JP4128707B2 - 鉄道車輪接触試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の性能(例えばクリープ力特性)を試験的に把握する際に用いられる鉄道車両接触試験装置に関する。特には、車輪がレール上を走行するときの輪軸の挙動を試験する際に、実際のレールの状況(スラック(軌間拡大)やカーブ内外レールの周差(内輪差)等)を忠実に且つ連続的に再現することができる鉄道車輪接触試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図7は一般的な鉄道車両の輪軸とレール曲線部を模式的に示す図である。
図7に示すように、一般的な鉄道車両においては、車輪50の踏面51に円錐状の勾配が付いている。左右の車輪50は、車軸52に圧入組立されている。左右の車輪50と車軸52とが一体化して輪軸53が構成される。
一方、レールRにおいては、直線部R1の軌道幅B1よりも曲線部R2の軌道幅B2の方が大きくなっている。これは、輪軸53自らの転向性能を利用してフランジ接触力(横圧)を減少させ、安全性(安定性)の向上を図る目的で行われている。
【0003】
ここで、車輪50の踏面51とレールRの頭頂面との接触位置が左右で異なる場合(例えばレール曲線部R2を走行する際)には、踏面51の勾配により左右の車輪50の径差も異なる。このとき、左右の車輪50を同一の車軸52によって同一回転数で回そうとすると、左右の車輪50のいずれか(又は左右いずれも)が微小なすべり状態になる。このような微小なすべり(大きなすべり領域に至らない範囲)状態において、車輪50の踏面51とレールRの頭頂面(接触面)間に発生する接線力を、クリープ力という。
【0004】
このクリープ力は、鉄道車両の蛇行動への影響、輪軸の転向性能、車輪踏面及びレール頭頂面の波状摩耗等を解明する上で、重要な要因である。そのため、鉄道車両をモデル化してクリープ力を試験的に把握することが行われている。従来、このための試験装置として、例えばクリープ試験機(円筒接触試験機)等が用いられている。
【0005】
図8は、従来のクリープ試験機の原理を説明するための模式的斜視図である。
図8に示すように、クリープ試験機は、左右一対の車輪61を備えている。車輪61の踏面62には勾配が付いている。各車輪61は、車軸60の左右端外周にそれぞれ取り付けられている。左右の車輪61と車軸60が一体化して輪軸64が構成される。車軸60の左右端近くには、アクチュエータ(図示されず)が付設されている。同アクチュエータの作動により、ヨー角あるいはアタック角(図8の矢印参照)の設定が可能になっている。さらに、各車輪61に対応して、左右一対の軌条輪63が設けられている。各車輪61と軌条輪63は、踏面同士が接している。左右の軌条輪63は、回転軸65の外周に取り付けられている。この回転軸65は、モータ67に直結されている。モータ67が駆動すると回転軸65が回転し、左右の軌条輪63が同期回転するようになっている。
【0006】
このクリープ試験機の原理は次の通りである。
モータ67の駆動により軌条輪63が回転すると、車輪61も接触回転する。車輪61の踏面62には勾配がついているため、軌条輪63と車輪61の接触位置を変化させると、左右の車輪61の径差が異なってくる。このとき、上述したように、左右の車輪61を1本の車軸60によって同一回転数で回そうとすると、左右の車輪61のいずれか(又は左右いずれも)が微小なすべり状態になる。この微小なすべりを伴う領域において、車輪61と軌条輪63との接触力が干渉し合うと、車輪61単体の挙動を決定するために車軸60が左右に動こうとする力が生じる。そこで、この際の輪軸64(車軸60及び車輪61)の変位や力、さらに輪軸64の輪重、横圧(フランジ圧)、車軸60のトルク等を測定し、車輪輪軸単体の運動特性を把握する。
【0007】
しかしながら、上記従来のクリープ試験機は、以下に述べる問題点があった。
(1)軌条輪63の軌間拡大ができない。このため、上述したレールの直線部と曲線部のような、軌道幅が異なる部分の走行を再現することができない。さらに、レール曲線部を走行する際の内外レールの周差(内輪差)も再現できない。したがって、実際にはレール直線部の走行状態しか再現できない。
