JP3983327B2 - 冷凍機油組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍機油組成物に関し、詳しくは、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム材と鋼材との間の潤滑性を向上させ、焼付や摩耗を抑えることができ、環境汚染をもたらさない1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)などの水素含有フロン冷媒を用いた冷凍機の潤滑油として好適な冷凍機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧縮型冷凍機は圧縮機,凝縮器,膨張弁,蒸発器から構成され、冷媒と潤滑油との混合液体がこの密閉された系内を循環する構造となっている。このような圧縮型冷凍機においては、冷媒として、従来ジクロロジフルオロメタン(R12)やクロロジフルオロメタン(R22)などが多く用いられ、また潤滑油として種々の鉱油や合成油が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、上記R12やR22などのクロロフルオロカーボンは、成層圏に存在するオゾン層を破壊するなど環境汚染をもたらすおそれがあることから、最近、世界的にその使用に対する規制が厳しくなりつつある。そのため、新しい冷媒としてハイドロフルオロカーボンやハイドロクロロフルオロカーボンなどの水素含有フロン化合物が注目されるようになってきた。この水素含有フロン化合物、特にR134aで代表されるハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊するおそれがない上、従来の冷凍機の構造をほとんど変更することなく、R12などと代替が可能であるなど、圧縮型冷凍機用冷媒として好ましいものである。
【0004】
この新しい代替フロン系冷媒は、従来のフロン系冷媒とは性質を異にし、それと併用される冷凍機油としては、例えば特定の構造を有するポリアルキレングリコール,ポリエステル,ポリオールエステル,ポリカーボネート,ポリビニルエーテルなどを基油とし、これに酸化防止剤,極圧剤,消泡剤,加水分解抑制剤などの各種添加剤を配合したものが有用であることが知られている。
【0005】
しかしながら、これらの冷凍機油は、上記の冷媒雰囲気下では潤滑性能に劣り、特にカーエアコンや電気冷蔵庫などの冷凍機のアルミニウム材と鋼材との間の摩耗を増大させ、実用上大きな問題となっている。このアルミニウム材と鋼材との摩擦部分は、レシプロタイプの圧縮機(特に斜板式)では、ピストンとピストンシュー、斜板とシュー部分など、ロータリータイプの圧縮機では、ベーンとハウジング部分などに使用されており、潤滑上重要な要素である。
一方、耐摩耗性向上剤は種々のものが知られているが、フロン雰囲気という特殊条件下で、アルミニウム材と鋼材との摩耗を安定性を害することなく、効果的に防止できる手段はこれまで知られていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム材と鋼材との間の潤滑性を向上させ、焼付や摩耗を抑えることができ、環境汚染をもたらさないR134aなどの水素含有フロン冷媒を用いた冷凍機の潤滑油として好適な冷凍機油組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、鉱油や合成油からなる基油に、特定のヒドロキシ脂肪酸誘導体を配合することにより、上記本発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、鉱油及び/又は合成油からなる基油に、(A)ヒドロキシ脂肪酸又はその縮合物、(B)ヒドロキシ脂肪酸もしくはその縮合物の金属塩又はアミン塩、(C)ヒドロキシ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種のヒドロキシ脂肪酸誘導体を配合してなる冷凍機油組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の冷凍機油組成物においては、基油として鉱油及び/又は合成油が用いられる。この鉱油や合成油については、一般に冷凍機油の基油として用いられているものであればよく、特に制限はないが、100℃における動粘度が1〜100mm2 /s、特に2〜60mm2 /s、とりわけ3〜40mm2 /sの範囲にあるものが好適である。また、この基油の低温流動性の指標である流動点については特に制限はないが、−10℃以下であるのが望ましい。
【0009】
このような鉱油,合成油は各種のものがあり、用途などに応じて適宜選定すればよい。鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油,中間基系鉱油などが挙げられ、一方合成油としては、含酸素有機化合物及び炭化水素系合成油などが挙げられる。
合成油の中で、含酸素有機化合物としては、分子中にエーテル基,ケトン基,エステル基,カーボネート基,ヒドロキシル基などを含有する合成油、さらにはこれらの基とともにヘテロ原子(S,P,F,Cl,Si,Nなど)を含有する合成油が挙げられ、具体的には▲1▼ポリアルキレングリコール,▲2▼ポリビニルエーテル,▲3▼ポリエステル,▲4▼ポリオールエステル,▲5▼カーボネート誘導体,▲6▼ポリエーテルケトン及び▲7▼フッ素化油などである。
【0010】
上記▲1▼のポリアルキレングリコールとしては、例えば一般式(I)
1 −〔(OR2 m −OR3 n ・・・(I)
(式中、R1 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、nは1〜6の整数、mはm×nの平均値が6〜80となる数を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
【0011】
上記一般式(I)において、R1 ,R3 におけるアルキル基は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。このアルキル基の炭素数が10を超えるとフロン冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアルキル基の炭素数は1〜6である。
【0012】
また、R1 ,R3 における該アシル基のアルキル基部分は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよい。該アシル基のアルキル基部分の具体例としては、上記アルキル基の具体例として挙げた炭素数1〜9の種々の基を同様に挙げることができる。該アシル基の炭素数が10を超えるとフロン冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアシル基の炭素数は2〜6である。
【0013】
1 及びR3 が、いずれもアルキル基又はアシル基である場合には、R1 とR3 はたがいに同一でも異なっていてもよい。
さらにnが2以上の場合には、1分子中の複数のR3 は同一でも異なっていてもよい。
1 が結合部位2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である場合、この脂肪族炭化水素基は鎖状のものでも環状のものであってもよい。結合部位2個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン基,シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基などを挙げることができる。また、結合部位3〜6個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばトリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ソルビトール;1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン;1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの多価アルコールから水酸基を除いた残基を挙げることができる。
【0014】
この脂肪族炭化水素基の炭素数が10を超えるとフロン冷媒との相溶性が低下し、相分離が生じる場合がある。好ましい炭素数は2〜6である。
前記一般式(I)中のR2 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン基,オキシブチレン基を挙げることができる。1分子中のオキシアルキレン基は同一であってもよいし、2個以上のオキシアルキレン基が含まれていてもよいが、1分子中に少なくともオキシプロピレン単位を含むものが好ましく、特にオキシアルキレン単位中に50モル%以上のオキシプロピレン単位を含むものが好適である。
【0015】
