JP3272630B2 - 鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置 - Google Patents
鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置Info
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Description
来線のように軌間寸法が異なるレール上を連続して走行
するために、車輪間隔を変化させることができる鉄道車
両用軌間可変台車に関し、より詳しくは左右一対の車輪
を一体に回転駆動する鉄道車両用軌間可変台車の駆動装
置の改良に関する。
使用されている軌間寸法1435mmの標準軌と、在来
線等に使用されている軌間寸法1067mmの狭軌とが
用いられているが、これらの軌間の異なる軌道上を連続
して走行し得る鉄道車両を開発すれば、乗客の利便性
や、到達時間の短縮、鉄道建設費の低減等、そのメリッ
トは極めて大きい。そこで、従来、種々の形式の鉄道車
両用軌間可変台車が提案されている。
5号公報に記載されているような、車軸に取り付けた左
右一対の駆動モータにより左右一対の車輪を独立して直
接回転駆動するDDM型の軌間可変台車は、駆動モータ
の重量がバネ下重量として付加されること、左右の車輪
の回転を同期させることが難しいこと、および車輪踏面
の傾斜に基づく自己操舵機能を持たないこと等、種々の
解決すべき問題点を有している。
車枠に取り付けてバネ下重量を低減するとともに、左右
一対の車輪を一体に回転させることによる自己操舵機能
を有した鉄道車両用軌間可変台車を先に出願している。
(特開平8−253147号公報参照)
図8を参照して概説すると、車軸1の左右両端部にそれ
ぞれ嵌装されて前記車軸1の軸線方向に変位可能とされ
た左右一対の車軸外筒2L,2Rには、左右一対の車輪
3L,3Rがそれぞれ軸受4L,4Rによって回転自在
に支持されている。一方、台車枠5に取り付けられた駆
動モータ6が発生する駆動力は、撓み継手7を介して減
速歯車8の小歯車9に入力し、この小歯車9と噛み合う
大歯車10を回転駆動する。また、軸受11により車軸
1に対して同軸かつ回転自在に支持された駆動筒12
は、前記大歯車10と一体に回転するようにされてい
る。
軸線方向に長く延びる雌スライディングギヤ13L,1
3Rが形成されている。さらに、左右一対の車輪3L,
3Rとそれぞれ一体に回転するトルク伝達筒14L,1
4Rの先端には、前記雌スライディングギヤ13L,1
3Rと噛み合う軸線方向長さの短い雄スライディングギ
ヤ15L,15Rがそれぞれ形成されている。したがっ
て、駆動モータ6によって駆動筒12を回転駆動するこ
とにより、左右一対のトルク伝達筒14L,14Rを介
して左右一対の車輪3R,3Lを同一の回転数で回転さ
せることができる。また、前記雌スライディングギヤ1
3L,13Rと前記雄スライディングギヤ15L,15
Rとの噛み合い位置の変化により、軌間の変化を吸収す
ることができる。
た先願に係る軌間可変台車においては、駆動筒12と減
速歯車8の歯車ケース16との間に介装された歯車ケー
ス支持軸受17の半径方向内側に、雌スライディングギ
ヤ13L,13Rと雄スライディングギヤ15L,15
Rが位置している。これにより、前記歯車ケース支持軸
受17の直径が大きくなって軸受の周速度が大きくな
る。したがって、軸受が新幹線の高速走行に対しても十
分な耐久性を有するためには、歯車ケース支持軸受17
の直径を小さくする必要がある。
おいては、軌間の変化を雌スライディングギヤ13L,
13Rと雄スライディングギヤ15L,15Rとの相対
スライドにより吸収しているが、軌間をスムーズに変化
させるためには、そのスライド抵抗を更に低下させ得る
構造であることが好ましい。
おいては、駆動モータ6の駆動力を撓み継手7を用いて
減速歯車に伝達しているため、駆動モータ6の端部を減
速歯車8に対して接近させることができず、駆動モータ
6を大型化することができない。さらに、撓み継手7で
は、駆動モータ6と減速歯車8との間の大きな相対変位
を吸収することができない。
術が有する問題点を解消し、新幹線の高速走行に対応す
る十分な耐久性を有するとともに、軌間変更機構の機能
性に優れ、かつ構造がコンパクトで駆動モータを大型化
