JP4130468B1 - シート背面テーブルの天板 - Google Patents

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【課題】杖等の棒状体を携えて着座した乗客による棒状体の管理を容易化することができるシート背面テーブルの天板を提供すること。
【解決手段】輸送機に搭載されるシート8の背面81に設けられ、背面81に沿って配置される収容状態(P1)と、引き出されて水平に配置される使用状態との間で移動可能に構成されたシート背面テーブルの天板1において、天板1は、杖等の棒状体7に係合して保持する棒保持部3を有する。棒保持部3は、棒状体7を収容する切り欠き凹部と、切り欠き凹部の内周部から内方に突出するように配設された弾性部材2とを有しており、切り欠き凹部に挿入された棒状体7を弾性部材2の弾性力により保持できるよう構成されていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、鉄道車両等の輸送機におけるシートの背面に配設された折りたたみ式のテーブルの天板に関する。
従来より、例えば、鉄道車両や航空機等の大量輸送機には、多数のシートが縦横に複数列配列されて設置されている。これらのシートには、そのシートに着座した乗客の利便性を向上させるべく、当該シートの前列に配置されたシートの背もたれ背面に、折りたたみ式のテーブル(以下、シート背面テーブルという)が装備されている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、鉄道車両等の輸送機は、不特定多数の乗客が乗り込むものである。例えば、老人や身体的に障害を持つ乗客が乗り込む場合には、杖(ステッキ)等のを携えてくる場合がある。また、一般乗客が傘を持ち込む場合もある。
これらの杖や傘等の棒状体は、鉄道車両等の中で各乗客がシートに着座した状態では単なる荷物となり、適当なところに立てかけたり、転がり落ちないように各乗客自身が把持し続けたりして、常に乗客が棒状体の存在を意識し続ける必要があるのが通常である。
しかしながら、乗客の輸送機内での安全性や快適性を向上させるには、乗客自身が棒状体の管理を容易に行うことができるシステムを構築することが望まれる。
特開2005−96517号公報 特開2006−341752号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、棒状体を携えて着座した乗客による棒状体の管理を容易化することができるシート背面テーブルの天板を提供しようとするものである。
本発明は、輸送機に搭載されるシートの背面に設けられ、該背面に沿って配置される収容状態と、引き出されて水平に配置される使用状態との間で移動可能に構成されたシート背面テーブルの天板において、
該天板は、杖等の棒状体に係合して保持する棒保持部を有し、
該棒保持部は、上記棒状体を収容する切り欠き凹部と、該切り欠き凹部の内周部から内方に突出するように配設された弾性部材とを有しており、上記切り欠き凹部に挿入された上記棒状体を上記弾性部材の弾性力により保持でき、
上記棒保持部は、上記天板に対して移動可能に配設されたユニット体に設けられており、
上記天板を収容状態にしたまま上記ユニット体を略水平な状態とすることができると共に、上記天板を使用状態とした際には上記ユニット体の上記棒保持部の上記切り欠き凹部が前方に向くよう構成されていることを特徴とするシート背面テーブルの天板にある(請求項1)。
本発明のシート背面テーブルの天板は、上記のごとく、棒状体と係合して保持する上記棒保持部を備えている。そのため、杖等の棒状体を携えて輸送機に搭乗した乗客は、シートに着座した際、その棒状体を、前列のシートにおける上記天板の棒保持部に保持させることができる。そして、これにより、乗客は、着座している際に杖等の棒状体が不意に転げ落ちたりすることを心配する必要が無く、搭乗中により安全かつより快適に過ごすことが可能となる。特に、目の不自由な乗客などには、安心感を与えることもできる。
本発明のシート背面テーブルの天板に設ける上記棒保持部は、上記棒状体を収容する切り欠き凹部と、該切り欠き凹部の内周部から内方に突出するよう配設された弾性部材とを有しており、上記切り欠き凹部に挿入された上記棒状体を上記弾性部材の弾性力により保持できるよう構成されている。すなわち、このような構造の場合には、上記切り欠き凹部に配設された弾性部材によって上記棒状体を安定的に保持することができる。