前記一般式(I)中のnは1〜6の整数で、R1 の結合部位の数に応じて定められる。例えばR1 がアルキル基やアシル基の場合、nは1であり、R1 が結合部位2,3,4,5及び6個を有する脂肪族炭化水素基である場合、nはそれぞれ2,3,4,5及び6となる。また、mはm×nの平均値が6〜80となる数であり、m×nの平均値が前記範囲を逸脱すると本発明の目的は十分に達せられない場合がある。
【0016】
前記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールは、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを包含するものであり、該水酸基の含有量が全末端基に対して、50モル%以下になるような割合であれば、含有していても好適に使用することができる。この水酸基の含有量が50モル%を超えると吸湿性が増大し、粘度指数が低下する場合がある。
【0017】
一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールとしては、ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル及びポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、さらにはポリオキシプロピレングリコールジアセテートなどが、経済性及び効果の点で好適である。
なお、上記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールについては、特開平2−305893号公報に詳細に掲載されたものをいずれも使用することができる。
前記▲2▼のポリビニルエーテルとしては、例えば一般式(II)
【0018】
【化1】
Figure 0003983327
【0019】
(式中、R4 〜R6 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R7 は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R8 は炭素数1〜20の炭化水素基、aはその平均値が0〜10の数を示し、R4 〜R8 は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよく、またR7 Oが複数ある場合には、複数のR7 Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物(1)が挙げられる。
また、上記一般式(II)で表される構成単位と、一般式(III)
【0020】
【化2】
Figure 0003983327
【0021】
(式中、R9 〜R12は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、またR9 〜R12は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。)
で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体からなるポリビニルエーテル化合物(2)も使用することができる。
【0022】
上記一般式(II)におけるR4 〜R6 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。ここで炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基のアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基のアリールアルキル基を挙げることができる。なお、これらのR4 〜R6 としては、特に水素原子が好ましい。
【0023】
一方、一般式(II)中のR7 は、炭素数1〜10、好ましくは2〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を示すが、ここで炭素数1〜10の二価の炭化水素基とは、具体的にはメチレン基;エチレン基;フェニルエチレン基;1,2−プロピレン基;2−フェニル−1,2−プロピレン基;1,3−プロピレン基;各種ブチレン基;各種ペンチレン基;各種ヘキシレン基;各種ヘプチレン基;各種オクチレン基;各種ノニレン基;各種デシレン基の二価の脂肪族基、シクロヘキサン;メチルシクロヘキサン;エチルシクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン;プロピルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素に2個の結合部位を有する脂環式基、各種フェニレン基;各種メチルフェニレン基;各種エチルフェニレン基;各種ジメチルフェニレン基;各種ナフチレン基などの二価の芳香族炭化水素基、トルエン;エチルベンゼンなどのアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有するアルキル芳香族基、キシレン;ジエチルベンゼンなどのポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族基などを挙げることができる。これらの中で炭化数2〜4の脂肪族基が特に好ましい。
【0024】
また、炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシメチレン基;メトキシエチレン基;メトキシメチルエチレン基;1,1−ビスメトキシメチルエチレン基;1,2−ビスメトキシメチルエチレン基;エトキシメチルエチレン基;(2−メトキシエトキシ)メチルエチレン基;(1−メチル−2−メトキシ)メチルエチレン基などを好適に挙げることができる。なお、一般式(II)におけるaはR7 Oの繰り返し数を示し、その平均値が0〜10、好ましくは0〜5の範囲の数である。R7 Oが複数ある場合には、複数のR7 Oは同一でも異なっていてもよい。
【0025】
さらに、一般式(II)におけるR8 は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を示すが、この炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種プロピルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基,各種プロピルフェニル基,各種トリメチルフェニル基,各種ブチルフェニル基,各種ナフチル基などのアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基,各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基のアリールアルキル基などを挙げることができる。
【0026】
上記一般式(II)で表されるポリビニルエーテル系化合物(1)は、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が4.2未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、フロンとの相溶性が低下する場合がある。
上記一般式(III)において、R9 〜R12は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、上記一般式(II)におけるR8 の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。なお、R9 〜R12は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。
該一般式(II)で表される構成単位と一般式(III)で表される構成単位とを有するブロックまたはランダム共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物(2)も、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が4.2未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、フロンとの相溶性が低下する場合がある。
【0027】
さらに本発明においては、上記ポリビニルエーテル系化合物(1)と上記ポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物も使用することができる。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物(1)及び(2)は、それぞれ対応するビニルエーテル系モノマーの重合、及び対応するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーと、対応するビニルエーテル系モノマーとの共重合により製造することができる。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物としては、次の末端構造を有するもの、すなわちその一つの末端が、一般式(IV)又は(V)
【0028】
【化3】
Figure 0003983327
【0029】
