JP4856296B2 - 冷凍機油組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍機油組成物に関し、さらに詳しくは、冷媒として、ハイドロフルオロカーボン系,フルオロカーボン系,ハイドロカーボン系,エーテル系,二酸化炭素系又はアンモニア系のもの、好ましくは環境汚染で問題となっている冷媒のクロロフルオロカーボンの代替となりうるハイドロフルオロカーボン系のものを用いた場合、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム鋼材との間の潤滑性を向上させ、摩耗を抑えることができ、かつキャピラリー管が閉塞しにくい冷凍機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧縮型冷凍機は少なくとも圧縮機,凝縮器,膨張機構(膨張弁など),蒸発器、あるいは更に乾燥器から構成され、冷媒と潤滑油の混合液体がこの密閉された系内を循環する構造となっている。従来、圧縮型冷凍機、特に空調器の冷媒としては、クロロジフルオロメタン(以下、R22と称する。)やクロロジフルオロメタンとクロロペンタフルオロエタンの重量比48.8:51.2の混合物(以下、R502と称する。)が多く用いられ、また潤滑油としては、前記の要求特性を満たす種々の鉱油や合成油が用いられてきた。しかしながら、R22やR502は、成層圏に存在するオゾン層を破壊するなど環境汚染をもたらすおそれがあることから、最近、世界的にその規制が厳しくなりつつある。そのため、新しい冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタン;ジフルオロメタン;ペンタフルオロエタン;1,1,1−トリフルオロエタン(以下、それぞれR134a,R32,R125,R143aと称する。)に代表されるハイドロフルオロカーボンが注目されるようになってきた。このハイドロフルオロカーボン、特にR134a,R32,R125,R143aはオゾン層を破壊するおそれがなく、圧縮型冷凍機用冷媒として好ましいものである。しかしながら、前記ハイドロフルオロカーボンを単独で使用する場合には問題があり、例えば「エネルギー・資源」第16巻,第5号,第474ページには、(1)R22の代替としてR134aを空調機器に適応する場合、運転圧力が低く、R22に比べて能力が約40%、効率は約5%低下する、(2)R32はR22に比べて効率は良いが、運転圧力が高く、微燃性である、(3)R125は不燃性であるが、臨界圧力が低く効率が低くなるなどが報告されている。また、R143aはR32と同様に可燃性の問題がある。
【0003】
圧縮型冷凍機用冷媒としては、現状の冷凍装置の変更なしに使用できることが望ましいが、上記問題により、実際は前記したハイドロフルオロカーボンを混合した冷媒を使用すべきである。すなわち、現行のR22,R502冷媒を代替するためには、効率の面から、可燃性であるR32,R143aを使用し、冷媒全体として不燃性をもたせるため、R125,R134aを前者に混合することが望ましい。The International Symposium on R22 & R502 Alternative Refrigerants, 1994, 166 頁) には、R32/R134a混合物の場合、R32の含有量が56重量%以上では可燃性であることが示されている。冷媒組成により一概に規定はできないが、不燃性の面から、R125やR134aなどの不燃性ハイドロフルオロカーボンを45重量%以上含む冷媒が好ましいといえる。
【0004】
一方、冷媒は、冷凍システム内において様々な条件下で使用されるため、混合するハイドロフルオロカーボンの組成が、冷凍システム内各所において大きく異なることは好ましくない。冷凍システム内では、冷媒は気体,液体の両方の状態をとるため、混合するハイドロフルオロカーボン同士の沸点が大きく異なる場合には、混合冷媒の組成は、上記理由により冷凍システム内各所において、大きく異なる可能性がある。
【0005】
R32,R143a,R125及びR134aの沸点は、それぞれ−51.7℃,−47.4℃,−48.5℃及び−26.3℃であり、ハイドロフルオロカーボン混合冷媒系にR134aを使用する場合には、この点で注意が必要である。したがって、R125使用混合冷媒においては、その含有量は20〜80重量%、特に40〜70重量%であることが好ましい。含有量が20重量%未満では不燃性をもたせるために、さらにR134aなどの沸点の大きく異なる冷媒を多量に必要とし、上記理由から好ましくない。また、R125の含有量が80重量%を超えると効率が低下するため好ましくない。
【0006】
これらの点から、これまでのR22冷媒に対する代替としては、R32とR125とR134aとの重量比23:25:52の混合物(以下、R407Cと称する。),重量比25:15:60の混合物,R32とR125との重量比50:50の混合物(以下,R410Aと称する。),R32とR125との重量比45:55の混合物(以下、R410Bと称する。)が好ましく、一方、R502冷媒に対する代替としては、R125とR143aとR134aとの重量比44:52:4の混合物(以下、R404Aと称する。)やR125とR143aとの重量比50:50の混合物(以下、R507と称する。)が好ましい。
【0007】
このハイドロフルオロカーボン系冷媒は、従来の冷媒とは性質を異にし、それと併用される冷凍機油としては、例えば特定の構造を有するポリアルキレングリコール,ポリエステル,ポリオールエステル,ポリカーボネート,ポリビニルエーテルなどを基油とし、これに酸化防止剤,極圧剤,消泡剤,加水分解抑制剤などの各種添加剤を配合したものが有用であることが知られている。
【0008】
しかしながら、これらの冷凍機油は、上記の冷媒雰囲気下では潤滑性能に劣り、特にカーエアコン,電気冷蔵庫,ルームエアコンなどの冷凍機のアルミニウム材と鋼材との間の摩耗を増大させ、実用上大きな問題となっている。このアルミニウム材と鋼材との摩擦部分は、レシプロタイプの圧縮機(特に斜板式)では、ピストンとピストンシュー、斜板とシュー部分など、ロータリータイプの圧縮機では、ベーンとハウジング部分など、スクロールタイプの圧縮機では、オルダムリングと旋回スクロール受部などに使用されており、潤滑上重要な要素である。