することができる鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置を
提供することにある。
め、本発明の鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置は、車
軸の両端部にそれぞれ嵌装されて前記車軸の軸線方向に
スライド可能な左右一対の車軸外筒と、前記左右一対の
車軸外筒にそれぞれ軸受を介して回転自在に支持された
左右一対の車輪と、前記左右一対の車輪を回転駆動す
る、台車枠に取り付けられた駆動モータと、前記台車枠
にスライド自在に支持されて前記左右一対の車輪のうち
の一方の車輪と一体に前記軸線方向に変位する、前記駆
動モータが発生する駆動力を減速して前記一方の車輪に
伝達する減速歯車と、前記駆動モータと前記減速歯車と
の間の相対間隔変化および相対角度変化を吸収可能な摺
動型等速継手を用いて前記駆動モータから前記減速歯車
に前記駆動力伝達する駆動力伝達軸と、前記左右一対の
車輪のうちの他方の車輪の前記軸線方向の変位を吸収し
つつ前記減速機から前記他方の車輪に駆動力を伝達す
る、前記車軸と同軸に取り付けられた駆動力伝達手段
と、を備える。そして前記減速歯車は、前記駆動力伝達
軸から駆動力が伝達される小歯車およびこの小歯車と噛
み合って前記一方の車輪に駆動力を伝達する大歯車をそ
れぞれ収納する歯車ケースと、前記大歯車から連設され
てその先端が前記一方の車輪に同軸に接続される筒状部
分と、 前記筒状部分に内嵌されて前記大歯車と一体に回
転するとともにその端部に前記駆動力伝達手段が接続さ
れるトルク伝達筒と、前記トルク伝達筒を前記車軸外筒
に対して回転自在に支持するトルク伝達筒支持軸受と前
記歯車ケースを前記トルク伝達筒に対して回転自在に支
持する歯車ケース支持軸受と、を有する。また、前記駆
動力伝達手段を、互いに同軸な外筒と内筒との間に多数
のボールを介装したボールスプライン筒とする。また、
前記駆動力伝達手段を前記トルク伝達筒に接続する接続
環をさらに備える。そして前記接続環は、環状の厚板か
らなる本体部分と、この本体部分に円周方向に交互に貫
設された、前記本体部分を前記駆動力伝達手段に螺着す
るボルトが挿通されるボルト孔および前記本体部分を前
記トルク伝達筒に螺着するボルトが挿通されるボルト孔
とを有する。また、前記減速歯車を前記台車枠に対して
吊り下げ支持する減速歯車支持手段をさらに備える。そ
して前記減速歯車支持手段は、前記台車枠に支持されて
前記車軸と平行な方向に延びるスライド軸と、このスラ
イド軸にスライド嵌合するスライドハンガーと、このス
ライドハンガーと前記減速歯車との間に介装された吊り
ロッドとを有する。
車の駆動装置においては、駆動モータが台車枠に取り付
けられるので、軌間可変台車のバネ下重量を低減するこ
とができる。また、摺動型等速継手を用いた駆動力伝達
軸を介して駆動モータが発生する駆動力を減速歯車に伝
達するので、軌間変更に伴う駆動モータと減速歯車との
間の相対間隔変化および相対角度変化を駆動力伝達軸で
吸収することができる。また、摺動型等速継手を用いた
駆動力伝達軸は、駆動モータに対する減速歯車の大きな
相対移動をも吸収することができるから、駆動モータの
端部を減速歯車に接近させることができる。これによ
り、駆動モータを軸線方向に延長して大型化し、その出
力を向上させることができる。また、左右一対の車輪を
駆動力伝達手段を介して一体に回転させるので、車輪の
踏面の傾斜に基づく自己操舵機能を保持することができ
る。また、駆動力を前記車輪に伝達する大歯車を歯車本
体と、この歯車本体から同軸に延設されてその先端が車
輪に螺着される筒状部分と、この筒状部分に着脱自在に
内嵌されるトルク伝達筒とに分割することにより、車輪
と大歯車、トルク伝達筒、歯車ケース支持軸受および歯
車ケースの組み立ておよび分解を容易に行うことができ
る。また、駆動力伝達手段はトルク伝達筒の端部に接続
されるので、歯車ケース支持軸受に対して車軸の長手方
向中央部側にずらして配置される。これにより、歯車ケ
ース支持軸受の直径を小さくすることができるから、歯
車ケース支持軸受のシール部の耐久性を向上させ、新幹
線の高速走行にも十分に耐えうるものとすることができ
る。また、車軸外筒とトルク伝達筒との間に軸受を介装
することによりトルク伝達筒の振れをなくし、駆動力伝
達系の振動を防止することができる。また、駆動力伝達