(式中、R13〜R15は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R13〜R15はたがいに同一でも異なっていてもよく、R18〜R21は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R18〜R21はたがいに同一でも異なっていてもよい。R16は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R17は炭素数1〜20の炭化水素基、bはその平均値が0〜10の数を示し、R16Oが複数ある場合には、複数のR16Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ残りの末端が一般式(VI)又は(VII)
【0030】
【化4】
Figure 0003983327
【0031】
(式中、R22〜R24は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R22〜R24はたがいに同一でも異なっていてもよく、R27〜R30は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R27〜R30はたがいに同一でも異なっていてもよい。R25は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R26は炭素数1〜20の炭化水素基、cはその平均値が0〜10の数を示し、R25Oが複数ある場合には、複数のR25Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するもの、及びその一つの末端が、上記一般式(VI)又は(VII)で表され、かつ残りの末端が一般式(VIII)
【0032】
【化5】
Figure 0003983327
【0033】
(式中、R31〜R33は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するものが好ましい。
このようなポリビニルエーテル系化合物の中で、特に次に挙げるものが本発明の冷凍機油組成物の基油として好適である。
(1)その一つの末端が一般式(IV)又は(V)で表され、かつ残りの末端が一般式(VI)又は(VII)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR4 〜R6 が共に水素原子、aが0〜4の数、R7 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR8 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(2)一般式(II)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(IV)で表され、かつ残りの末端が一般式(VI)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR4 〜R6 が共に水素原子、aが0〜4の数、R7 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR8 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(3)その一つの末端が一般式(IV)又は(V)で表され、かつ残りの末端が一般式(VIII)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR4 〜R6 が共に水素原子、aが0〜4の数、R7 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR8 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(4)一般式(II)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(IV)で表され、かつ残りの末端が一般式(VII)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR4 〜R6 が共に水素原子、aが0〜4の数、R7 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR8 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
また、本発明においては、前記一般式(II)で表される構成単位を有し、その一つの末端が一般式(IV)で表され、かつ残りの末端が一般式(IX)
【0034】
【化6】
Figure 0003983327
【0035】
(式中、R34〜R36は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R37及びR39はそれぞれ炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R38及びR40はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、d及びeはそれぞれその平均値が0〜10の数を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、また複数のR37Oがある場合には複数のR37Oは同一でも異なっていてもよいし、複数のR39Oがある場合には複数のR39Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。さらに、本発明においては、一般式(X)又は(XI)
【0036】
【化7】
Figure 0003983327
【0037】
(式中、R41は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構成単位からなり、かつ重量平均分子量が300〜3000(好ましくは300〜2000)であって、片方の末端が一般式(XII)又は(XIII)
【0038】
【化8】
Figure 0003983327
【0039】
(式中、R42は炭素数1〜3のアルキル基、R43は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構造を有するアルキルビニルエーテルの単独重合物又は共重合物からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
なお、上記のポリビニルエーテルについては、特開平6−128578号公報,特開平6−234814号,特開平6−234815号,特開平8−193196号公報の各明細書のそれぞれに詳細に記載されているものをいずれも使用することができる。
前記▲3▼のポリエステルとしては、例えば一般式(XIV)
【0040】
【化9】
Figure 0003983327
【0041】
(式中、R44は炭素数1〜10のアルキレン基,R45は炭素数2〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のオキサアルキレン基を示す。)
で表される構成単位を有し、かつ分子量が300〜2000である脂肪族ポリエステル誘導体を挙げることができる。
この一般式(XIV)中のR44は炭素数1〜10のアルキレン基を示すが、具体的にはメチレン基,エチレン基,プロピレン基,エチルメチレン基,1,1−ジメチルエチレン基,1,2−ジメチルエチレン基,n−ブチルエチレン基,イソブチルエチレン基,1−エチル−2−メチルエチレン基,1−エチル−1−メチルエチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基などを挙げることができるが、好ましくは炭素数6以下のアルキレン基である。また、R45は炭素数2〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のオキサアルキレン基を示す。アルキレン基は、具体的にはR44の具体例(但し、メチレン基を除く)と同様であり、好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基であり、オキサアルキレン基は具体的には、3−オキサ−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1,4−ジメチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,4,7−トリメチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,4,7,10−テトラメチル−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1,4−ジエチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,4,7−トリエチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,4,7,10−テトラエチル−1,11−ウンデシレン基;3−オキサ−1,1,4,4−テトラメチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,1,4,4,7,7−ヘキサメチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,1,1−ウンデシレン基;3−オキサ−1,2,4,5−テトラメチル−1,5−ペンチレン基;3,6−ジオキサ−1,2,4,5,7,8−ヘキサメチル−1,8−オクチレン基;3,6,9−トリオキサ−1,2,4,5,7,8,10,11−オクタメチル−1,1,1−ウンデシレン基;3−オキサ−1−メチル−1,5−ペンチレン基;3−オキサ−1−エチル−1,5−ペンチレン基;3−オキサ−1,2−ジメチル−1,5−ペンチレン基;3−オキサ−1−メチル−4−エチル−1,5−ペンチレン基;4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチル−1,7−ヘプチレン基;4,8−ジオキサ−2,2,6,6,10,10−ヘキサメチル−1,11−ウンデシレン基などを挙げることができる。なお、R44,R45は構成単位毎に同じでも異なっていてもよい。