【0009】
また、冷凍機には、冷凍サイクル内にキャピラリー管と呼ばれる膨張弁が備わっている。そのキャピラリー管は直径が0.7mm程度の細管であるため閉塞しやすい。キャピラリー管の閉塞現象は冷凍サイクルの寿命を決定する最大の要因となる。
したがって、冷媒のクロロフルオロカーボンの代替となりうるハイドロフルオロカーボン系のものを用いた場合、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム鋼材との間の潤滑性を向上させ、摩耗を抑えることができ、かつキャピラリー管が閉塞しにくい冷凍機油が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、冷媒として、ハイドロフルオロカーボン系,ハイドロカーボン系,エーテル系,二酸化炭素系又はアンモニア系のもの、好ましくは環境汚染で問題となっている冷媒のクロロフルオロカーボンの代替となりうるハイドロフルオロカーボン系のものを用いた場合、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム鋼材との間の潤滑性を向上させ、摩耗を抑えることができ、かつキャピラリー管が閉塞しにくい冷凍機油組成物を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、合成油からなる基油に、特定のポリアルキレングリコール誘導体を配合することにより、上記本発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、合成油からなる基油に、数平均分子量200〜3,000を有する下記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコール誘導体を配合してなる冷凍機油組成物を提供するものである。
【0012】
1 −(OR2)m −(OR3)n −OR4 ・・・(I)
(R1 及びR4 は、それぞれ炭素数1〜30の炭化水素基もしくはアシル基、又は水素を示し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は炭素数2〜30のアルキレン基もしくは置換アルキレン基を示し、m及びnは上記分子量を満足する数を示し、nは0の場合もある。但し、R1 ,R3 ,R4 のうち少なくとも一つは炭素数6以上の炭化水素基を有する。)
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の冷凍機油組成物においては、基油として合成油が用いられる。この合成油については、一般に冷凍機油の基油として用いられているものであればよく、特に制限はないが、40℃における動粘度が2〜500mm2 /s、特に5〜200mm2 /s、とりわけ10〜100mm2 /sの範囲にあるものが好適である。また、この基油の低温流動性の指標である流動点については特に制限はないが、−10℃以下であるのが望ましい。
【0014】
このような合成油は各種のものがあり、用途などに応じて適宜選定すればよく、含酸素有機化合物及び炭化水素系合成油などが挙げられる。合成油の中で、含酸素有機化合物としては、分子中にエーテル基などを含有する合成油、さらにはこれらの基とともにヘテロ原子(S,P,F,Cl,Si,Nなど)を含有する合成油が挙げられ、具体的にはポリビニルエーテルなどである。
【0015】
上記含酸素有機化合物については、最後に詳細に説明する。
炭化水素系合成油としては、例えばポリ−α−オレフィンなどのオレフィン系重合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどを挙げることができる。
本発明の冷凍機油組成物においては、基油として前記合成油を一種用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。含酸素有機化合物が冷媒との相溶性がよく、かつ潤滑性能に優れ好適である。特に、ポリビニルエーテル,多価アルコールエステルが好適である。
【0016】
また、必要に応じて鉱油を混合したものも使用でき、鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油,中間基系鉱油などが挙げられる。
次に、合成油からなる基油に配合されるポリアルキレングリコール誘導体は前記一般式(I)で表される。
前記一般式(I)において、R1 及びR4 の炭素数1〜30の炭化水素基は次の通りである。
(i)飽和あるいは不飽和の、直鎖状あるいは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表し、脂肪族1価アルコールから誘導されるアルキル基、具体的には、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,各種ウンデシル基,各種ドデシル基,各種トリデシル基,各種テトラデシル基,各種ペンタデシル基,各種ヘキサデシル基,各種ヘプタデシル基,各種オクタデシル基,各種ノナデシル基など、(ii)置換あるいは無置換の芳香族炭化水素基、好ましくはフェニル基及びアルキルフェニル基、具体的には、メチルフェニル基,エチルフェニル基,プロピルフェニル基,ブチルフェニル基,ペンチルフェニル基,ヘキシルフェニル基,ヘプチルフェニル基,オクチルフェニル基,ノニルフェニル基,デシルフェニル基,ドデシルフェニル基,ペンタデシルフェニル基,ヘキサデシルフェニル基,ジノニルフェニル基など。
【0017】
また、R1 及びR4 でいうアシル基とは、カルボン酸、特に飽和モノカルボン酸あるいは不飽和モノカルボン酸から誘導されるものが好ましく、具体的には、酢酸,プロピオン酸,酪酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸などを挙げることができる。
前記一般式(I)において、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン基,オキシブチレン基を挙げることができる。
【0018】
