JP4131765B2 - 鍵盤楽器の鍵盤装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ピアノなどに用いられる鍵盤楽器の鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ピアノの鍵盤装置は一般に、シャーシと、シャーシ上に取り付けられた多数の回動自在の鍵およびハンマーなどで構成されている。このシャーシには、鍵やハンマーを支持するとともに、それらの回動を案内するための多数の凹部や孔などが形成されている。従来のシャーシは、1枚の金属板(例えば鋼板)にプレス金型を用いた打ち抜き加工を施すとともに、曲げ金型を用いた曲げ加工などを施すことによって、一体に製作されている。また、このような金属製のシャーシに代えて合成樹脂製のシャーシを用いたものも知られている。このような合成樹脂製のシャーシは一般に、射出成形によって一体成形されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の鍵盤装置では、1台の鍵盤楽器の全体に対して1個のシャーシが用いられている。一方、鍵盤装置には、通常の88鍵に限らず、76鍵など、様々な鍵数のものがある。このため、従来の鍵盤装置では、例えば88鍵用のシャーシの金型を、76鍵用のシャーシの成形に転用することは不可能である。その結果、鍵数の異なる鍵盤装置を製造する場合、それぞれの鍵数用のシャーシの金型を別々に製作しなければならず、金型費が増大するとともに、多数形成される凹部や孔の位置を整えるための金型調整も個々に行わなければならず、その調整作業に手間がかかるため、シャーシの製作コストが増大してしまう。
【0004】
また、シャーシは、鍵の並び方向(左右方向)にかなり長いため、その長さ方向に沿って大きな撓みが生じやすいとともに、ハンマーの重さなどによって鍵の長さ方向(前後方向)に沿っても撓みやすい。このため、鍵盤装置の組立精度が低下し、極端な場合には、鍵やハンマーの円滑な動作を阻害するおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、異なる鍵数用のシャーシを非常に安価に製作でき、それにより製造コストを大幅に削減できる鍵盤楽器の鍵盤装置を提供することを目的とする。
【0013】
この目的を達成するため、本発明の請求項1による鍵盤楽器の鍵盤装置は、合成樹脂の射出成形品で構成されたシャーシと、このシャーシ上に左右方向に並び、シャーシに回動自在に支持された複数の鍵と、を備え、シャーシは、複数の鍵のうちの黒鍵を案内するための立設された複数の黒鍵用ガイドを有し、シャーシには、複数の黒鍵用ガイドの1つの前側に隣接し、当該1つの黒鍵用ガイドよりも大きな幅の切欠があらかじめ形成されており、シャーシは、1つの黒鍵用ガイドを外側に避け、且つ切欠を通るように設定された前後方向の所定の切断線に沿って切断することによって、複数の鍵よりも少ない所定数の前記鍵を支持可能に構成されていることを特徴としている。
【0014】
この鍵盤楽器の鍵盤装置によれば、シャーシは、合成樹脂の射出成形品で構成されており、その所定の切断線に沿って切断することによって、より少ない所定数の鍵を支持できるので、この切断により、シャーシをより少ない鍵数用のシャーシとして転用することができる。その結果、異なる鍵数用のシャーシの金型を共通化できるので、金型費を削減できるとともに、金型調整の負担も軽減できることにより、シャーシの製作コスト、ひいては鍵盤装置の製造コストを大幅に削減することができる。
【0016】
また、シャーシには、複数の黒鍵用ガイドの1つの前側に隣接し、それよりも大きな幅の切欠があらかじめ形成されていて、所定の切断線は、黒鍵用ガイドを避け、この切欠を通るように設定されている。したがって、この所定の切断線に沿ってシャーシを切断することにより、シャーシを、その切断の際に邪魔になる黒鍵用ガイドを通らずに容易に切断でき、より少ない鍵数用のシャーシを容易に製作することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1および図2は、本発明の第1実施形態による電子ピアノの鍵盤装置を示している。この鍵盤装置1は、88鍵用のものであり、両図に示すように、棚板5(楽器本体)上に支持されたシャーシ2と、シャーシ2の後端部に回動自在に取り付けられた白鍵3aおよび黒鍵3bから成る88個の鍵3(両図には白鍵3aおよび黒鍵3bの各1個のみ図示)と、シャーシ2の中央部に回動自在に取り付けられたハンマー4などを備えている。
【0018】