【0042】
さらに、上記一般式(XIV)で表される脂肪族ポリエステル誘導体は、分子量(GPCによる測定値)が300〜2000であることが望ましい。ここで分子量が300未満のものでは、動粘度が小さすぎ、また2000を超えるものではワックス状となり、いずれも冷凍機油として好ましくない。
このようなポリエステルについては、国際公開公報WO91/07479号公報に詳細に記載されたものをいずれも使用することができる。
【0043】
前記▲4▼のポリオールエステルとしては、少なくとも2個の水酸基を含む多価ヒドロキシ化合物のカルボン酸エステルが挙げられ、例えば一般式(XV)
46〔OCOR47f ・・・(XV)
(式中、R46は炭化水素基、R47は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基、fは2〜6の整数を示し、複数の−OCOR47は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるものを用いることができる。
【0044】
上記一般式(XV)において、R46は炭化水素基を示し、直鎖状,分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数2〜10のアルキル基である。R47は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜16のアルキル基である。
上記一般式(XV)で表されるポリオールエステルは、一般式(XVI)
46(OH)f ・・・(XVI)
(式中、R46及びfは前記と同じである。)
で表される多価アルコールと、一般式(XVII)
47COOH ・・・(XVII)
(式中、R47は前記と同じである。)
で表されるカルボン酸又はそのエステルや酸ハライドなどの反応性誘導体とを反応させることにより得ることができる。
【0045】
上記一般式(XVI)で表される多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコール,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,ソルビトールなどを挙げることができる。一方、(XVII)で表されるカルボン酸としては、例えばプロピオン酸,酪酸,ピバリン酸,吉草酸,カプロン酸,ヘプタン酸,3−メチルヘキサン酸,2−エチルヘキシル酸,カプリル酸,デカン酸,ラウリル酸,ミリスチン酸,パルミチン酸などを挙げることができる。
前記▲5▼のカーボネート誘導体としては、例えば一般式(XVIII)
【0046】
【化10】
Figure 0003983327
【0047】
(式中、R48及びR50は、それぞれ炭素数30以下の炭化水素基又は炭素数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R49は炭素数2〜24のアルキレン基、gは1〜100の整数、hは1〜10の整数を示す。)
で表されるポリカーボネートを挙げることができる。
【0048】
上記一般式(XVIII)において、R48及びR50は、それぞれ炭素数30以下の炭化水素基又は炭素数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基であって、炭素数30以下の炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基;各種ノニル基;各種デシル基;各種ウンデシル基;各種ドデシル基,各種トリデシル基,各種テトラデシル基,各種ペンタデシル基,各種ヘキサデシル基,各種ヘプタデシル基,各種オクタデシル基,各種ノナデシル基,各種エイコシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基,1−シクロヘキセニル基,メチルシクロヘキシル基,ジメチルシクロヘキシル基,デカヒドロナフチル基,トリシクロデカニル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基,各種トリル基,各種キシリル基,メシチル基,各種ナフチル基などの芳香族炭化水素基、ベンジル基,メチルベンジル基,フェニルエチル基,1−メチル−1−フェニルエチル基,スチリル基,シンナミル基などの芳香脂肪族炭化水素基などを挙げることができる。
【0049】
また、 炭素数2〜30のエーテル結合を有する炭化水素基としては、例えば一般式(XIX)
−(R51−O)i −R52 ・・・(XIX)
〔式中、R51は炭素数2又は3のアルキレン基(エチレン基,プロピレン基,トリメチレン基)、R52は炭素数28以下の脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基(R48及びR50の具体例で挙げた基と同様のもの)、iは1〜20の整数を示す。〕
で表されるグリコールエーテル基、具体的にはエチレングリコールモノメチルエーテル基,エチレングリコールモノブチルエーテル基,ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル基,トリエチレングリコールモノエチルエーテル基,プロピレングリコールモノメチルエーテル基,プロピレングリコールモノブチルエーテル基,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル基,トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル基などを挙げることができる。これらの中では、n−ブチル基;イソブチル基;イソアミル基;シクロヘキシル基;イソヘプチル基;3−メチルヘキシル基;1,3−ジメチルブチル基;ヘキシル基;オクチル基;2−エチルヘキシル基などのアルキル基、エチレングリコールモノメチルエーテル基,エチレングリコールモノブチルエーテル基,ジエチレングリコールモノメチルエーテル基,トリエチレングリコールモノメチルエーテル基,プロピレングリコールモノメチルエーテル基,プロピレングリコールモノブチルエーテル基,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル基,トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル基などのアルキレングリコールモノアルキルエーテル基などが好ましい。
【0050】
また、上記一般式(XVIII)において、R49は炭素数2〜24のアルキレン基であり、具体例としてはエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,アミレン基,メチルアミレン基,エチルアミレン基,ヘキシレン基,メチルヘキシレン基,エチルヘキシレン基,オクタメチレン基,ノナメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基,テトラデカメチレン基などを挙げることができる。R49Oが複数ある場合は、複数のR49は同一でも異なっていてもよい。
【0051】
この一般式(XVIII)で表されるポリカーボネートは、分子量(重量平均分子量)が300〜3000、好ましくは400〜1500のものが好適である。分子量が300未満のものでは、動粘度が小さすぎて潤滑油として不適当であり、逆に3000を超えるものでは、ワックス状となり潤滑油としての使用が困難となり好ましくない。
このポリカーボネートは、各種の方法により製造することができるが、通常は炭酸ジエステルあるいはホスゲンなどの炭酸エステル形成性誘導体と脂肪族二価アルコールを原料として製造される。
これらを用いてポリカーボネートを製造するには、通常のポリカーボネートの製造法に従えばよく、一般にはエステル交換法やホスゲン法によればよい。
【0052】
上記ポリカーボネートは特開平3−217495号公報に詳細に記載されるものをいずれも使用することができる。