また、前記一般式(I)において、R3 は炭素数2〜30のアルキレン基もしくは置換アルキレン基で、置換体として、アルキル基,フェニル基,アルキルフェニル基を挙げることができる。
また、OR2 とOR3 はランダム体、ブロック体でもよいが、分子量の点でブロック体が好ましい。
【0019】
さらに、R1 ,R3 ,R4 のうち少なくとも一つは炭素数6以上の炭化水素基を有することが必要である。その炭化水素基として、フェニル基あるいはアルキルフェニル基が好適である。
前記一般式(I)のポリアルキレングリコール誘導体の具体例としては、ポリエチレングリコールジ−sec−ブチルフェニル・メチルエーテル;ポリプロピレングリコールジ−sec−ブチルフェニル・メチルエーテル;ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジ−sec−ブチルフェニル・メチルエーテル;ポリエチレングリコールノニル・メチルエーテル;ポリプロピレングリコールノニル・メチルエーテル;ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールノニル・メチルエーテル;ポリエチレングリコールノニルフェニル・メチルエーテル;ポリプロピレングリコールノニルフェニル・メチルエーテル;ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールノニルフェニル・メチルエーテル;ポリエチレングリコールポリノニレングリコールジメチルエーテル;ポリプロピレングリコールポリノニレングリコールジメチルエーテルなどを挙げることができる。
【0020】
本発明において、前記一般式(I)で表されるアルキレングリコール誘導体の数平均分子量を200〜3,000に限定する必要がある。200未満では、潤滑性の改善効果及びキャピラリー閉塞防止効果が少なく、3,000を超えると、冷媒との相溶性(二層分離温度)を低下させるので好ましくない。
また、前記アルキレングリコール誘導体の40℃における動粘度は、好ましくは5〜200mm2 /s、さらに好ましくは10〜100mm2 /sの範囲である。
【0021】
本発明の冷凍機油組成物においては、前記のポリアルキレングリコール誘導体は一種でも、あるいは二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、その配合量は、組成物全量基準で0.1〜15重量%の範囲である。この配合量が0.1重量%未満では本発明の目的が充分に発揮されず、15重量%を超えるとその量の割には効果の向上がみられず、また基油に対する溶解性が低下する場合がある。さらに好ましい配合量は0.5〜10重量%の範囲である。
【0022】
本発明の冷凍機油組成物には、必要に応じ公知の各種添加剤、例えばリン酸エステル,亜リン酸エステルなどの極圧剤;フェノール系,アミン系の酸化防止剤;さらにはフェニルグリシジルエーテル,シクロヘキセンオキシド,エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物などの安定剤;ベンゾトリアゾール,ベンゾトリアゾール誘導体などの銅不活性化剤;シリコーン油,フッ化シリコーン油などの消泡剤などを適宜配合することができる。
【0023】
本発明の冷凍機油組成物が適用される冷凍機に用いられる冷媒としては、ハイドロフルオロカーボン系,フルオロカーボン系,ハイドロカーボン系,エーテル系,二酸化炭素系又はアンモニア系冷媒が用いられるが、これらの中でハイドロフルオロカーボン系冷媒が好ましい。このハイドロフルオロカーボン系冷媒としては、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a),ジフルオロメタン(R32),ペンタフルオロエタン(R125)及び1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)が好ましく、これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊するおそれがなく、圧縮冷凍機用冷媒として好ましいものである。また、混合冷媒の例としては、R32とR125とR134aとの重量比23:25:52の混合物(以下、R407Cと称する。),重量比25:15:60の混合物,R32とR125との重量比50:50の混合物(以下、R410Aと称する。),R32とR125との重量比45:55の混合物(以下、R410Bと称する。),R125とR143aとR134aとの重量比44:52:4の混合物(以下、R404Aと称する。),R125とR143aとの重量比50:50の混合物(以下、R507と称する。)などが挙げられる。
最後に、前述の基油のうち、含酸素有機化合物系の合成油について詳述する。
前記▲1▼のポリビニルエーテルとしては、例えば一般式(II)
【0024】
【化1】
Figure 0004856296
【0025】
(式中、R5 〜R7 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R8 は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R9 は炭素数1〜20の炭化水素基、aはその平均値が0〜10の数を示し、R5 〜R9 は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよく、またR8 Oが複数ある場合には、複数のR8 Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物(1)が挙げられる。
また、上記一般式(II)で表される構成単位と、一般式(III)
【0026】
【化2】
Figure 0004856296
【0027】
(式中、R10〜R13は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、またR10〜R13は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。)
