニルエーテルとしては、例えば一般式(I)
【0007】
【化1】
【0008】
(式中、R1 〜R3 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R4 は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R5 は炭素数1〜20の炭化水素基、aはその平均値が0〜10の数を示し、R1 〜R5 は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよく、またR4 Oが複数ある場合には、複数のR4 Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物(1)が挙げられる。
また、上記一般式(I)で表される構成単位と、下記一般式(II)
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、R6 〜R9 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、またR6 〜R9 は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。)
で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体からなるポリビニルエーテル化合物(2)も使用することができる。また、上記ポリビニルエーテル系化合物(1)とポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物からなるポリビニルエーテル系化合物(3)も使用することができる。
【0011】
前記一般式(I)におけるR1 〜R3 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。ここで炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基のアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基のアリールアルキル基を挙げることができる。なお、これらのR1 〜R3 としては、特に水素原子が好ましい。
【0012】
一方、一般式(I)中のR4 は、炭素数1〜10、好ましくは2〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を示すが、ここで炭素数1〜10の二価の炭化水素基とは、具体的にはメチレン基;エチレン基;フェニルエチレン基;1,2−プロピレン基;2−フェニル−1,2−プロピレン基;1,3−プロピレン基;各種ブチレン基;各種ペンチレン基;各種ヘキシレン基;各種ヘプチレン基;各種オクチレン基;各種ノニレン基;各種デシレン基の二価の脂肪族基、シクロヘキサン;メチルシクロヘキサン;エチルシクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン;プロピルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素に2個の結合部位を有する脂環式基、各種フェニレン基;各種メチルフェニレン基;各種エチルフェニレン基;各種ジメチルフェニレン基;各種ナフチレン基などの二価の芳香族炭化水素基、トルエン;キシレン;エチルベンゼンなどのアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有するアルキル芳香族基、キシレン;ジエチルベンゼンなどのポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族基などを挙げることができる。これらの中で炭化数2〜4の脂肪族基が特に好ましい。
【0013】
また、炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシメチレン基;メトキシエチレン基;メトキシメチルエチレン基;1,1−ビスメトキシメチルエチレン基;1,2−ビスメトキシメチルエチレン基;エトキシメチルエチレン基;(2−メトキシエトキシ)メチルエチレン基;(1−メチル−2−メトキシ)メチルエチレン基などを好適に挙げることができる。なお、一般式(I)におけるaはR4 Oの繰り返し数を示し、その平均値が0〜10、好ましくは0〜5の範囲の数である。R4 Oが複数ある場合には、複数のR4 Oは同一でも異なっていてもよい。
【0014】
さらに、一般式(I)におけるR5 は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を示すが、この炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種プロピルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基,各種プロピルフェニル基,各種トリメチルフェニル基,各種ブチルフェニル基,各種ナフチル基などのアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基,各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基のアリールアルキル基などを挙げることができる。
【0015】
このポリビニルエーテル系化合物(1)は、前記一般式(I)で表される構成単位を有するものであるが、その繰り返し数(重合度)は、所望する動粘度に応じ適宜選択すればよい。また、該ポリビニルエーテル系化合物は、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が4.2未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0016】