図3は、この鍵盤装置1に用いられる88鍵用のシャーシ2を示している。このシャーシ2は、同図では中間部分を省略しているが、A鍵からC鍵までの計88個の鍵3を支持するものであり、ABSなどの射出成形品により全体を一体として形成されている。
【0019】
図4にも示すように、シャーシ2には、後端部に鍵3を支持する鍵用軸孔6が、中央部にハンマー4を支持するハンマー用軸穴7が、さらに、前部およびハンマー用軸穴7の前後には、回動するハンマー4が通過する第1〜第3ハンマー通過孔8a〜8cが、第1ハンマー通過孔8aの後ろ側には、回動する鍵3のストッパ部10が通過する鍵通過孔9が、それぞれ鍵3ごとに形成されている。さらに、シャーシ2には、第1ハンマー通過孔8aの前側で各白鍵3aに相当する位置に白鍵用ガイド11aが、鍵通過孔9の後ろ側で各黒鍵3bに相当する位置に黒鍵用ガイド11bが、それぞれ立設されている。
【0020】
また、この88鍵用のシャーシ2は、これを所定の切断線に沿って切断することによって、より少ない鍵数用のシャーシとして転用することが可能である。図5は、そのようにして形成した76鍵用のシャーシ2’を、中間部を省略して示している。具体的には、このシャーシ2’は、シャーシ2を図3の切断線A−A’およびB−B’に沿って切断することによって形成されている。この切断により、シャーシ2のうちの低音部のA鍵からD#鍵までの部分(7鍵分)と、高音部のG#鍵からC鍵までの部分(5鍵分)が除去されることで、E鍵からG鍵までの計76個の鍵を支持可能なシャーシ2’が構成される。
【0021】
また、図3に示すように、シャーシ2には、切断線A−A’上およびB−B’線上に位置する黒鍵用ガイド11bの前側に隣接して、黒鍵用ガイド11bよりも若干大きな幅の切欠12があらかじめ形成されている。そして、シャーシ2は、黒鍵用ガイド11bを外側に避け且つ切欠12を通るようにして切断される。これにより、中間シャーシを、その切断の際に邪魔になる黒鍵用ガイド11bを通らずに容易に切断でき、76鍵用のシャーシ2’を容易に製作することができる。また、この切断によって、シャーシ2’から不要な黒鍵用ガイド11bが除去される。
【0022】
図1および図2に戻り、88鍵用のシャーシ2について説明を進めると、このシャーシ2の下面には、前後4本の補強用のアングル13が取り付けられている。これらのアングル13は、後ろ側から順に、バックアングル13a、スイッチアングル13b、ストッパ13cならびにフロントアングル13dで構成されている。図6および図7に示すように、各アングル13はいずれも、シャーシ2の左右方向の全体に渡る長さの細長い1本のもので構成され、例えば鋼板の曲げ加工によって形成されている。
【0023】
これらのアングル13のうち、バックアングル13aは、シャーシ2に取り付けられる上端の水平な取付部14aと、その後端から下方に延びる鉛直部14bと、その後端から後方に延び、棚板5に固定される棚板固定部14cで構成されている(図6および図7の各(a)参照)。スイッチアングル13bは、下端の水平な取付部15aと、その前端から上方に延びる鉛直部15bで構成され(両図(b)参照)、ストッパアングル13cは、上端の水平な取付部16aと、その前端から下方に延びる鉛直部16bで構成されている(両図(c)参照)。また、フロントアングル13dは、上端の水平な取付部17aと、その前端から下方に延びる鉛直部17bと、その下端から後方に延びる棚板固定部17cで構成されている(両図(d)参照)。なお、図7中の符号37は、フロントアングル13dの棚板固定部17cの上面に取り付けられた、後述するハンマー下限ストッパ37である。
【0024】
図6に示すように、アングル13の各取付部14a〜17aには、所定位置に複数のシャーシ固定孔18が形成されている。一方、図3などに示すように、シャーシ2には、鍵用軸孔6のすぐ前側、ハンマー用軸穴7のすぐ前側、黒鍵用ガイド11bのすぐ後ろ側、および白鍵用ガイド11aのすぐ後ろ側に、シャーシ固定孔18に対応するように固定孔19が形成されている。そして、シャーシ2の各固定孔19にそれぞれのアングル13のシャーシ固定孔18を位置合わせした状態で、両固定孔19、18に上方から通したねじ20によって、各アングル13の取付部14a〜17aがシャーシ2の下面に固定されている。なお、シャーシ2のハンマー用軸穴7付近の固定孔19は、下方に突出するボス21の下方に開放したボス穴として形成されていて、スイッチアングル13bのみ下方からねじ止めされる。
【0025】