で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体からなるポリビニルエーテル化合物(2)も使用することができる。また、上記ポリビニルエーテル系化合物(1)とポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物からなるポリビニルエーテル系化合物(3)も使用することができる。
【0028】
前記一般式(II)におけるR5 〜R7 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。ここで炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基のアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基のアリールアルキル基を挙げることができる。なお、これらのR5 〜R7 としては、特に水素原子が好ましい。
【0029】
一方、一般式(II)中のR8 は、炭素数1〜10、好ましくは2〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を示すが、ここで炭素数1〜10の二価の炭化水素基とは、具体的にはメチレン基;エチレン基;フェニルエチレン基;1,2−プロピレン基;2−フェニル−1,2−プロピレン基;1,3−プロピレン基;各種ブチレン基;各種ペンチレン基;各種ヘキシレン基;各種ヘプチレン基;各種オクチレン基;各種ノニレン基;各種デシレン基の二価の脂肪族基、シクロヘキサン;メチルシクロヘキサン;エチルシクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン;プロピルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素に2個の結合部位を有する脂環式基、各種フェニレン基;各種メチルフェニレン基;各種エチルフェニレン基;各種ジメチルフェニレン基;各種ナフチレン基などの二価の芳香族炭化水素基、トルエン;キシレン;エチルベンゼンなどのアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有するアルキル芳香族基、キシレン;ジエチルベンゼンなどのポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族基などを挙げることができる。これらの中で炭化数2〜4の脂肪族基が特に好ましい。
【0030】
また、炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシメチレン基;メトキシエチレン基;メトキシメチルエチレン基;1,1−ビスメトキシメチルエチレン基;1,2−ビスメトキシメチルエチレン基;エトキシメチルエチレン基;(2−メトキシエトキシ)メチルエチレン基;(1−メチル−2−メトキシ)メチルエチレン基などを好適に挙げることができる。なお、一般式(II)におけるaはR8 Oの繰り返し数を示し、その平均値が0〜10、好ましくは0〜5の範囲の数である。R8 Oが複数ある場合には、複数のR8 Oは同一でも異なっていてもよい。
【0031】
さらに、一般式(II)におけるR9 は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を示すが、この炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種プロピルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基,各種プロピルフェニル基,各種トリメチルフェニル基,各種ブチルフェニル基,各種ナフチル基などのアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基,各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基のアリールアルキル基などを挙げることができる。
【0032】
このポリビニルエーテル系化合物(1)は、前記一般式(II)で表される構成単位を有するものであるが、その繰り返し数(重合度)は、所望する動粘度に応じ適宜選択すればよいが、通常は40℃における動粘度が2〜500mm2 /sになるように選択すればよい。また、該ポリビニルエーテル系化合物は、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が4.2未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0033】
また、ポリビニルエーテル系化合物(2)は、前記一般式(II)で表される構成単位と前記一般式(III)で表される構成単位とを有するプロック又はランダム共重合体からなるものであって、該一般式(III)において、R10〜R13は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、上記一般式(II)におけるR9 の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。なお、R10〜R13は構成単位毎に同一でもそれぞれ異なっていてもよい。
【0034】
該一般式(II)で表される構成単位と一般式(III)で表される構成単位とを有するブロックまたはランダム共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物(2)の重合度は、所望する動粘度に応じて適宜選択すればよいが、通常は温度40℃における動粘度が2〜200mm2 /sになるように選択すればよい。また、このポリビニルエーテル系化合物は、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。該モル比が4.2未満では、吸湿性が高くなる場合があり、また7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0035】