また、上記棒保持部は、上記天板の一部を切り欠いて直接上記切り欠き凹部と弾性部材等を設けることもできる。ただし、この場合には、天板を特定の状態としたときだけしか棒状体を保持することができず、自由度が少ない。
そのため、上記棒保持部は、上記天板に対して移動可能に配設されたユニット体に設けられていることが好ましい。これにより、上記ユニット体の移動可能範囲及び移動可能な方向を種々選択することにより、上記棒保持部の機能をより有効に発揮させることができる。
上記ユニット体としては、上記棒保持部用の切り欠き凹部と上記弾性部材を具備した構造であれば様々な形状を採用することができる。そして、ユニット体の移動態様としては、上記天板の平面方向へのスライド、異なる方向への回動等、様々な移動態様をとりうる。また、その移動機構としても様々な機構を採用することができる。
例えば、上記ユニット体は、上記天板の平面方向にスライドして側面から出没可能に構成してもよい。この場合には、上記棒保持部の機能を使いたいときに上記ユニット体をスライドさせて所望の位置に配置させることができる。
また、上記ユニット体は、上記天板に対して回動可能に構成され略90°及び略180°回動した位置で固定可能に構成されていること好ましい(請求項2)。この場合には、上記ユニット体を略90°回動させて天板面に対して起立させる、あるいは、略180°回動させて天板の側面から突出した状態を実現することによって、上記棒保持部の機能を所望の位置で使用することができる。
また、上記天板には、その裏側面に上記ユニット体を収容する窪みを設けてあり、上記ユニット体は不使用時には上記窪み内に収容されるよう構成されていることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記天板の表側面には上記棒保持部用の特別な窪み等が形成されないので、乗客が普通にテーブルを利用する場合に違和感なく天板を使用してもらうことができ、一方、棒保持部を使用する必要がある場合には、上記ユニット体を適切な位置に移動させて使用することができ、外観上と利便性と両方に優れたものとなる。
(実施例1)
本発明の実施例に係るシート背面テーブルの天板につき、図1〜図9を用いて説明する。
本例のシート背面テーブルの天板は1、図1に示すごとく、輸送機に搭載されるシート8の背面81に設けられ、上記背面81に沿って配置される収容状態(P1)と、引き出されて水平に配置される使用状態(P2)(図4)との間で移動可能に構成されたシート背面テーブルの天板1である。
該天板1は、杖等の棒状体7に係合して保持する棒保持部3を有する。
以下、これを詳説する。
本例は、図1に示すごとく、鉄道車両に搭載されるシート8に本発明を適用した例である。上記シート8は、よく知られているように、その背面81に上記天板1が配設されており、これに回転式のフック82を係合させることによって、収容状体(P1)を維持させることができる。一方、後述する図4に示すごとく、フック82との係合状体を解除することによって、脚部83の上端に対して天板1が所定量回動すると共に脚部83自身がその下端部を中心に所定量回動することによって天板1が水平な使用状態(P2)となるように構成されている。
そして、本例の天板1は、図1〜図4に示すごとく、天板1に対して移動可能に配設されたユニット体30を有し、このユニット体30に棒保持部3が設けられている。
ユニット体30は、図9に示すごとく、全体が略四角形状を呈しており、その一辺部から棒保持部3が設けられている。棒保持部3は、同図に示すごとく、棒状体7を収容する切り欠き凹部31と、該切り欠き凹部31の内周部から内方に突出するように配設された弾性部材2とを有しており、上記切り欠き凹部31に挿入された棒状体7(図1、図4)を弾性部材2の弾性力により保持できるよう構成されている。