また、ポリビニルエーテル系化合物(2)は、前記一般式(I)で表される構成単位と前記一般式(II)で表される構成単位とを有するプロック又はランダム共重合体からなるものであって、該一般式(II)において、R6 〜R9 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、上記一般式(I)におけるR5 の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。なお、R6 〜R9 は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。
【0017】
該一般式(I)で表される構成単位と一般式(II)で表される構成単位とを有するブロックまたはランダム共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物(2)の重合度は、所望する動粘度に応じて適宜選択すればよい。また、このポリビニルエーテル系化合物は、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が4.2未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0018】
さらに、ポリビニルエーテル化合物(3)は、前記ポリビニルエーテル系化合物(1)と前記ポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物からなるものであるが、その混合割合については特に制限はない。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物(1)及び(2)は、それぞれ対応するビニルエーテル系モノマーの重合、及び対応するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーと、対応するビニルエーテル系モノマーとの共重合により製造することができる。ここで用いることができるビニルエーテル系モノマーは、下記一般式(III)
【0019】
【化3】
【0020】
(式中、R1 〜R5 及びaは、前記と同じである。)
で表されるものである。このビニルエーテル系モノマーとしては、上記ポリビニルエーテル系化合物(1),(2)に対応する各種のものがあるが、例えばビニルメチルエーテル;ビニルエチルエーテル;ビニル−n−プロピルエーテル;ビニル−イソプロピルエーテル;ビニル−n−ブチルエーテル;ビニル−イソブチルエーテル;ビニル−sec−ブチルエーテル;ビニル−tert−ブチルエーテル;ビニル−n−ペンチルエーテル;ビニル−n−ヘキシルエーテル;ビニル−2−メトキシエチルエーテル;ビニル−2−エトキシエチルエーテル;ビニル−2−メトキシ−1−メチルエチルエーテル;ビニル−2−メトキシ−2−メチルエチルエーテル;ビニル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル;ビニル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル;ビニル−1,4−ジメチル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル;ビニル−1,4,7−トリメチル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル;ビニル−2,6−ジオキサ−4−ヘプチルエーテル;ビニル−2,6,9−トリオキサ−4−デシルエーテル;1−メトキシプロペン;1−エトキシプロペン;1−n−プロポキシプロペン;1−イソプロポキシプロペン;1−n−ブトキシプロペン;1−イソブトキシプロペン;1−sec−ブトキシプロペン;1−tert−ブトキシプロペン;2−メトキシプロペン;2−エトキシプロペン;2−n−プロポキシプロペン;2−イソプロポキシプロペン;2−n−ブトキシプロペン;2−イソブトキシプロペン;2−sec−ブトキシプロペン;2−tert−ブトキシプロペン;1−メトキシ−1−ブテン;1−エトキシ−1−ブテン;1−n−プロポキシ−1−ブテン;1−イソプロポキシ−1−ブテン;1−n−ブトキシ−1−ブテン;1−イソブトキシ−1−ブテン;1−sec−ブトキシ−1−ブテン;1−tert−ブトキシ−1−ブテン;2−メトキシ−1−ブテン;2−エトキシ−1−ブテン;2−n−プロポキシ−1−ブテン;2−イソプロポキシ−1−ブテン;2−n−ブトキシ−1−ブテン;2−イソブトキシ−1−ブテン;2−sec−ブトキシ−1−ブテン;2−tert−ブトキシ−1−ブテン;2−メトキシ−2−ブテン;2−エトキシ−2−ブテン;2−n−プロポキシ−2−ブテン;2−イソプロポキシ−2−ブテン;2−n−ブトキシ−2−ブテン;2−イソブトキシ−2−ブテン;2−sec−ブトキシ−2−ブテン;2−tert−ブトキシ−2−ブテンなどが挙げられる。これらのビニルエーテル系モノマーは公知の方法により製造することができる。
また、オレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーは、下記一般式(IV)
【0021】
【化4】
【0022】
(式中、R6 〜R9 は前記と同じである。)
で表されるものであり、該モノマーとしては、例えばエチレン,プロピレン,各種ブテン,各種ペンテン,各種ヘキセン,各種ヘプテン,各種オクテン,ジイソブチレン,トリイソブチレン,スチレン,各種アルキル置換スチレンなどを挙げることができる。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物としては、次の末端構造を有するもの、すなわちその一つの末端が、一般式(V)又は(VI)
【0023】
【化5】
【0024】