さらに、ポリビニルエーテル化合物(3)は、前記ポリビニルエーテル系化合物(1)と前記ポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物からなるものであるが、その混合割合については特に制限はない。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物(1)及び(2)は、それぞれ対応するビニルエーテル系モノマーの重合、及び対応するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーと、対応するビニルエーテル系モノマーとの共重合により製造することができる。ここで用いることができるビニルエーテル系モノマーは、下記一般式(IV)
【0036】
【化3】
Figure 0004856296
【0037】
(式中、R5 〜R9 及びaは、前記と同じである。)
で表されるものである。このビニルエーテル系モノマーとしては、上記ポリビニルエーテル系化合物(1),(2)に対応する各種のものがあるが、例えばビニルメチルエーテル;ビニルエチルエーテル;ビニル−n−プロピルエーテル;ビニル−イソプロピルエーテル;ビニル−n−ブチルエーテル;ビニル−イソブチルエーテル;ビニル−sec−ブチルエーテル;ビニル−tert−ブチルエーテル;ビニル−n−ペンチルエーテル;ビニル−n−ヘキシルエーテル;ビニル−2−メトキシエチルエーテル;ビニル−2−エトキシエチルエーテル;ビニル−2−メトキシ−1−メチルエチルエーテル;ビニル−2−メトキシ−2−メチルエーテル;ビニル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル;ビニル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル;ビニル−1,4−ジメチル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル;ビニル−1,4,7−トリメチル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル;ビニル−2,6−ジオキサ−4−ヘプチルエーテル;ビニル−2,6,9−トリオキサ−4−デシルエーテル;1−メトキシプロペン;1−エトキシプロペン;1−n−プロポキシプロペン;1−イソプロポキシプロペン;1−n−ブトキシプロペン;1−イソブトキシプロペン;1−sec−ブトキシプロペン;1−tert−ブトキシプロペン;2−メトキシプロペン;2−エトキシプロペン;2−n−プロポキシプロペン;2−イソプロポキシプロペン;2−n−ブトキシプロペン;2−イソブトキシプロペン;2−sec−ブトキシプロペン;2−tert−ブトキシプロペン;1−メトキシ−1−ブテン;1−エトキシ−1−ブテン;1−n−プロポキシ−1−ブテン;1−イソプロポキシ−1−ブテン;1−n−ブトキシ−1−ブテン;1−イソブトキシ−1−ブテン;1−sec−ブトキシ−1−ブテン;1−tert−ブトキシ−1−ブテン;2−メトキシ−1−ブテン;2−エトキシ−1−ブテン;2−n−プロポキシ−1−ブテン;2−イソプロポキシ−1−ブテン;2−n−ブトキシ−1−ブテン;2−イソブトキシ−1−ブテン;2−sec−ブトキシ−1−ブテン;2−tert−ブトキシ−1−ブテン;2−メトキシ−2−ブテン;2−エトキシ−2−ブテン;2−n−プロポキシ−2−ブテン;2−イソプロポキシ−2−ブテン;2−n−ブトキシ−2−ブテン;2−イソブトキシ−2−ブテン;2−sec−ブトキシ−2−ブテン;2−tert−ブトキシ−2−ブテンなどが挙げられる。これらのビニルエーテル系モノマーは公知の方法により製造することができる。
また、オレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーは、下記一般式(V)
【0038】
【化4】
Figure 0004856296
【0039】
(式中、R10〜R13は前記と同じである。)
で表されるものであり、該モノマーとしては、例えばエチレン,プロピレン,各種ブテン,各種ペンテン,各種ヘキセン,各種ヘプテン,各種オクテン,ジイソブチレン,トリイソブチレン,スチレン,各種アルキル置換スチレンなどを挙げることができる。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物としては、次の末端構造を有するもの、すなわちその一つの末端が、一般式(VI)又は(VII)
【0040】
【化5】
Figure 0004856296
【0041】
(式中、R14〜R16は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R14〜R16はたがいに同一でも異なっていてもよく、R19〜R22は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R19〜R22はたがいに同一でも異なっていてもよい。R17は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R18は炭素数1〜20の炭化水素基、bはその平均値が0〜10の数を示し、R17Oが複数ある場合には、複数のR17Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ残りの末端が一般式(VIII)又は(IX)
【0042】
【化6】
Figure 0004856296
【0043】
(式中、R23〜R25は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R23〜R25はたがいに同一でも異なっていてもよく、R28〜R31は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R28〜R31はたがいに同一でも異なっていてもよい。R26は炭素数1〜10の二価の炭化水素基又は炭素数2〜20の二価のエーテル結合酸素含有炭化水素基、R27は炭素数1〜20の炭化水素基、cはその平均値が0〜10の数を示し、R26Oが複数ある場合には、複数のR26Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するもの、及びその一つの末端が、上記一般式(VI)又は(VII)で表され、かつ残りの末端が一般式(X)
【0044】
【化7】
Figure 0004856296