さらに、カーボネート誘導体として、一般式(XX)
53−O−(R55O)j −CO−(OR56k −O−R54) ・・・(XX)
(式中、R53及びR54は、それぞれ炭素数1〜20の脂肪族,脂環式,芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R55及びR56は、それぞれエチレン基又はイソプロピレン基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、j及びkは、それぞれ1〜100の数を示す。)
で表されるグリコールエーテルカーボネートを使用することができる。
【0053】
上記一般式(XX)において、R53及びR54における脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基;各種ノニル基;各種デシル基;各種ウンデシル基;各種ドデシル基,各種トリデシル基,各種テトラデシル基,各種ペンタデシル基,各種ヘキサデシル基,各種ヘプタデシル基,各種オクタデシル基,各種ノナデシル基,各種エイコシル基などを挙げることができる。脂環式炭化水素基の具体例としては、シクロヘキシル基,1−シクロヘキセニル基,メチルシクロヘキシル基,ジメチルシクロヘキシル基,デカヒドロナフチル基,トリシクロデカニル基などを挙げることができる。芳香族炭化水素の具体例としては、フェニル基,各種トリル基,各種キシリル基,メシチル基,各種ナフチル基などを挙げることができる。芳香脂肪族炭化水素基の具体例としては、ベンジル基,メチルベンジル基,フェニルエチル基,スチリル基,シンナミル基などを挙げることができる。
【0054】
上記一般式(XX)で表されるグリコールエーテルカーボネートは、例えばポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルを、比較的低沸点のアルコールの炭酸エステルの過剰存在下でエステル交換させることによって製造することができる。
上記のグリコールエーテルカーボネートについては、特開平3−149295号公報に詳細に記載されているものをいずれも使用することができる。
さらに、カーボネート誘導体として、一般式(XXI)
【0055】
【化11】
Figure 0003983327
【0056】
(式中、R57及びR58は、それぞれ炭素数1〜15のアルキル基又は炭素数2〜12の二価のアルコール残基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R59は炭素数2〜12のアルキレン基を示し、pは0〜30の整数を示す。)
で表される炭酸エステルを使用することもできる。
【0057】
上記一般式(XXI)において、R57及びR58は、それぞれ炭素数1〜15、好ましくは炭素数2〜9のアルキル基又は炭素数2〜12、好ましくは2〜9の二価アルコール残基を示し、R59は炭素数2〜12、好ましくは2〜9のアルキレン基を示し、pは0〜30、好ましくは1〜30の整数を示す。上記条件を満たさない炭酸エステルを使用すると、フロン冷媒との相溶性などの各種性能が劣るため好ましくない。R57及びR58における炭素数1〜15のアルキル基としては、具体的には、メチル基,エチル基,n−プロピル基,n−ブチル基,n−ペンチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプチル基,n−オクチル基,n−ノニル基,n−デシル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−トリデシル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基,イソプロピル基,イソブチル基,tert−ブチル基,イソペンチル基,イソヘキシル基,イソヘプチル基,イソオクチル基,イソノニル基,イソデシル基,イソウンデシル基,イソドデシル基,イソトリデシル基,イソテトラドシル基,イソペンタデシル基などを挙げることができる。
【0058】
また、炭素数2〜12の二価のアルコール残基としては、具体的には、エチレングリコール;1,3−プロパンジオール;プロピレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,2−ブタンジオール;8−メチル−1,3−プロパンジオール;1,5−ペンタンジオール;ネオペンチルグリコール;1,6−ヘキサンジオール;2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール;1,7−ヘプタンジオール;2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール;2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール;1,8−オクタンジオール;1,9−ノナンジオール;1,10−デカンジオール;1,11−ウンデカンジオール;1,12−ドデカンジオールなどの残基を挙げることができる。
【0059】
さらに、R59で表される炭素数2〜12のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基;トリメチレン基;プロピレン基;テトラメチレン基;ブチレン基;2−メチルトリメチレン基;ペンタメチレン基;2,2−ジメチルトリメチレン基;ヘキサメチレン基;2−エチル−2−メチルトリメチレン基;ヘプタメチレン基;2−メチル−2−プロピルトリメチレン基;2,2−ジエチルトリメチレン基;オクタメチレン基;ノナメチレン基;デカメチレン基;ウンデカメチレン基;ドデカメチレン基などの直鎖構造や分岐構造を有するものを挙げることができる。
【0060】
上記炭酸エステルの分子量は特に限定されるものでないが、圧縮機の密封性をより向上させるなどの点から、数平均分子量が200〜3000のものが好適に使用され、数平均分子量が300〜2000のものがより好適に使用される。
上記炭酸エステルについては、特開平4−63893号公報に詳細に記載されているものをいずれも使用することができる。
前記▲6▼Kポリエーテルケトンとしては、例えば一般式(XXII)
【0061】
【化12】
Figure 0003983327
【0062】
(式中、Qは1〜8価のアルコール残基、R60は炭素数2〜4のアルキレン基、R61はメチル基又はエチル基、R62及びR64は、それぞれ水素原子、炭素数20以下の脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基で、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R63は炭素数20以下の脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基を示し、r及びsは0〜30の数、uは1〜8の数、vは0〜7の数、かつu+vは1〜8を満たし、tは0又は1を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
【0063】
上記一般式(XXII)において、Qは1〜8価のアルコール残基であり、Qを残基とするアルコールとしては、一価アルコールとして、例えばメチルアルコール,エチルアルコール,直鎖又は分岐のプロピルアルコール,直鎖または分岐のブチルアルコール,直鎖又は分岐のペンチルアルコール,直鎖又は分岐のヘキシルアルコール,直鎖又は分岐のヘプチルアルコール,直鎖又は分岐のオクチルアルコール,直鎖又は分岐のノニルアルコール,直鎖又は分岐のデシルアルコール,直鎖又は分岐のウンデシルアルコール,直鎖又は分岐のドデシルアルコール,直鎖又は分岐のトリデシルアルコール,直鎖又は分岐のテトラデシルアルコール,直鎖又は分岐のペンタデシルアルコール,直鎖又は分岐のヘキサデシルアルコール,直鎖又は分岐のヘプタデシルアルコール,直鎖又は分岐のオクタデシルアルコール,直鎖又は分岐のノナデシルアルコール,直鎖又は分岐のエイコシルアルコールなどの脂肪族一価アルコール;フェノール,メチルフェノール,ノニルフェノール,オクチルフェノール,ナフトールなどの芳香族アルコール;ベンジルアルコール,フェニルエチルアルコールなどの芳香脂肪族アルコール;及びこれらの部分エーテル化物などを、二価アルコールとして、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコール,テトラメチレングリコールなどの直鎖又は分岐の脂肪族アルコール,カテコール,レゾルシノール,ビスフェノールA,ビスフェニルジオールなどの芳香族アルコール、及びこれらの部分エーテル化物などを、三価アルコールとして、例えばグリセリン;トリメチロールプロパン;トリメチロールエタン;トリメチロールブタン;1,3,5−ペンタントリオールなどの直鎖又は分岐の脂肪族アルコール,ピロガロール,メチルピロガロール,5−sec−ブチルピロガロールなどの芳香族アルコール及びこれらの部分エーテル化物などを、四価〜八価のアルコールとして、例えばペンタエリスリトール,ジグリセリン,ソルビタン,トリグリセリン,ソルビトール,ジペンタエリスリトール,テトラグリセリン,ペンタグリセリン,ヘキサグリセリン,トリペンタエリスリトールなどの脂肪族アルコール及びこれらの部分エーテル化物などを挙げることができる。