(2)軌条輪63を回転軸65にほぼ直角な方向(ヨー角付与方向)にずらすことができない。このため、アクチュエータにより車軸60にアタック角(図8の矢印参照)を付与したとき、輪軸64と回転軸65の軸心が平行にならない。すなわち、車輪61のずれに応じて軌条輪63をずらすことができない。したがって、左右の車輪61と軌条輪63の接触面にずれが生じていた。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、実際のレールの状況(スラック(軌間拡大)やカーブ内外レールの周差(内輪差))を忠実に且つ連続的に再現することができる鉄道車輪接触試験装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の鉄道車輪接触試験装置は、車軸の外周に取り付けられた左右一対の車輪と、 車輪が接触する左右一対の軌条輪と、 車輪に荷重を付加する荷重付加機構と、 軌条輪を回転駆動するモータと、 左右の軌条輪の間隔を変えるスラック付与機構と、 左右の軌条輪の回転スピードを変える変速機構と、 車軸を軌条輪回転軸に対してねじるアタック角付与機構と、 左右の軌条輪を、該軌条輪回転軸にほぼ直角で、リム荷重付加方向にほぼ直角な方向に移動するずらし機構と、 を備えることを特徴とする。
【0010】
スラック付与機構により、軌道幅が異なる部分(レール直線部から緩和曲線部(半径、スラックが次第に変化)や円曲線部に至る過程)の走行を連続的に再現することができる。したがって、より実際走行に近い状況を再現して試験を実施することができる。
ずらし機構により、アタック角付与機構で車軸を軌条輪回転軸に対してねじる場合でも、車輪と軌条輪の接触面にずれが生じない。
変速機構により、左右の軌条輪の減速比を無段階且つ連続的に設定することができる。
【0011】
本発明の鉄道車輪接触試験装置においては、上記スラック付与機構が、左右の軌条輪間に設けられたトリポート継手を含むことが好ましい。また、上記変速機構が無段変速機を含むことが好ましい。
これにより、実体輪軸を用いて、実際のレールを走行するのと同様な条件設定を行うことができる。特に、レール直線部から緩和曲線部(半径、スラックが次第に変化)や円曲線部に至る過程を、より忠実に且つ連続的に再現することができる。
【0012】
なお、本発明によれば、実体輪軸を使用することができるので、左右の車輪の粘着力の相関を得ることもできる。また、本発明の装置を複数台組み合わせることにより、従来の2円筒(輪)試験機を4円筒(輪)試験機とすることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の1実施例に係る鉄道車輪接触試験装置を示す斜視図である。図2は図1の鉄道車輪接触試験装置の一部断面正面図である。なお、以下の説明における上下左右とは、図1及び図2における上下左右を指すものとする。
【0014】
図1に示すように、クリープ試験機1は、試験台3を備えている。同試験台3は、基台3aと、この基台3aから立ち上がった立壁3bからなる。試験台3の基台3a上には、軌条輪側の機構部10が設置されている。一方、試験台3の立壁3bには、車輪側の機構部30が取り付けられている。クリープ試験機1の主要部は、これら軌条輪側の機構部10と車輪側の機構部30とに大別される。
【0015】
まず、軌条輪側の機構部10について説明する。
図1及び図2に示すように、軌条輪側の機構部10は、左右一対の軌条輪11、12を備えている。これら左軌条輪11及び右軌条輪12は、それぞれ左回転軸11A及び右回転軸12Aの外周にそれぞれ個別に固定されている。
【0016】
左回転軸11Aは、2本の支柱13aを介して可変ステージ13に支持されている。各支柱13aは、可変ステージ13の上面から立ち上がり、左軌条輪11を両側から挟んでいる。この支柱13a上端(支持端)と左回転軸11A間には、それぞれベアリング14(図2参照)が介装されている。
右回転軸12Aは、2本の支柱5を介して試験台3の基台3aに支持されている。各支柱5は、基台3aの上面から直接立ち上がり、右軌条輪12を両側から挟んでいる。この支柱5上端(支持端)と右回転軸12A間には、それぞれベアリング16(図2参照)が介装されている。
【0017】
図1に示すように、可変ステージ13は、試験台3の基台3a上に移動可能に設置されている。この可変ステージ13は、スラック付与機構15と、ずらし機構17によって、基台3の上で図1の矢印α及びβ方向にスライド駆動される。
【0018】
スラック付与機構15は、可変ステージ13の右端側部に設けられている。同スラック付与機構15は、アクチュエータ15aとモータ15bを備えている。モータ15bの駆動に伴いアクチュエータ15aが進退することで、可変ステージ13を左右に移動させる。可変ステージ13の左右移動により、左右の軌条輪11、12の間隔を図1の矢印α方向に変えてスラックを付与することができる。
【0019】