ユニット体30内に内蔵される弾性部材2は、図6、図7に示すごとく、略円弧状を呈する基部22から一対の対向部220を延設して略U字状を呈している。対向部220は、互いに向き合うように円弧状に突出した形状を有している。また、図7に示すごとく、対向部220の断面形状も、略円弧状を呈している。そして、対向部220の間隔は、略U字状形状における開口部から内方に入るに従って徐々に狭まり、途中で極小になった後、拡がって中央部分の略円形状の空間229に繋がるようになっている。また、その間隔は、上記基部22の弾性変形によって拡縮可能である。
また、図6、図7に示すごとく、上記一対の対向部220には、拡縮方向と直交する方向に突出するピン部225を設けてある。このピン部225は、後述する第2板部36に設けたガイド穴365内を移動し、その移動範囲以上には対向部220が拡縮しないよう規制するためのものである。そして、特に、子供や障害者等の乗客がフォーク等の道具で弾性部材2を取り出そうとする行為を行った場合にも、それを防止することができる。
なお、この弾性部材2の材質は、例えば、ジュラコン、その他、弾性硬質ゴム、バネ鋼等の材料により形成することができる。
また、弾性部材2は、その基部22にシャフト部231とクロスバー部232とよりなる固定部23を設けてなる。この固定部23は、弾性部材2をユニット体30に固定するためのものであり、その形状としては、その他の様々な形状を採用することができる。
また、ユニット体30は、図8、図9に示すごとく、弾性部材2を収容するために窪ませたざぐり部355を有する第1板部35と、それに重ね合わせる第2板部36とよりなる。第1板部35も第2板部36も、棒保持部3の切り欠き凹部31を構成するための切り欠き凹部350、360を有している。また、第2板部26には、上述したごとく、ピン部225を収容するガイド穴365を設けてある。
そして、図9に示すごとく、第1板部35のざぐり部355内に弾性部材2を配置して、これに第2板部32を貼り合わせることによって、ユニット体30が構成される。
また、図5に示すごとく、天板1の裏側面102には、ユニット体30を収容する窪み12を設けてあり、ユニット体30は不使用時には窪み12内に収容される。そして、ユニット体30は、回動支点39となる位置に、図示しない軸体を挿入して天板1に回動可能に固定されており、図3に示すごとく、天板1に対して、略90°及び略180°回動した位置で固定可能に構成されている。固定機構は、従来よりある公知の様々な方法、例えば、凸部と凹部の嵌合部を設ける等、様々な方法を適用可能である。
次に、上記天板1の使用例を説明する。
図1には、天板1を収容状態(P1)にしたまま棒保持部3を機能させている例を示す。具体的には、天板1の裏面にあるユニット体30を略90°回動させて、略水平な状態に配置する。これにより、その棒保持部3の切り欠き凹部31が外方に向き、棒状体7を挿入することができるようになる。そして、棒状体7を切り欠き凹部31に挿入すると、上述した弾性部材2の保持力により安定的に保持される。
図4には、天板1を使用状態(P2)にして棒保持部3を機能させている例を示す。具体的には、上記収容状体(P1)にある天板1の裏面にあるユニット体30を略180°回動させ、その後、天板1を使用状態(P1)となるように引き出す。これにより、同図に示すごとく、ユニット体30が略水平な状態に配置される。そして、その棒保持部3の切り欠き凹部31が前方に向き、棒保持部3を天板1の前方側から使えるようにすることができる。そして、棒状体7を切り欠き凹部31に挿入すると、上述した弾性部材2の保持力により安定的に保持される。また、この場合には、天板1の後方側、つまり、乗客側のスペースが減少しないので、棒保持部3を使用した場合の違和感がない。
このように、本例の天板1は、棒状体7を携えて着座した乗客による棒状体7の管理を容易化することができる。それ故、搭乗時の乗客の安全性を高められると共に、快適性を高めることができる。特に、目の不自由な乗客などには、安心感を与えることもできる。
(実施例2)
本例は、天板1に配設したユニット体30の移動態様を変更した例である。
すなわち、図10〜図12に示すごとく、天板1の窪み12に配設されたユニット体30が、回動支点38を中心に略90°回動可能であると共に、天板1の平面方向にスライドして天板1の前面側の側面から出没可能に構成した。その他は、実施例1と同様である。
