JP4850586B2 - スラスト軸受構造体及び台車 - Google Patents
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Description
また、球面軸受は、軸受自体の重量が大きいため、台車の軽量化を図ることが非常に困難であり、ひいては、台車の重量に起因した輪重変動や、地盤振動を増大させる要因となるといった問題も生じている。
さらに、長時間使用した場合、磨耗によって間隙が拡大されることにより、走行安定性を低下させるおそれが生じている。
所定の方向に延在する車軸及び当該車軸に軸支された車輪の一体的な回転を許容するとともに、当該車軸の延在方向における当該車輪の相対位置を固定するスラスト軸受構造体において、
凹部が形成された本体部と、
径寸法の異なる複数の環状部材と各環状部材の間に形成された軌道空間部に配列された複数の転動体とを備え、前記凹部に設けられた軸受部と、
可撓性を有し、前記軸受部における前記車軸の延在方向の両端側に配設された可撓部と、
前記凹部と前記軸受部との間に形成された空間部とを具備し、
前記空間部は、前記車軸の軸心を含む水平面との直交方向から付加される荷重によって前記本体部が押圧され、前記空間部の内方に変位することで、前記軸受部が当該本体部の変位に付随して当該直交方向に押圧されることを阻止し、
前記可撓部は、皿バネからなるとともに、前記車軸の延在方向から付加される荷重によって圧縮され、当該延在方向に変位することで当該荷重を受け、
前記軸受部は、2以上のアンギュラ玉軸受の背面側が接合された組合せアンギュラ玉軸受又は複列アンギュラ玉軸受からなることを特徴とする。
また、空間部は、本体部が車軸の軸心を含む水平面との直交方向から付加される荷重によって押圧され、空間部の内方に変位することで、軸受部が本体部の変位に付随して直交方向に押圧されることを阻止するので、直交方向からの荷重が軸受部に対して付加されることを防止することができる。
さらに、可撓性を有する可撓部が、車軸の延在方向から付加される荷重によって圧縮され、延在方向に変位することで延在方向から付加される荷重を受けるので、従来用いられていた球面軸受と比較して形状寸法及び重量の小さい部材を用いて形状寸法及び重量の低減を図ることで、スラスト軸受構造体の小型化及び軽量化を図ることができる。
そのため、台車走行時における走行安定性、特に、高速域での走行安定性の向上を図ることができる。また、台車の輪重変動や、地盤振動の軽減を図ることができる。さらに、磨耗による間隙の拡大に起因した走行安定性の低下を防止することができる。
ここで、図1は、台車の内部構成を示す縦断面図であり、図2は、車軸の一端を拡大して示す横断面図であり、図3は、スラスト軸受構造体の内部構成を拡大して示す横断面図である。
ここで、図1における車軸2の軸線Lの上下側では、車輪4などの配設位置が異なっており、軸線Lの上側は狭軌の軌間に対応する車輪間隔を示し、軸線Lの下側は標準軌の軌間に対応する車輪間隔を示す。
このような構成からなるころスプラインにより、内スリーブ10及び車輪4は、車軸2に対して左右方向Yにスライド可能で、かつ、車軸2の軸線Lを中心とする回転方向に対してスライド不能となっており、車軸2の回転駆動に合わせて回転するようになっている。
また、図1に示すように、軸箱梁18の下端部には、軌間変更時に軌道上に敷設された図示しない台車支持コロと当接する支承装置24が設けられており、この支承装置24を介して台車を支持するようになっている。
そのため、スライドストッパ受17は、台車枠に対して車軸2を適切な位置に保持するとともに、軸箱梁18の回転軸21を中心に回転することで上下方向Zに移動することにより、上下方向Zに付加される荷重を受けるようになっている。
組合せアンギュラ玉軸受29を構成する単列アンギュラ玉軸受28には、略環状の内輪30と、内輪30よりも径寸法の大きい略環状の外輪31とが具備され、内輪30の外径側と外輪31の内径側とが対向するように配設されている。これら内輪30と外輪31との間には、軌道空間部32が形成されており、この軌道空間部32には、周方向に沿って転動体である複数のボール33が配列されている。また、内輪30及び外輪31の内周壁面上には、これら複数のボール33と内輪30及び外輪31との接触角が0°を超え90°未満となるように、軌道溝34がそれぞれ設けられている。
このような構成からなる組合せアンギュラ玉軸受29は、複数のボール33と、内輪30及び外輪31の軌道溝34とが接触することで、左右方向Yから付加される荷重を受けるようになっている。
以下においては、台車1を具備する車両が狭軌のレールから標準軌のレールに向って走行する場合の作用について説明する。
まず始めに、主電動機に電力が供給されると、主電動機が回転することで回転トルクが発生する。発生した回転トルクは、歯車装置3を介して車軸2に伝達された後、フランジ7、スリーブ8、ころ13、内スリーブ10、車輪4へと順次伝達され、車輪4が回転することによって車両が狭軌のレール上を走行する。
係合状態が解除されると、各車輪4が車軸2の左右方向Yに沿って互いに離間する方向に移動することで、車輪間隔が漸次拡大され、軌間変換区間の終端に到達した時点で、車輪間隔は標準軌と同一となる。
このように、本実施形態における皿バネ36は、従来用いられていた球面軸受と同様の効果を奏するが、球面軸受と比較して形状寸法及び重量が小さいため、スラスト軸受構造体25の小型化及び軽量化を図ることができる。
そのため、台車走行時における走行安定性、特に、高速域での走行安定性の向上を図ることができる。
そのため、高速域での走行安定性の更なる向上を図ることができる。
そのため、台車1の小型化及び軽量化が図られ、台車1の重量に起因した輪重変動や、地盤振動の軽減を図ることができる。また、皿バネ36を用いることで、構造の簡素化や、製造コストの抑制を図ることもできる。さらに、磨耗による間隙の拡大に起因した走行安定性の低下を防止することができる。
2 車軸
4 車輪
25 スラスト軸受構造体
26 本体部
27 凹部
28 単列アンギュラ玉軸受
29 組合せアンギュラ玉軸受
30 内輪
31 外輪
33 ボール
35 空間部
36 皿バネ
X 前後方向
Y 左右方向
Z 上下方向
Claims (2)
- 所定の方向に延在する車軸及び当該車軸に軸支された車輪の一体的な回転を許容するとともに、当該車軸の延在方向における当該車輪の相対位置を固定するスラスト軸受構造体において、
凹部が形成された本体部と、
径寸法の異なる複数の環状部材と各環状部材の間に形成された軌道空間部に配列された複数の転動体とを備え、前記凹部に設けられた軸受部と、
可撓性を有し、前記軸受部における前記車軸の延在方向の両端側に配設された可撓部と、
前記凹部と前記軸受部との間に形成された空間部とを具備し、
前記空間部は、前記車軸の軸心を含む水平面との直交方向から付加される荷重によって前記本体部が押圧され、前記空間部の内方に変位することで、前記軸受部が当該本体部の変位に付随して当該直交方向に押圧されることを阻止し、
前記可撓部は、皿バネからなるとともに、前記車軸の延在方向から付加される荷重によって圧縮され、当該延在方向に変位することで当該荷重を受け、
前記軸受部は、2以上のアンギュラ玉軸受の背面側が接合された組合せアンギュラ玉軸受又は複列アンギュラ玉軸受からなることを特徴とするスラスト軸受構造体。 - 請求項1に記載のスラスト軸受構造体を具備することを特徴とする台車。
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JP2006148513A JP4850586B2 (ja) | 2006-05-29 | 2006-05-29 | スラスト軸受構造体及び台車 |
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