(式中、R10〜R12は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R10〜R12はたがいに同一でも異なっていてもよく、R15〜R18は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R15〜R18はたがいに同一でも異なっていてもよい。R13は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R14は炭素数1〜20の炭化水素基、bはその平均値が0〜10の数を示し、R13Oが複数ある場合には、複数のR13Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ残りの末端が下記一般式(VII)又は(VIII)
【0025】
【化6】
【0026】
(式中、R19〜R21は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R19〜R21はたがいに同一でも異なっていてもよく、R24〜R27は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R24〜R27はたがいに同一でも異なっていてもよい。R22は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R23は炭素数1〜20の炭化水素基、cはその平均値が0〜10の数を示し、R22Oが複数ある場合には、複数のR22Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するもの、及びその一つの末端が、上記一般式(V)又は(VI)で表され、かつ残りの末端が下記一般式(IX)
【0027】
【化7】
【0028】
(式中、R28〜R30は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するものが好ましい。
このようなポリビニルエーテル系化合物の中で、特に次に挙げるものが本発明の冷凍機用流体組成物の基油として好適である。
【0029】
(1)その一つの末端が一般式(V)又は(VI)で表され、かつ残りの末端が一般式(VII)又は(VIII)で表される構造を有し、一般式(I)におけるR1 〜R3 が共に水素原子、aが0〜4の数、R4 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR5 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(2)一般式(I)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(V)で表され、かつ残りの末端が一般式(VII)で表される構造を有し、一般式(I)におけるR1 〜R3 が共に水素原子、aが0〜4の数、R4 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR5 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
【0030】
(3)その一つの末端が一般式(V)又は(VI)で表され、かつ残りの末端が一般式(IX)で表される構造を有し、一般式(I)におけるR1 〜R3 が共に水素原子、aが0〜4の数、R4 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR5 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(4)一般式(I)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(V)で表され、かつ残りの末端が一般式(VIII)で表される構造を有し、一般式(I)におけるR1 〜R3 が共に水素原子、aが0〜4の数、R4 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR5 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
また、本発明においては、前記一般式(I)で表される構成単位を有し、その一つの末端が一般式(V)で表され、かつ残りの末端が一般式(X)
【0031】
【化8】
【0032】
(式中、R31〜R33は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R34及びR36はそれぞれ炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R35及びR37はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、d及びeはそれぞれその平均値が0〜10の数を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、また複数のR34Oがある場合には複数のR34Oは同一でも異なっていてもよいし、複数のR36Oがある場合には複数のR36Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。さらに、本発明においては、下記一般式(XI)又は(XII)
【0033】
【化9】
【0034】
(式中、R38は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構成単位からなり、かつ重量平均分子量が300〜3,000(好ましくは300〜2,000)であって、片方の末端が一般式(XIII)又は(XIV)
【0035】
【化10】
【0036】
(式中、R39は炭素数1〜3のアルキル基、R40は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構造を有するアルキルビニルエーテルの単独重合物又は共重合物からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
また、下記一般式(XV)
【0037】
【化11】
【0038】
(式中、R41は炭素数1〜3の分子内にエーテル結合を有するもしくは有しない炭化水素基を示す。)