図11に示すごとく、天板1を収容状態(P1)にしたまま棒保持部3を機能させるには、天板1の裏面にあるユニット体30を回動支点38を中心に略90°回動させて、略水平な状態に配置する。これにより、その棒保持部3の切り欠き凹部31が外方に向き、棒状体7を挿入することができるようになる。そして、棒状体7を切り欠き凹部31に挿入すると、上述した弾性部材2の保持力により安定的に保持される。実施例1と同様であるが、その回動支点の位置と回動方向とが異なっている。
図12に示すごとく、天板1を使用状態(P2)にして棒保持部3を機能させる場合には、上記収容状体(P1)にある天板1の裏面にあるユニット体30をそのままスライドさせて天板1の下方(使用時の前方側面)から突出させる。その後、天板1を使用状態(P1)となるように引き出す。これにより、同図に示すごとく、ユニット体30が略水平な状態に配置される。そして、この状態では、実施例1と同様に、棒保持部3を天板1の前方側から使うことができる。
その他の作用効果は実施例1と同様である。
参考例1
本例は、図13に示すごとく、天板1に直接的に棒保持部3を設けた参考例である。
すなわち、天板1の一部の構造を上記実施例1のユニット体30と同様にして、切り欠き凹部31を設けると共に弾性部材2を配設することにより、棒保持部3を設ける。
この場合には、天板1を使用状態とした場合のみ、棒保持部3を有効に機能させることができる。
実施例1における、収容状態にある天板の棒保持部を使用している状態を示す説明図。 実施例1における、天板を裏側面から見た説明図。 実施例1における、天板に対するユニット体の移動形態を示す説明図。 実施例1における、使用状体にある天板の棒保持部を使用している状態を示す説明図。 実施例1における、天板のA−A線(図2)矢視断面図。 実施例1における、ユニット体に組み込まれる弾性部材を示す説明図。 実施例1における、弾性部材のB−B線(図6)矢視断面図。 実施例1における、ユニット体を構成する第1板部を示す説明図。 実施例1における、ユニット体を示す説明図。 実施例2における、天板を裏側面から見た説明図。 実施例2における、収容状態にある天板の棒保持部を使用している状態を示す、(a)背面から見た説明図、(b)上面から見た説明図。 実施例2における、使用状体にある天板の棒保持部を使用している状態を示す説明図。 参考例1における、天板を表側面から見た説明図。
符号の説明
1 天板
2 弾性体
3 棒保持部
30 ユニット体
7 棒状体
8 シート

Claims (4)

  1. 輸送機に搭載されるシートの背面に設けられ、該背面に沿って配置される収容状態と、引き出されて水平に配置される使用状態との間で移動可能に構成されたシート背面テーブルの天板において、
    該天板は、杖等の棒状体に係合して保持する棒保持部を有し、
    該棒保持部は、上記棒状体を収容する切り欠き凹部と、該切り欠き凹部の内周部から内方に突出するように配設された弾性部材とを有しており、上記切り欠き凹部に挿入された上記棒状体を上記弾性部材の弾性力により保持でき、
    上記棒保持部は、上記天板に対して移動可能に配設されたユニット体に設けられており、
    上記天板を収容状態にしたまま上記ユニット体を略水平な状態とすることができると共に、上記天板を使用状態とした際には上記ユニット体の上記棒保持部の上記切り欠き凹部が前方に向くよう構成されていることを特徴とするシート背面テーブルの天板。
  2. 請求項1において、上記ユニット体は、上記天板に対して回動可能に構成され、略90°及び略180°回動した位置で固定可能に構成されていることを特徴とするシート背面テーブルの天板。
  3. 請求項1において、上記ユニット体は、上記天板に対して回動可能に構成され、略90°回動可能であると共に、上記天板の平面方向にスライドして該天板の前面側の側面から出没可能に構成されていることを特徴とするシート背面テーブルの天板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記天板には、その裏側面に上記ユニット体を収容する窪みを設けてあり、上記ユニット体は不使用時には上記窪み内に収容されるよう構成されていることを特徴とするシート背面テーブルの天板。
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