【0045】
(式中、R32〜R34は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するものが好ましい。
このようなポリビニルエーテル系化合物の中で、特に次に挙げるものが本発明の冷凍機油組成物の基油として好適である。
(1)その一つの末端が一般式(VI)又は(VII)で表され、かつ残りの末端が一般式(VIII)又は(IX)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR5 〜R7 が共に水素原子、aが0〜4の数、R8 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR9 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(2)一般式(II)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(VI)で表され、かつ残りの末端が一般式(VIII)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR5 〜R7 が共に水素原子、aが0〜4の数、R8 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR9 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
【0046】
(3)その一つの末端が一般式(VI)又は(VII)で表され、かつ残りの末端が一般式(X)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR5 〜R7 が共に水素原子、aが0〜4の数、R8 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR9 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(4)一般式(II)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(VI)で表され、かつ残りの末端が一般式(IX)で表される構造を有し、一般式(II)におけるR5 〜R7 が共に水素原子、aが0〜4の数、R8 が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR9 が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
また、本発明においては、前記一般式(II)で表される構成単位を有し、その一つの末端が一般式(VI)で表され、かつ残りの末端が一般式(XI)
【0047】
【化8】
Figure 0004856296
【0048】
(式中、R35〜R37は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R38及びR40はそれぞれ炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R39及びR41はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、d及びeはそれぞれその平均値が0〜10の数を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、また複数のR38Oがある場合には複数のR38Oは同一でも異なっていてもよいし、複数のR40Oがある場合には複数のR40Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。さらに、本発明においては、特願平8−18837号の明細書に記載されたポリビニルエーテル系化合物も使用できるが、なかでも一般式(XII)又は(XIII)
【0049】
【化9】
Figure 0004856296
【0050】
(式中、R42は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構成単位からなり、かつ重量平均分子量が300〜3000(好ましくは300〜2000)であって、片方の末端が一般式(XIV)又は(XV)
【0051】
【化10】
Figure 0004856296
【0052】
(式中、R43は炭素数1〜3のアルキル基、R44は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構造を有するアルキルビニルエーテルの単独重合物又は共重合物からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
また、下記一般式(XVI)
【0053】
【化11】
Figure 0004856296
【0054】
(式中、R45は炭素数1〜3の分子内にエーテル結合を有するもしくは有しない炭化水素基を示す。)
で表される構成単位(A)と下記一般式(XVII)
【0055】
【化12】
Figure 0004856296
【0056】
(式中、R46は炭素数3〜20の分子内にエーテル結合を有するもしくは有しない炭化水素基を示す。)
で表される構成単位(B)とを有するポリビニルエーテル系化合物〔但し、構成単位(A)のR45及び(B)のR46は同一ではない〕が好適に使用され、特にR45がメチル基又はエチル基、R46が炭素数3〜6のアルキル基の場合のポリビニルエーテル系化合物場合が好適で、中でもR45がエチル基、R46がイソブチル基の場合のポリビニルエーテル化合物が最適で、その場合構成単位(A)と構成単位(B)との割合は、モル比で95:5〜50:50の範囲が好ましい。
【0057】
なお、前記のポリビニルエーテル系化合物については、特開平6−128578号,特開平6−234814号,特開平6−234815号,特開平8−193196号公報の各明細書のそれぞれに詳細に記載されているものをいずれも使用することができる。
該ポリビニルエーテル系化合物は、前記したモノマーをラジカル重合,カチオン重合,放射線重合などによって製造することができる。例えばビニルエーテル系モノマーについては、以下に示す方法を用いて重合することにより、所望の粘度の重合物が得られる。