また、シャーシ2および各アングル13には、両者を互いに位置決めするための位置決め突起22および位置決め孔24が、それぞれ形成されている。図3に示すように、位置決め突起22は、例えば1オクターブごとに且つ固定孔19と同じ位置に、前後方向に並ぶように計4個、形成されている。一方、位置決め孔24は、各アングル13の取付部14a〜17aの位置決め突起22に対応する位置に、形成されている。そして、シャーシ2にアングル13を取り付ける際、位置決め突起22に位置決め孔24を係合させることによって、シャーシ2に対して各アングル13が位置決めされる。
【0026】
以上のようにしてシャーシ2に取り付けた4本のアングル13には、図1に示すように、これらにまたがるようにして、補強用の複数のリブ26(図1には1個のみ図示)が、例えば1オクターブごとに取り付けられている。各リブ26は、図8に示すように、前後方向に延びるリブ本体27と、リブ本体27に形成された4個の水平な取付部28とから成り、例えば、1枚の鋼板を金型を用いて曲げプレス加工することによって形成されている。リブ本体27は、アングル13を設けた個所において取付部14a〜17aの付近まで上方に延びていて、その各上端に取付部28が設けられ、各取付部28には取付孔29が形成されている。
【0027】
一方、図6に示すように、アングル13の取付部14a〜17aには、位置決め孔24に隣接してリブ固定孔30が形成されている。リブ26は、その取付部28の取付孔29を対応するアングル13の取付部14a〜17aのリブ固定孔30に位置合わせた状態で、取付孔29およびリブ固定孔30に下方から通したねじ31によって、アングル13の取付部14a〜17a間に固定されている。
【0028】
さらに、図6に示すように、バックアングル13aおよびフロントアングル13dの棚板固定部14c、17cには、棚板固定孔32がそれぞれ形成されていて、シャーシ2は、この棚板固定孔32を介して、ねじ32aによって上方から棚板5に固定されている(図1参照)。
【0029】
また、図1に示すように、シャーシ2には、鍵3およびハンマー4の回動を規制するための複数のストッパが設けられている。これらのストッパは、ストッパアングル13cのすぐ前側の鍵通過孔9と黒鍵用ガイ11bとの間に位置して、シャーシ2の上面および下面にそれぞれ設けられた鍵下限ストッパ34および鍵上限ストッパ35と、フロントアングル13dのすぐ後ろ側に位置してシャーシ2の下面に設けられたハンマー上限ストッパ36と、フロントアングル13dの棚板固定部17cの上面後端部に設けられたハンマー下限ストッパ37とによって構成されている。これらのストッパ34〜37はいずれも、シャーシ2の左右方向の全体にわたる1本の帯状のものとして形成され、表面にフェルトを貼り付けた発泡ウレタンなどで構成されている。
【0030】
また、シャーシ2のスイッチアングル13bのすぐ後ろ側には、鍵3の押鍵情報を検出するための鍵スイッチ38が設けられている。この鍵スイッチ38は、シャーシ2にねじ止めされたプリント基板39と、その上面に設けられたスイッチ本体40とを備えている。スイッチ本体40は、シャーシ2の第3ハンマー通過孔8cに下方から臨んでおり、プリント基板39を介して、電子ピアノの発音を制御する制御装置(図示せず)に接続されている。
【0031】
次に、鍵3およびハンマー4の構成を簡単に説明する。まず、鍵3(白鍵3aおよび黒鍵3b)は、例えばASの射出成形品で構成されており、両側壁と天壁から成る逆U形の断面を有している。鍵3の両側壁の後端部には、内方に突出する突起41が形成されていて、この突起41がシャーシ2の後端部の鍵用軸孔6に係合することによって、鍵3がシャーシ2に回動自在に支持されている。鍵3は、その前部のフック状のストッパ部10がシャーシ2の鍵通過孔9を通りながら回動するとともに、白鍵用ガイド11aまたは黒鍵用ガイド11bにより、左右方向にぶれないように案内される。また、鍵3の回動の上限位置は、そのストッパ部10が鍵上限ストッパ35に当接することによって規制され(図1の状態)、下限位置は、鍵3の下面が鍵下限ストッパ34に当接することによって規制される(図2の状態)。
【0032】
一方、ハンマー4は、例えばABSの射出成形品で構成され、前後方向に延びるハンマー本体42と、鋼板などで構成され、ハンマー本体42の前端部の左右両側に取り付けられた2枚の質量板43(図1に片側のもののみ図示)とで構成されている。ハンマー本体42の後端部には、両側方に突出するピン状の突起44が形成されていて、この突起44がシャーシ2のハンマー用軸穴7に係合することによって、ハンマー4がシャーシ2に回動自在に支持されている。ハンマー本体42のハンマー用軸穴7よりも後ろ側の部分は、スイッチ押圧部45になっており、このスイッチ押圧部45は、シャーシ2の第3ハンマー通過孔8cに臨み、鍵スイッチ38のスイッチ本体40に上方から対向するとともに、このスイッチ押圧部45に、鍵3の下面に設けたアクチュエータ部46が上方から当接している。また、ハンマー4の中央部はシャーシ2の第2ハンマー通過孔8bを上下に横切るとともに、質量板43を取り付けた前端部が、回動時、シャーシ2の第1ハンマー通過孔8cを通るようになっている。また、ハンマー本体42の前端にはストッパ部47が前方に突出して形成されている。