ずらし機構17は、可変ステージ13の後端側部に設けられている。同ずらし機構17も、アクチュエータ17aとモータ17bを備えている。モータ17bの駆動に伴いアクチュエータ17aが進退することで、可変ステージ13を前後に移動させる。このずらし機構17の作動により可変ステージ13が移動すると、左側の軌条輪11は図1の矢印β方向にずれて、ヨー角を付与することができる。
なお、これら各アクチュエータ15a、17aに代えて、送りネジ等を用いることもできる。
【0020】
右回転軸12Aの右端には、フライホイール19を介してモータ20が設けられている。右回転軸12Aは、フライホイール19により回転時にぶれどめされる。さらに、右回転軸12Aと左回転軸11A間には、無段変速機(CVT)21が設けられている。同CVT21はトルクコンバータの一種である。モータ20の駆動により右回転軸12Aが回転し、右回転軸12Aの回転が無段変速機21を介して左回転軸11Aに伝達されるようになっている。この無段変速機21により、右回転軸12(入力軸)と左回転軸11(出力軸)間の減速比を無段階且つ連続的に設定することが可能であり、左軌条輪11と右軌条輪12の回転スピードを変えることができる。
【0021】
同無段変速機21は、ベルト伝動装置23と、歯車装置(歯車列)25と、これら両者を繋ぐシャフト27から構成されている。
ベルト伝動装置23は、右回転軸12Aの左端に設けられている。この装置23は、一対のプーリ23a、23bと、これらプーリ23a、23bに巻き掛けられた無端ベルト23cを有する。プーリ23aは右回転軸12Aの左端に固定されている。プーリ23bはシャフト27の右端に固定されている。なお、プーリ23a、23bの径を同一にすれば減速比1:1となる。この条件下では、既存の試験機性能を満たすことも可能である。
歯車装置25は、図2に分かり易く示すように、3段の歯車列からなる。上歯車25aは左回転軸11Aの右端に固定されている。下歯車25bはシャフト27の左端に固定されている。中歯車25cは上下の歯車25a、25b間の遊び歯車である。
【0022】
さらに、左回転軸11Aにおいて、左軌条輪11と歯車装置25間にはトリポート継手29が設けられている。同継手29は、ユニバーサルジョイントの一種である。但し、トリポート継手29は通常のジョイントとは異なり、以下の特徴を有する。
(I)左回転軸11Aと右回転軸12Aをずらしても角速度変化(回転ムラ)が発生しない。つまり、左右回転軸11A、12Aが同一軸心上になくとも(すなわち左右軌条輪11、12が平行でなくとも)、これらに角速度変化(回転ムラ)が発生しない。
(II)左回転軸11Aと右回転軸12Aの相互の距離を許容する。したがって、左右軌条輪11、12が互いに離れる側あるいは近づく側に変位しても、これら相互間の距離変化が吸収される。
【0023】
同継手29によって、スラック付与機構15により左右軌条輪11、12間の間隔を変化させ、ずらし機構17により左軌条輪11を移動させた場合にも、車輪31、32と軌条輪11、12との接触位置を同一に保つことができる。さらに、角速度変化なく位置変化を連続的に付与することも可能になる。
【0024】
次に、車輪側の機構部30について説明する。なお、この車輪側の機構部30については、従来の試験機と同様のものを用いることができる。
車輪側の機構部30は、左右軌条輪11、12に接触する左右一対の車輪31、32を備えている。両車輪31、32は、1本の車軸33の左右両端寄り外周にそれぞれ取り付けられている。同車軸33の両端部(車輪31、32より外側)には、それぞれブラケット35が取り付けられている。左右のブラケット35の上端面同士は、枠組37により繋がれている。この枠組37には、車輪に荷重を付加する荷重付加機構39が設けられている。
【0025】
車軸33は、アタック角付与機構40に接続されている。同機構40は、試験台3の立壁3bの上端に取り付けられている。このアタック角付与機構40は、アクチュエータ40aとモータ(図1参照)を有している。アクチュエータ40aは、リンク40cを介して立壁3bの上端に固定されている。一方、アクチュエータ40aのロッド40bは、ブラケット35に連結されている。アクチュエータのモータは、ブラケット35内部に収容してもよいし、立壁3bの裏側に配置してもよい。モータが駆動してアクチュエータ40aが作動することにより、軌条輪11、12の軸心に対して車輪31、32をねじり、アタック角を付与することができる。
【0026】