【0058】
重合の開始には、ブレンステッド酸類,ルイス酸類又は有機金属化合物類に対して、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類又はビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を組み合わせたものを使用することができる。
ブレンステッド酸類としては、例えばフッ化水素酸,塩化水素酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硝酸,硫酸,トリクロロ酢酸,トリフルオロ酢酸などが挙げられる。ルイス酸類としては、例えば三フッ化ホウ素,三塩化アルミニウム,三臭化アルミニウム,四塩化スズ,二塩化亜鉛,塩化第二鉄などが挙げられ、これらのルイス酸類の中では、特に三フッ化ホウ素が好適である。また、有機金属化合物としては、例えばジエチル塩化アルミニウム,エチル塩化アルミニウム,ジエチル亜鉛などが挙げられる。
【0059】
これらと組み合わせる水,アルコール類,フェノール類,アセタール類又はビニルエーテル類とカルボン酸との付加物は任意のものを選択することができる。
ここで、アルコール類としては、例えばメタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール,ブタノール,イソブタノール,sec−ブタノール,tert−ブタノール,各種ペンタノール,各種ヘキサノール,各種ヘプタノール,各種オクタノールなどの炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール、アリルアルコールなどの炭素数3〜10の不飽和脂肪族アルコールなどが挙げられる。
【0060】
ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を使用する場合のカルボン酸としては、例えば酢酸;プロピオン酸;n−酪酸;イソ酪酸;n−吉草酸;イソ吉草酸;2−メチル酪酸;ピバル酸;n−カプロン酸;2,2−ジメチル酪酸;2−メチル吉草酸;3−メチル吉草酸;4−メチル吉草酸;エナント酸;2−メチルカプロン酸;カプリル酸;2−エチルカプロン酸;2−n−プロピル吉草酸;n−ノナン酸;3,5,5−トリメチルカプロン酸;カプリル酸;ウンデカン酸などが挙げられる。
【0061】
また、ビニルエーテル類は重合に用いるものと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。このビニルエーテル類と該カルボン酸との付加物は、両者を混合して0〜100℃程度の温度で反応させることにより得られ、蒸留などにより分離し、反応に用いることができるが、そのまま分離することなく反応に用いることもできる。
【0062】
ポリマーの重合開始末端は、水,アルコール類,フェノール類を使用した場合は水素が結合し、アセタール類を使用した場合は水素又は使用したアセタール類から一方のアルコキシ基が脱離したものとなる。またビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を使用した場合には、ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物からカルボン酸部分由来のアルキルカルボニルオキシ基が脱離したものとなる。
【0063】
一方、停止末端は、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類を使用した場合には、アセタール,オレフィン又はアルデヒドとなる。またビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の場合は、ヘミアセタールのカルボン酸エステルとなる。
このようにして得られたポリマーの末端は、公知の方法により所望の基に変換することができる。この所望の基としては、例えば飽和の炭化水素,エーテル,アルコール,ケトン,ニトリル,アミドなどの残基を挙げることができるが、飽和の炭化水素,エーテル及びアルコールの残基が好ましい。
【0064】
一般式(IV) で表されるビニルエーテル系モノマーの重合は、原料や開始剤の種類にもよるが、−80〜150℃の間で開始することができ、通常は−80〜50℃の範囲の温度で行うことができる。また、重合反応は反応開始後10秒から10時間程度で終了する。
この重合反応における分子量の調節については、上記一般式(IV) で表されるビニルエーテル系モノマーに対し、水,アルコール類,フェノール類,アセタール類及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の量を多くすることで平均分子量の低いポリマーが得られる。さらに上記ブレンステッド酸類やルイス酸類の量を多くすることで平均分子量の低いポリマーが得られる。
【0065】
この重合反応は、通常溶媒の存在下に行われる。該溶媒については、反応原料を必要量溶解し、かつ反応に不活性なものであればよく特に制限はないが、例えばヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの炭化水素系、及びエチルエーテル,1,2−ジメトキシエタン,テトラヒドロフランなどのエーテル系の溶媒を好適に使用することができる。なお、この重合反応はアルカリを加えることによって停止することができる。重合反応終了後、必要に応じて通常の分離・精製方法を施すことにより、目的とする一般式(II)で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物が得られる。
【0066】
本発明に用いるポリビニルエーテル系化合物は、前記したように炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるのが好ましいが、原料モノマーの炭素/酸素モル比を調節することにより、該モル比が前記範囲にあるポリマーを製造することができる。すなわち、炭素/酸素モル比が大きいモノマーの比率が大きければ、炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られ、炭素/酸素モル比の小さいモノマーの比率が大きければ、炭素/酸素モル比の小さなポリマーが得られる。