手段をボールスプライン筒とすることにより、左右一対
の車輪間の間隔変化を滑らかに吸収して、軌間変更をス
ムーズに行うことができる。また、駆動力伝達手段とト
ルク伝達筒との間に接続環を介装することにより、車輪
のわずかな傾斜等に起因するトルク伝達筒と駆動力伝達
手段との間のこじりを吸収することができる。これによ
り、左右一対の車輪間の間隔変化の吸収が滑らかに行わ
れるので、軌間変更をスムーズに行うことができる。そ
して、歯車ケースを吊り下げ支持する吊りロッドを車軸
と平行な方向に滑らかに変位させることができるから、
軌間変更に伴う減速歯車の変位に吊りロッドを追従させ
て、減速歯車を確実に吊り下げ支持することができる。
間可変台車の駆動装置の1実施形態を、図1乃至図7を
参照して詳細に説明する。ここで、図1は本発明に係る
1実施形態の鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置を狭軌
対応状態で示す水平断面図、図2は図1の要部を拡大し
て示した断面図、図3は図1中に示した撓み板の構造を
示す分解斜視図、図4は図1に示した駆動装置を標準軌
対応状態で示す水平断面図、図5は図2中に示したA−
A矢視線に沿った断面図、図6は歯車ケース吊りの上部
構造を示す斜視図、図7は可撓歯車式継手の縦断面図で
ある。なお、図8に示した従来の軌間可変台車と同一の
部分には同一の符号を使用する。
鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置100の車軸1は、
図示されない軸箱および軸バネを介して台車枠に支持さ
れ、台車枠に対して揺動変位はするもののそれ自体は回
転しないようにされる。また、前記車軸1の両端部に
は、左右一対の車軸外筒2L,2Rが、標準軌に対応す
る位置と狭軌に対応する位置との間で軸線方向にスライ
ド可能に嵌装されている。一方、前記車軸外筒2L,2
Rには左右一対の車輪3L,3Rが、それぞれ軸受4
L,4Rを介して回転自在に支持されている。これによ
り前記車輪3L,3Rを標準軌に対応する位置と狭軌に
対応する位置との間で変位させることができるが、車輪
3L,3Rを変位させて固定する手順については、上述
した先願に詳述されているので、ここでは説明を省略す
る。
駆動モータ6は、左右一対の車輪3L,3Rの間で、そ
の出力軸21が車軸1と平行となるように図示されない
台車枠に取り付けられる。これにより、本実施形態にお
ける鉄道車両用軌間可変台車のバネ下重量を低減するこ
とができる。
動力伝達軸20および減速歯車30を介して図示左側の
車輪3Lに伝達される。前記駆動力伝達軸20は、駆動
モータ6の出力軸21に組み付けられた第1の摺動型等
速継手22と、前記減速歯車30を構成する小歯車31
に組み付けられた第2の摺動型等速継手23と、これら
第1および第2の摺動型等速継手22,23の間で駆動
力を伝達する駆動軸24とを備えている。前記第1およ
び第2の摺動型等速継手22,23はダブルオフセット
形等速継手とされ、軌間変更に伴う駆動モータ6と減速
歯車30との間の相対間隔の変化、および台車枠に対す
る減速歯車30の揺動に伴う駆動モータ6と減速歯車3
0との間の相対角度変化を吸収できるようにされてい
る。
けられたインナレースとケージおよびボールの組立体2
2a,23aは、図1に示したように車輪3L,3Rが
狭軌に対応した位置にある時には、それぞれアウターレ
ース22b,23bの奥深くに位置している。これに対
して、図4に示したように車輪3L,3Rが標準軌に対
応した位置にある時は、前記組立体22a,23aは前
記アウターレース22b,23bの開口端に位置する
が、前記アウターレース22b,23bの開口端には図
示されないサークリップが取り付けられており、アウタ
ーレース22b,23b内から脱落することはない。な
お、前記アウターレース22b,23bの開口端にはそ
れぞれ図示されないブーツが取り付けられ、第1および
第2の摺動型等速継手22,23の内部は外界から密封
される。
ことは、前記第1の摺動型等速継手22が駆動モータ6
の内部に組み付けられるとともに、前記第2の摺動型等
速継手23が減速歯車30の小歯車31の内部に組み付
けられていることである。これにより、駆動モータ6の
端部を減速歯車30に十分に接近させることができるか