【0033】
以上の構成により、ハンマー4は、鍵3の押鍵時、スイッチ押圧部45が鍵3のアクチュエータ部46で押圧されることによって、図1の時計方向に回動する。ハンマー4の回動の上限位置は、そのストッパ部47がハンマー上限ストッパ36に当接することによって規制され(図2の状態)、下限位置は、ストッパ部47がハンマー下限ストッパ37に当接することによって規制される(図1の状態)。また、このハンマー4の回動に伴い、そのスイッチ押圧部45が鍵スイッチ38のスイッチ本体40を押下し、オン動作させることによって、鍵3の押鍵情報が検出され、その検出結果に応じて、制御装置により電子ピアノの発音が制御される。
【0034】
以上の構成の鍵盤装置1は、例えば、シャーシ2に4本のアングル13をそれらの取付部14a〜17aを介して取り付け、アングル13の取付部14a〜17a間にリブ26を固定し、次いで、シャーシ2のハンマー用軸穴7および鍵用軸孔6に、ハンマー4および鍵3をそれぞれ取り付けることなどにより組み立てられ、さらに、鍵3やハンマー4などの調整を終えた後、棚板5に取り付けられる。
【0035】
以上のように、本実施形態の鍵盤装置1によれば、シャーシ2に左右方向に延びる複数のアングル13が取り付けられていることで、シャーシ2の剛性、特にその長さ方向(左右方向)の剛性が高められるので、この方向に沿うシャーシ2の撓みを抑制することができる。また、前後方向に延びる複数のリブ26が複数のアングル13間に取り付けられているので、これらのリブ26によって、特にシャーシ2の前後方向の剛性を補強でき、ハンマー4の重さなどによって生じやすい鍵3の長さ方向に沿うシャーシ2の撓みを効果的に抑制できる。
【0036】
この場合、アングル13は、シャーシ2全体にわたって1本で構成した場合には非常に長くなるため、これを鋼板の曲げ加工などで製作すると、その直線性を保ちにくく、上下方向の寸法誤差が生じやすいのに対し、リブ26は、アングル13と比べて短くてよいため、金型を用いた曲げプレス加工などによって比較的精度良く作製できる。したがって、アングル13の上記寸法誤差をリブ26の補強によって矯正でき、それにより、シャーシ2の反りなどを防止して、その形状を適正に保つことができる。
【0037】
また、複数のアングル13の水平な取付部14a〜17aがシャーシ2の下面に取り付けられるとともに、この取付部14a〜17a間にリブ26が取り付けられているので、アングル13の上下方向の寸法誤差による悪影響を排除でき、シャーシ2の寸法および形状をより適正に保つことができる。以上により、シャーシ2の寸法および形状を適正に保つことができ、鍵盤装置1の組立精度を高めることができる。
【0038】
さらに、バックアングル13aおよびスイッチアングル13bが、シャーシ2の鍵用軸孔6およびハンマー用軸穴7の付近にそれぞれ配置されていて、シャーシ2のこれらの部分を補強し、鍵用軸孔6およびハンマー用軸穴7の沈下などの変位を抑制するので、鍵3およびハンマー4の回動ストロークのばらつきや、鍵用軸孔6およびハンマー用軸穴7でのがたつきなどを生じるさせることなく、これらを安定して円滑に回動させることができる。同様に、鍵スイッチ38のスイッチ本体40がスイッチアングル13bの付近に、鍵下限および上限ストッパ34、35がストッパアングル13cの付近に、ハンマー上限および下限ストッパ36、37がフロントアングル13dの付近およびこれに直接、それぞれ配置されているので、これら鍵スイッチ38やストッパ34〜37の動作を適切に行わせることができる。
【0039】
また、鍵盤装置1に用いられる88鍵用のシャーシ2は、前述したように、例えば切断線A−A’およびB−B’に沿って切断することによって、76鍵用のシャーシ2’として転用することが可能である。その結果、88鍵用および76鍵用のシャーシ2、2’の金型を共通化できるので、金型費を削減できるとともに、金型調整の負担も軽減できることにより、シャーシ2、2’の製作コスト、ひいては鍵盤装置の製造コストを大幅に削減することができる。
【0040】
また、シャーシ2の切断個所に位置する黒鍵用ガイド11bの付近に切欠12が形成されていて、シャーシ2の切断を、黒鍵用ガイド11bを避け、この切欠12を通るようにして行うことができる。このように、シャーシ2を、その切断の際に邪魔になる黒鍵用ガイド11bを通らずに容易に切断でき、76鍵用のシャーシ2’を容易に製作することができる。