【0067】
また、上記ビニルエーテル系モノマーの重合方法で示したように、開始剤として使用する水,アルコール類,フェノール類,アセタール類及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物と、モノマー類との組合せによっても可能である。重合するモノマーより炭素/酸素モル比が大きいアルコール類,フェノール類などを開始剤として使用すれば、原料モノマーより炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られ、一方、メタノールやメトキシエタノールなどの炭素/酸素モル比の小さなアルコール類を用いれば、原料モノマーより炭素/酸素モル比の小さなポリマーが得られる。
【0068】
さらに、ビニルエーテル系モノマーとオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーとを共重合させる場合には、ビニルエーテル系モノマーの炭素/酸素モル比より炭素/酸素モル比の大きなポリマーが得られるが、その割合は、使用するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーの比率やその炭素数により調節することができる。
【0107】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定するものではない。
実施例1〜8、比較例1及び2、参考例1及び
第1表に示す種類の基油に、第1表に示す種類の添加剤を、組成物全重量に基づき第1表に示す量を配合し、冷凍機油組成物を調製した。この組成物について、シールドチューブ試験、摩耗試験及び実機試験後のキャピラリー閉塞性評価試験を以下に示す要領で行い、性能を評価した。その結果を第2表に示す。
(1)シールドチュ−ブ試験
ガラス管に触媒Fe/Cu/Alを入れ、R410A/試料の油/水=1g/4g/2,000wtppmの割合で充填し、封管した。175℃で10日間保持した後、油外観、触媒外観、全酸価の増加量及びスラッジ有無を求めた。
(2)摩耗試験
密閉のブロックオンリング試験機を用い、ブロック/リング材料をA4032/SUJ2とした。ブロック/リングをセットし、試験容器内に試料の油100g及びR410Aを10g充填した後、0.3MPa加圧下、回転数500rpm,油温50℃,荷重80kg,試験時間60分の条件で摩耗試験を行い、ブロック摩耗巾を測定した。
(3)実機試験
防錆油(オイルコートZ5;出光興産(株)製)1重量%を添加した各冷凍機油組成物について、パッケージエアコン用スクロール圧縮機の耐久試験機にて6カ月間の耐久試験を行い、キャピラリの圧損(%:新品対比)を測定した。
【0108】
【表1】
Figure 0004856296
【0109】
〔注〕
・基油の種類
1:ポリビニルエチルエーテル(A)・ポリビニルイソブチルエーテル(B)ラ
ンダム共重合体,A単位/B単位(モル比)=9/1
動粘度68mm2 /s(40℃),数平均分子量720
2:ポリビニルエチルエーテル(A)・ポリビニルイソブチルエーテル(B)ラ
ンダム共重合体,A単位/B単位(モル比)=7/3
動粘度68mm2 /s(40℃),数平均分子量710
3:ポリビニルエチルエーテル(A)・ポリビニルイソブチルエーテル(B)ラ
ンダム共重合体,A単位/B単位(モル比)=5/5
動粘度32mm2 /s(40℃),数平均分子量430
4:ペンタエリスリトールと3,3,5−トリメチルヘキサン酸/イソオクン酸
の混合酸(モル比5/5)とのエステル,動粘度68mm2 /s(40℃)
5:トリメチロールプロパンの3,3,5−トリメチルヘキサン酸エステル
動粘度56mm2 /s(40℃)
・添加剤の種類
A1:ポリプロピレングリコールノニル・メチルエーテル
動粘度20mm2 /s(40℃),数平均分子量400
A2:ポリプロピレングリコールジ−sec−ブチルフェニル・メチルエーテル
動粘度30mm2 /s(40℃),数平均分子量500
A3:ポリプロピレングリコールノニルフェニル・メチルエーテル
動粘度10mm2 /s(40℃),数平均分子量250
A4:ポリプロピレングリコール・ポリノニレングリコールジメチルエーテル
動粘度43mm2 /s(40℃),数平均分子量700
【0110】
【表2】
Figure 0004856296
【0111】
【発明の効果】
本発明の冷凍機油組成物は、優れた潤滑性能を有し、特にアルミニウム材と鋼材との間の潤滑油性を向上させ、摩耗を抑えることができ、環境汚染をもたらさない冷媒を用いた冷凍機の潤滑油として好適である。
したがって、本発明の冷凍機油組成物は、カーエアコン,ルームエアコン,冷蔵庫などに使用する際に特に効果的であり、その工業的利用価値は極めて高いものである。

Claims (2)

  1. ポリビニルエーテルからなる基油に、数平均分子量200〜3,000を有する下記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコール誘導体を組成物全量基準で0.1〜15重量%配合してなる冷凍機油組成物。
    1 −(OR2)m −(OR3)n −OR4 ・・・(I)
    (R1 及びR4 は、それぞれ炭素数1〜30の炭化水素基もしくはアシル基、又は水素を示し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は炭素数2〜30のアルキレン基もしくは置換アルキレン基を示し、m及びnは上記分子量を満足する数を示し、nは0の場合もある。但し、R1 ,R3 ,R4 のうち少なくとも一つは炭素数6以上の炭化水素基を有する。( 2 及びR 3 が同時にエチレン基である場合、及びR 2 及びR 3 のいずれかがエチレン基で他方がプロピレン基である場合を除く。))
  2. 1及びR4 のうち少なくとも一つがフェニル基あるいはアルキルフェニル基である請求項1に記載の冷凍機油組成物。
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