なお、本例ではクリープ試験機を例に採って説明しているため、車輪31、32及び車軸33には直接回転力を与える構造にはなっておらず、車輪31、32が軌条輪11、12に接触回転するようになっている。しかし、例えば後述する台車試験装置や車両試験台においては、実際に輪軸をモータ等で駆動して挙動を把握する。これを考慮し、本事例においても、輪軸を直接回転駆動させる駆動装置を追設することができるものとする。
【0027】
次に、上記の構成からなるクリープ試験機1の使用例を説明する。
図3(A)はレール直線部走行を再現した状態における車輪と軌条輪を示す模式図であり、図3(B)はレール曲線部走行を再現した状態における車輪と軌条輪を示す模式図である。
図4は車輪と軌条輪の接触位置の位置関係を説明するための模式図である。
【0028】
モータ20を駆動させると、右回転軸12A及び右軌条輪12が回転するとともに、CVT21及びトリポート継手29を介して左回転軸11A及び右軌条輪11も回転する。右及び左軌条輪11及び12が回転すると、これに接している車輪31、32が車軸33を中心として回転する。
【0029】
そして、まずレール直線部走行時の輪軸(車輪31、32及び車軸33)の挙動を再現する。この場合は、図3(A)に示すように、左軌条輪11及び左車輪31と、右軌条輪12及び右車輪32とのそれぞれの接触位置が車輪の同径の位置になっている。このレール直線部走行の再現時には、左軌条輪11と右軌条輪12とが同一速度で回転するようにCVT21を制御する。
【0030】
次いで、レール直線部走行の状態からレール曲線部走行の状態へ移行させるには、スラック付与機構15、ずらし機構17及びCVT21をそれぞれ作動させる。すなわち、レール軌道幅の変位(スラック)を再現するため、スラック付与機構15のモータ15bを駆動させてアクチュエータ15aを作動させる。アクチュエータ15aが進出すると、可変ステージ13は左側(図1における矢印αの左側)に移動する。これによって、図3(B)に示すように、左軌条輪11は右車輪31の外側面寄りに変位する。この際、例えば、レール直線部の再現間隔(図3(A)の状態)が1067mmであれば、レール曲線部の再現間隔(図3(B)の状態)は可変ステージ13の移動分αだけ増えた1067+αmmとなる。この移動分αは、トリポート継手29によって吸収される。
【0031】
さらに、アタック角付与機構40を作動させて車軸33をずらすこともできる。つまり、左車輪31側のモータを駆動してアクチュエータ40aのロッド40bを進出させる。あるいは、逆に右車輪32側のモータを駆動してアクチュエータ40aのロッド40bを後退させる。このロッド40bの進出によるアクチュエータ40の捩れ度合いは、リンク40cにより吸収される。
【0032】
そして、このアタック角の角度に応じて、ずらし機構17を作動させる。すなわち、モータ17bを駆動してアクチュエータ17aを進出させると、可変ステージ13が前側(図1における矢印βの手前側)へと移動する。つまり、図4に示すように、アクチュエータ17aの作動前には、符号11′の位置にあった左軌条輪が、アクチュエータ17aの作動後には符号11″の位置に移動する。
【0033】
これをさらに詳しく説明すると、アタック角付与機構40の作動前(車軸33がずれる以前)には、右車輪32と右軌条輪12は符号X(図4参照)の位置で接触し、左車輪31と左軌条輪11は符号Y(図4参照)の位置で接触している。この状態から、アタック角付与機構40が作動し、図4において右車輪32にアタック角、左車輪31にヨー角が付与されると、右車輪32と右軌条輪12の接触位置は符号Xから変化せず、左車輪31が符号Y′の位置において左軌条輪11と接触する。この際、左軌条輪11は、ずらし機構17の作動により符号11″の位置に移動している。このため、左車輪31と左軌条輪11の接触位置が符号Yから符号Y′に変化しても、双方の接触位置の重心は変化しない。言い換えると、アタック角付与機構40の作動により車軸33がずれた分は、ずらし機構17の作動に伴う左軌条輪11の移動分で対応し、左車輪31と左軌条輪11の接触位置の重心は実質的に変化しない。したがって、左右の車輪31、32と軌条輪11、12のそれぞれの接触位置を、レール曲線部への移行の前後で同一に保つことができる。
【0034】
さらに、CVT21を制御して、連続的に左右軌条輪11、12に回転差を与え、アタック角度、スラックαを変化させることにより、基本踏面、円弧踏面といった断面形状の異なる車輪に相当する回転差を設定することができる。この際、両軌条輪11、12間では、トリポート継手29により右回転軸12Aと左回転軸11Aとの間で角速度変化(回転ムラ)が発生しない。
なお、輪軸への上下荷重の付与は荷重付与機構39により適宜行うようにする。
【0035】