【0064】
また、上記一般式(XXII)において、R60で示される炭素数2〜4のアルキレン基は直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、具体例としては、エチレン基;プロピレン基;エチルエチレン基;1,1−ジメチルエチレン基;1,2−ジメチルエチレン基などを挙げることができる。また、R62〜R64で示される炭素数20以下の脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基;エチル基;プロピル基;ブチル基;ペンチル基;ヘプチル基;オクチル基;ノニル基;デシル基;ウンデシル基;ラウリル基;ミリスチル基;パルミチル基;ステアリル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基;イソブチル基;イソアミル基;2−エチルヘキシル基;イソステアリル基;2−ヘプチルウンデシル基などの分岐鎖アルキル基、フェニル基;メチルフェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアリールアルキル基などを挙げることができる。
【0065】
一般式(XXII)において、r及びsは0〜30の数を示し、r,sが30をを超えると分子内におけるエーテル基の寄与が増し、フロン冷媒との相溶性,電気絶縁性,吸湿性の面で好ましくない。また、uは1〜8の数、vは0〜7の数であって、u+vは1〜8の関係を満たし、これらの数は平均値を示し、整数には限られない。tは0又は1である。また、r×u個のR60はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、s×u個のR61はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。uが2以上の場合、u個のr,s,t,R62及びR63はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、さらにvが2以上の場合、v個のR64はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0066】
上記一般式(XXII)で表されるポリエーテルケトンを製造する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、二級のアルキルオキシアルコールを次亜塩素酸塩と酢酸によって酸化する方法(特開平4−126716号公報)、あるいは水酸化ジルコニウムとケトンを用いて酸化する方法(特開平3−167149号公報)を用いることができる。
【0067】
前記▲7▼のフッ素化油としては、例えばフッ化シリコーン油、パーフルオロポリエーテル、アルカンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの反応化物などを挙げることができる。アルカンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの反応化物の例としては、一般式(XXIII)
n 2n+2 ・・・(XXIII)
(式中、nは6〜20の整数を示す。)
で表されるアルカンに、一般式(XXIV)
CF2 =CFOCm 2m+1 ・・・(XXIV)
(式中、mは1〜4の整数を示す。)
で表されるパーフルオロアルキルビニルエーテルを反応させて得られる一般式(XXV)
n (2n+2-w)(CF2 −CFHOCm 2m+1w ・・・(XXV)
(式中、wは1〜4の整数を示し、n及びmは前記と同じである。)
で表される化合物を挙げることができる。
【0068】
上記一般式(XXIII)で表されるアルカンは直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、その具体例としては、n−オクタン;n−デカン;n−ドデカン;シクロオクタン;シクロドデカン;2,2,4−トリメチルペンタンなどを挙げることができ、一方、一般式(XXIV)で表されるパーフルオロアルキルビニルエーテルの具体例としては、パーフルオロメチルビニルエーテル,パーフルオロエチルビニルエーテル,パーフルオロn−プロピルビニルエーテル,パーフルオロn−ブチルビニルエーテルなどを挙げることができる。
【0069】
一方、炭化水素系合成油としては、例えばポリ−α−オレフィンなどのオレフィン系重合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げることができる。
本発明の冷凍機油組成物においては、基油として前記鉱油を一種用いても二種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記合成油を一種用いても二種以上を組み合わせて用いてもよく、あるいは鉱油一種以上と合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよいが、特に含酸素有機化合物がR−134aなどのフロン冷媒との相溶性がよく、かつ潤滑性能に優れ好適である。
【0070】
本発明の冷凍機油組成物においては、基油に対し、(A)ヒドロキシ脂肪酸又はその縮合物、(B)ヒドロキシ脂肪酸もしくはその縮合物の金属塩又はアミン塩、(C)ヒドロキシ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種のヒドロキシ脂肪酸誘導体が配合される。
上記(A)化合物のヒドロキシカルボン酸としては、通常炭素数3〜40で、好ましくは12〜20のカルボン酸を使用できる。カルボン酸の種類としては、飽和アルキル基、不飽和アルキル基を有するカルボン酸を使用することができる。ヒドロキシ基の数は、通常1以上で、2〜10が好ましい。また、カルボン酸の数は、通常1以上で、1〜10が好ましい。
【0071】
まず、ヒドロキシ基を1個、カルボン酸を1個する飽和脂肪酸について説明する。アルキル基部位が直鎖状アルキル基のものとしては、具体的には、2−ヒドロキシ吉草酸,2−ヒドロキシカプロン酸,6−ヒドロキシカプロン酸,2−ヒドロキシエナント酸,7−ヒドロキシエナント酸,2−ヒドロキシカプリル酸,3−ヒドロキシカプリル酸,8−ヒドロキシカプリル酸,2−ヒドロキシペラルゴン酸,3−ヒドロキシペラルゴン酸,9−ヒドロキシペラルゴン酸,2−ヒドロキシカプリン酸,3−ヒドロキシカプリン酸,10−ヒドロキシカプリン酸,2−ヒドロキシウンデカン酸,3−ヒドロキシウンデカン酸,11−ヒドロキシウンデカン酸,2−ヒドロキシラウリン酸,3−ヒドロキシラウリン酸,12−ヒドロキシラウリン酸,2−ヒドロキシトリデカン酸,3−ヒドロキシトリデカン酸,13−ヒドロキシトリデカン酸,2−ヒドロキシミリスチン酸,3−ヒドロキシミリスチン酸,14−ヒドロキシミリスチン酸,2−ヒドロキシペンタデカン酸,3−ヒドロキシペンタデカン酸,15−ヒドロキシペンタデカン酸,2−ヒドロキシパルミチン酸,3−ヒドロキシパルミチン酸,16−ヒドロキシパルミチン酸,2−ヒドロキシマルガリン酸,3−ヒドロキシマルガリン酸,17−ヒドロキシマルガリン酸,2−ヒドロキシステアリン酸,3−ヒドロキシステアリン酸,4−ヒドロキシステアリン酸,5−ヒドロキシステアリン酸,6−ヒドロキシステアリン酸,7−ヒドロキシステアリン酸,8−ヒドロキシステアリン酸,9−ヒドロキシステアリン酸,10−ヒドロキシステアリン酸,11−ヒドロキシステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸,13−ヒドロキシステアリン酸,14−ヒドロキシステアリン酸,15−ヒドロキシステアリン酸,16−ヒドロキシステアリン酸,17−ヒドロキシステアリン酸,18−ヒドロキシステアリン酸,2−ヒドロキシノナデカン酸,3−ヒドロキシノナデカン酸,19−ヒドロキシノナデカン酸,2−ヒドロキシアラキン酸,3−ヒドロキシアラキン酸,20−ヒドロキシアラキン酸,3−ヒドロキシヘンエイコサン酸,21−ヒドロキシヘンエイコサン酸,2−ヒドロキシベヘン酸,3−ヒドロキシベヘン酸,3−ヒドロキシトリコサン酸,2−ヒドロキシリグノセリン酸,3−ヒドロキシリグノセリン酸,2−ヒドロキシヘキサコサン酸,2−ヒドロキシトリアコンタン酸,2−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸などを挙げることができる。アルキル基部位が分岐鎖状アルキル基のものとしては、2−メチル−2−ヒドロキシエナント酸,2−メチル−3−ヒドロキシペラルゴン酸,3−メチル−3−ヒドロキシペラルゴン酸,2−メチル−3−ヒドロキシカプリン酸,2−メチル−3−ヒドロキシウンデカン酸,3−メチル−3−ヒドロキシウンデカン酸,2−メチル−2−ヒドロキシラウリン酸,2−メチル−3−ヒドロキシラウリン酸,2−メチル−2−ヒドロキシトリデカン酸,2−メチル−3−ヒドロキシトリデカン酸,3−メチル−3−ヒドロキシトリデカン酸,2−メチル−2−ヒドロキシミリスチン酸,2−メチル−3−ヒドロキシミリスチン酸,2−メチル−2−ヒドロキシペンタデカン酸,2−メチル−3−ヒドロキシペンタデカン酸,3−メチル−3−ヒドロキシペンタデカン酸,2−メチル−2−ヒドロキシパルミチン酸,2−メチル−2−ヒドロキシマルガリン酸,2−メチル−3−ヒドロキシマルガリン酸,3−メチル−3−ヒドロキシマルガリン酸,2−メチル−2−ヒドロキシステアリン酸,2−メチル−2−ヒドロキシノナデカン酸,2−メチル−3−ヒドロキシノナデカン酸,3−メチル−3−ヒドロキシノナデカン酸などを挙げることができる。また、下記式(XXVI)