で表される構成単位(A)と下記一般式(XVI)
【0039】
【化12】
【0040】
(式中、R42は炭素数3〜20の分子内にエーテル結合を有するもしくは有しない炭化水素基を示す。)
で表される構成単位(B)とを有するポリビニルエーテル系化合物〔但し、構成単位(A)のR41及び(B)のR42は同一ではない〕が好適に使用される。R41が炭素数1〜3のアルキル基、R42が炭素数3〜20のアルキル基の場合がより好適に使用され、特にR41がメチル基又はエチル基、R42が炭素数3〜6のアルキル基の場合のポリビニルエーテル系化合物場合が好適で、中でもR41がエチル基、R42がイソブチル基の場合のポリビニルエーテル化合物が最適で、その場合構成単位(A)と構成単位(B)との割合は、モル比で95:5〜50:50の範囲が好ましく、95:5〜70:30の範囲がより好ましい。
【0041】
該ポリビニルエーテル系化合物は、前記したモノマーをラジカル重合,カチオン重合,放射線重合などによって製造することができる。例えばビニルエーテル系モノマーについては、以下に示す方法を用いて重合することにより、所望の粘度の重合物が得られる。
重合の開始には、ブレンステッド酸類,ルイス酸類又は有機金属化合物類に対して、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類又はビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を組み合わせたものを使用することができる。
【0042】
ブレンステッド酸類としては、例えばフッ化水素酸,塩化水素酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硝酸,硫酸,トリクロロ酢酸,トリフルオロ酢酸などが挙げられる。ルイス酸類としては、例えば三フッ化ホウ素,三塩化アルミニウム,三臭化アルミニウム,四塩化スズ,二塩化亜鉛,塩化第二鉄などが挙げられ、これらのルイス酸類の中では、特に三フッ化ホウ素が好適である。また、有機金属化合物としては、例えばジエチル塩化アルミニウム,エチル塩化アルミニウム,ジエチル亜鉛などが挙げられる。
【0043】
これらと組み合わせる水,アルコール類,フェノール類,アセタール類又はビニルエーテル類とカルボン酸との付加物は任意のものを選択することができる。
ここで、アルコール類としては、例えばメタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール,ブタノール,イソブタノール,sec−ブタノール,tert−ブタノール,各種ペンタノール,各種ヘキサノール,各種ヘプタノール,各種オクタノールなどの炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール、アリルアルコールなどの炭素数3〜10の不飽和脂肪族アルコールなどが挙げられる。
【0044】
ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を使用する場合のカルボン酸としては、例えば酢酸;プロピオン酸;n−酪酸;イソ酪酸;n−吉草酸;イソ吉草酸;2−メチル酪酸;ピバル酸;n−カプロン酸;2,2−ジメチル酪酸;2−メチル吉草酸;3−メチル吉草酸;4−メチル吉草酸;エナント酸;2−メチルカプロン酸;カプリル酸;2−エチルカプロン酸;2−n−プロピル吉草酸;n−ノナン酸;3,5,5−トリメチルカプロン酸;カプリル酸;ウンデカン酸などが挙げられる。
【0045】
また、ビニルエーテル類は重合に用いるものと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。このビニルエーテル類と該カルボン酸との付加物は、両者を混合して0〜100℃程度の温度で反応させることにより得られ、蒸留などにより分離し、反応に用いることができるが、そのまま分離することなく反応に用いることもできる。
【0046】
ポリマーの重合開始末端は、水,アルコール類,フェノール類を使用した場合は水素が結合し、アセタール類を使用した場合は水素又は使用したアセタール類から一方のアルコキシ基が脱離したものとなる。またビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を使用した場合には、ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物からカルボン酸部分由来のアルキルカルボニルオキシ基が脱離したものとなる。
【0047】
一方、停止末端は、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類を使用した場合には、アセタール,オレフィン又はアルデヒドとなる。またビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の場合は、ヘミアセタールのカルボン酸エステルとなる。
このようにして得られたポリマーの末端は、公知の方法により所望の基に変換することができる。この所望の基としては、例えば飽和の炭化水素,エーテル,アルコール,ケトン,ニトリル,アミドなどの残基を挙げることができるが、飽和の炭化水素,エーテル及びアルコールの残基が好ましい。
【0048】
一般式(III)で表されるビニルエーテル系モノマーの重合は、原料や開始剤の種類にもよるが、−80〜150℃の間で開始することができ、通常は−80〜50℃の範囲の温度で行うことができる。また、重合反応は反応開始後10秒から10時間程度で終了する。
この重合反応における分子量の調節については、前記一般式(III)で表されるビニルエーテル系モノマーに対し、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の量を多くすることで平均分子量の低いポリマーが得られる。さらに上記ブレンステッド酸類やルイス酸類の量を多くすることで平均分子量の低いポリマーが得られる。