ら、駆動モータ6の軸線方向寸法を大きく設定し、駆動
モータ6を大型化して駆動力を向上させることができ
る。また、第1および第2の摺動型等速継手22,23
の屈曲角度を小さくすることができるので、新幹線の高
速走行に伴う高速回転にも十分に耐えることができる。
なお、前記第1の摺動型等速継手22を、前記出力軸2
1の減速歯車30とは反対側の端部に設けることもでき
る。
車31と大歯車32とを歯車ケース33内に収納したも
のである。前記小歯車31は、小歯車支持軸受34によ
って歯車ケース33に対して回転自在に支持されてい
る。一方、図2に示したように、前記大歯車32のウェ
ブ32aの基端からは前記車輪3L側に延びる筒状部分
35が連設されている。そして、この筒状部分35は、
その先端に立設されたフランジ36を介して車輪3Lに
対して同軸に螺着される。これにより、車輪3Lは減速
歯車30で減速された駆動力により回転駆動される。
35にはトルク伝達筒40が内嵌されている。両者の間
にはキー41が介装され、このトルク伝達筒40は前記
筒状部分35、すなわち大歯車32と一体に回転する。
さらに、前記トルク伝達筒40と歯車ケース33のフラ
ンジ38との間には、歯車ケース33を支持する歯車ケ
ース支持軸受42が嵌装されている。そして、筒状部分
35の内周面に立設されたフランジ37にトルク伝達筒
40の図示左端部43をボルト44を用いて螺着する
と、前記歯車ケース支持軸受42は前記大歯車32と同
軸に、かつ大歯車32に対して車輪3Lとは反対側の側
方に固定される。これにより、減速歯車30を車輪3L
に対して十分に接近させて配置することができる。さら
に、大歯車32を、前記筒状部分35とトルク伝達筒4
0とに分割したので、大歯車32と車輪3L、トルク伝
達筒40および歯車ケース支持軸受42の組み立ておよ
び分解を容易に行うことができるばかりでなく、歯車ケ
ース支持軸受42の直径を小さくすることができる。
とは反対側の端部と前記車軸外筒2Lとの間にはトルク
伝達筒支持軸受45が介装され、このトルク伝達筒40
を車軸外筒2Lに対して同軸に回転支持している。これ
により、トルク伝達筒40の振れをなくして、駆動力伝
達系に振動が生じることを防止できる。
駆動力を図示右側の車輪3Rに伝達する駆動力伝達手段
としてのボールスプライン筒50が、前記トルク伝達筒
40の車輪3Lとの反対側の端部に、車軸1に対して同
軸に取り付けられている。これにより、前記ボールスプ
ライン筒50が前記歯車ケース支持軸受42に対して車
軸1の軸線方向中央部側に位置をずらして配置されるの
で、歯車ケース支持軸受42の半径方向内側にはボール
スプライン筒50が位置せず、歯車ケース支持軸受42
の直径を減少させることができる。したがって、歯車ケ
ース支持軸受42のシール部の周速を低下させ、新幹線
の高速走行に対しても十分な耐久性を持たせることがで
きる。
軸な外筒51と内筒52との間に多数のボール53を介
装したもので、前記外筒51と前記内筒52とは前記ボ
ール53の作用により、軸線方向に滑らかにスライドし
つつ駆動力を伝達することができる。これにより、この
ボールスプライン筒50は駆動力を図示右側の車輪3R
に伝達し、左右一対の車輪3L,3Rを一体に回転させ
ながら、軌間の変化を滑らかに吸収することができる。
なお、このボールスプライン筒50は、車軸1の外周面
に対してわずかな隙間を開けて同軸に延びるように配置
されているので、駆動モータ6を半径方向外側に拡大し
て大型化することができる。
スプライン筒50との間には、撓み板60が介装されて
いる。この撓み板60はバネ鋼板製の環状厚板部材で、
図3に示したように、円周方向に4個乃至6個のボルト
挿通孔61が円周方向に等間隔に穿設されている。そし
て、前記ボルト挿通孔61の周囲には、相手側部材と密
着する密着座面62,63が、両側面に交互に凸設され
ている。この撓み板60は、まず前記ボールスプライン
筒50の外筒51のフランジ54に、ボルト64を用い
て螺着される。次いで、前記トルク伝達筒40のフラン
ジ46にボルト65を用いて螺着される。なお、前記フ
ランジ46には前記ボルト64の頭部を逃げる逃げ部4
7が凹設され、ボルト64とトルク伝達筒40とが干渉
しないようにされている。同様に、この撓み板60は、
車輪3Rに螺着された環状の取付部材70と前記内筒5
3のフランジ55との間にも装着される。これにより、