【0072】
【化13】
Figure 0003983327
【0073】
(ここで、R65は炭素数1〜25のアルキル基を示し、R66は炭素数5〜25のアルキル基を示し、R65及びR66はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される3,3−ジアルキル−3−ヒドロキシプロピオン酸も使用することができる。具体的には第1表に記載のアルキル基を有する化合物を挙げることができる。
【0074】
【表1】
Figure 0003983327
【0075】
【表2】
Figure 0003983327
【0076】
次に、ヒドロキシ基を1個、カルボン酸を1個する不飽和脂肪酸については、具体的には、2−ヒドロキシ−3−ペンテン酸;4−ヒドロキシ−3−ペンテン酸;4−ヒドロキシ−4−ペンテン酸;5−ヒドロキシ−2,4−ペンタジエン酸;4−ヒドロキシ−2−ヘキセン酸;3−ヒドロキシ−4−ヘキセン酸;4−ヒドロキシ−13−テトラデセン酸;16−ヒドロキシ−6−ヘキサデセン酸;16−ヒドロキシ−7−ヘキサデセン酸;9−ヒドロキシ−12−オクタデセン酸;(+)−12−ヒドロキシ−cis−9−オクタデセン酸;(+)−12−ヒドロキシ−trans−9−オクタデセン酸;4−ヒドロキシヘンエイコセン酸;2−ヒドロキシ−15−テトラコセン酸;18−ヒドロキシ−9,11,13−オクタデカトリエン酸などを挙げることができる。
【0077】
さらに、ヒドロキシ基を2個以上を有するポリヒドロキシ脂肪酸については、具体的には、2,3−ジヒドロキシカプロン酸;2,3−ジヒドロキシエナント酸;2,3−ジヒドロキシカプリル酸;2,3−ジヒドロキシペラルゴン酸;2,3−ジヒドロキシカプリン酸;2,3−ジヒドロキシウンデカン酸;2,3−ジヒドロキシラウリン酸;2,3−ヒドロキシミリスチン酸;3,11−ジヒドロキシミリスチン酸;2,15−ジヒドロキシペンタデカン酸;2,3−ジヒドロキシパルミチン酸;15,16−ジヒドロキシパルミチン酸;2,3−ジヒドロキシステアリン酸;6,7−ジヒドロキシステアリン酸;7,8−ジヒドロキシステアリン酸;8,9−ジヒドロキシステアリン酸;9,10−ジヒドロキシステアリン酸;10,11−ジヒドロキシステアリン酸;11,12−ジヒドロキシステアリン酸;12,13−ジヒドロキシステアリン酸;11,12−ジヒドロキシアラキン酸;各種ジヒドロキシトリアコンタン酸;2,5,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸;8,9,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸;9,10,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸;11,12,15−トリヒドロキシヘキサデカン酸;各種テトラヒドロキシヘキサデカン酸;9,14−ジヒドロキシ−10,12−オクタデカジエン酸などを挙げることができる。
【0078】
(A)化合物の中でも、2−ヒドロキシカプロン酸,2−ヒドロキシパルミチン酸,2−ヒドロキシベヘン酸,12−ヒドロキシステアリン酸,18−ヒドロキシステアリン酸,2−メチル−2−ヒドロキシラウリン酸,4−ヒドロキシ−2−ヘキセン酸,3,3−ジオクチル−3−ヒドロキシプロピオン酸,2,3−ジヒドロキシカプリン酸,9,10−ヒドロキシステアリン酸,8,9,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸,テトラヒドロキシヘキサデカン酸などが経済上および効果の点で好適に使用される。
【0079】
また、以上述べた各種ヒドロキシ脂肪酸の縮合物も(A)化合物に含まれる。(B)化合物については、(A)化合物の金属塩又はアミン塩である。該金属塩の金属の種類については特に制限はなく、例えばリチウム,カリウム,ナトリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,ニッケル,アルミニウムが挙げられるが、この中で、潤滑性能向上の点から、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、特にアルカリ金属が好適である。
【0080】
また、上記アミン塩のアミンの種類については特に制限はなく、例えば、アンモニア,モノヒドロカルビルアミン,ジヒドロカルビルアミン,トリヒドロカルビルアミンなどが挙げられる。上記ヒドロカルビルアミンのヒドロカルビル基としては、飽和アルキル基,不飽和アルキル基(例えば、アルケニル基)あるいは芳香族炭化水素基などがあり、それぞれ炭素数1〜40、好ましくは1〜20のものをあげることができる。特に上記炭素数を有する飽和あるいは不飽和アルキル基が潤滑性向上の点から好ましい。アミン塩の具体例としては、ブチルアミン,オクチルアミン,ジオクチルアミン,トリオクチルアミン,オレイルアミンなどを挙げることができる。
【0081】
(C)化合物については、(A)のヒドロキシ脂肪酸のエステルである。アルコール残基のアルキル基部位は炭素数30以下の飽和アルキル基,不飽和アルキル基、芳香族基いずれでもよく、中でも潤滑性能向上の点から飽和アルキル基が好ましい。エステルの具体例としては、メチルエステル,ブチルエステル,オレイルエステル,ステアリルエステル,フェニルエステルなどを挙げることができる。
【0082】
本発明の冷凍機油組成物においては、前記のヒドロキシ脂肪酸の誘導体は一種でも、あるいは二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、その配合量は、組成物全重量に基づき、0.001〜15重量%の範囲にあるのが好ましい。この配合量が0.001重量%未満では潤滑性を向上させる効果が充分に発揮されず、15重量%を超えるとその量の割には効果の向上がみられず、また基油に対する溶解性が低下する場合がある。潤滑性の向上効果及び溶解性などの点から、さらに好ましい配合量は0.01〜10重量%の範囲であり、特に0.03〜5重量%の範囲が好適である。
【0083】
本発明の冷凍機油組成物には、必要に応じ溶解助剤を添加することができる。この溶解助剤としては、例えば一価アルコール,グリコール類,多価アルコール,包接化合物などが用いられる。ここで、一価アルコールとしては、例えばラウリルアルコール,パルミチルアルコール,オレイルアルコールなどを挙げることができ、グリコール類としては、例えばエチレングリコール,プロピレングリコールなどのアルキレングリコール、ジエチレングリコール,トリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ブチルセロソルブなどのポリアルキレングリコールのエーテル誘導体、さらにはネオペンチルグリコールなどを挙げることができる。また、多価アルコールとしては、例えばグリセリン,ソルビトール,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトールなどを挙げることができ、包接化合物としては、例えばクラウンエーテル類,クリプタンド類,カリックスアーレン類などを挙げることができる。これらの溶解助剤はそれぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、通常、組成物全重量に基づき30重量%以下、好ましくは0.1〜15重量%の範囲で選べばよい。
【0084】
本発明の冷凍機油組成物には、必要に応じ公知の各種添加剤、例えばリン酸エステル,亜リン酸エステルなどの極圧剤;フェノール系,アミン系の酸化防止剤;さらにはフェニルグリシジルエーテル,シクロヘキセンオキシド,エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物などの安定剤;ベンゾトリアゾール,ベンゾトリアゾール誘導体などの銅不活性化剤;シリコーン油,フッ化シリコーン油などの消泡剤などを適宜配合することができる。
【0085】