【0049】
この重合反応は、通常溶媒の存在下に行われる。該溶媒については、反応原料を必要量溶解し、かつ反応に不活性なものであればよく特に制限はないが、例えばヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの炭化水素系、及びエチルエーテル,1,2−ジメトキシエタン,テトラヒドロフランなどのエーテル系の溶媒を好適に使用することができる。なお、この重合反応はアルカリを加えることによって停止することができる。重合反応終了後、必要に応じて通常の分離・精製方法を施すことにより、目的とする一般式(I)で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物が得られる。
【0050】
本発明に用いるポリビニルエーテル系化合物は、前記したように炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるのが好ましいが、原料モノマーの炭素/酸素モル比を調節することにより、該モル比が前記範囲にあるポリマーを製造することができる。すなわち、炭素/酸素モル比が大きいモノマーの比率が大きければ、炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られ、炭素/酸素モル比の小さいモノマーの比率が大きければ、炭素/酸素モル比の小さなポリマーが得られる。
【0051】
また、上記ビニルエーテル系モノマーの重合方法で示したように、開始剤として使用する水,アルコール類,フェノール類,アセタール類及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物と、モノマー類との組合せによっても可能である。重合するモノマーより炭素/酸素モル比が大きいアルコール類,フェノール類などを開始剤として使用すれば、原料モノマーより炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られ、一方、メタノールやメトキシエタノールなどの炭素/酸素モル比の小さなアルコール類を用いれば、原料モノマーより炭素/酸素モル比の小さなポリマーが得られる。
【0052】
さらに、ビニルエーテル系モノマーとオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとを共重合させる場合には、ビニルエーテル系モノマーの炭素/酸素モル比より炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られるが、その割合は、使用するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーの比率やその炭素数により調節することができる。
【0053】
前記(b)のポリオールエステルとしては、少なくとも2個の水酸基を含む多価ヒドロキシ化合物のカルボン酸エステルが挙げられ、例えば一般式(XVII)
R43〔OCOR44〕f ・・・(XVII)
(式中、R43は炭化水素基、R44は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基、fは2〜6の整数を示し、複数の−OCOR44は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるものを用いることができる。
【0054】
上記一般式(XVII) において、R43は炭化水素基を示し、直鎖状,分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数2〜10のアルキル基である。R44は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜16のアルキル基である。
上記一般式(XVII)で表されるポリオールエステルは、一般式(XVIII)
R43(OH)f ・・・(XVIII)
(式中、R43及びfは前記と同じである。)
で表される多価アルコールと、一般式(XIX)
R44COOH ・・・(XIX)
(式中、R44は前記と同じである。)
で表されるカルボン酸又はそのエステルや酸ハライドなどの反応性誘導体とを反応させることにより得ることができる。
【0055】
上記一般式(XVIII)で表される多価アルコールとしては、好ましくは、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコール,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,ソルビトールなどを挙げることができる。一方、(XIX)で表されるカルボン酸としては、好ましくは、例えばプロピオン酸,酪酸,ピバリン酸,吉草酸,カプロン酸,ヘプタン酸,3−メチルヘキサン酸,2−エチルヘキサン酸,カプリル酸,ペラルゴン酸,デカン酸,ラウリル酸,ミリスチン酸,パルミチン酸などを挙げることができる。
【0056】
前記(c)のポリアルキレングリコールとしては、下記の一般式(XX)
R45−〔(OR46)g −OR47〕h ・・・(XX)
(式中、R45は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R46は炭素数2〜4のアルキレン基、R47は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、hは1〜6の整数、gはg×hの平均値が6〜80となる数を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
【0057】
上記一般式(XX)において、R45,R47におけるアルキル基は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。このアルキル基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアルキル基の炭素数は1〜6である。