このように、本実施例によれば、可変ステージ13の移動制御及びCVT21の回転速度制御により、左右軌条輪11、12の回転位相差なく前後・左右・上下変位を付与することができる。したがって、レール曲線部のスラックやカントを忠実に再現できるとともに、レール曲線部の内輪差を忠実に連続して再現することができる。これにより、レール直線部から曲線部に移行する際の状況を連続的に再現することができるので、実際の走行状況に近い試験状態を実現することができる。
【0036】
さらに、本実施例では左軌条輪11のみが変位するように構成したが、右軌条輪12に対しても可変ステージ13、スラック付与機構15及びずらし機構17等を設けることもできる。但し、左右軌条輪11、12の双方の回転速度を個別に制御することは技術的に難しいことがわかっているため、1個のモータ20だけで回転力を与えることが好ましい。
【0037】
なお、本実施例では、クリープ試験機1を例に採って説明してきたが、図5(A)に示すように、本実施例で述べた軌条輪側の機構部10と車輪側の機構部30をそれぞれ2つずつ並べて台車試験装置50を構成することもできる(この台車試験装置50は、図6に示すような状態でレール曲線部を走行する。車輪とアタック角、ヨー角の関係は図6の通りである)。あるいは、図5(B)に示すように、軌条輪側の機構部10と車輪側の機構部30をそれぞれ4つずつ並べて車両試験台60を構成することもできる。これらそれぞれの使用目的は異なるが、本実施例の設定可能な条件をこれらに付加すれば、より実車の走行条件に近い状態での試験が可能となる。但し、台車試験装置は台車の挙動を把握するシャーシダイナモのようなものである。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、カント、スラック、曲線曲率等の複数の状況を連続的に再現することができるので、これまで不可能であった種々の試験が可能となる。これにより、クリープ力だけではなく、輪軸の転向性能をも詳細に知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る鉄道車輪接触試験装置を示す斜視図である。
【図2】図1の鉄道車輪接触試験装置の一部断面正面図である。
【図3】(A)はレール直線部走行を再現した状態における車輪と軌条輪を示す模式図であり、(B)はレール曲線部走行を再現した状態における車輪と軌条輪を示す模式図である。
【図4】車輪と軌条輪の接触位置の位置関係を説明するための模式図である。
【図5】(A)は本発明を台車試験装置に適用した場合を示す模式的斜視図であり、(B)は本発明を車両試験台に適用した場合を示す模式的斜視図である。
【図6】図5(A)の台車試験装置のレール曲線部の走行状態を説明するための模式図である。
【図7】一般的な鉄道車両の車輪とレール曲線部を模式的に示す図である。
【図8】従来のクリープ試験機の原理を説明するための模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 クリープ試験機 10 軌条輪側の機構部
11 左軌条輪 11A 左回転軸
12 右軌条輪 12A 右回転軸
15 スラック付与機構 17 ずらし機構
20 モータ 21 無段変速機(CVT)
23 ベルト伝動装置 25 歯車装置(歯車列)
27 シャフト 29 トリポート継手
30 車輪側の機構部 31 左車輪
32 右車輪 33 車軸
39 荷重付加機構 40 アタック角付与機構
50 台車試験装置 60 車両試験台

Claims (3)

  1. 車軸の外周に取り付けられた左右一対の車輪と、
    車輪が接触する左右一対の軌条輪と、
    車輪に荷重を付加する荷重付加機構と、
    軌条輪を回転駆動するモータと、
    左右の軌条輪の間隔を変えるスラック付与機構と、
    左右の軌条輪の回転スピードを変える変速機構と、
    車軸を軌条輪回転軸に対してねじるアタック角付与機構と、
    左右の軌条輪を、該軌条輪回転軸にほぼ直角で、リム荷重付加方向にほぼ直角な方向に移動するずらし機構と、
    を備えることを特徴とする鉄道車輪接触試験装置。
  2. 上記スラック付与機構が、左右の軌条輪間に設けられたトリポート継手を含むことを特徴とする請求項1記載の鉄道車輪接触試験装置。
  3. 上記変速機構が無段変速機を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車輪接触試験装置。
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