本発明の冷凍機油組成物が適用される冷凍機に用いられる冷媒としては、ハイドロフルオロカーボンやハイドロクロロフルオロカーボンなどの水素含有フロン化合物が好ましく、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a);クロロジフルオロメタン(R22);クロロジフルオロメタンと1−クロロ−1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンの混合物(R502);1,1−ジフルオロエタン(R152a);ペンタフルオロエタン(R125);1,1,1−トリフルオロエタン(R143a);ジフルオロメタン(R32);トリフルオロメタン(R23);1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(R225cb);3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(R225ca);1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(R141b);1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(R123);1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(R142b);2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R124)などを挙げることができるが、これらの中でR134aをはじめとするハイドロフルオロカーボンが特に好適である。
【0086】
また、テトラフルオロメタン(R14),ヘキサフルオロエタン(R116),オクタフルオロプロパン(R218)などのフッ素化合物も使用でき、さらに、プロパン,シクロプロパン,ブタン,イソブタン,ペンタンなどの炭化水素化合物、ジメチルエーテル,メチルエチルエーテルなどのエーテル系化合物、モノフルオロジメチルエーテル,ジフルオロジメチルエーテル,トリフルオロジメチルエーテル,テトラフルオロジメチルエーテル,ペンタフルオロジメチルエーテル,ヘキサフルオロジメチルエーテル,ヘプタフルオロn−プロピルメチルエーテル,ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル,ペンタフルオロエチルメチルエーテル,トリフルオロメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンなどのフッ化エーテル系化合物も冷媒として使用できる。
【0087】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定するものではない。
実施例1〜21及び比較例1,2
第2表に示す種類の基油に、第2表に示す種類の添加剤(I)及び添加剤(II:溶解助剤)を、組成物全重量に基づき第2表に示す量を配合し、冷凍機油組成物を調製した。この組成物について、外観を目視観察するとともに、焼付試験、摩耗試験及びシールドチューブ試験を以下に示す要領で行い、性能を評価した。その結果を第2表に示す。
(1)焼付試験
ファレックス試験機を用い、ピン/ブロック材料をA4032/AISI−C−1137とした。ピン/ブロックをセットし、ピンに試料の油を4マイクロリットル塗布した。試験機内をR134a雰囲気にした後、室温で、荷重100Lbs,回転数300rpmの条件で焼付に至る時間(焼付時間)を測定した。
(2)摩耗試験
ファレックス試験機を用い、ピン/ブロック材料をA4032/AISI−C−1137とした。ピン/ブロックをセットし、試験容器内に試料の油200g及びR134aを200g充填した後、回転数290rpm,油温50℃,荷重400Lbs,試験時間60分の条件で摩耗試験を行い、ピン摩耗量を測定した。
(3)シールドチュ−ブ試験
ガラス管に触媒Fe/Cu/Alを入れ、R134a/試料の油/空気=1g/4ミリリットル/40torrの割合で充填し、封管した。175℃で10日間保持した後、油外観、触媒外観、全酸価の増加量及びスラッジ有無を求めた。
【0088】
【表3】
Figure 0003983327
【0089】
【表4】
Figure 0003983327
【0090】
【表5】
Figure 0003983327
【0091】
【表6】
Figure 0003983327
【0092】
〔注〕基油の種類
1:ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル
動粘度9.3mm2 /s(100℃),分子量1150
2:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジメチルエ−テル
動粘度20.5mm2 /s(100℃),分子量1590
3:ポリオキシプロピレングリコールモノエチルエーテル
動粘度10.5mm2 /s(100℃),分子量1000
4:ポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル
動粘度10.8mm2 /s(100℃),分子量1000,商品名ユニルーブMB11
5:ポリオキシプロピレングリコールジアセテート
動粘度10.2mm2 /s(100℃),分子量980
6:ポリオキシプロピレングリコールジメチルカーボネート
動粘度9.6mm2 /s(100℃),分子量850
7:ポリビニルエチルエーテル・ポリビニルブチルエーテル共重合体
動粘度7.8mm2 /s(100℃),分子量9008
8:ヒンダードエステル
動粘度10.2mm2 /s(100℃),エムカレートRL68Se(ICI製)
9:アルキルベンゼン
動粘度4.6mm2 /s(100℃),IM200(三菱化学製)
【0093】
【発明の効果】
本発明の冷凍機油組成物は、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム材と鋼材との間の潤滑油性を向上させ、焼付や摩耗を抑えることができ、環境汚染をもたらさないR134aなどの水素含有フロン冷媒を用いた冷凍機の潤滑油として好適である。
したがって、本発明の冷凍機油組成物は、カーエアコン,ルームエアコン,冷蔵庫などに使用する際に特に効果的であり、その工業的利用価値は極めて高いものである。

Claims (4)

  1. 鉱油及び/又は合成油からなる基油に、
    (A)下記化合物群から選ばれる1種以上のヒドロキシ脂肪酸又はその縮合物、(B)下記化合物群から選ばれる1種以上のヒドロキシ脂肪酸もしくはその縮合物の金属塩又はアミン塩、(C)下記化合物群から選ばれる一種以上のヒドロキシ脂肪酸のメチルエステル、ブチルエステル、オレイルエステル、ステアリルエステル又はフェニルエステル
    から選ばれる少なくとも一種のヒドロキシ脂肪酸誘導体を配合してなる冷凍機油。
    化合物群:2−ヒドロキシパルミチン酸、3−ヒドロキシパルミチン酸、16−ヒドロキシパルミチン酸、2−ヒドロキシマルガリン酸、3−ヒドロキシマルガリン酸、17−ヒドロキシマルガリン酸、2−ヒドロキシステアリン酸、3−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシステアリン酸、5−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシステアリン酸、7−ヒドロキシステアリン酸、8−ヒドロキシステアリン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、11−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、13−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシステアリン酸、15−ヒドロキシステアリン酸、16−ヒドロキシステアリン酸、17−ヒドロキシステアリン酸、18−ヒドロキシステアリン酸、2,3−ジヒドロキシパルミチン酸、15,16−ジヒドロキシパルミチン酸、2,3−ジヒドロキシステアリン酸、6,7−ジヒドロキシステアリン酸、7,8−ジヒドロキシステアリン酸、8,9−ジヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、10,11−ジヒドロキシステアリン酸、11,12−ジヒドロキシステアリン酸、12,13−ジヒドロキシステアリン酸、2,5,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸、8,9,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸、9,10,16−トリヒドロキシヘキサデカン酸、11,12,15−トリヒドロキシヘキサデカン酸、テトラヒドロキシヘキサデカン酸
  2. (B)化合物の金属塩が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩である請求項1記載の冷凍機油組成物。
  3. ヒドロキシ脂肪酸誘導体が、(A)化合物である請求項1記載の冷凍機油組成物。
  4. ヒドロキシ脂肪酸誘導体の配合量が、組成物全重量に基づき0.001〜15重量%である請求項1〜のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
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