【0058】
また、R45,R47における該アシル基のアルキル基部分は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよい。該アシル基のアルキル基部分の具体例としては、上記アルキル基の具体例として挙げた炭素数1〜9の種々の基を同様に挙げることができる。該アシル基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアシル基の炭素数は2〜6である。
【0059】
R45及びR47が、いずれもアルキル基又はアシル基である場合には、R45とR47はたがいに同一でも異なっていてもよい。
さらにhが2以上の場合には、1分子中の複数のR47は同一でも異なっていてもよい。
R45が結合部位2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である場合、この脂肪族炭化水素基は鎖状のものでも環状のものであってもよい。結合部位2個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン基,シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基などを挙げることができる。また、結合部位3〜6個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばトリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ソルビトール;1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン;1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの多価アルコールから水酸基を除いた残基を挙げることができる。
【0060】
この脂肪族炭化水素基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離が生じる場合がある。好ましい炭素数は2〜6である。
前記一般式(XX)中のR46は炭素数2〜4のアルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン基,オキシブチレン基を挙げることができる。1分子中のオキシアルキレン基は同一であってもよいし、2個以上のオキシアルキレン基が含まれていてもよいが、1分子中に少なくともオキシプロピレン単位を含むものが好ましく、特にオキシアルキレン単位中に50モル%以上のオキシプロピレン単位を含むものが好適である。なお、2個以上のオキシアルキレン基が含まれる場合はランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
【0061】
前記一般式(XX)中のhは1〜6の整数で、R45の結合部位の数に応じて定められる。例えばR45がアルキル基やアシル基の場合、hは1であり、R45が結合部位2,3,4,5及び6個を有する脂肪族炭化水素基である場合、hはそれぞれ2,3,4,5及び6となる。また、gはg×hの平均値が6〜80となる数であり、g×hの平均値が前記範囲を逸脱すると本発明の目的は十分に達せられない場合がある。
【0062】
前記一般式(XX)で表されるポリアルキレングリコールは、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを包含するものであり、該水酸基の含有量が全末端基に対して、50モル%以下になるような割合であれば、含有していても好適に使用することができる。この水酸基の含有量が50モル%を超えると吸湿性が増大し、粘度指数が低下する場合がある。
【0063】
一般式(XX)で表されるポリアルキレングリコールとしては、ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル,ポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、さらにはポリオキシプロピレングリコールジアセテートなどが、経済性及び効果の点で好適である。
【0064】
以上の含酸素系合成油の基油は、40℃における動粘度が5〜500mm2 /s(好ましくは10〜300mm2 /s)、全酸価が0.1mgKOH/g以下であることが必要である。
粘度が高すぎると、相溶性の低下、動力損失が大きくなり、一方粘度が低すぎると、潤滑不良やシール漏れを起こすために好ましくない。また、全酸価が0.1mgKOH/gを超えると、金属材料を腐食したり、油の劣化変質の原因となるので好ましくない。
【0065】
さらに、基油として上記の含酸素系合成油に、冷媒との二層分離温度が5℃以下となるように鉱油やポリα−オレフィン系合成油(PAO)等を混合してもよい。
本発明の冷凍機用流体組成物の基油には、必要に応じ公知の各種添加剤、例えばリン酸エステルや亜リン酸エステルなどの潤滑性向上剤;フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、さらにはフェニルグリシジルエーテル,シクロヘキセンオキシド,エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物などの酸捕捉剤;ベンゾトリアゾール,ベンゾトリアゾールなどの銅不活性化剤;シリコーン油や弗化シリコーン油などの消泡剤などを、それぞれ0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で適宜配合することができる。なお、その配合量の基準は、基油と添加剤の和である。
本発明の冷凍機用流体組成物において、冷媒と基油の配合割合は、冷媒/基油(重量比)は0.1以上であり、好ましくは1以上である。
【0066】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〜8及び比較例1,2〕