車軸1の撓みや車輪3L,3Rの微少な傾き、および芯
ずれ等に起因するこじりをこの撓み板60の撓みにより
吸収することができるので、ボールスプライン筒50は
滑らかにスライド変位することができる。
形態の駆動装置100は、図8に示した従来の鉄道車両
用軌間可変台車の駆動装置とは異なり、軌間変更の際に
減速歯車30が車輪3Lと一体に変位する。したがっ
て、減速歯車30を台車枠に対して車軸1の軸線方向に
変位可能に支持する必要がある。そこで、本実施形態の
駆動装置100においては、図5および図6に示したよ
うな歯車ケース吊り80を用いている。
80の吊りロッド81の下端部は、歯車ケース33の下
端部前方に設けられた支持フランジ39に、一対の防振
ゴム82を介して取り付けられている。また、前記吊り
ロッド81の上端部は、一対の防振ゴム83を介してハ
ンガー84に取り付けられている。一方、図6に示した
ように、前記ハンガー84の上端部85は、図示されな
い台車枠にブラケット86を介して水平に支持されたス
ライド軸87に対して、ボールスプライン筒を介してス
ライド嵌合している。これにより、前記吊りロッド81
は、前記スライド軸87により支持されて水平方向に滑
らかに移動することができるから、軌間変更時に生じる
減速歯車30の移動に追従しつつ、確実に減速歯車30
を吊り下げ支持することができる。また、前記吊りロッ
ド81をスライド支持する機構が台車枠に設けられてい
るので、台車のバネ下重量を低減させることができる。
変台車の駆動装置100においては、駆動モータ6が台
車枠に取り付けられるので、軌間可変台車のバネ下重量
を低減することができる。
駆動力伝達軸20を介して駆動モータ6が発生する駆動
力を減速歯車30に伝達するので、軌間変更に伴う駆動
モータ6と減速歯車30との間の間隔寸法の変化を、駆
動力伝達軸20で吸収することができる。そして、摺動
型等速継手を用いた駆動力伝達軸20は、駆動モータ6
に対する減速歯車30の大きな相対移動をも吸収するこ
とができるから、駆動モータ6の端部を減速歯車30に
接近させることができる。これにより、駆動モータ6を
軸線方向に延長して大型化し、その出力を向上させるこ
とができる。
の摺動型等速継手22を駆動モータ6内に、減速歯車3
0側の摺動型等速継手23を減速歯車30の内部に設け
ることにより、駆動モータ6の端部を減速歯車30に接
近させることができる。さらに、一対の摺動型等速継手
22,23間の間隔を広げて摺動型等速継手22,23
の屈曲角度を減少させることができるから、摺動型等速
継手22,23の屈曲角度を減少させて、新幹線等にお
ける走行速度の高速化に対しても十分に対応することが
できる。
スプライン筒50を介して一体に回転させるので、車輪
3L,3Rの踏面の傾斜に基づく自己操舵機能を保持す
ることができる。
ス支持軸受42に対して車軸1の長手方向中央部側にず
らして配置することにより、歯車ケース支持軸受42の
直径を小さくすることができる。
32を歯車本体と、この歯車本体から同軸に延設されて
その先端が車輪に螺着される筒状部分35と、この筒状
部分35に着脱自在に内嵌されるトルク伝達筒40とに
分割することにより、車輪3Lと大歯車32、トルク伝
達筒40、歯車ケース支持軸受42および歯車ケースの
組み立ておよび分解を容易に行うことができる。また、
歯車ケース支持軸受42の直径を小さくすることができ
るから、歯車ケース支持軸受42のシール部の耐久性を
向上させ、新幹線の高速走行にも十分に 耐えうるものと
することができる。
の間にトルク伝達筒支持軸受45を介装することにより
トルク伝達筒40の振れをなくし、駆動力伝達系の振動
を防止できる。
達筒40との間に撓み板60を介装することにより、車
輪のわずかな傾斜等に起因するトルク伝達筒40とボー
ルスプライン50との間のこじりを吸収することができ
る。これにより、ボールスプライン50による軸線方向
の長さの吸収が滑らかに行われるので、一対の車輪3
L,3R間の軌間変更をスムーズに行うことができる。
吊りロッド81を、ボールスプラインを用いたスライド
軸87により車軸1と平行な方向に滑らかに変位させる
ことができるから、軌間変更に伴う減速歯車30の変位
に吊りロッド81を追従させて、減速歯車30を確実に
吊り下げ支持することができる。そして、吊りロッド8
1をスライド支持する機構を台車枠に設けたので、軌間