【0041】
図9は、本発明の第2実施形態による鍵盤装置51を示している。この鍵盤装置51は、前述した第1実施形態の鍵盤装置1と比較し、棚板5へのシャーシ2の取付を、アングル13を介さずに、リブを介して行っている点が異なるものである。すなわち、図1との比較から明らかなように、第1実施形態のリブ26は、前端部が三角形状に切り欠かれているのに対し、本実施形態では、リブ52の下面が前端までまっすぐに延びていて、この部分および後端部に形成した棚板固定孔53を介して、リブ52がねじ54により棚板5に固定されている。このため、第1実施形態の前後のアングル13a、13dの棚板固定部14c、17cは、本実施形態では省略されている。他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0042】
したがって、本実施形態の鍵盤装置51によれば、前述した第1実施形態とまったく同様の効果が得ることができる。さらにこれに加えて、アングル13よりも精度良く製作可能なリブ52を介して、シャーシ2が棚板5に固定されているので、鍵盤装置51の高さ精度をより良好に保つことができる。また、リブ26を利用してシャーシ2を棚板5に取り付けることで、別個の取付用部品を省略でき、部品点数の削減を図ることもできる。
【0043】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、88鍵用のシャーシ2を切断線A−A’などに沿って切断することで、76鍵用のシャーシ2’を形成しているが、他の切断線に沿って切断することで、より少ない他の鍵数用、例えば61鍵用や49鍵用のシャーシなどを形成するようにしてもよい。それにより、金型の共通化をさらに促進でき、シャーシの製作コストをより一層、削減することができる。
【0044】
また、実施形態は、本発明を電子ピアノに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、他の電子楽器(例えばシンセサイザなど)や、アコースティックタイプの鍵盤楽器に適用することも可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の鍵盤楽器の鍵盤装置は、異なる鍵数用のシャーシを非常に安価に製作でき、それにより製造コストを大幅に削減できるとともに、組立精度を高めることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による電子ピアノの鍵盤装置の離鍵状態における側断面図である。
【図2】図1の鍵盤装置の押鍵状態における側断面図である。
【図3】88鍵用のシャーシの中間部を省略した平面図である。
【図4】図3のシャーシの側断面図である。
【図5】76鍵用のシャーシの中間部を省略した平面図である。
【図6】4本のアングルの部分拡大平面図である。
【図7】図6のアングルの側面図である。
【図8】リブの(a)平面図および(b)側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による電子ピアノの鍵盤装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 鍵盤装置
2 88鍵用のシャーシ
2’ 76鍵用のシャーシ
3 鍵
5 棚板(楽器本体)
11b 黒鍵用ガイド
12 切欠
13 アングル
13a バックアングル
13b スイッチアングル
13c ストッパアングル
13d フロントアングル
14a バックアングルの取付部
15a スイッチアングルの取付部
16a ストッパアングルの取付部
17a フロントアングルの取付部
26 リブ
51 鍵盤装置
52 リブ
Claims (1)
- 合成樹脂の射出成形品で構成されたシャーシと、
このシャーシ上に左右方向に並び、当該シャーシに回動自在に支持された複数の鍵と、を備え、
前記シャーシは、前記複数の鍵のうちの黒鍵を案内するための立設された複数の黒鍵用ガイドを有し、
前記シャーシには、前記複数の黒鍵用ガイドの1つの前側に隣接し、当該1つの黒鍵用ガイドよりも大きな幅の切欠があらかじめ形成されており、
前記シャーシは、前記1つの黒鍵用ガイドを外側に避け、且つ前記切欠を通るように設定された前後方向の所定の切断線に沿って切断することによって、前記複数の鍵よりも少ない所定数の前記鍵を支持可能に構成されていることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤装置。
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