第1表に示す種類の基油と冷媒(HFC−245fa)との冷凍機用流体組成物について、二層分離試験及びシールドチューブ試験を以下に示す要領で行い、性能を評価した。その結果を第1表に示す。
(1)二層分離試験
試料の油/冷媒(HFC−245fa)=1/9(重量比)の組成物3gを耐圧ガラス管に封入し、油と冷媒が分離する温度を測定した。
(2)シールドチュ−ブ試験
ガラス管に触媒Fe/Cu/Alを入れ、冷媒(HFC−245fa)/試料の油/水=1g/4g/2,000wtppmの割合で充填し、封管した。175℃で30日間保持した後、油外観、触媒外観、全酸価の増加量を求めた。
【0067】
【表1】
【0068】
〔注〕
・基油の種類
1:ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル
動粘度68mm2 /s(40℃),数平均分子量1,450
全酸価0.01mgKOH/g
2:ポリオキシプロピレン(A)・ポリオキシエチレン(B)グリコールモノメチルエーテルランダム共重合体,A単位/B単位(モル比)=7/3
動粘度72mm2 /s(40℃),数平均分子量1,500
全酸価0.01mgKOH/g
3:ポリオキシプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル
動粘度32mm2 /s(40℃),数平均分子量770
全酸価0.01mgKOH/g
4:ポリオキシプロピレン(A)・ポリオキシエチレン(B)グリコールモノn−ブチルエーテルランダム共重合体,A単位/B単位(モル比)=1/1
動粘度120mm2 /s(40℃),数平均分子量2,300
全酸価0.01mgKOH/g
5:ポリビニルエチルエーテル,動粘度120mm2 /s(40℃),
数平均分子量900,全酸価0.01mgKOH/g
【0069】
6:ポリビニルエチルエーテル(A)・ポリビニルイソブチルエーテル(B)ランダム共重合体,A単位/B単位(モル比)=8/2
動粘度74mm2 /s(40℃),数平均分子量730
全酸価0.01mgKOH/g
7:ヒンダードエステル(ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸,3,5,5−トリメチルヘキサン酸のエステル)
動粘度68mm2 /s(40℃),全酸価0.01mgKOH/g
8:ヒンダードエステル(ペンタエリスリトールとカプリル酸,ペラルゴン酸のエステル),動粘度113mm2 /s(40℃)
全酸価0.01mgKOH/g
9:コンプレックスエステル(トリメチロールプロパンとアジピン酸のエステル),動粘度130mm2 /s(40℃),全酸価0.01mgKOH/g
10:パラフィン系鉱油,動粘度68mm2 /s(40℃)
全酸価0.01mgKOH/g
【0070】
〔実施例9〜16、比較例3,4及び参考例1〕
第2表に示す種類の基油と添加剤を混合した冷凍機油組成物と冷媒(HFC−245fa)との冷凍機用流体組成物について、シールドチューブ試験及び耐焼付性試験を以下に示す要領で行い、性能を評価した。その結果を第2表に示す。
(1)シールドチュ−ブ試験
前記に同じ。
(2)耐焼付性試験
ASTM D3233に準拠したFALEX試験法を用いて評価し焼付荷重(Lbs)を求めた。
【0071】
【表2】
【0072】
〔注〕
・基油の種類
前記に同じ。
・添加剤の種類
A:トリクレジルホスフェート(TCP)
B:トリフェニルホスファイト
C:1−ドデセンオキサイド
D:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
【0073】
【発明の効果】
本発明の冷凍機用流体組成物は、優れた潤滑性能を有し、HFC−245fa冷媒に適したものであり、ターボ冷凍機に有効に利用できる。
Claims (5)
- (A)炭素数3〜5の弗化炭化水素の少なくとも一種からなる冷媒、及び(B)(a)ポリビニルエーテル、(b)下記の一般式( XVII )
R 43 〔OCOR 44 〕 f ・・・(XVII)
(式中、R 43 は炭化水素基、R 44 は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基、fは2〜6の整数を示し、複数の−OCOR 44 は同一でも異なっていてもよい。)で表されるポリオールエステル、(c)下記の一般式( XX )
R 45 −〔(OR 46 ) g −OR 47 〕 h ・・・( XX )
(式中、R 45 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R 46 は炭素数2〜4のアルキレン基、R 47 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、hは1〜6の整数、gはg×hの平均値が6〜80となる数を示す。)
で表されるポリアルキレングリコールから選ばれる少なくとも一種の含酸素系合成油で、40℃における動粘度が5〜500mm2/s、全酸価が0.1mgKOH/g以下である基油、を含有することを特徴とする冷凍機用流体組成物。 - さらに、リン酸エステル及び/又は亜リン酸エステル系潤滑性向上剤を配合してなる請求項1記載の冷凍機用流体組成物。
- (A)成分の冷媒が、HFC−245faである請求項1又は2記載の冷凍機用流体組成物。
- (A)成分の冷媒と(B)成分の基油の割合は、(A)/(B)(重量比)が0.1以上である請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍機用流体組成物。
- 冷凍機がターボ冷凍機である請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍機用流体組成物。
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