可変台車のバネ下重量を低減することができる。
車の駆動装置の一実施形態ついて詳しく説明したが、本
発明は上述した実施形態によって限定されるものではな
く、種々の変更が可能であることは言うまでもない。例
えば、上述した実施形態においては、駆動力伝達軸20
に摺動型等速継手22,23を用いているが、これらの
等速継手に代えて、図7に示した可撓歯車式継手とする
こともできる。
の鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置は駆動モータが台
車枠に取り付けられるので、軌間可変台車のバネ下重量
を低減 することができる。また、摺動型等速継手を用い
た駆動力伝達軸を介して駆動モータが発生する駆動力を
減速歯車に伝達するので、軌間変更に伴う駆動モータと
減速歯車との間の相対間隔変化および相対角度変化を駆
動力伝達軸で吸収することができる。また、摺動型等速
継手を用いた駆動力伝達軸は、駆動モータに対する減速
歯車の大きな相対移動をも吸収することができるから、
駆動モータの端部を減速歯車に接近させることができ
る。これにより、駆動モータを軸線方向に延長して大型
化し、その出力を向上させることができる。また、左右
一対の車輪を駆動力伝達手段を介して一体に回転させる
ので、車輪の踏面の傾斜に基づく自己操舵機能を保持す
ることができる。また、駆動力を前記車輪に伝達する大
歯車を歯車本体と、この歯車本体から同軸に延設されて
その先端が車輪に螺着される筒状部分と、この筒状部分
に着脱自在に内嵌されるトルク伝達筒とに分割すること
により、車輪と大歯車、トルク伝達筒、歯車ケース支持
軸受および歯車ケースの組み立ておよび分解を容易に行
うことができる。また、駆動力伝達手段はトルク伝達筒
の端部に接続されるので、歯車ケース支持軸受に対して
車軸の長手方向中央部側にずらして配置される。これに
より、歯車ケース支持軸受の直径を小さくすることがで
きるから、歯車ケース支持軸受のシール部の耐久性を向
上させ、新幹線の高速走行にも十分に耐えうるものとす
ることができる。また、車軸外筒とトルク伝達筒との間
に軸受を介装することによりトルク伝達筒の振れをなく
し、駆動力伝達系の振動を防止することができる。ま
た、駆動力伝達手段をボールスプライン筒とすることに
より、左右一対の車輪間の間隔変化を滑らかに吸収し
て、軌間変更をスムーズに行うことができる。また、駆
動力伝達手段とトルク伝達筒との間に接続環を介装する
ことにより、車輪のわずかな傾斜等に起因するトルク伝
達筒と駆動力伝達手段との間のこじりを吸収することが
できる。これにより、駆動力伝達手段による軸線方向の
長さの吸収が滑らかに行われるので、軌間変更をスムー
ズに行うことができる。そして、歯車ケースを吊り下げ
支持する吊りロッドを車軸と平行な方向に滑ら かに変位
させることができるから、軌間変更に伴う減速歯車の変
位に吊りロッドを追従させて、減速歯車を確実に吊り下
げ支持することができる。したがって、本発明によれ
ば、新幹線の高速走行に対応する十分な耐久性を有する
とともに、軌間変更機構の機能性に優れ、かつ構造がコ
ンパクトで駆動モータを大型化することができる鉄道車
両用軌間可変台車の駆動装置を提供することができる。
台車の駆動装置を狭軌対応状態で示す水平断面図。
図。
水平断面図。
の縦断面図。
置
Claims (4)
- 【請求項1】車軸の両端部にそれぞれ嵌装されて前記車
軸の軸線方向にスライド可能な左右一対の車軸外筒と、 前記左右一対の車軸外筒にそれぞれ軸受を介して回転自
在に支持された左右一対の車輪と、 前記左右一対の車輪を回転駆動する、台車枠に取り付け
られた駆動モータと、 前記台車枠にスライド自在に支持されて前記左右一対の
車輪のうちの一方の車輪と一体に前記軸線方向に変位す
る、前記駆動モータが発生する駆動力を減速して前記一
方の車輪に伝達する減速歯車と、 前記駆動モータと前記減速歯車との間の相対間隔変化お
よび相対角度変化を吸収可能な摺動型等速継手を用いて
前記駆動モータから前記減速歯車に前記駆動力伝達する
駆動力伝達軸と、 前記左右一対の車輪のうちの他方の車輪の前記軸線方向
の変位を吸収しつつ前記減速機から前記他方の車輪に駆
動力を伝達する、前記車軸と同軸に取り付けられた駆動
力伝達手段と、を備え、 前記減速歯車は、 前記駆動力伝達軸から駆動力が伝達される小歯車および
この小歯車と噛み合って前記一方の車輪に駆動力を伝達
する大歯車をそれぞれ収納する歯車ケースと、 前記大歯車から連設されてその先端が前記一方の車輪に
同軸に接続される筒状部分と、 前記筒状部分に内嵌されて前記大歯車と一体に回転する
とともにその端部に前記駆動力伝達手段が接続されるト
ルク伝達筒と、 前記トルク伝達筒を前記車軸外筒に対して回転自在に支
持するトルク伝達筒支持軸受と前記歯車ケースを前記ト
ルク伝達筒に対して回転自在に支持する歯車ケース支持
軸受と、 を有することを特徴とする鉄道車両用軌間可変台車の駆
動装置。 - 【請求項2】前記駆動力伝達手段は、互いに同軸な外筒
と内筒との間に多数のボールを介装したボールスプライ
ン筒であることを特徴とする請求項1に記載した鉄道車
両用軌間可変台車の駆動装置。 - 【請求項3】前記駆動力伝達手段を前記トルク伝達筒に
接続する接続環をさらに備え、 前記接続環は、 環状の厚板からなる本体部分と、 この本体部分に円周方向に交互に貫設された、前記本体
部分を前記駆動力伝達手段に螺着するボルトが挿通され
るボルト孔および前記本体部分を前記トルク伝達筒に螺
着するボルトが挿通されるボルト孔と、 を有することを特徴とする請求項1または2に記載した
鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置。 - 【請求項4】前記減速歯車を前記台車枠に対して吊り下
げ支持する減速歯車支持手段をさらに備え、 前記減速歯車支持手段は、 前記台車枠に支持されて前記車軸と平行な方向に延びる
スライド軸と、 このスライド軸にスライド嵌合するスライドハンガー
と、 このスライドハンガーと前記減速歯車との間に介装され
た吊りロッドと、 を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載した鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09383497A JP3272630B2 (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP09383497A JP3272630B2 (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10278783A JPH10278783A (ja) | 1998-10-20 |
JP3272630B2 true JP3272630B2 (ja) | 2002-04-08 |
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ID=14093428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09383497A Expired - Fee Related JP3272630B2 (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 鉄道車両用軌間可変台車の駆動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3272630B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101250590B1 (ko) * | 2011-09-28 | 2013-04-03 | 현대다이모스(주) | 혼수 방지 구조를 갖는 철도차량용 감속장치 |
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CN112109747A (zh) * | 2020-09-28 | 2020-12-22 | 泉州泉港祥康工业机械有限公司 | 一种物流周转子母车的行走机构 |
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-
1997
- 1997-04-11 JP JP09383497A patent/JP3272630B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10278783A (ja) | 1998-10-20 |
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